ごく一部の視聴者に対してのみ絶賛放送中の今期月9『貴族探偵』(フジテレビ系)は第6話。ごく一部以外の視聴者はまるで興味がないらしく、視聴率は7.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、過去最低に沈みました。まあ、なんだかんだ言っても、15日に発表された連結決算をみるとフジ・メディア・ホールディングスさんは都市開発やら広告やらで儲かっているようなので、ここはひとつ『貴族探偵』チームには自由にやらせてあげてほしいと祈るばかりです。 というわけで、今回も“ごく一部”の立場から『貴族探偵』を振り返ってみたいと思います(過去のレビューはこちら)。 第6話は、前回の事件の解決編となりました。前回のレビューで、私はこのドラマの魅力を「謎解きの一点突破だ」と言いましたが、今回の謎解き編でその魅力が発揮されたかどうかといえば、圧巻のひと言だったと思います。堪能しました。詳細はまあ、いいでしょう。別のサイトでも見てください。 ここまで、『貴族探偵』というドラマで蔑ろにされてきた(意図的に簡素化されてきた)のが、犯人の動機やバックグラウンドといった、「事件そのものの魅力」「犯人の人間性」といった部分でした。今回はその部分で、毛色の違う描かれ方が行われたことが特徴的でした。 あまりにストイックに論理的な謎を構築することを志向した原作では、それらのバックグラウンドや人物の個性は、むしろ筋立てを複雑化し、作品そのもの魅力を半減させるものだったはずです。なるべく読者が理解しやすい、ステレオタイプな人物を事件周辺に配置することで、謎解きの精緻っぷりを浮き立たせるやり方。変な例えになりますが、麻耶雄嵩さんという作家さんは、まな板の上に何があっても「刺身で食え」と言ってくるんです。しかも「最低限の塩で食え」と。 当然、そうした推理小説は読者を選びます。麻耶さんがこの作風でしか物語を書けないのか、あるいは推理小説というジャンルそのものに対する実験や修行の類なのか、それとも「そこでなら勝負できる、勝てる」という職業作家としての確信めいた作戦なのか、それは想像するしかありません。しかし、麻耶さんの覚悟は見てとれます。「美味い刺身を食わせてやるから、船に乗れ」と読者に要求し、作家とともに洋上に出た奇特な読者にだけ、彼らが求める極上の刺身を提供してきたのでしょう。そこには、信じられないような釣りテクと包丁さばきがあったのでしょう。これも、今回のドラマで麻耶さんに初めて出会った私には、想像するしかありません。 しかし、テレビドラマという市場を通したら、どうしたって客層は広がりますし、素材の鮮度も落ちてしまいます。そこでフジテレビには、保存や調理の技術が求められます。「ストイックな推理劇」という素材の味を殺さないまま、テレビ向けに料理しなければならなくなったのです。 私はずっとここで、主にこの「フジテレビの調理技術」に対して、惜しみない賞賛を書き連ねてきました。過剰にポップな演出も、登場人物を増やしてオリジナルで追加された事件の概要と推理も、決して本筋をジャマするものではありませんでした。あくまでフジテレビは、素材の味を引き出しつつ、お子さまでも美味しく食べられる万人向けの料理として提供してきたと感じていました。 で、今回の第6話「解決編」を見終わった感触は、今までとは少し違います。 今回の事件では、テレビでオリジナルに追加された人物のバックグラウンドや個性、過去や未来といったキャラクターの連続性が、時間をかけて、実に感動的に描かれました。これは、今までにはなかったことです。事件の犯人や関係者は、その回が終わればキレイさっぱり印象を失って、解決にいたった爽快感だけが残る……『貴族探偵』は、そういう味わいのドラマだったのです。 料理の例をまだ続けるならば、今回は「フジテレビがカレーをぶかっけてきた」と感じたのです。別に不味いカレーじゃないし、むしろ高級な「帝国ホテルのカレー」っぽいカレーなんですが(食べたことはない)、明らかに『貴族探偵』はこの第6話で、「麻耶色のドラマ」から「フジテレビ色のドラマ」に舵を切ったと感じました。 思えば、なぜ1話完結で十分に楽しかったドラマを、中盤である5・6話で2話構成にしてきたのか。