大人こそ性教育の“答え合わせ”をしよう 性教育YouTuberシオリーヌさんインタビュー

「安全日には避妊しなくても妊娠しない」
「射精するときだけコンドームをつければ大丈夫」
「オーラルセックスでは性感染症対策は必要ない」

 これらは全て、誤った性の知識です。

 性についてしっかり学ぶ機会がないまま大人になったという人は、実は少なくないのではないでしょうか。

 大人だからこそ! 性の知識をもう一度、学び直してみませんか?

 助産師で性教育YouTuberのシオリーヌさんは、「コンドームの正しいつけ方」「正しい避妊法」「予定外の妊娠のときどうしたらいい?」などの性の知識を老若男女に伝えるべく、YouTubeで動画配信を行っています。

 シオリーヌさんに、性について抱きがちな誤解や、大人こそ性教育を学び直すことが大切な理由について聞きました。

シオリーヌ(大貫 詩織)/助産師・性教育YouTuber
総合病院産婦人科にて勤務ののち、現在は学校での性教育に関する講演や性の知識を学べるイベントの講師を務める。性を学ぶオンラインサロン「yottoko labo」オーナー。 YouTuberとして性を学べる動画をYouTube配信中 !

まず、自分の体の仕組みを知らない

——シオリーヌさんが性教育YouTuberとして活動を始めたきっかけについて教えてください。

シオリーヌ:大学を卒業後、助産師として働いていたのですが、病院で妊婦さん達とお話していると、妊娠の仕組みや避妊法の活用など具体的なスキルを知らない方が多いとわかったんです。
 「妊娠週数って前回の生理から数え始めるんですね」「出産予定日って40週0日のことなんですね」「赤ちゃんって予定日にピッタリ生まれるものだと思ってました」と言うお母さんも多かったです。
 なかには、予期しないタイミングで妊娠された方や、妊娠という出来事に気持ちがついていけない方もいます。だから、妊娠する前に伝えなくてはいけないことがたくさんあると思いました。
 妊娠や出産はもちろん、セックスや避妊の方法を自分の力でしっかりと考えて選択できるようにするためには、中高生くらいの段階で知識を持っている必要があるんじゃないでしょうか。
 それで私にできることはなんだろうと考え、助産師3年目のときにネットで性教育にまつわる発信を初めて、
現在のような活動に広がっていきました。

——男女を問わず、セックスや避妊、生理などの知識が不確かなまま大人になった人は多いのではないかと感じます。

シオリーヌ:今の日本の不十分な性教育を受けてきたら、多くの人がそうなると思います。中高生くらいから、友達からの話やメディアで得た知識を一生懸命組み合わせて自分なりの答えを導き出すけど、それが正しいか間違っているのか教えてくれる人もいなくて、大人になってからも漠然とした知識の中、なんとなくセックスをこなしている人も多いですよね。

――それぞれが持っている性の知識も全然違いますよね。“答え合わせ”が必要だなと思います。

シオリーヌ:私の動画へのコメントでも「これを学校で教えてほしかったです」「ずっと勘違いしてました」というコメントをいただくこともよくあるんです。
 また、中高生など若い世代の間には、大人たちからセックスにまつわる知識を曖昧にしか教えてもらえないことへの不満のようなものがあると感じています。
 ネットや雑誌などでやんわりとした情報は入手できても、そこにある情報って玉石混交です。正誤の振り分けを自分でするのは難しいですし、教えてくれる大人も周りにいないので、子どもたちも戸惑っていると思います。大人としてはこうした状況を放ってはおけないですし、積極的に口を開いていかないといけないなと。

どんな性教育を受けられるかは「運ゲー」
——日本の性教育は未だに不十分で、今の小中高生たちもしっかりとした性教育を受けられていないのでしょうか。

シオリーヌ:学校で行われる教育は文部科学省が作っている学習指導要領に基づいて行われるのですが、中学校の指導要領には「妊娠・出産に関しては受精から出産に関しては扱うけれども、妊娠に至るまでの経過は取り扱わないものとする」という「はどめ規定」というものがあるんです。つまり、具体的なセックスの話はしてはいけないので、保健の教科書にも精子と卵子がどうやって出会うかという解説はほとんど載っていないんです。
 なので、たとえば「性感染症は“性的接触”によって感染します」という説明はあっても、性的接触の定義はどこにも書かれていないんですね。それだと、なにが性的接触に当たるのか、オーラルセックスやアナルセックス、キスによっても感染するのかどうか、わかりませんよね。

——解釈が子どもたちに委ねられているのですね。

シオリーヌ:ただし、性教育で取り扱う範囲はある程度、学校側の裁量に任せられているんです。 なので、熱意のある先生が子どもたちのためにより具体的な話をしている学校もたくさんあります。たとえば私と同世代の友人にも、公立高校で性教育の一貫としてコンドームを装着する練習をしたよという人もいます。
 とはいえ、どの学校に通うかによってじゅうぶんな性教育が受けられるかどうかが左右されてしまうのは、子ども達にとってはものすごいリスクですよね。

——中高の時にどんな性教育を受けるかで、その後の人生が変わる部分もあるのでは。

シオリーヌ:公立学校の先生は転勤があるので、熱意のある先生が異動になった瞬間に性教育の授業のレベルが下がってしまうこともよくあります。子ども達が必要な知識を平等に得るためには、学習指導要領自体がもっと発展的な内容に変わる必要があるだろうと思いますね。

性について話すこと≠自分のプライベートをオープンにすること
——シオリーヌさんが子どもたちに性教育の話をすると、どんな反応が返ってきますか?

シオリーヌ:未就学から小学校低学年あたりまでは、「赤ちゃんはどうやってできるんだろう」とか「どうしておちんちんがある人とない人がいるの?」とか、純粋な好奇心が強いので、セックスの仕組みを淡々と説明すると「へー!」という感じで終わります。教室内で照れやからかいの“笑い”が起き始めるのは、小学校高学年から中学生くらいまでという印象です。

——子どもが純粋な興味や疑問を持った段階であれば、性について「恥ずかしいこと」「いけないこと」というイメージにつなげずに伝えられるのですね。

シオリーヌ:普通に喋ることがすごく大事だと思うんです。大人の方が、性へのタブー視が強い場合も多いですよね。たとえばお子さんから「赤ちゃんってどうやってできるの?」って聞かれたときに身構えてしまう方もいると思いますが、自分はなぜ性の話題にギクッとしてしまうのか、そのタブー視はどこからやってきたのか、ぜひその価値観と向き合ってください。

――子どもから性への純粋な質問を受けてギクッとしてしまった時、どう答えればよいのでしょうか。

シオリーヌ:お子さんから「お父さんとお母さんはどうやって子どもをつくったの?」「セックスってどういう風にやるの?」と聞かれると、子どもに対して自分のプライベートをオープンにしなきゃいけないような気がして抵抗があるというお話をよく聞きます。親自身がじゅうぶんな性教育を受けてきてなかったので、性に関する話を「一般教養」ではなく「エッチなもの」とみなしていて慌ててしまう親御さんも多いんです。
 もし子どもに聞かれた時は、「精子と卵子は、セックスをする時に男の子についてるおちんちんから精子が出てきて、それを膣を通して子宮という所に届くんだよ」という仕組みを淡々と説明してみてください。
 もしその時、「じゃあ、お父さんとお母さんはどういう時にセックスするの?」と聞かれたら、「それはお母さんのプライベートの話なので言いたくありません~!」「お母さんとお父さんの大事なことだから、二人でしか話さないことなんだよ」って濁してもいいんです。
 親が自分自身のプライバシーを大切にしている姿をお子さんに見せることで子どもにも「あなたのプライベートを大切してほしい」と態度で伝えることができますよね。
 もちろん、「もし誰かに体を触られて嫌な思いをした時は相談してほしい」と伝えることも大切です。でも、それは親御さんのプライベートに踏み込むような話では決してないんです。

——プライベートなことへの質問に必ずしも答える必要はない、答えたくないことには「NO」と言ってもいいと伝えることにもなりますよね。

シオリーヌ:私も小中学校に講演に行くと、子どもたちから「先生は結婚してるんですか?」とか「彼氏はいるんですか?」とか、いろいろ聞かれるんです。そんな時、私はいつも「言いたくありません。初対面でそういうことを聞くのは失礼ですよ~!」って明るく返答しているのですが、その線引きはあっていいと思います。

