有名人になると、かかしにされるのか! 深川『かかしコンクール』が妙に熱い!!

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試行錯誤の結果だと思うのだけれども手袋が取って付けたような感じになってガン見する
 移動しようと、都営大江戸線の駅を改札へと向かっていたら、出くわしたのが奇妙なポスター。  そこには、なんだかシュールな人形(?)と共に、こんな言葉が。 「第20回かかしコンクール」  かかしコンクール!! しかも第20回!!  実は、秋になると全国各地で、かかしコンクールというものが開かれていることは、聞いたことがあった。でも、それは地方での話。まさか、都心で、そんな催しが開かれているとは!!  かくて、すぐに足は、かかしが展示されている深川資料館通り商店街の最寄り駅である清澄白河駅へと向かったのである。  最近は、サードウェーブなんたらとかいうコーヒーのスポットとなって、スカした人々も多い清澄白河。とはいっても、このあたりから、門前仲町にかけては東京でも随一の下町の繁華街。23区の中でも独特の雰囲気が流れている。  そんな町の目抜き通り。そこに展示されている、かかしはシュールそのもの。  後から知った情報によれば、毎年展示されるかかしには、世相を反映したものが数多く並ぶという。すなわち、その年の有名人は、かかしにされる宿命を背負っておるのである。  そんな中でも、イメージを掴みやすいということか。歩いていると出くわしたのは、平野ノラやブルゾンちえみをモデルにした、かかしである。確かに似てるような……どうも、実在人物をモデルにする、かかしは特徴を上手く表現するのが、デキのよさを左右する様子。途中で出会った「おんな城主」というタイトルのかかし。これなんて、ひと目みるだけで納得系である。
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かかしに近づけようとすると、最大の問題は磔にされているように見えることだと思った。平野ノラである。
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有名になるということは、かかしにされるとイコールなのだと学ばざるを得ないと感じる。35億!
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あんま似ていなくても雰囲気だけで誰なのかわかってしまう。それが、かかしのスゴさか
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あと数年は尼さんの格好をしていたらみんな「おんな城主」ってことになるんだろうなあ
 かと思えば、力技で納得させようとしている、かかしも。「29連勝の新星」と題されたかかしがソレ。一瞬混乱するけど、タイトルによって納得させされる感が半端ない。
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まったく似せようとする気を感じないけれど勢いだけは確実にある。将棋の新星・藤井聡太四段。
 一方で、かかしを通してリビドーを炸裂させている作者も。それが、水トアナをモデルにした、かかし。
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どれだけ水トアナが好きなのか。その愛情を表現する手段として、かかしを選ぶ熱意に涙
 どのかかしも、タイトル+制作者名・グループが記されているのだけれど、これだけは異質。 「俺の水トちゃん  やっぱりちょいポチャ好きなんだな」  と、書かれているのである。また、ハイレベルな性癖の持ち主に出会ってしまったような気がする。
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そんなにポッチャリ感がないような気もするけれども……。これが作者の興奮する身体か?
 そんなシュールなかかしが、わんさかとある一方で、激烈に造形を追求したものも。阿修羅像をモチーフにした、かかしはその代表格である。こんなのを田んぼに設置すれば、雀はおろか畑泥棒にも効果がありそうだ。
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超絶気合の入った阿修羅像。夜中になったら動き出しそうな迫力がたまらない逸品である
 とにかく、なんだからよくわからないシュール系から、リアル系まで、かかしの数は100体以上。どうも、地域ではみんなで盛り上がるイベントになっているようである。  ちなみに、かかしの骨組みは貸し出ししてもらえるとのことなので、来年は参加してみるのもいいかなと思った。  このコンクールを通してわかったこと……有名人になると、かかしにされるってことだな。 (文=昼間たかし) ※次ページより、圧巻のかかしオンパレードをお届けします。
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まさか誰もが知っている名画をかかしにっ? アイデアは無限大に広まるものだと納得だね
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こちらも名画をモチーフにしているわけだが、なぜネコを使って賑やかにしようと思った?
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なるほど! 青いタヌキとは珍しいアイデアだ。いや、タヌキですよ! ネコじゃあありません
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きっとコレはネズミがモチーフだな。いや、単なるネズミですよ。キャラクターじゃない
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どう考えても磔にされているようになんだがムーミン谷でどんな事件が起こったのだろう
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なんだか凶悪そうな顔で表現されてしまったトトロ。これ子どもの味方なんかじゃないよね
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『ひよっこ』みね子ちゃん。なんだかんだいってテレビでよく見る人物がモデルになるあたりテレビの影響力は健在か
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パッと見ただけで誰かわかるかどうかが制作する時のポイントの様子。この渡辺直美なんか似すぎてる
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これ、畑のそばにあったら絶対に畑泥棒とかビビって逃げると思う。そんな迫力が満点だ
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こういうのを見ると、もはや「かかしとは?」という概念そのものを考えてしまわないか?
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もはやコレはかかしなのだろうか。深夜とか偶然目撃したら悲鳴を上げてしまう雰囲気だ
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妙においしそうな造形になった作品。残念なことに周囲におでん屋は見当たらなかったよ

ジャニーズWEST桐山照史出演舞台『アマデウス』開始前夜は、この1冊でボルテージ注入!

 ノリにノッてるジャニーズWESTのドーム後初ツアー『ジャニーズWEST CONCERT TOUR 2017 なうぇすと』をフォトレポート!
オモシロスタイリッシュな魅力をたっぷりとお届けします!!

