記念すべき創刊100号を迎えた今月の「GINGER」(幻冬舎)。表紙は、今や国民的女優として愛されている、ガッキーこと新垣結衣です。月9ドラマ『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)の番宣でしょうが、考えてみればガッキーももう29歳。「GINGER」の読者たちと同じ、れっきとしたアラサーなんですね。モテ路線に乗っかることもできず、ささやかなようで欲深いプライドに振り回され続けているように見える「GINEGR」女子たちは、ピュアで清楚、かつナチュラルなイメージのガッキーに、共感する部分はあるのでしょうか。早速、中身をチェックしていきましょ~。
<トピックス>
◎COVER WOMAN 新垣結衣 Just the way I am ありのままの自分で生きる
◎おしゃれ人の肌見せ論
◎辛口派が着たくなる夏の肌見せ服
■「ありのまま」「自然体」「センス」という大問題
突然の「モテ」特集が不発に終わって以降、「ZARA」→「白Tシャツ」と、まるで禊のようにファッションのシンプル化を推し進めてきた「GINGER」。ついに今月は、全てを脱ぎ捨てた結果、まさかの「裸」推し。「余計なものは脱ぎ捨てて おしゃれも、生き方も、自分らしく!」というコピー通り、ファッションページも読み物ページも、1冊を通して「裸になれる女」がテーマの企画が並びます。いやいや、売れないグラビアアイドルじゃないんだから、そんなに簡単に脱いじゃっていいわけ!? と衝撃を受けましたが、どうやら「ありのまま」「自然体」といった意味で「裸」を使っているようでした。
まずは表紙モデルへのインタビュー企画「COVER WOMAN」を見ていきましょう。「ありのまま」「自然体」で生きているように見えるガッキーも、「すごく若いころは、皆さんが抱く<ガッキーのイメージ>と、いわゆる<素の私>との距離感に悩んだ時期もある」そうで、しかし今では、「私自身は“こう見てほしい”とか、“こう見られたい”という気持ちが、いつの間にかなくなってしまったんです。だから今は、私のことをどう思ってくれても構わない。ただ、私を見た人が少しでも気持ちよく思ってくれたらうれしい」という境地に至ったとか。
以前から女性誌レビューで指摘しているように、「GINGER」女子たちは「他人よりちょっと抜きん出たい」「あこがれられたい」という欲望が行動基準となっているように見えます。それだけに、おしゃれもプライベートも、自分の好きなものや心地よいものがわからないまま、迷走を続けている印象も。そんな彼女たちにとっては、「自然体」という境地に至るまでの「いつの間にか」の部分をもっと詳しく聞きたかったんじゃないですかね。だって、「余計なものは脱ぎ捨てて裸になれ」と言われても、それを感覚的に理解できないから、迷走しているのであって……。現に「GINGER」の誌面を見ても、「モテ」という正解のないテーマを取り上げるより、「ZARA」「白Tシャツ」を着るなどといった具体的な提案をする方が、ノッていたような気がします。そう、「GINGER」は、どこまでいっても現実主義の雑誌なんです。
続くファッションページからも、それがうかがえます。今月は「裸」というテーマに合わせて「肌見せ」「露出」ファッションが特集されています。そこでは、まずコーディネート紹介の前に、「おしゃれ人の肌見せ論」と題して、デザイナーに「肌見せ服の神髄」とやらを聞いているのですが、これまた「GINGER」女子を悩ませそうな言葉のオンパレード。「その服を纏って動いた時、いかに美しい“残像”を描けるか」といった一文もさることながら、「スタイリッシュ」「リッチ」「シャープ」などのワードからも、要するに露出にもセンスが必要だと痛感させられます。読めば読むほど「おしゃれ」ってこんなに難しいものだったのか……と、暗たんたる気持ちが募るばかり。そもそも女性誌のファッションページって、「可愛い!」「真似したい!」と思ったり、素敵な洋服にうっとりしながら読めれば、それでいいんじゃないかしら……と感じてしまうのは筆者だけでしょうか。
そして、その後の「辛口派が着たくなる夏の肌見せ服」という企画では、「背中開き」「背中深V」「背面Uネック」、「袖スリット」「深めスリット」「サイドスリット」「前スリット」、「ハリ感素材」「カジュアル素材」「ドライな質感」などなど、細かな違いを丁寧に説明してくれる流れになっています。毎度のことながら文字情報が多く、細かいルールがぎっしりの誌面からは、「センス」に自信がないから、それが問われる「おしゃれ」という分野に対して、畏怖とあこがれを抱く「GINGER」女子の一面が浮き彫りになってきます。
「自然体」で「ありのまま」の全てを脱ぎ捨てた「裸」の私になるためにも、まさにその「センス」が必要なのかも。勉強家なのはいいことですが、「GINGER」女子たちが自身の「裸」に自信を持つために必要なのは、参考書のようなルールではなく、もっと別のものだと思いました。
■筋トレが「裸」に自信をつけてくれる?
続いて「女が惚れる女のカラダ、その舞台裏」を見ていきましょう。泉里香、橋本マナミ、佐野ひなこなど、男性はもちろん、女性も認める“健康的で色気のある体つき”の女性芸能人たちに、体形維持についてのインタビューをしています。大体、芸能人への美容に関するインタビューでは「何もしていませ~ん」という答えが一般的ですが、今回は一味違います。「週に2回のジム通い」「パーソナルトレーナー」「ボクササイズ」「寝る前にプロテイン」「夜ご飯は18時半までに(外食でも21時までに)」「ホットヨガ」「リンパマッサージ」「炭水化物の代わりにブロッコリー」「医師の元で食事制限」「シックスパッド」……と、ストイックな単語が並びます。そして皆一様に「理想」を掲げて日々の「努力」を怠らず、「今では自分のカラダが大好き」と語っているんです。
これ、お勉強や努力が大好きな「GINGER」女子たちと相性バッチリな気がします。筋トレは目に見える結果が出ますし、感覚的に理解しにくい「センス」を追い求めるより、よっぽど本来の意味での「裸」に自信が持てそうです。それにトレーニングに集中することで「他人よりちょっと抜きん出たい」「あこがれられたい」という邪念も振り払えそう。「GINGER」女子と「筋トレ」……せっかくなので連載企画にしてしまえばいいのにと思う筆者でした。
(橘まり子)










