「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8~9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10~12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。最適なタイミングで引っ越しをするには、まさに今から部屋を探すべき! とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性ひとり暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?
■今回のポイント:コンクリート壁は「おしゃれ」なだけ!? 間取り&セキュリティ面で確認するべきキホン

<物件の場所>
・2路線が通る駅から徒歩10分
・大通りから3本小道を挟んだ住宅街(夜は街灯があり、比較的明るい)
・徒歩3分の場所に24時間営業のコンビニあり
<詳細情報>
敷金/礼金なし、鉄筋コンクリート(コンクリート壁)、5階建/3階(10戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラあり、ペット可、オートロックあり(テレビモニター付きインターフォンあり)、宅配ボックスあり、ゴミ出し24時間OK、都市ガス、階段・エレベーターあり
「おしゃれ物件」の定番といえば、コンクリート打ちっぱなしの壁! 誰もが一度は憧れる物件ですが、「冬は寒く、夏は暑い」とも聞きます。それでも人気が高いってことは、これはウワサに過ぎないってこと? それとこの物件は、クローゼットが洋室から離れていて、生活動線に難がありそう。玄関・水回りの近くに収納があるのも気になるし……。セキュリティがしっかりしているので女性の一人暮らしに良さそうですが、物件三銃士のみなさんはどう思いますか!?
「住居のプロ」福岡由美氏の評価 ★★★★☆
オートロック、宅配ボックス、24時間ゴミ出しOKというのは、イマドキの生活を送る上でハズせない条件です。駅からの距離も徒歩10分であれば許容範囲内ですし、全体的にバランスの良い物件だと思います。ただし、好みが分かれるのは、一番のセールスポイントである「コンクリート打ちっぱなし」のデザイン。確かに見た目がおしゃれで人気はありますが、築年数によっては、コンクリートから蒸発する水分で湿気に悩まされることも(新築に近ければ近いほど、湿気が高くなります)。
木造と比較すると、コンクリート壁の場合は“熱伝導率”が高くなるため、外気の影響を受けて「夏はより暑く、冬はより寒い」という可能性が。もちろん、断熱構造やサッシ性能によって、ある程度改善されている物件もあるのですが、素人がそれを見分けるのは難しいので、「実際に暮らしてみないと、住み心地が想像できない」という怖さがありますね。
なお、この物件は「ペット可」ですが、近年のペットブームを受けて、入居率を高めるために「ペット可物件」が増えつつあります。ペット可物件の良いところは、「ペットを飼えるマンションだ」ということを理解した上でほかの入居者が集まってくるため、ペット飼育に関する入居者同士のトラブルが起こりにくくなることです。逆に、「ペット不可」なのにこっそりペットを飼うというのは言語道断。入居者の中には動物アレルギーの方がいらっしゃる可能性もありますし、万一、規約違反でペットを飼っていたことが発覚した場合は「即日退去」を求められたり、「莫大なクリーニング費用」を請求されるなど、ペナルティを課せられることもあります。
実は、筆者自身も“大家さん業”をしているのでよくわかるのですが、大家さんの心情としては、ペット可物件であっても「できればペットは飼ってほしくない」というのが本音。どうしても壁面やフローリングが傷みやすくなるため、退去時の原状回復費用がかさみますし、泣き声やニオイなどで近隣住戸からクレームが入るケースもあって、昔ながらの大家さんはいまだに「ペット不可」を徹底している人が多いです。賃貸物件でペットを飼う場合は、くれぐれも入居規約の厳守や、飼育マナーの徹底、ほかの入居者の方への配慮を忘れないようにしてくださいね。
■福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帳』
まず立地から見て、2路線利用できる駅ということは、比較的利用者が多く、人通りのある地域だと考えられます。夜遅くの帰宅となっても、徒歩10分以内かつ、物件近くまで大通りを通って帰宅できるのであれば、安心感もあります。さらに、「管理人巡回」「防犯カメラあり」「オートロック」「テレビモニター付きインターフォンあり」とセキュリティもしっかりとした物件で、この間取図と情報から見た範囲では、防犯面に大きな問題点は見つかりません。