CONTENTS
『ジャニーズWEST CONCERT TOUR 2017 なうぇすと』ハイライト・・・ 4P~
スケジュール・セットリスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18P~
小瀧望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20P~
重岡大毅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32P~
桐山照史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44P~
中間淳太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56P~
神山智洋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66P~
藤井流星・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76P~
濵田祟裕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86P~

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ロビン・ウィリアムズのキュートな女装は最高!! 映画『ミセス・ダウト』のDVDをプレゼント

 サイ女読者の皆さん、このおばあさんに見覚えありませんか!? ロビン・ウィリアムズが、60代の女性に扮したことで話題になった映画『ミセス・ダウト』が今週はお目見えです。1993年にアメリカで公開されたコメディ映画であり、主演のロビン・ウィリアムズのインパクト大な「おばあさんメイク」が評価され、アカデミーメイクアップ賞を受賞した作品でもあります。では、早速ストーリーを見ていきましょう!

 元俳優で失業中のダニエル・ヒラード(ロビン)は、ある日、妻・ミランダ(サリー・フィールド)から離婚の意思を告げられる。収入のないダニエルは、養育権を奪われ、週に一度だけしか子どもたちに会えなくなってしまった。そんな時、ミランダが家政婦を探しているとの情報が舞い込んでくる。願ってもないチャンスを逃すまいと、ダニエルは、メイクアップアーティストの兄の手を借りることを決意。そして、イギリスの老婦人ミセス・ダウトファイアに変身し、ミランダ宅へ潜入を果たした……。

 今までやったことのない家事に手探りで挑戦するミセス・ダウトことダニエルが、「キュートすぎる」と話題を呼んだ同作。そんな彼(彼女)が、完璧な家政婦になっていくところも見所なのですが、やはり注目すべきは、女装のクオリティ! 中盤から、“どこにでもいる感じのおばさん”にしか見えなくなるほど完成度が高いんです。

 今回は、映画『ミセス・ダウト』のDVDを、3名の方にプレゼント。今は亡き、ロビンの名優っぷりを懐かしみながら見るのも良し、可愛い女装おじさんにホッコリしながら見るのも良し。サイ女読者の皆さん、ぜひ奮ってご応募ください! お待ちしています。

※10月2日〆

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膨大な情熱と調査が生んだ、作りたくなるレシピ46品『海軍さんの料理帖』が誕生するまで

