ピーター“休養宣言”に芸能界激震!? 築き上げた「ピーター人脈」は、どうなってしまうのか

 歌手で俳優のピーター(65)が21日、2018年をもって休養に入ると発表した。19年から1~2年ほど芸能活動から遠ざかるとしている。また芸名を、これまでも俳優活動の際に使ってきた本名の池畑慎之介に統一することも合わせて報告。発表では「この50周年を機に2018年いっぱいで『ピーター』のぬいぐるみを脱がせていただく事にしました」として「多分……!いやいや絶対に無理だと思いますが……『普通のオジサンに戻りたい!?』(爆)」と明るくつづっている。

 19年からは、自身の希望するヨーロッパへの旅行や、英会話の勉強などに時間を割いて過ごす見込み。

 そんなピーターの突然の休養宣言に、芸能界では、驚きとともに残念がる声が広がっているという。

「芸能界の中でも有数の顔の広さで、その人脈は男性アイドルグループのメンバーからプロ野球選手、さらにアナウンサーまで幅広いです。そういった面々が、よくピーターさんの自宅や別荘に集まり、食事をしたりお酒を飲んで親睦を深めているのは有名です。そこで出合って結婚した芸能人カップルも何組かいますよ。業界で知られているところだと、もう離婚してしまいましたが歌手の中島美嘉さんと男子バレーボールの清水邦広さんは、ピーターさんが仲を取り持っていました」(芸能関係者)

 それにしても、なぜそこまで有名人がピーターの元に集まるのか。

「ピーターさんの家が社交場のようになっているというのもありますが、もうひとつ大きな理由があるんです。芸能の世界に長くいて、酸いも甘いも経験して波瀾万丈の人生を歩んでいるだけに、有名人からいろいろな相談を受けているんです。その相談を親身になって聞いてくれるし、的確なアドバイスをしてくれる。その面倒見の良さが、多くの有名人をひきつけているみたいです」(同)

 今回の休養宣言で、芸能界の財産ともいえるピーターの豊富な人脈はどうなるってしまうのだろうか?

ピーター“休養宣言”に芸能界激震!? 築き上げた「ピーター人脈」は、どうなってしまうのか

 歌手で俳優のピーター(65)が21日、2018年をもって休養に入ると発表した。19年から1~2年ほど芸能活動から遠ざかるとしている。また芸名を、これまでも俳優活動の際に使ってきた本名の池畑慎之介に統一することも合わせて報告。発表では「この50周年を機に2018年いっぱいで『ピーター』のぬいぐるみを脱がせていただく事にしました」として「多分……!いやいや絶対に無理だと思いますが……『普通のオジサンに戻りたい!?』(爆)」と明るくつづっている。

 19年からは、自身の希望するヨーロッパへの旅行や、英会話の勉強などに時間を割いて過ごす見込み。

 そんなピーターの突然の休養宣言に、芸能界では、驚きとともに残念がる声が広がっているという。

「芸能界の中でも有数の顔の広さで、その人脈は男性アイドルグループのメンバーからプロ野球選手、さらにアナウンサーまで幅広いです。そういった面々が、よくピーターさんの自宅や別荘に集まり、食事をしたりお酒を飲んで親睦を深めているのは有名です。そこで出合って結婚した芸能人カップルも何組かいますよ。業界で知られているところだと、もう離婚してしまいましたが歌手の中島美嘉さんと男子バレーボールの清水邦広さんは、ピーターさんが仲を取り持っていました」(芸能関係者)

 それにしても、なぜそこまで有名人がピーターの元に集まるのか。

「ピーターさんの家が社交場のようになっているというのもありますが、もうひとつ大きな理由があるんです。芸能の世界に長くいて、酸いも甘いも経験して波瀾万丈の人生を歩んでいるだけに、有名人からいろいろな相談を受けているんです。その相談を親身になって聞いてくれるし、的確なアドバイスをしてくれる。その面倒見の良さが、多くの有名人をひきつけているみたいです」(同)

 今回の休養宣言で、芸能界の財産ともいえるピーターの豊富な人脈はどうなるってしまうのだろうか?

有働由美子アナ、NHK退社後にマツコと初“共演”も「安っぽいノリ」「イメージ違う」の声

 3月にNHKを退局した有働由美子が、テレビ東京のスペシャル番組『マツコ、昨日死んだってよ。』でマツコ・デラックスと“共演”することがわかった。同番組は、マツコがテレ東の深夜5番組に立て続けに出演するプロジェクト『無理矢理、マツコ。テレ東に無理矢理やらされちゃったのよ~』の第4弾。有働はVTRのナレーションを務め、プロジェクトの公式サイトにも「美しい白装束をまとったマツコと、有働アナのナレーション。その絶妙なコラボレーションをお楽しみください!」というアピールが。

 有働は、6月に放送される『開局65年記念番組 日本テレビ+ルーヴル美術館「その顔が見たい!」』(日本テレビ系)で民放初出演。今回のナレーションは「“声だけ”民放初登場」となるが、ネット上では「有働さんのイメージと違う」「もうちょっと仕事選んでほしかった」などの声が飛び交っている。

「有働はNHK退社後の4月から、マツコと同じ芸能事務所『ナチュラルエイト』の所属に。今回は先輩・マツコとの“共演”になりますが、深夜番組ということもあって有働ファンは驚きを隠せない様子。『民放初仕事がこれですか』『ネットのノリみたいな安っぽい番組でも引き受けちゃうんですね』『てっきりジャーナリストになるのかと思ってたのに』『あれだけ退局後に注目されてた有働さんも、結局ほかのアナと一緒か』といった反応が相次ぎました」(芸能ライター)