5話を見なければ6話はつまらないし、当然、視聴率は落ちる。視聴率を捨ててまで、あえて、なぜそうしたのか。 それはフジテレビが、この『貴族探偵』を単に原作モノの翻訳ドラマとして作るのではなく、あくまで「1クールの連続ドラマ」として成立させようとした結果なのだと思います。 第1話からイマジナリーな存在として示唆されてきた女探偵の師匠・喜多見切子(井川遥)が、今回初めて「すでに死んでいる」と明示されました。同時に、貴族探偵が彼女を「殺した」という過去もほのめかされた。 これは、原作に建て増しされた設定ではありません。原作そのものを底上げして、土台の部分に差し込まれたものです。少しずつ明らかにされてきたこの土台が、今回あらわになったことで、次回以降の『貴族探偵』は、これまでとは段違いに天井高の高い作品として描かれていくことになります。単話で楽しい『貴族探偵』が、最終話に向かって走り出すタイミングが、この5・6話だったということです。1話でも終われる事件を、2話分かけて解決すると同時に、最終回に向けて「床板を外すための時間」が必要だったということです。 単話でこれだけ楽しければ、最終回だけちょっと複雑な事件を持ってきて誰か殉職でもさせりゃ、それはそれでオッケーなドラマだったわけですが、フジテレビは「連続ドラマとしても面白くしてやる」という面倒な決意を、2時間使って宣言したわけです。 もちろん、今後の貴族探偵と女探偵をめぐる成り行きそのものも楽しみですが、フジテレビ制作陣の“クリエイターとしての戦い”というリアルなドラマとしても「こいつら、どこまでやる気なんだ」という期待に満ちた作品になってきました。この戦い、「どらまっ子」を名乗る者として、見守らないわけにはいきません。 いやー、「どこまでホメる気なんだ」って感じですね。ちょっと書いてて恥ずかしいよ。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
日別アーカイブ: 2017年5月23日
TBS『小さな巨人』迫力不足の和田アキ子に酷評! 本人は言い訳連発「のどが痛い」「高い声出ない」
長谷川博己主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)の後編が21日にスタート。悪役を演じる和田アキ子の演技に酷評が相次いでいる。 後編は森友学園問題を彷彿とさせる内容で、和田は「早明学園」の悪徳理事長役。最新回で和田は、初等部・中等部着工記念式典でスピーチするシーンのほか、長谷川演じる主人公と、梅沢富美男演じる学園専務と会話するシーンに登場した。 しかし、和田の演技に対しネット上では「和田だけ浮いてる」「棒読みすごい」「いつもより小さく見える」といった指摘が相次いでいる。 なお、和田の女優仕事は、2015年放送の『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)の“男”役ぶり。連ドラのレギュラー出演は、1993年放送のNHK連続テレビ小説『ええにょぼ』の看護士役以来、24年ぶりとなる。 「和田と梅沢という2大“嫌われタレント”に悪役を演じさせることで、視聴者の感情移入を促す狙いでキャスティングされたようですが、とにかく和田が緊張しすぎ。声に覇気がなく、淡々とカンペを読んでいるかのよう。猫背で手元もモジモジしており、理事長らしい迫力がまるでない。これでは、わざわざ和田をキャスティングした意味がありません」(テレビ誌記者) 20日放送のラジオ番組『ゴッドアフタヌーンアッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)でも、ドラマ出演について「(周りに)迷惑をかけないように……」と萎縮していた和田。「台本に“唖然”“ぼう然”“微笑”って書いてあって、どういう演技すればいいのかなと思って」「薄ら笑いをしたら、『もう少し笑いを抑えてください』と言われた。抑えてやったら、結局、笑いが“なし”になった。台本に書かなきゃいいじゃん」と演技に苦戦している様子を明かしたほか、「ロケで八王子に行ったけれど、車中でのどが痛くて、本番では声が出なくなった。(声を)張らなきゃいけないシーンだったのに」「高い声が出ないんです」と、声の不調を訴えていた。 「和田は本番に弱いタイプで、特に最近は急に声が出なくなることもしばしば。和田サイドとしては、今回の悪役で新境地を切り開きたかったようですが、中途半端に終わりそう」(同) 迫力がウリの和田にはうってつけの役柄ながら、「キャスティングミス」との声が上がっている『小さな巨人』。和田にはぜひ、ド迫力の悪役ぶりを見せてほしいところだが……。
