浅草キッド・水道橋博士が、キングコング・西野亮廣がMCを務めるインターネット番組『エゴサーチTV』(AbemaTV)に出演し、ダウンタウンと共演しなかった過去を語った。これは「忠臣は二君に仕えず」の精神から、ビートたけしに仕える自分が、ダウンタウンの影響を受けないために共演しないルールを自らに課していたためで、さらに、かつての若手芸人は派閥同士でエレベーターで会わないようにするなど、緊迫したムードが漂っていたと回顧した。 「今のひな壇芸人は、みんなで和気あいあいがデフォルトですが、かつてはお互いが敵であり、ライバルだったのは確かですね。それは同じ事務所であっても同じこと。吉本興業が関東進出のために作った『銀座7丁目劇場』のボス的な存在だった、いわゆる“東京組”の極楽とんぼ・加藤浩次が、ペナルティやロンドンブーツ1号2号をはじめとする後輩芸人に『関西芸人としゃべるな』と厳命していたのはよく知られてた話です」(業界関係者) 東西の共演NGばかりではない。各芸人がそれぞれにトガっており、あの人気芸人も今とはまったく異なるキャラクターだった。 「持ち前の明るさで人気芸人となったアンタッチャブルのザキヤマこと山崎弘也は、まったくしゃべらず、前に出ないことがあえてクール、といった振る舞いを貫いていました。今とは180度違いますよね。ザキヤマの兄貴分だったくりぃむしちゅー(当時は海砂利水魚)の有田哲平も同様です。さらに、イジられキャラとしてブレークしたアンジャッシュの児嶋一哉もしゃべらず、『孤高の天才みたいな感じで行きたかった』と名古屋ローカルのバラエティ番組『太田上田』(中京テレビ)で暴露し、笑いを誘っていましたね」(同) 今となっては信じられない話だが、ほんの15~20年前にはピリピリ張り詰めたシビアな世界が存在したのだ。 (文=平田宏利)水道橋博士のオフィシャルブログより
日別アーカイブ: 2017年7月12日
資料紛失……大失態のTBS『マツコの知らない世界』は『なんでも鑑定団』を見習え!?
『マツコの知らない世界』(TBS系)が大失態をやらかした。番組出演者から借り受けた新聞号外の資料8点を紛失したのだ。 TBSは9日、番組公式サイトで紛失した資料の画像を公開、情報提供を求めている。資料を提供した号外研究者、小林宗之氏のサイトにも同じ内容が掲載された。 気になるのは番組側の対応である。小林氏のサイトでは「TBS側により警視庁赤坂署に16年12月5日付で紛失届を提出済ですが、現在に至るまで、資料の返還を受けられておらず、資料も発見されておりません」と経緯が説明されているが、番組公式サイトでは「貴重な資料の一部を、番組の不注意で紛失してしまいました」としか記されていない。“紛失届の提出”がまるで他人事のようだ。 これを受け、ネット上では「新聞号外は古新聞と同じ扱いだったんだろうな」「これは『絶対に捨てたとは言わない』新しいゲームか」といった、番組のずさんな対応を批判する声が上っている。 「新聞号外は、基本的には縮刷版には収録されません。データベースで閲覧が可能な場合もありますが、原紙は直接入手するしかない。今回紛失した号外は、新聞社はもちろん、国会図書館にすら存在しない大変貴重なもの。お金を出して買い戻せる類いの資料ではありません。さらに、新聞紙は紙そのものが劣化しやすく、保存が大変難しいため、同じ状態のものが入手できる可能性は限りなく低い。さらに、被害の当事者である小林氏は、大学院で新聞号外を研究する専門家です。号外は単なるレアものアイテムではなく、文化財、学術資料としての側面もあるでしょう」(メディア史に詳しいフリーライター) 今回の事件の背景にあるのは、インターネット検索でしかネタを探さないような姿勢に顕著な、番組制作体制の劣化だろう。“モノ”に対する愛情はもちろん、しっかりとした管理体制があれば、こうした事件は起きなかったはずだ。 「お宝番組として知られる『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)では、かつて、日本通運がスポンサーについていました。日本通運には、美術品の運搬を専門に行う輸送部門があります。現在もスポンサーについている非破壊検査株式会社も、美術品鑑定に応用できる技術を持った会社です。番組スポンサーになるほどの関係を築くのは無理としても、新聞号外も本来ならば貴重な資料として『鑑定団』レベルのフォローが必要だったといえるでしょう。ネットで指摘される通り、番組サイドはちょっと珍しい『ただの古新聞』程度の認識だったのかもしれません」(同) 今回の事件はネットメディアだけでなく一般新聞でも報じられており、注目度が高い。仮に博物館や美術館が同じことをすれば、さらに大きな問題となっていたはずである。『マツコの知らない世界』のスタッフがやらかした行為は、それほど深刻なのだ。 (文=平田宏利)TBS『マツコの知らない世界』番組公式サイトより
KAT-TUN亀梨和也ソロツアー『The一(ファースト)~Follow me~』前夜のお供はこの1冊で決まり!
激動の10年間! KAT-TUNデビューから“すべてのメンバー”の笑顔を収録した豪華フォトレポート。
充電前の10Ksツアーにも密着!
・あの時の思い出はいつまでも心のなかに:004P~
・2012年2月24日 KAT-TUN LIVE TOUR 2012 CHAIN(大分ビーコンプラザ):010P~
・2012年3月2日 KAT-TUN LIVE TOUR 2012 CHAIN(京セラドーム大阪):026P~
・2012年4月22日 KAT-TUN LIVE TOUR 2012 CHAIN(東京ドーム):042P~
・2012年12月21日 ミュージックステーションスペシャル スーパーライブ2012:060P~
・2012年12月31日 ジャニーズカウントダウン2012-2013:062P~
・2013年12月27日 ミュージックステーションスペシャル スーパーライブ2013:068P~
・2013年12月31日 COUNTDOWN LIVE 2013 KAT-TUN(京セラドーム大阪):076P~
・2015年5月9日 KAT-TUN LIVE 2015 “quarter” in TOKYO DOME:082P~
・2015年12月31日 ジャニーズカウントダウン2015-2016:112P~
・2016年4月3日 KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR “10Ks!” ナゴヤドーム:122P~
・最終日公演前会見ハイライト:156P~
・Biography / Discography
真木よう子、松雪泰子、木村文乃……なぜ女優のSNSは痛いのか?