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『海軍さんの料理帖 明治~昭和まで歴史で辿る日本海軍レシピ46品』(ホビージャパン)
「この製法で7割から8割は、合っていると思います」  新宿の高級喫茶店で、テーブルを挟んで座った取材相手は力強く話した。その背後には、彼の丹念な取材と実践に裏打ちされた自信が輝いていた。  この8月に発売された有馬桓次郎・著『海軍さんの料理帖 明治~昭和まで 歴史で辿る日本海軍レシピ46品』(ホビージャパン)は、発売前から、ぜひ取材をしてみたいという期待を抱かせてくれた本であった。  日本海軍の料理数十点のレシピと、その歴史を紹介する本が発売されるということを初めて知ったのは、7月はじめのことであった。幾人かの関係者がTwitterで、築地の料理スタジオで調理と撮影、試食の様子をツイートしているのを見つけたのである。3日間に及ぶ撮影。その写真だけで、これは絶対に読まなくてはならない本だと確信した。 『艦隊これくしょん-艦これ-』を機に、数十年ぶりに、私の軍艦熱が高まって数年。その中で漠然と興味を持っていたのは、軍艦の中での食事である。理由は様々だが、そうした料理を食べることで、同時代を味わうことができるのではないかと思ったからである。  ネットで検索すると、当時の海軍料理のレシピを紹介している人は幾人かいる。それらを参考にしながら、メジャーどころの料理は、自分でも挑戦してみた。  それだけでも発見は大きかった。例えば、肉じゃがである。ネットで見つけた、明治時代の日本海軍のレシピでは、玉ネギは最後に入れて短時間だけ火を通すと記されていた。料理をしたことがある人ならばわかるだろうが、通例、肉じゃがを作るときには、玉ネギもとろとろになるくらいに煮込むものである。それが、半生だとどうなるのだろうか。  食べてみて、目を瞠った。  シャキシャキした食感の玉ネギ。それが、薬味のようにジャガイモやニンジン、牛肉と絡み合って、新鮮なうまさを与えてくれたのだ。  日本海軍は、こんなうまいものを作っていたのか。ならば、もっと様々な料理を作ってみたい。そんな思いはあったけれども、一筋縄にいくものではなかった。ネットで得られる当時のレシピは限られたものなのである。偶然、元海軍主計中佐の瀬間喬『日本海軍食生活史話』(海援舎)を手に入れたときには、大いに期待した。けれども、残念なことにレシピはほとんど掲載されていない。その上、資料の中に多くの料理名が掲載されていたものだから、余計にフラストレーションがたまってしまった。  きっと、海軍料理に興味を持っている大勢の人が、もっと手軽にもっとたくさんのメニューに挑戦してみたい。そんな思いを抱いているのではないかと考えていた。 ■マカロニは「竹管の如き饂飩」  そこへ降臨したのが『海軍さんの料理帖』であった。別件の仕事に追われていたため、私は、発売から数日遅れて、届いていたAmazonの封を開いた。  そして、まずパラパラとページをめくっただけで、この本のとんでもない価値を瞬時に理解した。  美麗に盛り付けられた、各々の料理写真と共に紹介されるレシピ。必要な材料も、実際の調理法も、分量や煮込む時間など、ひとつひとつが丁寧に記されている。その料理に添えられた文章もまた、海軍に限らない、当時の日本の食文化を伝えてくれるものであった。  例えば「チキンマカロニー」のページ。そこには、レシピと共に、こう記されている。  * * *  洋食を推奨していた日本海軍でも頻繁に登場するのだが、当時のマカロニは「竹管の如き饂飩」と呼ばれ、多くが30cmほどの長い棒状をしており、直前に適当な長さに切って使っていたのである。  * * *  この、わずかな文章だけで、様々なことに気づかないだろうか。戦前から、日本でもマカロニが食べられていたこと。それが海軍でも親しまれていたこと。その形状の違い等々……。各章の合間のコラムはもちろんのことだが、こうしたレシピを紹介するわずかな文章にも、膨大な情報量が注ぎ込まれているのだ。惜しげもなく、様々な知識を提供してくれる著者の有馬という人物は、いったいどれだけの調査と実践を重ねているのだろうか。早くも尊敬の念を浮かべながら、読んでいく中で、ひときわ、目が近づいたページがあった。 ■間宮羊羹レシピ解明の軌跡  それが、間宮羊羹のレシピを紹介したページであった。給糧艦・間宮は、その一隻だけで番組が作られるほどにエピソードに富み、水兵に愛され、現在も語り継がれる船である。艦艇に食糧を供給することを任務にするこの船は、大量の食材と、腕に覚えのある職人たちを乗せて太平洋を西へ東へと奔走した。普段の食事だけでなく、アイスクリームやラムネなどの嗜好品も製造し、供給していた間宮。  その中でも、羊羹は特に人気のお菓子として、現在に至るまで語り継がれている。今でも、軍港の町として栄えた呉などでは、土産品として間宮の名前を冠した羊羹が売られている。けれども、それは海軍の標準的なレシピを参考にしたもの。専門の菓子職人が乗艦し、製造していた間宮羊羹のレシピは、今ではわからなくなっていると聞いていた。  ところが、ここには、幻のはずの間宮羊羹のレシピが掲載されている。それも、写真を見たところ、普段目にするような羊羹とは、見た目も違う。表面に砂糖が浮いた姿は、それだけで「これは、うまい」と語りかけてくるようであった。  いったい、どうやって、このレシピにたどり着くことができたのか。それは、取材の時に必ず教えてもらわねばならないと思った。  そして、いくつかの質問の後に、間宮羊羹の話を切り出した私に、有馬氏の口から出たのが冒頭の一言であった。  思わず身を乗り出しそうになりつつ、どうやって、そこまでたどり着いたのかを聞いた。有馬氏はもったいぶることなどなく、丁寧に解明までの経緯を教えてくれた。  