「女性週刊誌ぶった斬り!」を連載中の、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク・神林広恵が、今年世間を騒がせた女たちを斬る!
2017年、思えば女性の話題は多かった。江角マキコの不倫引退、豊田真由子の“ハゲー”パワハラ暴行、浅田真央、安室奈美恵の引退宣言、松居一代離婚騒動、斉藤由貴、山尾志桜里、今井絵理子、藤吉久美子の不倫――やっぱ、不倫ネタ多いな。しかし、それだけではない。2017年の“記憶”に残った女性ベスト3を勝手に選出してみた。
1位 飯島三智氏の逆襲撃
2位 故・小林麻央さんが残したもの
3位 レイプ告発! 伊藤詩織さん
◎見事な“逆襲劇”を演出したやり手の女
今年、大きな注目を集めたのが、元SMAP・香取慎吾、稲垣吾郎、草なぎ剛のジャニーズ事務所退社直後からの怒涛の快進撃だった。公式サイト「新しい地図」を開設し、ファンクラブを立ち上げ、SNSをスタート、さらに、AbemaTVの『72時間ホンネテレビ』が大きな反響を呼ぶ。
もちろんこれら“背後”にいるのが、SMAP育ての親であり、芸能事務所「CULEN」を立ち上げて3人を結集させた飯島三智氏だ。
ジャニーズ事務所が消極的だったネットを駆使するなど、次々と新機軸を構築していき、それは見事な“逆襲劇”と言っていい。
さらに東京五輪になみなみならぬ意欲を見せるジャニーズを横目に、3人をパラリンピックのスペシャルサポーターに返り咲かせ、日本財団主催のアート展で香取に安倍晋三首相を案内させる。ジャニーズタブーが根強いメディア界にあって、その間隙をぬうように“取り上げざるを得ない”話題を提供する様は、さすがやり手というところだろう。
もちろんジャニーズ忖度が激しいテレビのワイドショーなどは、『72時間テレビ』や、3人が受賞した「GQ MEN OF THE YEAR 2017」などをネグろうとしたが、しかし『スッキリ』(日本テレビ)で、MCの加藤浩次が「なんだよ、それ」と呟くなど、その姿勢に疑問を投げかけるといったハレーションも起きている。もちろん地上波における番組出演の苦戦は伝えられるが、今や、そうした時代でもないだろう。
さらに飯島氏の逆襲戦略は続いている。サントリー「オールフリー」の新CMキャラに香取と稲垣が起用され、映画『クソ野郎と美しき世界』の製作発表、さらに念願の歌手活動も、ワーナーミュージック・ジャパンに専属チームが発足したと報道された。そのリリースも、CDより音楽配信を重視するという、これまたジャニーズ時代にはなかった手法。年明け早々には、草なぎがNHKスペシャル『未解決事件 File.6赤報隊事件』に出演する。また事務所周辺のスタッフに関しても、その人脈で一流どころを揃え、フジテレビの元SMAP担当引き抜きなども話題になった。
どこまでもジャニーズの逆張りで、突き進む飯島氏。そのスタートダッシュは成功、そして注目はその勢いをどこまで伸ばせるか、定着させられるかだろう。2018年も元SMAPと飯島氏の動向に注目だ。
奇跡が起こることを願いながら、しかし6月についに力尽きてしまった小林麻央さん。しかし、その闘病の様子は自身のブログや、夫・海老蔵のブログ、そしてテレビドキュメンタリーなどで、多くの人々に共有され、共感と影響力を持ったのではないか。
思えば、麻央さんの人生はさまざまな“物語”に彩られていた。姉妹揃っての人気アナウンサーから、名門梨園の御曹司でプレイボーイと知られた海老蔵との結婚。だが、盛大な披露宴を行った直後、海老蔵が西麻布で関東連合メンバーから暴行を受けるという大事件が勃発。世間からの批判の中、夫を支え続けた。そして2人の子宝に恵まれる。幸せ、勝ち組の絶頂に思われたが、しかし、それもつかの間、病魔に襲われてしまう。
その後の壮絶な闘病が明らかになっていくが、今年6月、夫と幼い2人の子どもを残して逝去――。その直前、ドキュメント『市川海老蔵に、ござりまする。』(日本テレビ系)で家族への思いを病室で語った麻央さんの姿は、大きな反響を呼び、さらに跡取り息子・勸玄くんや、弟を支える姉・麗禾ちゃんの様子が海老蔵のブログで日々アップされ、その愛くるしさ、けなげさも人々の涙を誘った。
現在でも麻央さんのブログにはさまざまなコメントが投稿され、過去のブログは英訳され世界に配信されている。多くの人々が麻央さんの言葉や人生から、さまざまなことを汲み取っている。特に女性から共感を呼び、そして影響力、発信力を持つ強い女性だったと思う。あらためて、そのめい福を祈りたい。
◎捜査や司法システムの問題、性被害に対する意識変革まで切り込んだ女
今年はアメリカのエンタテインメント界を中心に、大物男性へのセクハラ・パワハラ告発が大きなムーブメントとなり、女性に対する性被害と人権無視が大きな話題となったが、日本でも注目すべき事件があった。
被害に遭ったジャーナリスト・伊藤詩織さんのレイプ告発だ。
ことの発端は、5月に発売された「週刊新潮」(新潮社)に掲載された、あるレイプ事件とその顛末についてだった。記事には“安倍首相にもっとも近い”という振り込みで売り出し中だった元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏が、就職の相談で会った詩織さんをホテルに連れ込み、レイプしたというもの。さらに逮捕直前に不可解な“圧力”で、逮捕は見送られたという衝撃的なものだった。
当初、この事件に対してマスコミの反応は鈍かったが、詩織さんはあえて実名、顔出しで記者会見を行い、反響を呼ぶ。もちろん政権に“忖度”するメディアも多かったが、詩織さんは、その後も著書『Black Box』(文藝春秋)を刊行、性犯罪被害者がタブー視される社会的な不条理さ、デートレイプドラッグのこと、そして捜査や司法システムの問題、そして性被害に対する意識変革までを訴えていく。
被害者がここまで訴えなければ、何も動かない。日本の絶望的状況が浮き彫りになった一件だったが、しかし、そこに切り込んだ詩織さんの存在は大きい。
ジャーナリストとしての詩織さんの今後の活躍を期待したい。