TBS『小さな巨人』迫力不足の和田アキ子に酷評! 本人は言い訳連発「のどが痛い」「高い声出ない」
長谷川博己主演ドラマ『小さな巨人』(TBS系)の後編が21日にスタート。悪役を演じる和田アキ子の演技に酷評が相次いでいる。 後編は森友学園問題を彷彿とさせる内容で、和田は「早明学園」の悪徳理事長役。最新回で和田は、初等部・中等部着工記念式典でスピーチするシーンのほか、長谷川演じる主人公と、梅沢富美男演じる学園専務と会話するシーンに登場した。 しかし、和田の演技に対しネット上では「和田だけ浮いてる」「棒読みすごい」「いつもより小さく見える」といった指摘が相次いでいる。 なお、和田の女優仕事は、2015年放送の『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)の“男”役ぶり。連ドラのレギュラー出演は、1993年放送のNHK連続テレビ小説『ええにょぼ』の看護士役以来、24年ぶりとなる。 「和田と梅沢という2大“嫌われタレント”に悪役を演じさせることで、視聴者の感情移入を促す狙いでキャスティングされたようですが、とにかく和田が緊張しすぎ。声に覇気がなく、淡々とカンペを読んでいるかのよう。猫背で手元もモジモジしており、理事長らしい迫力がまるでない。これでは、わざわざ和田をキャスティングした意味がありません」(テレビ誌記者) 20日放送のラジオ番組『ゴッドアフタヌーンアッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)でも、ドラマ出演について「(周りに)迷惑をかけないように……」と萎縮していた和田。「台本に“唖然”“ぼう然”“微笑”って書いてあって、どういう演技すればいいのかなと思って」「薄ら笑いをしたら、『もう少し笑いを抑えてください』と言われた。抑えてやったら、結局、笑いが“なし”になった。台本に書かなきゃいいじゃん」と演技に苦戦している様子を明かしたほか、「ロケで八王子に行ったけれど、車中でのどが痛くて、本番では声が出なくなった。(声を)張らなきゃいけないシーンだったのに」「高い声が出ないんです」と、声の不調を訴えていた。 「和田は本番に弱いタイプで、特に最近は急に声が出なくなることもしばしば。和田サイドとしては、今回の悪役で新境地を切り開きたかったようですが、中途半端に終わりそう」(同) 迫力がウリの和田にはうってつけの役柄ながら、「キャスティングミス」との声が上がっている『小さな巨人』。和田にはぜひ、ド迫力の悪役ぶりを見せてほしいところだが……。
スメハラの汗かき男と口臭上司についにブチ切れ! クサイのは向こうなのに、なんで私が悪者なの!?
【作品名】「逆転スメルハラスメント」(後編) 【作者】桜井まり子『ご近所の悪いうわさ』
【作品紹介】どいつもこいつも臭いニオイを放つ職場に現れた、“無臭男子”と交際することに。ライバルを蹴落としてようやく付き合えたと思ったら、秘密の「黒革のニオイ手帳」の存在がバレて……?
【サイゾーウーマンリコメンド】生乾き臭はスメハラか否か、胃の病気による口臭はスメハラなのか? 左胸に手を置いて考えてみたいテーマも含みつつ、見どころは「ごき悪」定番のブチギレシーン! タイトルの「逆転」の意味がわかる、最後のコマまでお楽しみください。
スメハラの汗かき男と口臭上司についにブチ切れ! クサイのは向こうなのに、なんで私が悪者なの!?
【作品名】「逆転スメルハラスメント」(後編) 【作者】桜井まり子『ご近所の悪いうわさ』
【作品紹介】どいつもこいつも臭いニオイを放つ職場に現れた、“無臭男子”と交際することに。ライバルを蹴落としてようやく付き合えたと思ったら、秘密の「黒革のニオイ手帳」の存在がバレて……?
