なぜあの果物や野菜が? 2018年「健康と美の救世主」はスイカ、オクラ、ミカン
毎年恒例となっている、健康産業の専門展示会『健康博覧会2018』(1月31日~2月2日/東京ビッグサイト)に、今年も潜入してきた。同イベントは、機能性食品・ドリンクを中心にした「FOOD PRODUCE JAPAN」「健康食品・サプリメント展」「健康機器展」「フットネス&スポーツ展」「ビューティ&アンチエイジング展」さらに「オーガニック&ナチュラルプロダクツ展」が合体して開催されており、健康・美容産業分野のネクストブームを知ることができるほか、毎回驚きの商材に出会える場にもなっている。
ざっと会場を見渡してみると、歯のセルフホワイトニングの展示が目立っていた。筆者も実際に体験してみたのだが……正直ハードルが高い! まずは自分で歯の掃除をして、口元を固定、溶剤を自分で塗布、そして照射すること12~15分。口元が痛いし、よだれが出そうになった。照射後は、その場で歯磨き、口をすすいで終了だが、溶剤を歯に均一に塗布できないとまだらな色になってしまう。というワケで、筆者の歯は現在“まだらな白さ”という体たらくだ。
博覧会では、このほかにも、いくつか会場内で筆者が足を止めた展示があった。今回は、とりわけ意外な発見が多かった“食品”分野の動向をご紹介していこう。
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◎スイカの驚くべき効能とは?
今年は、日本人には昔から馴染のあるあの果物・スイカが注目を浴びていた。なんでもスイカには、シトルリン、グルタミン、アルギニン、アスパラギンなどの成分があり、中でもシトルリンは、遊離アミノ酸の1つで血のめぐりをサポートしてくれるという。美容やダイエット、また脳や心臓などの健康保持にも役立つとされ、そのためトレーニングやエクササイズに上手に活用することでパフォーマンスを最大限に引き出す効果も期待できる……と紹介されていた。ちなみに、このシトルリンは未成熟な小さいスイカに多く含まれているという。
展示場では、昔ながらのスイカを煮詰めて作る“スイカ糖”も販売されていたが、スイカ糖はスイカの風味がダウンするため、“生のスイカの風味そのままで”を売りにするアイテムも。また最近、“砂漠のスイカ”として知られるカラハリスイカは、保湿力に優れているという点で、コスメの分野においても注目が集まっているそうだ。ほかにも、スイカ成分は、なんと男性の精力アップにも効果を発揮するとの触れ込みもあった。これまで何の気なしに食べられていたのに、突然脚光を浴びだし、スイカもさぞ驚いているのではないだろうか。
博覧会価格で、思わず商材を買い込みそうになったのが、オクラを使ったアイテム。ご存じの通り、独特のぬめり気があるあの野菜のオクラが、今、健康美容業界でブームになりつつあるそうだ。
例えばオクラパウダーは、ポリフェノール量が100g当たり2,200mgも含まれ、高い抗酸化作用があるとのことで、「スムージーなどに入れるだけで体の中から肌が若返る」といった紹介がされていた。また、“塗って寝るパック”が商品化されていて驚いた。これにはオクラのタネが用いられており、「コラーゲンやヒアルロン酸と関係する線維芽細胞を活性化させる」との説明が。会場内で実際に手の甲に塗ってみると、フワフワ泡のオクラパックが肌を包み、だんだん白っぽくなって、ジワジワと肌に吸収されていくのだが、確かに美白&モチモチ肌効果があったように思う。おそるべしオクラ! だからと言って、オクラをすりつぶしてパックをする場合は、自己責任でお願いします。あくまでも、筆者が試したのは商品化されたものだということをお忘れなく。
◎ミカンはミカンでも“青ミカン”にブームの兆し
