【作品名】「彼女たちのルール」(後編) 【作者】桜井まり子『ご近所の悪いうわさ』
【作品紹介】私の恋人にフラれた、会社のアイドル社員。いつの間にか職場では、交際を隠していた私が悪いということになり、職場で肩身が狭くなるばかり……。
【サイゾーウーマンリコメンド】“女社会の地獄絵図”とでもいうようなシーンが、大玉花火のように打ち上がる本作。2016年を締めくくるにふさわしい“ベストオブ性悪女”を、ぜひその目でご覧くださ~い!
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12月26日の5時間スペシャルをもって、最終回を迎えた『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)。新しい映像は、エンディングの約12分のみだったが、オンエアされた過去の番組VTRでは、脱退した森且行や、稲垣吾郎の逮捕から復帰までなど、“お蔵出し映像”の連続となり、視聴者からは「タブーが解禁された」との声が上がっていた。しかし翌27日、テレビ各局が『スマスマ』最終回を大々的に取り上げた際、ジャニーズ事務所からさまざまな制約を指定されたという。
「ジャニーズ事務所は、所属タレントの過去VTRの使用に関して、最も厳しい事務所として知られています。2009年、草なぎ剛が公然わいせつ罪で逮捕されましたが、その年のニュースを振り返る際にも、映像はもちろん、“逮捕された”という事実さえ、放送することは許されません」(テレビ局関係者)
今年はほぼ丸1年、SMAP騒動が芸能ニュースの中心となっていただけに、各局ともSMAPの過去映像を、是が非でも放送したいところだが……。
「この年末も、各局がこぞってSMAPの過去映像を使用したいと、ジャニーズサイドに要請していますが、使用許可が出た映像は12月28日発売の『Clip!Smap!』から数カット、そして『スマスマ』最終回の歌唱シーンのみだったそう。フジの映像の再使用というだけあって、現場からは不満の声が漏れていますよ。事務所は、SMAPをいち早く過去のものにしたいのでしょうね」(同)
この要請は日本テレビ、TBS、テレビ朝日、そしてNHKに行われているというが、フジに関しては少々事情が違うようだ。
「過去の『スマスマ』映像の一部など、他局に比べて使用していい映像がいくつもあるそうです。やはり、SMAP解散によって、20年間グループがお世話になってきた番組を突然打ち切らせることになり、多大な迷惑をかけてしまったとあって、フジは優遇されているようですね」(同)
なお、『Clip!Smap!』と『スマスマ』の映像に関しても、オンエアに使用できるのは「年内まで」と、ジャニーズからお達しが来たという。大みそかの『NHK紅白歌合戦』の出演を辞退したことで、すでにSMAPとしての活動は全て終了したものの、SMAPの映像がテレビで放送されるのも、残りわずかとなってしまうようだ。
2016年、テレビは激動の年だった。 SMAPの解散報道に対する“公開謝罪”から始まり、“文春砲”などと言われた週刊誌によるスキャンダル報道でベッキーをはじめとするテレビの主役たちが仕事を激減させたり、長年続いた小堺一機の昼の帯番組『ごきげんよう』(フジテレビ系)や『新チューボーですよ!』(TBS系)の終了、『笑点』(日本テレビ)の司会交代、そしてSMAP解散が本当になってしまうなど、大きな“事件”が数多く発生した。 間違いなく、2016年は、今後テレビの歴史を語る上で、ターニングポイントの年となるだろう。 そんな2016年のテレビバラエティを振り返ってみたい。 ■MVPはバナナマン 今年は、なんといってもバナナマンの年だった。よく「テレビで見ない日はない」と大活躍している芸能人をたたえるときに使う文言があるが、それを本当に実現したタレントはなかなかいない。しかし、バナナマンは今年4月クールから『バナナ♪ゼロミュージック』(NHK)など3つの新番組が始まったことで、全曜日にレギュラー番組を持つという快挙を成し遂げた。しかも、スゴいのは、司会からプレイヤーまでそれぞれ違う役割を演じ、その分野もお笑い番組からロケバラエティ、音楽番組、アイドルバラエティまで多種多様だということだ。特に『そんなバカなマン』(フジテレビ系)は元日の生放送スペシャルや、『人生のパイセンTV』(同)とコラボ特番を放送したりと精力的だった。さらに、設楽統、日村勇紀それぞれピンのレギュラー番組も持っている。中でも日村の冠番組である『万年B組ヒムケン先生』(TBS系)は2016年を代表する新番組だった。加えて、ラジオも単独ライブもこれまで通り続けている。驚異的だ。 バナナマンが表のMVPなら、裏のMVP(といったら、失礼なくらいだが)は、くりぃむしちゅー。特に有田哲平は、純粋なお笑い番組が成立しにくい中、コンビでの『くりぃむナンチャラ』(テレビ朝日系)に加えて、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)や『有田ジェネレーション』(TBS系)と、各局で悪ふざけの限りを尽くしている。『有田ジェネレーション』でまだ見ぬ若手を発掘し、『脱力タイムズ』や『ナンチャラ』で、その発掘された芸人や、すでに実力が証明されている芸人をさらに追い込むことで、それまで見せたことがない側面を見せるというサイクルが素晴らしい。 『有田ジェネレーション』で飛び出た小峠英二の「『もうないです』じゃねぇだろうよぉ! お笑いっつーのはなぁ、『もうない』からが勝負なんだよ!」というのは、これらの番組の精神を最もよく表した屈指の名言だった。その小峠も、各番組で必ず結果を残す活躍っぷりだった。 ■ポジティブ芸人とカルト芸人 昨年くらいから今年にかけて、中高生を中心とした若い女性の中で、ある“異変”が起きている。 それは出川哲朗やトレンディエンジェル斎藤、NON STYLE井上(最後にケチがついてしまったが)といった、見た目がブサイク、ハゲ、気持ち悪いといったネガティブな評価を受けやすい芸人が、そのポジティブな言動で人気を集めていることだ。もちろんこれまでも、そういったタイプのタレントが若い女性に受けることはあったが、それはいわゆる例外的な事象だった。だが、今はそれが一人ではなく、複数人まとまって受け入れられていることに時代性を感じる。 また、昨年ブレークした永野が引き続き人気を集め、さらに今年、ハリウッドザコシショウがブレークを果たしたのも印象的。ザコシショウの芸を『スッキリ!!』(日本テレビ系)で見た本上まなみがあまりに理解不能と拒否反応で涙を流してしまった(それも2度も)というのは今年屈指の名シーンのひとつだが、一方で『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の「替え歌最強トーナメント」で中学生が審査する中、ザコシショウが「タイガーステップ」など絶対に元ネタが中学生にはわからないだろうというネタで決勝まで勝ち上がるという驚きの展開。「元ネタがわからない=面白くない」という先入観をぶち壊した。 こうしたポジティブ芸人やカルト芸人が、若い層にまで幅広く受け入れられたのが今年の特徴だった。思えば、今年の顔のひとりであるメイプル超合金のカズレーザーは、その両方の要素を持った芸人だ。窮屈な時代に多様性を肯定する様々な名言を連発。共演者が彼の言葉を待つ感じは、2007年頃の再ブレーク前夜の有吉弘行のような勢いを感じさせる。2007年、その原動力は「毒」だったが、それが「肯定感」に変わったのが今の時代を象徴しているのかもしれない。 ■“日7戦争”勃発 今年の大きなトピックスとして、古舘伊知郎のバラエティ番組“復帰”も挙げられる。