瑛太主演の連続ドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)が14日から放送開始。原作は『島耕作シリーズ』などで知られる弘兼憲史の同名コミック、脚本・演出を務めるのは映画『モテキ』(2011年)や『バクマン。』(15年)などを世に送り出した大根仁ということで、制作発表時から期待が寄せられていましたが、初回平均視聴率は10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの好スタートとなりました。 ドラマの舞台となるのは、東京都板橋区下赤塚の駅から程近い雑居ビルを拠点にする『あかつか探偵事務所』。そこで働く主人公・ハリネズミ(ハリネズミのような髪型と、寝ずに尾行する“張り寝ず視”が由来)こと七瀬五郎(瑛太)の弁では「人情とお節介」が事務所のウリとのこと。そのため、犯罪に関わりがあったり風変わりなものなど、同業者が扱わないような依頼が舞い込みやすいようです。 その定義でいえば、今回の案件は後者にあたります。依頼主は運送会社を経営する川田洋平(伊藤淳史)。1カ月前に妻と娘が交通事故に遭い、娘は即死。生死の境をさまよう妻に娘の死を伝えられず、娘にそっくりな女の子を探して、一時的にせよ妻を安心させてやりたいという依頼でした。 早速、仕事に取り掛かるハリネズミと同僚の小暮久作(森田剛)の2人ですが、瓜ふたつの女の子なんてそう簡単に見つかるものではありません。小暮の麻雀仲間のTVプロデューサーに頼んで子役オーディションを開いてみるものの、さっぱり。公園で遊ぶ親子連れを眺めながら途方に暮れてしまうのですが、そこで偶然、川田の娘にそっくりな少女・遥(三本采香)を発見します。 しかし、遥もまた母親を亡くした過去をもち、さらに父親から虐待を受けて心に傷を負ってしまっているため、ハリネズミが協力を求めても「(川田の妻は)早く死ねばいい。死ねばこの子(娘)に会える。私も(自分の母親と)死にたかった一緒に」と、聞く耳を持ってはくれません。 そんな折、川田の妻の容体が急変。医師から余命いくばくもないと宣告されてしまいます。その報せを受けたハリネズミは遥の元へ向かい、「死にたかったなんて言うなよ」「遥ちゃんには生まれてきた意味があるんだ」などと熱く語りかけた上で、川田の妻に会ってくれと土下座をして頼み込みます。 ハリネズミに心を動かされた遥は川田の妻に会い、その姿に自身の母親を重ね合わせて「死なないで」と涙を流します。結果的に川田の妻は死んでしまったものの、川田が遥を引き取り、血の繋がりを超えた親子関係が築かれる予感を抱かせつつ事件は一件落着となりました。 さて、注目された第1話の感想ですが、正直、ハリネズミの初登場シーンを見た瞬間、先行きが不安になりました。馴染みのスナックのカラオケで、パンクバンド・THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」を熱唱しているところから始まったのですが、その姿があまりにもバカ丸出しだったからです。 さらにハリネズミは、スナックに勤める萌美(片山萌美)の胸を揉むというエロガキじみた姿を披露。原作でも“頭が弱い”と“スケベ”という設定は一応あるものの、そこまで露骨に描写はされていません。そのため、ドラマ版では安直なエロコメ路線が展開されるのではないかという一抹の不安が脳裡をよぎりました。 しかし、それは杞憂に過ぎませんでした。ヒット作を量産しているだけあって、大根監督の緩急のつけ方は巧み。BGMに軽快なジャズを多用することで、スタイリッシュさと程良いテンポを生み出しています。何よりもキャスティングの妙が冴えわたっています。“頭は弱いが情に厚い”という、言ってしまえばステレオタイプな主人公を瑛太が演じていますが、演技力があるだけに見応え十分。遥を説得するシーンに関しては、下手な役者だったら安っぽいものになってしまったかもしれませんが、熱量のある芝居で盛り上げていました。 また、原作コミックでは見るからに中年オヤジなルックスの“グレさん”こと小暮役に森田剛を配し、瑛太との絡みを増やしたバディものに脚色したことで、物語の面白味が増した印象を受けます。回を追うごとに2人の息もさらに合い、魅力が増していくのではないでしょうか。 2人のさらなる活躍が気になる次回からは、深田恭子が依頼者・四俵蘭子役で本格的に登場。その依頼内容は、25年前に自殺したことになっている育ての父親・四俵乙吉(平田満)の死の真相を突き止めて欲しいというものです。第1話は弘兼氏作画による人気シリーズ『人間交差点』(小学館)に通じるようなヒューマンドラマ要素が強かった本作ですが、次回からは乙吉の死の裏に隠された企業の陰謀を解き明かしていくサスペンス要素が強くなっていくだけに、どのような演出で原作とは違った味付けがなされるのかも含め、楽しみに待ちたいと思います。 (文=大羽鴨乃)TBS系『ハロー張りネズミ』番組サイトより
日別アーカイブ: 2017年7月21日
『セシルのもくろみ』4.5%、敗因は真木よう子のヘンなカラコン!?【夏ドラマ初回ランキング】
月9ブランド復活か!?
