韓国のみならず、日本や中国でも人気のK-POPアイドル、EXOのメンバー・チェンがファンの尋常ではないアンチ行動に悩まされている。
今月に入り、EXOのファンを自称する一部の熱狂的なコミュニティがチェンのグループ脱退を要請するため、バスの広告を使用すると宣言。「私たちが描く未来にチェンはいらない」「チェンの脱退を求める」と言った文言をバスにラッピングし、あろうことかチェンの故郷である京畿道始興市に5台も走らせると息巻いた。さらにSNS上では、実際にこの文言を掲載したバスの写真も拡散され、大きな波紋を呼ぶことに。
なぜ、チェンはこれほどまでの批判に晒されることとなったのか。発端は1月にチェンの「デキ婚」が報じられたことだ。韓国においても、アイドルの熱愛報道は日本同様に大々的に報じられるが、現役で活躍中のアイドルが結婚、しかも相手が妊娠しているといった例は前代未聞。所属事務所のSMエンターテインメントは結婚を認め、「今後もチェンはアーティストとして、変わりなく一生懸命に活動する姿でお応えする」とコメント。チェン自身も直筆の手紙で「僕に祝福が訪れました」と妊娠を暗に認めるような言葉を記している。
「韓国では結婚より先に子どもを授かることを『速度違反』と呼び、批判的に捉えられる風潮がいまだにあります。儒教思想が根付いているため、婚前交渉はタブーという見方が一般的なんです。そのため、チェンの『デキ婚』ニュースは衝撃が大きかった。日本では嵐の二宮和也さんが結婚して、ファンも阿鼻叫喚でしたが、二宮さんと違ってチェンはまだ20代で兵役も終えていないし、なによりファンも若い。結婚や妊娠の事実を受け入れられない若いファンの多くが、アンチに転じてしまった印象です」(韓流メディア編集者)
アンチたちの行動は、事務所のイベント施設前でデモを開催したり、事務所付近に脱退要請のメッセージが書かれた電光板を乗せた車を走らせたりと、加熱する一方。さらには、購入していた過去のEXOのCDを大量に事務所宛てに送付するなど、直接的な営業妨害にまで至っている。こうして冒頭の「バス広告」という非常識な手段にまでたどり着いたわけだ。
「韓国のファンは『とことんやる』のがお決まり。アイドルの家まで追っかけるのは朝飯前で、トイレにまでついて行ったりしますから。ファンの愛情がいきすぎてアンチに裏返るとさらに恐ろしいことに。有名なのは東方神起のユノの事件で、ファンに接着剤入りのジュースを飲まされて病院に運ばれたことがあります。2PMのテギョンは生理の経血で書かれたメッセージを送られたことも。最近だとBTSのジミンに何度も殺害予告が届き、TWICEのナヨンはストーカー被害に遭い事務所が刑事告発しました」(同)
こうした事件は「K-POPあるあるだ」と前出の韓流メディア編集者は言うが、ファンの行きすぎた迷惑行為がアイドルの精神を蝕むケースも多発している。
「昨年、自殺した元KARAのク・ハラや元f(x)のソルリは、SNS上での悪質な書き込みに悩まされ続けていました。ほかにもファンの嫌がらせをきっかけに、活動休止に追い込まれるアイドルも。事務所も法的措置にでるなどの対応をしているのですが、正直アイドルへのケアが行き届いていない印象です。今回のチェンへの行動も異常ですよ。事務所と韓国のメディアが連携して、もっとファンへの啓蒙活動をすべきではないかと思います」(韓国現地新聞の記者)
今回の悪質なバス広告は、ファンの問い合わせを受けた行政側が動き、結局は撤去されることになったそうだが、アンチによるチェンへの脱退要請は今後も続きそうだという。韓国を代表する文化となった「K-POP」だが、アイドルの人権にまつわる諸問題には課題が残されているようだ。