 同番組は、「もしも、マツコが死んでしまったら」という架空の設定のもとマツコを偲ぶ番組で、マツコは棺に横たわるのみ。関係者がマツコの価値を分析し、ゆかりのある人たちによってマツコへの想いが語られる。

「バラエティーとはいえ不穏なタイトルと企画内容に、早くもネット上では『タイトルからして下品』『最近芸能人の訃報をよく耳にするから、こういう企画は笑えない』『不謹慎と言わざるを得ないよね』と批判の声が続出。そんな番組でNHK退社後の初仕事を飾るわけですから、有働の動向に肩を落としたファンが多かったのかもしれません」(同)

 事務所の公式サイトでは、「なにぶん、NHK以外右も左もわからないわたくしですが皆様、あたたかいご支援の程、よろしくお願い申し上げます」と有働本人のコメントが掲載されている。

「有働が退社直前までキャスターを務めていたNHKの情報番組『あさイチ』を引き合いに出す視聴者も多く、『「あさイチ」は好きだったから見てたけど、有働さんだから見たかったわけじゃないし』『嫌いではないけど、有働さんてそんな勿体ぶるほどの人かな?』と、力量を懐疑的にみる声も。今後、民放番組でもNHK時代と変わらない活躍を見せることができるか、改めて注目を浴びそうです」(同)

 マツコとの共演で弾みをつけることになるのか、「新章スタート」となる有働に期待しよう。

有働由美子アナ、NHK退社後にマツコと初“共演”も「安っぽいノリ」「イメージ違う」の声

 3月にNHKを退局した有働由美子が、テレビ東京のスペシャル番組『マツコ、昨日死んだってよ。』でマツコ・デラックスと“共演”することがわかった。同番組は、マツコがテレ東の深夜5番組に立て続けに出演するプロジェクト『無理矢理、マツコ。テレ東に無理矢理やらされちゃったのよ~』の第4弾。有働はVTRのナレーションを務め、プロジェクトの公式サイトにも「美しい白装束をまとったマツコと、有働アナのナレーション。その絶妙なコラボレーションをお楽しみください!」というアピールが。

 有働は、6月に放送される『開局65年記念番組 日本テレビ+ルーヴル美術館「その顔が見たい!」』(日本テレビ系)で民放初出演。今回のナレーションは「“声だけ”民放初登場」となるが、ネット上では「有働さんのイメージと違う」「もうちょっと仕事選んでほしかった」などの声が飛び交っている。

「有働はNHK退社後の4月から、マツコと同じ芸能事務所『ナチュラルエイト』の所属に。今回は先輩・マツコとの“共演”になりますが、深夜番組ということもあって有働ファンは驚きを隠せない様子。『民放初仕事がこれですか』『ネットのノリみたいな安っぽい番組でも引き受けちゃうんですね』『てっきりジャーナリストになるのかと思ってたのに』『あれだけ退局後に注目されてた有働さんも、結局ほかのアナと一緒か』といった反応が相次ぎました」(芸能ライター)

 同番組は、「もしも、マツコが死んでしまったら」という架空の設定のもとマツコを偲ぶ番組で、マツコは棺に横たわるのみ。関係者がマツコの価値を分析し、ゆかりのある人たちによってマツコへの想いが語られる。

「バラエティーとはいえ不穏なタイトルと企画内容に、早くもネット上では『タイトルからして下品』『最近芸能人の訃報をよく耳にするから、こういう企画は笑えない』『不謹慎と言わざるを得ないよね』と批判の声が続出。そんな番組でNHK退社後の初仕事を飾るわけですから、有働の動向に肩を落としたファンが多かったのかもしれません」(同)

 事務所の公式サイトでは、「なにぶん、NHK以外右も左もわからないわたくしですが皆様、あたたかいご支援の程、よろしくお願い申し上げます」と有働本人のコメントが掲載されている。

「有働が退社直前までキャスターを務めていたNHKの情報番組『あさイチ』を引き合いに出す視聴者も多く、『「あさイチ」は好きだったから見てたけど、有働さんだから見たかったわけじゃないし』『嫌いではないけど、有働さんてそんな勿体ぶるほどの人かな?』と、力量を懐疑的にみる声も。今後、民放番組でもNHK時代と変わらない活躍を見せることができるか、改めて注目を浴びそうです」(同)

 マツコとの共演で弾みをつけることになるのか、「新章スタート」となる有働に期待しよう。

授賞式の最前列で踊りまくるテイラーに、参加したセレブから「見えないんだけど!」と不満噴出

 現地時間5月20日に開催された『ビルボード・ミュージック・アワード』で、見事2部門を獲得したテイラー・スウィフト。世界的な人気を誇る彼女は、出席する授賞式では最前列席を用意され、アーティストがパフォーマンスするたびに立ち上がって派手にダンスを披露。今回の『ビルボード・ミュージック・アワード』でもその姿を確認することができたのだが、そんなテイラーをネタにした動画が話題を呼んでいる。

 動画を投稿したのは人気テレビシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』での連続殺人鬼役で賞レースを総ナメするだろうと予想されている、俳優のダレン・クリス。

 彼は今回の授賞式で前から数列目に座っていたのだが、ショーン・メンデスがパフォーマンスしている最中、最前列で立ち上がってカミラ・カベロの肩を抱きながら左右に揺れるテイラーの姿を映し、「お嬢さん、すみません」と呼びかける動画をTwitterに投稿したのだ。

 彼は迷惑そうな自分の顔もアップし「見えないんですけど。ショーン・メンデス、見たいんですけど」と言い、周囲の同意するような笑い声も聞こえる。ダレンは「Miss」と一人称で呼びかけており、カミラよりも20cmほど身長が高い上にハイヒールを履いているテイラーに向けての言葉だというのは明らか。何度も何度も立ち上がるテイラーにうんざりさせられている状況を、ネタにした投稿だったものと思われる。