初回平均視聴率のトップ10は以下の通り(ビデオリサーチ調べ、関東地区/クールまたぎの連ドラは除く。放送前の深夜ドラマやテレ東ドラマは割愛)。 1位『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)16.3% 2位『遺留捜査』第4シリーズ(テレビ朝日系)13.1% 3位『カンナさーん!』(TBS系)12.0% 4位『刑事7人』第3シリーズ(テレビ朝日系)11.8% 5位『黒革の手帳』(テレビ朝日系)11.7% 6位『過保護のカホコ』(日本テレビ系)11.6% 7位『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)11.2% 8位『ハロー張りネズミ』(TBS系)10.3% 9位『ごめん、愛してる』(TBS系)9.8% 10位『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)8.9% トップは、開始6分で登場した山下智久のCカップはあろうかという胸筋が視線を釘付けにした『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 THE THIRD SEASON』。崖っぷち状態が続いた“月9”ですが、人気シリーズの約7年半ぶりの復活が功を奏し、15%超えの爆上げとなりました。 初回では、山P演じる天才脳外科医がヒーローか神様のように描かれており、「ああ、木村拓哉における“キムタク像”も、こうやってメディアに作られてきたんだなあ……」と妙に納得させられるものがありました。 また、今シーズンからHey! Say! JUMP・有岡大貴、成田凌、新木優子、馬場ふみかが、目が泳ぎっぱなしのダメダメ新人フェロー役として加わりました。シリーズファンからは、「邪魔」「でしゃばらないでほしい」なんて声も見受けられますが、今後の評価を左右するキーパーソンたちとも言えそうです。 ※『コード・ブルー』初回レビュー 2位と4位には、安定のテレ朝刑事ドラマがランクイン。上川隆也主演『遺留捜査』は、番組終盤で主人公の刑事が「3分だけ時間をください」と頼み、遺留品に執着する一風変わった作品。『刑事7人』は、少年隊の東山紀之がカッコつけてるシーンが目立つシリアスな作品です。 しかし、今シリーズの『刑事7人』の評判は、すこぶる悪いですね。原因は脚本にありそうですが、第2シリーズでシリアス路線に方向転換して以降、視聴者から不満の声が絶えないようです。ただ、そんな声とは裏腹に、初回の視聴率は前シリーズで過去最高だった11.8%とタイ。さらに、第2話では12.1%まで上昇し、シリーズ最高数字を叩きだしていますから、注目度は高そうです。
フジ『セシルのもくろみ』打ち切り不可避か
3位は、ドタバタホームコメディ『カンナさーん!』。主演は、インスタグラムフォロワー数で日本トップの686万人を擁する好感度タレントの渡辺直美です。 吉本芸人といえば、昔は明石家さんま主演の『男女7人夏物語』(TBS系)や、ダウンタウン・浜田雅功主演『人生は上々だ』(同)、ダウンタウン・松本人志主演『伝説の教師』(日本テレビ系)、最近だとピース・綾部祐二主演の昼ドラ『別れたら好きな人』(フジテレビ系)のほか、読売テレビ制作の深夜ドラマなんかによく出ているイメージがありますが、女芸人のプライム帯連ドラ主演は、かな~り珍しいケースではないでしょうか? 元漫談家の泉ピン子を女芸人と捉えるか問題を無視すると、とりあえず思い浮かびません。 また、気になるのが渡辺のギャラ。吉本の若手の中では「最もギャラが高い」と言われる渡辺ですが、オスカーあたりの主演女優クラスのギャラには到底及ばないと思われます。『カンナさーん!』が好評を博せば、お財布に優しい主演女優として、今後もテレビ局から引っ張りだこになりそう!? ※『カンナさーん!』初回レビュー今期の大コケドラマといえば、真木よう子主演『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)。ガサツでメイクやファッションに無頓着な主人公を演じる真木が、ファッション誌編集者から容赦なくなじられる同作ですが、この「女は女らしくあるべき」「女はおしゃれをするべき」というフジの揺るがない価値観は、同局前クールの『人は見た目が100パーセント』と全く同じアレでした。ある意味、フジってブレなさがすごい! また、劇中ですっぴん風メイクなのに、黒目を大きく見せるためのカラコンを容赦なく装着している真木の顔が「怖い」「でっかい黒目で冴えない主婦演じるって、違和感しかない」とネット上で話題に。真木の失敗メイクも、大コケの一因かもしれません。 ちなみに、20日放送の第2話は、初回からさらに0.6ポイントダウンの4.5%。これは間違いなく、早期打ち切りが検討されるでしょう。EXILE・AKIRA主演『HEAT』(同)の悪夢が再び!? ほかにも、いろんな意味で気になるドラマが目白押しの夏ドラマ。日刊サイゾーでは、今クールも「ドラマっ子全話レビュー」をほぼ毎日掲載していきますので、お楽しみに! (文=どらまっ子TAMOちゃん) ※高畑充希主演『過保護のカホコ』初回レビュー ※TOKIO・長瀬智也主演『ごめん、愛してる』初回レビュー ※窪田正孝主演『僕たちがやりました』(フジテレビ系)初回レビュー ※関ジャニ∞・錦戸亮主演『ウチの夫は仕事ができない』初回レビュー『セシルのもくろみ』公式サイトより
香取慎吾、『おじゃMAP!!』で「オレ、引退しないから!」宣言! 「はじまりのうた」の演出もファンの涙を誘う
7月19日放送の『おじゃMAP!!』(フジテレビ系)内で、香取慎吾が自身をめぐる「芸能界引退」報道を完全否定した。SMAP解散後、一部メディアが香取について「芸能界引退を考えている」「画家転身」「アメリカ留学説」などと報じていたものの、本人がこれらの疑惑を一蹴した形。ファンからは香取の本音をオンエアーした『おじゃMAP!!』制作陣に対し、感謝の声が続出している。
グループ解散から半年が過ぎた今年6月19日、香取と稲垣吾郎、草なぎ剛が9月8日をもって……
デキ婚の夫は家庭を顧みず女遊び。蹴られた恐怖で夜逃げを決意【別れた夫にわが子を会わせる?】
『わが子に会えない』(PHP研究所)で、離婚や別居により子どもと離れ、会えなくなってしまった男性の声を集めた西牟田靖が、その女性側の声――夫と別居して子どもと暮らす女性の声を聞くシリーズ。彼女たちは、なぜ別れを選んだのか? どんな暮らしを送り、どうやって子どもを育てているのか? 別れた夫に、子どもを会わせているのか? それとも会わせていないのか――?
