
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の44回目! 今回は最強の地下アイドルグループ・仮面女子のメンバーで、テレビアニメ『TO BE HERO』(TOKYO MX)のミン役で活躍中、アイドルで声優の月野もあさんが来てくれました!
――さっそくですが、大学卒業おめでとうございます! 大学では日本語教師の資格を取られたそうですね。
月野 実習が多くて大変でした……。でも、一応通っていた大学に留学生がたくさんいるので、自分の学校で実習する形でどうにかなりました。
――生徒たちに「あれ仮面女子の月野もあじゃない?」ってバレませんか?
月野 ぜんっぜん! 大学でもバレてないと思います(笑)。
――仮面が功を奏してるんですかね……?
月野 そうなんですかね、個人としては、まだまだ気付かれず……。
――でも、デビューされてから、まだたった3年なんですよね。仮面女子としてはもちろん、個人でもテレビアニメのヒロイン役を演じたり、なかなかの快進撃ですね!
月野 とんでもないです!!
――月野さんは19歳でデビューとのことですが、仮面女子よりも前にエイベックスの声優オーディションを受けていたんですね。
月野 はい、一応は素人向けのオーディションだったんですけど、周りを見たらみ、んな声優の養成所に通ってる人たちだったり、素人っぽくない人たちが多くって……。
――わかります。素人オーディションと言いつつ、いろんな事務所から滑り込んできますよね。
月野 そうなんですよ……。私はまだ発声練習も独学で、「声優になりたい」って気持ちだけでやっていた時期だったので、周りを見て「こういう人たちが受かっていくよね、何も勉強してない大学生の私には無理なんじゃないかな」と思って、一度は声優の夢を諦めてしまったんです……。だから、これを最後のオーディションにしようって。大学もあるし、就活も始まる時期だし……。
――真面目ですねぇ~。声優の夢を諦めて、どういう流れで仮面女子に入ったんですか?
月野 まず、ドラッグストアのイメージガールに応募したんです。キャンペーンガールとか、コンパニオンみたいな仕事だろうと思って、就活が始まるまでの短期間バイトの感覚だったんですけど、いざ面談に行ったら、そのイメージガールはアリスプロジェクトがやっていた企画で、「うちの事務所に所属しないと仕事はできない」と言われて……。
――そんな釣り広告みたいな!?
月野 もともとは仮面女子どころか、アイドル業すらやろうと思ってなかったんですけど、面談の時に初めて仮面女子のライブを見て、「すごく素敵!」って(笑)。

――急にライブを観て「自分も歌いたい」ってなるものですか? そもそも、歌や踊りの経験は?
月野 私が落ちたエイベックスの声優オーディションの最終審査は、渋谷のWWWっていうライブハウスでソロステージをしなくちゃいけなかったんです。いろんなエイベックス所属のアイドルやアーティストのライブの間にステージに立って、アニメソングを歌って踊るっていう……。そこで初めて「こういう世界も素敵だな」って思ったんですよね。なので、仮面女子のライブにも心を惹かれましたねぇ。
――でも、仮面かぶってるし、「顔見えないじゃん!」とか思わないんですか?
月野 まったく思わなかったですよ。楽曲もかっこいいし、世界観が素敵だし、仮面もオシャレじゃないですか。
――オシャレ……!? 月野さんはもともと学生時代にバンドでデスメタルのメイクをしてベースを弾いてたから、感性に合ったのかもしれませんね。さらに空手も初段なんですよね。大学の人たち、「アイドルだ!」って気付いても、近づけなかっただけかもしれません……。
月野 あははは! そうなんですかね(笑)。
――ちなみに、仮面女子は「選ばれなかったものたち」っていうコンセプトがあるじゃないですか。月野さんはエイベックスの声優オーディションに選ばれなかったってことですか?