 ダレンだけでなく、テイラーの真後ろに座っていた人気司会者のアンディーコーエンも、インスタグラムのストーリーで「(テイラーが立つせいで)見えない!」と不満を炸裂。テイラーのアンチは「マナー違反もいいとこ!」「やっぱりテイラーは救いようがない」と盛り上がっている。

 今回の授賞式後には人気K-POPグループ「BTS(防弾少年団)」と記念撮影するなど、旬の若手アーティストへのアプローチは完璧なテイラー。今後は、彼女の“視界の外”にいる年上セレブとどう付き合っていくかが課題になりそうだ。

ついにレイプ殺人が発生! 急成長する中国配車アプリの闇

 2012年に配信された中国の配車アプリ「滴滴」(ディディ)は、中国版Uberとして急成長を遂げている。いまや日本円で5兆円企業ともいわれる滴滴出行(ディディ・チューシン)だが、その裏では運転手と乗客の間でさまざまなトラブルが発生。それを放置していると、批判も高まっている。

 そんな中、ついに最悪の事件が起こってしまった。

「捜狐新聞」(5月14日付)によると、今月5日の夜、河南省鄭州市で滴滴社の配車アプリを利用した21歳の女性が、運転手の男とトラブルになり、殺害される事件が発生した。乗客の女性は雲南祥鵬航空に勤めるCAで、勤務後に付近の駅へ向かうため、アプリから配車を予約していた。家族によると、その後突然、女性と連絡が取れなくなったため、翌日、地元警察に通報したという。女性は乗車後、同僚に「配車アプリの運転手が、しつこく言い寄ってくる。キスしたいと言っている」と助けを求めるメッセージをSNS経由で送っていたことも判明している。

 警察は運転手の男が事情を知っているとみて行方を捜していたが、8日午前、同市内の草むらから女性の遺体が発見された。検死の結果、遺体には性的暴行の痕跡が確認され、男のDNAも採取された。

 それから4日後の12日、男は付近の川で水死体となって発見された。警察は、男が犯行後、自殺したとみている。

 中国の報道各社は滴滴社の対応にも大きな問題があったとして、批判を展開している。実は、滴滴社の配車アプリ利用者が巻き込まれた強姦事件は、確認されているだけで、これまでに11件も発生しているのだ。さらに、女性利用者から「運転手に、目的地とは違う場所に連れて行かれそうになった」「車内でずっとわいせつな言葉をかけられ、身の危険を感じた」などと、多くの被害報告が寄せられていたにもかかわらず、同社はこれまで抜本的な対応策を取ってこなかったのだ。滴滴社の登録運転手になる場合、身分証や運転免許証・車の所有者証明書などが必要とされるが、偽造書類を提出して登録することも可能だったという。

 わずか6年で4億人もの登録ユーザーを獲得した滴滴社だが、今後の信頼回復には相当の時間を要するだろう。

(文=青山大樹)

このドロ臭さは、「競輪版ロッキー」と呼びたい!! 『ガチ星』が生ぬるい邦画界に追込みを掛ける

 サイコーに熱い映画が、福岡からやってきた! 例えるなら、福岡県民のソウルフードである豚骨ラーメンと辛子めんたいを食べ合わせたような、こってり&スパイシーな味わい。福岡を拠点に国際的に活躍する映像ディレクター・江口カン監督の劇場デビュー作となる『ガチ星』がそれだ。高校卒業後、競輪選手を目指していたという異色の経歴を持つ無名俳優・安部賢一をオーディションで主役に抜擢。家族や友達の善意をことごとく裏切ってきた中年クズ男が、過酷な競輪の世界で再起を目指すという超泥くさい人間ドラマが繰り広げられる。キラキラ映画全盛の日本映画界にドロドロ映画で追込みを掛ける江口監督と主演の安部に熱い胸の内を吐き出してもらった。

 まずは『ガチ星』のストーリーを紹介しよう。主人公は福岡のプロ野球球団・ホークスの中継ぎ投手・濱島(安部賢一)。恵まれた体格と体力を誇る濱島だったが、登板する度に打ち込まれてしまう。憂さ晴らしで酒びたりとなり、戦力外通告されるはめに。妻や息子と別れ、親友の居酒屋でバイト生活を始めるも、親友の奥さんとゲス不倫。さらには酒、パチンコ、借金に溺れてしまう。生き地獄に陥った濱島がすがったのは、なじみの店主(博多華丸)のラーメン屋で聞いた「競輪学校には年齢制限がない」という情報だった。40歳を目前にした濱島は再起を賭けて競輪界へ飛び込むが、競輪学校で待っていたのは年齢の離れた濱島に対する猛烈なシゴキとイジメ。壮絶な闘いの中で、濱島はようやく自分に欠けていたものに気づく―。

 競輪の世界を舞台に、中年男の死にものぐるいの再生を描いた『ガチ星』。カンヌ国際広告祭で3年連続受賞するなど売れっ子CMディレクターだった江口監督が40歳を過ぎ、人生の折り返し地点からの新しい挑戦として選んだのが映画製作だった。東京ではなく、福岡だからこそ生まれた映画だと江口監督は断言する。

江口「普段は僕が生まれ育った福岡をベースにして仕事をしているんですが、映画製作はやっぱり東京だろうと、東京にいる映画関係者たちに企画を持ち掛けたんです。ですが、全員から無理だと言われました。いまどきの若者たちは競輪に興味を持たないと。言われたことはもっともなんですが、でも競輪の映画がないからこそ、僕はつくってみたいと思った。誰もやっていないからこそ、挑戦してみたいと。それで福岡のテレビ局(テレビ西日本)のローカル枠で深夜ドラマとして放送させてもらい、新たに音入れなどして再構成することで劇場版として完成させたんです。もちろん、キラキラ映画が人気なのは分かります。震災や経済の低迷が続き、明るい映画を求める人は多いでしょう。でも、僕はボクシングの世界を描いた『ロッキー』(76)や『レイジング・ブル』(80)、『どついたるねん』(89)みたいな男臭い映画が大好き。小倉が発祥の地である競輪を題材に、自分自身が熱くなった男のドラマを描きたかったんです」

 そう、『ガチ星』をひと言でいえば「競輪版ロッキー」の世界なのだ。怠惰な日常生活に流されてきた主人公がしっかりと現実を見つめ、体を張って闘うことでようやく覚醒を果たす。福岡から近い韓国のヤン・イクチュン監督&主演作『息もできない』(08)も、江口監督が刺激を受けた映画の一本だ。また、江口監督は福岡在住の川島透監督を“師”と仰いでいることも興味深い。川島監督は故金子正次が主演した『竜二』(83)で鮮烈なデビューを飾った。『ガチ星』に主演した安部も俳優として目立つ実績はなかったが、懸命に喰らい付くことで主役の座を手に入れた。

安部「中学までは甲子園を目指していたんですが、肩を壊して野球は断念しました。高校卒業後、父が競輪選手ということもあって、競輪学校を4回受験したんです。父からは厳しく鍛えられましたが、やはり家族ということで僕にどこか甘えがあったのかもしれません。結局、競輪学校の入学試験には100分の4秒ほど足りずに落ち、当時は年齢制限があったので諦めたんです。25歳で役者の道を目指して大分から上京したものの、オーディションに落ち続ける生活。40歳を迎え、最後のオーディションのつもりで受けたのが『ガチ星』でした。これに落ちたら、大分に帰るつもりだったんです」

■恥も外聞もかなぐり捨てた最後のオーディション

 ところが『ガチ星』のオーディション直前に安部は体調を崩し、高熱を出してしまう。熱が下がらない状態のままオーディションに参加した安部は、全力を出しきれないまま落選。野球、競輪での失敗を経験している安部のキャリアに注目していた江口監督はOKを出したかったが、安部の明るさやスマートさがネックとなっていた。

江口「役者って、どうしても自分をよく見せようとしてしまうもの。僕がイメージしていた濱島の酒や人間関係にだらしない雰囲気と全然違ったんです。伊豆にある競輪学校でロケハンする際、被写体として彼をもう一度呼び、その合間に再度オーディションしたんですが、やっぱりダメ。諦め切れなかった彼は、その場で泣き出したんです。そこまでこの役に賭けているのかと分かると、こちらも情が湧いてしまう(苦笑)。後日、最後の最後のオーディションをやったところ、そのときはようやく身にまとっていたものを全て脱ぎ去って、カメラの前に立っていたんです」

安部「言い訳になると思って、僕からは口にしませんでしたが、実はずっと熱が下がらなかったんです。2度もオーディションに失敗したけれど、まだ主演俳優は決まっていないと分かったので、ここは泣いてでも喚いてでも、しがみついてやろうと(笑)。1週間後に行なわれた最後のオーディションは体調も回復し、自分のすべてをさらけ出す覚悟でした。多分、『ガチ星』に出ていなかったら、実家に戻って、それこそ濱島みたいに地元の友達を頼って働いていたと思います」

江口「僕は基本、役者の涙は信じないんだけどね(笑)。福岡の人間って、ダメなヤツに対してどこか甘さがあるのかもしれない。でも、最後のオーディションでは、彼は濱島そのものになりきってくれていた。僕もこの映画には賭けているので、これなら一緒に心中できる、信頼してタッグを組めると思えたんです」

■ダメ人間を甘やかしてしまう、福岡という街の恐ろしさ

 競輪学校では、クランクイン前に他の若手キャストと共に1カ月の合宿特訓。10キロ体重を増やし、無精ひげを伸ばし、より濱島へと近づいていった。また、東京で暮らす安部に対して、福岡で映画の準備を進めた江口監督はスマホでダメ出しを続けたという。

安部「毎日、濱島になりきった不機嫌な表情を、LINEで江口監督に送り続けたんです。撮影前はそれが日課になっていました。たまに江口監督から返事がこなくて、深夜2時すぎまで寝ないで待っていたこともあります」

江口「ごめん、その晩は酒を呑んでてLINEを返しそびれた(笑)。LINEでのやりとりでの演出は初めてだったけど、離れた場所にいる役者に対して、これは意外と有効だと分かり、他の作品でもやっています。要は一度掴んだ役のイメージを撮影当日まで忘れさせないことが肝心なんです」

安部「競輪学校近くの登坂コースを登るのもキツかったし、バンクを周回するシーンは何度も何度もリハが続くのでヘトヘトになり、先導するプロの競輪選手に付いていくだけで必死でした。ドラマパートでも江口監督から厳しいダメ出しが続きましたが、厳しい分だけ江口監督やスタッフのみんなが『ガチ星』に熱い情熱を注いでいることを実感できたんです」

 福岡は気候が穏やかで、美味しい食材に恵まれ、気のいい性格の人間が多い。だが、そんな居心地のよい環境に甘えて、『ガチ星』の主人公・濱島は救いようのないクズ人間へと堕ちていく。ゲロを吐き、汚物まみれとなる濱島を目覚めさせるのは、家族や友人たちの優しさではなく、競輪学校で出会った天才的レーサー・久松(福山翔大)というライバルの存在であり、生と死の境界線ギリギリに自分は立っているのだというシビアな現実認識だった。甘さを排除した展開に、地元・福岡にいながら第一線で活躍を続ける江口監督の並々ならぬ想いも感じさせる。

