新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2月29日から約4カ月の休園を経て、7月に営業を再開した東京ディズニーランド&シー。再開当初、両施設を運営するオリエンタルランドは、あらかじめオンライン予約・購入サイトで日付指定券を購入した人のみパークの入園を可能とし、一方で、1年間に何度でも入園することができる「年間パスポート」は使用できないとしたことも影響し、チケット入手は激戦を極めたという。
なお、年パス所持者に対しては、2月の休園時に有効期限延長や返金対応を行うことをアナウンスしていたものの、詳細が明かされないまま入園チケットの販売が開始されたため、ネット上では不満の声が続出していた。
それから2カ月がたった今、入園システムが変更され、パーク内の様子も変わってきているというが、ディズニーファンはそれをどう見ているのか。年間パスポートで東京ディズニーリゾート(以下、TDR?)に足繁く通い、細かなディズニー?雑学などを紹介するブログ「◎◎◎◎」を15年間執筆し続けている人気ブロガー・みっこさんに話を伺った。
(※パークの状況は、8月末のものです)
「年間パスポート」所持者への対応をめぐり、ディズニーファンが対立
――年間パスポート所持者へのオリエンタルランドの対応には、ネット上で賛否がありましたが、みっこさんはどのようにお考えでしょうか?
みっこさん(以下、みっこ) 現在両パークでは、新型コロナの感染防止対策としてショーやパレードを中止しており、運行を休止しているアトラクションや休業しているショップ、レストランもあります。肯定的に捉えるとすれば、有効期限延長や返金対応は、「通常通りの営業とは言い難い状況下で年パスの有効期間を消化させてしまっては申し訳ない」というオリエンタルランド側の気持ちの表れとも言えるでしょう。
ただ、休園していた4カ月もの間、詳しい説明が一切なかったため「ないがしろにされている」と感じる人は多かったと思います。ランドとシーの両方に入園できる共通パスの所持者は、10万円近くを前払いして、いつでも入園できる権利を得ているにもかかわらず、営業再開後は、新たにチケットを購入しなければ入園ができないわけですから。しかも、そんな中で一度売り切れたチケットが追加販売されることもあり、「入れる枠がまだあるのなら、年パス所持者も入れてくれればいいのに」などと、私の周りのDオタ(ディズニーオタクの略)からも否定的な声が上がっていました。中には消費者生活センターに相談した人もいるようです。
――有効期限の延長や返金の方法については、いまだ発表がないため、不安に感じている方も多いでしょうね。
みっこ 年パス所持者がそういった不安や不満を抱え、嘆いていることに対して、年パスを持っていない人たちから「なぜ、年パス所持者は『自分たちを優遇しろ』と要求するのか」と反発の声が上がり、ネット上でファン同士が対立するようになりました。年パス所持者はそれが億劫になってしまい、不遇を主張することをやめる人が多かった印象です。
そんな年パス所持者の思いがようやく届いたのか、オリエンタルランドは8月から、年パス所持者限定の入園枠を設け、抽選を実施するようになりました。1カ月に一度、各日午後2時から入園できるチケットを最大5日分まで申し込みできるというもので、当選した場合は無料で入園可能となります。とはいえ、それまでパークに足繁く通っていた人からすると物足りませんが……。
――営業再開にあたり、両パークでは人数制限や入園時の検温、マスク着用の義務化、ソーシャルディスタンスの確保といった新型コロナ対策を行っており、休園前とはまったく雰囲気が変わっていることと思います。久々にパークを訪れた際、どのように感じましたか?
みっこ 4カ月の休園期間中に、内部塗装の塗り替えや工事が行われていたので、ランドもシーも「園内が綺麗になっていた」というのが率直な感想ですね。また、新型コロナ対策についても、運営側は想像以上にしっかり行っていました。ショップなども出入口を限定した状態で、必ずキャストがそばに立っており、入店時は手を消毒しなければ中に入れないようになっています。アトラクションも、ソーシャルディスタンスを保つために待機列が長くなっていて、メインのアトラクションに乗る前に用意されている前室での「プレショー」も省かれている状態です。
例えば、ランドにある「ホーンテッドマンション」では、バギーに乗る前に通される「天井が伸びる部屋」が解放され、通路になっている状態で、密にならないよう対策が取られていました。本来であれば、プレショーもアトラクションの楽しみの一つなので、パーク側としては従来通りにしたいところなのでしょうが……。
なお、休園期間中にパークを離れたスタッフも多いと聞きました。新人キャストが増え、教育期間を十分に取れていなかったのか、キャストの質が以前と比べると落ちたような印象も一部ではあるといわれています。
また、それよりも問題なのは、パークが再開して2カ月が経過。運営側はしっかりしているのですが、来園者の予防意識が低下している部分もあり、顎マスクの人や写真撮影時にマスクを外し、そのまま着けなかったり、大声で騒ぐ人、適正距離を保たずに列を詰めてくる人も増えてきた印象です。ここはパークではなくゲスト側の責任。今後もしっかりしていきたいところですよね。
レストランやショップの営業状況にご注意!