月野 そうですね。他のメンバーも、AKB48さんやNMB48さんやモーニング娘。さんのオーディションでダメだった人がいたり、そういう大手から選ばれなかった人たちが集まってます。
――なるほど~。私、初めは「仮面つけてるってことは、どうせ残念なアイドルが入ってるんだろう」と思ってたんですけど、仮面を取るとみんなかわいいんですよね。大手のオーディションでいいところまで行った人たちなら、そりゃ平均以上なはずですね。
月野 いやいやいや、事務所としては「かわいくないからお前ら仮面かぶっとけ」みたいなスタンスなので、本当に。「大手に落ちる顔じゃ勝負できないから」って。でも、仮面をつけることで、みんなでくっついて一つの個性を作れるので……。
――えっ、それってモラハラ!!
月野 でも、みんなで話すと「私もそのオーディション受けた!」「落ちた!」「私も!」って盛り上がれるんです。それによってチームワークが強くなりますし、お互いを思いやりながらやっていけるんです。「こんなに仲良いアイドルグループいるのかな?」ってくらい仲も良いですしね。ライブで毎日一緒にいるので、家族とはまた別の心強い仲間です。
――ちなみに、毎日一緒ってことは、毎日お仕事なんですか? お休みは?
月野 休みは、ほぼないですねぇ……。1~2年前までは月曜日から日曜日まで、午前中は学校に行って、午後はライブだったんです。けど、ここ1年は外部のお仕事をたくさんしようっていう方針で、火曜と水曜は仮面女子カフェでのライブをお休みさせていただいてるんです。でも、ライブがないだけで、お仕事はさせてもらっているので、お休みは……ないですね。
――そうですよね、大学行って勉強して資格も取ってバンドしてライブして……気合いですね……。
月野 やりたがりなので(笑)。
――やりたがりと言えば、空手もやられてるんですよね。空手をやってると、学生時代にイジメに遭わなそうです。
月野 やっぱり中学生くらいの頃は、女の子のドロドロしたものに巻き込まれることもありましたけど、「私は空手やってるから何かあっても大丈夫!」っていう気持ちがあるので、心は強くなりました(笑)。小学校3年から中学2年までやっていて、黒帯の初段なので。
――かっこいい! ベースはいつから始められたんですか?
月野 ベースは高校から今までです。
――そして今はご自分のベースまで作られたという……。ところで、なぜベースだったんですか?
月野 低音が大好きなんです。部活で吹奏楽部に入っていたとき、3年間フルートだったんですけど、途中から低音の楽器の魅力に気付いてしまったんです。「バスの音色がズンズン響く!」って、すごくかっこよくって(笑)。だから、次にやるなら絶対低音の楽器がやりたいと思いました。それで、いろんな演奏を聴くうちに、ベースの音がすごく耳に残ることに気付いて、ベースをやる気まんまんに(笑)。バンドでもベースでしたし、今も自分の聖誕祭のときにはベースを演奏させてもらっています。普段のライブでもやりたいんですけど、動き回って危ないので(笑)。

――確かに、仮面女子のライブだとベースが折れそうです。仮面女子ってすごく体育会系ですよね。
月野 はい! ガッツリ運動部です(笑)。動いて走り回ってヘッドバンキングしてナンボですし、客席にダイブもします!
――客席にダイブって、握手やチェキより何段階も上のファンとのコミュニケーションですねぇ。ファンもさぞうれしいことでしょう。……そういえば、仮面女子って、アイドルグループには珍しく恋愛OKなんですよね。どうなんですか、その辺は?
月野 忙しくてそれどころじゃないです(真顔)。出会いは関係者の方とファンの方しかいないのに、「恋愛OK、ただしファンと関係者はNG」っていう決まりなんですよ。お休みもなくって、家を出てお仕事して帰る毎日の中で、メンバー共々「恋愛させる気ないだろ!?」って(笑)。これで恋愛できてるメンバーがいたら、かなりすごいと思います……。
――それなら、いっそ恋愛NGにされても変わりないですね……。ちなみにどんな男性がタイプですか?
月野 たくさん食べる人が好きです。
――『クッキングパパ』とかの影響?
月野 いや、違いますけど……。食事をしている時間がすごく好きなので、一緒に食べる時間を大切にしてくれる人がいいなぁ。食べ残したりしないで、好き嫌いなく、なんでも食べてくれる人が好き!