前述のように、いま間宮羊羹という名前を冠して売られているものは、昭和17年頃に海軍が教科書として作成した『海軍主計兵調理術教科書』に掲載されているレシピである。 「これは、違うんじゃないか」  そう考えた有馬氏は、間宮のことを丹念に調査することを決めた。その最中に、ある人物から連絡が寄せられた。それは、実際に間宮に乗艦していて亡くなられた菓子職人の遺族からであった。 「その方もご自身で羊羹の再現に挑戦されていました。そこで、乗艦された方の経歴をお伺いしてみると、鹿児島の小林のお菓子屋で働いていたときに、友人伝いに当時の間宮の艦長に誘われて、乗艦したそうなんです」  そのわずかな情報を手がかりに、有馬氏は調査を続けた。間宮そのものだけでなく、九州の羊羹が、どのようなものかということを、である。 「小林で修行した味に艦長が惚れ込んだというのであれば、当時の小林の羊羹はどんなものなのかと考えました。そうして調査しているうちに、九州の和菓子文化は多くが佐賀県の小城を発祥とすることがわかりました。かつて小城で修業した多くの職人が、九州各地に散らばっていって独自の和菓子文化をつくりあげていった、という背景がわかってきたんです」  その小城で知られるのが、明治中頃から始まった小城羊羹である。この羊羹の特徴は、表面の糖衣。乾燥した表面に砂糖の結晶をまとわせていることである。その砂糖の効果で、外はパリッとして歯ごたえがあり、中はもちっとした食感を楽しめるのである。 「ご遺族の方にお伺いすると、間宮で作られていた羊羹を当時お土産にもらって、実際に食べたことがあるというのです。その見た目は金つばによく似ていたといいます。金つばよりもパリッとして、もちもちして、ずしんと甘いが後を引かない。そこで、同じ特徴を持つ小城羊羹のような作り方をしていたのが、間宮羊羹ではないかと思ったんです」  さらに調べていくと、いくつか残っている海軍兵の証言でも、同様の見た目や食感を記しているものが多くあった。当然、お土産として持ち帰ったものよりも、製造してから食べるまでの時間は短いはずだ。 「間宮は南太平洋に進出して、羊羹を製造し供給していました。通常の羊羹でも、時間がたてば表面が乾燥してパリッとしてくる。しかし南太平洋の高温多湿な環境では、短時間に表面が糖衣化することはありません。ということは、間宮では実際に表面を糖衣化する手順を加えていたのではないかと考えたんです」  ここまで聞いて、このレシピに間違いがあるはずがないと思った。でも、有馬氏はさらに、精緻なレシピの再現のために情熱を注ぐことをやめなかった。 「SF作家の野尻抱介さんが、比重計を用いた科学的アプローチで間宮羊羹の再現を試みていることに、私はいたく感銘を受けていました。ですので、私の検証内容に野尻さんのアプローチを組み合わせてレシピを組み立て、撮影の時にも実際に来ていただいて、様々なご意見をいただきました」  言葉にして語ればわずか数分。とはいえ、メール1本とか、数冊の本を読むだけで解明できるようなことではない。その情熱に圧倒されながら7~8割と言い切ることができる自信を得るまでに費やした時間を聞いた。 「だいたい2年はかかりましたね。10割といきたいところですが、職人の技術や当時の砂糖の精製度、小豆の品種違いなどで、どうしても違いが出てくるでしょう。そんな不確定要素を加味したのが7~8割という数字です」  間宮羊羹のページのレシピを除いた文字数は、わずかである。そのわずかな文字数のために注がれた時間。さらには取材費も。絶えることのない好奇心と情熱が結実したのが、この本なのだと、改めて考えた。 ■はじまりは一冊の献立集から  この本のはじまりは、ひとつの資料との出会いだった。「もともと、食いしん坊ではあるけど」という有馬氏だが、10年ほど前まで海軍料理の知識は、まったく持ち合わせていなかった。 「海軍の料理といえば、水が少ないし制約があるのではないか、という程度に思っていました」  けれども偶然、「第一艦隊で料理コンテストが開催されたことがある」と聞いたことが、意識をガラリと変えるきっかけになった。そのコンテストを記録した『第一艦隊献立調理特別努力週間献立集』。何かの話のタネになるかも知れないと、有馬氏は資料を所蔵する舞鶴の海上自衛隊第四術科学校に問い合わせた。 「快くコピーしていただいたのですが、驚きました。なんていうのか、海の上の料理がこんなに幅広く、艦によっても違いがある。そこで興味を持って調べていったら、年代ごとに料理の内容も少しずつ変わっていく……そんなことがわかって、現在に続くという感じです」  今回の本では、明治時代から3章構成で、年代ごとに海軍料理を紹介していく。洋食が積極的に取り入れられた明治時代にはじまり、時代を追うごとに料理はバリエーションを増していく。明治期の日本風にアレンジしつつも積極的に洋食を取り入れようとしていた時代のレシピ。そこから、様々な食材を取り入れてアレンジしたレシピが考案されていく広がりは、目を瞠る。 「日本の食文化の変化を反映しているが、そのときの料理の最新のモードも導入している。当時の海軍は、世界の文物にいちばん早く触れることができる組織だった。なので、日本の食文化の中でも、もっとも最新のモードを導入していたのだと思います」  そうした最新モードを取り入れていくことが奨励される空気があったのだろうか。『第一艦隊献立調理特別努力週間献立集』で、もっとも絶賛されたのは戦艦・伊勢の「ホワイトシチュー素麺」だったという。あさりを具材に使ったホワイトシチューに、素麺をつけ麺のようにして食べる料理である。 「よく考えたらスープスパゲッティ。当時の人の味に対する考え方が柔軟だったのがわかります。当時の人は、味噌汁にカレー粉を入れたりしてますからね」  様々な資料を調査し、多くの海軍料理に出会った有馬氏だったが、ここで一つの問題に出くわした。