上村遼太君は、なぜ殺されなければならなかったのか?『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』

 2015年2月20日未明、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で、当時、上村遼太君(享年13)の全裸遺体が発見された。1週間後、日本中が固唾を飲んで見守る中、逮捕されたのは、当時17歳と18歳の未成年3人だった。彼らは、1時間のうちに遼太君の全身にカッターで43カ所も切り付けた。凍てつくような寒さの中、川で泳ぐように命じ、川の中に放置して、逃げ出した。上村君が川から身体を出し、這うことができたのは、23.5メートル。雑草の生い茂る牧地の上で、小さな体は動かなくなった──。

『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』(双葉社)は、日本中を騒がせたこの事件の深層に迫るルポタージュだ。ノンフィクション作家の石井光太氏が、どのようにして、この凄惨な事件が起きてしまったのかを丹念に追っている。事件当日に何が行われたのか、一部マスコミに、イスラム国になぞらえて「カワサキ国」とまで書かれた川崎の不良少年たちと治安、犯人が捕まるまでのネット上での犯人捜し、犯人たちが置かれていた家庭環境、そして、なぜ遼太君が事件に巻き込まれてしまったのか。

 石井氏は現地に何度も足を運び、自分の思想に偏らないようできるだけ多くの人の声を聞き、当時、マスコミで騒がれた内容についての事実関係を客観的に記している。とりわけ、事件に巻き込まれる経緯は、再発防止の意味も込め、詳しく描かれている。遼太君は両親の離婚を大きなきっかけに、小学6年生の時、母親とともに島根県の島から川崎へと引っ越した。中学では、バスケット部に所属し、可愛らしい顔立ちに人懐こい性格で「カミソン」と呼ばれ、男子からも女子からも人気だったという。けれど、夏頃から、部活を休みがちになり、先輩たちとつるみ、ゲームセンターに入り浸るようになり、夜の街で徘徊するようになっていく。

 本書では、これまでマスコミの取材を拒否し続けていた遼太君の父親・後藤善明さん(仮名)が、家庭に関する質問を含め、インタビューに応じている。石井氏は、半年間、数カ月おきに取材を重ね、過程についても話を聞いた。事件が起き、警察から連絡を受け、遼太君と対面した時のこと。少年たちが引き起こした残虐な事件として、日本中で騒がれ、父親と母親、家庭環境に関するバッシングを受ける中、どんな思いで過ごしていたのか。今は連絡が取れないという、離婚した元妻への思うこと。なお、遼太君の母親は、現在、身元を伏せて家族でひっそりと暮らしているため、本書では公判での意見陳述のみが綴られている。

 この事件の判決は、すでに出ている。主犯でも13年の懲役刑、32歳には社会に出る。遼太君は、一生、この世に戻らない。善明さんは、インタビューの一部で、こんなことを語っている。

「遼太は13歳で未来を奪われ、死後もプライベートを暴かれる。でも、犯人たちにはまだ人生が何十年とあり、少年法によってたくさんのことを守ってもらえる。(中略)遺族だって、事件後にマスコミの餌食にされても、根拠のないデマで傷つけられても、加害少年に好き勝手言われても、それで体調を崩しても、国は何一つ助けてくれません。自分の責任で乗り越えるしかない。こんなの間違っていますよ。絶対におかしい」

 石井氏のインタビュー中、父親は厳しい表情を崩さず、淡々と、時に語調を強め、事件を語ったという。判決は出た。けれど、遺族にとっては通過点のひとつであり、事件を背負って生きていく始まりに過ぎない。社会が少年犯罪をどう受け止めるべきか、考えさせられる1冊だ。
(文=上浦未来)

●石井光太(いしい・こうた)
1977年、東京都生まれ。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材、執筆活動をおこなう。著書に『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』(新潮文庫)、『感染宣告』(講談社文庫)、『物乞う仏陀』『アジアにこぼれた涙』(文春文庫)など多数。事件ルポとして虐待事件を扱った『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』(新潮社)がある。

「元SMAP6人と飯島氏!?」新しい地図、映画『クソ野郎と美しき世界』デザインが波紋

 来年公開される元SMAP・稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の出演映画『クソ野郎と美しき世界』の詳細が、一部明らかになった。12月8日に3人のオフィシャルサイト「新しい地図」にて、作品の情報やカード型映画前売券「デザインムビチケカード」の発売を公表。このムビチケの通常版や購入特典のミニクリアファイルのデザインに関し、SMAPファンの間で「既視感がある」と話題になっている。

 3人が出演する同作はepisode.1からepisode.4までの短編オムニバス構成になり、それぞれの話を4人の監督が演出。担当する監督の情報は近日発表されるという。公開は来年4月6日からの2週間で、タイトルにかけて全国86(野郎)館での上映が決定。「新しい地図」のサイトには「『新しい地図』限定先行販売!デザインムビチケカード4枚セット」のお知らせが掲載されており、8日からファンクラブ会員先行で「通常版」「クリスマス」「お正月」「バレンタイン」バージョンの4種類セットを5,600円で販売している。

 さらに、このセットを購入した場合はムビチケ収納台紙やミニクリアファイル3枚セット、ポストカード1枚が特典になるとのこと。そんな中、ファンの間でムビチケのデザインについてさまざまな臆測が上がっている。

「通常版は黒いスーツやネクタイでビシっときめた稲垣、香取、愛犬・くるみちゃんを引き連れた草なぎに加え、男性らしき人物が3人と、スカートをはいた細身の女性が歩いている姿がデザインされています。稲垣、香取、草なぎ以外の人物は被り物をしているため顔がわかりませんが、元SMAPメンバーの中居正広、木村拓哉、森且行と『新しい地図』の3人をバックアップしている飯島三智氏をイメージしているのではないかと、ファンが推測しています」(ジャニーズに詳しい記者)

 中居ら元メンバーと飯島氏の“存在”が話題になっているだけでなく、デザインについても、SMAPが表紙を務めた「an・an」(マガジンハウス、2014年12月17日号)の“オマージュ”だと指摘する声も。同誌は、白背景の中で黒いスーツを着用し、サングラスをかけた5人が前方を向いて佇む姿が掲載されており、ネット上では「完全に『an・an』のSMAP」「どう見ても『an・an』のパロディ」「『an・an』の彼らにしか見えない。これ見た100人が100人そう思うよ」と、興奮気味なツイートが続出した。

「その『an・an』は10月下旬にもファンの間で話題になっていました。『T JAPAN web』に掲載された、『香取慎吾のアトリエ<前編>』というインタビューで、香取のアトリエの写真が公開されたところ、一部ファンが『アトリエに木村くんをモチーフにしたと思われる絵がある』と発見。モチーフとされたのは『an・an』の木村だとみられ、確かに背格好が似ています。さらに、頭には被り物をしているような絵だったため、『慎吾くんの部屋にあった木村くんらしき絵が、ムビチケでつながった』と、驚きの声が出ています」(同)

 また、特典のクリアファイルでムビチケの通常版と同様に白い背景になっているバージョンは、片面に稲垣、草なぎ、香取と被り物の男性2人、女性1人が写り、裏面に被り物の男性が1人で佇んでいるデザイン。裏と表は青い線でつながっているように見えるだけに、ファンは「5人と飯島さん、裏には森くん。でも道はつながってる」などと、深読みしている。