知恵をお借りします^ ^ pic.twitter.com/q0SPksznFM — 真木よう子 (@makiyokohonnin) 2017年7月9日
女優の真木よう子が開設したTwitterが、一部で「痛い」と話題になっている。
「皆様を『いちファン』だとか『一般人』とは、思っていないのです。同様に、皆様にも私の事を『世界の違う人』とか『芸能人』と、とらえて欲しくないのでした。私も貴方様も同じ人間です。人対人です。だから多くの皆様とコミュニケーションを取れる場が欲しいと思ったのです」と開設理由をつづり、「私なんかの返信で、少しでも幸せを感じる方が居るのであれば」と、ファンからの質問に丁寧に返信する様子には「神対応」と称賛する声が上がっているのだが、その一方で、「Twitterとやら、始めました。初めまして。ワタクシ通り名真木よう子。」と独特のあいさつからスタートし、ネット用語「ワロス」「ナウ」のちょっとズレた使用法、すっぴん自撮り、本人だと証明するために直筆アカウント名入りの紙切れを口でくわえる写真の投稿などは、「痛い」と評判になっているようだ。
ほかにも、SNSで「痛いかも?」と感じる女優には、松雪泰子、吉高由里子、木村文乃らがいる。
松雪はやけに色彩の薄い自撮り(毎回ほぼ同じキメ顔)がお得意で、確かに美しいのだが、「見続けているとおなかいっぱい」とネット上で注目を浴びた。吉高といえば、約6年前の開設当初からブレないポエム調投稿が話題で、最近でも、アーティスティックな夕焼けの写真と共に「終わっていく場所と どこかで始まっていく場所 ちゃんとみてないと すぐなんだから」とつぶやくなど絶好調だ。また木村は、自慢の手料理に自ら「ふみ飯」とハッシュタグをつけ、最近では何気ない風景写真に新たな造語「ふみさんぽ」なるハッシュタグをつけるなど、自己ブランディングに余念がない様子が垣間見える。
女優はドラマや映画では演出される立場だが、SNSでは自分で自分を演出することになる。個性強めのツイートが目立つ真木や吉高、木村は、自己演出にはっきりとした指針があるタイプのように感じる。
例えば、これまではクールな役柄が多かった真木は、Twitterで「一般人とも同じ目線でやり取りできる気さくな自分」「SNS慣れしていない自分」「クールに見られるけど実はそうじゃない自分」を打ち出したいという気持ちを持っていて、それがTwitter慣れしていないことも相まって、だだ漏れてしまっているように見える。一方、自己演出にそれほどの熱意はないが、美しさには自信のある松雪タイプも、「ただ美しい」という事実のみをアピールし続けた結果、人々の反感を買ってしまったのではと感じるのだ。どちらのタイプも、Twitterに“これまでのイメージとのギャップ”を感じてしまうと「痛い」と思われるのかもしれない。
見えない部分は勝手に妄想してもらう方が得な気もするのだが、そうおとなしくもしていられないメンタルを持っているのが“女優”なのだろうか。
大江綾子(おおえ・あやこ)
日夜、テレビや週刊誌、芸能人のSNSなどをウォッチングしているライター。どこか癖のあるニオイを放つ女性タレントがお気に入り。
松居一代、名誉棄損の可能性も! 「週刊新潮」に家の中の写真を撮られたと主張
“離婚騒動”で世間を騒がせている松居一代だが、7月11日夜にアップしたYouTube動画では、身を隠していた89歳の一般人女性の家を「週刊新潮」(新潮社)に探し当てられ、2人が家の中で食事をしている写真を勝手に撮られたと主張している。しかし、翌12日発売の同誌に掲載されていたのは、部屋の中の写真ではなく、松居がひとりで路上を歩いている写真だけだった。事の経緯はわからないが、もし本当に松居の言い分通りに、家の中を覗いたり撮影していた場合、罪になるのだろうか? アディーレ法律事務所の吉岡達弥弁護士に聞いた。
吉岡弁護士によると、もし「週刊新潮」の記者が、松居が滞在していた家を、こっそりのぞき見ていたなら、軽犯罪法1条23号の「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」に該当する可能性があるという。
「同号に該当すれば、1日以上30日未満の拘留、または1,000円以上1万円未満の科料となります」
では、もし松居の主張が被害妄想で虚偽の発言だったとしたら、松居側にどんな法的責任が生じるのだろうか?
「名誉棄損罪が成立する可能性があります。松居氏は、『週刊新潮』が、松居氏と89歳の女性が家の中で食事をしている写真を撮ったと主張していますが、これは、同誌が軽犯罪法違反に該当する行為、つまり違法行為をしたという主張ですので、『週刊新潮』の社会的評価を害するおそれのある行為を松居氏が行ったといえます。そのため、名誉棄損罪として、3年以下の懲役か禁固又は50万円以下の罰金となる可能性があります」
松居はすでに、この女性の家を出て、カプセルホテルに滞在しているとブログに綴っている。週刊誌などでは、松居の発言と事実の異なる点がいくつも指摘されつつあるが、妄想なのか虚言なのか、自らの主張を一方的に撒き散らし続ける彼女の真の目的は何なのだろうか。
『VS嵐 SP』に山下智久&KinKi Kids堂本光一登場! 7月13日(木)ジャニーズアイドル出演情報
――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!
※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。
●TOKIO
8:00~ 9:55 『白熱ライブビビット』(TBS系) 国分太一
11:25~11:30 『国分太一のおさんぽジャパン』(フジテレビ系) 国分太一
18:55~19:25 『Rの法則』(NHK Eテレ) 山口達也
19:56~20:54 『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系) 国分太一
●KinKi Kids
【ゲスト】
19:00~20:54 『VS嵐 SP』(フジテレビ系) 堂本光一
『VS嵐 SP』に山下智久&KinKi Kids堂本光一登場! 7月13日(木)ジャニーズアイドル出演情報
――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!
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●TOKIO
8:00~ 9:55 『白熱ライブビビット』(TBS系) 国分太一
11:25~11:30 『国分太一のおさんぽジャパン』(フジテレビ系) 国分太一
18:55~19:25 『Rの法則』(NHK Eテレ) 山口達也
19:56~20:54 『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系) 国分太一
●KinKi Kids
【ゲスト】
19:00~20:54 『VS嵐 SP』(フジテレビ系) 堂本光一
私たちは、食べるものをイメージで選んでいる。禁断のサル肉を食べながら「食の境界線」を考える
「食の良し悪し」とは何でしょう。基準は実に、人それぞれです。糖質やカロリーが少なければ少ないほどよしとする人もいるでしょうし、産地や作り手など〈納得のいく出所〉であることが重要とみなす人もいるでしょう。その他SNS映えやコスパ、栄養バランス、etc……。
そんなことが頭に浮かぶのは、生まれて初めて〈猿〉を食べたからです。場所は、毎度おなじみ状態になってきた、東京・新宿三丁目の「新宿肉区 パンとサーカス」。前回の記事では同店のイベントで〈性器料理〉を食しましたが、今回は今月10日から始まっているフェア「完全予約制モンキーミート」の試食班として、メニューをいち早く口にさせていただくことに。
前回当サイトでご紹介した同店の性器料理は、「摩羅(豚・牛)の麻辣火鍋」とダジャレをかましてくれましたが、猿料理でも期待を裏切らず「猿のスパイシー串(1本1200円)」の付け合せは〈バナナ〉、「猿のグリル(2400円)」は〈サルサソース添え〉という飛ばしっぷり!