江口「7年ごしで『ガチ星』を完成できたことで、これからも福岡を拠点に無名の俳優たちを起用した映画を撮っていきたいという気持ちが強まりました。すでに何本かは準備中です。東京の人にも『へぇ、こんな映画もあるんだ』と外国映画を観るような感覚で楽しんでほしい」

安部「蜷川幸雄さんが演出する舞台に出たときに、『お前は体がデカいんだから、何もせずに堂々とそこに立っていればいいんだ』と言われたんですが、『ガチ星』の濱島を最後まで演じきったことで、蜷川さんの言葉を実感できたように思います。役になるための準備を充分した上で、本番では演技に頼ることなく、役そのものになりきっていることが大事なんだなと。他の監督の作品にもチャレンジし、江口監督にまた呼んでもらえるような俳優になりたいですね。ここからがスタートです」

 豚骨ラーメンのようにクセがあり、辛子めんたいのようのホットな映画『ガチ星』が完成した。面白い映画に飢えていた大人の観客たちの食欲を充分に満たすに違いない。
(取材・文=長野辰次/撮影=尾藤能揚)

『ガチ星』
監督/江口カン 脚本/金沢知樹
出演/安部賢一、福山翔大、林田麻里、船崎良、森崎健吾、伊藤公一、吉澤尚吾、西原誠吾、博多華丸、モロ師岡
配給/マグネタイズ 5月26日(土)より新宿K’s cinema、小倉昭和館ほか全国順次公開 
(C)2017 空気/PYLON
http://gachiboshi.jp

●江口カン(えぐち・かん)
福岡県出身。九州工科大学画像設計科卒業。CMディレクターとして手掛けた「ナイキ ジャパン」「おしい!広島」「スニッカーズ」などのCMが人気を集める。2007年から3年連続で「カンヌ国際広告祭」受賞。13年には博多華丸、富田靖子主演ドラマ『めんたいぴりり』(テレビ西日本)のディレクターを務めた。15年には続編『めんたいぴりり2』がオンエアされ、2作連続で日本民間放送連盟賞優秀賞を受賞。16年はNHK大河ドラマ『真田丸』番宣ムービー『ダメ田十勇士』が話題に。19年1月に映画『めんたいぴりり』が公開予定。

●安部賢一(あべ・けんいち)
大分県出身。高校卒業後、競輪選手を目指すが競輪学校に合格できずに断念。役者の道へ進むも、オーディションは落選ばかりという下積み生活が続いた。舞台では蜷川幸雄演出「タンゴ・冬の終わり」「ひばり」(シアターコクーン)、映画では北野武監督の『監督・ばんざい』(07)や『アキレスと亀』(08)などに出演している。『ガチ星』は初めての主演作。

「石橋貴明のバブルノリ」が嫌われてしまうワケ――フジ『たいむとんねる』大コケを考える

 「バブル世代に武勇伝を語られても面白くない」――そんな痛烈な批判を巻き起こしたのが、4月にスタートした深夜バラエティ『石橋貴明のたいむとんねる』(フジテレビ系)だ。

 今年3月、とんねるずのご長寿番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)が終了、そして新たに石橋をMCに据えて『たいむとんねる』が始まったのだが、「石橋貴明とミッツ・マングローブがゲストと『勝手に語り継ぎたい昔のアレコレ』を掘り起し『あったねぇ~!懐かしい~!』を共有する」(公式サイトより)という内容が視聴者にウケにくかったのか、工藤静香をゲストに迎えた「イケイケだった80年代テレビ業界」という初回の視聴率は、3.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大コケしてしまった。

 いったい同番組の何が不評を買ったのか。ネット上に飛び交う初回視聴者の声を見ていくと、「石橋が80年代のイケイケ話をドヤ顔で語るってダサい」「バブル時代はとっくに終わってるんだけど……」「石橋はもうオワコンでしょ」など、「石橋×バブル」の組み合わせに、時代遅れ感を抱いている若い世代が多く見受けられた。しかし昨今メディアでは、バブルカルチャーを目にする機会が多い。特に昨年は、「OK!バブリー!!」のギャグで知られるバブル芸人こと平野ノラ、また大阪府登美丘高校ダンス部のバブリーダンスが若者を中心に大ブレーク。バブルカルチャーのリバイバルイベントも各地で盛んに行われているという。

 そんな人気コンテンツであるバブルが、石橋と組み合わさることで、なぜ人に煙たがられてしまうのだろうか? そんな疑問を解消すべく、元吉本芸人で、“コミュニケーション学”や“笑い”に関する研究をしている桜美林大学講師・瀬沼文彰氏に取材を行った。

若者はバブルを“ネタ”として消費する

 最初に、瀬沼氏は、若者間のバブルブームをどのように見ているのだろうか。

「若者は、バブルを“ネタ”として消費をしていると思います。そういった流れを牽引したのは、やはり平野ノラさんなのではないでしょうか。ノラさんから『バブルってこういうふうに見ると面白いよね』というヒントをもらい、若者がネタとして楽しむようになったと見ています。また、バブルの自由さ、存在感、キラキラした感じは、SNSとの相性がよく、例えば“バブル的な写真”をインスタグラムに投稿すると『いいね!』がもらえる……みたいなところから、ブームになっていったと感じています」

 いまの若者が、バブルを本気で実践しようとすると、圧倒的にお金が足りないのは事実。しかし、「今はシェアの文化が発達し、高級バックやハイブランドファッションのレンタルシステムがあったり、リムジンもみんなお金を出し合って借りることができるんです。あと、SNOWなど、デジタル加工が発達しているので、写真にバブル的なキラキラ加工を施せる。意外とバブルって実践できるんですよ」とのこと。