 一方で、「新しい地図」の3人はオリジナルグッズの第1弾・2018年度カレンダーが15万部限定で発売中。公式サイトにはサンプル画像が載っており、メンバーの衣装はカジュアルファッションブランド「ユニクロ」の商品が多用されていることも、ファンの調査により判明。同社とのタイアップや、何らかの形で3人が広告等に起用されるのではないかと、ファンは希望を抱きながら事態を見守っている。

 新たな動きが次々と表面化している「新しい地図」の3人。例のムビチケの構図やデザインは、本当に「SMAPの『an・an』」や飯島氏、森を意識したものなのだろうか。

パパママ飲み会は楽しい! 学童クラブ&小学校、37年ぶり同窓会で飲み会ラッシュです

 毎週のように、ココの小学校と学童保育クラブの保護者飲み会が続いてる。10月のとある週末は、学童のOBでもあるMご家族が住んでる、家賃30万円以上しそうな高級マンションの1Fにある、巨大なゲストルームで学童メンバーたちの飲み会。年に数回、貸切で行われていて、各自で飲み物&食べ物を持ち込む形式。オレもすでに3~4回参加してて、毎回子どもたちを入れて30名前後が来ている。この日は40名以上集まった。オレはシングルママと再婚問題の話で盛り上がったな。男との出会いがまったくないらしい。出会い系サイトもイマイチだし職場にもいない。仮に出会ったとしても、このママには小4の娘がいるわけで、相手の男性と合うのかどうか……。いろいろ男に対して注文があるみたいで、だったら再婚じゃなくて彼氏でいいじゃん! と言っても、「結婚したい」と言い切る! 彼氏! 結婚! の言い合いになり、結局オレも折れて「じゃ、がんばってみてよ!」としか言えません!

 そして夜の9時には、子どもたちを寝かせつけなければならないから、お開き。その後2次会があるというので、妻くらたまが「私行くから、あんたたちは先に帰ってココの風呂と寝かせるの頼むよ!」とオレとココを置いて行ってしまった! 夜中の3時まで飲んでたと! オレも妻くらたまも、学童のこの飲み会メンバーとは気が合うから定期的にやってほしいね。

 そして某平日の夜、小学校でオヤジの会の定例会議。夏にやった「巨大流しそうめん」の反省会です。参加した親御さんたちには好評だったのですが、子どもたちは食べたら飽きてしまい、校庭の遊具で遊んだり走り回ってるだけなので、今後は流しそうめん+子どもたちが飽きない仕掛けを考えるということになった。流しそうめんと花火大会の間が開きすぎて、子どもたちが時間を持て余してヒマしてたという意見もあった。なかなか参考になる。

 会議の後は飲み会だったので、オレも1年ぶりに参加してみる。今回は1年生のパパたちも何人かいるので、あらためて自己紹介やりましょう! と提案。「では1人づつ、出身地、年齢、職業をお願いします!」ということで、言い出しっぺのオレから。ざっくりと自己紹介すると、何人かのパパたちから「コラム読んでる」と! ついにオヤジの会メンバーにもバレてしまったのか……。ますます書けることが限られてくるな。1年生パパの1人が元映画業界の人で、オレと共通の知人友人もいるということもあり、かなり盛り上がった。自己紹介で職業聞いてよかった! 職業聞かないと同業者かどうかもわからないからね。それにPTA会長の、ここでは書けない衝撃話に驚愕したよ。

 この翌日は、地元・目黒の中学時代の友人たちと同窓会。同窓会と言っても数年に1回くらい会ってるいつものメンバーなのだが、今回はハワイ在住で10年ほど前に『Life天国で君に逢えたら』という東宝配給の邦画のモデルになった元クラスメイト・Fが一時帰国したので、急遽10名くらい集まったというわけ。彼女が映画の主人公のモデルになったというのは風の便りで聞いていたが、ぶっちゃけ、どんな子だったか顔が思い出せなかった。今回、中学卒業以来、35年ぶりに会ってみてなんとなく思い出した、かも……。いや! 話してみても全然思い出せない! ハワイにずっと住み続けているので、普通の50歳よりめちゃめちゃ若く見えた。4人の子持ちとは思えないほどだったね。

 で、この席に中学2年の時に付き合った子も来ていて、「あんたに『こっち来るな!』ってツバを吐きかけられた! 今でも覚えてるから!」と言われた。え? オレまったく記憶ないんですが……。ホントだったらトンデモない男だな! ごめんとしか言えないよな……。ほかにも25年ほど仕事で付き合いのあるデザイナーが、オレの中学時代の友人と同じ高校で、今でも友達同士ということが発覚したりと、なかなか世間は狭いです。

 翌週の土曜日には、オレの小学校の同窓会もあった。37年ぶりに、当時毎日一緒に遊んでた友人と再会。小学5年の時に友人10名くらいで中目黒から高尾山まで自転車で行った話はすごかったね。オレはうろ覚えなんだけど、帰りがホントキツくて、泣きながら自転車こいでた記憶はある! ちなみに保護者いないからね。子どもだけで朝5時から出て、夜10時くらいに帰ったらしい。今だったら事件になりかねないね。あと小学1年の時、なぜか長島茂雄が小学校で講演をやったという話。これもなんとなく覚えてるんだけど、ハッキリしない! が、たまたま隣にいた女性が「その当時の写真持ってるよ!」ということで、後日みんなのLINEに送ってくれることに。小学校の友人とは同窓会以外で付き合う人はいないけど、何人かFacebookでつながったので、近況はそれで知れるし、これで十分だよな! また10年後に同窓会をやるみたいなので、その時にまた再会しよう!

 学童パパママの飲み会は50人以上!

 さらに翌日は区内の学童保育クラブ対抗の運動会があり、その夜に学童パパママと子どもたちで打ち上げ飲み会があった。ココの2年生の運動会実行委員のママから、飲み会の案内と参加人数の確認メールが届いたので、オレはすぐに「参加します!」と返信したものの、ほかは1名から不参加の返信があっただけで返答なし……。1週間後、また実行委員から人数の最終確認メールが届いても、誰からも返信がない。なので、オレは実行委員ママに「返信ない人は不参加でいいと思う」とメールしたよ。飲み会に来られないなら「行かない」と一言メールを出してほしいもんだな。まあ、行けないと言いにくいのかもしれないけど、そのままスルーはやめましょう! 

 結局、打ち上げは1~3年までのパパママ&子どもたちの50名以上が参加して、かなり盛り上がった! 某司法関係の仕事をしてるパパがいたから、事件モノや犯罪にめちゃ興味のあるオレは質問しまくり。相当面白い話が聞けたよ。この後、オレを入れたパパだけ6名で2次会。話題は夫婦喧嘩について。ここでは書けない内容だが、皆さんなかなか激しいですな……。他人の夫婦事情は面白すぎる! こういう話は飲みの席でしか聞けないから、皆さんもパパママ飲み会やった方が楽しいですよ!

