【京東商城】中国のイーコマース企業が作った「完全無人倉庫」の内情とは?

――あまりにも速すぎるデジタルテクノロジーの進化に、社会や法律、倫理が追いつかない現代。世界最大の人口14億人を抱える中国では、国家と個人のデータが結びつき、歴史に類を見ないデジタルトランスフォーメーションが進行している。果たしてそこは、ハイテクの楽園か、それともディストピアなのか――。

【京東商城】

中国版アマゾンと呼ばれる、巨大なイーコマース企業。通称ジンドン(JD.com)。1998年に設立され、現在は売上高6兆円を超えるまでに成長した原動力が、最先端のロボットやテクノロジーを使った「スマート物流」。2017年に発表した上海にある完全無人倉庫は、人の手にほぼ触れることなく商品を出荷できることで話題になった。最近では次世代物流のため、リニアモーター技術などにも投資をしている。

◇◇◇

 中国といえば、今や世界でもっとも先進的な「キャッシュレス社会」として知られるようになった。しかし、これからは最先端のテクノロジーを駆使した「スマート物流」が間違いなくホットな分野になる。だから最近、中国の物流倉庫を取材している。

「世界で初めてとなる、完全無人倉庫が完成した」

 2017年、中国のイーコマースのトップ企業であるJD.com(京東商城/ジンドン)が、上海エリアにおいて「完全自動化」を施した巨大倉庫の建設を発表した。1日あたり20万個近いアイテムをさばくことができる、フラッグシップとなる物流拠点だ。

 このニュースを報じた米CNBCによれば、倉庫の広さは約4万平方メートル。本来ならば400~500人ほどの作業スタッフが必要となるスケールの倉庫だが、ここにはたったの5人しか必要ないという。つまり必要な人手は、およそ100分の1ということだ。

 JD.comが公開した無人倉庫の動画には、真っ白いロボットアームが登場する。まるで生き物のように、滑らかな動きでスマートフォンの箱を掴み取って、バーコードをスキャンさせて、ベルトコンベアの上に次々と置いていく。

 ちなみに合計20個備えつけられているロボットアームは、三菱電機製。さらにこのロボットの腕をコントロールしている「頭脳」にあたる人工知能は、日本のMUJIN(ムジン)という気鋭のロボットベンチャーが担当している。

「無人倉庫は、そもそもコストパフォーマンスを度外視して作った設備。だから、あらゆる商品を無人倉庫で配送できるわけではないんですよ」

 この倉庫について詳しい関係者は、そのように明かす。まずはお金のことは考えずに、最先端のテクノロジーをかき集めたということだ。実際にこの無人倉庫で扱っているアイテムは、今は四角い箱に入っているスマートフォンに限られている。

 つまりハイテクをアピールするために作った、やや「盛り気味」な完全無人倉庫ともいえる。それでも日本の物流倉庫では絶対に見ることができない、SFの世界だ。

 ロボットアームからベルトコンベアに荷物が流れてゆき、巨大な立体倉庫に在庫として収納されてゆく。そして注文があれば、まるで昆虫のように床の上をチョロチョロと動き回るロボットが、商品を配送エリアに運んでゆく。

 もはやこの物流倉庫は、室内の明かりをすべて消しても、暗闇の中で動き続ける――。メディアでは、そんな「都市伝説」まで紹介された始末だ。

■日本は「スマート物流」の輸入国

 現在は「中国版アマゾン」と言われることも多い、このJD.comのEC取引額は22兆円(2017年)に上る。そのビジネスの心臓部は、最先端のテクノロジーを活用したスマート物流だ。

 歴史的に中国のオンラインショッピングでは、せっかく注文した商品が破損しているなど、クオリティの低い物流によってユーザーは嫌な目にあうことが多かった。そこでJD.comは、なんと自社で物流システムをゼロから構築するという手段に出た。

 きちんとした有名メーカーの商品が、もっとも整備された物流システムによって、美しい状態で手元に届く。これによってJD.comは後発にもかかわらず、中国最大のイーコマース企業であるアリババを追い上げて、中国ナンバー2の座にまで上り詰めた。

 従業員数は17万5000人以上おり、なんと約40%にあたる7万人が物流の配送員をしている。また2010年にはアマゾンより先駆けて「当日配送」のサービスを始めている。

 そして巨大な物流倉庫は500カ所以上もあり、そこでもっとも力を入れているのが、冒頭で紹介したようなロボットと人工知能による自動化の加速だ。人間の腕の代わりにロボットアームを使うだけではなくて、さまざまな商品や商品棚を載せて、昆虫のように倉庫内をチョロチョロと走り回るAVG(自動搬送車)であったり、ドローンといったハードウェアも続々と取り込んでいる。

「中国では、10万人以上もの従業員に対して、高いスキルを一人ひとりに教え込むのは本当に難しい。だったら、ロボットで自動化したほうが早いというのが、経営側の視点です」と、JD.comをよく知る日本人は語る。

 さらにドローン利用でも先行しているのは、中国ならではの理由もある。

「例えば、山が連なる四川省には、陸路で断崖絶壁を4時間かけないと行けない場所に人々が住んでいる。それがドローンなら15kgの荷物を5分の飛行で運べます」(JD.comの肖軍・副総裁)

 今年に入って日本のイーコマース大手の楽天は、JD.comの最先端のドローンや配送ロボットなどを採用して、日本国内における無人配送サービスなどの開発を進めると発表した。つまり、日本はスマート物流において「輸入国」になっているのだ。