――全国のフードファイターに朗報ですね~。ではでは、もし一日休みだったら何がしたいですか?
月野 ええ~~~、難しいなぁ~~~、う~~~~~ん(困惑)。
――休みがなさすぎるせいで考えられなくなってる! ブラック企業に勤めてる人みたい!
月野 美味しいもの食べに行きたいです、まったりのんびりと温泉とかも……おばあちゃんみたいですね(笑)。でも、お仕事もすごく楽しいので、まだまだ頑張りたいです!
――声優業も順調ですしね! 声優オーディションに選ばれなかった月野さんが、仮面女子を経て憧れの声優になるって、なんだか感動的です! テレビアニメ『TO BE HERO』のヒロイン、ミンちゃん役はオーディションだったんですか?
月野 いえ、運が良かったといいますか、偶然チャンスが舞い降りてきたといいますか、だからこれを必ず形にしなければって……とにかく頑張っています!
――ミンちゃんは、かなり口が悪い役ですよね。セリフは大変じゃないですか?
月野 そうなんですよ、しょっぱなの収録で「うんこ」って100回以上は言いました……。「うんこ」って言うの、実はむっちゃ難しいんですよ。「うんこ? うんこなの? パパがうんこしたトイレでシャワー浴びろってか?」ってセリフがあったんですけど、監督に「うんこの『ん』が聞こえないからもっとハッキリ言って」って言われて、「うんこ!」「うんこ!!」「うんこ!!!」って言ってるうちに「うんこってすごい言葉なんだな」と思えてきて……。
――うんこのゲシュタルト崩壊! ミンちゃんは、普段の自分と似てるところはありますか?
月野 ミンちゃんも空手少女なので、そういったところは似てるかなぁ。あと、なんだかんだパパッ子なキャラクターなんですよ。私もお父さんが大好きなので、その気持ちも同じです!
――口の悪さが伝染して、日常生活に影響を及ぼしたりは?
月野 あはは、ないですよ! けど、アニメの情報公開前で、まだメンバーにも知らせてないとき、「クソッ! しつけぇんだよこの野郎!!」みたいなセリフをボソボソと壁に向かって練習していたので、メンバーとか、通りすがりのスタッフさんは心配してましたね……。
――「もあちゃんの精神状態が限界だ」って思いますね!
月野 後から「あのときは恐かった」「裏の顔を見てしまった」って言われました。
――あはは! 月野さんもパパッ子とのことですが、ご両親はお仕事を応援してくれてますか?
月野 芸能をやる前は「先生になった方がいいよ」って言われてたんですけど、今は「一生懸命頑張ってるから」って、すごく応援してくれてます。
――先生になるはずだったかわいい娘が、いつの間にか仮面をつけて踊り狂ってるってどういう心境なんだろう!
月野 びっくりですよね(笑)! 今はお休みしてるんですけど、週末はLINEライブで3時間ライブを生配信してたんです。それも毎週観てくれてたみたいで、口数少ないお父さんなんですけど、たまに話すとけっこうなんでも知ってるんです。もう実家から出られないですね(笑)。

――ご実家は埼玉でしたっけ。都心に通うにはちょっと遠いですよね。
月野 家の周りは畑と工場なので、ギリギリ通えるけど、やっぱり遠いです。家にもあんまりいられないですし。
――とはいえ、都心で一人暮らしするにもお金がかかりますよねぇ。そこでなんですが、仮面女子のお給金はどうなってるんでしょうか? 月給制? 歩合制?
月野 歩合制です。
――お~!! じゃあ、メディア露出の増えた今はガッポガッポじゃないですか?
月野 実は、声優とかの外部のお仕事は、歩合には全く関係ないんですよ。歩合制なのはチケットバックなんです。ファンの方が来てくれたチケットが、コインに変わって投票されていくんです。そのコインがお給料になるんです。
――ええーっ!! でも、声優業も頑張ってるんだから、そっちも歩合に組み込んで欲しいと思いませんか?
