引退の成宮寛貴を襲った「10年前の挫折」……赤西仁、瑛太との因縁のめぐり合わせ

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「実際にクスリをやっていたかどうかはわかりませんが、彼は2005年頃に一度、大きな挫折を味わっているんです。もしかしたら、それがきっかけで……と思うことはありますね」(映画関係者) 12月2日発売の写真週刊誌「フライデー」(講談社)でコカイン吸引疑惑を報じられ、9日に芸能界からの電撃引退を発表した成宮寛貴。 「本人はすでに海外にいるそうですし、真相は闇の中。ただ、俳優としては伸び悩んでいたのも事実です」(芸能事務所関係者)  00年に、宮本亜門演出の舞台『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』で俳優デビュー後、すぐにCMやドラマで引っ張りだこになった。 「特に02年の『ごくせん』(日本テレビ系)のヒットが大きかったですね。04年の『オレンジデイズ』(TBS系)では、妻夫木聡、柴咲コウに次ぐ3番手で、あの瑛太よりも番手は上でした」(ドラマスタッフ)  そんな活躍を続ける成宮に、主演映画の話が舞い込んできたという。 「それが、10年に赤西仁、北乃きい主演で公開された映画『BANDAGE バンデイジ』です。もともと06年に成宮主演でやることが決まっていたのですが、当時はいろんな事情があって流れたんです。そのとき、彼は楽器もものすごく練習して、赤西と同じように歌手デビューも決まっていたんです。それだけに、初主演映画が流れたのは相当なショックだったようです」(同)  そんな成宮に、さらに追い打ちをかけたのが、『オレンジデイズ』では自分よりも番手が下だった瑛太の活躍だった。 「実は、映画と同じタイミングで、あるドラマの話が彼のもとに来ていたんです。それが篠原涼子さん主演で大ヒットした『アンフェア』(フジテレビ系)でした。事務所から『映画とドラマ、どっちにする?』と聞かれた成宮クンは、映画を選んだそうです。その結果、映画は流れ、断ったドラマはシリーズ化されるほど大ヒットしました。『アンフェア』で2番手に抜擢された瑛太クンの以降の活躍は、言うまでもありません。成宮クンはこれでケチがついたのか、初主演ドラマは10年までありませんでした。12年には『相棒』(テレビ朝日系)に出演していますが、これも半年以上スケジュールが取れる俳優ということで選ばれたので、本人はあまりうれしくなかったと思いますよ」(テレビ局関係者)  当時の成宮を知る関係者は、このときのことを鮮明に覚えているという。 「事務所からは『映画はこういうこともある。だからドラマにしとけばよかったんだ!』と、半ば突き放されたと聞きました。それには、かなりショックを受けていましたね。以降、あまり事務所に仕事のことを相談しなくなったとも聞きました」  10年前の出来事が、彼の命運を分けたのかもしれない――。

SMAP、25周年特番ラジオに「涙腺決壊」「ありがとう」! 文化放送とアナウンサーに感謝の声

 1991年10月に始まったSMAPのラジオ番組『STOP THE SMAP』(文化放送)。12月14日には、25年の歴史を振り返る3時間の生特番『STOP THE SMAP 25周年スペシャル!』(午後7~10時)が放送され、ファンの感動を呼んでいる。

 同ラジオはSMAPがデビューした翌月にスタート。当初はメンバー6人(当時)で出演していたが、後に交代制となり、2012年4月から現在までは『稲垣吾郎のSTOP THE SMAP』として、稲垣のレギュラー番組となっている。SMAPの年内解散以降も番組は続くものの、17年からは新タイトルに変わるという。

 同番組は93~97年まで『斉藤一美のとんかつワイド』(同)内で放送された1コーナーで、今回の特番はそのパーソナリティを務めていた文化放送の斉藤一美アナウンサーが担当した。各メンバーの過去の放送や、シングルだけでなくアルバム曲も流しつつ、リアルタイムで寄せられたリスナーからのお便りを紹介。午後9時台には、森且行(96年脱退)を含めた6人のトーク音源をオンエアーするなど、盛りだくさんの内容だった。

