9月に安室奈美恵が40歳で引退すると発表し、「早すぎる」「まだ活動続けてほしい」と惜しむ声が上がっているが、“40歳で引退”は普通とされる業界がある。風俗業界だ。40歳を超えると途端に仕事が減り、生活できなくなる危機が訪れ、自然と引退ムードになるのだ。
では、40歳を過ぎた風俗嬢はどうすればいいのか? 前編に続き、ソープ嬢歴28年のゆかさんと、サイゾーウーマンで「おちぶれ続けるアラフォー風俗嬢と男たち」を連載中の曼荼羅さんが語る。
(前編:ジャニーズ・俳優とヒミツのプレイ、「はとバス」が風俗斡旋!? 吉原ソープ嬢座談会)
――最近の風俗業界は「働く女の子が減っている」「病気が増えている」と聞きますが、実感としていかがですか?
ゆかさん(以下、ゆか) 昔は履歴書一枚で、「私、行くところがなくて、借金で今追われているの」って言えば使ってくれたけど、今は家がない人や身元がわからない人は使ってくれないもんね。
曼荼羅さん(以下、曼) 警察署の指導が厳しくなっていて、写真付きの身分証と本籍地がわかるものを提出しなければならないですね。
ゆか それに、最近は店を掛け持ちしないと稼げないのよね?
曼 そうですね。今は、風俗も1本だけで食べていけない時代です。例えば、週の半分は渋谷、週の半分は吉原とか、掛け持ちしないと稼げないです。働く女の子も減っていて、この1年で「風俗上がりました」っていう人は、すごい増えている。Twitter上で会話する風俗嬢の女の子とお会いすると、「やっぱり働く女の子減ってるよね」っていう話と、「病気増えてるよね」っていう話が出て。みんな同じように感じているんだ、気のせいじゃないよねって……。
ゆか 昔は、掛け持ちしたらクビになったのよね。
曼 昼職でも副業が話題になっていますが、風俗業界も風俗一本から掛け持ちの時代へと移行していますね。それに、やっぱり梅毒が増えています。Twitter上でも、去年から今年にかけて、毎日女の子がつぶやいてて。「チンコに赤いしこりがあって、梅毒症状なので触らないで帰しました」とか。
ゆか 性病は倍増してると思うよ。
曼 性病にかかったことない人だと、検査に行くっていう発想がないので、それがまた増えちゃう原因なんでしょうね。
ゆか 私は28年間で「クラミジア」に1回かかっただけ。たぶん免疫が強いんだと思う。
曼 運が良かったんですね。私、淋病とクラミジアを2回ずつもらったことあります。同時もらいしたこともあるし。カンジタもあります。
ゆか 昔は「けじらみ」が多かった。当時は、店に検査表を出さないと出勤停止だった。仕事をつけてもらえなかったの。今は自己責任で、「検査に行きたければ、やんなさい」って。ヘタしたら1~2年しない子は、いっぱいいる。「私、ゴム着だから」って。
曼 ゴムなんて関係ない時代なんですけど! 前にお会いした吉原で働いているAV女優さんは、ずっとゴム着で働いていたんですけど、年齢が上がってきてから生のお店に移って。ゴム着の時は、しょっちゅう性病をもらってたけど、生になってから一度ももらってないって言ってたから。ゴム着だろうが生だろうが、もらう時はもらう。定期検査はしないと。
――誰から性病をもらったのか、わかるんですか?
曼 症状が出ている病気によってはわかります。カンジダって、チンコがめちゃめちゃ真っ白けになるんですよ。
ゆか あー、わかる。粉吹いたり。糖尿病の人もそうなるわよね。白っぽく、おしっこの穴から糖が吹いちゃうから。
曼 あとむくと、カリの下のところにカスがたまっていたりして、臭いがすごくて洗ってもとれないからローションで覆っちゃって。
ゆか ははは(笑)。覆うんだ!
曼 一応、Agプラスの消臭ローションとかあったので、臭いが消えたらいいなと思って(笑)。あと、ボディソープの中にイソジンを大量に入れたりとか。もういろんな試行錯誤をしましたね。
――性病のお客さんのほかに、衝撃的だったお客さんはいますか?
曼 変なお客さんばかりで、ちょっとやそっとじゃ驚かなくなってますけど、今まで来た人で衝撃的だったのは両腕がない方でしたね。予約の時に伝えといてくれればいいのに、何も言わないので、お店で対面した時に「え?」って動揺しましたね。でも、プレイでは足でバランスを取るんですよね。正常位ができて。
ゆか 私はドジョウを10匹持ってきたお客さんがいました。「ドジョウって、豆腐に頭突っ込むでしょ? だからお姉さんの股の中に突っ込むか、やってみていい?」って。お風呂の中にドジョウを入れて、私も顔では笑ってるけど「全部入っちゃったらどうしよう?」と思いながら、アソコを締めたりして(笑)。もちろん入らなくて、排水溝に全部流しちゃった(笑)。
――ちょっと話は変わるんですけど、ゆかさんの娘さんも今、風俗で働いていると伺ったのですが、どのように知ったのですか?
ゆか 私が直感で気づいて。知ったときは、ショックでブチ切れて、フォークで娘の頭を刺したの。
曼 なんでショックだったんですか?
ゆか うーん…………。私みたいな、つらい思いするのかって……。やっぱりつらかったんだよね。生活のためにとはいえ、仕事がつらかった。
曼 逆上しちゃったのは初めてだった?