12年間務め上げた『報道ステーション』(テレビ朝日系)を辞めると、わずか数カ月の休養を経て、『ぴったんこカン★カン』(TBS系)や『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)などに出演。硬直気味のバラエティに“異種格闘技”的な新風を吹かせた。 そして11月からは新番組『フルタチさん』(同)を開始。この枠は、冬クールから“日7戦争”と呼ばれるようになった大激戦枠。王者『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)に対し、テレビ朝日は『日曜もアメトーーク!』、TBSは『クイズ☆タレント名鑑』を復活させた『クイズ☆スター名鑑』、テレビ東京はアシスタントを福田典子アナウンサーに交代した『モヤモヤさまぁ~ず2』と、各局が看板番組をぶつける形となった。加えて、Eテレでは、『24時間テレビ』(日本テレビ系)の真裏で“感動ポルノ”批判をし、大きな話題となった『バリバラ』も放送されている。 こうした視聴率競争で求められるのは、勝つための足の引っ張り合いではない。テレビの活気を伝えることで、それまでテレビから離れていた層をテレビに戻し、日曜夜7時、ひいてはテレビ界全体の視聴率を底上げすることだ。 ■総括 今年は、ネガティブな話題も多かったが、オリエンタルラジオによる音楽ユニットRADIO FISHの「PERFECT HUMAN」や、古坂大魔王が“プロデュース”したピコ太郎による「PPAP」、トレンディエンジェル斎藤の「斎藤さんだぞ」、平野ノラによる「しもしも~」などなど、お笑い界からたくさんの流行が生まれた年だった。 それは、窮屈で不寛容になってしまった社会に対する反動ではないだろうか? テレビとは本来、バラエティ、つまり「なんでもあり」の多様性を表現するものだったはずだ。今またそれが、求められてきているのではないだろうか? (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから
1996年4月から放送されてきたSMAPの冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)が、12月26日の放送分でとうとう終了した。
中居正広の「マー坊」「計算まこちゃん」や木村拓哉の「Pちゃん」「ホストマンブルース」「体感エレベーター」、稲垣吾郎の「ゴロクミちゃん」「CCB吾郎」、香取慎吾の「カツケンサンバ」「カニ蔵」、草なぎ剛の「ツヨシ十二楽坊」「コップのツヨ子」「竹の塚歌劇団」といった秀逸なキャラクターコントの数々や、「粘土の王国」「アイドルキックオフ」といった企画など、見たいものは数えきれないほどあった。
約5時間の最終回では、どこまで見せてくれるのか、期待が高まったが……。
フタを開けてみると、なんとも「コレじゃない」感の強い内容である。もちろん昔の懐かしい映像やラストステージなど、グッとくる場面はあった。SMAPメンバーたちの生の声が聞けなかったことは非常に残念だが、それを抜きにしても、もっとほかのやり方がいくらでもあったのではないかと思う。
『SMAP×SMAP』の最終回なのに、番組から離れ、SMAPのヒストリーを時系列で並べるために、稲垣吾郎逮捕、草なぎ剛逮捕といったニュース映像や謝罪シーンまで盛り込まれる。これ、必要だろうか?
そして、見たかったコントの数々は、やっぱり時系列で振り返る中に、さわり程度で映像が挟みこまれるのみで、「ストーリー」を盛り上げるかのような意図的なBGMがずっと流れている。もっと純粋にコントをたっぷり楽しみたかったのに。
また、「ビストロSMAP」だって、コーナーを独立させ、『笑っていいとも!』(同)総集編のようなスタイルで、一気見せなどできなかったものだろうか。香取の「おいしい~♪」扮装〇連発など、一気に流したら見ごたえがかなりあるはずだ。
肩の大きなブカブカのスーツ姿でキレキレに踊る派手派手でカッコいい姿も、テレを完全に捨てた全力コントも、もっとシンプルに純粋に見たかった。そこには感動的だったり、哀愁を感じさせたりするBGMなんて不要だと思うのだ。
第一、約5時間の中に、「涙」や「謝罪」などの占める割合が多すぎたのではないか。視聴者からは「スマスマスタッフさんの愛を感じる」「スマスマ、泣けた」という声ももちろん多数上がっている。
でも、いつでもカッコよくて面白くてワクワクさせてくれたSMAPのヒストリーには「涙」なんて似合わない。延々とBGMに「BEST FRIEND」が繰り返され、しまいにはそのオルゴール版が流されたときには、なんだか残念な思いでならなかった。
そして、ラストステージでは、真っ白なバックで無数の花に囲まれて「世界に一つだけの花」を歌った5人。幕が降りていく中、いつまでも横並びで頭を下げ続ける5人。
さらに、エンドロールが流れるときには、メンバー5人がスタッフ一人ひとりと記念撮影を行うシーンが流れた。なんだこれ?
言い方は悪いが、スタッフの中には、到底SMAPと長年苦楽を共にしてきたようには見えない、かなり若く、関係の浅そうな者も多数いるように見えた。そんな状況でも「スタッフ一人ひとりとの記念撮影会」に応じなければいけなかったメンバーたち。なかでも最初から最後まで白い歯を見せて笑顔を絶やさなかった中居は、本当に気の毒に見えた。こんなときまで、フジテレビお得意の「内輪ウケ」を盛り込むのだろうか。
長年多数の視聴者たちを楽しませてくれた『SMAP×SMAP』。でも、見たかったのはこんな最終回じゃない。
本当にこれで最後なのだろうか。どうか寂しげなBGMなどつけず、純粋に過去映像をひたすら流す「コント傑作選」「ビストロSMAP傑作選」などを放送してくれないものだろうか。
(田幸和歌子)
有名人の麻薬スキャンダルが相次いだ2016年。この男も、騒動に巻き込まれる形で脚光を浴びたひとりである。元メジャーリーガー・野村貴仁(47)。2月に髭ぼうぼうのヘルメット姿でテレビの直撃取材を受け、元同僚の清原和博に覚せい剤を渡したことを明かして以来、注目の的に。9月には自伝的暴露本も発売し、大きな波紋を呼んだ。その野村が、激動の1年を振り返りつつ、大谷翔平や清宮幸太郎の将来性、ASKAへのアドバイス、そして自身の近況や恋愛事情などを語り尽くした。 * * * ――清原さんが逮捕された今年の2月以降、高知県にある野村さんのご自宅にマスコミが群がって大変そうでしたが、全部で何社ぐらいの取材を受けましたか? 野村 自分の出たテレビや雑誌を見ないんで、正確な数字は把握できとらんのですよ。でも1日に10社ほど来た日もありますし、随筆家とか野次馬も来たりして、いっときは大変でした。そのほとんどがギャラなんかなく、取材協力いう形でやっとったし、あの時期、本来の仕事(野球の指導)ができなくなったから、稼ぎも減った。ええことなんか何もないです。 ――取材謝礼で大儲けしているのかと思っていたのですが……。 野村 マイナスですよ。せいぜいビールの差し入れがある程度。で、その酒目当てで友人知人がウチに集まって来て、みんなでだらだらビール飲みながら野球の話をして、気付いたら朝、なんてこともよくあって。「もうええ加減、帰ってくださいよ」とお願いしたり(笑)。 ――野村さん自身は、差し入れのビールを飲まなかったんですか? 野村 気ぃつけながら飲んでましたね。缶ビールに細工して覚せい剤を入れられる可能性があるから、ずっと警戒はしてました。 ――缶ビールに細工なんかできるんですか? 野村 小さな穴開けてそっから覚せい剤入れて、ハンダで塞げばええだけのことです。でもね、細工しとっても、見破る方法があるんですよ。僕、握力が強いから、飲む前に缶を思い切り握りしめる。そうすると、細工した缶は(穴を塞いでいたハンダが剥がれて)、そこからプシューッと泡が吹き出るんです。 ――なるほど。しかし、ビールに細工をする人間なんて、いるんですか?