ただし、気をつけておきたいのは“角部屋”ということ。角部屋は、部屋の前を通る住民や、騒音問題が少ないといったメリットもありますが、通路の突き当たりになることが多いため、周囲の目に触れにくいというデメリットがあります。玄関の鍵を開けたところを狙って、部屋に押し込んで住民に暴行を加えるといった事件も起こっていますから、玄関周りに死角や人が潜めるような場所があるときは要注意です。
また、5階建ての3階という物件なので、エレベーターを利用することが多いでしょう。わずかな時間でも、“密室”となるエレベーターの利用が、犯罪につながることもあります。エレベーターで先に待っている人がいたら、いったんエントランスでやり過ごすなど、見知らぬ人とは乗り合わせないように注意しましょう。あとから乗り込まれるなどして一緒になった場合は、ボタンがすぐに押せる位置に立ち、あえて自分の部屋とは違う階で降りるといった対策も覚えておいてください。非常用ボタンの位置と利用方法も確認しておくと安心です。
近所にコンビニがあるのは、生活する上でとても便利です。夜でも人けがあるため、防犯的にもメリットが多いですが、自分が利用する際には注意が必要です。近くにあるとつい部屋着のようなラフな格好で出かけてしまいがちですが、そこで1人分のお弁当といった買い物をしていると、それだけで「近所に住む女性の一人暮らし」だと目をつけられてしまう可能性もあります。また、コンビニで起こる侵入強盗の発生が多いのは深夜の時間帯です。利用する場合は遅い時間を避け、身だしなみを整えることをおすすめします。
■河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。
クローゼットが生活スペース(洋室)ではなく、キッチンの奥にありますね。洋服を取り出すのに、毎回キッチンの奥まで行かなければならないのは、大きなストレスになりそうです。風水的に見ても、邪気(悪い気)は“湿気”を好むため、洋服などが保管されるクローゼットが、キッチン、トイレ、バスルームといった水回りに囲まれた場所にあるのは問題です。
できればこうした物件は避けた方が無難ですが、どうしても選びたい場合は、改善策として、クローゼットの“除湿”を心がけてください。次の日に着ていく洋服は前夜のうちに決めてクローゼットから取り出し、洋室にかけて一晩置いておくのも良いでしょう。こうすると、寝ている間に自分の気が洋服にも入るため、運気の流れがスムーズになります。
また本来であれば、水回りに家電を置くのも好ましくありません。家電は「火」のパワーがあり、水回りは文字通り「水」のパワーがあります。「水が火を消す」ことから、家電の故障を引き起こす場合があります。「水の気の方位」と言われる北に家電製品を置いた場合も、同じような象意が出ます。とはいえ、キッチンは電化製品を多く揃える場所でもあり、そうも言っていられません。対策としては、水気が残らないよう、小まめにキッチン周りの水滴を拭くと良いでしょう。
適切な収納の位置としては、やはり洋室内がおすすめです。洋室に収納がない場合、タンスなどを置くことがあるかもしれませんが、その場合に注意することとして、入口の“対角線上”の場所に置くのは避けましょう。ここは“金運アップ”の場所なので、何も物を置かず、常に清潔な状態で保つのがベストです。
そして、この物件一番の特徴である“コンクリートの壁”は、非常に部屋が冷えます。風水的に、冷えは「陰」を意味し、性別で見ると、女性は「陰」男性は「陽」に分類されます。「陰・陽」はバランスが大事なので、女性が部屋を選ぶときは、「陽」の要素をたくさん取り入れると、運気の良い状態が保てます。これを踏まえると、壁がコンクリートで冷えやすい「陰」の部屋は、女性が住むには向きません。
さらにこの物件の場合、洋室の形が斜めに切られており、風水的にあまり良い形とは言えません。間取りに鋭角な部分ができるため、いつも刃物を向けられている状態、つまり、安心できない状況が生まれます。物件の形は“長方形”がベストです。欠けている部分がないため、どの運も網羅でき、運気が安定します。
■生田目浩美。(なまため・ひろみ)
1998年より風水師に師事し、風水・九星・祐気採り(吉方位判断)・吉日の選定・手相・姓名判断・家相学などを学ぶ。独立後、恋愛・仕事など、女子たちが持つ多くの悩みに寄り添い、楽しく前向きに生きるコツを伝授する。
物件三銃士の総合評価 10点/15点
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