テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!
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長崎 1人でやっていて、かつヤンチャ系のYouTuberでいうと、僕はカルマさんがいま一番面白いかなって思ってて。YouTuberって、室内で撮影しているから自宅を特定されやすくて、ファンにストーカーされることが度々あるんですよ。で、そのストーカーされたことも動画にしてしまうことが多いんですけど、だいたいそういう動画って、「ヤバい奴後ろからついてきた」とか言ってカメラ回して、「ちょっと何してんすか!?」みたいな直撃して問い詰めて、「警察に突き出しますよ」って流れのドキュメント動画なんです。この時点でYouTuberすごいなって思うんですけど(笑)、カルマさんはさらにストーカーに突撃して、その後、一緒にピザ店に行ってピザをテイクアウトして、「2週間付けて来たガチのストーカーを警察に通報せずホームパーティーに招待してみた…」という企画動画にしたんですよ。ストーカーされているっていう危険すぎるシチュエーションの中で、その場で頭を回転させて、さらに企画を一枚乗せたっていうのが、めちゃくちゃすごいなと思ってて。
白武 刺されるかもしれないのにね。覚悟がすごい。
長崎 そのストーカーが、自己中メンヘラ系のTHEストーカーみたい女性で。そんな人に話しかけて自宅に入れてホームパーティーするって、テレビでは絶対にできないじゃないですか。速攻カメラ回して、それを動画にするってことも。
白武 ドキュメンタリーだよね。カルマさんって肝が据わっているというか、街にいる人にドッキリを仕掛けたりするんですよ。マスクとグラサンして原宿で「山崎賢人です」って。それで100~200人がバーッと集まってきちゃったりとか。ヒカルさんとかそうですけど、お祭りでテキ屋のくじを買い占めて全部開けて、「当たり入ってねえじゃねか!」ってキレたり、トラブルに発展したらどうすんの? ってことも平気でやってのける。
長崎 真似したいとは思わないけど、ちょっと見てみたいじゃないですか、そういうの。あと、カルマさんは編集も面白いですね。数秒おきにちゃんと笑える仕掛けがあるから、離脱しない。スキップできないようになってるのは、YouTubeの動画として純粋にいいなと思います。
白武 それに、見た目もかっこいい。「韓国ではやってるK-POPのアイドルだよ」って言われても信じられるくらいのレベルのルックスだし、しゃべりもすごい達者。
長崎 しゃべった後に、オチもちゃんと入れるし。
白武 ウインクして、そこにテロップ入れて、「(自分に対して)こいつ死ね」とか。
長崎 まぁ、カルマさんの良さをはき違えたようなYouTuberがたくさん出てきたら最悪ですけど(笑)。別に一般の人に迷惑をかけているわけじゃないんで、そこの勘違いは、大いに気をつけてほしいなとは思いますね。カルマさんはただ無鉄砲にむちゃしているのではなく、考えた上で本気で面白いものを作ろうとしている人ですから。
――なるほど。無鉄砲に見えても、そこに本気度が感じられるかどうか。
長崎 YouTubeってめちゃくちゃ戦略的で、数学的なメディアでもあるんですよ。カルマさんで言うと、この前、「充電期間」として約1カ月休業していたんですけど、復帰明けに、レペゼン地球とのコラボ動画をドーンと出して話題になりましたね。8月って夏休みで、YouTube視聴者層が一番見ている時期なんですよ。それに合わせて、大きな企画で復帰をアピールっていう作戦もちゃんと立ててるという。
――みなさん、動画を出す時期や時間も計算しているんですか?
白武 そうですね。例えば、中高生をターゲット層にしている人だったら、帰り道に見られるよう18時に動画を出すとか。僕が担当している「しもふりチューブ」も毎日18時に出していて、その時間が一番見られています。
長崎 普通のメインは20~21時のゴールデンタイム、コアなファン層のためのサブチャンネルは21~22時のプライムタイムに上げるとか。
白武 中高生だったら、月末はギガが死ぬから、いい企画は月頭に持っていくとか、そういうのも考えないといけない。
長崎 それはやっぱり、みんなGoogleアナリティクスのデータをめちゃくちゃ分析してるから。例えば、男女比や視聴者層はさることながら、自分の動画から何分で離脱されたのかを測る平均視聴時間や平均再生数もですね。
白武 テレビは、30分、1時間の特番作るのに2カ月かける。YouTubeは思いついて、撮ったらすぐ公開できるし、作家としてコアメンバーで関われるから、その分、やりがいも感じられますね。
長崎 コメントで生の反応がすぐ返ってくるので「おもしろい」の声がじかに聞けて、そこもやりがいにつながりますね。
白武 5Gが始まったら、状況はまったく変わると思います。長時間動画と生配信の時代になるんじゃないですかね。エンタメのあり方が変わってくると思います。芸人さんもどんどん開設し始めてますね。今後、タレントはTwitterやインスタのようにYouTubeアカウントを持ってることが当たり前になってくるかもしれません。僕も今年に入って、芸能人YouTubeのディレクションの仕事が増えました。
長崎 あと、金銭面もね。例えば、テレビはレギュラーが終わると、収入も減っちゃうじゃないですか。でも、YouTubeは動画を出し続ければ収益は担保されているので、これからはみんな、両刀遣いになっていくんじゃないかな。YouTubeって、コンビニの商品棚みたいな感じなんで。置いておけばずっと売れて(再生されて)いく。やらない手はないと思いますけどね。
白武 でも、やってもしょうがない人もいるんですよ。YouTubeに向いてない人。コアなファンというよりは、みんなにいいなと思われてる好感度が高いタレントさんは、誰にも刺さらず再生数も伸びにくいので考えものですね(笑)。
(【6】に続く/構成=編集部)
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●しらたけ・ときお(@TOKIOCOM)
▼放送作家▼1990年京都府生まれ▼「しもふりチューブ」毎日18時投稿▼担当番組:「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけないシリーズ」「Aマッソのゲラニチョビ」「みんなのかが屋」▼お仕事と仲間を募集しております。お気軽にご連絡ください!【Mail】tokiocpu@gmail.com
●ながさき・しゅうせい(@shuuuuuusei)
▼1991年生まれ神戸出身・放送作家▼芸人、テレビ制作会社勤務を経て放送作家に。テレビを中心に活動しながら、昨年「フワちゃんTV」(現在登録者数約31万人)/「フワちゃんFLIX」(現在登録者数約9万人) を開設▼担当番組:「ZIP!」「アオハル TV」「ドラえもん」「サムライバスターズ」「勝負の冬」など▼その他:広告案件、YouTubeチャンネルコンサルティング▼お仕事のご相談はMailかDMでどうぞ!【Mail】shusei6308@gmail.com