野村 そりゃ、いっぱいおるでしょ。おかしなことは何回もありましたよ。「あれ? こんなとこにビール置いた記憶ないのに」ってこととか。そういうビールには手をつけず、全部証拠として置いときます。僕、ASKAとは違いますから。全部、証拠を後で「バン!」と出しますから。ASKAはただのバカでしょ。 ――ASKAさんの話は後ほどおうかがいするとして、一連の取材攻勢で一番腹が立ったことを教えてください。 野村 日テレがひどかったです。出すなと言ったのに出しましたからね。あんとき、たまたま掃除中でヘルメットかぶっとって、そろそろヒゲも剃ろうと思っとったところに、取材が来た。しかも「(映像を)出すなよ」と言ったのに、出ちゃって。あれで「バン!」といきましたからね。映像を見た田尾さんが、「この人はよほどのことをしないと治りませんよ」なんて言うてましたけど、僕のスイング、あの人の倍速いですよ。見てください(と言って素振りを披露)。 ――おお、すごい迫力ですね! 野村 僕、高校時代、4割9分8厘、ホームラン25本ですよ。強打者で、強肩で、剛腕。なのに田尾さんは「清原も野村も巨人に行っておかしくなった」とか、ワケわからんことを言う。清原も巨人では勝負どころで打っとるし、僕も抑えとるのに、何を根拠に言っとるのかな、と。アキレス腱、切ったろか! コラ! って思いましたよ。 ――アキレス腱を切る? 野村 僕、学生時代からずっと格闘技の練習しとったから、ローキックが得意なんですよ(と言って実演開始)。スパパパパン! で、パチーン! ですわ。 ――そういえば、この年末に野村さんが格闘家デビューするというプランもありましたね。押尾学さんに対戦のオファーを出したという報道を見ましたが、あの話は結局どうなったのでしょう? 野村 押尾が逃げたんですよ。まぁ出たところで、あんなの100%ノーチャンスですよ。パンパンパン! で終わりです。レノックス・ルイスみたいにね、こうやって(シャドーボクシングを開始)パンパンパン! の数秒で終了です。それに、たかだか○万のギャラじゃ、僕もできんですよ。 ――えっ? 数秒で○万円なら、割のいい仕事じゃないですか! 野村 僕はプロの格闘家を尊敬してますから、素人が人前で試合したらいかん、って思いもあるし。僕はやっぱ、野球の人間ですから。 ――では野球のお話をお聞きしますが、メジャーリーグでの投手経験もある野村さんから見て、二刀流の大谷翔平選手はどうでしょう? まずは「投手・大谷」の評価をお願いします。
野村 イチローが大谷の話をしたときに、こう言うとったでしょう? 「すごいピッチャーはいくらでも出てくる」と。それを直訳したら、「投手としての大谷はたいしたことない」ってことでしょ。僕の教え子も、こう言うてます。「あんな160キロ、俺でも打てる」と。僕も「おまえ、その意気や!」言うてハッパかけてます。 ――しかし日本のプロ野球では、多くのバッターが大谷投手を打てず、キリキリ舞いになっているのが現状ですよね。 野村 スピードガンのメーターだけ見て物言うたらいかんですよ。大事なんは、セットで動き出してからミットにつくまでのスピードです。伊良部とか大谷みたいなフォームやったら、打者はタイミングを取れるんです。大谷はメジャーやったら通用せんと思います。 ――そうですかね? 野村 あんなもん、僕でも打てます。165キロ出た言うてますけど、あれ、ただのメーターの数字ですから。要するに大谷は、胸張って軌道がよう見えるフォームやから、速くても「空振りを取れんまっすぐ」なんですよ。160キロオーバーの球を投げるピッチャーなんて、向こうにはなんぼでもおる。でも逆に、スピードガンの数字は91マイル(約146キロ)やのに、対戦相手のロッキーズの選手から「体感は96マイル(約154キロ)だ。機械が壊れとるんか」言われる僕みたいなピッチャーもおるわけです。世間はスピードガンの数字だけ見て、大谷、大谷、騒いでますけど、僕は藤浪(晋太郎)や武田(翔太)のほうが上やと思います。 ――「打者・大谷」はいかがでしょう? 野村 日本のピッチャーのインコース攻めが甘いから、今は打ててるだけのこと。僕がピッチャーやったら、「若造コラ! ひっこんどけ!」言うて、大谷の胸元にブラッシュボールを投げますよ。江夏さんも言うてました。「肝のすわった投手が現れたら、大谷は打てなくなる」と。その通りやと思いますね。投打ともにそんな感じやから、メジャーで二刀流なんて甘いですよ。 ――では、早実の清宮幸太郎選手のことはどう思いますか? 野村 あれは論外でしょ。こんなこと(腕をクネクネ)して、足まであんなに上げとったら、僕がピッチャーやったら、足が地面つく前にボールがミットについてますよ(笑)。 ――野村さんの著書『再生』(KADOKAWA)にも書いてありましたが、プロ入り前の清原さんを見て「ノーセンスのバッター」と言い切り、プロ入り後も実際、20打数3安打とカモにしていた野村さんが言うのだから、説得力はありますね。
野村 清原はノーセンス! 野球でもケンカでも負ける気はしません。とはいえ、サヨナラヒットやサヨナラホームランの数は歴代最多でしょ? ピッチャーに勝ち星をもたらしたところはリスペクトしとるよ。 ――『再生』では、清原さんとの覚せい剤をめぐる生々しいやりとりも明かされていましたが、2006年、自身も覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された野村さんから見て、最近のASKAさんの言動はいかがでしょう? 野村 アカウントが乗っ取られたとか、そんなの当たり前でしょ? 電話あるでしょ、携帯電話。あれ、電源つけただけで、よそから中を見られますから。 ――そうなんですか? 野村 ワイヤレスであるじゃないですか。僕、大企業に務めとったこともあるからわかるんです。大事な会議はパソコンを使わず、電波が入らん部屋で、全部紙でやりますから。 ――企業秘密を盗もうとする動機はまだわかるのですが、誰が何の目的で個人の携帯やパソコンを覗くのでしょう? 警察の捜査目的ですか? それとも「ギフハブ」の仕業ですか? 野村 まぁなんにせよ、ASKAも盗聴が心配やったら、業者を呼んだらええやないですか。 ――盗聴器発見の業者ですか? 野村 そう。カネ持ってるんやから、専門の業者に調べてもらったらええんですよ。 ――確かにそれは名案かもしれませんね。でもASKAさんはうっかり警察に調査を依頼してしまい、言動が怪しかったため、尿検査を求められてしまいました。 野村 いっぺん捕まると3年はマークされるんです。僕も社会復帰してから20回ほど、尿検されてますから。泥棒に入られて警察を呼ぶじゃないですか。そうすると、尿検をやらされるんですよ。 ――お茶を入れたりは?