堕ちていく工藤Jr.、悪魔のように微笑むミッチー! 視聴率がまさかのV字回復『明日の約束』第8話

「結婚がなくなるかもしれない。その理由ができたことに、少しだけホッとしている自分がいる。多分、まだ私は母親になる覚悟ができていない」

 ちまたではクリスマスの定番ソング「恋人がサンタクロース」が流れる季節となりましたが、スクールカウンセラーである日向先生(井上真央)はそんなウキウキ気分にはなれません。なにせ、恋人がDV人間だったのですから。社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第8話。大事な食事会を欠席してしまった日向先生に対して、思わず暴力を振るった年下の恋人・本庄(工藤阿須加)。ずっとかわいがっていたペットのチワワが喉笛に噛み付いてきたような衝撃です。噛み付いたチワワも、いや本庄も自分がやってしまったことに驚いて目を白黒させています。

 本庄に殴り飛ばされた日向先生ですが、肉体的な痛み以上に自分の胸に去来する複雑な想いに苦しみます。母・尚子(手塚理美)の「あーゆータイプは自分の思いどおりにならないと豹変する」という毒予想が当たっていた歯痒さに加え、自分はやっぱり幸せにはなれないんだという諦めの心境が芽生えてきます。それが冒頭の日向先生の心の声です。哀しいことに、日向先生は自分にそう言い聞かせることで心が落ち着くのでした。

 本庄のマンションを出たものの、怒り心頭の母・尚子が待つ自宅には帰れない日向先生。自殺した圭吾や姿を消した香澄(佐久間由衣)と同じように、日向先生もどこにも居場所がありません。夜の街で所在なさげにしていると、ばったり霧島先生(及川光博)に遭遇します。圭吾を自殺に追い込んだ毒親・真紀子(仲間由紀恵)の悪口をさんざんネット上で拡散させ、すっきりした表情の霧島先生。今の日向先生には霧島先生しか相手になってくれる人がいません。霧島先生が仮面教師であることを知っている視聴者にとっては、何ともやりきれないシーンです。

「ホテルでひと休みしませんか」というエロい展開になるのかなとつい期待したのですが、2人が向かった先は高校の相談室でした。日向先生にとっては職場がいちばん落ち着く場所のようです。そんなとき、日向先生のスマホに香澄からの着信が。「校門の前まで来ている」とのこと。香澄を迎えにいく日向先生と付き添う霧島先生。だが、これは香澄の仕組んだトラップでした。留守になった相談室に香澄は忍び込み、霧島先生のカバンに入っていたノートパソコンを盗み出します。体育の授業中に生徒たちの所持品を隈無くチェックしていた霧島先生の裏を突く、超頭脳プレーでした。霧島先生にしては珍しい失態。落ち込んでいた日向先生を前にして、霧島先生の心にも油断が生じていたのでしょうか。ノートパソコンを盗まれたことに気づいた霧島先生の「チッ!」という舌打ちが夜の校舎に響き渡ります。

 

■ただ自分のことを見てほしかった

 

 長い夜が明け、ようやく自宅に帰る日向先生。尚子はリビングで起きていましたが、日向が「ただいま。昨日はごめんなさい」と声を掛けてもダンマリを決め込んでいます。部屋に入った日向先生がスマホを開くと、本庄と日向先生が笑顔で収まっている2ショット画像。ひと晩明けた今では、とても遠い過去のように思えます。10月のドラマスタートから日向先生にはいろいろありました。毒親たちとの闘い、視聴率上の苦戦……。日向先生を演じる井上真央もここ数年はあまりに多くのことが起きました。ベッドに横になったまま、もう起き上がらないんじゃないかと心配になるほど深い眠りに落ちていきます。

 その日の夕方。ようやく日向先生が目を覚ますと、ちょうど本庄が日向の家を訪ねてきたところでした。何も知らない尚子に対し、「僕は取り返しのつかないことを。日向に暴力を振るってしまったんです」と土下座する本庄。そんな本庄に、かつてないほどの鬼顔を尚子は見せるのでした。

「あんた、うちの娘に何したのよーッ!!」

 大魔神化した尚子を初めて目の当たりにして後ずさりする本庄を、何とか自分の部屋へと連れ込む日向。しょんぼりした子犬のようになった本庄は自分が育った家庭の事情を語り始めます。本庄の父親は医者だったため、本庄の兄は医大に進むよう幼い頃からプレッシャーを与えられ、中学の頃から荒れるようになったのでした。凄まじい家庭内暴力で、本庄も両親もボロボロでした。それでも両親は「やればできる子だ。今は反抗期なだけ」と愛情を注ぎ続けるのでした。

「あいつが事故で死んだとき、正直胸がすぅーとした。これで家族が平和になった、やっと親も僕を見てくれるって」

 死んだ兄に代わって受験した医大は不合格。そんな本庄を両親は責めずに「気にしないで、好きにすればいい」と優しい言葉を掛けたのでした。でも、両親のそんな優しさが、本庄にとっては有害だったのです。自分も兄のように期待されたかったと。親に愛されたい、その一心で本庄は異様なまでに親思いで、爽やかな明るい息子を演じ続けてきたのでした。

 母親のことをけなす日向に対し、なぜ本庄が激怒したのかその心理背景を知ることはできました。でも、暴力を振るった本庄のことを許せるかどうかは別問題です。数日後、尚子はここぞとばかりに日向にお見合いを勧めます。このままでは結婚相手も、結婚後の生活もすべて尚子に仕切られてしまいそうです。「私はお母さんの所有物じゃない」と突っぱねた日向は自分の部屋に戻り、机の引き出しの奥から古いノートの束を引っぱり出します。小学生の頃に尚子から強制的に書かされていた、あの忌々しい反省帳「明日の約束」です。幼かった頃のいちばん辛かった記憶を辿りながら、心の平穏を見出す日向先生でした。

 

■中学生・英美里の母親殺しという試み

 

 さて、気になるのは仲間由紀恵演じる最凶毒親・真紀子の動向です。これまでマスコミや弁護士を操って日向先生のいる高校を徹底的に攻撃してきた真紀子ですが、これから裁判という段階になって旗色が悪くなってきました。ネットの掲示板には霧島先生が先頭に立って「息子が自殺したのは母親のせい」と書き込まれ、弁護士はこの件から手を引いてしまいます。弁護士が高校に来て告訴を取り止めると告げたことで、校長先生(羽場裕一)は大喜び。この人だけは幸せそうでした。亡くなった圭吾のケータイに「僕は、お母さんのせいで死にました」と嫌がらせのメッセージが届いたことにもショックを受けた真紀子ですが、さらなる追い打ちが彼女を襲い掛かります。

 中学生になる娘の英美里(竹内愛紗)が真紀子のパソコン上のデータをコピーして、週刊誌記者の小嶋(青柳翔)に渡してしまったのです。このため、真紀子が圭吾の部屋を盗聴&録音していたこと、バスケ部の先輩・長谷部(金子大地)を脅していたのも真紀子の差し金だったことが週刊誌の記事になってしまいました。