■デジタル人海戦術の「限界」

 もうひとつ、中国のスマート物流がこれから大きなトレンドになる背景がある。それが中国の高齢化と人手不足の問題だ。

 中国は、約14億人という世界最大の人口を抱えている大国だ。だから人材を安く使うことができ、余剰労働力がたくさんあるように思うが、話はそんなに簡単ではない。

 まず国連の予想によると、中国の人口は2030年をピークにして減少してゆく。何よりも高齢化がとても早いスピードで進行し、2015年に9.7%だった高齢化率(65歳以上)は、2035年には20%を超えてゆき、2060年には30.5%に到達する。

 つまり数字だけみると、中国は2050年頃には現在の日本と変わらない「超高齢化社会」を迎える。人口そのものは多くても、白髪の人がものすごく増えることになる。

 さらに、中国がどんどんと豊かな国になっていることに伴って、若い世代は肉体労働を伴う仕事をしたくないという傾向が明らかになっている。

「私の教えている学生たちで、アルバイトをしている子はほとんどいません。彼らはプライドが高いので、ブルーカラー的な仕事は絶対にしません」と、先日お会いした、対外経済貿易大学の西村友作教授は語っていた。

 これは、中国にとっては徐々に社会問題になっているという。なぜならテクノロジー国家として注目されるようになっている中国だが、実はその最新のサービスの裏側には、かなりアナログな「人海戦術」があることは周知の事実だからだ。

 出前アプリを使えば、30分でホカホカの料理を持ってきてくれるのは、電動バイクにまたがって、危険をかえりみずに猛スピードで走ってくれる配達員がいるからだ。彼らはスマホに親しんだ「新世代農民工」と呼ばれる存在で、地方から都市部に移ってきては、デジタル社会を底辺から支えている。

 ネットショッピングで注文した商品がすぐに手元に届くのは、郊外にある巨大な物流倉庫などで、同じく無数の商品をさばいてくれる労働力があるおかげだ。もし人手が足りなくなれば、こうしたサービスは価格が高騰して、これまでのように機能することが難しくなる。

 いったん便利になったサービスは、いくら人の手が足りなくなっても、人間はずっと使い続けようとするものだ。だから中国は世界最大の人口を抱える国から、世界最大のロボットを抱える国になっていく。スマート物流分野は、その試金石となるエリアなのだ。(月刊サイゾー6月号より)

●後藤直義(ごとう・なおよし)

1981年生まれ。青山学院大学文学部卒。毎日新聞社、週刊ダイヤモンドを経て、2016年4月にソーシャル経済メディア『NewsPicks』に移籍し、企業報道チームを立ち上げる。グローバルにテクノロジー企業を取材し、著書に『アップル帝国の正体』(文藝春秋)など。

【京東商城】中国のイーコマース企業が作った「完全無人倉庫」の内情とは?

――あまりにも速すぎるデジタルテクノロジーの進化に、社会や法律、倫理が追いつかない現代。世界最大の人口14億人を抱える中国では、国家と個人のデータが結びつき、歴史に類を見ないデジタルトランスフォーメーションが進行している。果たしてそこは、ハイテクの楽園か、それともディストピアなのか――。

【京東商城】

中国版アマゾンと呼ばれる、巨大なイーコマース企業。通称ジンドン(JD.com)。1998年に設立され、現在は売上高6兆円を超えるまでに成長した原動力が、最先端のロボットやテクノロジーを使った「スマート物流」。2017年に発表した上海にある完全無人倉庫は、人の手にほぼ触れることなく商品を出荷できることで話題になった。最近では次世代物流のため、リニアモーター技術などにも投資をしている。

◇◇◇

 中国といえば、今や世界でもっとも先進的な「キャッシュレス社会」として知られるようになった。しかし、これからは最先端のテクノロジーを駆使した「スマート物流」が間違いなくホットな分野になる。だから最近、中国の物流倉庫を取材している。

「世界で初めてとなる、完全無人倉庫が完成した」

 2017年、中国のイーコマースのトップ企業であるJD.com(京東商城/ジンドン)が、上海エリアにおいて「完全自動化」を施した巨大倉庫の建設を発表した。1日あたり20万個近いアイテムをさばくことができる、フラッグシップとなる物流拠点だ。

 このニュースを報じた米CNBCによれば、倉庫の広さは約4万平方メートル。本来ならば400~500人ほどの作業スタッフが必要となるスケールの倉庫だが、ここにはたったの5人しか必要ないという。つまり必要な人手は、およそ100分の1ということだ。

 JD.comが公開した無人倉庫の動画には、真っ白いロボットアームが登場する。まるで生き物のように、滑らかな動きでスマートフォンの箱を掴み取って、バーコードをスキャンさせて、ベルトコンベアの上に次々と置いていく。

 ちなみに合計20個備えつけられているロボットアームは、三菱電機製。さらにこのロボットの腕をコントロールしている「頭脳」にあたる人工知能は、日本のMUJIN(ムジン)という気鋭のロボットベンチャーが担当している。

「無人倉庫は、そもそもコストパフォーマンスを度外視して作った設備。だから、あらゆる商品を無人倉庫で配送できるわけではないんですよ」

 この倉庫について詳しい関係者は、そのように明かす。まずはお金のことは考えずに、最先端のテクノロジーをかき集めたということだ。実際にこの無人倉庫で扱っているアイテムは、今は四角い箱に入っているスマートフォンに限られている。

 つまりハイテクをアピールするために作った、やや「盛り気味」な完全無人倉庫ともいえる。それでも日本の物流倉庫では絶対に見ることができない、SFの世界だ。

 ロボットアームからベルトコンベアに荷物が流れてゆき、巨大な立体倉庫に在庫として収納されてゆく。そして注文があれば、まるで昆虫のように床の上をチョロチョロと動き回るロボットが、商品を配送エリアに運んでゆく。

