ブシモによるスマートフォン向けゲームが17年夏に始動! 6月にはTVアニメの出演声優たちがキャストを務める舞台も公演開始! さらに東武動物公園をはじめとするリアル動物園とのコラボやグッズ販売も続々と展開中!!――と、TVアニメ第12話「ゆうえんち」の放送終了後から、堰を切ったかのようにドバドバと新展開が繰り広げられ続けている『けものフレンズ』。
あわせて上映会やトークショーなどのイベントも頻繁に開催されているが、その中の一つ、4月15日に行われた「『けものフレンズ』最終回見逃し上映会」(東京・科学技術館 サイエンスホール)の昼の部と夜の部の合間に、制作を担ったヤオヨロズ・福原慶匡プロデューサー、そしてテレビ東京の細谷伸之プロデューサーを直撃!
イベントの前日に放送された「どうぶつビスケット×PPP」の「ミュージックステーション」(テレビ朝日系、以下「Mステ」)出演、そして『けものフレンズ』最終話前後を振り返ってもらいつつ、今後の展開についても聞いてみた!

(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA
■「風通しの良さというか、何でも言い合っていましたね」(福原P)
―― まず昨日(4月14日)のどうぶつビスケッツ×PPPの「Mステ」出演から振り返っていただきたいのですが、結構急なお話だったんですか?
福原慶匡プロデューサー(以下、「福原」) う~ん、急なのかな? たしか最終回放送の1~2週間前にお話をいただきまして。
細谷伸之プロデューサー(以下、「細谷」) 普通に先方からご依頼をいただきまして。
福原 今話題になっているから、ということで。こちらから何かしらプロモーションしたとかというわけでもなかったんですけど。
僕はレコード会社もやっていたので「Mステ」出演のハードルの高さを知っていますから、衝撃を受けましたけどね。
細谷 ああ、なるほど。
福原 1人、関わっていたアーティストで「Mステ」に出演できた子がいるんですけど、話題になって、結構売れてきて、それでも出演できるまでにデビューから5年ぐらいかかりましたから。それが放送開始から3カ月ぐらいで、もう出れるんだ……と。
細谷 僕は福原さんと違って音楽業界には詳しくないですから、素直に驚きました。これからどうなっていくんだろうと思いましたし、意外だったし、うれしかったですね。
―― テレビ東京さん的には全然問題なかったものなんですか?
細谷 ああ、それは全然問題なかったです。
―― また『けものフレンズ』を紹介する動画も、非常に丁寧な作りでしたよね。
細谷 ああ、あれもビックリしましたね、時間もない中で。きっと(「Mステ」)中に好きな方がいらっしゃるんでしょうね。
福原 我々のほうで何かを手伝ったわけではないんです。普通に素材を提供しただけですからね。
―― その「Mステ」出演前後には、たつき監督がマメにツイートされていたのがファンの間で話題になりました。最近のたつき監督はいかがですか? 個人的に先月インタビューさせていただいたときは、疲弊した様子だったのが印象に残っています(笑)。
福原 ハハハ(笑)。心理的には肉体的にも大分楽になったと思いますけど、何せ宿題が多いので。放送中の忙しさが100%だとしたら今は80%ぐらいになった感じというか……普通に1クールが終わったTVアニメよりはまだ大分忙しいほうだと思います。

―― 宿題というと?
福原 版権とかですね、放送中は制作に集中してもらうために止めておいたこともあるので、版権イラストやグッズの監修などが一斉に動き出しています。
―― そんな状況だったのに、あの12.1話を制作されたんですね……。Twitterで監督は“同人”と仰っていましたが、事前にどれぐらいの準備をされていたものなのでしょうか?
福原 詳細は本人があまり語りたがっていないので伏せますが……もちろん放送中にはああいったものを配信することができませんから、放送後にたつき監督から相談されて、各所に相談して、という感じです。
―― その辺、『けものフレンズ』は制作スタッフの数が少ないせいか、動きの小回りが利くといった印象があるんですが。
福原 でも製作委員会に参加している企業自体は結構多いんですよ。逆にこんなに多い委員会も珍しいというぐらい。
細谷 たしかに、あまり見たことがない数でしたね。
―― 制作スタッフさんの数は少ないかもですが、それと委員会は別ものですものね。
細谷 ただ、委員会の人数は多くても意思決定に関わる人数は少なかったかもしれないですね。
福原 そうですね、そこは意外と人数が少なかったので、フットワーク軽く動けたのかもしれません。
―― 案件によって違うんでしょうけど、コアなメンバーというのは、福原さん、細谷さん、たつき監督と……
福原 あとは幹事会社とKADOKAWAさんなどが中心になって、動かしていましたかね。
―― 少人数ならではの風通しの良さ、みたいなものもあったんではないですか?
福原 風通しの良さというか、何でも言い合っていましたね。
細谷 もうこれはケンカなのかな? みたいな(笑)
福原 かなり本音でしゃべりあえてきたかなと思います(笑)。