——教養について話すことと、自分のプライベートをオープンにすることは違う。それがはっきり見えていれば、性教育について話しやすくなる人も増える気がします。

シオリーヌ: 私は動画でよく「性の話をもっと気軽に、オープンに!」と呼び掛けているのですが、それは「みんなが性に対して積極的になることを推奨している」わけではありません。
 私がオープンにしたいのは性について学びたいという気持ちをオープンできて、実際にオープンに学べ環境を作ること。そして、性について何か嫌なことがあったら本人が「NO」をオープンに言えるような社会にしたいんです。もちろん、性的なことに興味がない人だっていますし、一人ひとりが性に対する自己決定権を持って、 「YES」 も「NO」全てオープンに話せてお互いに尊重し合える社会になったらいいなと。そのために、性の話題にかかっているモヤモヤをとっぱらいたいです。

——性の話をオープンにすることの難しさというと、今年11月には大丸梅田店の新フロアで行われた、生理中の女性従業員が「生理バッジ」をつけるという取り組みがありました。

シオリーヌ:私は、「生理バッジ」自体の存在はどちらでも良いと思いました。たとえば妊婦さんもですが、マタニティマークをつけることで嫌がらせをされるのが怖いという人もいますし、マタニティマークをつけていることで配慮してもらえるメリットの方が大きいと考える人もいますので、目印があることで生きやすい人と生きにくくなる人と、どちらもいると思うんです。生理バッジも、つける本人がポジティブになれると思うならつければいいし、オープンにしたくないという人はつけなくてもいい。その選択肢は人によって異なりますよね。
 ただし、それが本当に本人の自由な選択かどうかというのが大事なポイントだと思うんです。取り組み自体はよいものでも、生理バッジをつけることでお客さんから理不尽なセクハラに合わないような環境が作られているか、そういうことが起きた時にきちんと守ってくれる体制があるのか、もしくはつけない選択をした人に対して圧をかけてくる上司がいないのかなど、いろんな問題があると思います。そうした諸問題がクリアになる土壌がまだ今の日本にできていないのなら、引き下げるという選択もありなのかなと騒動を眺めていました。

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——たとえば生理に対して「エッチなもの」という誤解もあると思いますが、それはこれまで生理の話がタブー視されてきた現実があるのだと思います。どうしたらタブー視が払拭できるでしょうか。

シオリーヌ:まだまだ性にまつわるタブー視は根強いと感じますが、ここ数年で、少しずつですが変化は起きていると思います。たとえば私のような性教育YouTuberを含め、YouTubeやTwitterで教養としての性について発信する人は増えています。
 ただ、私はこれを一過性の“性教育ブーム”で終わらせたくないです。性の話について誰もが「一般教養」の範囲として興味や関心を持って、筋トレやダイエットのことのように世間話ができるようにしたいですね。

※後編につづく

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SMセックスとDVの10年間ーー恋人の“暴力”を受け入れ続けた女の理由【元Vシネ女優・内縁夫刺殺事件】後編

 2008年1月26日の早朝。「夫が背中をけがしている」との119番通報を受け、マンションに到着した救急隊員が部屋で見たのは、下半身は裸で血だらけでベッドに倒れている藤田秀則さん(仮名・当時53)の姿だった。女(当時31 )は「午前5時ごろに背中を刺されて帰ってきた」と話し、確かに、商店街の途中にある中華料理店から現場マンションまで、約200メートルに渡り、血痕が続いている 。しかしマンションエントランスの防犯カメラに映る藤田さんはけがをしていない。また、「夫」と話すが、女との関係は夫婦でもない。さらに、女の顔と体には殴られたような痕があった。

 通報した女・木崎恵理子(仮名)は02年に芸能界を引退した元タレントだった。身長172センチ、バスト90センチのEカップという抜群のスタイルと美貌を武器に、グラビアアイドルとして活動し、9本のVシネに出演、テレビ出演も行うなど、精力的に芸能活動を行なっていたのだった。

(前編:22歳年上の“スポンサー”との奇妙な「性生活」――元芸能人が告白した10年の歳月

寝ていたはずが床でセックスの最中だった

 前日の夜、2人は自由が丘で待ち合わせをして食材などを買い込み、21時過ぎに帰宅。日付が変わって0時13分頃、再度2人で外出し、酒などを買い込み0時43分に帰宅した。さらに5時45分、一旦外出していた藤田さんが帰宅後、恵理子は果物ナイフで被害者を背中から突き刺したという。

 傷の深さは6センチ。普通の人であれば血が止まる可能性のある傷だったが、藤田さんは末期の肝硬変で血小板が減少しており、血が止まらなかった。自宅マンションまでの長い血痕は、刺される前、帰宅の途につくところ、吐血したために残ったものだった。

 恵理子が自ら、事件までに覚えていることを赤裸々に語る。

「その前日はご飯を作って一緒に食べて、でも彼がまだおなかすいてるって言っていたのと、野菜スープが飲みたいということだったので、2人でまたお買い物に行きました。コンビニに寄って2人で帰って来たら12時半すぎになっていたので、寝る準備をして、パジャマを着てベッドへ入りました。彼はテレビを観ていたんですが、『もう寝ちゃうの』と言って私の胸や体を触ってきて、イチャイチャしてきました。でも私は風邪気味だったので『後にして』と断りました。彼はすねていましたが、ケンカにはならず、そのまま寝ました。寝たと思っていました」

弁護人「次の記憶は?」

「彼にセックスで起こされました。なぜか床の上で、セックスの最中でした。私が下で、彼が上……。寝ていたと思っていたので、そこまでの記憶はありません。彼は焦げ茶のボーダーのセーター、下半身は何もつけてなく、私も、上は黒いレースのパジャマだけでした。私が気付いてから、あぁ彼はやっぱりしたかったんだな~と、そんなふうに考える時間もあって、少しの間抱き合っていました。10分~20分くらいです。

 しばらくして『衣里、背中見て』と、上にいた彼が横に来て、セーターをまくり上げました。私の記憶では右なんですが、横にシュッと傷がありました。血は出ていなくて、パカッと開いたような感じ……血もついていませんでした。『切り傷みたいになってるよ、また酔っぱらって転んじゃったの?』と聞くと『血は出てる?』って聞いてきたので『出てないよ』と言いました。『アロンアルファでくっつけて』というので、傷をはさむようにペトッとつけました。彼が、アロンアルファは手術で使う医療品で、一番キレイにくっつくといっていたので……私のもそうですが、暴力の切り傷は、アロンアルファで治していました」

 恵理子いわく、その後、藤田さんをベッドで寝かせ、布団をかけたという。うつぶせで寝ていた被害者が、クルッと左を下にして寝返りをうったとき、布団がはだけた。掛け直そうと布団に近寄ったとき、ベッドのマットにおびただしい量の血がついていることに気づき、119番通報に至った。

「私の記憶だと、切り傷から血は出てなく、アロンアルファでくっついていました。そして傷は右でした。痛がってはいなかったです。そうでなければ、強引に連れて行っています。『救急車呼んだから』と言うと彼は『来たら起こして、寝てるから。セックスの続きはあとでやろうね』って言うから、『そんなこと言ってる場合じゃないでしょ』と言ったのですが、今となっては『続きはあとでやろうね』っていう言葉が、彼の最後の言葉になりました……」

 弁護人も「傷は彼が刺したか第三者が刺したか、もしくは彼の暴力で被告人は意識もうろう状態で強制された可能性があり、責任能力はなく無罪であります。被害者は重度の肝硬変を患っており、傷害と死亡に因果関係はありません」と主張した。商店街に長く続いていた血痕は、犯行前のもので、藤田さんが吐血したためにできたものだという。

 二人の日常的なセックスにおける「SM」の、身体的ダメージの大きさが見え隠れする。実際、通報時の恵理子も、全身にけがを負っており、取り調べ時に刑事に指摘を受け、はじめて鼻の骨を骨折していることに気づいたのだという。セックスだけでなく、日常生活でも暴力があったと、恵理子は証言した。

「記憶がないということは今までもありました。4~5年前から、寝てたと思ってたのに、っていうことが何度かあり、ここ1年は、すっぽり記憶がないことが多かったです。気づくと、起きようと思っても体が動かなかったり、痣だらけだったり、ベッドで寝てたのに床の上だったり、セックスで起こされたりっていうことがありました。

 起きてから『昨日、衣里になんかした?』と聞くと『またキチガイになって衣里を殴った』って聞いて、あ、そうか、と。そういう時は部屋の中のモノが壊れ、あらゆるモノが散乱していました。彼はケンカ慣れしていて、右手も左手も使えます。左右の拳で殴られ、蹴られ、モノで殴られる……酒ビン、ベルトのバックル、フライパン、全身鏡、物干パイプ、胡蝶蘭の鉢など……。あとは、掃除機の柄の部分持って、カウボーイのようにぐるぐる回して本体をぶつける……走行中の車から振り落とされる……ウイスキーをかけられ、馬乗りになって顔や頭を拳で殴ったり、床や壁に叩き付けたり、頭をボールのように踏まれて蹴り上げられたり、みぞおちを蹴られたり……」

