「ゴールデン初主演がこのドラマで良かった」と、高橋一生の評価がジワジワ上がり始めている『僕らは奇跡でできている』(フジテレビ系)。6日放送の第5話の視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と前回から1.0ポイントダウンし、ここまでの最低視聴率を更新してしまいました。
ネットを観ていると、「何の見せ場もないけど、また見たくなる」「心に残る良いドラマ 」という声も増え始めた印象ですが、残念ながら、数字には繋がっていないようです。
ということで、第5話のあらすじから振り返ります。
(前回までのレビューはこちらから)
■榮倉奈々、森デートで本心に気づく
前回(レビューはこちら)、通っている歯科クリニックの担当医で院長の水本先生(榮倉奈々)に、教え子の新庄(西畑大吾/関西ジャニーズJr.)の実家で作られたコンニャクを渡すものの、「料理はしない」とつき返されてしまった相河(高橋)。
それを聞き、2人をくっつけようとおせっかいおばさんと化している家政婦の山田さん(戸田恵子)は、相河にナイショでクリニックに偵察に行き、水本先生にあれやこれやと詮索をします。小さい頃に両親を亡くした相河の母親代わりをしてきた山田さんは、人と水本や大学の生徒たちと深く関わるようになってきた相河をうれしく思っていたようです。
当の相河は、大学のテラスでお友達の虹一くん(川口和空)くんに、リスの観察経過を報告。森へ行きたいという虹一くんのために、相河は水本先生が開く子ども向けの歯磨きイベントに自分も参加し、相河との交流をよく思っていない虹一の母親・涼子(松本若菜)を説得すると約束しました。
歯磨きイベントに向けて、一人で準備を頑張る水本先生。彼氏の雅也(和田琢磨)と別れた寂しさをごまかすように、より一層モリモリと働きます。その姿はちょっと痛々しいくらいで、歯科衛生士のあかり(トリンドル玲奈)も心配するほど。手伝うと声をかけられますが、プライドが邪魔をし素直に甘えることができません。それどころか憎まれ口をたたいてしまい、あかりから、「何気に上から目線って気づいてますぅ? だからうまくいかないんですよぉ~!」「彼氏さんのこと、仕事で埋めようとしてますよねぇ?」と正論をぶつけられてしまいます。
なんとか迎えたイベント当日、手作りの紙芝居を読んだり、正しい歯磨きの仕方を子どもたちに見せてあげるのですが、「知ってる~」「つまんな~い」と素直すぎる声が。ある男の子からの「どうして虫歯っていうんですか?」という質問にも答えられません。そんな水本先生を助けたのは、弟が熱を出したため1人でやってきた虹一くんとその様子を見守っていた相河でした。
虫歯は「虫食いの歯」。数字で書くと、「64918(ムシクイノハ)」。これを足し算すると、6+4+9+1+8=28で虫が食べられるのは28本。そして人間の歯の数も28本で偶然同じ数に。これを聞いた子どもたちは「すご〜い!!」と目を輝かせて大喜び。イベントはなんとか無事に終えたのでした。翌日、「改めて何かお礼をする」と言う水本先生を、相河は「森に行きませんか?」「お礼をしてください」と誘います。
後日、2人で森を訪れ、リスのための橋をかける作業をするのですが、水本先生が転んでしまい橋が壊れ、雨も降ってきそうということで山小屋へ。そこで水本は、実家のコンニャク家を継ごうかと悩んでいる新庄と自分を重ねながら、「親が積み上げてきたものを引き継ぎ、歯科医として多くの人たちに貢献することが一番の願い」だと話しますが、相河は「楽しそうじゃありません」と不満気。反対に、水本先生に願いを聞かれ、何かを思いつき、
「歯を抜いて空いた穴は、歯で埋めたいです。他のもので埋めたくありません」