これを私と一緒に食してくれたのは、「カニバリズム」をテーマにしたアニメ作品を制作した映像作家・佐藤懐智氏(以下佐藤)と、messyで連載を持つ桃子さん(以下桃子)。そして親戚が猿肉を食していたというプロフィールを持つ、格闘家のT氏。
猿肉フェアで提供されるのは、害獣駆除で捕獲された島根県のニホンザル。猿料理と聞けば、きっと多くの人が頭に思い浮かべるのは、映画『インディ・ジョーンズ魔宮の伝説』に登場した、ショッキングな〈猿の脳みそ料理〉かもしれません。でも実際はそこまで奇妙な食べ物というわけでもなく、昭和初期、一部の地域では〈冬の味覚〉として比較的知られた食肉であり、魯山人は「当時は豚よりもむしろ猿を食っていた」(『魯山人珍味』(中央公論)より)と語っています。
猿肉が現在食べられなくなったのは、1974年に狩猟鳥獣から外され、有害駆除許可が下りないと捕獲できなくなったから。タイミングよく手に入れば……という限定品となったのです。そんな〈幻の肉〉を、いろいろな立場の人たちと猿を味わいながら雑〜に語り合ってみたいと思います。
◎いざ、禁断の〈猿肉〉を実食!!
藤&桃子「(ひと口食べてみて)思いっきり普通のお肉ですねー!」
桃子「寒いところに生息している猿だから脂たっぷりなのかと思ったら、全然そんなことないんですね。すごくさっぱりした味」
佐藤「でも脂肪の少ない肉を食ってるというストイックさもなくて、ちゃんとおいしい。うちの近所に鹿肉を出している店があるんですけど、それと比べてもこっちのほうがクセがないですよ」
ギリコ「ヒツジ、ウサギ、クマ、カラス、ハクビシン、コウモリなんかと比べても、圧倒的に上品。柔らかいんだけど繊維がギュッとつまっている感じで、肉を食べています! という歯ごたえがかなり好みです。味付けにスパイスが使われているけど、ソースなしでもどんどん食べられてしまう」
T「僕の大叔父が青森の南のほう、秋田との県境周辺で狩猟をやっていたんです。家にクマの毛皮があったり、母はよくキジ鍋を食べさせてもらったなんて話もしていましたね。で、そのおじさんに一番美味しいのは? って聞くと、猿なんですって」
ギリコ「数年前、趣味で狩猟をしている人たちに猿は食べないのか聞いてみたら、『気味が悪い』なんて言われたものですが、時代の差もあるのかな。ちなみに今回皆さんにお声をかけたときも、佐藤監督は〈食べたくない!〉と(笑)」
T「どうしてもほかの獣と違って、ちょっとグロいというイメージはあるみたいですけどね。実際、大叔父の家族も村の人たちも気味悪がっていたという話です。だから猟師の人たちだけで消費されていたんだとか」
桃子「目の位置が人間に近いっていうだけで、なんとなく禁忌感ありません? 今回こうして美味しいということは分かったけど、じゃあ次も頼むかと聞かれたら……私はきっと食べない(笑)。ワニもカンガルーも抵抗ないんですけど、猿は自分の中にあるタブーのコードに引っかかる感じがするんですよ。食べる風習のある文化は決して否定しませんが、あくまで個人的な線引きとして。でも、〈昔の人は知っていた味!〉みたいな日本人のナショナリズムをくすぐられると、あっさりハードルを越える人も多そうな気はします」
ギリコ「タブーまで深い話じゃないんですが、私の場合は、昔バブルス君(故マイケル・ジャクソンのペット)カワイイーとか言っていたんで、〈お友だちを食べる〉的な罪悪感は否めませんねえ。でもそういった、カワイイと思ってはじめて、種は違えど自分たちと同じ生き物だということが実感できるんですかねえ。生きた肉を加工する体験が日常にない我々は。私なんかは虫を完全に食材扱いしていますけど、それに対してタレントのカブトムシゆかりさんは『ゴキブリは家族なのに、食べるなんて!』となる。虫のかわいさに目覚めたら、命の重みがもっと実感できて、さらにありがたみとおいしさがふくらむのか……」
佐藤「ヒトがヒトを食べると身体によくない、らしいじゃないですか。だからサルの場合は、人に近いイメージの猿を食べ続けると何かある……!なんて思うのもあるんじゃないですか。狂牛病も、要は牛が牛を食べたから発生した病気であって、ほかには近親相姦も遺伝上ダメ。どれをとってもあまり近しいのはよくないって感じですよね」
◎食べる・食べないの境目
ギリコ「なんでしょうね、食べる食べないの決定的な境目って。環境保護の視点はさておき、文化や倫理観における境目。いつもあちこちで話題に出すんですけど、戦中戦後の広島が舞台の『はだしのゲン』で、食糧不足が深刻になってからやっと、家族で山にイナゴを取りに行くエピソードがあるんですよ。山盛り取れて、しかも美味しいタンパク質。飢えるくらいなら、せっせと毎日食べようよ! と思うんですけど、あれって何故なのか」
桃子「連続テレビ小説の『ととねえちゃん』でも、戦後にハトを捕まえて売りにいったら『こんなもの食わねえ、キジバトだよ!』と言って買ってもらえない話が出てくるんですけど、食糧難でも食べるものを選ぶんだなって思わず感心しちゃいました」
佐藤「『はだしのゲン』の虫の話は、原爆後、街にあふれた遺体に虫がわきまくったから、そこからの禁忌があるのかもしれませんね。欧米で食べないのは、虫が病気を運ぶというイメージがあるから日本とはまた違うんだろうけど。映画『エクソシスト2』では、悪魔がイナゴを操り、〈凶作の神〉という恐怖として描かれますよね」
ギリコ「聖書では一応、地を這うタイプはダメだけど、ぴょんぴょん跳ねるイナゴは食べてOKという記述があるのになー。正直〈不浄〉の世界観が、私にはよくわからないんですけどね」
佐藤「倫理も恐怖も文化が違えば、基準が違うのが当たり前ですからね。たとえば、タイのホラー漫画を読んでも、日本人の僕からしたらギャグにしか見えない。ホラー映画の『リング』が秀逸だったのは、当時VHSが世界中に普及していて、それが恐怖をもたらす小道具として多くの世界でも理解され、怪談として広い範囲で成立したから」
桃子「最近は〈春画〉が芸術っていうノリがありますけど、あれも実際は時代によってエロの基準が違うからそう受け止められてるってだけなんですよね。当時はあれがエロくても、今の時代では全然エロじゃない」
佐藤「逆に今どきのエロ漫画も、数百年後には芸術になりうるわけで。60年代は革のジャンプスーツを着た女性なんて大変なポルノグラフィティだったけど、今じゃ普通ですからね。ところで、今の日本人は禁忌の視点から食べないものって、あまりないですよね。結局、いろいろな世界の倫理と比べると、日本人は欲望に忠実でスケベなんですよ。秋葉原なんて、外人にとっては驚嘆の街ですからね。毛さえ見せなければ何やってもいい、みたいな」