当時の海軍料理を記した資料には、写真もなければ材料の分量すら書いていないのである。 「写真にはたくさんの情報が詰まっているんですが、それが一切ない。見た目も分量もないということは、例えば<生地に青のりを振りかける>と書いてあっても、どれくらいかければいいかわからない。生地を丸めるときの形もわかりません」  分量が書いていないのには理由がある。当時の調理を担当する主計兵への教育は「舌で覚えろ」が基本だったからである。 「何をどう炒めるか、どのタイミングで味付けするかなどの大まかな流れは書いてあります。けれども分量が書かれた資料は、戦時下で新兵に速成教育を施さねばならなくなった昭和17年頃まで現れません」 「そこで着目したのが、当時の一般の料理書です。海軍は全国あらゆる地域から集められた人々が、各地の艦船や部隊に配属される組織ですから、そこで食べられる料理は地域性が少ない味になっていく。そして、時代ごとの食文化の平均は家庭料理に現れるものです。ですので、当時の一般的な家庭料理書の中から同種の料理レシピをひもといていけば、海軍のそれと近似値になると考えたのです」  それはつまり、何もわからないところからスタートしたということか。そう尋ねると、有馬氏は首を縦に振った。ここに、さらなる本の価値が現れている。 『海軍さんの料理帖』は、いうなれば海軍料理を再現した本である。でも、単に当時の資料をもとにして再現したのではない。残された資料から、レシピを再構築し再現したのである。つまり、すべての料理の背景に膨大な資料が存在するのだ。 「ひとつの料理あたり、重複はありますが50冊くらいの文献は読んでいます。一番簡単だったのは出汁の取り方です。それは、当時の海軍兵の回想記にも書いてありますから」  そうして解明されたレシピを、有馬氏は自分で調理して検証した。時には大失敗することもあったというが、少しずつ正解が導き出されていった。それを有馬氏は、同人誌『提督の食卓』シリーズとして刊行。それが、今回の『海軍さんの料理帖』へとつながっている。  今回、収録されたレシピのうち、明治時代の一部を除けば、ほとんどが有馬氏が自分で試したものなのである。  でも、実は、これはまだまだほんの一部だと有馬氏は言う。 「自分が作ったことのある料理は90~100種類くらいです。今、わかっている料理の数は500~600くらいはあって、これから少しずつ検証していこうと思っています」  すでに何年もの時間を費やしたが、それでも海軍料理は奥が深い。そして、間違った都市伝説なども生まれてしまっているという現状がある。本の中でも記されているが、海軍では金曜日はカレーを食べていたというのも、実はまことしやかな都市伝説だったのである。 「この都市伝説ができたのは新しい。海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べる習慣がありますが、これがかつての海軍でもそうだったのだ、という誤解につながったのでしょう。実際には、海軍では特定の曜日にカレーを食べる習慣はありませんでした」  そうした都市伝説が、一人歩きしてしまう背景には、海軍料理に関する資料で失われたものが多いこともあるようだ。 「太平洋戦争中、ある作戦の前に何を食べたか。それは証言はあっても文献としてはほとんど残っていません。各艦艇では、毎食の食事内容を『献立簿』に記録しておく義務があったのですが、現在残っている献立簿は昭和3年の戦艦・長門の1カ月分の記録だけです。あれだけ大量の艦艇があったのに」  そのように資料が散逸してしまった中で、情熱によって生まれた『海軍さんの料理帖』。これは、日本海軍の食生活を知ることができる資料本だろうか。いや、もし資料として読むだけだとしたら、とてももったいない。 ■実践によって歴史を体感することのススメ  レシピをもとに実際に料理をつくる実用書として使ってこそ、読者は本を購入した意義を感じるだろう。なぜなら、ここに記録されたレシピを試すのは、単にうまいものを作るのではなく、五感で当時を味わうことになるからだ。 カルチャー  また、間宮の話に戻るが、収録されている間宮のアイスクリームのレシピでは、卵が使用されていない。ここにも意味がある。 「当時の日本の卵は、現在よりもサルモネラ菌の保菌率が高く、生では食中毒を起こしやすかった。だから、熱帯で活動する間宮では、アイスクリームに卵を使わなかったんです」  文字で読むだけなら「ふうん」で終わってしまう。けれど、実際に作って食べてみたらどうだろうか。当時を感じ、現代のアイスクリームとの味の違いを知ることもできる。  何より「同じものを食べている」という行為は、様々な方向へ思いを広げていくはずだ。 「海軍料理というと難しいと思われる人もいます。でも、少なくとも下士官や兵にむけた食事は短時間で大量に作る給食スタイルなんだから、誰だって作れる程度に簡単なレシピなんですよ」  私も取材から、原稿を書くまでの数日間の間に、初めて知ったいくつかの料理を試した。とりわけ、ホワイトシチュー素麺のうまさには感激した。  趣味の一つとして、普段の食事のバリエーションとして海軍料理が、多くの人に愛されていけばよいなと思う。 (取材・文=昼間たかし) 『海軍さんの料理帖 明治~昭和まで歴史で辿る日本海軍レシピ46品』 http://hobbyjapan.co.jp/books/book/b307946.html スタジオゴンドワナ http://gondwana.biz/
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『おしゃれイズムSP』にタッキー&翼・今井翼が登場! 9月24日(日)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。