【サイゾーウーマンリコメンド】生乾き臭はスメハラか否か、胃の病気による口臭はスメハラなのか? 左胸に手を置いて考えてみたいテーマも含みつつ、見どころは「ごき悪」定番のブチギレシーン! タイトルの「逆転」の意味がわかる、最後のコマまでお楽しみください。
渡辺直美にヤラれる? “被害告白”した台湾人俳優が大炎上→公開謝罪へ
インスタグラムのフォロワー数が670万人を超える渡辺直美。台湾ではCMにも抜擢されるなど、その人気はアジア全土に広まりつつある。そんな中、台湾の俳優が渡辺についてコメントした内容がファンの怒りに触れ、公開謝罪を迫られる事態にまで発展している。 台湾系メディアサイト「ETtoday新聞雲」(5月14日付)によると、台湾人俳優ボ・イェン(29)は、今月8日に出演した台湾の人気バラエティ番組内の「自分の秘密を暴露」コーナーで、渡辺について次のようにコメントした。 「ちょっとヤバイ話だけど。たぶんメディアとかで直美が俺のこと好きだって報道があったし、いろいろ知ってる人もいると思うけど、直美とはメッセージのやりとりをよくしていて、最初は世間話とかその程度の話しかしなかったんだ。でも、徐々に直美は積極的になっていった。ある時、直美は俺に『いつ日本に会いに来てくれるのか』って聞いてきたんだ。どういうことかと聞き返したら、直美は俺と2人で遊びたいって言うんだよ。でも彼女って、性欲が強いって話を前に聞いたことがあって、とても1人で彼女に会いに行く勇気はなかったよ。だって、ヤラれちゃうかもしれないと思うと怖くてさ。今まで3回くらい誘われたよ」 すると番組放送終了直後から、今回のボの発言に対し、台湾のネットユーザーから「直美があまりにもかわいそうだ。こいつの発言は女性の品格を大きく傷付けている」「プライベートなことを勝手に暴露した挙げ句、直美のことをバカにした発言をするなんて! ボは謝罪するべきだ」「ボは本当に品がない奴だ。見損なった」などと、渡辺を擁護するコメントが大量に寄せられたのだ。ボのFacebookには、仲良く写真に写る2人の姿も掲載されている
ボは同日、自身のFacebook上で「渡辺直美さんやファンの皆様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」と、番組上での自身の失言について謝罪する動画をアップし、ようやく騒動は収束に向かっているという。 一方で今回の一件で、渡辺が台湾人ファンに広く愛されることが明らかとなった。今後も日台の架け橋として、台湾でのさらなる活躍が期待される。 (文=青山大樹)自身のSNS上で謝罪動画をアップロードした
渡辺直美にヤラれる? “被害告白”した台湾人俳優が大炎上→公開謝罪へ
インスタグラムのフォロワー数が670万人を超える渡辺直美。台湾ではCMにも抜擢されるなど、その人気はアジア全土に広まりつつある。そんな中、台湾の俳優が渡辺についてコメントした内容がファンの怒りに触れ、公開謝罪を迫られる事態にまで発展している。 台湾系メディアサイト「ETtoday新聞雲」(5月14日付)によると、台湾人俳優ボ・イェン(29)は、今月8日に出演した台湾の人気バラエティ番組内の「自分の秘密を暴露」コーナーで、渡辺について次のようにコメントした。 「ちょっとヤバイ話だけど。たぶんメディアとかで直美が俺のこと好きだって報道があったし、いろいろ知ってる人もいると思うけど、直美とはメッセージのやりとりをよくしていて、最初は世間話とかその程度の話しかしなかったんだ。