野村 お茶なんか(と言って首を横に振る)。僕は3年前に8人でガサ入れが来たので、「動くな!」と警察を止めましたよ。体調悪くて2週間寝とったから、覚せい剤なんか出るはずないし、(警察に覚せい剤を)勝手に置かれたらいかんから。「どうして来たんや? ちゃんと内偵したんか? もし尿から出たら腹切って死ぬから」と言いました。実際、なんも出とらんから捕まってないわけです。 ――自著のタイトル通り、「再生」を果たしたと。 野村 はい。ただし、気は抜けませんよ。自分がどんだけしっかりしとっても、誘惑や罠があるから、いろいろと注意せないかんのです。 ――それでは、近況をお尋ねします。あの家に、現在もお住まいですか? 野村 まだあそこに住んでます。今は雰囲気が変わりましたけどね。 ――掃除して綺麗になったんですか? 野村 綺麗にはなってませんが、いろいろ変わりましたよ。最近やっとテレビも入れましたし。 ――テレビではどんな番組を見ますか? 野村 NHKしか見ないです。バラエティーとかは見ないですね。 ――家では何をしていることが多いですか? 野村 YouTubeを見ることが多いですね。昔の野球を見て勉強したり、ええ若手選手に目をつけたり、格闘技の試合を見たり。 ――カラオケはお好きですか? オハコがあったら教えてください。 野村 強いて言うなら、「夜明けのスターライト」ですかね。あの「ロンリーチャップリン」の鈴木さんが歌っとる曲。でも、全然上手くないですよ。音感ないし、覚えられんもん。最近の曲は全然ですね。ゲスのなんとか言われても、「なんやそれ?」やもん。 ――テレビに出た影響で、女性からモテるようになったのでは?
野村 捕まったときから、「女性には気をつけとかないかんぞ」と知人に何度も言われてますから、気ぃつけてます。 ――言い寄られても、相手にしない? 野村 実際、変な女から電話かかってきたりもしましたよ。電話に出たらその女、「私の家に来んといてください」言うんです。 ――「私の家に来てください」ならわかるのですが、「来んといてください」ですか? 意味不明ですね。その女は何者ですか? 野村 さぁ。突然ファンになったんやないですか(笑)。こっちが下手なことしゃべったら、ストーカーみたいに思われるから、ヤバいと思った。録音されて、そこだけ流されたらいかんから。 ――なるほど。「来んといてください」の前後の会話をうまく切り取れば、「野村さんに付きまとわれて困っている女」というストーリーに仕立て上げることもできますからね。 野村 その女、手紙も送ってきてですね……。小学生が書くようなヘタクソな字で。写真もあったんですが、顔も……。だいたい僕のファンって時点で、イヤなんですよ。ハハハ。 ――ファンには手を出さない主義ですか? 野村 だいたい女性からハメられることが多いじゃないですか。だから、ノーサンキューです。 ――今現在、恋人や、好きな女性は? 野村 いないです。女性とは十何年、やってません。 ――興味がないんですか? それとも飽きてしまった? 野村 興味ないゆうか……(照れ笑い)、その体力もないし。飽きたこともないけど……気ぃつけとかないかんな、と。まぁ「女とやってない」いうんは、「クスリもやってない」いうことを遠回しに言うとるんですけどね。 ――今、一番会いたい人は?
野村 う~ん………(長考中、友人でありマネジャー的なことをしている男性が会話に加わってくる)。 男性 おるでしょ。壇蜜さん! 貴仁、壇蜜さんのこと、全然知らんかったんよね。でも最近知って、最初は中国人やと思っとったみたいやけど、秋田の人やと知ってな。ほんでな。 野村 いらんこと言うな!(笑) ――壇蜜さんは「年上で、ちょっと不器用な男性が好き」らしいですから、ノーチャンスではないのでは? 野村 いやいやいや(と言って照れる)。女といえば、腹立つのは、誰やったかな。神スイングの……。 男性 稲村亜美さんか? 野村 そう、稲村亜美。あの子、何が神スイングや。俺のは稲妻スイングや! これ、ゲイリー・シェフィールドと俺しかできんって。振った瞬間、終わるんは!(と叫んで稲妻スイングを披露) 男性 そういやダレノガレ明美さんのことも、なんか言うとったな。 野村 あの子は、センスあるよ。ええフォームしとる。でも、武井壮の球なんか、俺でも簡単に打てる! あんなん、いくら練習しても無駄! 前に頭が入るから、ボールの軌道が丸見えや。武井壮より、ダレノガレのほうがセンスは上! 武井壮は、いくら160キロ出ても論外。ノーセンスです。 ――野村さんは本当に野球が大好きなんですね(笑)。来年の抱負を教えてください。 野村 ええ選手をたくさん発掘して、育てたいですね。YouTubeとかでええ選手を見つけたら、実際見に行って確認して、手紙出して、返事が来たら教えます。「野村さんに教わるようになったら打てるようになった」言う教え子も多いんですよ。「思い切り下から振り回せ! コンパクトに!」と教えたら、「場外まで飛ぶようになりました」って。 ――打撃も教えるんですか。 野村 高校時代、イチローはホームラン19本やろ。田淵さんは8本やろ。俺は25本や! ――とにかく来年は、本業である野球指導に重きを置く、と。 野村 ただ、あんま表立って行動できんのですよ。最近は表をウロウロしとると、いろんな人から声かけられるようにもなったし。 ――ただでさえ顔が売れている野村さんが、そんな真っ赤な服を着て歩いていたら、そりゃ目立つでしょう。 野村 これは一応、格闘家のベニー・ユキーデに憧れて買った服なんですけどね……。 ――最後の質問です。将来の夢は? 野村 スピードガンをやめさせたいですね。あれ、ただのメーターですから。数字は関係ない。見て速かったら、それがすべてや! * * * スピード(覚せい剤)をやめた後は、スピードガンをやめさせる――。セットアッパーから「ストッパー」に転向し、引退後も戦い続ける野村なのであった。 (取材・文=岡林敬太/撮影=尾藤能暢) ●のむら・たかひと 1969年高知県生まれ。高岡高校宇佐分校から三菱重工三原を経て、ドラフト3位でオリックス入団。169cmと小柄ながら速球の左腕として活躍。95、96年にはリーグ優勝に貢献。特に96年の日本シリーズでは、巨人の松井秀喜選手のバットを二度へし折って抑えた。96、97年オールスター選出。98年にトレードで巨人へ移籍。その後メジャーリーグのブルワーズへ。日本ハムなどをへて引退。引退後の06年10月、覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決。現在は新しい生活に向けて動き出している。 ●『再生』 「なめとんのか、この野郎!」強気のピッチングに球場が沸く。現役時代、絶対的なセットアッパーとして両リーグで優勝、日本一にも貢献した。「野球を面白いと感じたことは一度もない」という厳しいプロの世界。栄光、悲哀、クスリ、逮捕、そして……。波瀾の半生をありのままに語り、新たな一歩を踏み出す。 出版社:KADOKAWA 再生 ノーセンス!