 凄まじい暴力の詳細を、恵理子は法廷で淡々と語る。これらの行為で恵理子は骨や歯を折り、頭を縫うなどのけがを負ってきた。にもかかわらず、恵理子は藤田さんのことを心から愛していたため、暴力を理解しようとしたのだという。

「この件に関しては、10年近く、殴られる度に悩んだんですが……ん~、私が、なぜ殴られないといけないのか、ってよりも、何故、彼は私のことを殴るのか。必死で理解しようとしていました。悩んで出した結論は、暴力は不器用な彼の愛情表現の1つ。それとして受け止めました。彼はプライドが高いゆえ、傷つきやすく、弱く、不器用な人だと私の目には映っていました。やめてほしかったですが、彼の愛情表現として受け入れていて、別れようと思ったことはありません」

 こうした日常における暴力のあと、藤田さんはいつも「俺が悪い」と自分を責め、自傷行為を始めた。恵理子を殴っていた酒ビンで自分を殴ったり、ナイフを持ち出して体を傷つけたり、また恵理子にナイフを持たせ、傷つけさせようとしたり、ありとあらゆる方法で自傷行為を行うのが常だった。

「自分の体にナイフの刃を押しあて、柄の部分を持たせ、引っ張って誘導して引き寄せる感じ……私は止めてました。ナイフで刺したことはこれまでありません。今思えば、自虐行為のあと、セックスしていました。当然、セックスする場面じゃないので私からは……私の中では求めようとも思わない状況下です。でもなぜセックスできるかと言えば、彼が勃ってるからなので、私は受け入れていました」

弁護人「あなたはどうして受け入れてたの?」

「複雑な思いがありますが、自虐行為を止めることができて、ほっとした気持ち……ここで断ると、第二ラウンド始まりかねないという思い……体力ない状態なので、拒否するより受け入れる方がラク……。彼が泣きながらセックスする姿を見て、不器用な彼の愛情表現なのかな、と思っていました。好きだから一緒にいる。拒否する理由はありません。いつでもどこでもセックスできるのが恋人だと思っています」

 刺した記憶がないという恵理子の主張は、ナイフから藤田さんと恵理子の二人のDNAしか検出されなかったことから退けられた。事件当時の恵理子の精神状態を判断するために精神鑑定も行われたが、その結果から「事件当時、被告人の意識は清明で、その責任能力に何ら問題はなかった」とも結論付けた。そうして、恵理子に対しては「SMプレーの行き過ぎによる行為」として懲役4年が求刑され、懲役2年6月の判決が言い渡された。

「犯行は被害者の暴行を不器用な愛情表現として受け入れ続け、そのような関係を根本的に変えようとしてこなかったという男女関係に起因しており、被告が犯行に及んだことは同情できない。たとえ被害者から頼まれて刺した可能性が高くても実刑は免れない」(裁判所)

 恵理子は法廷で「刺した記憶がない」と主張したが、彼女の精神鑑定にあたった医師は「記憶が清明」だと判断している。であればそのとき、本当は何があったのか。裁判所が言及した通り、藤田さんは恵理子に、自らを刺すように、強く求めたのか。であれば「いつも止めていた」という恵理子はなぜ、刺したのか。

「私は……彼のことを心から愛しています」

 最終陳述でも、震える声で恵理子は、こう言ったのだった。藤田さんが刺される直前、二人の間に何があったのかは、彼女しか知らない。

【参考文献】
「週刊新潮」2008.02.07 
「週刊ポスト」2009.02.13 
「週刊女性」2008.2.26 
「週刊大衆」2002.4.8 
「アサヒ芸能」2008.2.21 

 

【テラスハウスファン座談会】愛華はなぜ「女性視聴者」を戦慄させる? テラハ前半戦のメンバーを考察

 見ず知らずの男女6人が、シェアハウスで共同生活する様子を記録したリアリティー番組『テラスハウス」(Netflix先行配信)。2019年5月からスタートした東京編「TERRACE HOUSE TOKYO2019-2020」は、東京オリンピックまで続くと宣言されており、この年末で折り返し地点に到達したものとみられる。

 今回、サイゾーウーマンではテラハが好きすぎて語りたいことが溜まっているウォッチャー3人に集まってもらい、座談会を開催。前編では、マルチクリエーターの翔平とイラストレーターの香織が「テラハの空気をよどませた」という意見が飛び出したが、後編ではほかの気になるメンバーについても話を展開してもらった。(座談会は12月中旬収録)

(前編はこちら)

【座談会参加者】
Aさん:テレビ制作会社勤務。映像作品として興味を持ち、テラハを見始める。とにかく香織に対して並々ならぬ思いがある。
Bさん:編集者。軽井沢編(17~18年)後半のドロドロした展開にハマり、過去のシーズンも一気見。東京編でのお気に入りメンバーは翔平。ジャニオタでもある。
Cさん:ライター。朝井リョウの小説『それでは二人組を作ってください』(新潮社『何様』に収録)でテラハの魅力に気付く。副音声が大好物。イチオシメンバーは軽井沢編の聡太先生。

テラハの愛華、「飲みましょうよ~」発言は怖かった

――ここ最近は、現役大学生・愛華がテラハを盛り上げていますね。バスケットボール選手・凌に寿司をおごらせた「ザギンでシースー」事件や、凌をめぐるライバルであるプロレスラー・花へのマウンティングなどで炎上しています。

 愛華は関わり合いたくない女子そのもの。イメージで言うと、スクールカーストの上から二番目のグループにいる中心人物っぽい。流行を必死に取り入れること、周囲の女子への絶妙なマウンティングを駆使することで、その地位を死守していて、中身は特にない子というか。敵に回すと一番面倒くさいタイプです。

 愛華は、球場のビールの売り子をしてたんですよね。売り上げも上位だったと本人がインスタグラムで書いてました。売り子って、顔採用なのかなと思うほど、可愛い子が多い。売り子からスカウトされてデビューしたグラドル・おのののかのタレントイメージも相まってか、愛華はいわゆる“異性にモテる”ということを、ものすごく意識して生きてきてる子なのかなと。めちゃくちゃ偏見だから、申し訳ないんですけれど……でも、実際にテラハでもそういう姿が見えてきています。

 体をくねらせて、翔平を「飲みましょうよ~」と誘うシーンもすごかった! スタジオの男性陣には絶賛されていたけど、あの仕草を21歳でできるっていうのは鳥肌。テラハのレジェンドと言われるモデルの島袋聖南さんだったら、これをやってもギャグっぽく見えて笑えるけど、この人がやると怖い。

 あの見た目や雰囲気の子がいかにもやりそうなことを、そのままやってるのが怖いんじゃないかな。もっとずばり言うと、見た目も中身も「女に嫌われる女」のステレオタイプなんですよ。生身の人間がこんなにもステレオタイプなことある!? っていう怖さがある。ギャップがゼロすぎるんです。そうやって制作側に編集されてるのかもしれないけど。

 そうそう。「ザギンでシースー」とか、いかにも言いそう。将来は客室乗務員になりたいっていうのもギャップがゼロ!

 凌の試合を応援しに行ったとき、愛華は凌の顔がプリントされた“凌Tシャツ”を買って、「これ毎日着るんだ」ってアピールしてましたよね。それをダシに「ザギンでシースー」をおねだりして、本当に1万2,000円の寿司をおごってもらっていました。調べたら凌Tシャツは4,000円。愛華効果か、現在はどのサイズも在庫切れしていました。

 愛華、花ちゃんのことをちょっと下に見てる感じもするんですよね。愛華のおかげで、花ちゃんの女子人気が高い気すらします。花ちゃんは、女を出すことができないタイプ。それに普段は素直でいい子だけど、プロレスではヒール役というギャップ萌えもある。女を出すのが得意でギャップゼロの愛華と対立しているのが、わかりやすいし面白いです。

――その愛華と花に好意を寄せられている凌についてはどうですか。

 海外で生活していた経験もあるし、チームでもキャプテンなので、人をあからさまにバカにしたりはしないですよね。ただ、一人になりたい時にも「こっち来いよ!」と声をかけてきそうで、私は苦手ですけど。

 最初はやたらと「英語できるぜ」アピールをしていたり、水回りの汚さを指摘したりしていて、面倒くさい人なのかなと疑いましたが、今は普通の常識人なんだなと思ってます。

 基本いい人ですよね。ただ、愛華に財布にされてる感じが、見ていて痛々しい……。あの寿司屋、気になってサイトを見たんですけど、内装がギラギラしていて、若いホステスを同伴で連れて行く用の店という感じなんですよ。セックスする前に行く寿司屋という印象もありましたね。なんか、エロい感じで。

 凌本人は、愛華も花も好みではないとチームメイトにハッキリ言ってました。愛華に行かなかったのはエライぞ! と思いましたね。

――ほかにも気になるメンバーはいましたか?