第5回 広瀬ちあきさん(仮名・30代)前編
「取っ組み合いのけんかをしたり、すさまじい罵倒をし合ったり。そこまで私の醜いところを見せた人って、今までの人生の中で彼しかいない。だからこそ、ある意味安心して会える人なんです。戦友というか、出来の悪い弟というか。彼と結婚したのは、大学を卒業して3年目のこと。デキ婚でした」
理系の派遣会社で働いているという広瀬ちあきさんは、埼玉県にある実家に住み、10代前半の子ども2人を育てている。小柄でてきぱきとして、それでいておしゃれな女性という広瀬さんの第一印象からは想像がつかない夫婦生活が、かつてはあった。
■双方の親が仲違い、結婚式もせず、出産直前に入籍
――お相手の方は同僚ですか? どこで知り合われたんですか?
「2歳下の彼と知り合ったのは、私が就職した年のことでした。女子会に乱入してきた男子たち、その一人が彼でした。そんな初対面ですからね、邪魔くさいな、というのが第一印象(笑)。有名人で似てるのは、嵐の二宮和也くんかな。気がつけば付き合っていて、毎週末を2人きりで過ごすようになりました」
――そのまま関係は続いたんですか?
「はい。彼も社会人になりました。営業職として入社して1年目で年収600万円。すごく口がうまいので、全国トップの成績だったとか。
そんな折、デキてしまったんです。勢いとか若気の至りと言われればそれまでですけどね。そこで口を挟んできたのが、彼の母親です。『堕ろして』と私に直接は言ってこないですけど、『結婚するな』と彼にずっと言ってたようです。そんな意向は無視して、2人で出産と同棲を決めました。住んだのは私の実家のある埼玉。彼は当初、嫌がっていましたけど、最後は折れてくれました。
問題は、双方の親の仲たがいです。うちの親が『娘さん孕ませてすみません、って挨拶があってしかりなのに、そういうのが一切ない』と言えば、彼の母親は『関わりたくない』って言うんです。そんな感じでこじれてしまって。関係はぐちゃぐちゃです」
――それで、出産はどうなったんですか?
「出産の1カ月前ぐらいで産休に入りました。未婚の母になるつもりはなかったので、『籍を入れなきゃ、一生あなたと会わない!』って強く言ったところ、生まれる2日前になって、ようやく籍を入れてくれました。そんなドタバタですから、結婚式どころではなかった。結局やらずじまいです。
出産日は大幅に遅れました。予定日から6日待っても、まだ出てこなくて。陣痛促進剤やバルーン[筆者注:子宮収縮を促す器具。風船状のゴム球を膣から挿入して使用する]を使って産むことになりました。今思えば難産でした。いきんでるうちに、気分が悪くなって嘔吐してしまったんです。時間的には大したことがなかったんでしょうけど、産み終わったときには精根尽き果てていました。彼は立ち会わなかった。というか、連絡しそびれて……」
――出産後は、どのような生活だったんですか?
「(産褥期は)実家で1カ月ほど過ごしました。回復が遅く、1カ月を過ぎても、ヨタヨタしていたんです。産着などのベビー用品は、生まれる前に最低限、自分で買ってあったり、生まれてから親に買ってきてもらったり。出産するまでは籍入れる入れないでもめてたので、『しっかり選んで』とか『備えなきゃ』とか、それどころじゃなかったんです。その間、彼は1人暮らし。親子3人で住むために、先に都内にマンションを借りて、そこに住み始めていました。実家へ娘を見に来たかって? いいえ、一度も来ませんよ」
――マンションで同居し始めてからの生活は、どうでしたか?
「彼は娘を風呂にも入れないし、おむつも替えない。家事もしない。その代わり、家事や育児に何も口出しをしないので、それはそれで文句はありませんでした。でも、彼は仕事の付き合いと称して、キャバクラや風俗に行ってましたね。それで私が『なんでそんなところ行くのよ』って問い詰めると、『事務をする子をスカウトするためなんだよ』とか、もっともらしい理由を言われて、丸め込まれちゃうんですよ。でも、店外デートまでする必要ないですよね」
――家計はどうだったんですか?
「家計は最低限、光熱費とマンションの家賃だとかは彼の口座から全部引き落とし。私が負担したのは食費ぐらいですかね。育児休暇手当があったので、食事と子どものもの、あとは病院代とかを賄ってました。
彼の手取りは、確か35万円ぐらい。遊びすぎてカードローン20万円分ぐらいを滞納し、ボーナスで返すとか。そういう自転車操業。経済的DVっていうんですか。そういうことはしょっちゅうでした。ケンカの後、財布のお金を全部没収されて、『お金がないから、ご飯が買えない。どうしよう』って泣きの電話を実家にかけたりとかね。お金を没収する目的? 私が彼に愛想をつかして逃げ出すのを防ぎたかったんでしょ。
対抗策として、引き出しとかに小分けにしてお金を保管してました。子どもが倒れて病院行かなくちゃいけなくなったりしても、お金がなければタクシーに乗れないじゃないですか」
――そんなことをされて、よく一緒にいましたね。
「いや、だからこそ2人目ができたのかも。『子どもが増えれば、もっと出歩きにくいだろう』『お金がかかるから、おまえは友達とも会えないだろう』みたいな。彼にとって子どもは、私をつなぎ留めておくだけの道具ですね。もちろん、子どもが2人になったからといって、彼は育児をするわけでもなく、相変わらず、好き放題遊んでましたけどね」
――暴力とか子どもへの虐待っていうのは、なかったんですか?
「私にしても、子どもにしても、思い切り怒鳴りつけられる、ということがありました。彼は外で酒を飲んでのトラブルをたくさん経験しているので、私たちに決して手は出さないんです。だから言葉ですね。でも、言葉のDVって証拠を取りにくいから、難しいですよ。録音をするにしても、いつ怒鳴られるかわからないし、録音しててばれたら、逆上して何をされるかわからない。だから、ほんとは殴ってもらって、診断書を取りたかったですね。実際殴られたらつらいでしょうけどね」
――別居のきっかけは、何だったんでしょうか?
「彼が朝帰りしてシャワーを浴びていた隙を縫って、財布の中を見たんです。レシートにカクテルの名前が書いてあって、また女と遊んでるなってピンときた。それで、カチンときて、彼が出勤前なのに、つい言っちゃったんですよ。『財布を見たわよ』って。すると『なんで出勤するタイミングで言うんだよ』ってキレられました。
怖いと思って、とっさにそのとき、保育園の年中さんだった上の子を抱えたところ、軽くなんですけど、私は足を蹴られました。上の子はおびえてました。下の子は、そのときまだ言葉の話せない乳児だったので、その辺で寝てても大丈夫でした。
怖くて私、たまらず110番したんです。駆けつけた警察官に、双方分かれて事情を話すんです。ところがその後『奥さんね、旦那さんの言ってることが、奥さんの言ってることと全然違うよ』みたいなことを言われたのかな。それこそ『嫁が蹴ってきた』ぐらいの、間逆のことを。すぐ後に、法テラス(無料法律相談窓口)に相談しました」
――弁護士に相談してから、どうなったんですか?
「事情を話したところ、『それ離婚できるわよ』って言われて、ハッとしたんです。それまで私、彼に洗脳されてたんですね。当時は『彼がダメなのは私のせい』だとか、『彼が怒るのは、私がこんな女だから』だとか考えてました。また、あまり自由に外に出してもらえなかったからか、さらに世界が狭くなって、一般常識がわからなくなってましたし。
だけど、弁護士にそう言われて、ふっと我に返ったというか、『よし、夜逃げしてやろう』と思い立ったんです。警察が来てから逃げるまでは2週間。期間が短かったので、子どもを預けられる施設を探すので精いっぱいでした」
(後編へ続く)
デキ婚の夫は家庭を顧みず女遊び。蹴られた恐怖で夜逃げを決意【別れた夫にわが子を会わせる?】
『わが子に会えない』(PHP研究所)で、離婚や別居により子どもと離れ、会えなくなってしまった男性の声を集めた西牟田靖が、その女性側の声――夫と別居して子どもと暮らす女性の声を聞くシリーズ。彼女たちは、なぜ別れを選んだのか? どんな暮らしを送り、どうやって子どもを育てているのか? 別れた夫に、子どもを会わせているのか? それとも会わせていないのか――?
第5回 広瀬ちあきさん(仮名・30代)前編
「取っ組み合いのけんかをしたり、すさまじい罵倒をし合ったり。そこまで私の醜いところを見せた人って、今までの人生の中で彼しかいない。だからこそ、ある意味安心して会える人なんです。戦友というか、出来の悪い弟というか。彼と結婚したのは、大学を卒業して3年目のこと。デキ婚でした」
理系の派遣会社で働いているという広瀬ちあきさんは、埼玉県にある実家に住み、10代前半の子ども2人を育てている。小柄でてきぱきとして、それでいておしゃれな女性という広瀬さんの第一印象からは想像がつかない夫婦生活が、かつてはあった。
■双方の親が仲違い、結婚式もせず、出産直前に入籍
――お相手の方は同僚ですか? どこで知り合われたんですか?
「2歳下の彼と知り合ったのは、私が就職した年のことでした。女子会に乱入してきた男子たち、その一人が彼でした。そんな初対面ですからね、邪魔くさいな、というのが第一印象(笑)。有名人で似てるのは、嵐の二宮和也くんかな。気がつけば付き合っていて、毎週末を2人きりで過ごすようになりました」
――そのまま関係は続いたんですか?
「はい。彼も社会人になりました。営業職として入社して1年目で年収600万円。すごく口がうまいので、全国トップの成績だったとか。
そんな折、デキてしまったんです。勢いとか若気の至りと言われればそれまでですけどね。そこで口を挟んできたのが、彼の母親です。『堕ろして』と私に直接は言ってこないですけど、『結婚するな』と彼にずっと言ってたようです。そんな意向は無視して、2人で出産と同棲を決めました。住んだのは私の実家のある埼玉。彼は当初、嫌がっていましたけど、最後は折れてくれました。
問題は、双方の親の仲たがいです。うちの親が『娘さん孕ませてすみません、って挨拶があってしかりなのに、そういうのが一切ない』と言えば、彼の母親は『関わりたくない』って言うんです。そんな感じでこじれてしまって。関係はぐちゃぐちゃです」
――それで、出産はどうなったんですか?