有名人の麻薬スキャンダルが相次いだ2016年。この男も、騒動に巻き込まれる形で脚光を浴びたひとりである。元メジャーリーガー・野村貴仁(47)。2月に髭ぼうぼうのヘルメット姿でテレビの直撃取材を受け、元同僚の清原和博に覚せい剤を渡したことを明かして以来、注目の的に。9月には自伝的暴露本も発売し、大きな波紋を呼んだ。その野村が、激動の1年を振り返りつつ、大谷翔平や清宮幸太郎の将来性、ASKAへのアドバイス、そして自身の近況や恋愛事情などを語り尽くした。 * * * ――清原さんが逮捕された今年の2月以降、高知県にある野村さんのご自宅にマスコミが群がって大変そうでしたが、全部で何社ぐらいの取材を受けましたか? 野村 自分の出たテレビや雑誌を見ないんで、正確な数字は把握できとらんのですよ。でも1日に10社ほど来た日もありますし、随筆家とか野次馬も来たりして、いっときは大変でした。そのほとんどがギャラなんかなく、取材協力いう形でやっとったし、あの時期、本来の仕事(野球の指導)ができなくなったから、稼ぎも減った。ええことなんか何もないです。 ――取材謝礼で大儲けしているのかと思っていたのですが……。 野村 マイナスですよ。せいぜいビールの差し入れがある程度。で、その酒目当てで友人知人がウチに集まって来て、みんなでだらだらビール飲みながら野球の話をして、気付いたら朝、なんてこともよくあって。「もうええ加減、帰ってくださいよ」とお願いしたり(笑)。 ――野村さん自身は、差し入れのビールを飲まなかったんですか? 野村 気ぃつけながら飲んでましたね。缶ビールに細工して覚せい剤を入れられる可能性があるから、ずっと警戒はしてました。 ――缶ビールに細工なんかできるんですか? 野村 小さな穴開けてそっから覚せい剤入れて、ハンダで塞げばええだけのことです。でもね、細工しとっても、見破る方法があるんですよ。僕、握力が強いから、飲む前に缶を思い切り握りしめる。そうすると、細工した缶は(穴を塞いでいたハンダが剥がれて)、そこからプシューッと泡が吹き出るんです。 ――なるほど。しかし、ビールに細工をする人間なんて、いるんですか?
野村 そりゃ、いっぱいおるでしょ。おかしなことは何回もありましたよ。「あれ? こんなとこにビール置いた記憶ないのに」ってこととか。そういうビールには手をつけず、全部証拠として置いときます。僕、ASKAとは違いますから。全部、証拠を後で「バン!」と出しますから。ASKAはただのバカでしょ。 ――ASKAさんの話は後ほどおうかがいするとして、一連の取材攻勢で一番腹が立ったことを教えてください。 野村 日テレがひどかったです。出すなと言ったのに出しましたからね。あんとき、たまたま掃除中でヘルメットかぶっとって、そろそろヒゲも剃ろうと思っとったところに、取材が来た。しかも「(映像を)出すなよ」と言ったのに、出ちゃって。あれで「バン!」といきましたからね。映像を見た田尾さんが、「この人はよほどのことをしないと治りませんよ」なんて言うてましたけど、僕のスイング、あの人の倍速いですよ。見てください(と言って素振りを披露)。 ――おお、すごい迫力ですね! 野村 僕、高校時代、4割9分8厘、ホームラン25本ですよ。強打者で、強肩で、剛腕。なのに田尾さんは「清原も野村も巨人に行っておかしくなった」とか、ワケわからんことを言う。清原も巨人では勝負どころで打っとるし、僕も抑えとるのに、何を根拠に言っとるのかな、と。アキレス腱、切ったろか! コラ! って思いましたよ。 ――アキレス腱を切る? 野村 僕、学生時代からずっと格闘技の練習しとったから、ローキックが得意なんですよ(と言って実演開始)。スパパパパン! で、パチーン! ですわ。 ――そういえば、この年末に野村さんが格闘家デビューするというプランもありましたね。押尾学さんに対戦のオファーを出したという報道を見ましたが、あの話は結局どうなったのでしょう? 野村 押尾が逃げたんですよ。まぁ出たところで、あんなの100%ノーチャンスですよ。パンパンパン! で終わりです。レノックス・ルイスみたいにね、こうやって(シャドーボクシングを開始)パンパンパン! の数秒で終了です。それに、たかだか○万のギャラじゃ、僕もできんですよ。 ――えっ? 数秒で○万円なら、割のいい仕事じゃないですか! 野村 僕はプロの格闘家を尊敬してますから、素人が人前で試合したらいかん、って思いもあるし。僕はやっぱ、野球の人間ですから。 ――では野球のお話をお聞きしますが、メジャーリーグでの投手経験もある野村さんから見て、二刀流の大谷翔平選手はどうでしょう? まずは「投手・大谷」の評価をお願いします。
野村 イチローが大谷の話をしたときに、こう言うとったでしょう? 「すごいピッチャーはいくらでも出てくる」と。それを直訳したら、「投手としての大谷はたいしたことない」ってことでしょ。僕の教え子も、こう言うてます。「あんな160キロ、俺でも打てる」と。僕も「おまえ、その意気や!」言うてハッパかけてます。 ――しかし日本のプロ野球では、多くのバッターが大谷投手を打てず、キリキリ舞いになっているのが現状ですよね。 野村 スピードガンのメーターだけ見て物言うたらいかんですよ。大事なんは、セットで動き出してからミットにつくまでのスピードです。伊良部とか大谷みたいなフォームやったら、打者はタイミングを取れるんです。大谷はメジャーやったら通用せんと思います。 ――そうですかね? 野村 あんなもん、僕でも打てます。165キロ出た言うてますけど、あれ、ただのメーターの数字ですから。要するに大谷は、胸張って軌道がよう見えるフォームやから、速くても「空振りを取れんまっすぐ」なんですよ。160キロオーバーの球を投げるピッチャーなんて、向こうにはなんぼでもおる。でも逆に、スピードガンの数字は91マイル(約146キロ)やのに、対戦相手のロッキーズの選手から「体感は96マイル(約154キロ)だ。機械が壊れとるんか」言われる僕みたいなピッチャーもおるわけです。世間はスピードガンの数字だけ見て、大谷、大谷、騒いでますけど、僕は藤浪(晋太郎)や武田(翔太)のほうが上やと思います。 ――「打者・大谷」はいかがでしょう? 野村 日本のピッチャーのインコース攻めが甘いから、今は打ててるだけのこと。僕がピッチャーやったら、「若造コラ! ひっこんどけ!」言うて、大谷の胸元にブラッシュボールを投げますよ。江夏さんも言うてました。「肝のすわった投手が現れたら、大谷は打てなくなる」と。その通りやと思いますね。投打ともにそんな感じやから、メジャーで二刀流なんて甘いですよ。 ――では、早実の清宮幸太郎選手のことはどう思いますか? 野村 あれは論外でしょ。こんなこと(腕をクネクネ)して、足まであんなに上げとったら、僕がピッチャーやったら、足が地面つく前にボールがミットについてますよ(笑)。 ――野村さんの著書『再生』(KADOKAWA)にも書いてありましたが、プロ入り前の清原さんを見て「ノーセンスのバッター」と言い切り、プロ入り後も実際、20打数3安打とカモにしていた野村さんが言うのだから、説得力はありますね。
野村 清原はノーセンス! 野球でもケンカでも負ける気はしません。とはいえ、サヨナラヒットやサヨナラホームランの数は歴代最多でしょ? ピッチャーに勝ち星をもたらしたところはリスペクトしとるよ。 ――『再生』では、清原さんとの覚せい剤をめぐる生々しいやりとりも明かされていましたが、2006年、自身も覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された野村さんから見て、最近のASKAさんの言動はいかがでしょう? 野村 アカウントが乗っ取られたとか、そんなの当たり前でしょ? 電話あるでしょ、携帯電話。あれ、電源つけただけで、よそから中を見られますから。 ――そうなんですか? 野村 ワイヤレスであるじゃないですか。僕、大企業に務めとったこともあるからわかるんです。大事な会議はパソコンを使わず、電波が入らん部屋で、全部紙でやりますから。 ――企業秘密を盗もうとする動機はまだわかるのですが、誰が何の目的で個人の携帯やパソコンを覗くのでしょう? 警察の捜査目的ですか? それとも「ギフハブ」の仕業ですか? 野村 まぁなんにせよ、ASKAも盗聴が心配やったら、業者を呼んだらええやないですか。 ――盗聴器発見の業者ですか? 野村 そう。カネ持ってるんやから、専門の業者に調べてもらったらええんですよ。 ――確かにそれは名案かもしれませんね。でもASKAさんはうっかり警察に調査を依頼してしまい、言動が怪しかったため、尿検査を求められてしまいました。 野村 いっぺん捕まると3年はマークされるんです。僕も社会復帰してから20回ほど、尿検されてますから。泥棒に入られて警察を呼ぶじゃないですか。そうすると、尿検をやらされるんですよ。 ――お茶を入れたりは?