「若者は、バブル的なキラキラした日が、ずっと続くのではなく、“たまにあるといいな”という感覚のようです。リアルが充実していることをアピールしたい半面、『私、すごいでしょ?』と自慢して周りから浮くことを避けたいという思いがあるのでしょうね。バブルを“ネタ”として消費するのも、“これは冗談だよ”と予防線を張っているように思いますし、むしろ、バブル的なキラキラ感を楽しむのではなく、『私はバブルを面白いと思っている』という自分のセンスをSNSでアピールさえできれば、満足なのかもしれません」

 ただし、メディアで騒がれるバブルブームは、「マスコミ主導なブームという印象がある」という瀬沼氏。若者の間で生まれたのではなく、「ノラさんのような影響力のある人から“降りてきた”ものだと思います」。

とんねるずの成り上がり方がバブル的だった

 若者にとって、“周りから浮かない、適度なキラキラ感の自己演出ツール”の1つになっているというバブル。一方で、石橋はなぜ嫌われるのだろうか? まず瀬沼氏は、人々が石橋に感じる“バブル感”を紐解いてくれた。

「『みなさんのおかげでした』でよく見られた“フジテレビの大掛かりなセット”での企画がそういったイメージを生んだのかなと。また、『“イマココ”を最大限楽しむ、先のことを考えない』といったノリや、内輪の業界ネタ、上から目線でガンガンものを言うスタイルなども、バブルっぽいと受け止められるのではないでしょうか。あと石橋さん……というか、とんねるずは、素人として出場したお笑いコンクールで活躍し、デビューを果たしたんですが、そのままの勢いで、素人やアイドル、テレビにあまり出ていない俳優、ときには大御所までもイジる、スタジオを壊して暴れまくるといったノリでどんどん成り上がっていったコンビなんです。その勢いこそバブルノリだと捉えられるのではないでしょうか」

 そんな石橋のバブルノリが若い世代にウケないのは、ズバリ「“冗談だから”“ネタだから”という予防線が張り巡らされていないから」と瀬沼氏は考察を繰り広げる。

「石橋さんが『たいむとんねる』で語った80年代のイケイケエピソードは、視聴者の若者からしたら、直接的すぎてしまい、“ギャグ”に聞こえないと思うんです。もしかしたら本人は、ネタとして言っているのかもしれませんが、視聴者は、ガチの自慢話をされているとしか受け取れないのでは。あと単純に、昔話だから共感できないというのもあると思いますね。それから、いまの若者は、“話している内容+見た目”に面白さを見いだす傾向があり、ノラさんも、あの“見た目”でのバブル感もあるからこそ、若者にウケたと思うんです。そう考えると、石橋さんにはそういった見た目としての面白さは演出できていないので、ウケにくいのかもしれませんね」

よしもと的笑いの中でオワコン化した石橋

 若者の感性に合わないという石橋のバブルノリは、同様に今の芸能界やバラエティの空気からもズレてしまい、“オワコン”化して見えるという。

「今の芸能界やテレビって、“礼儀と挨拶”が徹底され、番組内でも空気を乱さぬように謙虚にならざるを得ないんです。またバラエティでは、“よしもと的な笑い”が寡占化している状態。“よしもと的な笑い”とは、基本的にボケとツッコミの笑いが大半で、みんなで協力して盛り上げていくスタイルなのですが、これは1954年、よしもとが『吉本ヴァラエティ』(毎日放送)という新喜劇の前進となる舞台をテレビで放送し始めた頃から、ずっと受け継がれているものなんです。MCの仕切りがいて、誰かが何かを言ったらそれをみんなで拾う。また、面白いキャラの人がいてそれをみんなでイジる――そういった、みんなで面白くしていくスタイルの今のバラエティに、石橋さんのような1人のパワーで全てを壊せてしまうような人は合わないと感じます」

 確かに、石橋はワンマンスタイルで、みんなで協力し合って笑いを作り上げていくというタイプではない。一方で、わかりやすく濃いキャラの持ち主でもないだろう。

「“みんなで一緒に”という、よしもと的笑いに慣れた人からすると、石橋さんの場を壊すことによる笑いは、パワハラ上司的に見えるかもしれません。若手芸人と絡んでいても、接待されているように見え、“現実を忘れられる”というバラエティの良さを感じにくいんですね。また、コンプライアンス重視の今のテレビ局では、“めちゃくちゃやる”という芸風の石橋さんを起用しづらい面もありますね。以前、『みなさんのおかげでした』で保毛尾田保毛男をリバイバルした際、『差別的な笑いってどうなの?』と炎上したように、世間でポリティカル・コレクトネスが定着したことも、石橋さんが敬遠される理由だと考えられます」

石橋は、SNSに活路を見いだすべき!?

 そんな石橋について、瀬沼氏は、「年とともにバブルノリ自体は弱まっていると思う」といった印象も受けるそうだ。

「『たいむとんねる』を見ると、昔に比べると落ち着いたなぁとも思います。当時の勢いを面白く求めている人は絶対にいると思うので、個人的には、ネットやSNSに活路を見いだしてほしいですね。本人はそういったものに否定的みたいですが、例えばTwitterでの素人いじり、YouTubeで大暴れするなど、“炎上”も含めて面白くなるのではないかと。規制のないところで、自由に暴れて、日本をかき乱してほしいです」

 ただ、『たいむとんねる』に対しても、このまま“大爆死”だけで終わるのはもったいないという。

「売れ続けている芸人って、ちょっとずつ新しいキャラをプラスしていこうとするんです。例えば、ダウンタウンの松本人志さん、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは、“知的な面”を出し、コメンテーターなどをするようになったのですが、一方で、石橋さんは、こうした“新たなキャラを見せること”をあまりしてこなかった。だからこそ、石橋さんは、『たいむとんねる』で新たなキャラを確立してみてはどうだろうと思いますね。過去のアレコレを振り返るという番組内容は、視聴者の『僕も、私も話したい!』という気持ちをくすぐると思うので、石橋さんには“人の共感を引き出す”新たなキャラを目指して、番組を盛り上げてほしいです」