ギリコ「それに加えて日本の食は、舶来信仰もあるかも。エスカルゴも本来虫に近い生き物で明らかに嫌われてもおかしくないのに、フレンチで食べられているからOKという認識の人が多いし」
桃子「私以前、あるフレンチレストランへ行ったとき、入口近くにウシガエルが鎮座していたから普通に食材だと思って『逃げてましたよ』って店の人に言ったら、まさかの野ガエルだったことがあります(笑)」
ギリコ「お店もびっくり(笑)。あとは、育った家庭やどんな文化を好むかといった個人差もありますよね。何でも食べられる方が文化度が高くて偉い!というわけではありませんが」
桃子「変わった食材だと、ちょっとチキンレース的な要素もありますよね。逆に私が絶対食べられないのは、セミ! 昔、歯医者の待合室で偶然読んだホラーマンガのせいなんですけど。食の是非にそれぞれの文化的経験が関係するなら、日本のホラーマンガは絶対に食トラウマを生んでますよ! エロ方面も同じで、ひどい犯罪表現とかがあるとトラウマになったりもします」
ギリコ「じゃあ、〈これは猿肉だ〉というみえみえの嘘で納得したふりして、人肉を食べる小説『野火』を読んで、猿肉食べられない……! なんて人もいるかもしれませんね。巷のウワサでは、実際は豚が人肉の味に近いなんてウワサもありますけど、どうなんでしょ」
桃子「腸内細菌の割合も、人間と豚が近いって言いますよね」
桃子「薬効という視点からは、前に六本木の有名店で冬にクマとイノシシを食べたら体がポッカポカになって、改めてすごいんだなって思いました」
佐藤「ウシも、人間よりはるかにパワフルな生き物じゃないですか。それを消化するので、人間が元気を出しちゃうんですよね。出る、じゃなくて、出す。消化器官もがんばらないといけないし」
◎添加物も農薬も、イメージの問題
桃子「先日、椎名誠さんの『にっぽん全国 百年食堂』を読んでいたら、日本のほかにもフランスや韓国に馬肉をを食べる文化はあるけど、イギリス人はすごく嫌がるという話が出てきました。戦いに行って負けると馬を食べるしかないという〈負けの象徴〉なんですよ。味がどうこうじゃなく、文化的精神的に食べたくない、と」
ギリコ「虫も、戦時中を経験した世代は〈仕方なく食べていたもの〉という印象があって嫌だ、という話はすごく多いです。人は〈イメージ〉で食べているところが、圧倒的に大きいでしょう。添加物農薬を避ける人たちも、実際にどんな害がどれだけあるのかという事実はあまり関係なくて、何となく怖い、自然じゃないからダメというイメージだけで否定している人も少なくないはず」
佐藤「体にいいものを食べているという気持ちからプラセボ的に健康になることもあるので、悪いことではないんだけど、あのへんはちょっと選民思想も入ってきますよね」
ギリコ「家族のために環境のために、選び抜くことをしたという私たちだけが助かる、みたいな感じですかね」
桃子「アンチミルクで語られる、牛乳は仔牛が飲むべきもので人間が飲むものじゃないという主張も、完全に人間の勝手な〈かわいそう〉のイメージですよね。そもそも家畜を否定しているし、しかも本来牛乳は殺さずにたんぱく質をとれるというメリットもあるのに。一部のベジタリアンのあいだでは、エビやカニは痛覚がないから食べていいなんて話も聞くけど、あれなんて完全に〈差別〉ですよね」
ギリコ「人間の勝手な価値観で、〈肉〉に優劣をつけないでほしい」
桃子「私がいつも意味が分からない!って思うのは、包丁のテレビショッピングで見る『このトマト、切られているのに気づいていないんです!』という表現。刃物がいかに切れるかということを伝えたいのは分かるんですけど、そのトマトが美味しいことになるの?」
ギリコ「『美味しんぼ』でも人気アイスクリームショップのアイスは空気をたくさん含んでいるから断面スカスカ! ってあったなあ。おいしいものにはちゃんと理由があるという文脈なんですが、私たちが美味しいと思うものって、裏付けよりもやっぱりビジュアルですよね」
桃子「いかにも美味しそうな料理写真でも、撮影されているそれはガチガチに冷凍されたアイスクリームだったり、ツヤ出しのために油をたっぷり塗られた料理だったりするから、完全にイメージですよ。私たちは、目で食べている。青色で食欲減退させるダイエットふりかけなんてありますし。今はお菓子の『ねるねるねるね』とかアメリカンなケーキとか、ケミカルな色が日常にあるから、少し感覚がマヒしている部分もありそうですが」
佐藤「食べ物は玩具化すると、ケミカルに対するハードルは一気に下がるんですよね」
ギリコ「スピリチュアルな視点の食はどうでしょう。波動を高めるたべもの!とか。聖なる場所である沖縄の御嶽(うたき)にいる猿はエネルギーが高いわ!とか。って、沖縄に猿いないけど」
桃子「猿を食べると猿の何かが取り込めるってなるわけですねえ。知性の象徴だから、知的になる(笑)?」
ギリコ「日本では尊敬されていた故人の仁徳にあやかろうと骨を食べる、〈骨かみ〉とかありますよね。胎盤食やヒトの肝臓から作る薬(江戸時代の人胆丸)と違って、あれもスピ食のひとつなんですかね」
佐藤「スピはさておき、要はだいたいの食材はイメージ戦略して宣伝すればなんとかなっちゃう世界なんですよね。よくある、ウシのキャラクターが『ウシって美味しいよ!』と宣伝している矛盾は、僕の作品『カニバル星人』の起点だったりするんですが。街で見かけるアメリカンポークの宣伝では、豚に『冷凍庫で僕は楽ちん!』とか言わせている(笑)。まあ食べる以上、リスペクトは必要ですし、きれいなうわっぱりだけ見て誰も傷つかず満腹になるのも必要でしょう。動物愛護団体が露悪的に屠畜現場とか隠し撮りして流すじゃないですか。あっちのほうが、ちょっと違うと思うんですよね」
ギリコ「萌えキャラパッケージ食品とかも、肝心の中身(食品)とビジュアルイメージがマッチしているのか、実際にその食品のイメージ向上になっているのか、そのうち観察してみたい。なんにしても〈命に感謝して、美味しくいただく〉という基本がすべてで、宗教や病気の問題がからまない限り、肉は極力平等に食したいところです。スーパーに並ばない〈マイナーミート〉は、その基本を再認識させてくれる食材だ……なんてまとめは無難すぎ?」
桃子「あ、せっかくですから最後にワニの手羽先も食べておきましょうよ」
ギリコ「サル、虫、ヘビには拒絶反応を見せる桃子さんの境界線も、結構ナゾ!」
(虫食いライター・ムシモアゼルギリコ)
