冬も終わりに近づくにつれ、気になりだすのがワキの黒ずみ。これからやってくる薄着の季節、不意にワキを見られてしまうことも多いだけに、きちんとケアしたいもの。そこで、「よしき皮膚科クリニック銀座」院長の吉木伸子先生が行う「ワキの黒ずみ対策」の講演を聞きに、デオナチュレの勉強会へ参加した。
■ワキ毛を抜く行為は「皮膚を引きちぎっている」
「実に2人に1人の女性が悩んでいるというデータもある」というワキの黒ずみ。それは、毛の処理と密接な関係があるという。
ワキ毛の処理方法は主に2つ。毛抜きや家庭用脱毛器、テープやワックスで毛を根元から抜く“脱毛”と、カミソリやシェーバーで皮膚からのぞいた部分を剃る“剃毛”があるものの、「どちらの方法も、ある程度は肌に負担をかけています」と、吉木先生。中でも脱毛は、肌に与えるダメージが大きいのだとか。
「毛根は神経や血管の通う生きた組織です。“毛を抜く”という行為は、皮膚組織の一部を引きちぎることになるので、毛穴の奥は傷つき、出血もしているんですよ」(吉木先生/以下、同)
なお、傷が治ると新しい毛が生えてくるが、その毛を抜くと、再び毛根へダメージを与えてしまうことになるそうだ。
女性は1年を通してワキ毛処理している人も多いため、ダメージと治癒を繰り返すこととなり、「だんだんと皮膚が傷んで、ダメージが蓄積されていきます」とのこと。つまり、10代の頃から毛を抜き続けていると、何十年分ものダメージが蓄積されてしまうということなのだ。
その結果、皮膚が繊維化して、毛の出口が硬くなったり変形したり、鳥肌のようになったりする「瘢痕化」や、「埋没毛」などのトラブルを起こしやすくなり、さらに、毛穴の中や周辺には雑菌も多いため、傷口から雑菌が侵入すると、ニキビのような発疹ができて化膿する「毛嚢炎」を招くことも。それらの痕が「炎症性色素沈着」を起こし、くすみや黒ずみになるのだという。
■黒ずみは、一度できると消せない
しかも、誤った除毛方法で、肌トラブルを繰り返してできた黒ずみは、簡単に消すことができないようだ。
「紫外線でできたシミとは違い、炎症性色素沈着はレーザーでは消えません。ピーリングや美白クリームなどを1~2年ほど続ければ薄くなることもありますが、沈着が深い場合は、消すのがかなり困難な場合も」
吉木先生の元には、結婚式目前に「ワキの黒ずみをどうにかしてほしい!」と駆け込んでくる女性も少なくないそうだが、「年月をかけて蓄積してきたダメージを、2~3カ月でキレイにするのは無理難題」。そのため、黒ずみ対策には、“肌トラブルを起こさないような除毛方法”を取り入れなければいけないのだ。
ところが、ワキの肌トラブルを起こした女性の中には、「昔から同じ方法でワキ毛処理をしてきたけど、一度もトラブルになったことがない」との理由から、除毛方法に問題があると気づいていない人が多いのだとか。
「長年同じ除毛方法を続けていても、ある年齢から肌トラブルを起こしやすくなることはあります。それは、ダメージの蓄積で皮膚が傷む以外に、年齢とともに回復力自体も衰えていくからです」
また、トラブルが起こるのは、新しい毛が生えてきたタイミングのことが多く、「除毛した日から炎症が起こるまでタイムラグがあることも、除毛方法に問題があると気づきにくい理由の1つ」のようだ。
■生理前の除毛はNG!?
肌トラブルの原因を知り、正しい除毛を行うことが、黒ずみ対策への第一歩。しかし、毛穴へのダメージが少ない剃毛でも、「刃物が肌の表面を削り取り、見えない傷が無数についている」そうで、やはりトラブルの原因になる可能性はある。
とはいえ、ワキ毛を処理しないというわけにはいかないだけに、除毛の際には、少しでもダメージを減らすため、「体と剃毛用の器具ともに、清潔な状態で行う」「剃る前に蒸しタオルなどで温めて、毛と皮膚を柔らかくする」「除毛が終わったら、冷やして炎症を抑える」「体調の悪いときは行わない」という4つの点を心がけるべきだという。
「除毛による傷を治すのは自身の回復力なので、体調が悪いと回復も遅くなります。疲れているときや風邪気味のとき、生理前などは特に膿みやすいので、体調のいい日に行うようにしましょう。また、カミソリを使う場合は替え刃式を選び、こまめに刃を取り換えることが大切です」
ただ、肌トラブルを起こすか否かは個人差が大きく、トラブルとは無縁の人もいるそう。反対に、どう工夫しても肌トラブルを起こしてしまう人は、「肌への負担が少ない医療脱毛を検討してみましょう。医療脱毛をして自己処理をやめれば、肌トラブルは回復していきます」と語る。
吉木先生が、最後に「ワキの黒ずみのような炎症性色素沈着は、簡単に消せる手立てがありません」と繰り返し、「トラブルが起きたときは、早めに皮膚科を受診して相談してください」と、注意を呼びかけ、講演は終了。今はまだ黒ずんでいないという人も、今後のワキのことを視野に入れて、正しい除毛方法を始めてみるのはいかがだろう。
(千葉こころ)