●TOKIO

11:25~11:55 『男子ごはん』(テレビ東京) 国分太一
19:00~21:54 『ザ!鉄腕!DASH!! SP』(日本テレビ系)

【ゲスト】
7:00~8:00 『がっちりマンデー!!』(TBS系) 松岡昌宏

●KinKi Kids

13:30~14:00 『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系

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小説家も唸る! 海猫沢めろんが語る「『HiGH&LOW THE MOVIE2/ END OF SKY』の脚本ココがスゴい!」

──小説家の海猫沢めろん先生がハイローにハマってしまったという(コブラ推しだそう!)。そこで今回は「小説家は『HiGH&LOW』をどう見るか」という視点でご寄稿いただいた。『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』の脚本がいかに素晴らしいか、めろん先生のハイロー論とはいかに。
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海猫沢めろん氏の最新小説「キッズファイヤー・ドットコム」(講談社)
なにかがおかしい。 気づいたのは、去年の夏頃だった。 ある時期から突然、ツイッターのタイムラインで「HiGH&LOW」という言葉を頻繁に見かけるようになった。 どうやらEXILEの映画らしい。 EXILEか……。 俺のフォロワーとはどう考えても接点がなさそうだが……なにが起きているんだ。 インターネットスキルを駆使して情報を集めてみると、腐女子関係にウケているということはわかったのだが、どうもそれだけではなさそうだ。友達の男子も興奮している。わからん。まあ、そのうち見てみるか。 そう思ったこともすっかり忘れ、半年が経った。 その頃の俺は、知り合いのいない熊本に引っ越したせいで、あまりにもストレスが溜まっていた。 そんな時、誰かが「HiGH&LOW」という映画を観ると気分が良くなるよ、と教えてくれた。 気軽に摂取するとヤバいことになる気がしたが、TSUTAYA DISCASを使うと3日後にはDVDが手元に届いていた。 観た。 角刈りオッドアイのオッサンが暴れ、李とかいう韓国人が「すごぉい」と口にした瞬間、笑った。 だが、バイクに乗った金髪のイケメンが「ぶっ殺されてえのかてめえら……」と凄んだとき、俺のなかでなにかが覚醒した。 ……これは。 ……すげえ……。 ……すげえ、とにかくすげえ……。 ……わかんねえけどなんかすげえ……。 出てくる役者のオーラとアクションのレベルが高すぎる。 まったく前知識がなかったので、映画に出てるのは全員EXILEだと思っていた。 「ははーん……なるほど、これは全部、実際のEXILEのバックとかで踊ってるダンスチームにちがいない。映画を見ればLDHのことがすべてわかるって寸法か。雨宮兄弟ってやつは3人組のPerfumeみたいな感じだろう……そういえばこのTAKAHIROってやつは見たことがあるぞ。斎藤工ってやつもEXILE一族か。そういうことか。MUGEN=ZOOだろ? たぶんこの琥珀さんとかいうおっさんを演じてるのが、HIROって社長で、九十九さんが副社長……わかってきたぞLDHが」 完全にまちがっていた。 そんな俺が今回、『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』通称『ザム2』を観てきた。 とてもおもしろかった。 非常にアホっぽい感想だが、こう言える映画はなかなかない。 俺は普段小説を書いているので、映画を見ているとテクニカルな部分が気になってしまうことが多い。撮影技術についてはあまりわからないが、脚本やストーリーテリングの部分についてならわかる。 この映画の脚本は相当レベルが高い。 世界観とアクションがカオスすぎるため、脚本が注目されることは少ないだろうが、これは間違いない。 ザム2の脚本には、少なくとも3つ素晴らしい部分がある。 【1】「セリフ」 ザムはドラマ版に比べ、かなりセリフがタイトだ。長いセリフは、どうしてもアクションシーンのテンションを殺してしまう。最小限で最大の効果を産むセリフが必要だ。 「琥珀さん!」「パリタイ」「だーるまさんが転ぶかな」等、役者のアドリブで喋ってる部分もあるが、とにかくワンフレーズでキャラが見えるセリフは秀逸。 特に注目すべきはザム2前半で、山王連合会のコブラがホワイトラスカルズのROCKYに、「立てなくなったらいつでも呼べ」と告げる場面だ。 後半、文字通りROCKYが立てなくなったところへ駆けつけるコブラ……前半の伏線を受けるセリフがいくらでも思いつく見せ場だが、あえてここに言葉はない。 結果的にセリフがなくとも、ビンビン感情が伝わってくるシーンになっている。 もともとあった脚本が現場で変更された可能性もあるが、だとすればその判断は正しい。 すべてが過剰なこの映画において、さりげない引き算演出を入れるあたり、実にクレバーだ。 【2】「マクガフィン」 マクガフィンとは、映画において重要なキーになるアイテムのことだ。 ヒッチコックのインタビュー集『映画術』(『定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー』晶文社)で、彼は「映画内でキーになるものなんて爆弾だろうが、マイクロフィルムだろうがなんでもいいんだ」的なことを言っている。 要するに「なんかみんなが狙ってる重要そうなアイテム」であればそれでいいのである。 マクガフィンの中身にこだわる必要などないのだ。 ザムにおけるマクガフィンは当然ながら、あの「USBメモリ」である。 あれなんなの? なんで琥珀さんUSB返したの? 使い方わかんなかったんじゃない? ていうかパソコンにセットしたとき勝手に刺さるギミックなんなの? 意味あんの? とかいろいろ疑問はあるだろうが、そんなことはどうでもいい。問題はあれをめぐって映画が動いているということなのである。 あのUSBのマクガフィンぶりは素晴らしい。 改めて、マクガフィンっていうのはこういうことだよな、と再認識させてくれる。 【3】「感情線」 映画や小説やマンガ、あらゆる物語を書く上で起承転結やらなんやらという構造を気にする人がいるが、実はそれは重要ではない。 本当に重要なのは読んでいる人と物語のテンションがシンクロすることなのだ。 ストーリーテリングでは理屈のつながりよりも、感情のつながり——感情線を優先すべきなのである。 映画でよくあるのが、この感情の上げ下げを音楽で補うという手法だ。 たとえば映画内の悲しいシーンでは当然観客も悲しくなってもらいたい、だがセリフと演技だけでは限界がある。 そこで音楽を流すわけだが、まるでPVのようにわかりやすすぎるほどに場面の感情に即していると、わざとらしすぎて白けることも多い。 ところがザム2ではともすれば陳腐になりがち、諸刃の剣とも言えるPV的演出が、圧倒的なアクションと画の説得力によって完璧な効果を上げているのだ。 ……と書くと、物語的な整合性を置き去りにしてテンションで突き抜けるタイプの映画か……と思うだろう。 しかし、実はドラマ版も含めて「HiGH&LOW」全体を見ると、キャラクターたちの背景にある行動原理やバックグラウンドはかなりしっかりと考えられていることがわかる。謎すぎる琥珀さんの過去もおそらく今後語られていくはずだ(たぶん)。 というわけで、ザム2は、非常に考えさせられる映画だった。 小説という仕事は言葉を使うだけに、理屈と整合性にこだわりがちだが、そんなことはどうでもいい気がしてきた。 今後、キャラクターが狂っている理由がわからないという指摘をする編集者がいたら「ぶっ殺されてえのかてめえら……」と返そうと思う。 ザム3も期待してます。 海猫沢めろん(うみねこざわ・めろん) 1975年生まれ、大阪府出身。高校卒業後、紆余曲折を経て上京。文筆業に。『左巻キ式ラストリゾート』(星海社文庫)でデビュー。『愛についての感じ』(講談社)で第33回野間文芸新人賞候補。カリスマホストがクラウドファンディングを利用して子育てに挑戦する新刊『キッズファイヤー・ドットコム』(講談社)が好評発売中。

「宮根と安藤さんは、もう勘弁……」苦境のフジテレビが、選挙特番に坂上忍を担ぎ出す!?

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 永田町に吹き荒れる解散風で大混乱なのが、テレビ各局だ。  衆院の解散総選挙が10月10日公示、同22日投開票で実施されることが決定的となり、各局とも選挙特番に向けた準備を急ピッチで進めている。  中でも必死なのが、視聴率低迷にあえぐフジテレビ。昨年7月10日に行われた参院議員選挙では、「無双」と呼ばれる池上彰氏擁するテレビ東京系『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』が視聴率11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、民放トップを獲得。フジテレビ系『FNNみんなの選挙』(第1部)は5.4%で最下位だった。  前回の衆院選(2014年12月14日)では、テレビ東京系『池上彰の選挙ライブ』とテレビ朝日系『選挙ステーション2014』が民放トップを分け合い、ともに平均視聴率11.6%。対するフジテレビ系『THE SENKYO~ニッポンをしゃべり倒す!~』は6.9%だった。  今年6月、フジは人事刷新を行い、『踊る大捜査線』シリーズのプロデューサーとして知られる亀山千広社長が退任。BSフジ出身の宮内正喜氏が新社長となった。宮内新社長は定例会見でも危機感をあらわにし、自ら積極的にメディア露出して新生フジのアピールに努めている。その直後の選挙特番なのだから、気合が入るのは当然。同局関係者が証言する。 「伊藤利尋、椿原慶子の局アナが脇を固めることは確定。問題はメーンMCを誰にするか。昨年の参院選では宮根誠司さん、安藤優子さんがリレー方式でMCを担当したが、視聴率は振るわず。14年の衆院選でも、この2人の組み合わせで大惨敗している。局員からは『もう宮根と安藤は、もう勘弁』という声が上がっている」  そんな中、フジテレビが白羽の矢を立てたのが、最近好調な動きを見せる『バイキング』司会の坂上忍だという。お世辞にも政治には詳しいとは言えないが「彼の毒舌は魅力。当選議員にズバっと切り込む池上さんに対抗できるのは、坂上さんしかいない。現在、局幹部が必死に口説いているそうです」(テレビ関係者)という。  酒を飲んで番組出演することもある坂上だけに、選挙特番は荷が重すぎるとは思うが……。

「宮根と安藤さんは、もう勘弁……」苦境のフジテレビが、選挙特番に坂上忍を担ぎ出す!?