◎Infomation:猿肉フェア「完全予約制モンキーミート」(完全予約制)
期間:2017年7月10日(月)~売り切れ次第終了
場所:新宿肉区 パンとサーカス ※新宿三丁目駅から徒歩1分
03-6457-8532
通常メニューも「ウサギのサラダ」や「ミールワームタコス」「フライドカラス」etc.好奇心を刺激される、「肉」が勢ぞろい! とは言え鉄板の人気メニューは、ウシやブタらしい(笑)。
私たちは、食べるものをイメージで選んでいる。禁断のサル肉を食べながら「食の境界線」を考える
「食の良し悪し」とは何でしょう。基準は実に、人それぞれです。糖質やカロリーが少なければ少ないほどよしとする人もいるでしょうし、産地や作り手など〈納得のいく出所〉であることが重要とみなす人もいるでしょう。その他SNS映えやコスパ、栄養バランス、etc……。
そんなことが頭に浮かぶのは、生まれて初めて〈猿〉を食べたからです。場所は、毎度おなじみ状態になってきた、東京・新宿三丁目の「新宿肉区 パンとサーカス」。前回の記事では同店のイベントで〈性器料理〉を食しましたが、今回は今月10日から始まっているフェア「完全予約制モンキーミート」の試食班として、メニューをいち早く口にさせていただくことに。
前回当サイトでご紹介した同店の性器料理は、「摩羅(豚・牛)の麻辣火鍋」とダジャレをかましてくれましたが、猿料理でも期待を裏切らず「猿のスパイシー串(1本1200円)」の付け合せは〈バナナ〉、「猿のグリル(2400円)」は〈サルサソース添え〉という飛ばしっぷり!
これを私と一緒に食してくれたのは、「カニバリズム」をテーマにしたアニメ作品を制作した映像作家・佐藤懐智氏(以下佐藤)と、messyで連載を持つ桃子さん(以下桃子)。そして親戚が猿肉を食していたというプロフィールを持つ、格闘家のT氏。
猿肉フェアで提供されるのは、害獣駆除で捕獲された島根県のニホンザル。猿料理と聞けば、きっと多くの人が頭に思い浮かべるのは、映画『インディ・ジョーンズ魔宮の伝説』に登場した、ショッキングな〈猿の脳みそ料理〉かもしれません。でも実際はそこまで奇妙な食べ物というわけでもなく、昭和初期、一部の地域では〈冬の味覚〉として比較的知られた食肉であり、魯山人は「当時は豚よりもむしろ猿を食っていた」(『魯山人珍味』(中央公論)より)と語っています。
猿肉が現在食べられなくなったのは、1974年に狩猟鳥獣から外され、有害駆除許可が下りないと捕獲できなくなったから。タイミングよく手に入れば……という限定品となったのです。そんな〈幻の肉〉を、いろいろな立場の人たちと猿を味わいながら雑〜に語り合ってみたいと思います。
◎いざ、禁断の〈猿肉〉を実食!!
藤&桃子「(ひと口食べてみて)思いっきり普通のお肉ですねー!」
桃子「寒いところに生息している猿だから脂たっぷりなのかと思ったら、全然そんなことないんですね。すごくさっぱりした味」
佐藤「でも脂肪の少ない肉を食ってるというストイックさもなくて、ちゃんとおいしい。うちの近所に鹿肉を出している店があるんですけど、それと比べてもこっちのほうがクセがないですよ」
ギリコ「ヒツジ、ウサギ、クマ、カラス、ハクビシン、コウモリなんかと比べても、圧倒的に上品。柔らかいんだけど繊維がギュッとつまっている感じで、肉を食べています! という歯ごたえがかなり好みです。味付けにスパイスが使われているけど、ソースなしでもどんどん食べられてしまう」
T「僕の大叔父が青森の南のほう、秋田との県境周辺で狩猟をやっていたんです。家にクマの毛皮があったり、母はよくキジ鍋を食べさせてもらったなんて話もしていましたね。で、そのおじさんに一番美味しいのは? って聞くと、猿なんですって」
ギリコ「数年前、趣味で狩猟をしている人たちに猿は食べないのか聞いてみたら、『気味が悪い』なんて言われたものですが、時代の差もあるのかな。ちなみに今回皆さんにお声をかけたときも、佐藤監督は〈食べたくない!〉と(笑)」
T「どうしてもほかの獣と違って、ちょっとグロいというイメージはあるみたいですけどね。実際、大叔父の家族も村の人たちも気味悪がっていたという話です。だから猟師の人たちだけで消費されていたんだとか」
桃子「目の位置が人間に近いっていうだけで、なんとなく禁忌感ありません? 今回こうして美味しいということは分かったけど、じゃあ次も頼むかと聞かれたら……私はきっと食べない(笑)。ワニもカンガルーも抵抗ないんですけど、猿は自分の中にあるタブーのコードに引っかかる感じがするんですよ。食べる風習のある文化は決して否定しませんが、あくまで個人的な線引きとして。でも、〈昔の人は知っていた味!〉みたいな日本人のナショナリズムをくすぐられると、あっさりハードルを越える人も多そうな気はします」
ギリコ「タブーまで深い話じゃないんですが、私の場合は、昔バブルス君(故マイケル・ジャクソンのペット)カワイイーとか言っていたんで、〈お友だちを食べる〉的な罪悪感は否めませんねえ。でもそういった、カワイイと思ってはじめて、種は違えど自分たちと同じ生き物だということが実感できるんですかねえ。生きた肉を加工する体験が日常にない我々は。私なんかは虫を完全に食材扱いしていますけど、それに対してタレントのカブトムシゆかりさんは『ゴキブリは家族なのに、食べるなんて!』となる。虫のかわいさに目覚めたら、命の重みがもっと実感できて、さらにありがたみとおいしさがふくらむのか……」
佐藤「ヒトがヒトを食べると身体によくない、らしいじゃないですか。だからサルの場合は、人に近いイメージの猿を食べ続けると何かある……!なんて思うのもあるんじゃないですか。狂牛病も、要は牛が牛を食べたから発生した病気であって、ほかには近親相姦も遺伝上ダメ。どれをとってもあまり近しいのはよくないって感じですよね」
◎食べる・食べないの境目
ギリコ「なんでしょうね、食べる食べないの決定的な境目って。環境保護の視点はさておき、文化や倫理観における境目。いつもあちこちで話題に出すんですけど、戦中戦後の広島が舞台の『はだしのゲン』で、食糧不足が深刻になってからやっと、家族で山にイナゴを取りに行くエピソードがあるんですよ。山盛り取れて、しかも美味しいタンパク質。飢えるくらいなら、せっせと毎日食べようよ! と思うんですけど、あれって何故なのか」
桃子「連続テレビ小説の『ととねえちゃん』でも、戦後にハトを捕まえて売りにいったら『こんなもの食わねえ、キジバトだよ!』と言って買ってもらえない話が出てくるんですけど、食糧難でも食べるものを選ぶんだなって思わず感心しちゃいました」