――通常よりも人が少ないからこそ、ネット上では「アトラクションの待ち時間が全然なくて快適」「人少ないから乗り放題」といった声も見受けられますが、現在のパークのメリットとデメリットについてはどのようにお考えですか?
みっこ まずメリットは、やはりたくさんアトラクションに乗ることができたり、普段は人が多くてじっくり見て回れなかったエリアをゆっくり散策し、建物のディテールを楽しむことができる点でしょう。
ただ、現在はかなり人を入れるようになってきていて、営業を再開して間もなくの頃よりも、明らかに人が増えています。アトラクションやレストランの待機列などでは、必ずソーシャルディスタンスが守られていますが、列に並んでいる人と人との間を通行する人がいたりして、キャストの目が行き届かないところは、新型コロナ流行前と何ら変わりない状態なのです。
一方デメリットとしては、現在コロナ対策でショーやパレード、グリーティングイベントを中止していること。ショーやキャラクター目当ての人は物足りなさを感じてしまうと思います。
――しかも、営業しているショップやレストランが限られているんですよね。
みっこ 大きなレストランは営業していますが、「この席はご利用いただけません」という注意書きが貼られ、席数が半分ほどに減らされています。パークの営業自体も午後8時まで(※9月からは午後9時に変更)に短縮されていて、レストランでは早いところだと午後5時くらいに閉まってしまう店もあるのです。また、ランドでは「ティポトルタ」、シーでは「うきわまん」や「ギョウザドッグ」など、食べ歩きフードを販売しているワゴンもほとんど稼働していないため、これまでと同じ感覚で過ごしていると、夕飯を食べ損ねてしまうなんて場合もありそうです。
それと、ネット上ではあまり話題に上っていませんでしたが、パーク再開後は賞味期限の関係からか、お菓子がアメなどの日持ちするものしかなくて、商品棚がガラガラでした。そのため、普段お菓子を売っているお店でも、キャラクターグッズを販売していたのです。最近は少しずつ戻ってはきていますが、季節ものの限定商品は売られていない状態なので、お土産を買う際に寂しさを感じるかもしれません。
――では、そんな現在の両パークについて、入園者が少ない今だからこその楽しみ方があれば教えてください。
みっこ 現在、オンラインサイトでは午前8時の営業開始時間(※9月からは午前9時に変更)から遊べる「1デーパスポート」と、午前11時、午後2時から遊べる「入園時間指定パスポート」の3種類のチケットが販売されているのですが、1デーパスポートの購入をオススメしたいです。というのも、営業再開後は以前に比べ、朝の時間帯に人が少なく、どこもガラガラ状態なので、アトラクションを存分に楽しめるかと思います。でも、午後2時からの時間指定パスポートで入園すると、休日は特に、通常時とあまり変わらない混み具合になってきています。
なお、シーの人気アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」に関しては、朝イチで入ったとしても、待ち時間が100分を超える場合があります。また、今は運行を休止しているアトラクションや閉鎖中のエリアも多いので、公式サイトで事前に確認しておくことが必要かと思います。
――そのほか、入園時に気を付けておくべきことはありますか?
みっこ チケット購入サイトでは、スマホで購入し、画面に表示されたチケットをエントランスにかざすだけで入園できるデジタルチケットか、スマホやパソコンで購入したチケットを自分でプリントアウトする、もしくは自宅まで配送してもらうという紙チケットのいずれかを選ぶことができます。ただ、現在主流となっているデジタルチケットは、クレジットカードでしか購入ができないため、再開直後のパークは大人、特にDオタの人が多かったように思います。
夏休み期間に入ると、学生や家族連れも増えました。特に若い世代には羽目を外しがちで、マスクを顎まで下げていたり、写真撮影のためにマスクを外して、そのまま付けない人が多く、ソーシャルディスタンスが守られていないシーンも多々見受けられましたね。キャストも注意喚起を行っていますが、ソーシャルディスタンスを保つがゆえに、通常よりも待機列が長くなり、その分、目の行き届かない場所も増え、“注意しきれていない”というのが正直なところ。ゲスト一人ひとりがしっかりとした意識を持ち、新型コロナ対策を万全した上でパークを楽しみたいですね。