野村 お茶なんか(と言って首を横に振る)。僕は3年前に8人でガサ入れが来たので、「動くな!」と警察を止めましたよ。体調悪くて2週間寝とったから、覚せい剤なんか出るはずないし、(警察に覚せい剤を)勝手に置かれたらいかんから。「どうして来たんや? ちゃんと内偵したんか? もし尿から出たら腹切って死ぬから」と言いました。実際、なんも出とらんから捕まってないわけです。 ――自著のタイトル通り、「再生」を果たしたと。 野村 はい。ただし、気は抜けませんよ。自分がどんだけしっかりしとっても、誘惑や罠があるから、いろいろと注意せないかんのです。 ――それでは、近況をお尋ねします。あの家に、現在もお住まいですか? 野村 まだあそこに住んでます。今は雰囲気が変わりましたけどね。 ――掃除して綺麗になったんですか? 野村 綺麗にはなってませんが、いろいろ変わりましたよ。最近やっとテレビも入れましたし。 ――テレビではどんな番組を見ますか? 野村 NHKしか見ないです。バラエティーとかは見ないですね。 ――家では何をしていることが多いですか? 野村 YouTubeを見ることが多いですね。昔の野球を見て勉強したり、ええ若手選手に目をつけたり、格闘技の試合を見たり。 ――カラオケはお好きですか? オハコがあったら教えてください。 野村 強いて言うなら、「夜明けのスターライト」ですかね。あの「ロンリーチャップリン」の鈴木さんが歌っとる曲。でも、全然上手くないですよ。音感ないし、覚えられんもん。最近の曲は全然ですね。ゲスのなんとか言われても、「なんやそれ?」やもん。 ――テレビに出た影響で、女性からモテるようになったのでは?
野村 捕まったときから、「女性には気をつけとかないかんぞ」と知人に何度も言われてますから、気ぃつけてます。 ――言い寄られても、相手にしない? 野村 実際、変な女から電話かかってきたりもしましたよ。電話に出たらその女、「私の家に来んといてください」言うんです。 ――「私の家に来てください」ならわかるのですが、「来んといてください」ですか? 意味不明ですね。その女は何者ですか? 野村 さぁ。突然ファンになったんやないですか(笑)。こっちが下手なことしゃべったら、ストーカーみたいに思われるから、ヤバいと思った。録音されて、そこだけ流されたらいかんから。 ――なるほど。「来んといてください」の前後の会話をうまく切り取れば、「野村さんに付きまとわれて困っている女」というストーリーに仕立て上げることもできますからね。 野村 その女、手紙も送ってきてですね……。小学生が書くようなヘタクソな字で。写真もあったんですが、顔も……。だいたい僕のファンって時点で、イヤなんですよ。ハハハ。 ――ファンには手を出さない主義ですか? 野村 だいたい女性からハメられることが多いじゃないですか。だから、ノーサンキューです。 ――今現在、恋人や、好きな女性は? 野村 いないです。女性とは十何年、やってません。 ――興味がないんですか? それとも飽きてしまった? 野村 興味ないゆうか……(照れ笑い)、その体力もないし。飽きたこともないけど……気ぃつけとかないかんな、と。まぁ「女とやってない」いうんは、「クスリもやってない」いうことを遠回しに言うとるんですけどね。 ――今、一番会いたい人は?
野村 う~ん………(長考中、友人でありマネジャー的なことをしている男性が会話に加わってくる)。 男性 おるでしょ。壇蜜さん! 貴仁、壇蜜さんのこと、全然知らんかったんよね。でも最近知って、最初は中国人やと思っとったみたいやけど、秋田の人やと知ってな。ほんでな。 野村 いらんこと言うな!(笑) ――壇蜜さんは「年上で、ちょっと不器用な男性が好き」らしいですから、ノーチャンスではないのでは? 野村 いやいやいや(と言って照れる)。女といえば、腹立つのは、誰やったかな。神スイングの……。 男性 稲村亜美さんか? 野村 そう、稲村亜美。あの子、何が神スイングや。俺のは稲妻スイングや! これ、ゲイリー・シェフィールドと俺しかできんって。振った瞬間、終わるんは!(と叫んで稲妻スイングを披露) 男性 そういやダレノガレ明美さんのことも、なんか言うとったな。 野村 あの子は、センスあるよ。ええフォームしとる。でも、武井壮の球なんか、俺でも簡単に打てる! あんなん、いくら練習しても無駄! 前に頭が入るから、ボールの軌道が丸見えや。武井壮より、ダレノガレのほうがセンスは上! 武井壮は、いくら160キロ出ても論外。ノーセンスです。 ――野村さんは本当に野球が大好きなんですね(笑)。来年の抱負を教えてください。 野村 ええ選手をたくさん発掘して、育てたいですね。YouTubeとかでええ選手を見つけたら、実際見に行って確認して、手紙出して、返事が来たら教えます。「野村さんに教わるようになったら打てるようになった」言う教え子も多いんですよ。「思い切り下から振り回せ! コンパクトに!」と教えたら、「場外まで飛ぶようになりました」って。 ――打撃も教えるんですか。 野村 高校時代、イチローはホームラン19本やろ。田淵さんは8本やろ。俺は25本や! ――とにかく来年は、本業である野球指導に重きを置く、と。 野村 ただ、あんま表立って行動できんのですよ。最近は表をウロウロしとると、いろんな人から声かけられるようにもなったし。 ――ただでさえ顔が売れている野村さんが、そんな真っ赤な服を着て歩いていたら、そりゃ目立つでしょう。 野村 これは一応、格闘家のベニー・ユキーデに憧れて買った服なんですけどね……。 ――最後の質問です。将来の夢は? 野村 スピードガンをやめさせたいですね。あれ、ただのメーターですから。数字は関係ない。見て速かったら、それがすべてや! * * * スピード(覚せい剤)をやめた後は、スピードガンをやめさせる――。セットアッパーから「ストッパー」に転向し、引退後も戦い続ける野村なのであった。 (取材・文=岡林敬太/撮影=尾藤能暢) ●のむら・たかひと 1969年高知県生まれ。高岡高校宇佐分校から三菱重工三原を経て、ドラフト3位でオリックス入団。169cmと小柄ながら速球の左腕として活躍。95、96年にはリーグ優勝に貢献。特に96年の日本シリーズでは、巨人の松井秀喜選手のバットを二度へし折って抑えた。96、97年オールスター選出。98年にトレードで巨人へ移籍。その後メジャーリーグのブルワーズへ。日本ハムなどをへて引退。引退後の06年10月、覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決。現在は新しい生活に向けて動き出している。 ●『再生』 「なめとんのか、この野郎!」強気のピッチングに球場が沸く。現役時代、絶対的なセットアッパーとして両リーグで優勝、日本一にも貢献した。「野球を面白いと感じたことは一度もない」という厳しいプロの世界。栄光、悲哀、クスリ、逮捕、そして……。波瀾の半生をありのままに語り、新たな一歩を踏み出す。 出版社:KADOKAWA 再生 ノーセンス!