佐藤「『はだしのゲン』の虫の話は、原爆後、街にあふれた遺体に虫がわきまくったから、そこからの禁忌があるのかもしれませんね。欧米で食べないのは、虫が病気を運ぶというイメージがあるから日本とはまた違うんだろうけど。映画『エクソシスト2』では、悪魔がイナゴを操り、〈凶作の神〉という恐怖として描かれますよね」
ギリコ「聖書では一応、地を這うタイプはダメだけど、ぴょんぴょん跳ねるイナゴは食べてOKという記述があるのになー。正直〈不浄〉の世界観が、私にはよくわからないんですけどね」
佐藤「倫理も恐怖も文化が違えば、基準が違うのが当たり前ですからね。たとえば、タイのホラー漫画を読んでも、日本人の僕からしたらギャグにしか見えない。ホラー映画の『リング』が秀逸だったのは、当時VHSが世界中に普及していて、それが恐怖をもたらす小道具として多くの世界でも理解され、怪談として広い範囲で成立したから」
桃子「最近は〈春画〉が芸術っていうノリがありますけど、あれも実際は時代によってエロの基準が違うからそう受け止められてるってだけなんですよね。当時はあれがエロくても、今の時代では全然エロじゃない」
佐藤「逆に今どきのエロ漫画も、数百年後には芸術になりうるわけで。60年代は革のジャンプスーツを着た女性なんて大変なポルノグラフィティだったけど、今じゃ普通ですからね。ところで、今の日本人は禁忌の視点から食べないものって、あまりないですよね。結局、いろいろな世界の倫理と比べると、日本人は欲望に忠実でスケベなんですよ。秋葉原なんて、外人にとっては驚嘆の街ですからね。毛さえ見せなければ何やってもいい、みたいな」
ギリコ「それに加えて日本の食は、舶来信仰もあるかも。エスカルゴも本来虫に近い生き物で明らかに嫌われてもおかしくないのに、フレンチで食べられているからOKという認識の人が多いし」
桃子「私以前、あるフレンチレストランへ行ったとき、入口近くにウシガエルが鎮座していたから普通に食材だと思って『逃げてましたよ』って店の人に言ったら、まさかの野ガエルだったことがあります(笑)」
ギリコ「お店もびっくり(笑)。あとは、育った家庭やどんな文化を好むかといった個人差もありますよね。何でも食べられる方が文化度が高くて偉い!というわけではありませんが」
桃子「変わった食材だと、ちょっとチキンレース的な要素もありますよね。逆に私が絶対食べられないのは、セミ! 昔、歯医者の待合室で偶然読んだホラーマンガのせいなんですけど。食の是非にそれぞれの文化的経験が関係するなら、日本のホラーマンガは絶対に食トラウマを生んでますよ! エロ方面も同じで、ひどい犯罪表現とかがあるとトラウマになったりもします」
ギリコ「じゃあ、〈これは猿肉だ〉というみえみえの嘘で納得したふりして、人肉を食べる小説『野火』を読んで、猿肉食べられない……! なんて人もいるかもしれませんね。巷のウワサでは、実際は豚が人肉の味に近いなんてウワサもありますけど、どうなんでしょ」
桃子「腸内細菌の割合も、人間と豚が近いって言いますよね」
桃子「薬効という視点からは、前に六本木の有名店で冬にクマとイノシシを食べたら体がポッカポカになって、改めてすごいんだなって思いました」
佐藤「ウシも、人間よりはるかにパワフルな生き物じゃないですか。それを消化するので、人間が元気を出しちゃうんですよね。出る、じゃなくて、出す。消化器官もがんばらないといけないし」
◎添加物も農薬も、イメージの問題
桃子「先日、椎名誠さんの『にっぽん全国 百年食堂』を読んでいたら、日本のほかにもフランスや韓国に馬肉をを食べる文化はあるけど、イギリス人はすごく嫌がるという話が出てきました。戦いに行って負けると馬を食べるしかないという〈負けの象徴〉なんですよ。味がどうこうじゃなく、文化的精神的に食べたくない、と」
ギリコ「虫も、戦時中を経験した世代は〈仕方なく食べていたもの〉という印象があって嫌だ、という話はすごく多いです。人は〈イメージ〉で食べているところが、圧倒的に大きいでしょう。添加物農薬を避ける人たちも、実際にどんな害がどれだけあるのかという事実はあまり関係なくて、何となく怖い、自然じゃないからダメというイメージだけで否定している人も少なくないはず」
佐藤「体にいいものを食べているという気持ちからプラセボ的に健康になることもあるので、悪いことではないんだけど、あのへんはちょっと選民思想も入ってきますよね」
ギリコ「家族のために環境のために、選び抜くことをしたという私たちだけが助かる、みたいな感じですかね」
桃子「アンチミルクで語られる、牛乳は仔牛が飲むべきもので人間が飲むものじゃないという主張も、完全に人間の勝手な〈かわいそう〉のイメージですよね。そもそも家畜を否定しているし、しかも本来牛乳は殺さずにたんぱく質をとれるというメリットもあるのに。一部のベジタリアンのあいだでは、エビやカニは痛覚がないから食べていいなんて話も聞くけど、あれなんて完全に〈差別〉ですよね」
ギリコ「人間の勝手な価値観で、〈肉〉に優劣をつけないでほしい」
桃子「私がいつも意味が分からない!って思うのは、包丁のテレビショッピングで見る『このトマト、切られているのに気づいていないんです!』という表現。刃物がいかに切れるかということを伝えたいのは分かるんですけど、そのトマトが美味しいことになるの?」
ギリコ「『美味しんぼ』でも人気アイスクリームショップのアイスは空気をたくさん含んでいるから断面スカスカ! ってあったなあ。おいしいものにはちゃんと理由があるという文脈なんですが、私たちが美味しいと思うものって、裏付けよりもやっぱりビジュアルですよね」
桃子「いかにも美味しそうな料理写真でも、撮影されているそれはガチガチに冷凍されたアイスクリームだったり、ツヤ出しのために油をたっぷり塗られた料理だったりするから、完全にイメージですよ。私たちは、目で食べている。青色で食欲減退させるダイエットふりかけなんてありますし。今はお菓子の『ねるねるねるね』とかアメリカンなケーキとか、ケミカルな色が日常にあるから、少し感覚がマヒしている部分もありそうですが」
佐藤「食べ物は玩具化すると、ケミカルに対するハードルは一気に下がるんですよね」
ギリコ「スピリチュアルな視点の食はどうでしょう。波動を高めるたべもの!とか。聖なる場所である沖縄の御嶽(うたき)にいる猿はエネルギーが高いわ!とか。って、沖縄に猿いないけど」
桃子「猿を食べると猿の何かが取り込めるってなるわけですねえ。知性の象徴だから、知的になる(笑)?」