 母親として誰よりも息子・圭吾のことを愛していただけなのに、何がいけなかったのか真紀子には分かりません。圭吾の声が残されていた音声データも英美里に消去され、呆然と立ち尽くす真紀子。そんな母親に対し、英美里は「お母さんはお兄ちゃんの声も聞いてなかった。お母さんが聞いていたのは、お兄ちゃんに話し掛けている自分の声だけだよ」ととどめの台詞を浴びせるのでした。中学生にして英美里は、精神的な意味での母親殺しを完遂してみせたのです。そこまでしないと毒親の猛毒に対抗できなかったのです。

 家を飛び出した英美里を追い掛けてきたのは、真紀子でも父親でもなく、彼女のことを心配して駆け付けてきた日向先生とバスケ部マネジャーの増田(山口まゆ)でした。「英美里ちゃん!」と2人が呼び止めると、振り返った英美里はとてもあどけない顔を見せます。「自由になるには、死ぬしかなかった」と決死の覚悟で母・真紀子と闘い、家を出てきた英美里を、日向先生は思いっきりハグします。「母親になる覚悟がない」と自分を責めていた日向先生ですが、英美里や増田にとって彼女は掛け替えのない存在です。他人の不幸を共有することに、日向先生は生き甲斐を感じるのでした。

 そして第8話のラスト。誰もいない夜の高校で、日向先生は再び霧島先生と2人っきりの時間を過ごします。この夜は日向先生から霧島先生へサプライズプレゼントが用意されていました。香澄が盗み出した霧島先生のノートパソコンです。かつて香澄をイジメていた望月(立野沙紀)経由で日向先生のところに回ってきたものでした。当然、日向先生もノートパソコンの中を覗き、霧島先生の腹黒さを知ったわけです。

「吉岡圭吾くんがクラスで孤立した原因をつくっていたのは霧島先生だったんですね!?」

 日向先生の問い掛けに、霧島先生はサイコーの表情で応えます。「えぇ、おっしゃるとおりです」と悪魔のように微笑むミッチー。みんなが待っていたトリックスター・ミッチーのお出ましです!

 第7話では4.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)まで落ち込んでいた視聴率ですが、第8話は工藤阿須加の土下座効果とミッチーの悪魔の微笑みによって、6.6%とV字回復を遂げたのでした(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。最終回まで残すところ、あとわずか。最後に笑っているのは果たして誰でしょうか?

(文=長野辰次)

日テレの過剰な“足し笑い”に悪評殺到! 『女芸人No.1決定戦』で『エンタの神様』の地獄再び

 11日に3時間にわたり生放送された女性限定のお笑いコンテスト『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)の番組演出に批判が殺到している。

“この世で一番オモシロイ女性”を決める同大会の総エントリー数は、636組。決勝には、アジアン、ニッチェ、ゆりやんレトリィバァをはじめ、アマチュアを含む10組が進出。4分間のネタの審査は、女優の柴田理恵、新川優愛、ヒロミなどのタレント審査員6名と、別室に集められた一般審査員395名が務めた。

 初代女王は、ファイナルラウンドでドラえもんに扮したコントを披露したゆりやんに決定。優勝賞金1,000万円と、副賞の「日本テレビ系レギュラー番組合計視聴率100%分出演権」を受け取り、「ほんとに嬉しいです」と泣き顔を見せた。

 開催前から「お笑いを性別で分ける意味がわからない」という声が上がっていたほか、エントリー数の少なさから“レベルの低さ”が懸念されていた同大会。しかし、放送を見る限り、スタジオの観客は絶えず大笑い。特にネタ中は、出場者が何かひと言しゃべるだけでも笑いが起きている状況だった。

「スタジオに客を詰め込んでいたにもかかわらず、放送では『あっはっはっは!』『え~!』といった録音音声を過剰に追加。これは、日テレが『エンタの神様』などでも多用してきた手法ですが、裏を返せば大会自ら『芸人のネタはつまらない』と言っているようなもの。ボケてもないのに笑いの起こる不自然さに、視聴者も興ざめしてしまったようです」(芸能記者)

 ネット上でも、この“足し笑い”に対し「邪魔で仕方なかった」「生放送のコンテストでありえない」「演出がクソすぎる」「芸人に失礼」といった声が相次いでいる。

「同放送は、平均視聴率13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。これは、10月に放送された『キングオブコント2017』(テレビ朝日系)の9.7%を上回っており、大会としては好スタートと言えそう。しかし、芸人界隈では日テレのネタへの軽視ぶりにどっちらけムードが漂っている。芸歴不問ながら端からエントリーしていない実力派女芸人も多く、名誉としては、どのお笑いコンテストよりも希薄と言わざるを得ない」(同)

 芸人やコアなお笑いファンから悪評が飛び交う『THE W』。実に、視聴率至上主義の日テレらしい大会だったと言えそうだ。

日テレの過剰な“足し笑い”に悪評殺到! 『女芸人No.1決定戦』で『エンタの神様』の地獄再び

 11日に3時間にわたり生放送された女性限定のお笑いコンテスト『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)の番組演出に批判が殺到している。

“この世で一番オモシロイ女性”を決める同大会の総エントリー数は、636組。決勝には、アジアン、ニッチェ、ゆりやんレトリィバァをはじめ、アマチュアを含む10組が進出。4分間のネタの審査は、女優の柴田理恵、新川優愛、ヒロミなどのタレント審査員6名と、別室に集められた一般審査員395名が務めた。

 初代女王は、ファイナルラウンドでドラえもんに扮したコントを披露したゆりやんに決定。優勝賞金1,000万円と、副賞の「日本テレビ系レギュラー番組合計視聴率100%分出演権」を受け取り、「ほんとに嬉しいです」と泣き顔を見せた。

 開催前から「お笑いを性別で分ける意味がわからない」という声が上がっていたほか、エントリー数の少なさから“レベルの低さ”が懸念されていた同大会。しかし、放送を見る限り、スタジオの観客は絶えず大笑い。特にネタ中は、出場者が何かひと言しゃべるだけでも笑いが起きている状況だった。

「スタジオに客を詰め込んでいたにもかかわらず、放送では『あっはっはっは!』『え~!』といった録音音声を過剰に追加。これは、日テレが『エンタの神様』などでも多用してきた手法ですが、裏を返せば大会自ら『芸人のネタはつまらない』と言っているようなもの。ボケてもないのに笑いの起こる不自然さに、視聴者も興ざめしてしまったようです」(芸能記者)

 ネット上でも、この“足し笑い”に対し「邪魔で仕方なかった」「生放送のコンテストでありえない」「演出がクソすぎる」「芸人に失礼」といった声が相次いでいる。

「同放送は、平均視聴率13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。これは、10月に放送された『キングオブコント2017』(テレビ朝日系)の9.7%を上回っており、大会としては好スタートと言えそう。しかし、芸人界隈では日テレのネタへの軽視ぶりにどっちらけムードが漂っている。芸歴不問ながら端からエントリーしていない実力派女芸人も多く、名誉としては、どのお笑いコンテストよりも希薄と言わざるを得ない」(同)