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 永田町に吹き荒れる解散風で大混乱なのが、テレビ各局だ。  衆院の解散総選挙が10月10日公示、同22日投開票で実施されることが決定的となり、各局とも選挙特番に向けた準備を急ピッチで進めている。  中でも必死なのが、視聴率低迷にあえぐフジテレビ。昨年7月10日に行われた参院議員選挙では、「無双」と呼ばれる池上彰氏擁するテレビ東京系『TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ』が視聴率11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、民放トップを獲得。フジテレビ系『FNNみんなの選挙』(第1部)は5.4%で最下位だった。  前回の衆院選(2014年12月14日)では、テレビ東京系『池上彰の選挙ライブ』とテレビ朝日系『選挙ステーション2014』が民放トップを分け合い、ともに平均視聴率11.6%。対するフジテレビ系『THE SENKYO~ニッポンをしゃべり倒す!~』は6.9%だった。  今年6月、フジは人事刷新を行い、『踊る大捜査線』シリーズのプロデューサーとして知られる亀山千広社長が退任。BSフジ出身の宮内正喜氏が新社長となった。宮内新社長は定例会見でも危機感をあらわにし、自ら積極的にメディア露出して新生フジのアピールに努めている。その直後の選挙特番なのだから、気合が入るのは当然。同局関係者が証言する。 「伊藤利尋、椿原慶子の局アナが脇を固めることは確定。問題はメーンMCを誰にするか。昨年の参院選では宮根誠司さん、安藤優子さんがリレー方式でMCを担当したが、視聴率は振るわず。14年の衆院選でも、この2人の組み合わせで大惨敗している。局員からは『もう宮根と安藤は、もう勘弁』という声が上がっている」  そんな中、フジテレビが白羽の矢を立てたのが、最近好調な動きを見せる『バイキング』司会の坂上忍だという。お世辞にも政治には詳しいとは言えないが「彼の毒舌は魅力。当選議員にズバっと切り込む池上さんに対抗できるのは、坂上さんしかいない。現在、局幹部が必死に口説いているそうです」(テレビ関係者)という。  酒を飲んで番組出演することもある坂上だけに、選挙特番は荷が重すぎるとは思うが……。

「65歳のじいさんと張り合ってしまう」プウ美ねえさんと考える、職場でムキにならない方法

epumemo201709

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

【今回のお悩み】
「相手を心底憎んでしまいます」
 いつも誰かと張り合ってしまいます。学生時代は友人と、社会人になってからは大体職場の同僚とです。今はアルバイトの65歳のじいさんと、どちらが職場で必要とされているかで、メラメラ闘志を燃やしてしまいます(私は正社員です)。バカバカしいと思いながらもつい張り合ってしまい、相手を心底憎んでしまいます。それも一方的に。これをやめるには、どう気持ちを切り替えればいいでしょうか? プウ美ねえさん、ご教示ください!(よっしーさん、44歳)

【プウ美ねえさんの回答】
 お気持ちわかります。おねえさんも、よく、ムキになります。小物のくせにすこしでも自分を大きくみせたくて、いつも必死です。闘志というものはうんと優れた目標にたいして燃やせば自分をたかめる材料になるのに、同レベルや、経験の浅い相手にムキになってしまうことも、不思議とよくあることです。ランキングをあげたかったら、友人や同僚ていどではなく、社長クラスに戦いをいどみましょう(責任は、もちません)。

 どんな集団であっても、身内で不必要な小ぜりあいをする人は、あまりありがたくないものです。とくに会社では、同僚や部下をリラックスさせ、働くことを好きにさせる、そういう人が重んじられるのではないでしょうか。ですからあなたも、失礼ながら、社内での意地の張り合いなんかで勝てなくても、ぜんぜん恥じなくてよいのです。他人を打ち負かさなくても、あなたはこんなコラムに投稿するくらい気持ちに余裕のある大きな人です。自分の仕事に全力投球できたからよし、めしがうまくてよし、録画したテレビがおもしろかったからよし、快便でよし、というように、毎日ちいさなことで満足するように心がければストレスもたまらず、しぜんと、おおらかになれます。

 もしも瞬間的に闘志に火がついてしまったときは、いちど意識を離れた場所にとばして、自分たちを舞台上の役者のように見てごらんなさい。どういう態度をとれば職場で必要とされるにふさわしいか、おのずとわかります。いちど意識をとばして冷静さを保つことができたなら、もう一段さきの「相手の気持ちを想像する」こともむずかしくありません。集団の中でこれができる人は最強です。

【今月のエプロンメモ】
そのじいさんも、20歳年長の経験を自負しているかもしれません。じいさんを競争相手ではなく、おなじ職場の戦力として認め、仲間として引き立てあうことができたなら、あなたは20年ぶんの経験値を先取りできるかもしれませんよ。ぜひチャンスをいかしてください。

熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『本日もおひとりホモ。中年マンガ家生活』(ぶんか社)、『世界一周ホモのたび 狂』(同)、『TOKYO中年駄ホモ生活』(同)など。

<お悩み大募集>
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書店が6000店も減少している! 懐かしの「ロードサイド書店」をつぶしたのはAmazonか? 