 「バブル的な勢いを失くして落ち着いた」というネガティブな面も、見ようによっては、新たな魅力につながるということか。ご長寿番組が終わった今、石橋がどのような進化を遂げるのか見守っていきたい。

【著書紹介】
ユーモア力の時代―日常生活をもっと笑うために』(日本地域社会研究所)
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「石橋貴明のバブルノリ」が嫌われてしまうワケ――フジ『たいむとんねる』大コケを考える

 「バブル世代に武勇伝を語られても面白くない」――そんな痛烈な批判を巻き起こしたのが、4月にスタートした深夜バラエティ『石橋貴明のたいむとんねる』(フジテレビ系)だ。

 今年3月、とんねるずのご長寿番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)が終了、そして新たに石橋をMCに据えて『たいむとんねる』が始まったのだが、「石橋貴明とミッツ・マングローブがゲストと『勝手に語り継ぎたい昔のアレコレ』を掘り起し『あったねぇ~!懐かしい~!』を共有する」(公式サイトより)という内容が視聴者にウケにくかったのか、工藤静香をゲストに迎えた「イケイケだった80年代テレビ業界」という初回の視聴率は、3.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と大コケしてしまった。

 いったい同番組の何が不評を買ったのか。ネット上に飛び交う初回視聴者の声を見ていくと、「石橋が80年代のイケイケ話をドヤ顔で語るってダサい」「バブル時代はとっくに終わってるんだけど……」「石橋はもうオワコンでしょ」など、「石橋×バブル」の組み合わせに、時代遅れ感を抱いている若い世代が多く見受けられた。しかし昨今メディアでは、バブルカルチャーを目にする機会が多い。特に昨年は、「OK!バブリー!!」のギャグで知られるバブル芸人こと平野ノラ、また大阪府登美丘高校ダンス部のバブリーダンスが若者を中心に大ブレーク。バブルカルチャーのリバイバルイベントも各地で盛んに行われているという。

 そんな人気コンテンツであるバブルが、石橋と組み合わさることで、なぜ人に煙たがられてしまうのだろうか? そんな疑問を解消すべく、元吉本芸人で、“コミュニケーション学”や“笑い”に関する研究をしている桜美林大学講師・瀬沼文彰氏に取材を行った。

若者はバブルを“ネタ”として消費する

 最初に、瀬沼氏は、若者間のバブルブームをどのように見ているのだろうか。

「若者は、バブルを“ネタ”として消費をしていると思います。そういった流れを牽引したのは、やはり平野ノラさんなのではないでしょうか。ノラさんから『バブルってこういうふうに見ると面白いよね』というヒントをもらい、若者がネタとして楽しむようになったと見ています。また、バブルの自由さ、存在感、キラキラした感じは、SNSとの相性がよく、例えば“バブル的な写真”をインスタグラムに投稿すると『いいね!』がもらえる……みたいなところから、ブームになっていったと感じています」

 いまの若者が、バブルを本気で実践しようとすると、圧倒的にお金が足りないのは事実。しかし、「今はシェアの文化が発達し、高級バックやハイブランドファッションのレンタルシステムがあったり、リムジンもみんなお金を出し合って借りることができるんです。あと、SNOWなど、デジタル加工が発達しているので、写真にバブル的なキラキラ加工を施せる。意外とバブルって実践できるんですよ」とのこと。

「若者は、バブル的なキラキラした日が、ずっと続くのではなく、“たまにあるといいな”という感覚のようです。リアルが充実していることをアピールしたい半面、『私、すごいでしょ?』と自慢して周りから浮くことを避けたいという思いがあるのでしょうね。バブルを“ネタ”として消費するのも、“これは冗談だよ”と予防線を張っているように思いますし、むしろ、バブル的なキラキラ感を楽しむのではなく、『私はバブルを面白いと思っている』という自分のセンスをSNSでアピールさえできれば、満足なのかもしれません」

 ただし、メディアで騒がれるバブルブームは、「マスコミ主導なブームという印象がある」という瀬沼氏。若者の間で生まれたのではなく、「ノラさんのような影響力のある人から“降りてきた”ものだと思います」。

とんねるずの成り上がり方がバブル的だった

 若者にとって、“周りから浮かない、適度なキラキラ感の自己演出ツール”の1つになっているというバブル。一方で、石橋はなぜ嫌われるのだろうか? まず瀬沼氏は、人々が石橋に感じる“バブル感”を紐解いてくれた。

「『みなさんのおかげでした』でよく見られた“フジテレビの大掛かりなセット”での企画がそういったイメージを生んだのかなと。また、『“イマココ”を最大限楽しむ、先のことを考えない』といったノリや、内輪の業界ネタ、上から目線でガンガンものを言うスタイルなども、バブルっぽいと受け止められるのではないでしょうか。あと石橋さん……というか、とんねるずは、素人として出場したお笑いコンクールで活躍し、デビューを果たしたんですが、そのままの勢いで、素人やアイドル、テレビにあまり出ていない俳優、ときには大御所までもイジる、スタジオを壊して暴れまくるといったノリでどんどん成り上がっていったコンビなんです。その勢いこそバブルノリだと捉えられるのではないでしょうか」