 女優の春花かなぁ。翔平の「一本に絞らずに、いろいろやっていきたい」という仕事観に、「あれもやりたい、これもやりたいって言ってると、芯がない人なんだって思われちゃいそう」と真っ向から反論していた姿が印象深かったですね。でも春花がメンバーの中で一番、仕事してる感じがしなかった(笑)。どうやって食べていってるんだろう? と不思議に思うくらい。それなのに翔平に正論で説教するのが、ちょっとなぁって思っていました。

 春花は、基本ポケモンしてるだけでしたよね。あとは、春花が「お友達」と呼ぶオッサンたちと一緒に、ゴルフ、車のレース、沖縄旅行に行くとか。

 なんというか、言ってることとやってることに差がありすぎるんですよね。そんな春花に恋をしたのが、イタリア人漫画家のペッペ。イケメンで、「週刊スピリッツ」(小学館)で連載を持ち、おバカなアルバイト・流佳をいつもかばって。非の打ちどころがないいい男なのに、選ぶのは春花なんだ……という衝撃がありました。結局振られましたけど。

 春花を選ぶってダサいなと思って、私のペッペへの思いは早急に冷めました。

 ペッペには、そこはかとないダサさがある。私はそこがいいなって思ってました。そこで春花みたいな女優を手にしてしまったら、彼のアイデンティティが崩れちゃうから、ペッペは振られてよかった!

――おバカさが話題になった流佳についてはどうでしょう。

 最初は笑って見てましたけど、だんだん、テレビでイジってはいけないレベルのおバカさなのかなと思い始めて、どう見たらいいかわからなくなりました……。

B 「スパイダーマンになりたい」と言い出したときは、私も絶句しました(笑)。その後、マーベルファンが集まるバーでバイトし始めるという展開も謎すぎた。

C でも卒業する時、頑張って苦手な英語で一生懸命スピーチしたじゃないですか。以前失敗したパスタも作っていましたし。まんまと号泣しましたね。『はじめてのおつかい』(日本テレビ系)を見てる気分で。

 流佳は途中から恋愛もしないし、全然出てこない回もあったりと、どんどん存在感なくなった。明るい子だったのに、どんどん暗くなっていったのも気になりました。その原因って、私は香織にあると思っています。一時期、流佳は香織にモーションをかけていたけど、香織が「私とアナタでは住む世界が違う」という空気を全身から出していて……流佳はそれを感じ取った気がするんです。

 香織は流佳に誘われた時、「私とアナタで何を話すの?」みたいな理由で断ってましたもんね。

 香織がいなかったら、流佳ももっとのびのび恋愛できていたかも。

――前半でカップルになったのは、結局バンドマン・ケニーとフィットネストレーナーの莉咲子だけでした。

 ケニーと莉咲子は、これから付き合うかも……? というところで、2人そろって卒業しましたね。ホントお似合いな2人だと思いました。

 私はケニーの書く歌詞が、とにかくダサいと思っていて。莉咲子を招待したライブで歌ってた「Sex On Fire」も、意味がわからなくて寒気がしました。でも莉咲子は感動していたので、2人は合ってるんだろうなと。

 ケニーも莉咲子も、オシャレな職業なのにヤンキーっぽいんですよ。2人は、郊外のドンキでスウェットを着て買い物してそう。お似合いです。

――では最後に、テラハ後半戦に期待することをお願いします。

 やっぱり恋愛はしてほしい! 凌は愛華と花に興味はないって言ってたけど、凌をめぐる2人のバトルが見たいです。

 私は「ご近所の悪いうわさ」(宙出版)みたいなドロドロの世界観を笑って楽しむタイプなので、愛華にもっと暴走してほしいですね。彼女に、軽井沢編の悪役レジェンド・優衣ちゃんの素質があるのかどうか。愛華と花の関係性が、どうにか面白く発展してほしいです。

 確かに、軽井沢編にあった下世話さが今はないかな。

 某ネット掲示板では、東京編に優衣ちゃんが参戦するんじゃないかっていうウワサがささやかれてるんですよ。優衣ちゃんが入ったら、また下世話になりそう。でも私は初期テラハの青春っぽさも好きなので、もっと若者たちのキラキラした姿が見たい! 今の東京編では、みんな将来について悩んでるけど、特に前進しないまま卒業してます。流佳が一番成長したように見えたくらい。もっと夢を追う姿を見せてくれ! と思います。

 オシャレなメンバーが気取った恋愛を展開するリアリティーショーと思われがちなテラハだけど、がむしゃらに恋したり、夢を追う中で、メンバーの化けの皮が剥がれていくのが面白いんですよ。「どうぞ本当の私を見てください」と、本性をさらけ出したメンバーの方が、記憶に残るし、テラハを卒業したあとも、何かと話題になる気がします。そういうメンバーが現れてほしいですね。

中井貴一と佐々木蔵之介が贈る“開運お宝コメディー”『嘘八百 京町ロワイヤル』鑑賞券プレゼント

 中井貴一と佐々木蔵之介がダブル主演映画『嘘八百 京町ロワイヤル』が、1月31日より全国公開されます! 本作は「幻の利休の茶器」をめぐり繰り広げられる騙し合いを軽妙に描いたコメディー「嘘八百」シリーズ第2弾。前作に引き継き、古物商・小池則夫役を中井貴一、陶芸家・野田佐輔役を佐々木蔵之介が演じ、本作からマドンナ・橘志野役として広末涼子が登場します。舞台も大阪・堺から京都まで広がりパワーアップ。早速あらすじを見てきましょう!

 かつて、大阪・堺で「千利休の幻の茶器」をめぐり、大勝負を仕掛けた古物商・小池則夫と陶芸家・野田佐輔。2人はそれぞれの人生を送っていたが、お宝眠る古都・京都で思いがけず再会する。そこで出会った、着物美人・橘志野のけなげな想いに打たれ、「天下一」と称された武将茶人・古田織部の幻の茶器にまつわる人助けに乗り出すことにしたのだが、有名古美術店や大御所鑑定家、陶芸王子、テレビ番組をも巻き込む大騒動に発展していく……。

 佐輔の妻・康子を演じるお笑い芸人・友近は、前作での演技を高く評価され「第28回日本映画批評家大賞」の助演女優賞を受賞。本作では、友近と広末のバトルも大きな見所になっているという。

 今回は、映画『嘘八百 京町ロワイヤル』の鑑賞券を3名の方にプレゼント。豪華キャスト陣が贈る、世紀のコンゲームを劇場でご堪能するのはいかがでしょうか。サイ女読者の皆さま、奮ってご応募ください。お待ちしております!

※1月13日正午〆

ご応募はこちらから
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女性蔑視的な裁判所を変える「世論」、ジェンダーバイアスの撤廃を/伊藤和子弁護士インタビュー

2019年3月、女性が性被害を訴えた裁判で被告人が無罪になる判決が4件続いた。その内容が一般的な感覚から見て理解しがたいものであったことから、無罪判決への疑問の声が多く上がり、「フラワーデモ」という連帯の動きにもつながった。

 なぜ日本では性暴力被害者が適切に守られないのか。

 人権問題、特に女性の権利に関して積極的に活動している弁護士の伊藤和子氏は、著書『なぜ、それが無罪なのか!? 性犯罪を軽視する日本の司法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)のなかで、現在の日本の状況を変えるには、法律・社会の価値観の双方を改める必要があると主張している。話を聞いた。

伊藤和子
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ理事・事務局長。国境を越えて女性や子どもの人権問題に取り組んでいる。弁護士活動でも、人権、特に女性の人権に関する問題に積極的に関わっている。主な著書に『人権は国境を越えて』(岩波ジュニア新書)、『ファストファッションはなぜ安い?』(コモンズ)など。

いまだ残されている刑法の問題点
──2017年に刑法の性犯罪に関する規定が改正されました。じつに110年ぶりのことです。
 しかし、その一方で、父からの性的虐待や、悪質なレイプ事件に無罪判決がくだる事例が相次ぎました。

伊藤和子(以下、伊藤) 2017年の改正後も大きな課題が残されています。そのひとつが、強制性交等罪、準強制性交等罪が成立するのには高いハードルがあるということです。
 刑法177条(強制性交等罪)には<暴行又は脅迫を用いて>とあり、刑法178条第2項(準強制わいせつ及び準強制性交等罪)には<心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて>と書かれています。
 この厳しい要件によって、家庭内での性的虐待や、権力の差を利用された性被害にも関わらず、不起訴や無罪判決になってしまう例がいまだに多く起きているのです。
 今年3月に名古屋地裁岡崎支部でくだされた無罪判決はその典型でした。娘に対し中学2年生の頃から19歳になるまで性虐待をし続けた父親に対して無罪が言い渡された裁判ですが、判決では過去の性虐待も、殴る蹴るなどの暴行も認めているのにも関わらず、被害当日の状況だけをミクロにとらえて<抗拒不能の状態にまで至っていたと判断するには、なお合理的な疑いが残るというべきである>として無罪にしてしまいました。

──これは一般的な感覚からすると、なかなか理解しがたい結果ですよね。

伊藤 裁判官としては「構成要件に忠実に仕事をしています」という発想なのかもしれませんが、そこに世間とのギャップがあるということに気がつくべきです。
 構成要件が同じでも、それを事例にあてはめるにあたって、被害の実情を理解した判断は可能なはずです。 たとえば、先にあげた岡崎の裁判では、「本当に抵抗できない状況だったのか?」ということを考えるときに、殴る蹴るの暴力を受けていたという事実を背景に被害者の意を酌んで「抵抗できない状態だった」と判断すべきだったと思います。この事件が海外で起きていれば父親は有罪になった可能性が高いと思うんです。

──裁判官に弱者を慮る姿勢があれば判決も変わった可能性があるわけですね。

伊藤 裁判所というのは本来、弱い立場の人や少数者を守るべき機関であり、自らが進歩的になって社会に模範を示すべきだと思います。
 でも、日本の裁判所はそのような状況にはなっていない。
 裁判官の多くは男性だし、エリートとして生まれ育ち、弱者に対する共感力に欠けるところがある。性暴力被害に遭う女性の心情に寄り添おうという姿勢を見せることはまだ稀です。

──根深い問題ですね。

伊藤 私は常々、日本の裁判所の在り方を変えるために動いていますけれど、なかなか変わってくれません。
 そんな裁判所を変えるには法律を変えることが必要です。同時に、法律をもとに判断する頭の固い裁判官たちの意識を変えざるを得ないほど社会がジェンダーバイアスに関する意識を高めていくことが大事です。
 そういった世論ができあがっていけば、必然的に裁判所も変わらざるを得なくなる。
 だから、『なぜ、それが無罪なのか!? 性犯罪を軽視する日本の司法』のような本は、女性だけでなく男性も読んでほしいですね。そして、いまなにが起こっているのかを知って、議論に参加してもらえたら嬉しいです。

『なぜ、それが無罪なのか!? 性犯罪を軽視する日本の司法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
「女性を性的な対象として見る」ことが当たり前になっている
──『なぜ、それが無罪なのか!? 性犯罪を軽視する日本の司法』では、法律や裁判所の問題以外にも、メディア上で女性蔑視的表現がいまだ飛び交っている状況の問題点を指摘しています。
 実際、国際NGO「プラン・インターナショナル」の調査によれば、日本の女子高生・女子大生の4割が広告を見て女性差別的な不快感を感じたことがあると答えています。
 こういったメディア・広告の在り方に関して先生はどのように感じられていますか?

伊藤 「SPA!」2018年12月25日号(扶桑社)に掲載された「ヤレる女子大生RANKING」みたいなものが一番よくない例だと思うんですけど、あそこまであからさまでなくとも、似たようなかたちで「女性を性的な対象として見る」ということは、いたるところで行われています。
 特に、広告ではその傾向が強いですね。アイキャッチとして若い女性を起用することを含め、女性の性的な魅力を前面に押し出し、世間の注目を集めようとする広告は後を絶ちません。
 なぜそういった表現が大量に生み出されるのか? 「性欲」と「物欲」は結びつくのでしょうか?

──そういったタイプの広告としては、たとえば、どんなものがありますか?

伊藤 女性モデルがビールを飲んだ後、男性に向かって「コックゥ〜ん!しちゃった…」と語りかけたサントリーのビール「頂」。あと、「『あっ』という間にイケちゃう…」「えっ? おかわり? もう…、欲しがりなんですから」など、随所に意味深なセリフが散りばめられていた壇蜜さん出演の「仙台・宮城【伊達な旅】夏キャンペーン2017」なんかが典型だと思います。

──その手の広告がSNSを中心に炎上して取り下げになる例って1年に何回も起きますよね。

伊藤 本当に、毎回毎回これだけ炎上して。なんでみんな学ばないのか、私もすごく不思議なんですよね。

──そういった表現で世間の注目を集めるメソッドが広告業界では確立されているのでしょうか?

伊藤 そうなのかもしれませんね。
 だから、女性差別的な表現や、性欲に働きかけるような表現は広告業界の自主規制などで「禁じ手」にするのはどうだろう? と思うんです。

──イギリスでは広告業界の規制団体である英広告基準協議会(ASA)によって、ジェンダーのステレオタイプを助長するような表現の広告はすでに禁止されています。

伊藤 海外ではすでにそういう事例が出ているわけですが、それって広告の表現にとっても悪いことではないのではないでしょうか?
 相撲だってサッカーだって、ルールがあって「禁じ手」が決まっているから、美しくて楽しいスポーツが成り立つ。規制があるからこそ、面白いものができているわけですよね。
 広告だってそれと同じで、「やってはいけない表現」についてのガイドラインをつくったら、それは新しいクリエイティブが生まれるきっかけになるかもしれません。

日本でも「HeForShe」ムーブメントが起きてほしい
──定型的な広告表現が問題視されるようになってきた背景には、これまで共有されてきた価値観への疑問が広がる動きがあるのでしょうか。

伊藤 特に若い世代はそうですよね。大人の世代はもう……放っておくとして(苦笑)、若い世代の皆さんがジェンダーの問題に関して、創造性豊かなカルチャーをつくっていただければ、この社会はすごくいいものになっていくんじゃないかなと思います。

──伊藤さんが気になっている動きはありますか。

伊藤 私がいま注目しているのは「HeForShe」という運動です。国連が提唱している運動で、女優のエマ・ワトソンさんがサポートしていることでもよく知られています。
 これは「彼女のための彼」という言葉の通り、男女差別解消のために男性の積極的な参加を呼びかける運動です。
 女性だけで変革を訴えても社会は前進しません。それどころか亀裂を深めてしまう結果にすらなり得る。
 そういったなか、ジェンダーの問題に関して男性が参加することは、とても大きなゲームチェンジになるんですね。
 こういった動きに参加することが「格好いい」ことになってくれると、すごくいいなと思いますね。

──とはいえ、日本の現実は180度真逆です。声をあげた女性がネット上の匿名の人々からひどい物言いで罵倒される事態が続いています。

伊藤 他の国でも声をあげた女性に対するバッシングはありますけど、日本のそれはちょっと異常だと思います。

──異常ですか。

伊藤 うまく話し合いが成り立たないですよね。なんでそんなに敵対的になってしまうのか。
 声をあげた女性の意見はいったんそれとして受け止めて、そのうえで議論をすればいいと思うんです。
 でも、「不快感を示した」「意見を言った」ということ自体がまるで犯罪かのごとく、叩かれることが多すぎる。
 そういうときに「HeForShe」の振る舞いを身につけた男性が声をあげてくれると心強いんです。ただ、現状では、女性がサンドバッグ状態になっていて、まわりの男性はフリーズしているという状態がすごく多いように思います。
女性が声を上げにくい、不快なことを表明することもままならない状況では、ジェンダーギャップ指数世界121位という結果からもなかなか脱却できません。深刻です。

(取材、構成、撮影:編集部)

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22歳年上の“スポンサー”との奇妙な「性生活」――元芸能人が告白した10年の歳月【元Vシネ女優・内縁夫刺殺事件】前編

世間を戦慄させた事件の犯人は女だった――。平凡に暮らす姿からは想像できない、ひとりの女による犯行。自己愛、欲望、嫉妬、劣等感――罪に飲み込まれた闇をあぶり出す。

第8回:元Vシネ女優・内縁夫刺殺事件

 東急多摩川線「鵜の木駅」は、早朝や夕暮れ時に地元客が行き交い賑わいを見せる、東京・大田区の小さな街だ。この駅前商店街近くのマンションから119番通報がなされたのは、2008年1月26日の早朝、6時40分頃のことだった。