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 2000年には2万店以上あった書店が16年には1万4000店まで減っている――近所の町の書店の閉店などを目にし「書店が前よりも減っている感覚」は多くの人にあるだろう。しかし、こうして数で見ると驚くものがある。そしてこれはいわゆる町の本屋さんだけでなく、紀伊國屋書店新宿南店など、都心の大型書店も含まれているのだ。その要因の一つに当然あるのはAmazonだろう。出版販促コンサルタントの山本豊氏に、移りゆく書店の姿について話を聞いた。 ■2000年時点では、Amazonはまったく脅威だと思われていなかった。 ――00年には2万店以上あった書店が16年には1万4000店まで減っている、というのは衝撃ですね。 山本豊氏(以下、山本) そうですね、後継者不足もありますが、Amazonの影響も大きいですね。 ――Amazonは00年に日本でのサービスを開始し、今や書籍に限らずEC市場を牽引する存在になりましたが、サービス開始時点の段階で、Amazonは書店にどう認識されていたのでしょうか? 山本 Amazonは赤字覚悟で本の送料無料を続けていました。当初は出版社も書店も、このやり方ではもたないと見ていましたね。また、Amazonは外資ですから、出版社にしろ書店にしろ「敵対」とまではいかずとも、「自分たちの土壌に土足で……」のような雰囲気はありましたね。  ただ、その後Amazonが拡大を続けたのはご存知の通りです。書店にとってAmazonはライバルですが、出版社にとってAmazonは販路を広げてくれる存在でもあります。ですが、出版社にしてみればそれまでずっと本を販売してくれた書店への恩義も当然あります。  なので、出版社は表立ってAmazonと何かをすることはせず「書店さんの味方ですよ」というスタンスを取っていました。ですが、そのスタンスも最近そうとも言えなくなってきていますね。 ――書店さんを大事にしていますよ、という出版社の建前もいよいよ崩れつつあるんですね。 ■「Amazonランキング1位」は操作されている? ――山本さんから見て、Amazonのいい点はどこにあると思いますか? 山本 利用者にしてみればいいサービスですよね。品切れはなく、届くのも早いですし。マーケットプレイスでの古本の販売も充実していますよね。 ――マーケットプレイスで、1円で販売されている本はどうやって利益を確保しているのでしょうか。 山本 あちらは送料が一律で257円ですよね。安い配送サービスを利用し、その差額を得ているのでしょう。ただ、当然Amazonも手数料を取るでしょうから、1円本の利益は相当薄いでしょうね。 ――Amazonは本別に売り上げのランキングがついていますが、1位を取ると「ベストセラー1位」のタグが付きます。そのタグやランキング上位の実績欲しさに著者が本を買い占め、ランキングを操作することもあるとも聞きますが……。 山本 一人の方が100冊買っても1カウントにしかならないようですね。「操作」するなら相当大掛かりにやらないといけないでしょう。 ――この「ベストセラー1位」は効力のあるものなのでしょうか? 山本 かつては効力があったと思いますが、今はさほど、という感じですね。内情をわかっている消費者も増えてきましたから。 ■90年代の日本の郊外の風景「ロードサイド書店」は絶滅する? ――書店は上場企業もありますが、最新年度の決算を見ると文教堂が赤字、三洋堂も前年よりも営業利益を落としています。 山本 三洋堂さんは愛知に本社のある書店さんで、いわゆる「ロードサイド書店」の走りですね。 ――東京など車なしでも生活できる都市圏の人にはピンとこないかもしれませんが、私は地方の郊外出身なので「ロードサイド書店」にはグッとくるものがあります。90年代くらいから、地方の郊外にはロードサイドに大型の書店が増えましたね。ネットも普及していなかった時代に、地方でも「文化」を感じる空間でした。 山本 ロードサイド書店は減ってきてしまいましたね。文教堂さんもかつては神奈川近郊でロードサイド店を多く展開していましたが、今は「アニメガ」という店舗形態に力を入れています。アニメガではアニメや関連グッズに注力しており、場所もロードサイドではなく、駅チカだったり、駅ビルのテナントに入っていたりと、路線転換しています。 ――出版不況でも、信者を抱える「萌え」は強いのですね。ロードサイド書店を駆逐したのはAmazonなのでしょうか? 山本 Amazonも当然ありますが、昨今増えたワンストップモールの影響もあるかと思います。それこそイオンのような、一店舗だけですべての買い物が完結するような超大型ショッピングモールの存在ですね。そういった店舗には大型書店も入っていますので。 ――書店という切り口だけで見ても、この20年で随分流通の姿は変わっているのですね。 * * *  なお、Amazonは「法人税を日本に払っていない疑惑」がある。Amazonの16年における日本事業の売上高は1兆1660億(1ドル108円で算出)になる。ちなみに日本経済新聞社のサイトのランキングで調べると、ユニクロのファストリテーリングの16年の売上高は1兆7778億円になり、これは全上場企業中73位になる。  ユニクロを小さくしたくらいの超大企業が日本に法人税を納めていないのは問題だ。しかしAmazonは、そもそも米国にも売上規模の割には法人税をさほど払っていない。Amazonの営業利益率は、16年は3%、15年は2%、14年は0.2%だ。ちなみに楽天の営業利益率は16年は9.9%、15年は13.2%、14年は17.2%になる。Amazonの投資家向け資料を見ると、「短期的な利益よりも中長期的なマーケットでの主導権をつかむための投資を続ける」といった趣旨の記載があり、利益は、徹底的にさらなる拡大のための投資に回す方針なのだ。  利用者にしてみればAmazonは確かに便利なサービスだが、宅配業者の再配達問題などAmazonと利用者「以外」の関係者の疲弊は大きいし、街の書店は6000店が消えて風景も変わった。最後はAmazon以外、草一本も生えてないのかもしれない。 (文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/]) ■山本豊氏 出版販促サポートサイト 出版SPプラス:http://booksales.jp