でも、徐々に直美は積極的になっていった。ある時、直美は俺に『いつ日本に会いに来てくれるのか』って聞いてきたんだ。どういうことかと聞き返したら、直美は俺と2人で遊びたいって言うんだよ。でも彼女って、性欲が強いって話を前に聞いたことがあって、とても1人で彼女に会いに行く勇気はなかったよ。だって、ヤラれちゃうかもしれないと思うと怖くてさ。今まで3回くらい誘われたよ」 すると番組放送終了直後から、今回のボの発言に対し、台湾のネットユーザーから「直美があまりにもかわいそうだ。こいつの発言は女性の品格を大きく傷付けている」「プライベートなことを勝手に暴露した挙げ句、直美のことをバカにした発言をするなんて! ボは謝罪するべきだ」「ボは本当に品がない奴だ。見損なった」などと、渡辺を擁護するコメントが大量に寄せられたのだ。ボのFacebookには、仲良く写真に写る2人の姿も掲載されている
ボは同日、自身のFacebook上で「渡辺直美さんやファンの皆様に不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」と、番組上での自身の失言について謝罪する動画をアップし、ようやく騒動は収束に向かっているという。 一方で今回の一件で、渡辺が台湾人ファンに広く愛されることが明らかとなった。今後も日台の架け橋として、台湾でのさらなる活躍が期待される。 (文=青山大樹)自身のSNS上で謝罪動画をアップロードした
ZARAに心も体も売った!? “その他大勢とは違う私”というプライドを捨てた「GINGER」
前号では突然モテ路線に変更するも、“モテ”の定義が曖昧で迷走気味だった「GINGER」(幻冬舎)。今月号の表紙は一転、黒とグレーに濃い目ピンクを効かせたクールな印象。何かを悟ったような長谷川潤の表情からは生気が感じられません。以前の、夢見がち要素ゼロの超現実主義へ揺り戻し……? 早速中身をチェックしていきましょう~。
<トピックス>
◎いつだって大人のおしゃれの救世主 私たちにはZARAがある!
◎ネイチャーエレメンツが導き出す 開運ROOMへ改造計画
◎女子に効く、フレーズの裏側
■頼りになるのは男よりも「ZARA」という現実
これまで数号にわたってチェックしてきた表紙モデルへの巻頭インタビュー「COVER WOMAN」ですが、今回は掲載なし。「GINGER」では、“お疲れ女子代表(3月号参照)”的扱いをされていた長谷川が何を語るのか楽しみにしていただけに残念です。迷走気味の「GINGER」ですから、ロールモデルとなる女性芸能人もネタ切れだったのかもしれません。
さて、気を取り直してメインファッション企画「いつだって大人のおしゃれの救世主 私たちにはZARAがある!」を見ていきましょう。「とりあえずザラに駆け込めば解決する」「(オフィスも、週末旅行も、キャンプ&BBQも、パーティーも)どんなシーンもザラさえあれば!」など、今さらあの世界的なブランドをごり押しです!! 筆者は、「GINGER」とは、“TPOを意識しつつ他人よりも、ちょっとだけセンスのあるオシャレ”という絶妙に面倒くさいプライドを頑なに守り、適度に流行を取り入れつつも、その他大勢とは被りにくいブランドアイテムを推してきた雑誌と認識していたのですが、ここに来てZARA? その他女性誌たちと横並びのオシャレでよかったの!?