月野 でも、ファンの方の投票によってメンバー各々に振られる外部のお仕事が決まったりするので……。
――なるほど~。投票コインで応援すればしただけお給料もメディア露出も増えそうで、ファンとしても応援しがいがありそうですね。
月野 そうですね、コインは直接ちゃんと届いてますから! あとは、チャットっていうのもあって、有料のチャットをお家から配信すると、そのポイントもバックで入ってくるので、私たちのお給料の構成は、チケットバックとチャットです!
――仮面女子って「最強の地下アイドル」って言われていて、もう全然地下じゃないだろうと思ってたんですけど、今の話で断然地下っぽくなってきました!
月野 地下アイドル頑張ってます(笑)。
――そのチケットやポイントの売り上げは、成績表みたいに貼り出されたりするんですか?
月野 毎週ですよ……。投票コインはランキングとして1位からビリまで出るので……。
――うわぁ、こわい!! 月野さんは良いランクをキープしてますけど、そうなると落ちるのが恐いですよね……。声優業や外部の仕事が増える分、ライブでファンと直接交流を持つ機会は減るじゃないですか。それでファンが「会えなくなるなら売れなくて良い」みたいな思考になって、ランキングが落ちたりするんじゃ?
月野 お仕事の都合でライブ出演が減ると「この日にしか会えない!」って、その日に集まってくれたり、支えられながらやらせてもらっています……。
――良いファンがたくさんいるんですねぇ。そういえば、月野さん女優業も好調そうですね。先日は仮面女子映画の第7弾で宍戸留美さんともご一緒してましたが、どんな役だったんですか?
月野 『サマータイムエンジェル』っていう作品で、私は“カラテフラッシュ”っていうヒーローで、登場シーンは跳び蹴りから……(笑)。
――かっこいい! 空手やってて良かったですねぇ!
月野 好奇心旺盛なので、いろんなことをやってて良かったです。 でも全部まだまだなので、もうちょっと飛び抜けられるように磨いていかなきゃ!
――果てしない努力家! それでは、最後に、仮面女子としての今後の目標はありますか?
月野 仮面女子としての目標は、『紅白歌合戦』に地下アイドルとして出ること! そして国民的地下アイドルになることです! 地下アイドルって、今すっごくたくさんいるので、私たちが地下アイドルの憧れになって「地下アイドルでもここまで行けるんだ」っていう模範になりたいんです。
――ではでは、個人としての目標は?
月野 声優として売れたいです! もちろん、仮面女子もずっと続けて行きたいんですけど、“声優・月野もあ”として知ってもらえるように頑張っていきたいです。今放送中のアニメ『TO BE HERO』も観てもらいたいし、作品の中で成長していく月野もあも観てもらいです。ギャグ満載で、大人も子どもも笑える作品なので、ぜひぜひ!
――仮面女子としても声優としても、今後がさらに楽しみです! 本日はどうもありがとうございました!
(取材・文=小明/撮影=宍戸留美)
●つきの・もあ
1994年、埼玉県生まれ。仮面女子、アーマーガールズ、Prismメンバー。声優としてテレビアニメ『TO BE HERO』(ミン役)出演中。女優として『満腹探偵クウコ』主演。
趣味・特技/ベース(EDWARDS月野もあオリジナルモデルベース制作)、空手(逆真空手初段)、フルート(吹奏楽)、日本語教師有資格者、コスプレ、グルメ
1月3日(火)仮面女子NEWシングル「仮面大陸(ペルソニア)」リリース
月野もあTwitter
moa__tsukino
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
最新情報
東京幻想曲集
発売中!

増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「
東京幻想写真集」発売中!!
公式HP:
http://rumi-shishido.com/
ブログ:
http://lineblog.me/sundaliru/
Twitter:
@RumiShishido
12月18日、13時~
宍戸留美、ヴィレッジヴァンガード名古屋パルコ店にてデビュー25周年記念作品の発売を記念したインストアイベント開催決定!
http://ukproject.com/column/2016/12/12197/
同日、17時半~
名古屋、猫に窓ガラスにてワンマンライブ開催!!
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<
http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<
http://www.cyzo.com/akr/>。