下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
コロナ軽視のトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染! 世界中を衝撃が駆け巡ったが、当初心配だったのは日本の政治家たち。おじいちゃんばかりだし、幹部で会食もしていたからクラスターが起こったらどうするのだ、と心配していたが今のところ大丈夫そう。マスク効果?
第525回(10/1〜10/29発売号より)
1位「竹内結子さん 早逝の実母と分裂家族」(「女性セブン」10月15日号)
2位「竹内結子さん5歳年下夫 中林大樹『天国の妻へ…』涙の決断『14歳長男も俺が守る!』」(「女性自身」10月20日号)
参照「竹内結子さん自殺…イモトアヤコが大号泣した『1通の手紙』『空白の7日間』」(「週刊女性」10月20日号)
3位「杉田水脈議員 厚顔! 口癖は『嘘つき!』懲りない肉声現場」(「女性自身」10月20日号)
芸能界で連鎖のように起こる自殺。そして竹内結子の自死も世間に大きな衝撃を与えた。女性週刊誌もすべてトップ特集は竹内結子というところからも、その衝撃の大きさがわかる。なかでも「女性セブン」は、関連記事合わせて10頁も割くという力の入れよう。内容もまた詳細だ。
幼少期の複雑な家庭環境、たとえば竹内の実母がガンを発症した前後、両親が離婚したこと、実母が亡くなった1年後に実父が3人の男の子を持つ女性と再婚したこと、また家族間のトラブルなど竹内の軌跡を丹念に追っている。
それだけでなく、特集PART2では同じく自殺した三浦春馬との絆や関係、PART3では多くの芸能人から慕われた竹内の実像などが記事化されている。だが、特筆すべきは追悼特集最後の「芸能界でいま本当に起きている残酷なこと」だろう。この記事は、芸能界の裏の事情や実像にスポットを当てることで、現在相次いでいる自殺との因果関係を浮き彫りにしようとしたからだ。
まず、コロナでのドラマの中止や延期問題。これは端役より主役級の俳優に精神的ダメージを与えたという。
「“この作品は延期、この作品は中止”という選択を迫られます。主役級の俳優にとっては“俳優の序列”が如実にわかるというシビアな状況です」(テレビ局の編成担当者のコメント)
また有名俳優は、ドラマがないからといってバラエティへ安易に出るわけにもいかないとの事情も指摘される。さらに、コロナ以前からテレビ局の広告収入が激減し、そのためドラマの予算や俳優のギャラも減る傾向にあること。YouTubeの登場によってどんどん旬な“有名人”が出てはいなくなり、そんな状況で、たとえドラマや歌で大ヒットを飛ばしても、その後安泰という世界ではなくなったこと。不倫や薬物事件などのスキャンダルが発覚すれば簡単に活動自粛に追い込まれること。スポンサーもコンプライアンス意識が高まり、またSNSでの誹謗中傷など、芸能人を取り巻く環境は孤独で過酷なものとなっていると指摘されている。
もちろん、こうした芸能界事情と自殺との因果関係を断定することはできないし、その真相など他人がわかるものでもない。しかし、生い立ちやプライバシーばかりを書き立て“なぜ自殺したのか”とセンセーショナルに報じるだけではなく、こうした芸能界の問題を明らかにする切り口は“あり”だと思う。ワイドショーでは、竹内が常連だったというレストランの店主のコメントをさかんに流していたが、それよりよっぽど有意義だ。まあ、ワイドショーは“自分たちの問題”でもあるから、できるわけないだろうけど。
そんな竹内の自殺関連だが、「女性自身」では唯一、“身内”への直撃に成功している。直撃の相手は竹内の夫・中村大樹の実父Aさん(奈良県在住)、竹内にとっては義父だ。Aさんのコメントから竹内と中村の家族の仲むつまじさが滲み出ているが、さらにいくつもの驚きの事実が。
まず竹内は以前から何度もこの実家に遊びにきていて、コロナ禍では頻繁に電話をよこしていた。また亡くなる前日にも1月に生まれた赤ちゃんを抱っこしてテレビ電話をして、竹内から「コロナがおさまったら、また家族みんなで、そちらに帰りますね」と言われたというのだ。
やはり自殺は不条理だ。特に亡くなった親しい人にとって。こんな状態で翌日、竹内が自殺するなんてAさんも想像できなかっただろう(とはいえ、「週刊女性」では、仲良しのイモトのインスタに必ず“いいね”を押していたが、竹内が亡くなる前の1週間、それが途絶えたとの“異変”も報じられている)。そんなAさんは、家族の今後のことについて息子の中林がこう吐露したことも明かしている。
「2人の子供たちを結子の分も育てていきたい。でも彼らを守るためには一生懸命頑張らないといけない。僕が子供たちを育て上げることが、結子がいちばん喜ぶことなんだ」
実子ではない長男も――。本当に実現してほしい。
これまでにも数々の女性蔑視発言を繰り返してきた自民党の杉田水脈衆院議員。9月25日に行われた自民党の合同会議で性暴力被害者の相談事業を巡り「女性はいくらでも嘘をつけますから」などと発言したことが大きな問題となっているが、これに関して「女性自身」が取り上げている。
杉田議員の発言はまさに女性を蔑視し、性被害者を貶めるセカンドレイプだが、「自身」記事もことの経緯を説明し、また過去繰り返された“夫婦別姓ヤジ”や「LGBTに生産性がない」発言などについて遡って分析している。
その中で興味深かったのが、政治評論家の有馬晴海氏と政治家のブランディング戦略家・鈴鹿久美子氏のコメントだ。
「失言を繰り返しても、自民党内でこういう発言をする人は『女性なのに本当にそう思うのか』と重宝されてしまう。彼女の党内評価は決して悪くないです」(有馬氏)
じいちゃん議員の“本音”を杉田議員が代弁して、評価されているということか。実際、自民党はこれまでもまともな処分や調査をせず杉田議員を放置してきた。これは自民党の問題でもあるという有馬氏の指摘に納得。
次は鈴鹿氏。杉田氏は発言とは真逆のかわいらしい服装であるとして、こんな指摘を。
「杉田さんは圧倒的多数の男性議員に気に入られたい一心なのだと思います。“女性を否定”しながら、“女性を売りにしていかないといけない”と思い込んでいるのかもしれませんね」
男性社会の歪みを“差別”によって体現する杉田議員。だがこの問題を「女性自身」が取り上げたことに意義がある。今のところ他2誌はこの問題を取り上げていないが、女性週刊誌なのだから、今後もこの問題を注視し掘り下げてほしい。