 そんな石橋のバブルノリが若い世代にウケないのは、ズバリ「“冗談だから”“ネタだから”という予防線が張り巡らされていないから」と瀬沼氏は考察を繰り広げる。

「石橋さんが『たいむとんねる』で語った80年代のイケイケエピソードは、視聴者の若者からしたら、直接的すぎてしまい、“ギャグ”に聞こえないと思うんです。もしかしたら本人は、ネタとして言っているのかもしれませんが、視聴者は、ガチの自慢話をされているとしか受け取れないのでは。あと単純に、昔話だから共感できないというのもあると思いますね。それから、いまの若者は、“話している内容+見た目”に面白さを見いだす傾向があり、ノラさんも、あの“見た目”でのバブル感もあるからこそ、若者にウケたと思うんです。そう考えると、石橋さんにはそういった見た目としての面白さは演出できていないので、ウケにくいのかもしれませんね」

よしもと的笑いの中でオワコン化した石橋

 若者の感性に合わないという石橋のバブルノリは、同様に今の芸能界やバラエティの空気からもズレてしまい、“オワコン”化して見えるという。

「今の芸能界やテレビって、“礼儀と挨拶”が徹底され、番組内でも空気を乱さぬように謙虚にならざるを得ないんです。またバラエティでは、“よしもと的な笑い”が寡占化している状態。“よしもと的な笑い”とは、基本的にボケとツッコミの笑いが大半で、みんなで協力して盛り上げていくスタイルなのですが、これは1954年、よしもとが『吉本ヴァラエティ』(毎日放送)という新喜劇の前進となる舞台をテレビで放送し始めた頃から、ずっと受け継がれているものなんです。MCの仕切りがいて、誰かが何かを言ったらそれをみんなで拾う。また、面白いキャラの人がいてそれをみんなでイジる――そういった、みんなで面白くしていくスタイルの今のバラエティに、石橋さんのような1人のパワーで全てを壊せてしまうような人は合わないと感じます」

 確かに、石橋はワンマンスタイルで、みんなで協力し合って笑いを作り上げていくというタイプではない。一方で、わかりやすく濃いキャラの持ち主でもないだろう。

「“みんなで一緒に”という、よしもと的笑いに慣れた人からすると、石橋さんの場を壊すことによる笑いは、パワハラ上司的に見えるかもしれません。若手芸人と絡んでいても、接待されているように見え、“現実を忘れられる”というバラエティの良さを感じにくいんですね。また、コンプライアンス重視の今のテレビ局では、“めちゃくちゃやる”という芸風の石橋さんを起用しづらい面もありますね。以前、『みなさんのおかげでした』で保毛尾田保毛男をリバイバルした際、『差別的な笑いってどうなの?』と炎上したように、世間でポリティカル・コレクトネスが定着したことも、石橋さんが敬遠される理由だと考えられます」

石橋は、SNSに活路を見いだすべき!?

 そんな石橋について、瀬沼氏は、「年とともにバブルノリ自体は弱まっていると思う」といった印象も受けるそうだ。

「『たいむとんねる』を見ると、昔に比べると落ち着いたなぁとも思います。当時の勢いを面白く求めている人は絶対にいると思うので、個人的には、ネットやSNSに活路を見いだしてほしいですね。本人はそういったものに否定的みたいですが、例えばTwitterでの素人いじり、YouTubeで大暴れするなど、“炎上”も含めて面白くなるのではないかと。規制のないところで、自由に暴れて、日本をかき乱してほしいです」

 ただ、『たいむとんねる』に対しても、このまま“大爆死”だけで終わるのはもったいないという。

「売れ続けている芸人って、ちょっとずつ新しいキャラをプラスしていこうとするんです。例えば、ダウンタウンの松本人志さん、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは、“知的な面”を出し、コメンテーターなどをするようになったのですが、一方で、石橋さんは、こうした“新たなキャラを見せること”をあまりしてこなかった。だからこそ、石橋さんは、『たいむとんねる』で新たなキャラを確立してみてはどうだろうと思いますね。過去のアレコレを振り返るという番組内容は、視聴者の『僕も、私も話したい!』という気持ちをくすぐると思うので、石橋さんには“人の共感を引き出す”新たなキャラを目指して、番組を盛り上げてほしいです」

 「バブル的な勢いを失くして落ち着いた」というネガティブな面も、見ようによっては、新たな魅力につながるということか。ご長寿番組が終わった今、石橋がどのような進化を遂げるのか見守っていきたい。

【著書紹介】
ユーモア力の時代―日常生活をもっと笑うために』(日本地域社会研究所)
生活の中にユーモアがあると、自分が見ている世界や日常はもっと面白くなる――そんな“ユーモア”について分析、その効果の大きさと影響力を示すとともに、誰にでもできるユーモア力アップの方法と技術を具体的に紹介した1冊。

俳優・和田正人、母校アメフト部の謝罪会見に言及で「腹が立つ」と共感の声

 5月22日、俳優の和田正人(38)が自身のTwitterを更新。母校である日本大学アメフト部員の謝罪会見についてコメントし、注目を集めている。

 同日、日大アメフト部の選手が関西学院大学との定期戦で悪質な反則行為をしたことについて謝罪会見を開催。スポーツ界をゆるがすショッキングなニュースに、日大出身の和田は「日大アメフト部員の記者会見。見てたら涙が出てきた。彼に対する不憫な想いなのか。それとも我が母校への腹立たしさなのか。あー。くそ」とつづり、OBとしての複雑な心境を明かした。

 和田自身も在学中は陸上競技部に所属し、4年時には主将を務めたほどのスポーツマン。箱根駅伝にも2度出場経験があり、今回の事件には思うところがあるのだろう。

 この投稿に対し、和田と同じ日大OB・OGからは「母校のこのザマは恥ずかしい」「私もOBとして同じ気持ちです」といったコメントが寄せられた。また、「同じ思いの視聴者は多いと思う」という共感の声や「この子を救えない大学に未来があるわけがない」「監督のやり方に腹が立つ」といった大学側の対応に憤慨するコメントなど、さまざまな意見が届いている。