「夫が背中をけがしている」

 まだ朝の賑わいを見せる前のひっそりした街を抜け、マンションに到着した救急隊員が部屋で見たのは、下半身は裸で血だらけでベッドに倒れている藤田秀則さん(仮名・当時53)の姿だった。その後、男性は失血性ショックで死亡した。女(当時31)は119番通報の際「午前5時ごろに背中を刺されて帰ってきた」と話していた。たしかに、商店街の途中にある中華料理店から現場マンションまで、約200メートルに渡り、血痕が続いている。

 ところが、マンションエントランスの防犯カメラに映る藤田さんはけがをしていない。マンションまで続く血痕とは――。また「夫」と言うが、22歳も離れて籍も入れていない。2人の本当の関係は――。さらに女の顔と体には殴られたような痕があり、頭部外傷と両手両足に全治10日間のけがを負っていた。暴力を振るわれた女性が男性を刺した事件なのか――。通報当初から、さまざまな疑問点が浮かび上がり、女性が元グラビアアイドルであることも男性週刊誌の関心の的となった。その事件の全容は、のちに東京地裁で開かれた公判で明らかになった。

Vシネ女優と「スポンサー」の年の差カップル

 119番通報した女・木崎恵理子(仮名)は身長172センチ、バスト90センチのEカップという抜群のスタイルと美貌を武器に、グラビアアイドルとして活動していた。写真集を3冊出し、99年から9本のVシネに出演したほか、テレビ出演も行うなど、精力的に芸能活動を行なっていたが、02年に卵巣膿腫を患ってから、芸能界を去り、父親の経営する会社で働くようになった。

 内縁関係にあった藤田さんとの出会いは、まだ恵理子が芸能界に身を置いていた20歳前後のころだ。藤田さんはこう恵理子に持ちかけた。

「スポンサーになろうか」

 勤務していた不動産会社を独立し、不動産会社や内装会社を設立して、羽振りのよかった頃だった。そして恵理子が22歳になる頃、二人は付き合い始めた。お互い両親が離婚しているもの同士であることから、身の上を話し合ううちに惹かれあっていった。また20歳以上年の離れた藤田は、逆に“グラコン”の恵理子には理想でもあった。かつて雑誌の対談記事で、彼女はこんな告白をしていたのだ。

「私、ファザコンじゃなくて『グラコン』(グランドファーザー・コンプレックス)なんですよ。祖父が海軍だったんですけど、その祖父が父親代わりで、だから結構年配の人と。父の年代だとまだ若いかなって」

 また別のインタビュー記事でも、グラコンぶりを語っていた。

「(セックスで)救急車を3回ぐらい呼んだことありますね。(全員別の50歳前後の男性で)相手が息しなくなって。(相手が上になった時と下になった時の)両方あったけど、上の時は『ウッ、重たい』って投げたらコロンってなっちゃったから、びっくりしちゃって。18(歳)のころかな。(救急車は)来たんですけど、その前に息を吹き返したから帰ってもらいました」

 こう無邪気に語る恵理子だったが、のちに彼女が卵巣嚢腫により体調を崩したとき、心の支えになったのは藤田さんだった。藤田さんには当時妻がおり、恵理子が3000万円で購入した、事件のあったマンションに週末だけ通うという“週末だけの半同棲”生活を続けていたという。地元では有名な年の差カップルだったようで、飲み友達らはこう証言する。

「エリーは人なつっこくてセクシーで明るい子。よくサワーを飲んでは酔っ払ってつぶれていた。藤田さんは身長170センチ強で、サングラスにロン毛の時もあった。俳優の原田芳雄似で、カラオケではサザンの『いとしのエリー』を熱唱してエリーを喜ばせていた。仲はよかったね」
「一見、派手で愛嬌があるから尻軽に思うヤツもいるようだけど、彼女は愛している男以外には、決して体を許さなかったよ」

 地元では、二人の仲睦まじい様子もよく目撃されていたが、同時に藤田さんの暴力グセも、近所に知れ渡っていたという。地元民が語る。

「酒が入ると暴れるんだよね。完全に酒乱だね。肝臓悪くて何度も(病院に)運ばれているんだから。最初に糖尿病患って、その後、肝臓で何度も入退院を繰り返してさ、そのあたりからおかしくなっているよね」

 藤田さんは糖尿病を患い、さらにはアルコール性肝硬変になっていた。医師から「余命1年」と宣告を受ける。仕事も廃業し、自己破産。妻とも離婚。生活保護を受給することになった。自暴自棄になったのか、事件1年前から藤田さんは、朝から酒を睡眠薬と一緒に一気飲みし、ほぼ1日、酒を飲んで寝る生活を続けた。2度、救急車で運ばれて入院もしたという。

 だが、恵理子は藤田さんを見捨てることなく、寄り添い続けた。お互い辛い時期を支え合い、約10年という時間を重ねた。「残りの人生はハワイで恵理子と一緒に暮らしたい」と告げられ、結婚の準備を進めていた矢先に、事件は起こった。

暴力からセックスが始まる生活の実態

 08年11月11日の東京地裁。体のラインがくっきりと浮き出るパンツスーツに黒いサラサラのロングヘア。目鼻立ちの整った顔立ちと、長身をさらに際立たせる姿勢の良さ。元芸能人が放つ華やかなオーラは法廷には不釣り合いで、傍聴席は一瞬静まり返った。傷害致死で起訴された恵理子の初公判だ。

 起訴状によれば恵理子は、199番通報直前、自宅マンションで藤田さんの左背部を、刃渡り9.8センチの果物ナイフで一回突き刺し、失血性ショックで死亡させたという。ところが罪状認否で恵理子は、こう述べた。

「記憶がなく、わかりません。私が、私自身で、大切な彼を傷つけること、絶対ありえないです」

 そして冒頭陳述では、二人の「SMプレイ」生活が明かされた。

「お互いにSM嗜好があり、以前からお互いに殴る蹴る等の暴力を振るった後、セックスに突入する、というパターンの性生活を続けていた。被告人はこのSMプレイを知人に対し『コミュニケーションみたいなものだ』と述べていた」

 実際、恵理子はこの事件前に頭部外傷と両手両足を打撲して全治10日間との診断をうけている。これまでにも、眼底出血、頬骨の骨折、顎にヒビ、携帯電話で頭を殴られぱっくり割れたこともあったという。

 他人には理解しがたい日常だが、そんな性生活を続けていた中で、事件は起こった。

ーー後編は1月5日公開

「ar」に橋本環奈登場! 「女子にモテる」発言に垣間見えた、“私は女の敵ではない”アピール

 1月号の「ar」(主婦と生活社)は「オンナ特集号」。表紙には上目遣いの橋本環奈のアップとともに、「オンナ爆上げで2020を迎える!」とのピンク色の文字が踊っています。

 ハシカンといえば、約半年前の5月号でも同誌の表紙を飾り、ロングインタビューを受けていました。再び表紙&巻頭インタビューに登場ということは、やはり彼女が表紙だと売れるということだと思いますが、「ar」読者を惹きつける魅力とは何なのか!? そこも含めて、早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎橋本環奈はオンナを楽しむ天才!
◎ズルい女になってみる?
◎全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?

橋本環奈の奇妙なポジティブさの根源

 まず見ていくのは巻頭の特集&インタビュー「橋本環奈はオンナを楽しむ天才!」。前回登場時、5月号のインタビューでは、「人間が好き」「笑顔を忘れない」「何事も楽しむ」など、奇妙なほどのポジティブワードを連発していた彼女。今回もそれは変わらず、むしろ「誘われたら断らない」「嫌いな人はいない」等、エスカレートしているようです。

 多忙のあまり精神が疲弊し、ポジティブ押しつけ系の宗教や自己啓発にハマっているのか? という心配も一瞬頭をかすめました。が、こんなにもポジティブでいられるのは、やはり「恵まれている容姿(顔)」の恩恵が大きいのではないか……と、思わずにはいられません。

 「私は人見知りをしないので、人とすぐ距離感ゼロまでいけるんです」と語っていますが、その距離の詰め方で許されるのは橋本環奈だから。謎のポジティブは、“1000年に一人の美少女”ゆえにいろいろと許されてきたことによる天真爛漫さなのであって、これを一般読者がまねようとすると危険かもしれません。

 また、今回はもう一つ気になる発言が。「彼氏にしたい女ナンバーワンになる自信、あります(笑)」という“女子にモテる”アピールです。「女子高時代のあだ名は“みんなの彼氏”」「忙しい時期にたまに学校に行くと、何人かがお弁当作ってきてくれたりする」「後輩に告白された」とのこと。そういえば、吉岡里帆も「ar」10月号のインタビューで似た発言をしていました。「高校の卒業式の日に、年下の女の子から告白の手紙をもらった」と。