ゆか そうそう。私、あんまり子ども怒らないから。手も上げたことないし。娘たちも10代の頃とかに、私がソープで働いていることを気がついてたのよね。「じゃ、今度は私も働く」っていう感じで……。でも、やっぱり評判悪い店も知ってるから、「20歳で若いんだし、高いところで働きなさい」って、娘にお店を紹介したっていうか……。私もひどい親だよね。
曼 娘さんお二人ともですか?
ゆか そう。そしたら、紹介した店の面接が通って、そこで4~5年ナンバーワンになって、随分良い思いもしてたみたいね。でも最近はいつも「今日、お茶(※お茶を引く:客がつかないこと)だ」って言ってるから「ペチャパイなんだから、おっぱいあげる努力しなよ」「もうちょっと服も派手にすれば?」「お茶引いて、よくそんなにのんびりしていられるね」って指導してるから。ひどい親だよね、私。
曼 時代が違いますしね。今やってる人は、お茶引くのは普通にありますからね。
ゆか お茶引くのに慣れちゃって「えへっ」なんて言ってるから、お店変えればいいのになって思ってる。でも、もう36~37歳の大人だしさ。
曼 限界ぎりぎりですね。40歳まで。
――ゆかさんは、若い頃に離婚されて、再婚されていないんですか?
ゆか してないです。お客さんから何回かプロポーズされたけれど、やっぱり仕事を選んじゃう。やっぱりお金の力ってすごい。恋愛よりもお金。
曼 恋愛はしていなかった?
ゆか 恋愛したかったら、ホストクラブに行ってた。今もあるけど浅草の「Minami」ね。ホストでも5000~6000万円は使ってると思う。1日に100万単位でドンペリ、リシャール入れたりして。シャンパンタワーは、「はやらないからやりたくない」って言われて、その分は裏っ引きしたりね。やっぱり、子育てと仕事で悶々としてたんだよね。彼氏もいないし。
――風俗を経験する前と後では、男性に対する価値観や見方って変わりましたか?
曼 ますます嫌いになりました。
ゆか 嫌いになる。
曼 口から言ってることが全て信じられない。「俺だけは、ほかの奴と違うから」みたいに言ってくる人も結局一緒なんですよ。
ゆか あ、わかる。同じ。お客さんで「また来るよ」っていう人に限ってこない。「俺は女大事にするよ」そういう奴に限って、大事にしないから(笑)。
曼 挨拶と同じレベルの発言でしょうね。誰にでも言ってる。
――セックスについては、変わりましたか?
曼 あまりにもヘタな人が多すぎて、びっくりしますね。今まで、風俗に入る前に出会っていた男性は、みんなリードしてくださる人ばかりだったんですよ。風俗にくる人は、8割9割、いやもっとかな。大半はヘタ。1,000人に1人くらいの感じですよね、上手な人。
ゆか でもそれは、私たちが育てちゃったかも。そういうふうに。ヘタなのに、「すごい!」って言ったり、演技で「テクニック上手ね」って言うと、「俺すごいんだ!」って。それで上達しなくなっちゃうとかね。
曼 それは言えますね。マットがあるので、受け身の男性が多くなって攻め方がわからなくなっちゃう。もうマグロみたいになっちゃうので。
ゆか 小汚いおじさんが、すごいうまかったりね。嫌われないように技を磨いているのね。
――よく、「セックスには愛が必要」とか言われていますが、お仕事のセックスに愛はあるんですか?
曼 ない(笑)。愛のあるセックスって何? っていう。
ゆか でも愛はないけど、イクときはイクんだよね。愛もなくて、初めて会ったのにさ、なんでイクんだろう。「イッたあとは、死にかけのセミみたいになりなさい」ってよく教えられたんだけど、フリじゃなくて本当に死にかけのセミ。
曼 ぴったりフィットする人、たまにいますよね。
ゆか 顔は全然タイプじゃないのに、体が異常に合うの。自分の好きなおちんちんの形とか、入れてる挿入時間とか、動かし方とか、全てが合う。そういう人っているんだね。何万人に1人とか。2万人に数人だよね。
曼 心と体は全然違いますよね。
ゆか 違う。
――最後に風俗嬢のセカンドキャリアのお話を伺いたいのですが、ゆかさんの風俗を上がってからのお仕事は?
ゆか 初めてカタギの仕事、お弁当屋さんで流れ作業をやったんですけど、そこでいじめに近いような仕打ちをうけて、2カ月で辞めました。そこからは7年間、ずっとひきこもりですね。
曼 やはり風俗を30~40代で上がってしまった人は、定年の60歳まで体は動くけれども働き場所がないのかも。大変でしょうね。
ゆか 同僚だった女の子で、スナックとかお店をやった子もたくさんいるけど、この景気の悪さに、みんな潰してる。
曼 スナックや小料理屋をやっても、潰れる確率が高い時代だから、個人で働く人が増えているのかも。いま、風俗もフリーランスでやっている人が増えているのかなって。
ゆか そうなんですね。
曼 マッサージをやってる人とか、ノンアダルトのエステティシャンを個人でやってる人とか増えていますよね。吉原にいた時に、ソープランドに籍だけおいて、顧客を自分で持ってビジネスホテルでマッサージする。もちろんヌキとかじゃなくて普通のマッサージです。あと、最近お会いした高級ソープ出身の女の子はマッサージの資格を取って、風俗を上がって、レンタルサロンで個人経営しています。「大金を稼ぐのは大変だけど、1人で食べていくくらいの金額なら、みんなできるようになっている時代だな」ってすごく感じました。
ゆか 私もセカンドキャリア、もうちょっとやりたいことちゃんと探してみようかな?