
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の52回目! 今回は声優からちょっと外れて番外編! 宍戸留美27周年記念アルバムに入る名曲『地球の危機』のカバーオーディションに合格した、シンガーソングライターの大石理乃さんが来てくれました!
――この度は宍戸留美さんの“地球の危機オーディション”に合格おめでとうございます! レコーディングはどうでしたか?
大石 ありがとうございます。えーっと、緊張しました……。
――でも、大石さんはミュージシャン歴はかなり長いのでは?
大石 いやぁ、ずっと宅録が多かったので、人前で誰かにディレクションしていただきながら歌うのは、すごく久々で……。
――ってことは、普段はご自分で作った曲をご自宅で録音されてるってことですか? それもすごいです。
大石 今時はそういう人も多いんですよ。よく“DAW女”とかって言いますよね。
――“DAW女”?
大石 Degital Audio Workstationの略で、ぜんぶ一人で編曲までいっちゃう女の子のことをそういうんです。
――おお、私には何を言ってるのかさっぱりですが、編曲までやれるってのは、すごいですね! そうして一人でなんでもできる大石さんが、なぜあのオーディションに応募しようと思ったんでしょう?
大石 たまたまTwitterでオーディション情報が流れてきて、すごく面白そうだったので勇気を出して応募しました。宍戸さんのことは昔から知っていたし、ずっとTwitterもフォローしていたので、「これは宍戸さんにお近づきになるチャンス!」と思って(笑)。

――では、せっかくなので、宍戸さん本人から合格の理由を聞きましょう!
宍戸 彼女は私の一押しなんです。やっぱり声が商品になる声というか、お金を払いたくなる声だと思ったし、歌もうまい。あと不思議なご縁で、彼女のお父様が私のアイドル時代の曲を作曲してくれてたの。
――えっ!! それ、大石さんは知ってましたか?
大石 後になって知りました。どうりで小さい頃、家で宍戸さんの曲がかかっていたなぁって。それで宍戸さんの歌が身に染み渡ったと言うか、洗脳されたと言うか(笑)。
――じゃあ、わざわざオーディション受けなくても「私これやりたいから、パパちょっと連絡しといてよ」とかできそうじゃないですか!
大石 いやいや! 父にそんな力はないと思う(笑)!
――ちなみに、お父様は他にどんな曲に関わってるんですか?
大石 私もあんまり知らないんですけど、有名な曲だと、『○○○○○○○』の編曲とか……。
――ぎゃー! めちゃくちゃ有名じゃないですか!!
大石 私も「踊ってみた」とかが流行ったときに知って「あ、そうなんだ!?」って、後から知りました。
――基本は後から知るんですね!
大石 あんまりわかってないんです。子どもの頃は親はパチンコで稼いでると思ってたんですよ。絶えずお仕事があるわけじゃなく、苦労していたみたいです。父が外出する時にいつも「パチンコ行ってくる」って言ってるのを聞いて「そうなんだ……」って(笑)。
――あはは! 大石さんが音楽を始めたのは、やっぱりお父様の影響ですか?
大石 そうですかね。学生時代に部活をやろうと思ったときに、「楽器って面白そうだけどお金かかりそう……あ! ギターならお父さんに借りればいいじゃん!」って。それで楽器を始めたので、影響と言えばそのくらいですかね~。
――うまいこと業界のコネを使えば一気に売れそうなのに、全然その辺の情報は発信されないんですね。
大石 そんなにすごい有名人ってわけでもないのかなって(笑)。「父が宍戸留美さんの曲を作ってた」って言ったのも、『地球の危機』のオーディションのために投稿した動画が初めてでした。歌の終わりのフリートークの部分でこっそり言ったつもりだったけど、全体公開だったから「あ、バレちゃった」みたいな。あは。

