フジテレビ『隣の家族は青く見える』4.6%と超低空飛行も、深田恭子の“善き人”ぶりに注目!?

 ある集合住宅(コーポラティブハウス)を舞台に、そこに住む4組の「家族」の価値観の違いを軽やかに描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)。

 なかなか子どもができない奈々に、子どもがらみの事件が降りかかる第5話は4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、さらにダウン。NHKで放送されていた平昌五輪のカーリングが高視聴率だったことが響いた模様。4家庭の現状から振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■また深雪の逆鱗に触れる事件が

 

 人工授精に向けて動き出した大器(松山ケンイチ)と奈々(深田恭子)夫妻。

 急きょ確定する排卵日の前日・前々日に合わせて、採れたて精子を医師に提出することの苦労を語る大器。奈々も、会社に理由を伏せながら3連休を取らねばならぬため、理解ある職場だが、それでも軽く注意されてしまう。確かに「人工授精のために」とは言えないだろう。

 大器は「『今日は精子とってから出勤しまーす』とか『人工授精終わってから出勤しまーす』とか言えるべきなんだよ~」と愚痴るが、それも確かに。妊活に前向きに向き合いだす大器の変化がわかる。後日、奈々は精子の温度が冷えないようタオルでくるみ、大切に運んだが、これらの活動が何ひとつ会社に言えないということが、ある意味一番つらいのかもしれない。

 よい精子をつくるために自転車に乗りすぎない(圧迫が×)とか、膝上ノートパソコンはよくない(精巣の高温×)などの情報も、ためになる。

 ゲイであることをを中傷するヘイトなビラが会社に配られたことをきっかけに、デザイン事務所からの独立を決めた広瀬。あんなの気にすることないと同僚・長谷部(橋本マナミ)は引き止めるが、決意は固い。

 川村亮司(平山浩行)が前妻の子を引き取ることで、出て行くことを決めた、ちひろ(高橋メアリージュン)。引っ越し費用を出すからと謝る亮司の言葉が、ちひろの気分を害する。言ってほしいのはそこじゃない。「すぐに出て行かないで、チャンスあげたのに、何にも言ってこない」と奈々・朔(北村匠海)ら女子トーク仲間にも愚痴っていた。

 だが、自分の責任のため、迂闊なことは言わず罪を被っているつもりの亮司。平行線どころか、別れ間際で、さらに溝が深まってしまう。

「男なんてプライド高い小心者ばっかりだから、リスクあることするわけない」「より戻したいなら女の子から言わなきゃ」と朔からアドバイス。

「違う環境で育った人間同士が心を通わせるなんて、そもそもムリなことしてるんだから、恋愛関係が続くこと自体奇跡」

「めんどくさいことや些細なことを乗り越えて、それでもこの人と! って思えた人と奇跡の山恋愛に登頂できる」

 朔先生のありがたい言葉に耳を傾ける生徒2人。

 深雪(真飛聖)は、奥様らと自宅で優雅にランチ……かと思いきや、まさかの、リア充ぶりを撮影させる有料サービス。

「この度も『リア充代行サービス・ハピネス』をご利用いただきありがとうございました」と、普通言わないであろう丁寧な説明セリフ有り。以前登場した高級バッグもここのレンタル&撮影だったようで、虚栄心が満たされず「いいね」依存が止まらない。

 この席で、他の3家族への愚痴や暴露が止まらない深雪。夫の無職の件などしゃべりすぎで心配なほど……。

 深雪はこのとき、大器と奈々のことを「アライカップル」と揶揄していたが、アライとはLGBTに理解・支援するスタンスのこと。ゲイである広瀬らだけでなく、それを許容する奈々達も気に食わないのだ。

 一方、長女の優香(安藤美優)は、友人の代役でダンス番組のオーディションに参加するが、塾からの連絡でサボったことが深雪にばれてしまう。

 

■娘のために嘘をつく真一郎

 

 深雪は、偶然通りかかった奈々に次女の萌香(古川凛)を預けて、慌てて塾へ。揶揄していたくせに。しかし、子どものできない2人には、これが貴重な擬似体験に。

 帰宅後、何をしていたか本当のことを言えない優香のため、自分が誘い出したと真一郎(野間口徹)が助け舟を出す。真一郎は優香がダンスを練習してるところを偶然見かけ、練習に打ち込む姿に感激していた。