26日放送の『SMAP×SMAP』最終回の平均視聴率は、第1部(18時30分~19時)が14.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2部(19時~22時)が17.4%、第3部(22時~23時18分)が23.1%。唯一の撮り下ろし映像である「世界に一つだけの花」の歌唱シーンでは、瞬間最高視聴率27.4%を記録。歌い終わった中居正広が、背を向けたまま涙を拭う瞬間だった。 「当初予定していたフィギュア全日本選手権『オールジャパンメダリスト・オン・アイス2016』を深夜に移してまで、5時間弱もの大枠を確保したフジですが、メンバーの生出演はなく、ほぼ総集編。西山喜久恵アナが時折登場し、おごそかにファンのファクスを読む姿や、ラストで無数の花に囲まれてSMAPが歌う様子は、まるで故人をしのぶ追悼番組か、生前葬のようでした」(テレビ誌記者) 番組では、時系列でSMAPの歩みを振り返る中、2001年に稲垣吾郎が公務執行妨害と道路交通法違反で現行犯逮捕された事件や、09年に草なぎ剛が公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された事柄(共に不起訴)にも触れ、当時のニュース映像や、謝罪会見の模様などを放送。SMAPの紆余曲折を演出した形だが、一方で、木村のタブーについては、最後まで触れられなかった。 「ジャニーズ事務所が揉み消した中居正広の堕胎騒動や、その他の細かいスキャンダルは触れられないとしても、木村拓哉の結婚について最後まで触れなかったのは、異様としか言いようがない。木村は00年に記者会見を開き、当時妊娠4カ月だった工藤静香との“デキ婚”を報告。本人は、自身のラジオ番組で、静香に指輪を渡したエピソードを語るなど隠す様子はなかったが、なぜかその後、結婚の事実に触れること自体が芸能界のタブーとなってしまった。ジャニーズ事務所は今や、少年隊の東山紀之や、V6の井ノ原快彦、TOKIO・国分太一など、“イクメン”アピールをしているタレントも増えている。木村の結婚がいつまでもタブー扱いなのは、時代錯誤に思えてなりません」(同) また、時系列で辿った同番組の総集編は、14年7月放送の『FNS27時間テレビ』の映像で終了。“分裂・独立騒動”を発端に不仲などが騒がれた今年については、一切振り返らなかった。 「1月に『SMAP×SMAP』内で生放送された謝罪会見が、まるでなかったかのような総集編。メンバーが最後の挨拶をすることもなく、結局、ファンが望んでいたことは、ジャニーズ事務所の手でことごとく阻止されてしまった」(同) フジがジャニーズ事務所の言いなりであることばかりが、ひしひしと伝わってきた『SMAP×SMAP』最終回。あまりに悲しい幕引きに、ファンの心情を慮るばかりだ。フジテレビ公式サイトより
26日放送の『SMAP×SMAP』最終回の平均視聴率は、第1部(18時30分~19時)が14.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2部(19時~22時)が17.4%、第3部(22時~23時18分)が23.1%。唯一の撮り下ろし映像である「世界に一つだけの花」の歌唱シーンでは、瞬間最高視聴率27.4%を記録。歌い終わった中居正広が、背を向けたまま涙を拭う瞬間だった。 「当初予定していたフィギュア全日本選手権『オールジャパンメダリスト・オン・アイス2016』を深夜に移してまで、5時間弱もの大枠を確保したフジですが、メンバーの生出演はなく、ほぼ総集編。西山喜久恵アナが時折登場し、おごそかにファンのファクスを読む姿や、ラストで無数の花に囲まれてSMAPが歌う様子は、まるで故人をしのぶ追悼番組か、生前葬のようでした」(テレビ誌記者) 番組では、時系列でSMAPの歩みを振り返る中、2001年に稲垣吾郎が公務執行妨害と道路交通法違反で現行犯逮捕された事件や、09年に草なぎ剛が公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された事柄(共に不起訴)にも触れ、当時のニュース映像や、謝罪会見の模様などを放送。SMAPの紆余曲折を演出した形だが、一方で、木村のタブーについては、最後まで触れられなかった。 「ジャニーズ事務所が揉み消した中居正広の堕胎騒動や、その他の細かいスキャンダルは触れられないとしても、木村拓哉の結婚について最後まで触れなかったのは、異様としか言いようがない。木村は00年に記者会見を開き、当時妊娠4カ月だった工藤静香との“デキ婚”を報告。本人は、自身のラジオ番組で、静香に指輪を渡したエピソードを語るなど隠す様子はなかったが、なぜかその後、結婚の事実に触れること自体が芸能界のタブーとなってしまった。ジャニーズ事務所は今や、少年隊の東山紀之や、V6の井ノ原快彦、TOKIO・国分太一など、“イクメン”アピールをしているタレントも増えている。木村の結婚がいつまでもタブー扱いなのは、時代錯誤に思えてなりません」(同) また、時系列で辿った同番組の総集編は、14年7月放送の『FNS27時間テレビ』の映像で終了。“分裂・独立騒動”を発端に不仲などが騒がれた今年については、一切振り返らなかった。 「1月に『SMAP×SMAP』内で生放送された謝罪会見が、まるでなかったかのような総集編。メンバーが最後の挨拶をすることもなく、結局、ファンが望んでいたことは、ジャニーズ事務所の手でことごとく阻止されてしまった」(同) フジがジャニーズ事務所の言いなりであることばかりが、ひしひしと伝わってきた『SMAP×SMAP』最終回。あまりに悲しい幕引きに、ファンの心情を慮るばかりだ。フジテレビ公式サイトより
プロフィギュアスケーターの安藤美姫が12月26日、交際中のプロフィギュアスケート選手、ハビエル・フェルナンデスとのツーショットを公開した。かねてから、安藤がSNS上で繰り広げる交際アピールについては、「うっとうしい」「誰に自慢してるの?」などとネット上で反感を買ってきたが、今回もまたブーイングにさらされている。
安藤はTwitterとインスタグラムに、クリスマスツリーを背景にハビエルと身を寄せ合っている写真を投稿。2人はクリスマスを一緒に過ごしたようで、安藤はインスタグラムに「I have the sweet Christmas with my love in Spain」(私はスペインで恋人と楽しいクリスマスを過ごしている)というコメントも残している。
「海外において、クリスマスは恋人よりも家族と過ごす日だといわれていることもあり、安藤に対して、『いや、子どもはどうしたの?』『娘そっちのけで、恋人とラブラブアピールとか痛すぎるでしょ』『2人きりでスイートクリスマスって、浮かれすぎて痛い』といった批判の声が集まっています」(芸能ライター)
安藤は2013年の記者会見で、安全のために子どもの顔出しは避けたいと発言したことがあった。
「その後、SNSで自ら娘の写真を上げるようになりましたが、できるだけ顔が写らないように配慮しているようです。今回も、もしかしたら娘を含む3人でクリスマスを過ごしたのかもしれませんが、写真だけでなく、娘に関する記述も一切なかったことから、ネットユーザーに『娘をないがしろにしている』と受け止められてしまったのでは。もともとアンチの多い安藤だけに、小さなことでも攻撃されやすいんでしょうね」(同)
「既成事実を作ってるみたい」といわれるほど、SNSでハビエルとの恋人アピールを繰り返している安藤だが、同時にアンチをも増やし続けてしまっているようだ。
「早く結婚したほうがいいんじゃないか?」「まずは自分が産んでから!」など、2014年6月の都議会でとんでもない「セクハラ野次」を浴びた塩村あやかさんが、『女性政治家のリアル』(イースト新書)を上梓した。塩村さんといえば、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)への出演、タレント活動、放送作家などを経て、13年に東京都議会議員へと転身した異色の経歴の持ち主。また、就職氷河期の“ロスジェネ世代”で、非正規雇用で社会に出て、女性、ひとり会派と、超マイノリティな政治家でもある。
そんな塩村さんに、「セクハラ野次」はなぜ起こったのか? そして、都議会と政治の世界について聞いた。
■みなさんが意見を言うことで、政治を動かしていく
――『女性政治家のリアル』を出版された経緯を教えてください。
塩村あやかさん(以下、塩村) 1年以上前に出版のお話をいただき、編集者さんと内容を決め、原稿を書きました。都議会議員選挙(17年7月)直前に出すと、バタバタしてしまい、あまりよくないと思ったので、何事もない平和な時にと、16年10月に発売日を設定していました。そうしたら舛添(要一)さんの騒動が起きて、本当は都政の仕事も落ち着いたタイミングを狙ったつもりが、小池百合子都知事誕生の大騒動のさなかになってしまいました(笑)。
――偶然のタイミングなんですね。それにしても、なぜ順調だった放送作家のお仕事を捨て、政治家の道へと進もうと思われたのでしょうか?