4月15日開催の「『けものフレンズ』最終回見逃し上映会」より
■「『もうこの人たちは信じても大丈夫』『もう乗っかるしかない』と」(細谷P)
―― 最終回放送前後の展開について。うすーく「つづく」の文字がラストの映像に仕込まれたり、放送後に新規映像制作のニュースが公式サイトで伝えられたりしましたが、この辺はやっぱり事前の予定どおりのアクションだったんですか?
福原 まず、あれにすぐに気づく人がいるなんて思いもしなかったですよ。
細谷 自分は見えなかったもん。
福原 「ある」と知っていたのに、見ても気づかなかったですからね。だから皆、何で気づいたんだろう、「つづく」の文字があると心の目で見てたのかな……。
細谷 心の目で見ていたら、そこに本当にたまたまあったとか(笑)
―― たつき監督も先日のインタビューで「当初から物語はブレていない」と仰っていましたが、12話の熱い物語展開も、予定どおりのゴールだったんでしょうか?
福原 そうですね、制作スタッフについてはそうだったんですが、細谷さんのような放送局側から見ると、そう見えなかったかもしれません。何せ、事前の資料が少なかったので。
細谷 たしかに、情報がなかったんですよ(笑)。普通であれば本読み(脚本会議)があり、コンテが起きて、そして色がついていない動画ができて……という順番になると思います。ですが、『けものフレンズ』の場合は、僕が初めてお話の中身を知るのが台本、各話のアフレコの前日とか2日前とかでしたから。
―― 声優さんがたと同じタイミングですね?
細谷 そうそう、そうなんですよ。テレビ局、放送側のプロデューサーとして、エロ、グロ、差別といった表現がないかというチェックするのが、仕事の根幹の根幹なんですよ。もちろん他の部分……お話を見て、アイデアを出したりということもしなくはないんですけど、基本はそこさえなければ、僕個人は制作のプロに中身は任せたほうがいいと立場なので。そこは信用して、最悪何かあっても、それは直してもらえるだろうと思いまして。
とはいえ、最初はいろいろ言っていたんですけど、途中からは「もうこの人たちは信じても大丈夫」「もう乗っかるしかない」と考えました(笑)。だからファンの目線に近かったと思います――本音の本音をいえば、怖かったですよ、そりゃ。
―― ブーイングがくるかもしれないし。
細谷 ブーイングなら全然いいんです。作ったものが受け入れられるか否かという話なので、ブーイングは構わないんですけど、それよりも誰かを傷つける内容になってしまわないかという部分ですよね。
でもお話的にエロ・グロが出てくるようなお話じゃないですからね、『けものフレンズ』は。そこはもう制作陣を信頼して「よろしく頼む」という感じでした。
福原 ただ付け加えておくと、うちは非常にコンパクトな所帯で制作しているからこそ、資料がないんですよ。

読むと考察が捗りまくる「けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック (2) 」
―― ああ、人数が少ないから、わざわざ資料を作って共有する必要がないと。
福原 そうなんですよ! ご家庭で「爪きりはここにしまってあります」と、わざわざ書き出したりはしないじゃないですか。
細谷 ああ、それはしないですよね(笑)。
福原 大人数で1本の作品を作るときには絶対必要なんですけど、少人数なのでわざわざ作る必要がないんですよね。……いや、各放送局さんや他の製作委員会の方々、取材してくれるプレスの方のためにも、あったほうがいいとは思いますし、当初は肩身狭かったですけど(笑)。
細谷 そうそう、最初は自分も相当言いましたから(笑)。
福原 謝りながら数カ月を過ごすうちに放送が始まって……放送されるたびに段々と理解してもらえるようになった、という感じでした。
細谷 また僕がいい加減だからよかったのかもしれないですね、「ないならしょうがないか」って(笑)。いつか出てくるだろうと。そうじゃないと大変だったと思いますよ。
■「『♯考察』を見るのが大好きでした」(細谷P)
―― そんな視聴者と目線が近い細谷さんからして、「これはヒットするかも」と考えるようになったのはいつ頃でした?
細谷 そこは割と世の中と連動していますね。1話の段階で「これ、超おもしろい!」と思ったわけではないのは事実です。「何かがあるんだろうな」というのはわかりましたけど、実際何が、どこまであるかを読み取る力が僕には無くて。
それが2話目あたりで世の中がざわめきだして、僕も「あれ?」と思って。そこからSNS上などの皆さんの考察を見て、僕が読めなかったところをファンに教わって。
一回そうやって教わると全体がそうなんだろうと想像がつく。そこで「これは怖いなぁ」と思ったんですよ、いい意味で。よくぞここまであちこちで引っかかりを作って、そこに色んな方が乗っかってくれた。それに感服しましたね。
―― その引っかかりを見逃さないというか、『けものフレンズ』ファンは本編をよく見ていましたよね。
福原 さっきの「つづく」の文字じゃないですけど、スタッフが見逃していることでも拾ってくれた『けものフレンズ』ファンは、本当に凄かったです。
また、たつき監督が「ここ、こうしましたけどどうですか?」と聞いてくるタイプじゃないんです。僕らが見逃していると、そのまま放送されて、そしてファンが気づいて書き込んだりすることで、僕らが気づくなんてこともありましたから。