「出産の1カ月前ぐらいで産休に入りました。未婚の母になるつもりはなかったので、『籍を入れなきゃ、一生あなたと会わない!』って強く言ったところ、生まれる2日前になって、ようやく籍を入れてくれました。そんなドタバタですから、結婚式どころではなかった。結局やらずじまいです。
出産日は大幅に遅れました。予定日から6日待っても、まだ出てこなくて。陣痛促進剤やバルーン[筆者注:子宮収縮を促す器具。風船状のゴム球を膣から挿入して使用する]を使って産むことになりました。今思えば難産でした。いきんでるうちに、気分が悪くなって嘔吐してしまったんです。時間的には大したことがなかったんでしょうけど、産み終わったときには精根尽き果てていました。彼は立ち会わなかった。というか、連絡しそびれて……」
――出産後は、どのような生活だったんですか?
「(産褥期は)実家で1カ月ほど過ごしました。回復が遅く、1カ月を過ぎても、ヨタヨタしていたんです。産着などのベビー用品は、生まれる前に最低限、自分で買ってあったり、生まれてから親に買ってきてもらったり。出産するまでは籍入れる入れないでもめてたので、『しっかり選んで』とか『備えなきゃ』とか、それどころじゃなかったんです。その間、彼は1人暮らし。親子3人で住むために、先に都内にマンションを借りて、そこに住み始めていました。実家へ娘を見に来たかって? いいえ、一度も来ませんよ」
――マンションで同居し始めてからの生活は、どうでしたか?
「彼は娘を風呂にも入れないし、おむつも替えない。家事もしない。その代わり、家事や育児に何も口出しをしないので、それはそれで文句はありませんでした。でも、彼は仕事の付き合いと称して、キャバクラや風俗に行ってましたね。それで私が『なんでそんなところ行くのよ』って問い詰めると、『事務をする子をスカウトするためなんだよ』とか、もっともらしい理由を言われて、丸め込まれちゃうんですよ。でも、店外デートまでする必要ないですよね」
――家計はどうだったんですか?
「家計は最低限、光熱費とマンションの家賃だとかは彼の口座から全部引き落とし。私が負担したのは食費ぐらいですかね。育児休暇手当があったので、食事と子どものもの、あとは病院代とかを賄ってました。
彼の手取りは、確か35万円ぐらい。遊びすぎてカードローン20万円分ぐらいを滞納し、ボーナスで返すとか。そういう自転車操業。経済的DVっていうんですか。そういうことはしょっちゅうでした。ケンカの後、財布のお金を全部没収されて、『お金がないから、ご飯が買えない。どうしよう』って泣きの電話を実家にかけたりとかね。お金を没収する目的? 私が彼に愛想をつかして逃げ出すのを防ぎたかったんでしょ。
対抗策として、引き出しとかに小分けにしてお金を保管してました。子どもが倒れて病院行かなくちゃいけなくなったりしても、お金がなければタクシーに乗れないじゃないですか」
――そんなことをされて、よく一緒にいましたね。
「いや、だからこそ2人目ができたのかも。『子どもが増えれば、もっと出歩きにくいだろう』『お金がかかるから、おまえは友達とも会えないだろう』みたいな。彼にとって子どもは、私をつなぎ留めておくだけの道具ですね。もちろん、子どもが2人になったからといって、彼は育児をするわけでもなく、相変わらず、好き放題遊んでましたけどね」
――暴力とか子どもへの虐待っていうのは、なかったんですか?
「私にしても、子どもにしても、思い切り怒鳴りつけられる、ということがありました。彼は外で酒を飲んでのトラブルをたくさん経験しているので、私たちに決して手は出さないんです。だから言葉ですね。でも、言葉のDVって証拠を取りにくいから、難しいですよ。録音をするにしても、いつ怒鳴られるかわからないし、録音しててばれたら、逆上して何をされるかわからない。だから、ほんとは殴ってもらって、診断書を取りたかったですね。実際殴られたらつらいでしょうけどね」
――別居のきっかけは、何だったんでしょうか?
「彼が朝帰りしてシャワーを浴びていた隙を縫って、財布の中を見たんです。レシートにカクテルの名前が書いてあって、また女と遊んでるなってピンときた。それで、カチンときて、彼が出勤前なのに、つい言っちゃったんですよ。『財布を見たわよ』って。すると『なんで出勤するタイミングで言うんだよ』ってキレられました。
怖いと思って、とっさにそのとき、保育園の年中さんだった上の子を抱えたところ、軽くなんですけど、私は足を蹴られました。上の子はおびえてました。下の子は、そのときまだ言葉の話せない乳児だったので、その辺で寝てても大丈夫でした。
怖くて私、たまらず110番したんです。駆けつけた警察官に、双方分かれて事情を話すんです。ところがその後『奥さんね、旦那さんの言ってることが、奥さんの言ってることと全然違うよ』みたいなことを言われたのかな。それこそ『嫁が蹴ってきた』ぐらいの、間逆のことを。すぐ後に、法テラス(無料法律相談窓口)に相談しました」
――弁護士に相談してから、どうなったんですか?