 もはやこの物流倉庫は、室内の明かりをすべて消しても、暗闇の中で動き続ける――。メディアでは、そんな「都市伝説」まで紹介された始末だ。

■日本は「スマート物流」の輸入国

 現在は「中国版アマゾン」と言われることも多い、このJD.comのEC取引額は22兆円(2017年)に上る。そのビジネスの心臓部は、最先端のテクノロジーを活用したスマート物流だ。

 歴史的に中国のオンラインショッピングでは、せっかく注文した商品が破損しているなど、クオリティの低い物流によってユーザーは嫌な目にあうことが多かった。そこでJD.comは、なんと自社で物流システムをゼロから構築するという手段に出た。

 きちんとした有名メーカーの商品が、もっとも整備された物流システムによって、美しい状態で手元に届く。これによってJD.comは後発にもかかわらず、中国最大のイーコマース企業であるアリババを追い上げて、中国ナンバー2の座にまで上り詰めた。

 従業員数は17万5000人以上おり、なんと約40%にあたる7万人が物流の配送員をしている。また2010年にはアマゾンより先駆けて「当日配送」のサービスを始めている。

 そして巨大な物流倉庫は500カ所以上もあり、そこでもっとも力を入れているのが、冒頭で紹介したようなロボットと人工知能による自動化の加速だ。人間の腕の代わりにロボットアームを使うだけではなくて、さまざまな商品や商品棚を載せて、昆虫のように倉庫内をチョロチョロと走り回るAVG(自動搬送車)であったり、ドローンといったハードウェアも続々と取り込んでいる。

「中国では、10万人以上もの従業員に対して、高いスキルを一人ひとりに教え込むのは本当に難しい。だったら、ロボットで自動化したほうが早いというのが、経営側の視点です」と、JD.comをよく知る日本人は語る。

 さらにドローン利用でも先行しているのは、中国ならではの理由もある。

「例えば、山が連なる四川省には、陸路で断崖絶壁を4時間かけないと行けない場所に人々が住んでいる。それがドローンなら15kgの荷物を5分の飛行で運べます」(JD.comの肖軍・副総裁)

 今年に入って日本のイーコマース大手の楽天は、JD.comの最先端のドローンや配送ロボットなどを採用して、日本国内における無人配送サービスなどの開発を進めると発表した。つまり、日本はスマート物流において「輸入国」になっているのだ。

■デジタル人海戦術の「限界」

 もうひとつ、中国のスマート物流がこれから大きなトレンドになる背景がある。それが中国の高齢化と人手不足の問題だ。

 中国は、約14億人という世界最大の人口を抱えている大国だ。だから人材を安く使うことができ、余剰労働力がたくさんあるように思うが、話はそんなに簡単ではない。

 まず国連の予想によると、中国の人口は2030年をピークにして減少してゆく。何よりも高齢化がとても早いスピードで進行し、2015年に9.7%だった高齢化率(65歳以上)は、2035年には20%を超えてゆき、2060年には30.5%に到達する。

 つまり数字だけみると、中国は2050年頃には現在の日本と変わらない「超高齢化社会」を迎える。人口そのものは多くても、白髪の人がものすごく増えることになる。

 さらに、中国がどんどんと豊かな国になっていることに伴って、若い世代は肉体労働を伴う仕事をしたくないという傾向が明らかになっている。

「私の教えている学生たちで、アルバイトをしている子はほとんどいません。彼らはプライドが高いので、ブルーカラー的な仕事は絶対にしません」と、先日お会いした、対外経済貿易大学の西村友作教授は語っていた。

 これは、中国にとっては徐々に社会問題になっているという。なぜならテクノロジー国家として注目されるようになっている中国だが、実はその最新のサービスの裏側には、かなりアナログな「人海戦術」があることは周知の事実だからだ。

 出前アプリを使えば、30分でホカホカの料理を持ってきてくれるのは、電動バイクにまたがって、危険をかえりみずに猛スピードで走ってくれる配達員がいるからだ。彼らはスマホに親しんだ「新世代農民工」と呼ばれる存在で、地方から都市部に移ってきては、デジタル社会を底辺から支えている。

 ネットショッピングで注文した商品がすぐに手元に届くのは、郊外にある巨大な物流倉庫などで、同じく無数の商品をさばいてくれる労働力があるおかげだ。もし人手が足りなくなれば、こうしたサービスは価格が高騰して、これまでのように機能することが難しくなる。

 いったん便利になったサービスは、いくら人の手が足りなくなっても、人間はずっと使い続けようとするものだ。だから中国は世界最大の人口を抱える国から、世界最大のロボットを抱える国になっていく。スマート物流分野は、その試金石となるエリアなのだ。(月刊サイゾー6月号より)

●後藤直義(ごとう・なおよし)

1981年生まれ。青山学院大学文学部卒。毎日新聞社、週刊ダイヤモンドを経て、2016年4月にソーシャル経済メディア『NewsPicks』に移籍し、企業報道チームを立ち上げる。グローバルにテクノロジー企業を取材し、著書に『アップル帝国の正体』(文藝春秋)など。

King&Prince、新曲初日27万枚スタートも……「平野キモい」「吐き気する」と“下ネタうちわ”が波紋

 King&Princeのニューシングル「koi-wazurai」が発売され、8月27日付のオリコンデイリーシングルランキングで初登場1位を獲得。売り上げは約27.7万枚と、ロケットスタートを切った。

 昨年5月のデビューから、快進撃を続けているKing&Prince(以下、キンプリ)。デビュー曲「シンデレラガール」は初日に31.8万枚を売り上げ、初週57.7万枚と爆発的なヒットを飛ばしたほか、同10月発売の2ndシングル「Memorial」も初日に27.4万枚(初週40.1万枚)、今年4月発売の3rdシングル「君を待ってる」の初日記録は24.1万枚(初週39.1万枚)と、高水準をキープしている。