第1話冒頭より。見直すと“動物”の仕草が細かく描写されているのに気づきます
―― また、色々な仕掛けや演出以外にも、改めて見ると“動物”の動きも丁寧に描写されていますよね。14日深夜に放送された『ダーウィンがきた!』(NHK)のサーバルキャット回を見て、その後『けものフレンズ』第1話目を見直すと、サーバルちゃんの動きの描写がとても丁寧だったんだなと驚きました。
福原 ああ、僕らはその辺は調べてしっかり作っていたのを知っていますけど……何か、こっちからそういったことについて触れるのは違うと思ったんですよ、「見て見て」というのは。見ていて伝わらなかったとしたら、それは表現が足りなかった甘かったんだな、と。
細谷 サーバルがこうやってモノを見るじゃない(左右に体を揺らしながら)。あれも、知らなければ、気づかなければ、「なんか面白い動きをしているな」だけで終わってしまうと思いますけど、あれも実はサーバルキャットが目が近いので、左右に視点をずらすことで遠近感を以ってモノを見るということを描写していて。そういった、言われなきゃ気づかないことが一杯ありましたよね。だから僕、「♯考察」を見るのが大好きでした(笑)。
■「困難は群れで分け合ってやっていますから(笑)」(福原P)
―― 本日のイベントも含めて、いろいろな企画が動き出して、我々みたいな取材の申し込みも多いと思います。福原Pも大変なのではと思ったんですが。
福原 評判になってからは、大人の数が増えて、周辺のいろんな方たちにもいろいろと頑張っていただいていますので、僕の作業量は少し落ち着いたというか――困難は群れで分け合ってやっていますから(笑)。
細谷 おお、さすが(笑)。
―― イベントはどうですか?
福原 そうですね、渋谷でカフェも始まりましたけど、これは常設に近い、数カ月に渡って展開するしっかりとやるやつなので、メニューもちゃんとしたものを出せると思いますし、あとはトークショーや一挙配信、1話目から最終話までの配信なんかもやれればと思っていますね(※5月26日実施)。
―― テレビ東京さんも、今後何かしら企画の予定とかあるものですか?
細谷 いやいや、うちは別に……うちの社長が、『けものフレンズ』のタイトルに触れてコメントしていたぐらいですから、局内で盛り上がりがあったのはたしかですけど。
―― イベントやコラボ企画も目白押しで、ゲームもあります。今後も『けものフレンズ』をファンは楽しめそうですね。
福原 そうですね、『けものフレンズ』の世界は、まだまだこれからも続いていくと思います。イベントは続いていきますし、この作品は二次創作もOKとしていますから。たくさんの手で、今後もいろいろと『けものフレンズ』を広げていっていただけるとうれしいです。
細谷 うん、僕も大体そんな感じで(笑)。『けものフレンズ』を今後もよろしくお願いします。
■TVアニメ『けものフレンズ』公式サイト
http://kemono-friends.jp/
■BD付きオフィシャルガイドブック 毎月26日発売
http://kemofure.kadokawa.co.jp/
■ライブビューイング同時開催「けものフレンズ」全12話一挙放送&
一挙上映開催決定!
ニコニコ生放送
【ライブビューイング同時開催】「けものフレンズ」全12話一挙放送
放送日時:5月26日(金)22:00〜
http://live.nicovideo.jp/gate/lv295700989
■ライブ・ビューイング
【ニコ生コメント入り】全話オールナイト一挙上映会+スペシャルステージ
開催日時:5月26日(金)21:00~
会場:「新宿バルト9」ほか全国の映画館にて
チケット料金: ¥3,000(税込/全席指定)
http://liveviewing.jp/kemonofriends/
(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA