新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないアメリカ。ニューヨーク州の患者数は、現地時間3月17日で1,374人。16日にニューヨーク州知事は、ニュージャージー州知事、コネチカット州知事との共同声明において、感染の拡大を阻止するため「16日午後8時から、3州のレストランおよびバーは、テイクアウトかデリバリーに限り営業を認める」「映画館、ジム、カジノは完全に閉鎖する」「50名以上の集会を禁止する」といった旨の決定を発表した。
すでにブロードウェイの全ミュージカル劇場、多くのコンサート会場や美術館は閉鎖されており、昼夜問わず多くの人でにぎわうニューヨークの街中は、がらんとしている状態。SNSには先週末から「眠らない街のはずのニューヨークが、眠ってしまった」という嘆きが相次いで投稿されている。
そんな中、ニューヨーク市クイーンズ出身のギャングスタ・ラッパー、50セントが、地元のストリップクラブに繰り出し、気前よくドル札をまき散らしたと報じられた。
米ニュースサイト「TMZ」によると、50セントがストリップクラブに繰り出したのは、14日の夜。「スターレッツ・ジェントルメンズ・クラブ」に、50セントはマスクもゴム手袋の着用もなしで繰り出した。欧米人にはマスクの習慣はないが、今回のコロナ騒ぎで使用し始めたセレブが続出。もともと潔癖症で、航空機で移動する際には「マスクやゴム手袋だけでなくゴーグルや防護服まで着用する」と明かしたスーパーモデルのナオミ・キャンベルほどではないにせよ、マスクやゴム手袋を着用するセレブは今、とても多い。
50セントは、その手の防護策を一切講じないまま、「感染源になりやすい」とされるドル紙幣を束で持参。終始上機嫌だったようで、「TMZ」はストリッパーに向かってドル札をまき散らす50セントをとらえた映像も公開。ストリッパーはもちろんのこと、クラブにいる人の中でマスクを着けている人はいなかった。
この報道に、ネット上はたちまち炎上。「そりゃあ過去に9発も撃たれるはずだわ。危機感なさすぎ」「バカ丸出し」「『性器ヘルペスウイルスを移された』って元カノに訴えられてたよね。“感染慣れ”してるんじゃない?」と大バッシングされ、「新型コロナの存在すら知らないんじゃない? 誰が教えてあげたら?」とまでバカにされる始末。
だが、50セントは新型コロナウイルスの存在を無視しているわけではない。1日にニューヨークで初感染者が出た時には、インスタグラムに、ネットで話題になっていた「ニューヨーク・ヤンキースの帽子をかぶった新型コロナウイルス」の画像を転載し、「とうとうニューヨークにも来た」と身構えている。その後も、「スピード違反で捕まえた男が、『俺はコロナウイルス感染者だ』と書かれた紙を車の窓越しに掲げ、戸惑う警官」の写真や、ニューヨークでもトイレットペーパーやアルコール消毒剤の買い占めが始まり、購入できなくなったことを揶揄する写真や動画を次々と投稿。
ほかにも、吐息がかからないよう「バック(後背位)でセックスしよう」と提案する画像、「頻繁にセックスすればコロナウイルスを殺せる」というCNNニュースを装ったコラージュ画像など、パニックになる人たちを落ち着かせるための「冗談」のように見受けられる画像などもアップした。14日にストリップクラブに繰り出したのも、客が少なくなり困っているストリッパーたちの役に立ちたいという気持ちがあったのだろう。
50セントがストリップクラブに行った翌15日、ニューヨーク市長がすべてのナイトクラブ、映画館、コンサート会場を閉鎖する旨を発表。この速報記事を、50セントは「死ぬわ。いや、死んでるんだからリラックスしろよ」というやけくそ気味のメッセ―ジと共にインスタグラムに投稿。自身がプロデュースするコニャックの商品名をハッシュタグにしたうえで、「酒もってこい」という一言も添えられており、ネット上では「さすがギャングスタラッパー、かっこいい!」「どんな時でも金もうけを忘れない商魂がすごい」と、マイペースな彼に、ある意味尊敬が集まっていた。
新型コロナ騒ぎにうんざりしているような50セントだったが、俳優イドリス・エルバが同ウイルスに感染したことを公表した動画を見てさすがに動揺したようで、「くそっ。もう二度と外には出ないぞ」と宣言。NBAブルックリン・ネッツの人気選手ケビン・デュラントが感染したという報道には、「ちくしょう!」と憤りをあらわにしており、さすがの50セントも危機感が高まっているようだ。
レディー・ガガ、テイラー・スウィフト、マイリー・サイラス、アーノルド・シュワルツェネッガーら数多くのセレブたちがSNSで「高齢者を感染させないように外出を控えよう」と呼びかけており、若者たちの間でも危機管理意識が高まっているアメリカ。歌手ビービー・レクサは「45歳とまだ若い友人が、新型コロナに感染して亡くなった。この病気を甘く見ないほうがいいよ」とツイート。44歳の50セントがこの投稿を見たら、ますます萎縮してしまうかもしれない。