塩村 切実に「世の中を変えたい」という気持ちがあったからです。長年、動物愛護活動をしているのですが、日本では年間10万頭もの犬や猫が殺処分されている現実をどうにかしたかった。それから、いつか子どもを産んでも、フリーランスの放送作家だと、保育園に預けられないかもしれない、そうしたら仕事が続けられないといった、当事者世代だからこそ身近に感じる現実にも直面しました。そのサポートがダイレクトにできるのは、政治の世界だと思い、飛び込みました。
政治家になる前に、元議員のある有名な先生にそのことをお話ししたら、「放送作家のほうが世の中を変えられるよ。政治の世界は、なかなか変えられるものではない」とおっしゃったんですね。当時は、それもおかしな話だと思ったんですが、3年半たった今は、その意味もわかります。政治の世界は、ものすごく歩みが遅くて、悪いほうに一気に変わらないように、安全に安全を重ねた仕組みになっているので、緊急性をもってやらないといけないことへの対応が遅れてしまっている気がしています。
――動きが遅いのですね。子どもを保育園に預けられなくて、今も困っている女性が大勢いると思います。どうすれば、早く前へ進むようになると思いますか?
塩村 政治を動かすのは、みなさんでしかないんですよ。政治の世界には民意を反映する、というところがあるので、世論をつくるしかない。「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログが大きな話題になりましたが、あのような世論を喚起する騒動がないと、政治の世界では物事がなかなか前へ進まないんですね。政治は少し遅れながら動いている部分があるので、そのスピードを速めるには、みなさんが意見を言うことで、政治を動かしていくことが必要です。
例えば、ウェブニュースなどを読んで、おかしいなと感じたことがあれば、「これ、マジやばい」とつぶやいてみる。そのちょっとしたつぶやきが、何万人にも拡散されると、変わっていきます。
でも、あまりにも拡散すると一気に叩かれちゃうから、書いた人は二度と言わなくなる。それに、あまりやりすぎると、「コイツは左翼だ」と言われ、ネットの住民に叩かれるので、少しずつコツコツと。私は、すでにぼっこぼこに叩かれているけれども、叩かれたら勲章ぐらいに思って、社会を底上げするような応援をしてほしいですね。
■怒られるから、野次は言っちゃいけない!?
――「セクハラ野次」についてお伺いします。議会の一般質問で、不妊治療に関する質問をしている時に、「早く結婚したほうがいいんじゃないか?」「まずは自分が産んでから!」といった、とんでもない野次が飛び交っていました。どんな思いで質問を続けていたのか教えてください。
塩村 当時は、議員になってまだ1年たっていない時だったので、純粋な気持ちでやっていたんですけれど、こりゃひどいと思いました。今はもう、こんな人たちが議員であることがわかっているので、当時のように思わないでしょうが、あの時は聞いているうちに落胆するし、悲しくなるし、何より相談してくれた人たちの顔が浮かぶわけです。
「不妊治療の末に子どもを授かった」とか、「今、不妊治療しています」とか、そういう方々の代表で立っているのに、目の前には「早く結婚したほうがいいんじゃないか?」「まずは自分が産んでから!」と言って、ギャーギャー笑っている人たちがいる。もう学級崩壊となんら変わらない状態ですよ。このおじさんたちに何を言っても無駄だ、という絶望感、怒りと悲しみで、声が上ずりました。
――女性という理由で、あれほど野次が飛んだのでしょうか?
塩村 それもありますし、議会には「小さい会派には何を言ってもいい」「強い者が弱い者をいじめてよし」みたいな風土があるんですよね。私はこれを“逆カースト制度”と呼んでいます。数が少ないほうが虐げられるんです。あの野次には権力闘争みたいな面もあって、「自分は他の会派を牽制しているんだ」と、先輩へのアピールになる。だから、自分をアピールする手段にしていたんだと思います。
――ひどい話ですね。その後、ちゃんと謝りに来てもらえたのですか?
塩村 議会が終わった直後、幹部クラスではないにしろ、同期くらいの議員から「ウチの会派が悪かったね」と、ひと言ぐらい謝りに来ると思っていたら、来なかった。来たのは、「謝りに来ました?」と確認しにきた記者だけでした。その後、しばらしくて、明らかに野次の声の主だとされ、逃げ切れなくなったひとりだけが謝りました。けれど、そのほかの多くの議員は、逃げたまま、今も謝罪はありません。
騒動以降、一応、あのような野次はダメなんだというふうに、少しずつ変わってきているとは思います。でも、まだ強制的に直されている、という状況ですよね。怒られるから言っちゃいけないーーみたいなレベルです。
■当選させてくれた人たちを、裏切っちゃいけない
――あの野次を本気でまずいことだと思っている議員の割合は、どれくらいいると感じていますか?
塩村 都議会全体として、3分の1ぐらいは、まともな議員という印象です。共産党と東京・生活者ネットワークは、あのような野次は公私ともにあってはならないとの認識がある方々です。公明党も、基本的にはまずいとわかっていると感じています。ただ、やっぱり友党として自民党に引っ張られちゃう部分はあったせいか、制止するまでには至らない。
自民党の中にも、わずかですが、本気でまずいと思っている方もいらっしゃいます。直接、言葉にして伝えてくれた先生もいますから。でも、私と話しているのを見つかるとまずいので、あの騒動がだいぶ落ち着いてからでしたけど。
――しかし、本当に精神的にタフですね。
塩村 タフになったのは、幼い頃から徐々にだと思いますね。本にも書いてあるのですが、私が子どもの頃に、父親が事件を起こし、逮捕されているんですよ。そのあたりから慣れてはいます。そのことで、近所のお母さんから「あの子と遊んじゃいけないよ」と、ひどい扱いを受ける一方で、良い人もたくさんいて、助けられて生きています。
その人たちを裏切っちゃいけないという思いもあるんです。議員になって、少数派ですけれど当選させてくれた、応援してくれた人たちが約2万3,000人います。その人たちの代表で来ているので、個人的なことで辞めちゃいけない、と思います。もちろん腹が立つことも多いけれど、それが仕事ですから。めげますけどね、よく(笑)。
(上浦未来)
(後編につづく)
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