 芸人やコアなお笑いファンから悪評が飛び交う『THE W』。実に、視聴率至上主義の日テレらしい大会だったと言えそうだ。

ゆりやん優勝も「放送事故」「笑い声偽装疑惑」! 『女芸人 THE W』13.1%も批判続出

 12月11日、『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)が放送され、ピン芸人のゆりやんレトリィバァが初代女王に輝いた。平均13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率を獲得するなど注目の高さがうかがえたのだが、視聴者からは「正直、期待はずれの番組だった」「こんなひどいお笑い大会見たことない」といった声が噴出している。

『THE W』は、“この世で一番オモシロイ女性”を決めるコンテスト。プロ・アマ、所属事務所の有無は不問で、漫才やコントだけでなく、一人芝居、モノマネ、パフォーマンス、手品など、“面白ければ何でもアリ”な史上初の女性芸人の祭典として開催された。

「同大会には、ゆりやんレトリィバァやニッチェ、“日本一美人な女芸人”として話題の紺野ぶるまなど話題の芸人が集結。特にアジアンが2年8カ月ぶりにテレビ出演を果たすということで注目を集めました。結果は、ファイナルラウンドでドラえもんネタを披露したゆりやんレトリィバァが636組の頂点に輝き、優勝賞金1000万円を手にしています」(芸能ライター)

 初開催にもかかわらず、3日に放送された『M-1グランプリ2017』(テレビ朝日系)の視聴率15.4%に肉薄した『THE W』。しかし、「1000万円の価値がある賞に思えないんだけど」「笑い声がすごく耳障り」「2位から5位の得点を足してもゆりやんに届かない放送事故」といった批判が巻き起こっている。

「ツッコミが多かったのが観客の笑い声。視聴者は『笑い声足してる? 笑いどころじゃないのに、謎の爆笑が起こるシーンがちょこちょこある』『笑い声でネタの邪魔をしてどうするんだ』『笑いと拍手のSEエゲツないな。生放送でやることじゃないだろ』とネットで声を荒げています。また、採点方法にも疑問の声が。5組が勝ち上がったファイナルラウンドは、柴田理恵、新川優愛、生瀬勝久、ヒロミ、吉田沙保里、若槻千夏の6人と一般審査員395人の計401人による5択形式の審査が行われたのですが、一番最後にネタを披露したゆりやんが201票を獲得。ブッチギリの優勝を飾ったものの、『最初にやる組は印象が薄れるし、不利すぎるだろ』『後にネタやった芸人の方がどうしても有利になるクソルール』『やっぱり素人に選ばせると、面白さというよりは結果的に知名度で票を入れられちゃうでしょ』とツッコミの声が上がっています」(同)

 テレビ朝日の『M-1』、TBSの『キングオブコント』、フジテレビの『R-1』などのお笑い賞レースに殴り込みをかけた日本テレビの『THE W』。さまざまな問題点が見えたようだが、来年開催される際は改善されているのだろうか。

『ドクターX』は駄作? 大門未知子が大嫌い? 否定派100人に「どこがつまらないか」を大調査

 2012年から5回にわたりシリーズ化されてきたドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)。フリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)が、「私、失敗しないので」という名ゼリフのもと、数々の重症患者の命を救い、医療界にはびこる金と欲、そして権力争いにも鋭くメスを入れるという痛快ストーリーだ。第1期から、平均視聴率19.1 %(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を獲得し、第2期からはほぼ毎話20%を優に超える視聴率を叩き出す、大人気シリーズに。そして今年の10月、満を持してのスタートとなった第5期も20%超を連発している状況だ。

 まさに“国民的ドラマ”といっても過言ではない『ドクターX』だが、一方で「どこが面白いのかわからない」「どんどん面白くなくなっている」と語る者も存在している。そこで今回は、『ドクターX』に否定派の人々100人を対象に、どういった点がつまらないのかを調査し、その結果をまとめた。(■調査地域:全国■調査対象:年齢不問・男女■調査期間:2017年11月07日~2017年11月21日■有効回答数:100サンプル)

■どんなに波乱な展開でも結果が同じじゃつまらない
 シリーズものには避けて通れないマンネリ感。やはり同作でも多くの人がワンパターン化に飽きを感じ始めていた模様。展開が読めてしまうのは、やはり面白みに欠けるのかもしれない。

・反ヒロイン派の医師など登場人物の役割の構図がいつも同じで、話の流れがワンパターン化して結末が読める(40代女性/正社員)
・ストーリーの展開が毎シリーズワンパターンでマンネリ化した。大門先生が本当に失敗するなど、新しい展開があると良いかも(30代女性/無職)
・毎回ワンパターンな展開がいい加減飽きてしまいます。院内のドロドロもつまらないと思います。もう少し人間ドラマが見たいです(40代女性/専業主婦)
・お決まりのパターンになっているから。プロットが面白ければ見るかもしれないが、手術をテキパキやって失敗しないという単純な設定に興味を覚えない(40代男性/専業主夫)
・そもそも医療系のドラマは、やりつくされているので新鮮味がない。パターンが似ている(20代男性/学生)
・いつもいつもワンパターンなので、いいかげん飽きてきました。「私、失敗しないので」のセリフも聞き飽きました(50代男性/正社員)
・毎回お決まりのパターンで飽きてしまいました。医療の描写においても、現実味がないのでつまらないです(40代男性/個人事業主)
・毎回決まったストーリー展開であること。一方では、それが醍醐味と感じる人もいるのでしょうが(20代女性/学生)
・性格の悪い外科医がなんか毎回同じ感じ。同じ病院だからしょうがないけど(20代女性/無職)
・医療ドラマのはずなのにズレたところで話を展開しているし、ネタも使い回しで既視感があってマンネリ(20代女性/学生)
・今まではとても面白いと思っていました。が、続編はやらないと言いつつやるなど、有り難みがなくなった。そして、単純にもう飽きた(20代女性/パート・アルバイト)
・シリーズを通じて見ていますが、失敗しないことが前提で手術をやっているのでリアリティがない。『水戸黄門』みたいに似たストーリーの繰り返しになっている(40代男性/個人事業主)

 “どんな手術も失敗しない凄腕で、権力にも屈せずポリシーを貫く一匹狼の美人外科医、大門未知子”というあまりに現実離れした完璧なキャラクターに、共感を得られないとする声も。

・主人公に謙虚さを感じない点です。医師も患者も同じ人間であり、命を扱っているのですから、あまり見ていて良い気持ちはしません。自信満々の医師ほど胡散臭く感じてしまいます(30代女性/個人事業主)
・あんなに美しい女性が、あれほどの神がかり的な手術を失敗なくこなせるなんてリアリティが全然ないので、しらけた目で見てしまう(50代男性/正社員)
・過去話を全て見たわけではないが、失敗したことがないというのは人間味がなさすぎる。ブラックジャックでさえ、何回か失敗しているのだから(40代男性/個人事業主)
・主人公がミニスカで「私、失敗しないので」と言うところがすでに現実離れしています(40代女性/パート・アルバイト)
・周りの医者が役立たずで、大門未知子のみがうますぎる点(30代女性/無職)
・大門未知子というキャラが見ていてツラくなってきた&飽きてきた。1シリーズで十分だったなぁ。天才の腕を持って、偉そうすぎて孤高、弱い人間の私としては現実味がなくて共感できない。『相棒』の方が、人当りが柔らかいキャラだから長く見ていられた(30代女性/正社員)
・大門未知子の、おばさんなのにとんがって偉そうなキャラクターがあまり好きになれない(20代女性/学生)
・あまりにも非現実的すぎる。大門未知子の自分勝手で協調性のないところがいいと言う人は多いが、自分は大嫌いだ。見ていてイライラする。腕が良ければ何でもありなのか? と思う(30代女性/無職)
・現実的ではない。1人の人間が活躍するのはアメリカ映画だけで十分(40代男性/正社員)
・「私、失敗しないので」というセリフを多用しているのが、なんか不快。主役だけでなく、ほかの役をフィーチャーした話をたくさん増やしても面白いかもしれません(30代女性/専業主婦)
・とにかく、大門未知子が偉そうでしかなくて鼻につく。手術が必ず成功することはわかっているから、つまらないと思った。岸部一徳との関係もよくわからないし、メロンも意味がわからない(30代女性/パート・アルバイト)