ページをめくると、まさにZARAに魂売ってしまったのかごとく、「毎日のおしゃれを全方位で支えてくれる、頼もしい存在」「私たちは、ザラをこんなにも愛してたんだってことに気づいてしまったのです!」と鼻息荒いキャッチが飛び込んできます。計44ページの総力特集……どうやら心だけではなく、体(ページ)も売ってしまったようです。
ところで、よくよく本文を読んでみると、前号でそこかしこに散りばめられた“モテ”というワードは皆無。「職場で女を捨てるな!」と紋切り型のコメントを押し付けてきた男の影も一切見当たりません。やはり定義も曖昧で揺らぎがちな“モテ”という概念にすがるより、コスパ最高でどんな場面でも役に立つZARAの方が、よっぽど頼りになりますもんね! どうやらモテ路線への転向は失敗したようですが、一号で早々に見切りをつけるあたりは潔い。もしかして「GINGER」は自分たちを縛る面倒くさいプライドよりも、実をとった、ということ? むしろ、プライドを捨てたら、残ったものが実だった、というところでしょうか。
以前から筆者は、「GINGER」は現実主義な雑誌だと言ってきました。それは恋愛企画が皆無で、ファッションについては、個性的だったりハイブランドだったりするわけではなく、実現可能なオシャレを提唱していたからです。しかもそのコーディネートには計算し尽くされた細かいルールが無数に存在しており、読んでいてもまったく気分が上がらない。それは「愛されたいから」「オシャレが好きだから」といった素直な気持ちではなく、「他人に舐められない」ためにするオシャレだから……と感じていました。
「GINGER」の読者層は都会で働く自立したアラサー女性で、おそらく学生時代には平均以上に勉強ができたでしょうし、仕事も平均以上にできるのでしょう。だからオシャレも、まるで教科書のように文字情報の多い「GINGER」片手に、平均点以上の点数を取るため頑張ってしまう。「GINGER」に“一人旅”や“スピリチュアル”企画がたびたび投入されているのは、そんな真面目で努力家な彼女たちの多くが疲弊しているからと受け取れますし、先月号で唐突に“モテ”や“男”が登場したのも、彼女たちに新たな価値観を与えようとしたからなのではと感じられるのです。しかし、どれもいまいちヒットせず、特に“モテ”特集は、彼女たちを救うどころか、さらに苦しめる結果に終わったように思えます。
だから、今月号は思い切って、その真面目で努力家が故の面倒くさいプライドを捨ててみた=「誰もが知っているZARAをごり押し」したではないでしょうか。「そんなに頑張らなくていいよ」と、どんな場面でも手を差し伸べてくれるZARAは、まさに「GINGER」女子の救世主だったのかもしれません。
しかし一方で、何も考えずにZARAを着ていればOKと決めてしまうのは、思考停止状態とも言えます。例えば、「旅行に行くのが趣味だからお金を貯めたい→服の優先順位は自分にとって低いからZARAでOK」といった考え方ならば納得できるものの、そういった“ZARAを着る意味”が誌面から見えて来ないのが気になるのです。「GINGER」の誌面から浮かび上がる女性像は、ある程度のキャリアを持っているものの、自分の言動の根拠に乏しいという一面も垣間見え、それは、将来に対する具体的なイメージがぼんやりしていることにも通じます。「GINGER」を愛読している女子は、バリキャリを目指しているわけでもなさそうだし、かといって恋愛や結婚を志向しているわけでもなく、趣味人というわけでもなさそう。「他人よりも少しばかり抜きん出たい」という唯一のプライドを捨ててしまった今、「GINGER」女子たちは一体何を目指すのか……その自意識の行方が気になるところです。
今号では、前号では消えていたスピリチュアル企画も復活。「ネイチャーエレメンツが導き出す 開運ROOMへ改造計画」を見ていきましょう。ネイチャーフォーチュンとは、中国の算命学をもとに、ネイチャー(自然)界にあるエレメンツ(要素)で、その人の気質を解いたものだそうで、その人のネイチャーエレメンツに合ったお部屋に大改造しちゃいましょう! そしたら幸せになれるよ! という企画です。まあ、詳しいことはよくわからないけど風水的なものですかね。
読者や編集部員の実際の部屋の写真を見ながら、人気フォーチュンアドバイザー・イヴルルド遙華先生がアドバイスしてくれるのですが、「外光がたくさん入る窓は運気を高めてくれます」「金運アップは水回りをキレイに」「パソコン、筆記用具など仕事と関係あるもの、よく使うものはキレイに扱って」って、いや、そんなん言われなくても筆者にだってわかるよ。しまいには、ピンクやフリルが盛りだくさんの部屋に住んでいる読者に対して、「甘えん坊の男性に尽くしがち」って、それアドバイスでも何でもないし、イメージで適当に言ってますよね……? 最終的には、自分の居心地がよければ「ごちゃごちゃしていてもいい」、癒やされるために「自分の好きなものを思い出して」と占い要素ゼロの結論に。このアドバイス自体は、お疲れな「GINGER」女子に響くと思いますが、あまりにも雑なまとめです。
ところで、実は今月の「GINGER」には、ZARAも含めて、ブランドのタイアップ記事が全部で13個もありました。女性誌ですから、タイアップ記事自体は珍しくもなんともないのですが、前号までと比べると、ちょっと多いなという印象。タイトルには、全て露骨にブランド名が入っており、ZARA特集のページ以外は、ただひらすらに単純な商品紹介に徹していました。クリエイティブもへったくれもありません。制作の裏側にどんなエピソードがあったのかは想像の域を脱しませんが、もしかすると編集部も疲弊しきっているのでは……と余計な心配をしてしまいました。
(橘まり子)
ZARAに心も体も売った!? “その他大勢とは違う私”というプライドを捨てた「GINGER」
前号では突然モテ路線に変更するも、“モテ”の定義が曖昧で迷走気味だった「GINGER」(幻冬舎)。今月号の表紙は一転、黒とグレーに濃い目ピンクを効かせたクールな印象。何かを悟ったような長谷川潤の表情からは生気が感じられません。以前の、夢見がち要素ゼロの超現実主義へ揺り戻し……? 早速中身をチェックしていきましょう~。
<トピックス>
◎いつだって大人のおしゃれの救世主 私たちにはZARAがある!