と答えます。そして、いつも大事に持っている古びた缶の入れ物の中から歯ブラシを取り出すと水本先生に渡し、橋の修復のため小屋の外へ。水本先生はその歯ブラシで転んだときについたニットの汚れを落としながら、「私は……愛されたい……」と涙をこぼし本心をつぶやきます。そこへ戻ってきた相河。どうしようかとオロオロしたところで今回は終了です。
■説教くさくはないけど、“まどろっこしい”
ラストの山小屋でのシーンはもちろんなんですが、その前に触れておきたいのが、相河とおじいちゃんのシーン。
おじいちゃん「一輝の中にあった小さな光は、十分大きく広がった。もっと広がったら、どうなる?」
相河「光の中に他の人が入る」
おじいちゃん「それもまたいいんじゃないか?」
相河が生徒たちをリスの観察に誘ったのも、水本先生を森に連れ出したのも、おじいちゃんとのこのやりとりがあったからでした。相河が幼い頃から、「楽しい、おもしろいという気持ちは、“光”だからな」と言ってきたおじいちゃん。その言葉があったからこそ、これまで相河は自分の中の光、つまり大好きな生き物の研究に夢中になることができたんだと思います。そして、おじいちゃんがそうしてくれたように、相河は自分と少し似ている虹一くんに「光」を見つけるヒントを与えて、それを伸ばそうとしてあげているんじゃないかなと。
他にも、好きなことを仕事にして、満足しているから願いもないんだと相河をうらやましく思っている新庄くんに、「満足しているから願いがないんじゃない。目の前のことを夢中でやっているうちに願いがかなっちゃうんじゃないかな。だから、いちいち考えないんだよ」と鮫島教授(小林薫)が言葉をかけたシーンにも言えるのですが、このドラマは悪く言えば、“まわりくどい”。
でも、「周りの人ともっとうまくやれ」「もっと楽しむ気持ちを大事にしろ」「深く考えるな」とか、ストレートな表現ではなく、あえて遠まわしないい言い方をすることによって、説教くさくならないのが、この作品のいいところだなぁと思います。
ただ、それには継続してドラマを視聴していなければ、気づくことは難しいかと思うので、制作陣はそもそもそこまでの数字を期待して作ってはいないのかもしれないし、なかなか視聴率が伸びないのは、そういった“まどろっこしさ”に原因があるのかもしれません。続けて観ていると、おもしろさがわかるんですけどね……。
■セラピスト相河が水本先生の本音を引き出す
ラストの山小屋のシーンでは、おじいちゃんに言われた通り、どんなときも楽しむことを忘れず、気になることをとことん追求して、いつの間にか願いを叶えてしまっている相河と、親から継いだクリニックは自分が守らなければと常識やルールに縛られている育実の対比がわかりやすく描かれていました。
親のクリニックを継ぐために必死に勉強したり、彼のために料理を作ったり、一生懸命努力してきたのにそれが報われない水本先生。トリンドルちゃんとのバトルシーンでは、「榮倉奈々いちいち悪意感じて切れるなよ」「トリンドル玲奈の言ってること結構図星なんだけど、余計なこと言うな」「院長を心配してるんだし、なんだかんだいい子」など、ネット上でも視聴者からさまざまな声が上がっていましたが、確かに、ちょっと不器用すぎるような……。でも、そんな育実が「愛されたい」という本心に気がつき、涙を流すことができたのは、大きな一歩でしょう。
今回、毎日リュックに入れて持ち歩いているほど大事にしている缶の中身も初めて明らかになったわけですが、水本先生の前で中を開けたのは何か意味がありそうな予感。2人の関係に何か進展があるのかないのかにも注目していきたいところです。
また、今回はバレませんでしたが、虹一くんの母・涼子(松本若菜)に、虹一くんと交流を続けていることがバレたとき、相河が涼子ママにどう説明してどう対応するのか、今夜もヒヤヒヤしながら見守りたいと思います(おじいちゃんが涼子ママの悩みを聞いてあげるのが一番手っ取り早い気もしますが……)。
(文=どらまっ子TAROちゃん)