■米倉涼子は医師に向かない!? 
 大門未知子のイメージがすっかり定着した米倉涼子。ただ、医師という役柄と米倉のキャラクターに温度差を感じている人も。

・オペのシーンの米倉涼子さんの目を見開いた顔が怖いです。あと、あまり彼女に知性を感じないので、医者役ってどうなのかなと思っています(40代女性/専業主婦)
・米倉涼子にそもそも興味がない。医療系ドラマで女が主人公になっているのがつまらない。どうせならイケメンが見たい(40代女性/専業主婦)
・結局、米倉涼子のキャラが前面に出てしまい、毎回ストーリーは違っているのに同じように感じて面白くない(40代女性/専業主婦)
・米倉涼子さんの演技が好きになれないので、彼女のドラマは基本的に見ません(30代女性/パート・アルバイト)
・米倉涼子さんにあまり惹かれないのと、病院のゴタゴタをわざわざテレビで見る気がしないです(50代女性/パート・アルバイト)

 主人公を取り巻く個性豊かな面々は、ストーリーに深みを持たせる一方、視聴者に煩わしさを感じさせてしまうことも。医療と人間関係、どちらが主軸なのかわからなくなるほどのドロドロゴタゴタに、辟易している視聴者も少なくないようだ。

・パターン化が一番のつまらないところ。意地悪な先生や、肩書や出世しか考えていない医者はもうわかったから(40代女性/専業主婦)
・病院の中で人間関係がごちゃごちゃしているのが、なんとなく苦手(20代女性/無職)
・大門先生のオペとか、診断のすばらしさを見たいのであって、よけいなヤツらの権力闘争とかどうでもいい(50代男性/専業主夫)
・病院のシーンがほとんどで、生活者としての医師の姿がほとんど描かれていないので、親しみが感じられない。クセのある登場人物が多すぎて覚えきれない(30代女性/パート・アルバイト)

■ドラマといえども現実味はある程度必要
 あり得ないのは大門未知子だけじゃない? ストーリー自体にリアリティを感じられないと、ドラマの世界にイマイチ入り込めず、楽しさも半減してしまうのかもしれない。

・本格的な医者のドラマが好きなので、王道から逸れている感じが嫌(30代女性/専業主婦)
・あまりにも簡単に手術しすぎ。どんなに難しい手術でも緊張感が感じられない(40代男性/正社員)
・医学技術が発達してるので、優秀な外科医等の話題は意外性がなく面白味がない(70代男性/無職)
・看護師をしていたので医療系のドラマは現実と比べてしまいます。あり得ないって思うことが多々ある(30代女性/専業主婦)

■ストーリーが真面目すぎる
 医療系ドラマに、求める要素も千差万別。一部視聴者が「見たい」ものとは、ちょっとズレていた可能性も?

・もう少しだけ笑いがあっても良いと思うが、真面目すぎる(20代女性/パート・アルバイト)
・健康に役立つ情報が知りたくて見るのですが、特殊な病気を取り上げるケースが多く参考にならない(40代男性/正社員)

おぎやはぎ・矢作も「今年一番笑った!」“演歌歌手×Jポップ”TBS『演歌の乱』の細川たかし無双

 9日にTBS系列で放送された『演歌の乱~細川たかしがサザンを!藤あや子が宇多田ヒカルを本気で歌うぞSP~』。土曜の昼下がりのヌルい時間帯、何気なく眺めていた番組だが、その意外な盛り上がりに驚いた。特に細川たかし。

 内容は、タイトルそのまま。今やテレビで歌える場所が減ってしまった実力派演歌歌手が、昔ならおそらく断っていたであろう、慣れないJポップを歌う。持ち歌を歌わせてもらえないのは不本意かもしれないが、しかし食わず嫌いな視聴者にその歌唱力を知ってもらい、興味を持ってもらうにはいいきっかけだろう。

 正直よくあると言えばよくある企画なのかもしれないが、歌手が一堂に会する番組もほぼなくなり、演歌とJポップの距離が離れた現在だからこそ、『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)などの時代よりも、こういう企画が意味を持つのかもしれない。

 司会はTBSアナウンサーの駒田健吾と日比麻音子。申し訳ないが、とにかく予算がないことがわかる人選だ。一部の歌手とゲスト以外に特にお金がかかっている様子はなく、申し訳程度のセットやスタジオの色調から、どこか通販番組を思わせるほど。

 しかし出演者は、演歌界で勢いある若手から大御所まで、ツボを押さえたラインナップ。

 

■「前前前世」や「First Love」を歌ったのは……

 

 トップを飾るのはデビュー30周年だという藤あや子。紅白出場21回のベテランだ。

 選曲は、街角でリクエストの多かった上位50曲の中から、歌手自らがクジ引きで決定。藤が引いたのは宇多田ヒカルの「First Love」だった。

 このクジ引きがガチであるのかはどうでもいいし、ガチでなくてもなんの問題もないのだが、実にちょうどいい選曲。

 クジを引いて、その曲に挑む意気込みや不安などを語り、さらに練習風景や苦労する様子が添えられ「さて本番はどうなるのか──?」的な煽りを受け、スタジオでいざ本番! というのが基本の流れ。

 かつて同じTBSで放送されていた芸人シャッフルネタ番組『笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ』などで見られる「そこまでの経緯をVTRで→スタジオで披露」という王道の構成。

 しかし、当然なのかもしれないが、みなさんさすがに上手い。声が通る、迫力がある、艶がある。藤あや子は、練習すると新鮮味がなくなるとの理由から、練習シーンなどなかったが、それでも難しい宇多田の曲を見事に歌い上げる。

 ゲストも、とにかく「上手い」と酔いしれる。高橋真麻が正しく聞き惚れ、鈴木奈々がバカみたいに感激し、大友康平がテクニカルな部分を語る。IKKOは寂しいセットを補うかのように派手な外観で居座り、おぎやはぎが面白くする。

 前半、印象的だったのはRAD WINPSの「前前前世」を歌った徳永ゆうきだった。

 

■なぜか「指パッチン」がうまい

 

「テンポが速い」と不安がり、テンポ比較のため、自身のゆったりした持ち曲を指を鳴らしながら口ずさむのだが、テンポや歌とかよりも、その指パッチンの音色が見事で驚かされる。