◎ネイチャーエレメンツが導き出す 開運ROOMへ改造計画
◎女子に効く、フレーズの裏側
■頼りになるのは男よりも「ZARA」という現実
これまで数号にわたってチェックしてきた表紙モデルへの巻頭インタビュー「COVER WOMAN」ですが、今回は掲載なし。「GINGER」では、“お疲れ女子代表(3月号参照)”的扱いをされていた長谷川が何を語るのか楽しみにしていただけに残念です。迷走気味の「GINGER」ですから、ロールモデルとなる女性芸能人もネタ切れだったのかもしれません。
さて、気を取り直してメインファッション企画「いつだって大人のおしゃれの救世主 私たちにはZARAがある!」を見ていきましょう。「とりあえずザラに駆け込めば解決する」「(オフィスも、週末旅行も、キャンプ&BBQも、パーティーも)どんなシーンもザラさえあれば!」など、今さらあの世界的なブランドをごり押しです!! 筆者は、「GINGER」とは、“TPOを意識しつつ他人よりも、ちょっとだけセンスのあるオシャレ”という絶妙に面倒くさいプライドを頑なに守り、適度に流行を取り入れつつも、その他大勢とは被りにくいブランドアイテムを推してきた雑誌と認識していたのですが、ここに来てZARA? その他女性誌たちと横並びのオシャレでよかったの!?
ページをめくると、まさにZARAに魂売ってしまったのかごとく、「毎日のおしゃれを全方位で支えてくれる、頼もしい存在」「私たちは、ザラをこんなにも愛してたんだってことに気づいてしまったのです!」と鼻息荒いキャッチが飛び込んできます。計44ページの総力特集……どうやら心だけではなく、体(ページ)も売ってしまったようです。
ところで、よくよく本文を読んでみると、前号でそこかしこに散りばめられた“モテ”というワードは皆無。「職場で女を捨てるな!」と紋切り型のコメントを押し付けてきた男の影も一切見当たりません。やはり定義も曖昧で揺らぎがちな“モテ”という概念にすがるより、コスパ最高でどんな場面でも役に立つZARAの方が、よっぽど頼りになりますもんね! どうやらモテ路線への転向は失敗したようですが、一号で早々に見切りをつけるあたりは潔い。もしかして「GINGER」は自分たちを縛る面倒くさいプライドよりも、実をとった、ということ? むしろ、プライドを捨てたら、残ったものが実だった、というところでしょうか。
以前から筆者は、「GINGER」は現実主義な雑誌だと言ってきました。それは恋愛企画が皆無で、ファッションについては、個性的だったりハイブランドだったりするわけではなく、実現可能なオシャレを提唱していたからです。しかもそのコーディネートには計算し尽くされた細かいルールが無数に存在しており、読んでいてもまったく気分が上がらない。それは「愛されたいから」「オシャレが好きだから」といった素直な気持ちではなく、「他人に舐められない」ためにするオシャレだから……と感じていました。
「GINGER」の読者層は都会で働く自立したアラサー女性で、おそらく学生時代には平均以上に勉強ができたでしょうし、仕事も平均以上にできるのでしょう。だからオシャレも、まるで教科書のように文字情報の多い「GINGER」片手に、平均点以上の点数を取るため頑張ってしまう。「GINGER」に“一人旅”や“スピリチュアル”企画がたびたび投入されているのは、そんな真面目で努力家な彼女たちの多くが疲弊しているからと受け取れますし、先月号で唐突に“モテ”や“男”が登場したのも、彼女たちに新たな価値観を与えようとしたからなのではと感じられるのです。しかし、どれもいまいちヒットせず、特に“モテ”特集は、彼女たちを救うどころか、さらに苦しめる結果に終わったように思えます。