「曲や過去音源の合間には、メンバーとも交流があった斉藤アナが当時の秘蔵エピソードを告白。中居正広については、慣れない進行をする自分のことを『うまく茶化して、結局いつも助けてくれた』と明かし、木村拓哉とは『行きつけのペットショップが同じ店だった』など、ファンにとっては貴重な話が多かったようです。放送中には、リスナーから『こんなに愛にあふれた番組をありがとうございます。ずっと涙でボロボロです』といったお便りが寄せられていました。また、6人が集合した回では、七夕の短冊に願いごとを書く一幕があり、現在はオートレーサーになった森が『レーサーになれますように』と目標を掲げ、香取慎吾が『SMAP全員が、いつまでもいつまでも健康でいられるように』と発言した部分が、ファンの涙を誘いました」(ジャニーズに詳しい記者)

 また、斉藤アナは稲垣の新番組名や内容について、「こっそり聞いたんですけど、ビックリしました。キャスター付きのイスが3mほど(後ろに)下がってしまいました。“そう来るんですか”みたいな」と匂わせ、Twitter上では「どんなタイトル?」と、話題になっている。

 番組終盤には、リスナーから寄せられたコメントを、「世界に一つだけの花」が流れる中で紹介。

「SMAPの歌は勇気をくれて、悲しい時は寄り添ってくれて。仕事で泣いた時は“頑張りすぎなくてもいいんだ”って。“でも前には向かなきゃね”って、癒やしながらも背中をそっと押してくれる、そんな力があると感じています。結婚して子どももできて、その子たちが歌ってくれた『世界に一つだけの花』。この歌はきっと、ずっと受け継がれていくのだろうと思っています」

 斎藤アナは、こうしたコメントを涙声で読み上げた。ラストはSMAPのデビューシングル「Can’t Stop!! -LOVING -」をオンエアーし、エンディングでは「SMAPの歩んできた軌跡を語るのには短すぎではありますが、ダブルA面を含めたシングル全63曲コンプリートいたしました。どれも本当に心に残る素晴らしい曲ばかりです」と、総括。最後は思わず声を震わせ、「私たちはSMAPのおかげで幸せになりました。SMAPがいたから、僕らはとことん笑顔に変わることができました。今、無性に胸が熱いです。本当にSMAP、みんな6人ともありがとう!」と感謝のメッセージを叫び、番組は終了した。

 この放送を受け、ネット上には「SMAP25周年を笑顔でお祝いしたかったのに、そうなるはずだったのに。『ストスマ』で、やっとそのお祝いモードになれた」「SMAPへの愛しかない番組、文化放送に感謝。純粋に25周年をお祝いしてくれてありがとう」と、感激のコメントが続出。テレビでは、SMAPの25周年を大々的に祝福する番組がなかったため、「こんなストレートにSMAPへの想いを伝えてくれるのは、ラジオだからできたこと? テレビはダメなの?」という悲痛な声も見受けられた。

「6人時代を知る斉藤アナは今回の特番において『適任』で、ネガティブなことは言わず、あくまで25周年記念として、明るいトークを展開していました。斉藤アナの仕事ぶりは、ファンからも『最後の斉藤アナの涙声で涙腺決壊した』『斉藤アナとSMAPファン、そしてSMAPともつながれたような時間だった。パーソナリティが斉藤アナで良かった』と、絶賛されています。今回の特番は一部でニュースになっていましたが、ファンクラブ会員向けのメールマガジンなどでは告知されておらず、Twitterやニュースを見ていなかったSMAPファンは放送自体を知らなかった人もいたそうです。とはいえ、ラジオならではの“お祝い”に、多くのファンが感動していました」(同)