健康美容分野で、そこまで注目されていなかった野菜や果実が推され出した……そんな印象を受けた今年の博覧会だったが、“ビタミンが豊富な果物”のド定番であるミカンも、再びスポットライトを浴びている。ミカンはミカンでも、オレンジ色に完熟する前の“青ミカン”ブームの気配をヒシヒシと感じたのだ。
なんでも青ミカンには、コレステロールや血圧のコントロールに働くヘスペリジン、抗酸化作用があるとされるタンゲレチン、そして花粉症に効果があるとされているナリルチン(最近、和歌山の柑橘類「ジャバラ」ですっかり有名になった成分)などが含まれていることがわかったそうだ。まだ商品化には至っていないとのことだが、今後は注目度がアップするかもしれない。
◎ジュースとは違うリンゴのドリンク剤も
これまでありそうでなかった“リンゴのドリンク剤”というのも目についた。「リンゴジュースと何が違うんだ?」と思ったが、なんでもリンゴの成分をギュッ濃縮され、閉じ込めているそうで、このドリンク剤を飲み続けている人からは「リラックスできるようになった」「化粧のノリが良くなった」といった声が出ているとのこと。健康ドリンク剤は味が独特そうだから……と苦手意識を持っていた人も、“リンゴ”ならば手を出しやすいだろうし、今後「果物のドリンク剤」シリーズが登場してもおかしくないだろう。ちなみに「リンゴ酢ゼリー」なる商材もあったが、こちらはプロテオグリカンが配合されダイエット効果があるとか。
昨年、一昨年ともに、展示の多かったスーパーフードが、今年も引き続き、来場者の耳目を引いていた。中でも筆者が気になったのが、シーバックソーン。モンゴルのグミ科の植物で、サジー、チャチャルガソ、シーベリーとも呼ばれているものだ。小さな果実には200種類の栄養が濃縮。ジュースだけでなく、オイル、パウダーに加工され、スキンケア用品としても注目されているのだとか。ジュースを試飲したところ、正直クセのある味だったが、こうしたスーパーフードに求められるのは、“おいしさ”より“効能”。むしろクセがあった方が、「効きそう」と受け入れられる可能性も高いだろう。
また、サチャインチも見過ごせない。これは、古代インカ時代から親しまれてきたアマゾン地域原産のトウダイグサ科の植物で、オメガ3やタンパク質の宝庫だという。ナッツやオイル、プロティンの形で紹介されていた。実際にサチャインチのローストナッツを食べて見ると、なんとも言えない素朴なポリポリ感が味わえ、手が止まらなくなりそうだった。
◎試飲可能のみりんに舌鼓
スーパーで見かけるみりんの多くが、実は“みりん風調味料”であることをご存じだろうか。本物のみりん(本みりん)というのは、もち米・米麹・アルコールを長期間熟成して作られるもので、一方のみりん風調味料は、糖類・米・米麹・うまみ調味料などを短時間で調合したものを指す。最近見かけるのは、みりん風調味料ばかりだなぁと思っていたところ、博覧会で本みりんを発見。筆者を含め、試飲をした来場者が皆足を止めるほど、まろやかな味わいだった。
本みりんはもともと、料理の味付けに使われるだけでなく、アミノ酸が豊富で滋養に役立つものとして知られていたという。また、みりんを作る時にできる「こぼれ梅(みりん粕)」にも栄養素がたっぷりなのだとか。すっかり見かけなくなった本みりんが、再び店頭で大々的に売られる日が来るかもしれない。
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そのほかにも、日本の伝統が育んだ泡盛を利用したドリンクや甘酒なども展示されていた今回の博覧会。日本国内の野菜や果実、伝統食品などの成分が分析されるようになり、その機能が見直されるようになってきたのは、地方再生ビジネスとも大きな関わりもあるようだ。機能分析には地域の大学などの研究機関がその力を発揮し、各種の分析資料も展示されているので、科学の目で健康美容分野の逸品を探すのもオススメだ。
(取材・文=健康&美容ライター・ふじえりこ)