――ちなみに、昔の話になるんですが、2012年頃には“魔法少女りのタソ☆彡”名義でやられてましたよね。当時のブログは「魔法の国からホウキ星にまたがって、お引越ししてきました☆彡 魔法少女りのタソ☆彡です☆彡 エンタメ系の、地下哀ドルだよぉ☆彡」っていうノリなんですけど、2017年現在はもうブログも「朝からにんにくステーキ」「鼻くそが増えた」とかになってますよね。超キャラ変わってる!
大石 ああ……。“魔法少女りのタソ☆彡”は、もうめんどくさいので、爆発させて、ミニアルバムのタイトルにして埋葬というか……すぐ飽きちゃって……。
――また濃いキャラを作って飽きましたねぇ。その後、2014年からガールズバンド・LAGOON(ラグーン)のギターになって、2年で脱退されたじゃないですか。あのバンド、ボーカルは女優の瀧本美織だし、事務所もスターダストだし、完全に美味しそうな仕事なのに、どうして脱退しちゃったんですか?
大石 えーと、表向きの理由がなんだったのかも忘れちゃったんですけど、公開するキャラ設定を作られて……プライベートや取材文に関しても、ウソをつかなければならなかったし……それに当時、私はミュージシャンとして仕事がしたかったんですけど、みんなはまだ若くてバンドに夢を持っていて、「みんなでガールズバンド頑張ろうよ!!」みたいな、ちょっとついていけないノリで、冷めた人がいてはダメな雰囲気なんですよ。みんなが若かった(笑)。
――ああ~、温度差にやられたんですね。
大石 でも、結局は私の脱退後にすぐ解散したんですよ。若い子たちには頑張って欲しかったですけどね! なんだったんでしょうね!
――あは! 大人の事情ってやつですね! 脱退後は、シンガーソングライターやバンドの女の子を集めた“tasotokyoガールズ”というグループを創設されましたね。どんなことをしてるグループなんですか?
大石 えーっと、恐喝……ですかね……。
――恐喝!?
大石 基本的には「ガールズバンドがやりたい」っていう子たちの集まりなので、ライブによってメンバーを変えながらガールズバンド編成をして、みんなで楽しくやっています。私もよくお酒を飲んで記憶をなくしながらチェキを売りつけていたっていうのを、後から人づてに聞いたりしますね。
――何それ楽しそう! でも、アイドル的にはチェキを売るのは普通だけど、ガールズバンドもチェキを売るんですね。それだと物販が圧倒的にやりやすくなりそうです。
大石 そこなんですよ! 「チェキは売らない」って言ってるバンドもいるけど、どうやって生活してるんだろう?
――基本的に、CDだってアイドルファンじゃなきゃ何枚も買わないですもんね。
大石 そう、バンドは貧困なのです。だからお金をたくさん恐喝すべく、私たちはステージ上でもお金を稼いでいます。曲もリクエストを募ったりして……あ、まずリクエスト料金が1,000円かかるんですよ。
――スナックかよ!
大石 あと、飲みかけのジュースをオークション形式にしたら「1万円!」って高値がついたりとか。
――えっ何それ! 今飲んでるそのお茶くださいよ! 売るから! しかし、思っていたよりヤバイ集団ですね。そりゃスターダストで女優と行儀良くバンドなんてできないな。
大石 はい。パンクなんです。
――でも、そうやってお金を稼げる土壌を作ってあげて、グループみんなが潤って、なおかつファンもうれしいわけだから、大石さんは優しい元締めですね!
大石 そうです、良心的ですよ(笑)。

――あ、バンドじゃないんですが、先日、大石さんのソロの「東京LOvE STORY」と「マイケル一族の数奇な人生」のMVをYouTubeで見させてもらったら、曲も映像もすごく良かったです。あの曲は安原兵衛さんと共同プロデュースなんですね。超すごいじゃないですか! 七尾旅人とか、沢尻エリカとかのサウンドクリエイターですよ!
大石 超すごいですね(笑)。ありがとうございます。プロのアレンジャーさんです。
――これ……そろそろ売れちゃうじゃないですか?
大石 いやもう、ぜんぜん、売れたい気持ちも、なきにしもあらずというか。
――何それ!? 売れたいの!? 売れたくないの!? どっちなの!?
大石 ああ……。売れる気は、私自身にはそんなになかったんですけど、周りから「そろそろ売れて欲しい」みたいな圧力を感じるので、そろそろ売れようかなって……。
――そんな、アラサーが実家帰ったときに受ける「そろそろ結婚してほしい」みたいなノリで……。売れるには何をしたらいいんですかね。共同プロデューサーにも、安原兵衛さん以上に素敵な人って多分いないですよね。
大石 そうですね、確かにこれ以上何を望むかって感じですかね……。あ、できるなら、新宿ロフトやBLAZEでワンマンをしたいです。チケットもソールドアウトさせたい!
――1万円で飲みかけのジュースを買ったファンのためにも、実現させたいですね!
大石 そう、自分のためだと思うともう頑張れないので、恩返しのために頑張って売れたいです!
――自分のためにも頑張ろうよ! あ、キャッチコピーを決めるとか? 宍戸さんの「ルンルンはミニが好き」「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ」みたいな。
大石 そう! そういうのですね! 何がいいかなぁ? 恐喝っていうのがインパクトあるかなって思って言ってるだけなんですが実際には恐喝してないし案外良心的だし……。
――もう「エンタメ系の地下哀ドル・魔法少女りのタソ☆彡」があるじゃない。
大石 それは、もうキャラ的に疲れちゃうから(笑)!
――本日はどうもありがとうございました! 大石さんの『地球の危機』も楽しみです!
(取材・文=小明/撮影=宍戸留美)
●おおいし・りの
シンガーソングライターでありギタリスト。
セルフプロデュースアイドルグループ「tasotokyoガールズ」「taso東海ガールズ」「taso関西ガールズ」「taso東北ガールズ」「taso札幌ガールズ」を立ち上げる。
公式情報 Twitter:
@tasotokyo
ライブ情報 Twitter:
@OishiRinoLive
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
【27周年記念プロジェクト】
モーションギャラリーにてクラウドファンディング開始!石嶋由美子&福田裕彦のゴールデンコンビの楽曲を新たに再録予定!!
https://motion-gallery.net/
東京幻想曲集
発売中!

増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「
東京幻想写真集」発売中!!
公式HP:
http://rumi-shishido.com/
ブログ:
http://lineblog.me/sundaliru/
Twitter:
@RumiShishido
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<
http://yaplog.jp/benijake148/>
シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<
http://www.cyzo.com/akr/>