 「男子だけじゃなくて女子にもモテます!」とアピールすることで、暗に「私、モテるけど女の敵じゃないよ☆」と伝え、女子人気がさらに高まる――という循環に、橋本環奈も乗っているのかもしれません。「ar」読者は、吉岡里帆や橋本環奈といった“清く正しく美しい人類総モテ女”系に憧れる素直な面があるのでしょうか。

 次に見ていくのは「ズルい女になってみる?」という企画。「ar」が推している“好きバレ”(好意を持っている異性に好きだと匂わせる)する服やメイク、言動などを紹介しています。最も気になったのが、「みんなやってる! 令和の好きバレ言動はコレ」のコーナーです。

 「男女100人に緊急アンケートしてわかった禁断のズルいテク」が公開されているのですが、その中にあった注目の回答がこちら。

「社内便で旅行のお土産と手紙を送った。(中略)親展の印つけるのを忘れて周りにも知られるところになってしまいました」(32歳・男性)

 32歳男性が、このような公私混同なやり方で好きバレとは、恐ろしくて震えます。ですがこの男性、「向こうがウケてくれて仕事以外でも話ができるようになりました」と前向きな報告もしています。仕事以外の会話ができない状態で、それをやったのか! という驚きとともに、相手の女性はウケてくれたのではなく、「コイツやべえ」と身の危険を感じ、あえて刺激を与えないように話を合わせてあげているだけなのでは……との疑惑も持ちました。

 同誌のアンケートには、たまにこういうおかしな回答が混じっているのでついつい読んでしまいますが、くれぐれも読者には32歳男性の行動はまねしないでほしいです。

ドライヤーで弁当を温める……?

 最後に見るのも、アンケートの回答がおかしい「全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?」です。

 ドライヤーでできる神ワザを、世のドライヤー通なる人々に「実際に聞いてみました」と掲げて紹介しているのですが、その回答は「冬はドライヤーで暖をとる、夏場は冷風で涼をとる」「お弁当が冷めてしまったとき、ドライヤーを当てて温める」「面倒なアイロンがけ、ドライヤーでささっと」「マスカラが乾燥して開かなくなったら当ててみて」などなど。確かに“あるある”ではあるものの、本来の役割ではない使い方が11項目も並んでいます。

 もっと、こんなふうに使えば寝ぐせが取れるとか、乾くのが早くなるとか……そういうことを詳しく知りたいと思って読むと拍子抜け。ですが、冬場にドライヤーの温風で暖を取っている自分がババ臭いと感じていた今日この頃、この行動って「ar」に書かれるほど公式なんだ……と妙な安心感は得られました。

「ar」に橋本環奈登場! 「女子にモテる」発言に垣間見えた、“私は女の敵ではない”アピール

 1月号の「ar」(主婦と生活社)は「オンナ特集号」。表紙には上目遣いの橋本環奈のアップとともに、「オンナ爆上げで2020を迎える!」とのピンク色の文字が踊っています。

 ハシカンといえば、約半年前の5月号でも同誌の表紙を飾り、ロングインタビューを受けていました。再び表紙&巻頭インタビューに登場ということは、やはり彼女が表紙だと売れるということだと思いますが、「ar」読者を惹きつける魅力とは何なのか!? そこも含めて、早速、中身を見ていきましょう!

<トピックス>
◎橋本環奈はオンナを楽しむ天才!
◎ズルい女になってみる?
◎全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?

橋本環奈の奇妙なポジティブさの根源

 まず見ていくのは巻頭の特集&インタビュー「橋本環奈はオンナを楽しむ天才!」。前回登場時、5月号のインタビューでは、「人間が好き」「笑顔を忘れない」「何事も楽しむ」など、奇妙なほどのポジティブワードを連発していた彼女。今回もそれは変わらず、むしろ「誘われたら断らない」「嫌いな人はいない」等、エスカレートしているようです。

 多忙のあまり精神が疲弊し、ポジティブ押しつけ系の宗教や自己啓発にハマっているのか? という心配も一瞬頭をかすめました。が、こんなにもポジティブでいられるのは、やはり「恵まれている容姿(顔)」の恩恵が大きいのではないか……と、思わずにはいられません。

 「私は人見知りをしないので、人とすぐ距離感ゼロまでいけるんです」と語っていますが、その距離の詰め方で許されるのは橋本環奈だから。謎のポジティブは、“1000年に一人の美少女”ゆえにいろいろと許されてきたことによる天真爛漫さなのであって、これを一般読者がまねようとすると危険かもしれません。

 また、今回はもう一つ気になる発言が。「彼氏にしたい女ナンバーワンになる自信、あります(笑)」という“女子にモテる”アピールです。「女子高時代のあだ名は“みんなの彼氏”」「忙しい時期にたまに学校に行くと、何人かがお弁当作ってきてくれたりする」「後輩に告白された」とのこと。そういえば、吉岡里帆も「ar」10月号のインタビューで似た発言をしていました。「高校の卒業式の日に、年下の女の子から告白の手紙をもらった」と。

 「男子だけじゃなくて女子にもモテます!」とアピールすることで、暗に「私、モテるけど女の敵じゃないよ☆」と伝え、女子人気がさらに高まる――という循環に、橋本環奈も乗っているのかもしれません。「ar」読者は、吉岡里帆や橋本環奈といった“清く正しく美しい人類総モテ女”系に憧れる素直な面があるのでしょうか。

 次に見ていくのは「ズルい女になってみる?」という企画。「ar」が推している“好きバレ”(好意を持っている異性に好きだと匂わせる)する服やメイク、言動などを紹介しています。最も気になったのが、「みんなやってる! 令和の好きバレ言動はコレ」のコーナーです。

 「男女100人に緊急アンケートしてわかった禁断のズルいテク」が公開されているのですが、その中にあった注目の回答がこちら。

「社内便で旅行のお土産と手紙を送った。(中略)親展の印つけるのを忘れて周りにも知られるところになってしまいました」(32歳・男性)

 32歳男性が、このような公私混同なやり方で好きバレとは、恐ろしくて震えます。ですがこの男性、「向こうがウケてくれて仕事以外でも話ができるようになりました」と前向きな報告もしています。仕事以外の会話ができない状態で、それをやったのか! という驚きとともに、相手の女性はウケてくれたのではなく、「コイツやべえ」と身の危険を感じ、あえて刺激を与えないように話を合わせてあげているだけなのでは……との疑惑も持ちました。

 同誌のアンケートには、たまにこういうおかしな回答が混じっているのでついつい読んでしまいますが、くれぐれも読者には32歳男性の行動はまねしないでほしいです。

ドライヤーで弁当を温める……?

 最後に見るのも、アンケートの回答がおかしい「全ての日本人に問う。ドライヤーってナニするもの?」です。

 ドライヤーでできる神ワザを、世のドライヤー通なる人々に「実際に聞いてみました」と掲げて紹介しているのですが、その回答は「冬はドライヤーで暖をとる、夏場は冷風で涼をとる」「お弁当が冷めてしまったとき、ドライヤーを当てて温める」「面倒なアイロンがけ、ドライヤーでささっと」「マスカラが乾燥して開かなくなったら当ててみて」などなど。確かに“あるある”ではあるものの、本来の役割ではない使い方が11項目も並んでいます。

 もっと、こんなふうに使えば寝ぐせが取れるとか、乾くのが早くなるとか……そういうことを詳しく知りたいと思って読むと拍子抜け。ですが、冬場にドライヤーの温風で暖を取っている自分がババ臭いと感じていた今日この頃、この行動って「ar」に書かれるほど公式なんだ……と妙な安心感は得られました。

【テラスハウスファン座談会】翔平&香織は、テラハの空気をよどませた? 東京編前半戦をプレイバック

 見ず知らずの男女6人が、シェアハウスで共同生活する様子を記録したリアリティー番組『テラスハウス」(Netflix先行配信)。2019年5月からスタートした東京編「TERRACE HOUSE TOKYO2019-2020」は、東京オリンピックまで続くと宣言されており、この年末で折り返し地点に到達したものとみられる。

 今回、サイゾーウーマンではテラハが好きすぎて語りたいことが溜まっているウォッチャー3人に集まってもらい、座談会を開催。かつてないおバカ具合で注目を集めたアルバイトの流佳や、“ザ・オシャレ人間”という風情のイラストレーター・香織、自称マルチクリエーター・翔平など、数々の愛すべきメンバーが登場した前半戦を振り返ってもらった。(座談会は12月中旬収録)