 ファンは大満足だった『STOP THE SMAP 25周年スペシャル!』。年内の『稲垣吾郎のSTOP THE SMAP』はもちろん、1月からの新番組の放送も楽しみに待ちたい。

『逃げ恥』25.5%だけじゃない! 「北海道の視聴率、なぜ高い?」ビデオリサーチに聞いた

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 新垣結衣の主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(12月13日放送分/TBS系)第10話の北海道地区での平均視聴率が25.5%を記録したことが報じられた。  しかも、HBC北海道放送では、今回を含め、5週連続20%の大台超えという。  北海道での異常な高数値について、ネットの掲示板上では「地方はTBS系は伝統とブランドがある」「地方のほうが『逃げ恥』の視聴率がいいのは、夜は家にいる文化が根付いてるからなのか?」などの意見が見られる。    しかし、『逃げ恥』のように、全体に視聴率がいい中でも「特に北海道地区だけさらにいい」作品とは別に、以前から「北海道だけ、なぜか視聴率がいい」と不思議がられる作品はときどきある。そのために「北海道は寒いから、夜、外に行かずにテレビを見る人が多いのか?」「見られる放送局の選択肢が少ないのか?」「北海道では、電波の入り具合がいい局、悪い局があるのではないか?」など、冗談まじりのさまざまな見解がウワサされてきた。  例えば、前クールの桐谷美玲主演のフジの月9ドラマ『好きな人がいること』は、最終回(9月19日分)の視聴率が8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったにもかかわらず、同じ回の北海道地区での視聴率は14.4%を記録。これは同地区の8月29日~9月4日放送分において、全ジャンルの中で12位にランクインする好成績であった。  また、今期の月9『カインとアベル』も、関東地区では初回から8.8%→8.6%→6.9%→7.0%→7.6%→9.0%→8.8%→8.4%→7.9%と、一度も2ケタに達していないが、北海道地区では初回が12.9%を記録。第2回も11.1%、第4回は12.0%、第5回は11.6%、第6回は11.8%と、おおむね2ケタを維持してきた。  ちなみに、関東地区では全話通してすべて2ケタをキープした『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)の視聴率を見ても、北海道地区では初回から10.5%→14.6%→13.7%→9.9%→13.0→14.5%→14.7%→12.3→15.3%という結果である。  また、関東地区では『相棒15』(テレビ朝日系)は、初回2時間スペシャルの15.5%から、15.3%→14.6%→15.3%→13.6%→15.1%→14.4%→15.1%と、多くが15%を超える安定した強さを示している。だが、北海道地区においては、9.6%→17.3%→9.4%→15.0%→11.7%→13.2%→12.6%→14.5%と、かなり激しい乱高下がみられる。  また、関東地区では第2回の19.7%以外、すべての回で20%超えを記録している圧倒的視聴率強者の『ドクターX外科医・大門未知子』(同)は、北海道地区では初回から15.1%→18.7%→28.2%→17.2%→20.1%→18.7%→21.7%→20.1%と、常に高視聴率ながらも、激しい上げ下げを見せている。  なぜ北海道では、ほかの地域とは違う視聴率の傾向が見られるのか?  ビデオリサーチに聞いてみたが、「調査方法はどこも同じですが、視聴率の地区による差はどこでもありますし、北海道が高いとかそういった問い合わせは特に多くはありませんので、分析したことはございません」とのことだった。  ちなみに、もし地域差に関する問い合わせが多数来るような場合には、分析する可能性もあるそう。  理由は不明だが、苦戦を強いられているフジテレビの月9が、絶好調ドラマ『逃げ恥』と同様に「北海道だけ高視聴率」傾向があるのは面白い現象だ。もしかしたら、閉塞的状況にある若者向けドラマや「月9」の突破口は、地方にあるのかも? というのは、さすがに無理があるか……。