ギリコ「日本では尊敬されていた故人の仁徳にあやかろうと骨を食べる、〈骨かみ〉とかありますよね。胎盤食やヒトの肝臓から作る薬(江戸時代の人胆丸)と違って、あれもスピ食のひとつなんですかね」
佐藤「スピはさておき、要はだいたいの食材はイメージ戦略して宣伝すればなんとかなっちゃう世界なんですよね。よくある、ウシのキャラクターが『ウシって美味しいよ!』と宣伝している矛盾は、僕の作品『カニバル星人』の起点だったりするんですが。街で見かけるアメリカンポークの宣伝では、豚に『冷凍庫で僕は楽ちん!』とか言わせている(笑)。まあ食べる以上、リスペクトは必要ですし、きれいなうわっぱりだけ見て誰も傷つかず満腹になるのも必要でしょう。動物愛護団体が露悪的に屠畜現場とか隠し撮りして流すじゃないですか。あっちのほうが、ちょっと違うと思うんですよね」
ギリコ「萌えキャラパッケージ食品とかも、肝心の中身(食品)とビジュアルイメージがマッチしているのか、実際にその食品のイメージ向上になっているのか、そのうち観察してみたい。なんにしても〈命に感謝して、美味しくいただく〉という基本がすべてで、宗教や病気の問題がからまない限り、肉は極力平等に食したいところです。スーパーに並ばない〈マイナーミート〉は、その基本を再認識させてくれる食材だ……なんてまとめは無難すぎ?」
桃子「あ、せっかくですから最後にワニの手羽先も食べておきましょうよ」
ギリコ「サル、虫、ヘビには拒絶反応を見せる桃子さんの境界線も、結構ナゾ!」
(虫食いライター・ムシモアゼルギリコ)
◎Infomation:猿肉フェア「完全予約制モンキーミート」(完全予約制)
期間:2017年7月10日(月)~売り切れ次第終了
場所:新宿肉区 パンとサーカス ※新宿三丁目駅から徒歩1分
03-6457-8532
通常メニューも「ウサギのサラダ」や「ミールワームタコス」「フライドカラス」etc.好奇心を刺激される、「肉」が勢ぞろい! とは言え鉄板の人気メニューは、ウシやブタらしい(笑)。
ヒトラー&ナチス映画が最近増えているのはなぜ? 「欅坂46」も巻き込んだナチズムの危険な魅力
現代社会に甦ったアドルフ・ヒトラーが毒舌コメディアンとして人気を博し、マスメディアをたやすく牛耳っていくブラックコメディ『帰ってきたヒトラー』(15)はドイツ本国で大ヒットしただけでなく、日本でも2016年に劇場公開され、単館系では異例といえる興収2億円のヒット作となった。『帰ってきたヒトラー』のほかにも、ホロコーストを指揮したアドルフ・アイヒマンに焦点を当てた『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(15)や『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』(15)、アウシュビッツ裁判が開かれるまでのドイツの実情を暴いた『顔のないヒトラーたち』(14)、ナチ犯罪の爪痕を描いた復讐劇『手紙は憶えている』(15)など様々なヒトラー&ナチ関連映画が日本で公開され、それぞれ話題を呼んだ。 今年もナチ映画の劇場公開が目立つ。7月8日から公開が始まった『ヒトラーへの285枚の葉書』は平凡な労働者階級のドイツ人夫婦が主人公。それまでナチ政権を支持することに何ら疑問を感じることのなかった夫婦が、ひとり息子を戦争で失ったことからヒトラー批判のメッセージカードをベルリン市中に配り歩くようになった実在の事件を描いた感動作だ。8月12日(土)より公開される『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』はナチスによるチェコ支配に抵抗したレジスタンスたちを主人公にしたスリリングな実録映画。映画の後半には激しい銃撃戦が待っている。やはり実話を基にしたユダヤ人少年少女たちのサバイバルロードムービー『少女ファニーと運命の旅』は8月11日(金)より公開される。ユニークな作品としては、ジョニー・デップとリリー=ローズ・メロディ・デップが父娘共演した『コンビニ・ウォーズ バイトJK vs ミニナチ軍団』(公開中)があり、カナディアンナチスを自称した実在の人物エイドリアン・アルカンを元人気子役のハーレイ・ジョエル・オスメントが演じている。ヒトラー、ヒムラーに次ぐ、ナチスの実力者“金髪の野獣”ハイドリヒ暗殺事件を描いた『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』。
『ヒトラーへの285枚の葉書』。平凡な労働者階級の夫婦オットーとアンナは、命の危険を省みずヒトラーを批判する。
なぜゆえ、こうもヒトラー&ナチ関連の映画が最近多いのだろうか。ドイツ現代史研究者で、早稲田大学の非常勤講師を務めている増田好純氏に、日本人があまり知らないドイツの内情について語ってもらった。 増田「ヒトラーやナチスドイツを扱った映画が最近いろいろと作られるようになった背景のひとつとして、戦後70年が経過してドイツでもようやくヒトラーやナチスが歴史として認識されるようになってきたということが言えると思います。戦後のドイツは、ヒトラーやナチスが犯したユダヤ人大虐殺などの大規模犯罪と向き合うことで国際社会からの信頼を得てきたという経緯があります。その反面、自国でヒトラーやナチスを描くことにはとてもナーバスで、タブー視されてきました。『ヒトラー 最期の12日間』(04)は戦後初めてヒトラーを正面から描いたドイツ映画でしたが、政治的な解釈は回避した内容でした。ドイツは戦後ずっとナチ犯罪被害者への補償を続けてきたわけですが、1990年代終わりに持ち上がったナチ政権下における強制労働に対する補償問題は“最後の大規模なナチ犯罪”と呼ばれ、紆余曲折しながらも2001年に基金が設けられ、2007年に補償金の支払いが終了しています。このことから、ドイツ人の喉元にずっと刺さったままだったナチズムの棘が国際政治的にようやく抜けたという感覚になったようです。それ以降、ヒトラーやナチスを題材にした小説や映画などがナチズムの再評価に関わらない限りで容認される雰囲気ができ、ここ数年で次々と形になってきているように感じます」 日本では人気アイドルグループ「欅坂46」が昨年のハロウィンイベントの際にナチス親衛隊を思わせる衣装を着たことが大きな波紋を呼んだが、ドイツでは今でもナチスを連想させる表現は厳しく取り締まられている。 増田「公共の場でヒトラーを賛美したり、ナチスを肯定したりするとドイツでは民衆扇動罪に問われ、逮捕されます。