【座談会参加者】
Aさん:テレビ制作会社勤務。映像作品として興味を持ち、テラハを見始める。とにかく香織に対して並々ならぬ思いがある。
Bさん:編集者。軽井沢編(17~18年)後半のドロドロした展開にハマり、過去のシーズンも一気見。東京編でのお気に入りメンバーは翔平。ジャニオタでもある。
Cさん:ライター。朝井リョウの小説『それでは二人組を作ってください』(新潮社『何様』に収録)でテラハの魅力に気付く。副音声が大好物。イチオシメンバーは軽井沢編の聡太先生。

最初はテラハをバカにしてたのに……

――まずは皆さんがテラハにハマったきっかけから教えてください。

 我が家は、私も夫も映像関係の仕事をしているので、家で映画からドラマ、ドキュメンタリーなど、さまざまな作品をよく見ています。テラハも、最初は夫が「どこにカメラを置いて撮ってるんだ?」という興味で見始め、よく家で流していたんです。そんな中、テラハが映画化(2015年2月公開の映画『テラスハウス クロージング・ドア』)されることになったんですが、夫が「これは新しいぞ!」「リアリティー番組が映画化ってどういうことだ!」とまた騒ぎ始めて、そこから私もガッツリ見るようになりました。映画館に行く前に過去作を一気に見て、映画も見て、結果的に「面白いぞ!」と。

 私は軽井沢編からハマって、そこから過去のシーズンも並行して見始めました。メンバーの“人間関係”をウォッチするのがとにかく面白い。あと、テラハのレジェンド・島袋聖南がとにかく好きで、彼女のおかげでここまでハマったとも言えます。軽井沢編でも、聖南が現れた瞬間に「キター!」と大興奮。あの圧倒的な大御所感、テラハにおける唯一無二のセンターですよ! 案の定、軽井沢編も盛り上げてくれて、しかも整形までバラされるという(笑)。聖南はサイコーです!

 私は朝井リョウのテラハを題材にした短編『それでは二人組を作ってください』を読んで、興味を持ちました。読んだのが初代テラハ全盛期の頃で、私は当時、「テラハって“オシャレ人間のオシャレ生活”に憧れる若者が見る番組でしょ?」とバカにしてたんです。この短編の主人公の女子大生も、まさにその“憧れる若者”タイプなんですが、最後にどんでん返しがあって……。世間が実はどういうふうにテラハを楽しんでいるかに気づかされるんです。実はみんな、ちょっとバカにしつつ、ツッコミながら見てるっていう。「そういう見方がOKなら面白いかも」と思って見てみたら、見事にハマりました。

 私も最初は、テラハを敬遠してましたね。私はいまアラサーで、中高生時代に『あいのり』(フジテレビ系)が全盛期だったんですが、若者が恋愛にうつつを抜かしているのを見て「バカらしい」と思ってしまったんです。だから、テラハもつまらないだろうなって思い込んでた。「どうせヤラセでしょ?」っていうのもありましたし。でも、今となっては「面白けりゃ、ヤラセでもいいじゃん!」という境地です。恋愛うんぬんというより、人間ドラマ。『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)を見ているのと同じ感覚ですよ。「知りもせずにテラハを叩くのは人生損してるぞ」と言いたい。

 私も最初は、若者のオシャレな生活が鼻についちゃって見てられなかったですね。『あいのり』は誰もがゼロスタートの旅が基盤だから、泥臭さもあったけど、テラハの世界は斜めに見ないと入り込めない感覚がありました。

 スタジオの山ちゃん(山里亮太)やYOUがツッコむ副音声が、私のような斜めに見る派には必須ですね。

――その“オシャレ感”ですが、今回の東京編でも感じますか?

 そうですね、メンバーに、オシャレなサブカル感が強まってきている気がします。

 特にスタートメンバーは、それが極まった気がしました。

 香織がイラストレーター、翔平が文筆業や映像作りも行う俳優、ケニーが絵も描くバンドマンで、スタートメンバーの半分が文化系でしたね。後から入るペッペは「週刊スピリッツ」(小学館)の漫画家で、浅野いにお、西炯子という人気漫画家までテラハに出演してました。最新のメンバーには、リリー・フランキーの付き人もいます。

 年齢層も上がってきた印象です。もともとは10代後半~20代前半がメインでしたが、軽井沢編くらいから三十路超えがメンバーに入ってくるようになって、今回もケニーが31歳。アラサーにも視聴者層を広げたかったのかな。

 テラハを「私たちには関係ない世界」と鼻で笑ってた層を「一網打尽にしたる!」みたいな意気込みは感じました。

 特に、翔平と香織によって、「マガジンハウス」感が出てましたよね。

 香織なんて東京都港区出身ですよ! 港区出身なんて、嵐の櫻井翔以外聞いたことがなかったのに……! しかも経歴もすごい。成城学園初等学校・中等学校を出て、高校はカナダへ留学、その後、慶應義塾大学に入学して、フランス・パリ第1大学に交換留学……卒業後は外資系企業で働いていたと。それからイラストレーター一本に転身したんですよね。

 翔平はそれこそ、マガハが出してる「GINZA」のウェブ版でコラムを書いてますよね。同業者として文章は……無駄に長いというのが第一印象です。

 音楽もマガハ層に合わせてきたように思いました。

 そうそう、今回は七尾旅人の「サーカスナイト」を使ってたんですよ。「サーカスナイト」がかかった瞬間、あぁ七尾旅人を好む層まで殺しに来てるな! って思いました。

 「サーカスナイト」をドヤ顔で弾き語りするケニーはダサかったですけどね。ケニー自身の作る歌詞には、七尾旅人感が皆無で、どちらかと言うと、ファンキーモンキーベイビーズとか湘南乃風っぽいので。本当はこういう歌詞が書きたいのかな……。

――香織と翔平の2人は、制作側から新しい風を吹かせることを期待されていたのでしょうか。この2人、テラハファン的にはどうでしたか?

 香織には言いたいことが山ほどあるんですよ! 香織からは、パクリ騒動で炎上した“モデルで銭湯絵師見習い”の勝海麻衣と同じ匂いがするんです。美大で絵の勉強をしていたわけではないけど、ちょっと絵が描けて、しかもお嬢様でかわいい。それで周りに褒められて、気をよくしちゃったのかなと。ハワイ編のローレンの絵はベタ褒めしてたスタジオメンバーも、香織の絵はたいして褒めてないんですよ。「その絵でプロなの?」って私は正直、思っちゃった。

 香織が「一枚絵で売れるアーティストになりたい」って言ったときは、私も「え? その画風しかないのに一枚絵?」と思いました。

 たぶん今までは家柄、学歴、容姿という背景ありきで褒められてきたから、香織には謎の自信が溢れていたんでしょうね。でも、絵の実力自体は「そうでもない」っていうことに、本人がどんどん気づいていくシーンが結構ありましたよね。それで、そろそろ化けの皮が剥がれるぞというタイミングで、香織は「ロンドンに行く」って卒業しちゃったんです。ズルい子ですよ……!

 そう、ダサさがバレる前に逃げたように見えた! 私は、香織と翔平のせいでテラハの空気がよどんでいたと思うんですよ。新しい風を吹かせるために入れられた2人なのに……。

 そのよどんだ空気って、2人の態度から漏れていた「テラハってダセェ」という冷めた気持ちによるものだと思うんです。卒業する時も、翔平は「ワイワイされるのが苦手」とか言って、夜逃げみたいにして出て行きましたし、香織もサラっと出て行きました。

 今、女子大生の愛華vsプロレスラーの花が、バスケットボール選手・凌をめぐってマウンティング合戦を繰り広げていますが、前半はこうしたバトルがほとんどなかった。それも香織がいたからですよね。高学歴で港区出身のお嬢様である香織にマウンティングしてもね……。だからある意味、香織は空気だった。香織が出た後の女子部屋は楽しそうに見えて、やっぱりみんな、香織にバカにされないよう気を使ってたのかなって思いました。

 翔平に関していうと、私はすごく好きなんです。なぜなら、嵐の二宮和也に似ているような気がするから……(笑)。私、唇をとんがらせて、世の中をちょっと斜に見てる感じの男子が好きなんですよねぇ。翔平の卒業インタビューを見ると、彼はたぶん、一緒に住んでいたメンバーをバカにしているわけではないんですが、テラハの構造そのものをバカにしてるんです。スタジオや視聴者にいろいろツッコまれる作りやシーンの切り取られ方に、堂々と文句を言ってる。「え! そんなのわかっててテラハに入ったんだよね!?」っていうダサさはあるんですけど、そこが青くてかわいい~って思っちゃう。彼がテラハの空気をよどませたなとは思ってますが、個人的には翔平が大好きです。
 
――後編では、ほかの気になるメンバーについても聞いていきましょう。

(後編につづく)