 今作は平野紫耀が主演する映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(9月6日公開)の主題歌で、通常盤、初回限定盤A・Bの3種リリース。それぞれ、CDショップなどでの購入時には先着特典のフォトカード、ステッカーシート、クリアポスターがついており、一部コンサート会場でも「会場限定予約特典」として、オリジナルメモ帳の配布を実施していた。1日目だけで27万枚超えとなれば、週間1位はもちろん、初週は30万代後半~40万台に届く可能性が高いだろう。

 一方で、King&Princeに関してはコンサートの応援うちわをめぐる話題がファンの間で物議を醸している。彼らは7月の神奈川県・横浜アリーナ公演を皮切りに、10月20日の新潟公演まで続くコンサート『King&Prince CONCERT TOUR 2019』を開催中。8月24日・25日の北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナにおいては、一部ファンによる“過激なうちわ”の写真が問題視された。

「会場前で、キンプリファンとみられる人が『永瀬廉のちくわ食べていい?』『紫耀のちくわ食べていい?』と書かれたうちわを持っている写真がネット上に出回りました。持ち主の顔などは入っておらず、記念のつもりで手作りうちわと会場を写した1枚を自身のSNSに載せたところ、ネット上に広まってしまったのでしょう。この“ちくわ”とは、おそらく8月4日の大阪昼公演で話題になった単語が元ネタ。“ギリギリ下ネタに聞こえるフレーズ”でコメントをする場面で、岸優太が『こんちくわ』と発言。その意味について、MC中に議論になった際、岸は『ちくわは下ネタだよ』と、主張していたそうです。そんな会話を受け、メンバーは『ケータリングで俺のちくわ食べたよね』(平野)『紫耀のちくわおいしかった?』『どのサイズ?』(永瀬)と、下ネタを連想させる話で盛り上がっていたとか」(ジャニーズに詳しい記者)

 実際にファンが「ちくわ食べていい?」といったうちわを会場内に持ち込み、コンサート中に持っていたかどうかは定かではないが、このうちわを見た平野が足を開いて「いいよ」とリアクションしていたという目撃談が上がったことから、より“過激うちわ”の存在がネット上で拡散されていった。

 そんな中、平野のリアクションも含め事実だと受け止めたファンは「下品なうちわを見ると吐き気がする。恥じらいはないの?」「ちくわのうちわに足開いて『いいよ』って……。平野、ガチでキモイ」「ちくわのうちわ、持って行った人もどうかと思うけど、そのうちわにファンサした平野に幻滅……」「ちくわのうちわ、下品極まりないからやめてほしい。キンプリもそんなクソうちわにかまわないで」と、ドン引きしている。

 また、今回のツアーではMCタイムでの下ネタトークが賛否両論を呼んでいたため、「下ネタばっかり言って、変なうちわにファンサするから、こういう下ネタに走る人が増える」「メンバーがこんな事態を招いてる。平野もアイドルとしての意識がなさすぎ」「キンプリの下ネタはどうかしてるし、うちわを持って行っていい雰囲気のMCをしてるキンプリも悪い」と、手厳しい意見が多く出ていた。

「今回のコンサート中、キンプリが客席のファンに水鉄砲を向ける演出があります。7月末の愛知・名古屋公演では、『下着まで濡らして』といううちわを見つけたと、メンバーがMC中にネタにしていたそうです。実際、永瀬がそのうちわを持つファンに『めっちゃ水をかけてた』とのレポートも上がっていました。過激な文言のうちわを持参するファンは、目立ちたい、メンバーに反応してほしい……といった思いや、あわよくばMCでイジってくれることを期待しているのでしょう。キンプリの下ネタトーク、ファンの下品なうちわの件で嫌悪感を抱いているファンも少なくないだけに、今後はメンバー自身も発言に気をつけるべきかもしれません」(同)

 ファン離れが進めば、せっかく好調なCD売り上げがこの先下がっていく可能性もあるだろう。“老若男女に愛されるグループ”になるためにも、本人たちには慎重な言動を心がけてほしいものだ。

King&Prince、新曲初日27万枚スタートも……「平野キモい」「吐き気する」と“下ネタうちわ”が波紋

 King&Princeのニューシングル「koi-wazurai」が発売され、8月27日付のオリコンデイリーシングルランキングで初登場1位を獲得。売り上げは約27.7万枚と、ロケットスタートを切った。

 昨年5月のデビューから、快進撃を続けているKing&Prince(以下、キンプリ)。デビュー曲「シンデレラガール」は初日に31.8万枚を売り上げ、初週57.7万枚と爆発的なヒットを飛ばしたほか、同10月発売の2ndシングル「Memorial」も初日に27.4万枚(初週40.1万枚)、今年4月発売の3rdシングル「君を待ってる」の初日記録は24.1万枚(初週39.1万枚)と、高水準をキープしている。

 今作は平野紫耀が主演する映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(9月6日公開)の主題歌で、通常盤、初回限定盤A・Bの3種リリース。それぞれ、CDショップなどでの購入時には先着特典のフォトカード、ステッカーシート、クリアポスターがついており、一部コンサート会場でも「会場限定予約特典」として、オリジナルメモ帳の配布を実施していた。1日目だけで27万枚超えとなれば、週間1位はもちろん、初週は30万代後半~40万台に届く可能性が高いだろう。

 一方で、King&Princeに関してはコンサートの応援うちわをめぐる話題がファンの間で物議を醸している。彼らは7月の神奈川県・横浜アリーナ公演を皮切りに、10月20日の新潟公演まで続くコンサート『King&Prince CONCERT TOUR 2019』を開催中。8月24日・25日の北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナにおいては、一部ファンによる“過激なうちわ”の写真が問題視された。