「事情を話したところ、『それ離婚できるわよ』って言われて、ハッとしたんです。それまで私、彼に洗脳されてたんですね。当時は『彼がダメなのは私のせい』だとか、『彼が怒るのは、私がこんな女だから』だとか考えてました。また、あまり自由に外に出してもらえなかったからか、さらに世界が狭くなって、一般常識がわからなくなってましたし。
だけど、弁護士にそう言われて、ふっと我に返ったというか、『よし、夜逃げしてやろう』と思い立ったんです。警察が来てから逃げるまでは2週間。期間が短かったので、子どもを預けられる施設を探すので精いっぱいでした」
(後編へ続く)
指原莉乃、お気に入りのメイクを公開で「表情があざとい」との声も
HKT48のメンバーである指原莉乃(24)が7月19日、自身のTwitterにお気に入りのラメメイクを紹介する自撮り写真を公開した。「目の上のラメが可愛いのでそれを伝えたくて懸命な顔」というコメントとともに、半目で目の上のラメを必死にうつそうとする指原の姿にファンからは、「そういう所ダイスキです☆」「懸命なのわかるよ」などコメントが多数寄せられた。
また最近では、デビュー当時と比べて整形を疑われるほどの急成長を遂げた指原のメイク術にも、大注目が集まっている。コメント欄には、「かわいー!なんてやつですか‼︎⁇」「笑 今回はなんのシャドウ?」「ラメ感めっちゃ可愛いです どこのアイシャドウですか??」などメイクに関する質問も。
一方で、アンチ指原からは「ラメかわいいけど、顔ヒドイな」「眠そうにしか見えませんよ、わざわざこんな表情するのはあざとい。」「こんなブスだったっけ?」と指原を批判する声も。
ぶっちゃけ系アイドルとして顔に自信がなくとも努力次第でかわいくなれることを、常々アピールしている指原。将来の方向性について、“どのようにメイクを施すのか”気になるところだ。
指原莉乃、お気に入りのメイクを公開で「表情があざとい」との声も
HKT48のメンバーである指原莉乃(24)が7月19日、自身のTwitterにお気に入りのラメメイクを紹介する自撮り写真を公開した。「目の上のラメが可愛いのでそれを伝えたくて懸命な顔」というコメントとともに、半目で目の上のラメを必死にうつそうとする指原の姿にファンからは、「そういう所ダイスキです☆」「懸命なのわかるよ」などコメントが多数寄せられた。
また最近では、デビュー当時と比べて整形を疑われるほどの急成長を遂げた指原のメイク術にも、大注目が集まっている。コメント欄には、「かわいー!なんてやつですか‼︎⁇」「笑 今回はなんのシャドウ?」「ラメ感めっちゃ可愛いです どこのアイシャドウですか??」などメイクに関する質問も。
一方で、アンチ指原からは「ラメかわいいけど、顔ヒドイな」「眠そうにしか見えませんよ、わざわざこんな表情するのはあざとい。」「こんなブスだったっけ?」と指原を批判する声も。
ぶっちゃけ系アイドルとして顔に自信がなくとも努力次第でかわいくなれることを、常々アピールしている指原。将来の方向性について、“どのようにメイクを施すのか”気になるところだ。
『黒革の手帖』初回11.7%も酷評の嵐!! 「武井咲は小娘」「トレエン・斉藤で興ざめ」と炎上
7月20日に放送された武井咲主演の新連続ドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)第1話が、平均視聴率11.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。2ケタで好調な滑り出しかと思いきや、ネット上は「酷評の嵐になっている」(芸能ライター)という。
「同ドラマは、松本清張の人気小説が原作で、2004年にも、武井と同じ事務所の先輩・米倉涼子主演で連ドラ化されました。当時は初回17.4%発進だったため、武井の数字は2ケタといえどもかなり劣っています」(同)
そんな武井が演じるのは、昼は銀行の派遣社員、夜は銀座のクラブでホステスをしている原口元子。第1話では、元子が働く銀行にトレンディエンジェル・斎藤司が本人役でやってきたのを、コネ入社の社員(さとうほなみ)がネット流出させてしまう。上司は、元子と、同じく派遣の山田波子(仲里依紗)に罪をかぶせようとしたのだが、それに気付いた元子は、反撃を決意し、前々から計画していた“横領”を実行。大金を手に入れ、その金で銀座のクラブのママになる……という展開だった。
「元子は“稀代の悪女”という役柄なのですが、ネット上では放送前から『武井に悪女は務まらない』と否定的な声が多く上がっていました。実際に第1話が放送されてからも、『小娘感が半端じゃない』『やっぱり演技もヘタだし、役に重みが足りないな』『銀座でやっていけるほど色気ある?』といったコメントが噴出したんです」(同)
さらに、批判を受けたのは武井だけではない。劇中で斎藤が、自身のギャグ「斎藤さんだぞ」を披露したことに対し、「一気にしらけた」「『黒革の手帖』にお笑い要素はいらない」「はやりものを入れたことで、安っぽくなって興ざめ」など、往年の『黒革の手帖』ファンの反感を買った。
「また、ゲスの極み乙女。のほな・いこかが、“さとうほなみ”名義で女優初挑戦を果たしたのですが、話題になっていた割に、目立つ役ではなかったため、『地味すぎて気づかなかった』『わざわざ、ほな・いこかを起用した意味ある?』と、拍子抜けする視聴者が続出しました」(同)
第2話以降、視聴率が急落しないといいのだが……。
『ひよっこ』和久井映見の“一目惚れ”演技が、まるで「アイドルのために生きるオタク」
ニッポンのお茶の間をわかし続ける国民的番組“朝ドラ”――そのあらすじと視聴者からの反響を、サイゾーウーマンが週1回(金曜日)お届けします!
『ひよっこ』(NHK総合/月~土、午前8時) 茨城県北西部の村に生まれたヒロイン・谷田部みね子(有村架純)が主人公。みね子が集団就職での上京を経て、様々な経験を積みながら自分の殻を破っていく姿を描いた成長物語だ。
【サイ女の朝ドラ通信バックナンバー】
<84話~89話>『ひよっこ』みね子と島谷が恋人同士に! 社会人なのに“中学生の恋“みたい?
<78話~83話>『ひよっこ』峯田和伸の笑顔に視聴者大号泣!? ビートルズへの熱い思いの裏に戦争体験
<75話~77話>『ひよっこ』みね子はクズギャンブラー!? 親切心につけこんだ押し売りに視聴者から「不快」の声
■7月15日(土)/90話~7月21日(金)/95話
90話では、あかね荘に住む大学生・島谷(竹内涼真)が、みね子との恋を親に打ち明けるために地元・佐賀へと帰ることに。91話では、島谷が帰省中で寂しさを感じているみね子の元を、以前の勤め先・向島電機の乙女寮で舎監を務めていた愛子(和久井映見)が訪れる。再就職先が見つからないため、みね子に会うのをためらっていた愛子。しかし、みね子との再会をきっかけに、すずふり亭・料理長の省吾(佐々木蔵之介)に一目惚れをする。そんな愛子に視聴者からは、「初対面の人に一目惚れしました! って言える“愛子さんワールド”さすがすぎる」「『現れてくれてありがとうございます』って、愛子さん最高に可愛い」「愛子さん、昔恋人を戦争で亡くすってつらい経験もしてるけど、それでも恋が生きる糧になってる。素敵だ」という声が続出。
92話では、愛子がすずふり亭の近くに再就職し、ランチを食べに来るようになる。また、奥茨城村から三男(泉澤祐希)の兄・太郎(尾上寛之)と、時子(佐久間由衣)の兄・豊作(渋谷謙人)が東京に訪れていた。三男と共にすずふり亭でハヤシライスを食べた太郎と豊作は、すずふり亭の仲間たちに、三男と時子、そしてみね子のことを託す。
佐賀に帰省していた島谷が戻り、うれしくてたまらないみね子の姿が描かれた93話。夜に2人で話したり、2人だけの合図を決めたりと、みね子は初めての恋を楽しむのだった。94話では、そんなみね子と島谷のほかにも巻き起こる恋の行方が描かれる。すずふり亭を訪れた時に、高子(佐藤仁美)に惚れた太郎は、それ以来、すずふり亭にりんごを送ってくるように。そのりんごと一緒に送られてきた「お嫁においで」という手紙に、高子は「お嫁に行きます」と返事を送る。一方、愛子はすずふり亭に通い続けていた。一目惚れ以降、ぶれずに省吾の姿を追いながらも、「スターに恋してる感じ」と伝え、近づこうとしない愛子に、視聴者は「愛子さん、完璧に推しアイドルのために生きるオタク」「気持ちがわかりすぎてつらい」「ちょっと遠くから追っかけてるのが一番楽しいの、完全に同意」と強く共感したようだ。
95話で、省吾の娘・由香(島崎遥香)は、島谷と島谷の父・赳夫(北見敏之)が喫茶店で話しているところに偶然居合わせる。島谷がみね子と付き合っていること、そして島谷に縁談の話が来ていることを知った由香は、話があると、みね子をバー月時計に連れていく。お節介は嫌いだと言いながら、みね子のことを気にかける由香の姿に、視聴者からは「由香ちゃん、やっぱりいい子だなぁ」「確実に鈴子さん、省吾さんの牧野家の血を継いでるね」との声が上がっている。
順調だと思った恋にまさかの急展開。みね子と島谷の仲は一体どうなってしまうのだろう。
アイドル愛を語り、杉作J太郎を絶賛、クラブで号泣……フジ『真夜中』が暴く、指原莉乃の本性
「Jさんに会いたいですもん、もはや!」 指原莉乃が、ラーメンをすすりながら言った。 「Jさん」とは、あの杉作J太郎。かつて、彼が地上波の番組で、女性アイドルにこれほど求められたことがあっただろうか? この少し前まで指原は、苦手な渋谷のクラブ(踊るほう)に連れていかれ、ついには泣きだしてしまっていた。 気分転換に、と入ったラーメン屋で、アイドルとしての節制で何年も食べていなかったというラーメンを食べて、ようやく落ち着きを取り戻した。 「ラーメンなかったら、『真夜中』嫌いになって帰ってた」 『真夜中』(日曜深夜1時25分~/フジテレビ系)は、今年4月から始まった指原とリリー・フランキーのロケ番組。その名の通り、“真夜中”に活動するさまざまな場所に赴き、そこにうごめく人々の話を聞くという内容だ。 街での移動は、帯同するスタッフも少人数で、カメラはほぼスマホのみという完全ゲリラ撮影だという。 たびたび指原が「人生初めて」と口にする通り、超がつくほどインドアな彼女にとっては、未体験で未知の世界。それをナビゲートするのが、“深夜”を中心に何十年も活動をしてきたリリー・フランキーというのは、まさにうってつけのキャスティングといえるだろう。 最初は、ピエール瀧を迎えた「銀座」編(第1~3夜)。銀座の高級クラブ(踊らないほう)で、夜の女の極意やお酒について語り合った。 次に訪れたのは「新宿2丁目」(第4~7夜)。ミッツ・マングローブがガイドする形でゲイバーなどを訪れ、ゲイカルチャーの歴史を聞く。マツコ・デラックスの編集者時代など興味深い話も連発で、指原も前のめりになって質問をしていた。 そして、やや趣が変わった「ファミレス」編(第8~11夜)。この収録の直前、指原は親知らずを一気に4本抜いたばかり。顔が腫れ、食べることはもちろん、笑うこともツラそうな最悪のコンディション。そんな中、ファミレスで待ち構えていたのは、吉田豪、杉作J太郎、土屋大樹、岩岡としえという、テレビとは思えない濃厚なメンバーだった。指原も、プロインタビュアーの吉田以外は、まったくの初対面だ。恐る恐るといった感じで、席に着く。 