『逃げ恥』25.5%だけじゃない! 「北海道の視聴率、なぜ高い?」ビデオリサーチに聞いた

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 新垣結衣の主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(12月13日放送分/TBS系)第10話の北海道地区での平均視聴率が25.5%を記録したことが報じられた。  しかも、HBC北海道放送では、今回を含め、5週連続20%の大台超えという。  北海道での異常な高数値について、ネットの掲示板上では「地方はTBS系は伝統とブランドがある」「地方のほうが『逃げ恥』の視聴率がいいのは、夜は家にいる文化が根付いてるからなのか?」などの意見が見られる。    しかし、『逃げ恥』のように、全体に視聴率がいい中でも「特に北海道地区だけさらにいい」作品とは別に、以前から「北海道だけ、なぜか視聴率がいい」と不思議がられる作品はときどきある。そのために「北海道は寒いから、夜、外に行かずにテレビを見る人が多いのか?」「見られる放送局の選択肢が少ないのか?」「北海道では、電波の入り具合がいい局、悪い局があるのではないか?」など、冗談まじりのさまざまな見解がウワサされてきた。  例えば、前クールの桐谷美玲主演のフジの月9ドラマ『好きな人がいること』は、最終回(9月19日分)の視聴率が8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったにもかかわらず、同じ回の北海道地区での視聴率は14.4%を記録。これは同地区の8月29日~9月4日放送分において、全ジャンルの中で12位にランクインする好成績であった。  また、今期の月9『カインとアベル』も、関東地区では初回から8.8%→8.6%→6.9%→7.0%→7.6%→9.0%→8.8%→8.4%→7.9%と、一度も2ケタに達していないが、北海道地区では初回が12.9%を記録。第2回も11.1%、第4回は12.0%、第5回は11.6%、第6回は11.8%と、おおむね2ケタを維持してきた。  ちなみに、関東地区では全話通してすべて2ケタをキープした『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)の視聴率を見ても、北海道地区では初回から10.5%→14.6%→13.7%→9.9%→13.0→14.5%→14.7%→12.3→15.3%という結果である。  また、関東地区では『相棒15』(テレビ朝日系)は、初回2時間スペシャルの15.5%から、15.3%→14.6%→15.3%→13.6%→15.1%→14.4%→15.1%と、多くが15%を超える安定した強さを示している。だが、北海道地区においては、9.6%→17.3%→9.4%→15.0%→11.7%→13.2%→12.6%→14.5%と、かなり激しい乱高下がみられる。  また、関東地区では第2回の19.7%以外、すべての回で20%超えを記録している圧倒的視聴率強者の『ドクターX外科医・大門未知子』(同)は、北海道地区では初回から15.1%→18.7%→28.2%→17.2%→20.1%→18.7%→21.7%→20.1%と、常に高視聴率ながらも、激しい上げ下げを見せている。  なぜ北海道では、ほかの地域とは違う視聴率の傾向が見られるのか?  ビデオリサーチに聞いてみたが、「調査方法はどこも同じですが、視聴率の地区による差はどこでもありますし、北海道が高いとかそういった問い合わせは特に多くはありませんので、分析したことはございません」とのことだった。  ちなみに、もし地域差に関する問い合わせが多数来るような場合には、分析する可能性もあるそう。  理由は不明だが、苦戦を強いられているフジテレビの月9が、絶好調ドラマ『逃げ恥』と同様に「北海道だけ高視聴率」傾向があるのは面白い現象だ。もしかしたら、閉塞的状況にある若者向けドラマや「月9」の突破口は、地方にあるのかも? というのは、さすがに無理があるか……。

20年に及ぶ“遊んでる説”払拭!? 『コナン』スペシャルに登場した「グッジョブ!」な補完シーンとは

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『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』公式サイトより。
 12月9日の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で原作者・青山剛昌全面監修のアニメスペシャル『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』(読売テレビ系)が放送された。『名探偵コナン』の原点となる第1話「ジェットコースター殺人事件」に、新たなエピソードを加え完全新作としてお披露目。ツッコミどころもあったが、原作ストーリーを上手く補完したシーンも多く、ファンとしては思わず「グッジョブ!」といってしまいたくなるシーンも多数あった。  まず、ツッコミどころとしては、先日もファンの声を紹介した(記事参照)コナンの世界ではちょっとタブーになりつつある、時系列を明確にしてしまった場面。物語では一年も経っていないのに殺人事件が発生しすぎており、真面目に考えると明らかにおかしい。そのため時間経過はなるべく曖昧にするのが暗黙の了解となっているかのように思えたが、今作では新一が薬を飲まされた後、「2カ月後」という表記が出て灰原哀(大人状態)が工藤家の屋敷を調査する姿が描かれていたのだ。時間を明確にすると矛盾が多く生じてしまいそうで、首を締めてしまいそうだが……。  しかし、ここからはスタッフを褒めたい「グッジョブ!」シーン。まずは黒の組織のジン&ウォッカコンビのシーン。遊園地での薬の取引で相手がきちんと来ているか確認するためにジェットコースターに乗る、というちょっと変わった方法をとったジンとウォッカ。この行為には長年ファンから、「ジェットコースターから肉眼で取引相手なんか確認できるか」「ジンニキ、ジェットコースター乗りたかっただけだろ」といったツッコミが寄せられていたが、今回なんとウォッカが双眼鏡を持参。アニメ第1話にはなかった取引相手を確認する描写も追加され、視聴者から「ジンの兄貴が乗りたくてジェットコースター乗ってたんじゃないのか……」「ジンとウォッカ、ちゃんと遊園地に仕事に来たんだな」「双眼鏡一個持ってるだけで、20年に及ぶ遊んでる説払拭を果たしたジンの兄貴」との上々な反応が。  また、ジェットコースターで殺人事件が起き、警察が呼ばれた際、アニメでもマンガでも第1話のジンとウォッカは一刻も早く帰りたいと主張し、警察にビビってる様子を見せていたのだが、今回のアニメの2人は大きなリアクションや慌てた様子は見せず、終始落ち着いた雰囲気を見せていた。「あんなに小物感が漂っていた2人がすごく落ち着いている……」「ジンの小物感が少なくなったのすごくいい」と、これまた現在の不気味な黒の組織の雰囲気に合わせた「グッジョブ!」な補完だ。  さらに、長年“黒幕説”がささやかれていたアガサ博士にも「グッジョブ!」な補完が。アガサ博士がコナンに「他の誰にも小さくなったことを言うな」というシーンが、アニメ第1話より控えめになっていたのだ。原作者の青山からアガサ黒幕説が否定されたこともあり、視聴者からは「アガサ黒幕説を否定するため?」「ここで博士のリアクションがすごい大きいところも黒幕説の理由だったから、それで変えてあるのかな」という意見も。  黒の組織関係の補完が多かった今回のアニメ放送。ファンにとっては長年の疑問が払拭される「グッジョブ!」な放送となったようだ。

「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」vs「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」 百田尚樹の強烈な矛盾