だから、今月号は思い切って、その真面目で努力家が故の面倒くさいプライドを捨ててみた=「誰もが知っているZARAをごり押し」したではないでしょうか。「そんなに頑張らなくていいよ」と、どんな場面でも手を差し伸べてくれるZARAは、まさに「GINGER」女子の救世主だったのかもしれません。
しかし一方で、何も考えずにZARAを着ていればOKと決めてしまうのは、思考停止状態とも言えます。例えば、「旅行に行くのが趣味だからお金を貯めたい→服の優先順位は自分にとって低いからZARAでOK」といった考え方ならば納得できるものの、そういった“ZARAを着る意味”が誌面から見えて来ないのが気になるのです。「GINGER」の誌面から浮かび上がる女性像は、ある程度のキャリアを持っているものの、自分の言動の根拠に乏しいという一面も垣間見え、それは、将来に対する具体的なイメージがぼんやりしていることにも通じます。「GINGER」を愛読している女子は、バリキャリを目指しているわけでもなさそうだし、かといって恋愛や結婚を志向しているわけでもなく、趣味人というわけでもなさそう。「他人よりも少しばかり抜きん出たい」という唯一のプライドを捨ててしまった今、「GINGER」女子たちは一体何を目指すのか……その自意識の行方が気になるところです。
今号では、前号では消えていたスピリチュアル企画も復活。「ネイチャーエレメンツが導き出す 開運ROOMへ改造計画」を見ていきましょう。ネイチャーフォーチュンとは、中国の算命学をもとに、ネイチャー(自然)界にあるエレメンツ(要素)で、その人の気質を解いたものだそうで、その人のネイチャーエレメンツに合ったお部屋に大改造しちゃいましょう! そしたら幸せになれるよ! という企画です。まあ、詳しいことはよくわからないけど風水的なものですかね。
読者や編集部員の実際の部屋の写真を見ながら、人気フォーチュンアドバイザー・イヴルルド遙華先生がアドバイスしてくれるのですが、「外光がたくさん入る窓は運気を高めてくれます」「金運アップは水回りをキレイに」「パソコン、筆記用具など仕事と関係あるもの、よく使うものはキレイに扱って」って、いや、そんなん言われなくても筆者にだってわかるよ。しまいには、ピンクやフリルが盛りだくさんの部屋に住んでいる読者に対して、「甘えん坊の男性に尽くしがち」って、それアドバイスでも何でもないし、イメージで適当に言ってますよね……? 最終的には、自分の居心地がよければ「ごちゃごちゃしていてもいい」、癒やされるために「自分の好きなものを思い出して」と占い要素ゼロの結論に。このアドバイス自体は、お疲れな「GINGER」女子に響くと思いますが、あまりにも雑なまとめです。
ところで、実は今月の「GINGER」には、ZARAも含めて、ブランドのタイアップ記事が全部で13個もありました。女性誌ですから、タイアップ記事自体は珍しくもなんともないのですが、前号までと比べると、ちょっと多いなという印象。タイトルには、全て露骨にブランド名が入っており、ZARA特集のページ以外は、ただひらすらに単純な商品紹介に徹していました。クリエイティブもへったくれもありません。制作の裏側にどんなエピソードがあったのかは想像の域を脱しませんが、もしかすると編集部も疲弊しきっているのでは……と余計な心配をしてしまいました。
(橘まり子)
マンガ『ヅャニーさん』――第42回【サカッモ……クン!?】