しかし、リリーが「夜中でみんなが集まってする話といえば、趣味の話」というように、趣味の話をし始めると、それが一変する。指原とほかの4人はみな、女性アイドルファンなのだ。 4人の話を聞きながら、みるみるテンションが上っていき、「懐かしー!」「ヤバい!」「泣きそうになる!」と大興奮の指原。 特に杉作のアイドルの愛し方やそのエピソードの数々に、笑うと痛む歯に「痛い、痛い!」と言いながら大爆笑。 「最近出会った人間の中で一番面白い」 と、絶賛していた。 指原は子どもの頃からアイドルファン。きっかけは、モーニング娘。の後藤真希だったという。大分に住んでいた指原はまだ小・中学生だったから、東京まで後藤を追っかけることはできない。だが、ハロー!プロジェクトのアイドルが、福岡など九州でライブをやるとなれば駆けつけた。その結果、いわゆる「ハロヲタ」になったのだ。 そして、トップアイドルになった今でも、現役のアイドルヲタだという。極力現場へ赴き、移動中や家ではアイドルのDVDを見て過ごす。 それがまったくウソではないことは、すぐに証明された。 番組では、ファミレスからイベントスペースの「渋谷ロフト9」へ移動。アパッチとケンケンというアイドルファンも合流し、アイドル映像鑑賞会をやるという。まずハロヲタのケンケンが紹介したDVDの映像を見始めると、紹介者よりもテンションが上がり、「一番泣けるところ!」「かわいい!」などと絶叫しながら踊りだす。 「誰よりもヤバい奴じゃん」 リリーが苦笑する中、指原は紹介者のお株を奪うように解説を始め、「このDVDなら、私が一番見せたいのがあります!」と言って、別のシーンを再生。 繰り返し見ているという指原は、そのシーンのどこがいいのかを「キャー、エモい!」と興奮しながら伝えるのだ。 「一回自分がアイドルを応援してきたからこそ、アイドルはこうあるべきとかがわかる」 と、リリーは指原のアイドルとしての強さを語ったが、まさにそれを如実に表すハイテンションな放送だった。 しかし、次の回(第12夜)では、そのテンションが一変することになる。前述の通り、渋谷のクラブに行くというのだ。 これも、指原にとって「人生で初めて」の体験。「偏見」だと自覚しつつも、「一番苦手」「クラブとかフェスに行くような人と、友達にもなりたくない」「信用できない」と、道中に嫌悪感をあらわにしている。 番組では、FPM・田中知之、高木完、川辺ヒロシらが、クラブシーンやDJの歴史の変遷などを指原にレクチャーしていく。 この3人は、いずれも落ち着いた雰囲気。指原が抱くクラブやDJの人のイメージとは離れているため、素直に話を聞き、凝り固まった偏見が徐々にほぐれていく。 高木指導のもと、ラップにも初挑戦。 「人生でやった仕事で一番恥ずかしい」 と言いながらも、なんとか仕事を全うしている感じだった。 そうやって、偏見を解いていき、最後には「新しい世界が好きになりました!」みたいな展開が、よくテレビで見かける流れだ。 しかし、いざ実際にクラブを訪れると、やはり顔がこわばってしまう指原。プロのダンサーの踊りに圧倒されながらも、それ以上に「酔っ払って踊ってる人が怖い」と、その場の客の雰囲気になじめない様子。 実は、何軒かクラブを回った後、最後にDJがAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を流し、そこで指原がステージに上り、みんなで一緒に踊るというプランがあった。 「怖い」と繰り返す指原に、リリーは「人と出会ったり、みんなでパーティーを楽しみたいっていう人のイベントが大箱であるっていうことは、そういうのが求められているってこと。そこで楽しんでいる人も、今日の指原みたいに、最初は怖い、嫌だって思っているうちに、そうじゃないって誤解を解いていく瞬間がある」などと、実際に経験すると変わることもあると言って、エンディングのプランを話すと、指原は一層顔をこわばらせた。 「怖い……。シンプルに……」 そう言うと、みるみる目に涙がたまっていき、「ごめんなさい」と、ついに我慢できずにないてしまうのだ。結局、指原は番組が用意したプランを実行することができないまま、ラーメン屋のシーンにつながっていくのだ。 それはテレビ的な予定調和ではない、指原莉乃のドキュメントだった。たとえ、偏見が緩和されても、「好き」や「嫌い」は簡単に変わることはない。番組の冒頭には、雑誌「真夜中」発行人・孫家邦(リトルモア代表)の言葉が引用されている。 「真夜中に、陽のあたる場所で言えなかったことを言おう 真夜中に、陽のあたる場所でできなかったことをしよう」 真夜中は、そこでうごめく人たちの昼間では見せない本性が暴かれる時間だ。取り繕うことをやめ、「好き」や「嫌い」に忠実になって、むき出しになる。それを『真夜中』は切り取っていくのだ。 「Jさんに会いたい」と指原がつぶやいた直後、次回予告的に杉作J太郎が自転車で真夜中の街を疾走するシーンが挟み込まれた。 まさにそれは、指原を助けにくる救世主のようだった。 しかし、実際に杉作が再登場すると、指原は「この番組は杉作J太郎しか呼べないの?」と、うれしそうに笑った。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから撮影=後藤秀二