「会場前で、キンプリファンとみられる人が『永瀬廉のちくわ食べていい?』『紫耀のちくわ食べていい?』と書かれたうちわを持っている写真がネット上に出回りました。持ち主の顔などは入っておらず、記念のつもりで手作りうちわと会場を写した1枚を自身のSNSに載せたところ、ネット上に広まってしまったのでしょう。この“ちくわ”とは、おそらく8月4日の大阪昼公演で話題になった単語が元ネタ。“ギリギリ下ネタに聞こえるフレーズ”でコメントをする場面で、岸優太が『こんちくわ』と発言。その意味について、MC中に議論になった際、岸は『ちくわは下ネタだよ』と、主張していたそうです。そんな会話を受け、メンバーは『ケータリングで俺のちくわ食べたよね』(平野)『紫耀のちくわおいしかった?』『どのサイズ?』(永瀬)と、下ネタを連想させる話で盛り上がっていたとか」(ジャニーズに詳しい記者)

 実際にファンが「ちくわ食べていい?」といったうちわを会場内に持ち込み、コンサート中に持っていたかどうかは定かではないが、このうちわを見た平野が足を開いて「いいよ」とリアクションしていたという目撃談が上がったことから、より“過激うちわ”の存在がネット上で拡散されていった。

 そんな中、平野のリアクションも含め事実だと受け止めたファンは「下品なうちわを見ると吐き気がする。恥じらいはないの?」「ちくわのうちわに足開いて『いいよ』って……。平野、ガチでキモイ」「ちくわのうちわ、持って行った人もどうかと思うけど、そのうちわにファンサした平野に幻滅……」「ちくわのうちわ、下品極まりないからやめてほしい。キンプリもそんなクソうちわにかまわないで」と、ドン引きしている。

 また、今回のツアーではMCタイムでの下ネタトークが賛否両論を呼んでいたため、「下ネタばっかり言って、変なうちわにファンサするから、こういう下ネタに走る人が増える」「メンバーがこんな事態を招いてる。平野もアイドルとしての意識がなさすぎ」「キンプリの下ネタはどうかしてるし、うちわを持って行っていい雰囲気のMCをしてるキンプリも悪い」と、手厳しい意見が多く出ていた。

「今回のコンサート中、キンプリが客席のファンに水鉄砲を向ける演出があります。7月末の愛知・名古屋公演では、『下着まで濡らして』といううちわを見つけたと、メンバーがMC中にネタにしていたそうです。実際、永瀬がそのうちわを持つファンに『めっちゃ水をかけてた』とのレポートも上がっていました。過激な文言のうちわを持参するファンは、目立ちたい、メンバーに反応してほしい……といった思いや、あわよくばMCでイジってくれることを期待しているのでしょう。キンプリの下ネタトーク、ファンの下品なうちわの件で嫌悪感を抱いているファンも少なくないだけに、今後はメンバー自身も発言に気をつけるべきかもしれません」(同)

 ファン離れが進めば、せっかく好調なCD売り上げがこの先下がっていく可能性もあるだろう。“老若男女に愛されるグループ”になるためにも、本人たちには慎重な言動を心がけてほしいものだ。

長瀬智也「ジャニーズ辞める」報道を覆す、山口達也「TOKIOには歌ってほしい」

 8月29日発売の「女性セブン」(小学館)で、元TOKIOの山口達也が独占インタビューに応じていることがわかった。

 先んじて概要を伝えたweb版の「NEWSポストセブン」には、白Tシャツにジーンズ姿で丸刈りの、山口達也の近影も。顔色は良く、思いのほか体調は良好そうだ。

 2018年4月に、未成年への強制わいせつで書類送検されていたことが明らかになり、芸能界を去った山口達也。その後は、アルコール依存症や双極性障害の治療とリハビリに励んでいると伝えられてきた。

 「NEWSポストセブン」によれば、山口達也は自身の脱退後に音楽活動を休止しているTOKIOのことを思い、インタビューに応じたという。山口が抜けたとはいえ、代理のサポートベーシストを入れて音楽活動を再開することも不可能ではないと思われたが、TOKIOはそれを頑なに拒んだといわれる。

 一方で長瀬智也は、音楽活動に強いこだわりを持っており、音楽活動が出来ないならばジャニーズ事務所を辞めたいと漏らしているとの報道も噴出。ただ、ジャニーズ事務所に籍を置きつつも、たとえばソロのアーティストとして音楽活動を始めることは可能だろう。

 山口達也は同誌取材に「音楽ができなくて苦しむTOKIOは見たくない」「TOKIOには歌ってほしい」と吐露したという。モチベーション低下による空中分解、解散説まで浮上しているTOKIOだが、山口のメッセージを受けて再び音楽を奏でる日は来るだろうか。

広瀬すず、『なつぞら』公式ツイッター動画に批判の嵐「この映像はさすがに引いた…」

 25日、連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)の公式ツイッターにある動画が投稿され、動画内での広瀬すずの態度が話題となっている。

 同作でヒロインを演じている広瀬。この日は「本番前に新生児を抱く中川大志さんと、恐る恐る抱く姿がおもしろくて笑ってしまう広瀬すずさん」と、本番前の撮影現場の様子が公開された。

 動画には、俳優の中川大志が新生児をおそるおそる抱く姿を、広瀬が指をさして笑う姿が映っているが、これに対してツイッター上では「なんで笑うの?人を指差してるし」「指差して人を笑うなんて失礼すぎる。中川さん真剣なのに」「この映像はさすがに引きました」と広瀬の行動に批判の声が殺到している。

 その一方で、「和やかな雰囲気なんじゃないかな?」「仲が良いからやっただけのようにも思う」といった声や「藤木さんと松島さんのベテランパパ・ママの見守っている姿がいい!」「藤木さんの慣れた感じ!かっこいい!」など、俳優の藤木直人と女優の松嶋菜々子にも注目が集まった。

 周囲の共演者たちが優しく見守っていたこともあり、余計に広瀬の態度が悪目立ちしてしまったのかもしれない。

工藤静香、40代最後の夏にビキニ姿を披露で騒然「スタイル完璧すぎ」「現役アピール?」

 工藤静香がインスタグラムにアップした水着写真が反響を呼んでいる。

 アラフィフながら、スタイルに定評のある工藤。以前には筋トレ動画などをアップし、スタイルキープのコツを披露。ファンからの称賛を集めていた。

 そんな工藤だが、27日にインスタグラムを更新し、「40代最後の夏という事で」とコメントしつつ、ビキニを着用し、横から撮影した自身の写真を披露した。

 滅多に見ることのできない工藤の水着姿だが、細いだけでなく、適度に筋肉もついた身体。年齢については「あっという間だね 笑笑笑笑」とつづりつつ、「50代最後の夏写真は水着は無理だし 笑笑」とお茶面にコメントしていた。

 娘でモデルのKoki,も「いいね!」しているこのポスト。ファンからは、「スタイル完璧すぎます!」「めちゃくちゃ綺麗!」といった絶賛が集まっていたが、一方ネット上では、「褒められたいのがミエミエ」「まだまだ現役アピール?」「アラフィフで紐ビキニ姿をインスタにアップするって下品だとしか……」という苦言も寄せられてしまっていた。

 ファンからは喜ばれた水着姿だが、「痛々しい」と感じたネットユーザーも少なくなかったようだ。

 

 

地元記者も大ブーイング! 京都アニメーション放火殺人事件でも”首相への忖度”が露呈か

 35人もの犠牲者を出したアニメ制作会社「京都アニメーション」の放火殺人事件は、7月18日の事件発生から1カ月あまりがすぎても、波紋は収まるところを知らない。

 実際、現場の献花台が取り払われた8月25日までの間、痛ましい現場となった京都市伏見区の同社第1スタジオ周辺を訪れるファンの行列は途絶えることがなかった。日本のみならず世界各地の「京アニ」ファンが哀悼の意をSNSなどを通じて発信を続けた。取材に当たった地元の民放記者が語る。

「現場を訪れた京アニのファンは口々に『元気をもらいましたから』と涙を隠そうとしませんでした。例えば、耳が聞こえず、いじめに遭った少女と加害者少年の不可思議な人間関係と人間再生のドラマを描いた京アニの映画『聲(こえ)の形』がその一例です。同じ体験を乗り越えたファンが駆けつけ、『勇気をもらった』と献花台に花を手向けている場面を目撃しました。ファンにとって、命を奪われた35人のアニメーターたちは、二度と会うことのできない、かけがえのない存在になったのでは」

 これほどの悲しみをもたらした事件でありながら、実は、35人の犠牲者の素顔のほとんどをマスコミがいまだに伝えていない。全国紙記者が言う。

「事件発生当初から、京都府警は35人の焼死者の名前を一切伏せてきたんです。15日後の8月2日になって、映画『涼宮ハルヒの消失』の武本康弘監督たち10人に限ってようやく氏名を公表したものの、この10人の遺族のほとんどを取材することはかないませんでした。府警があらかじめ『遺族の皆さまのプライバシーが侵害される恐れがあります』と説得した結果、遺族側は府警を通じて『取材拒否』の意向を示したからです」

 そして京都府警は、献花台が取り払われた2日後の8月27日、まるで世間の喧噪が鳴り止むのを待っていたかのように、残り25人の犠牲者の氏名を公表するに至った。

 25人の中には、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」でキャラクターデザインを担当した寺脇(池田)晶子さんらが含まれていたことが明らかになり、京アニファンの新たな悲しみを誘う結果となっている。

 それにしても、先に公表された10人よりも1カ月近くも公表を遅らせたことに、京都府警記者クラブは「あまりにも理不尽。取材のチャンスをずっと奪われた」と怒り心頭だ。前出の所属記者が続ける。

「京都府警は全氏名の公表理由について『最後の葬儀を終えたから。事件の重大性や公益性に鑑み、実名を提供することとした。警察から公表したのではなく、従前通り、報道機関への情報提供だ』などと取って付けたような言い訳に終始している。公表できるのなら、一斉発表すればいい。時期が異なれば、伏せていた理由を逆に勘ぐられる結果を招くだけじゃないか」

 警察による氏名公表については説明が必要だろう。

 新聞社とテレビ局の記者が所属する警察記者クラブに対し、警察当局が容疑者と被害者の実名を公表するのが原則になっている。氏名を伏せると、憲法が保障する「知る権利」を侵害するからだ。

 いったん警察が情報を伏せてしまうと、犯罪の容疑者になった政治家のような権力者の存在は世間に知られず、悪事がはびこることになりかねない。また、被害者の場合、実際にはもっとひどい目に遭っているのに、警察当局の裁量でその存在が公にならないようでは、被害はヤミに葬られ、本当の犯罪被害から救済される手だてを失いことすらあるだろう。

 例外として、性犯罪の被害者や精神疾患などの理由から氏名を伏せるケースがある。大手紙の社会部デスクが解説する。

「2016年に神奈川県相模原市の知的障害者施設『津久井やまゆり園』で入所者19人が殺害されたときには、神奈川県警が遺族の希望を挙げ実名を伏せました。被害者やその家族が従来から差別の目に晒されていたからです。しかし、今回の京アニ放火事件の被害者を匿名にする特別な理由はなかった。だから、京アニ放火事件をめぐる京都府警の対応は水面下でマスコミの批判の的になっていました」

 ところがここにきて、ある裏事情が分かってきたという。京都府警関係者が打ち明ける。

「実は、京都府警が被害者全員の氏名を公表したところ、警察庁が『もう一度精査しろ』と待ったを掛けていたことが分かってきたんです。その結果、10人限定の実名公表となり、かつ、このうち9人が取材拒否となった。こうした事態は、京都府警の本意ではありませんでした」

 この京都府警関係者によると、裏事情はこうだ。

 放火事件の4日後、京都府警は被害者の氏名を公表しようとしたところ、京都アニメーションの社長側が「報道された場合、被害者や遺族のプライバシーが侵害され、遺族が甚大な被害を受ける可能性がある」と事実上の抗議文を出して実名の公表を控えるよう府警に”プレッシャー”をかけたというのだ。

 そこで府警は、遺族を説得して回って了解を取り付け、犠牲者全員の一斉公表を踏み切ろうとした。

「ところが、事前に報告を受けた警察庁が遺族への配慮を理由に、さらなる同意を得るように指示を出したんです。『葬儀が終わるまで公表しない』という、新たな基準も示され、府警は実名公表に向けて身動きが取れなくなってしまいました」(前出・京都府警関係者)

 では、警察庁がどうして京都府警の判断に任せず、介入に及んだのだろうか。答えはズバリ、”首相への忖度”だという。前出の社会部デスクの話。

「安倍晋三首相は放火事件当日、『多数の死傷者が出ており、あまりの凄惨(せいさん)さに言葉を失う。亡くなった方のご冥福をお祈りする。負傷した皆さんにお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復をお祈りしている』と異例の談話ツイートを発信しました。加えて、これまた異例なのですが、国家公安委員長に捜査指揮を行いました。すでに犯人は逮捕のメドが付いた段階ですから、捜査を指示する必要はないはず。実際は、捜査そのものの指示というよりも、『遺族を守れ』とけしかけたのです」

 その国家公安委員長の発言記録が残っている。放火事件発生の当夜、山本順三委員長は記者団のぶら下がり取材に応じ、こんな発言をしていた。

「(総理より)指示もございました。事件の全容解明に向け、警察において捜査を徹底するように、こういう指示でございます。被疑者の男は確保されたと承知をいたしております。しかしながら総理の御指示に基づき、被害関係者の支援にも努めるよう、私からも(警察庁に)指示をしたところでございます」

 要するに、安倍首相の意向を忖度した国家公安委員長から警察庁→京都府警へとトップダウン式の捜査指揮が行われ、結果として、被害者の素顔を伝えたいマスコミ報道をシャットアウトすることに成功したというのだ。前出の地元民放記者が言う。

「わたしたちは、感動を与え続けたアニメーターたちそれぞれの素顔を伝え、哀悼の意を捧げるファンの思いに報いたいという思いでした。ですから、京都府警記者クラブは迅速な実名公表を要求する一方で、遺族や被害者への過熱した取材を防ぐために話し合ったんです。個別の取材がスタートすると、同じ遺族を訪れる記者は数十以上になります。遺族感情を逆なでする”メディアスクラム”という状態を生みかねません。そこで、なるべく複数社でまとまって代表取材のようなスタイルをとることや、取材拒否の意向がはっきりしている遺族がいた場合は記者クラブで情報を共有し、訪問の繰り返しを避けることでも合意していたんです。そこまで丁寧に段取りをしたのに、東京にいる警察官僚の意向でわたしたちの取材する自由が奪われるなんて、あまりにも理不尽でした」

 痛ましい放火事件の影で、警察官僚による”首相への忖度”が働いているという驚きの事実。京アニを思い続けた純真なファンたちにとって、こんな忖度こそ、蹴散らしてしまいたいに違いない。

地元記者も大ブーイング! 京都アニメーション放火殺人事件でも”首相への忖度”が露呈か

 35人もの犠牲者を出したアニメ制作会社「京都アニメーション」の放火殺人事件は、7月18日の事件発生から1カ月あまりがすぎても、波紋は収まるところを知らない。

 実際、現場の献花台が取り払われた8月25日までの間、痛ましい現場となった京都市伏見区の同社第1スタジオ周辺を訪れるファンの行列は途絶えることがなかった。日本のみならず世界各地の「京アニ」ファンが哀悼の意をSNSなどを通じて発信を続けた。取材に当たった地元の民放記者が語る。

「現場を訪れた京アニのファンは口々に『元気をもらいましたから』と涙を隠そうとしませんでした。例えば、耳が聞こえず、いじめに遭った少女と加害者少年の不可思議な人間関係と人間再生のドラマを描いた京アニの映画『聲(こえ)の形』がその一例です。同じ体験を乗り越えたファンが駆けつけ、『勇気をもらった』と献花台に花を手向けている場面を目撃しました。ファンにとって、命を奪われた35人のアニメーターたちは、二度と会うことのできない、かけがえのない存在になったのでは」

 これほどの悲しみをもたらした事件でありながら、実は、35人の犠牲者の素顔のほとんどをマスコミがいまだに伝えていない。全国紙記者が言う。

「事件発生当初から、京都府警は35人の焼死者の名前を一切伏せてきたんです。15日後の8月2日になって、映画『涼宮ハルヒの消失』の武本康弘監督たち10人に限ってようやく氏名を公表したものの、この10人の遺族のほとんどを取材することはかないませんでした。府警があらかじめ『遺族の皆さまのプライバシーが侵害される恐れがあります』と説得した結果、遺族側は府警を通じて『取材拒否』の意向を示したからです」

 そして京都府警は、献花台が取り払われた2日後の8月27日、まるで世間の喧噪が鳴り止むのを待っていたかのように、残り25人の犠牲者の氏名を公表するに至った。

 25人の中には、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」でキャラクターデザインを担当した寺脇(池田)晶子さんらが含まれていたことが明らかになり、京アニファンの新たな悲しみを誘う結果となっている。