 自分と会っていたというのは、もちろん優香を助けるための嘘だが「こうでもしなきゃ子どもたちとの時間作れないから」と語った気持ちは本物だろう。

 中学受験合格が悲願の深雪と、子どもの気持ちを尊重したい真一郎。出張時代、子どもの面倒を見てきたというプライドから「暇になったからって、急に口出さないでよ」とキレる深雪。言い返せない真一郎だが、どんどん火薬が蓄積されていってるような危険を感じる。

 深雪のキャラは相当嫌われる作りになっているのだが、それでも次女・萌香の無垢な笑顔に癒やされたりするシーンがごく稀にあり、首の皮一枚で救いを持たせている。

 今回は真一郎が優香にダンスを応援する旨をこっそり伝えたり、優香も中学受験について「辞めたらママがっかりするから」と母を想う気持ちを見せるなど、救いを入れている。

 今さらだが野間口の気弱な夫ぶりは見事で、地味ながら「顔」でしっかり芝居を見せ、「お前まで俺をバカにする気か」と、落とした小銭を追いかける哀愁も実にハマっている。

 

■謎の女が動きだす

 

 広瀬の同僚・長谷部が朔の働くバーに、いきなり訪問。朔について調べた調査報告書をチラつかせ「世間知らずのおぼっちゃまかと思ったら結構複雑な生い立ちなのね」といきなりバケの皮を自ら剥ぐ。

 中傷ビラも、広瀬と朔を別れさせるため長谷部がやったことで、「あなたは彼には相応しくない。彼の将来に邪魔になるようなことだけはしないで」と脅す。

 朔も初めは動じなかったが「広瀬くんのとこに転がりこんだ理由も話した?」と言われたとたん、言葉を失う。どんな理由があったのか。帰り際「ご馳走様」と注文した白ワイン代を払わず去るところが、長谷部の性格を表している。

 ちなみに調査報告書によると、朔のバーがあるのは渋谷の松濤で、ドラマの舞台となるコーポは世田谷区上用賀東2-1-4。東という住所はないが、上用賀2-1-4で検索すると、現在休苑中の馬事公苑がヒットする。いいとこ住んでますね。

 

■琴音の出産に立ち会い

 

 大器の妹・琴音(伊藤沙莉)が破水し、出産に立ち会う奈々。実は少し前に自分の人工授精が実らなかったのに、なぜが他人の子ども問題が次々降りかかる。

 緊迫した手術シーンの後、祭りで神輿を担いでいたとのことで、ハッピ姿で慌てて病院に駆けつける両親(春海四方・高畑淳子)と夫(前原滉)がスローモーションなことに爆笑。胎盤早期剥離でやや小さい子ながら無事出産。医師の説明を聞きながら2人目を見つめ合うのが大昔のジャンプの恋愛漫画『キックオフ』みたいで良かったです。

 ここまで肝っ玉母さん一辺倒だった聡子(高畑)も、奈々が不妊治療していたことを知り、自分の無神経さを後悔する。

「小さい頃は、大人になったら誰でもお母さんになれるものだって思ってたけど、実はそうじゃなくて、お腹の中に赤ちゃんが宿ることも、この世界に赤ちゃんが宿ることも、すくすく成長することも、みんな当たり前のように見えてるけど、本当は一つ一つが奇跡」と、ますます子どもが欲しいと強く思えた奈々。

 同時に、うらやむことをやめ「私は妊娠できないだけじゃない、まだ妊娠してないだけだって」と前向きに切り替える。本当に善の人ですね、奈々は。感情を強く出すと変な感じになっちゃうことの多い深キョンですが、こういうマイペースな雰囲気はマッチ。

 そして、決別し出て行く間際、無言で見つめあった瞬間、いきなりおっぱじめる亮司とちひろ。ここまで言えなかった気持ちが、セックスとして爆発。タランティーノの映画みたい。予定を切り上げ不意にやってきた亮太に、下着姿のちひろが見つかってしまうも、普通に挨拶する大人な亮太。

 終わり際まで見所が多く、尻尾まであんの詰まったたい焼きのような回。とりあえず、どうせうまくいくんだろ? と斜に構えながらも、ちひろと亮太の距離がどうなるのかが楽しみでなりません。
(文=柿田太郎)