 さらに「前前前世」を「両手(指パッチン)つかわないと出来ないテンポ」と言い、実際両手で指を鳴らしながら歌ってみせるのだが、もうそのパッチン音が凄すぎて歌が入ってこない。

 これだけでも十分、徳永に興味を惹かれるのだが、本番、伸びのある澄んだ声で歌いあげる「前前前世」が指にも増して見事。袴姿で軽やかに歌ってのけるのも、また憎い。

 ゲストの鈴木奈々も「めちゃめちゃ大好きになりました!」「大ファンになっちゃいました」×2回と、素で感激。興奮しすぎて「顔は面白いけどー」と、なかなかに失礼なことを付け足してしまい、バラエティに慣れていない徳永がたじろぐなど、それも含めて前半一の盛り上がり。

 伴奏があるので本番では残念ながら指を鳴らすことはなかったが、間奏で狂ったように指を鳴らす「ポール徳永」も見たかった。

 この後も実力者たちが見事にJポップを歌ってみせるのだが、全員に共通するのはとにかくコブシを効かすことを抑え、Jポップとして歌い上げていること。

 特に船村徹の弟子でもある走裕介は「コブシを隙間なく入れたくなっちゃう」と、良さでもある「職業病」に悩みつつ、なんとか苦労してコブシを封印、少ししゃがれた声で秦基博の「ひまわりの約束」を、これまた雰囲気たっぷりに歌い上げた。

 ゲストの矢作も「お笑い的なアドバイスをするなら、あそこまでVTRで(コブシ封印を)振ってた場合は、思いっきりコブシを入れて歌わないと」と、ふざけて盛り上げる。

 そしていよいよ大トリで登場したのはご存知、御大・細川たかし。

 

■「たかしのエリー」

 

 曲はサザンの「いとしのエリー」に決定。他の歌手と違って不安を語るとか特訓することとかもなく、いつも通りの感じでスタジオに登場し歌い出した。

 しかし、これがもう見事なまでの「細川たかし」。

 コブシを効かせまくり、なんの遠慮もない、まんま「THE・たかし」「THE・演歌」「いとしのエリーだよ、人生は」。

 後輩たちがあれほどにコブシを抑えたり、演歌とは違う歌い方に注力してたのに、たかしはどう思ってスタンバイしていたのか。気持ちのいいほどの「たかし」っぷり。まさか、走裕介のコブシの「振り」がここで回収されるとは。

「エリぃいぃ、マイラぁあぁブぅ、そおぉおぉ吸いぃいぃい(so sweet)」

「素敵に いよおぉおぉさあぁあぁい(In your sight)」

 ゲスト席は、普通に爆笑している。「笑ってもっとベイべー」状態。いや、たかし的には「べいびぃいぃ」か。

 メガネを外し、涙をぬぐう矢作。もちろん面白いから。たまに浪曲だから。「たかしのエリー」だから。

 暴力的なコブシを効かせるたかし越しに映される、爆笑のゲスト席。もう「マジ歌選手権」だ。

 現に、歌終わりに、矢作は開口一番「本当に今年一番笑いました」と素直にぶちまけ、他のゲストも全員遠慮なく共感の爆笑、それを聞いてるたかしも爆笑と、もはや企画意図を突き抜け、謎の幸せな時間となった。

 しかも驚いたのは、あまりにいつもの歌い方すぎて、逆に栗田貫一のモノマネに聞こえてくることだ。

「もしも細川たかしが、サザンオールスターズだったら」だ。

 声は細川、画面に映って歌っているのも細川、髪型ももちろん細川なのに、なぜかクリカンの“もしもシリーズ”に聞こえてしまう不思議。いっそのこと、細川へのお題は「いとしのエリー」とかJポップとかではなく「救急車」とか「サイレン」とかにして欲しいほど。

 ふざけた書き方をさせてもらったが、これほど面白いのに、それでいて最後には見事なファルセットを聞かせたり、「歌唱法」とか「発音」とかを超え、滲み出るソウルのようなものを感じさせてくれる圧巻のステージで、番組収録とは思えない本気の盛り上がりを見せていた。

 なぜそんなにオリジナリティがあるのかと聞かれた細川は、

「桑田(佳祐)くんが作ったけど、サザンに合わせる必要性は何もない! 俺が歌うんだから『俺のエリー』を聞け! ということ」

「それで文句があったらオンエアするな!」

 さほど多くない観覧の客席から、本気の拍手が湧き起こる。まさに「たかしのエリー」。

 しかし、直後に商品も賞金も出ないこと聞くなり「予算のない番組だね~(笑)」と自分は「文句」を吐いて落とすなど、完全にいいところを持っていく形で放送は終了した。

 そもそも細川は、事前のVTR撮影に、わざわざどこかの空港まで来たスタッフに「よっぽど暇なんだね」とか、演歌勢は高齢化だから「すでに企画が遅いよね」とか、ナチュラルな笑顔で吐き捨てたり、あげく「我々にJポップ歌えっていうのは、ちょっと無理だよね」と明るく企画を全否定したりとやりたい放題で、一人だけ違う意図で番組に出ているかのようだった。

 視聴者の反応もよかったようなので、是非続編を作る際には細川にはマストで出ていただき、慣れないJポップと格闘し苦闘する若手を、明るく身もフタもなく笑い飛ばしていただきたい。

■出場歌手と演目

藤あや子「First Love」(宇多田ヒカル)
大江裕「for you…」(高橋真梨子)
徳永ゆうき「前前前世」(RAD WINPS)
城之内早苗「Hero」(安室奈美恵)
丘みどり「DEPARTURES」(globe)
走裕介「ひまわりの約束」(秦基博)
北山たけし「One Love」(嵐)
細川たかし「いとしのエリー」(サザンオールスターズ)

「どこに暮らしているのかもわからない」別れた夫が躁うつ病でも、子どもと会わせたかった

『わが子に会えない』(PHP研究所)で、離婚や別居により子どもと離れ、会えなくなってしまった男性の声を集めた西牟田靖が、その女性側の声――夫と別居して子どもと暮らす女性の声を聞くシリーズ。彼女たちは、なぜ別れを選んだのか? どんな暮らしを送り、どうやって子どもを育てているのか? 別れた夫に、子どもを会わせているのか? それとも会わせていないのか――?

第11回 大杉千秋さん(仮名・41歳)の話 (心を病んでしまった夫・後編)

 卒業パーティーで声をかけられた大学の同級生と、誕生日が1日違いであることがわかって、1年後の誕生日に再会する。その後、友人からの連絡をきっかけに彼に電話すると、うつであることを明かされる。外に連れ出そうと誘ったことから交際が始まり、結婚。夫を支えながら働く日々を送る中で、長男が誕生したが、彼のうつはひどい状態だった。

(前編はこちら)

■夫はうつ病ではなく、躁うつ病だった

――彼は回復していったんですか?