 それにしても、先に公表された10人よりも1カ月近くも公表を遅らせたことに、京都府警記者クラブは「あまりにも理不尽。取材のチャンスをずっと奪われた」と怒り心頭だ。前出の所属記者が続ける。

「京都府警は全氏名の公表理由について『最後の葬儀を終えたから。事件の重大性や公益性に鑑み、実名を提供することとした。警察から公表したのではなく、従前通り、報道機関への情報提供だ』などと取って付けたような言い訳に終始している。公表できるのなら、一斉発表すればいい。時期が異なれば、伏せていた理由を逆に勘ぐられる結果を招くだけじゃないか」

 警察による氏名公表については説明が必要だろう。

 新聞社とテレビ局の記者が所属する警察記者クラブに対し、警察当局が容疑者と被害者の実名を公表するのが原則になっている。氏名を伏せると、憲法が保障する「知る権利」を侵害するからだ。

 いったん警察が情報を伏せてしまうと、犯罪の容疑者になった政治家のような権力者の存在は世間に知られず、悪事がはびこることになりかねない。また、被害者の場合、実際にはもっとひどい目に遭っているのに、警察当局の裁量でその存在が公にならないようでは、被害はヤミに葬られ、本当の犯罪被害から救済される手だてを失いことすらあるだろう。

 例外として、性犯罪の被害者や精神疾患などの理由から氏名を伏せるケースがある。大手紙の社会部デスクが解説する。

「2016年に神奈川県相模原市の知的障害者施設『津久井やまゆり園』で入所者19人が殺害されたときには、神奈川県警が遺族の希望を挙げ実名を伏せました。被害者やその家族が従来から差別の目に晒されていたからです。しかし、今回の京アニ放火事件の被害者を匿名にする特別な理由はなかった。だから、京アニ放火事件をめぐる京都府警の対応は水面下でマスコミの批判の的になっていました」

 ところがここにきて、ある裏事情が分かってきたという。京都府警関係者が打ち明ける。

「実は、京都府警が被害者全員の氏名を公表したところ、警察庁が『もう一度精査しろ』と待ったを掛けていたことが分かってきたんです。その結果、10人限定の実名公表となり、かつ、このうち9人が取材拒否となった。こうした事態は、京都府警の本意ではありませんでした」

 この京都府警関係者によると、裏事情はこうだ。

 放火事件の4日後、京都府警は被害者の氏名を公表しようとしたところ、京都アニメーションの社長側が「報道された場合、被害者や遺族のプライバシーが侵害され、遺族が甚大な被害を受ける可能性がある」と事実上の抗議文を出して実名の公表を控えるよう府警に”プレッシャー”をかけたというのだ。

 そこで府警は、遺族を説得して回って了解を取り付け、犠牲者全員の一斉公表を踏み切ろうとした。

「ところが、事前に報告を受けた警察庁が遺族への配慮を理由に、さらなる同意を得るように指示を出したんです。『葬儀が終わるまで公表しない』という、新たな基準も示され、府警は実名公表に向けて身動きが取れなくなってしまいました」(前出・京都府警関係者)

 では、警察庁がどうして京都府警の判断に任せず、介入に及んだのだろうか。答えはズバリ、”首相への忖度”だという。前出の社会部デスクの話。

「安倍晋三首相は放火事件当日、『多数の死傷者が出ており、あまりの凄惨(せいさん)さに言葉を失う。亡くなった方のご冥福をお祈りする。負傷した皆さんにお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復をお祈りしている』と異例の談話ツイートを発信しました。加えて、これまた異例なのですが、国家公安委員長に捜査指揮を行いました。すでに犯人は逮捕のメドが付いた段階ですから、捜査を指示する必要はないはず。実際は、捜査そのものの指示というよりも、『遺族を守れ』とけしかけたのです」

 その国家公安委員長の発言記録が残っている。放火事件発生の当夜、山本順三委員長は記者団のぶら下がり取材に応じ、こんな発言をしていた。

「(総理より)指示もございました。事件の全容解明に向け、警察において捜査を徹底するように、こういう指示でございます。被疑者の男は確保されたと承知をいたしております。しかしながら総理の御指示に基づき、被害関係者の支援にも努めるよう、私からも(警察庁に)指示をしたところでございます」

 要するに、安倍首相の意向を忖度した国家公安委員長から警察庁→京都府警へとトップダウン式の捜査指揮が行われ、結果として、被害者の素顔を伝えたいマスコミ報道をシャットアウトすることに成功したというのだ。前出の地元民放記者が言う。

「わたしたちは、感動を与え続けたアニメーターたちそれぞれの素顔を伝え、哀悼の意を捧げるファンの思いに報いたいという思いでした。ですから、京都府警記者クラブは迅速な実名公表を要求する一方で、遺族や被害者への過熱した取材を防ぐために話し合ったんです。個別の取材がスタートすると、同じ遺族を訪れる記者は数十以上になります。遺族感情を逆なでする”メディアスクラム”という状態を生みかねません。そこで、なるべく複数社でまとまって代表取材のようなスタイルをとることや、取材拒否の意向がはっきりしている遺族がいた場合は記者クラブで情報を共有し、訪問の繰り返しを避けることでも合意していたんです。そこまで丁寧に段取りをしたのに、東京にいる警察官僚の意向でわたしたちの取材する自由が奪われるなんて、あまりにも理不尽でした」

 痛ましい放火事件の影で、警察官僚による”首相への忖度”が働いているという驚きの事実。京アニを思い続けた純真なファンたちにとって、こんな忖度こそ、蹴散らしてしまいたいに違いない。