羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「恋焦がれているような人に会いに行く感覚なので、手土産の一つも持っていきたくなる」アンジャッシュ・渡部建
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、6月3日)
緊急事態宣言が出されているにもかかわらず、NEWS手越裕也が複数の女性を集めて、飲み会を開いていたことを5月21日号の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。記事には女性とのLINEのやりとりも掲載され、言い逃れはできない状態だけに、多くのファンはがっかりしたことだろう。しかし、落胆しているファンのみなさんには申し訳ないが、私は「いい青年じゃないか」と思ってしまった。
というのも、手越はLINEで、女性と「20:30」に待ち合わせをしていたが「タクシーで来るでしょ?」「領収書もらってきてねー」と自分がタクシー代を出す意志があることを示している。会う前に自分から女性に対し、「カネを出す」意志を表明していることが素晴らしいと感じたのだ。
今の若い人はワリカンが主流で、女性はおごってもらうことを負担に感じるという話を聞いたことがある。そういう考えの人たちは「なぜ、タクシー代を出してもらう必要があるのか」と思うかもしれないが、「自分の都合」もしくは「バレてはいけない関係、もしくは用事」で「夜遅くに」「女性を」呼び出すときに、こうした対応を取れない人は、「安全面を考慮できない」という意味で、オトナとしてちょっと足りないと私は思う。
こう言っても、若い世代は「別に20:30は遅くない」「女性は自分が行きたくて行くわけだから、お金は必要ない」と思うかもしれないが、カネを使うことに代表される「相手への配慮」を怠ると、自身を窮地に追いやる可能性もあるのだ。
そんなカネを使わない男の末路のサンプルケースになるのが、アンジャッシュ・渡部建ではないだろうか。
6月9日、渡部がテレビ各局に番組出演を自粛する意向を申し入れた。その時点で、理由が明かされていなかったので、いったい何が起きたんだとSNSがザワついたが、6月18日号の「週刊文春」(文藝春秋)によると、女優・佐々木希と結婚し、一児の父でもある渡部が、複数の女性との不倫を認めたという。そのうちの一人である女性Bさんによると、密会場所は六本木ヒルズの地下駐車場に隣接した多目的トイレ。渡部は地下2~4階にあるトイレをチェックし、誰もいないフロアを確認して、そこにBさんを呼び出していたそうだ。行為の所要時間は35分。帰り際に1万円を渡してきたそうだが、場所代0円の不倫である。
場所代がかからない不倫と言えば、俳優・原田龍二も、車の中で女性と不倫していることを「文春」に撮られてしまった。原田が女性を車でピックアップして、郊外の公園に移動して、そこに車を停めると、女性の隣に移動してきて下半身をポロン。10分で終わるというスピード不倫だったそうだ。
原田も渡部も不倫に場所代、さらに時間をかけないという共通点がある。どちらも気持ち悪いが、より嫌悪を抱くのは、私の場合、断然、渡部のほうだ。なぜなら、原田は不倫相手の女性を「最寄り駅まで送っていた」そうで、最低限、相手の安全に気を配っていると見ることができる一方、渡部にそういった配慮はなかったらしく、加えて「人の何倍も気が使えるタイプなのに、不倫相手には気を使わない」ことが見て取れるからだ。
◎ミスター自己管理だから「無駄なもの」に金を払わない?
6月3日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演した渡部は、グラビアアイドルで、最近は高級料理研究家として活動する辰巳奈都子とグルメタレントの在り方についてやりあって見せた。辰巳が「渡部さんは飲食店にあいさつとして、手土産を渡しているが、あれをやめてほしい。ほかの人のプレッシャーになる」と抗議すると、渡部は手土産を持っていく理由を「恋焦がれているような人に会いに行く感覚なので、手土産の一つも持っていきたくなる」「好きなお店のシェフを笑顔にしたい」「いつもお世話になっているから、お礼がしたい」と純粋な気持ちであることを説明した。要は、渡部は好きな人、大事な人、お世話になっている人なら、カネを使うということを意味するのではないだろうか。飲食店は手土産を期待しているわけではないだろうが、気を使ってもらって悪い気はしないだろう。こういう気配りが飲食店側にも好ましく思われているから、芸能界のグルメ王という地位を築けたのかもしれない。
渡部と言えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、これだけ外食続きなのに体形を維持していることから、「ミスター自己管理」と呼ばれていたことがある。太らないコツとして、夜に外食したら歩いて帰ることや、食べたら最低でも3時間は起きている(すぐに寝ない)ことを明かしていた。体重は維持できても性欲は我慢できなかったのかと言う人もいるかもしれないが、Bさんには失礼ながら、自己管理が徹底しているから、無駄なものにカネを出さなかったと言えるのではないだろうか。
セフレや不倫など、人に言えない関係というのは、当人同士が納得しているのなら、一概に悪いとは言いきれないと思う。しかしそういう関係こそ、ルールやマナーがあり、その中心にあるのは「安全性を保つこと」ではないだろうか。関係や行動がバレない、つまり安全を守るためには、移動や場所にカネを使うべきだし、一方がこの関係を遊びと捉えているなら、相手に不満を抱かせないためにも、さらなるカネやプレゼントは不可欠である。特に顔が売れている芸能人はケチってはいけない。一昔前の週刊誌なら、お相手の一般人の訴えなど無視しただろうが、今は「文春」をはじめとして、ネットから編集部に直接タレこめる時代である。ささいなことで相手側から恨みを買うと、芸能活動を自粛しなくてはならなくなるかもしれないのだから。
『今夜くらべてみました』で、シェフへの手土産は「たいしたものじゃなくていい」「そういうのってお金じゃないから」と説明していた渡部。その気遣いを「お世話になっている」女性に向けていたら……と思わずにはいられないが、時すでに遅し。しばらく反省するしかなさそうだ。