 長男が生まれてしばらくすると突然、元気が出てきたので、治ってきたのかなと思ったら、急にヒュッと躁になったんです。いったん躁状態になると、あらゆることが変わります。顔つき、服装の好みといった見た目のほか、性格や話し方まで一変し、もともとはすごく優しくて穏やかな人なのに、すごく怒りっぽくて自信に満ちあふれているみたいな感じになりました。それから、眠らなくなり、どんどん痩せていったんです。

――うつ病じゃなくて、躁うつ病(双極性障害)だったんですね。

 躁状態のときのほうが、一緒にいるのがつらいんです。何が起こるかわからないし、私も何をされるかわからない。殴ったりしてくることはなかったんですが、すぐキレるんです。「オレは、なんでもできる」という万能感にあふれているので、階段を自転車で上れると錯覚して、上って落ちて大けがをしたりとか。病院で携帯を使って警備員に注意され、逆ギレして怒鳴ったり。「作品の材料だ」と言ってはゴミ捨て場から物を拾ってきて、家中ゴミだらけにしたりしました。

 暴言を吐いたり、何かとひどいことをして、他人を怒らせるんです。なので、友達もどんどん離れていき、私は「病気のせいだから勘弁してほしい」と、頭を下げて回りました。

――大変だったんですね。

 その後、1〜2カ月して、またうつになり、また1〜2カ月して躁になり……というサイクルを繰り返していきました。私は仕事があるので、彼を1人にしなくてはならない。それが心配なので、入院してもらい、たまに会いに行ったりしていました。2〜3カ月たって、また出てきたり……ということを何回か繰り返しましたが、病院に入ってくれるのは、だいたいうつのときだけでしたね。

――もはや、普通に生活することが難しくなったんですね。

 3〜4年ぐらいたったときに、障害年金(病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受給できる年金)というものの存在に気がつき、区役所で「躁うつ病で申請したい」と申し出たところ、受理されました。

――生活費は千秋さん持ちですか?

 基本的には折半にしていましたが、たまに夫のお金がなくなると、1万円とか、お小遣いをあげていました。夫は障害年金を隔月で14万円くらいもらっていたので、完全に無収入になることはなかったです。

――子育ての状況は、どうだったんですか?

 その頃、長男は実家で育ててもらってて、そこから保育園に通わせていたんです。夫が障害者認定をされていたので、保育料も平均的でした。それが、離婚した途端に4万円も上がったんです。母子家庭であることよりも障害年金受給者であることの方が査定に大きく影響したんですね。

――離婚するきっかけとなった出来事はなんですか?

 躁状態が何カ月も続いて、私の精神の限界を迎えたからです。亡くなった彼の父親が生前に残した200万円を、彼の了解を得た上で、私が管理していました。ところが躁状態になったとき、「200万円、盗ったろ。返せ!」って、すごい剣幕で言われたんです。私、怖くなっちゃって。急いでATMで下ろして、全額彼に渡しました。そのお金は、2カ月持たなかったですね。病院で知り合った人にいろいろ物を買ってあげたり、免許も持っていないのに50〜60万円するバイクを買ったり。Tシャツを大量に買って配ったり。その頃の口癖は「オレは救世主だ。みんなを助けられる」でした。

 あと、200万円のうちの数十万を使って、小型犬を買ってきました。その犬は家中にウンチをするのですが、それを彼は全く処理しないんです。たまに帰宅すると、私の布団がウンチまみれ。臭いもひどくて。もう一緒にいられないな……って思うようになりました。

――どうやって離婚に至ったんですか?

 “躁状態になったときに言う言葉”というのを、ネットで見つけたんです。「オレだけは神様の声が聞こえる」「映画を撮る」とかいろいろありましたが、彼は一通り、すべて言いました。その中の1つが「離婚する」だったんです。それを言われたときの配偶者の正しい対処法は、「病状が安定するまでは適当に流しなさい」というもの。だけど、彼から「離婚する」と言われたとき私、次男を出産した1週間後でしたので、あまりにも疲れていて、「うん」って言ってしまいました。後から、お義姉さんに、離婚をとどまるようお願いされたんですけど。

――それでも離婚に踏み切ったんですか?

 その頃、お義姉さんとお義母さんと彼が3人で、温泉旅行に行ったんですよ。その途中だったかな。お姉さんから電話がかかってきたんです。「ごめんなさい。あんなにおかしくなってると思わなかった。よく我慢したね、7年も。もしこれで弟が自殺しても、千秋ちゃんのせいじゃない。もう離婚していいよ」って。それで、次男が生まれてちょうど1カ月で別れました。

――別れるときは、どんな感じでしたか?

 「俺の邪魔をするな。おまえがすべて俺から奪っていった。病気になったのは、おまえのせいだ」って、すごい剣幕で言われました。とても怖かったです。そして彼は、家賃の安いところに引っ越していきました。お金もないだろうし、しばらくは私が食事を届けたりしてましたが、怖くて次第に足が遠のいていったんです。

 見捨てちゃったような感じで、とても悲しくて……。でも、すごく怖くもあるんですよ。別れてから1〜2年の間は、夫同様、背の高い男性が遠くから歩いてきたり、電車内で似た背格好の人がいると、視線を上げられませんでした。

――養育費とか面会のルールは決めたんでしょうか?

 いくらがいいか彼に聞いたところ、子ども2人だからってことで「月2万円」って紙に書いてくれました。「毎月必ずその額ではなくて、たとえ1円でもいいから、毎月、子どもたちの口座に振り込んでほしい。払える額を払ってくれればいいから」と、彼には話したんです。毎月、100円のときもあるけど、1万円のときもあって――という感じで払ってくれていたら、子どもたちが後で通帳を見たときに、「常にお父さんは、僕たちのことを忘れないでいてくれたんだ」と思えるじゃないですか。その話をしたところ、彼は「わかった」って言ってくれましたが、支払ってくれたのは、最初の月だけでした。

――彼に、子どもを会わせていますか?

 別れるとき私、考えたんです。子どもの将来を考えると、定期的に父親と会っておいた方がいいんじゃないか? って。それで彼に、「お願いだから、月1回でも会ってくれないか」って言いました。すると「俺は妻と子どもを捨てるんだ」と言うんです。彼はSNSにも「俺は妻と子を捨てた」と書いていましたし。そのとき私、どう返していいかわからなかった。すごく考えて、「元気でいてね」という言葉しか返せませんでした。それが最後のやりとりです。それ以来、一切連絡を取っていないですね。

 もともとはすごく穏やかで優しい人なので会わせたいのですが、躁状態のときだと、子どもにとってつらいことになってしまうんじゃないかと心配で、会わせられないです。今、彼がどこに暮らしているのかもわかりませんし。今後も、ずっと会うことはなさそうですが、彼には幸せでいてほしいなと思っています。

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 ここまでで、末っ子誕生について紹介していないのには理由がある。大杉さんの話には、まだ続きがあるからだ。それについては、次回に記してみたい。

西牟田 靖(にしむた やすし)
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒。旅行や近代史、蔵書に事件と守備範囲の広いフリーライター。近年は家族問題をテーマに活動中。著書に『僕の見た「大日本帝国」』『誰も国境を知らない』『日本國から来た日本人』『本で床は抜けるのか』など。最新巻は18人の父親に話を聞いた『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(PHP研究所)。数年前に離婚を経験、わが子と離れて暮らす当事者でもある。