日本は反ユダヤ主義に対して認識がかなり希薄ですが、ドイツでは単なるコスプレでもナチスを思わせる格好で外出することは許されていません。ドイツの学校では現代史の授業に時間が多く割かれますし、生徒が授業中に挙手するときは手を挙げるのではなく、人差し指を立てるようになっています。手を挙げるとナチス式の敬礼を連想させるという理由からです。『帰ってきたヒトラー』はドイツ人の本音をうまく代弁したコメディ映画としてヒットしましたが、ヒトラーに対するドイツでの公的な見識が変わったわけではありません。『帰ってきたヒトラー』はヒトラーを主人公にしたというよりも、ドイツを含めて欧州全体に極右勢力が台頭し、移民を排斥しようとする風潮をタイミングよく風刺した作品だったと思います」 ドイツ国内でナチスに対する歴史的な評価が変わることはないものの、ナチス政権は一般のドイツ市民からは意外なほど高い支持を得ていたことが専門家の研究によって最近明らかになってきたと増田氏は語る。 増田「ナチスドイツは結局、戦争に負けるまではドイツ内部で崩壊することはありませんでした。戦争が始まってからも、ドイツの一般市民の多くはナチス政権を支持していたことが戦後間もなく行なわれた世論調査などで分かっています。占領国から奪った食料や物資でドイツ国内は潤い、戦時中も飢えに苦しむことがなかったんです。戦争体験と飢餓が結びついている日本との大きな違いでしょう。『ハイドリヒを撃て!』ではナチ秘密警察の実力者だったラインハルト・ハイドリヒがチェコレジスタンスたちの暗殺の標的になりますが、37歳でハイドリヒはチェコの統治を任されたように、ナチスは実力のある若い世代を中堅幹部に抜擢していたのも特徴です。若くして責任ある立場に就いたことで、ヒトラーの指示以上に彼らは過激な行動に走っていった傾向があります。ワイマール時代に厳しい貧困生活を強いられた若い世代がナチスを支えていたんです。少子化、高齢者と子どもの貧困問題、外国人を排斥しようとする最近の世界情勢は、ナチスが台頭してきた状況と通じるものがありますね」 これまで多くの映画ではナチスは絶対悪として描かれてきたが、ミルグラム実験を題材にした『es[エス]』(02)や米国の高校で実際に起きた事件に着想を得た『THE WAVE ウェイブ』(08)といったドイツ映画では、ファシズムという状況に簡単に順応し、ナチズムというエリート意識に魅了されてしまう人間の危うい一面が描かれている。また、増田氏が執筆者のひとりとして参加した『教養のドイツ現代史』(ミネルヴァ書房)を読むと、これまでヒトラーやナチスが映画や漫画などの世界でどのように描かれてきたのか、またナチスは同性愛や売春を厳しく取り締まる反面、男女間の婚前・婚外の性的関係には寛容だったなどの興味深いテーマについて知ることができる。大衆を熱狂させたヒトラーとナチスの歴史を含め、ドイツ現代史から学ぶべきことは多そうだ。 (取材・文=長野辰次)1930年代のカナダ、エイドリアン・アルカン(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は反ユダヤ主義を掲げる。『コンビニ・ウォーズ』より。
『ヒトラーへの285枚の葉書』 製作国/ドイツ、フランス、イギリス 監督・脚本/ヴァンサン・ベレーズ 出演/エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン、ダニエル・ブリュール 配給/アルバトロス・フィルム 7月8日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー中 (C)X Filme Creative Pool GmbH / Master Movie / Alone in Berlin Ltd / Pathe Production / Buffalo Films 2016 http://hitler-hagaki-movie.com
『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』 製作国/チェコ、イギリス、フランス 監督・脚本・編集/ショーン・エリス 出演/キリアン・マーフィ、ジェイミー・ドーナン、シャルロット・ルボン、アンナ・ガイスレロヴァー、ブライアン・カスペ、トビー・ジョーンズ 配給/アンプラグド 8月12日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開 (C)2016 Project Anth LLC All Rights Reserved http://shoot-heydrich.com
『コンビニ・ウォーズ バイトJK vsミニナチ軍団』 製作国/アメリカ 監督・脚本・編集/ケヴィン・スミス 出演/リリー=ローズ・メロディ・デップ、ハーレイ・クイン・スミス、ジョニー・デップ、ジャスティン・ロング、ハーレイ・ジョエル・オスメント 配給/パルコ、ハピネット 7月1日より新宿シネマカリテほか全国順次公開中 (c)2015 YOGA HOSERS,LLC All Rightshojo-fanny-movies Reserved. http://conveni-wars.jp
『少女ファニーと運命の旅』 製作国/フランス、ベルギー 監督/ローラ・ドワイヨン 出演/レオニー・スーショー、セシル・ドゥ・フランス、ステファン・ドゥ・グルート、ライアン・ブロディ 配給/東北新社 8月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー (C)ORIGAMI FILMS / BEE FILMS / DAVIS FILMS / SCOPE PICTURES / FRANCE 2 CINEMA / CINEMA RHONE-ALPES / CE QUI ME MEUT - 2015 http://shojo-fanny-movie.jp ■イベント情報 2016年12月に開催された「早稲田大学 白バラ・パネル展」が今秋も予定されている。ナチ政権下のドイツで、ヒトラー政権に抵抗するビラを発行し続けた大学生たちを中心にしたグループ「白バラ」の活動内容や時代背景を解説したパネルや写真が展示される。ドイツ映画『白バラの祈り』(05)の主人公のモデルとなったゾフィー・ショルの21歳の生涯に触れたい。 会場/早稲田大学早稲田キャンパス 小野梓記念館(27号館)地下1階ワセダギャラリー