 本サイトを読まれる方が日頃手にすることがないであろうオヤジ雑誌群が、いかに「男のプライド」を増長し続けているかを、その時々の記事から引っ張り出して定点観測していく本連載。  千葉大医学部の男子学生3人による集団強姦致傷事件で、当初、千葉県警は発生した日時や逮捕者の氏名を発表しない措置をとっていた。後に逮捕者名が明かされたが、しばらくの間公表されなかった理由は明確ではない。遅れて実名発表に踏み切った理由を県警は「捜査の見極めがついた」「被害者の理解が得られた」(『FRIDAY』12月23日号)としているが、これで説明が尽くされたとは言い難い。  ある事件が起き、実名が公表されていないと分かった途端にひとまず「在日だ!」と叫んでみる一定層が主にネットで息をしていることに、慣れてはいけないとは思いつつも慣れてしまっているが、その手の戯言を煽るように「オレもぶっちゃけたるわ」と勇んで存在証明に励む物書きがいるのはいただけない。百田尚樹氏は先述の事件について次のようにツイートしている。 「千葉大医学部の学生の『集団レイプ事件』の犯人たちの名前を、県警が公表せず。犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする。いずれにしても、凄腕の週刊誌記者たちなら、実名を暴くに違いないと思う。」(11月24日)  「犯人は在日外国人ではないかという気がする」は推察ではなく偏見、ヘイトスピーチそのものである。Twitterの規約に記された「特定の人種、性別、宗教などに対するヘイト行為:人種、民族、出身地、信仰している宗教、性的指向、性別、性同一性、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます。」に照らせば、アカウントを停止すべき事象だろう。ましてや彼は同様の発言をいくらでも繰り返してきたのだ。  しかし百田氏は、自分のツイートが「他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長」だとは思っていらっしゃらないようで、 「私は犯人が公表されない理由の一つを推論したにすぎない。しかも民族も特定していない。こんな言論さえヘイトスピーチなのか。」(11月25日) 「集団レイプ犯人が公表されない理由のひとつとして、『在日外国人ではないか』と推論したことがヘイトスピーチにあたるなら、何かの犯罪で、『犯人は男性ではないか』と書けば、男性差別のヘイトスピーチにあたるのかな。」(12月1日)  と、ツイートを続けている。  当初のツイートも言い訳のツイートも双方の質が粗いので、通して読むと理に適っていると錯覚しそうになるが、ヘイトスピーチとは「マイノリティの人間としての尊厳を否定する言葉の暴力」(師岡康子)であるし、Twitterの規約は「他者への攻撃を扇動することを主な目的」とする言葉を禁じるとあるのだから、「在日外国人」と「男性」を同軸で比較できるはずがない。自分のリテラシーがいかに瓦解しているかを率先して知らせてくれているわけだが、『Voice』2017年1月号の百田尚樹vs竹田恒泰対談にこのような発言を見つけた。見出しには「日本のモラルは世界最先端」とある。 「最後に、これだけは言わせてください。第一次大戦後、日本は人種差別が当たり前だった時代に、パリ講話会議の国際連盟委員会で人種差別撤廃の提案を行なった」 「そんなことは誰も言わない時代に、日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです。つまり日本のモラルは世界最先端だったのです」 百田尚樹(百田尚樹vs竹田恒泰「鋼の日本が世界を導く」/『Voice』2017年1月号)  ご自分の話を投げかけていただきたいのは、もちろんご自分に対してである。来年の日本が臨むべきこととして「長く続いた平和の幻想から目覚め、鋼の意志で世界の新しい秩序形成の役割を担っていくべき」と対談を締めくくっている彼には、「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」という見解と、「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」という言及がシンクロしないらしい。まったく不思議である。罵詈雑言を撒布するご自身の性分を自分で“鋼のメンタル”だと許しながら、史実を引っこ抜いて日本人は尊いとまとめる。好都合な理解のために「日本人」が使われているようで虚しい。  ましてやこの同じ対談の中でも、韓国人は「いまだ韓国が日帝統治の下にあると思っている」と気づいた、「自分たちは日本人だと思っているから、日本政府に対して口を出すのは、当然だと考えている。だから日本に住んでいる韓国人は選挙権をくれと言ってる(笑)」と実に乱雑に人種を扱っている。持論とかみ合わない論旨を押し並べて愚かなる意見だと跳ね返す話者なので、そうならないように、ご自身の発言をご自身にぶつけてみるが、こんな発言も日本人としての「尊い振る舞い」に抵触しないのだろうか。  対談相手の竹田恒泰氏といえば、今年の5月、武蔵野市のライブハウスで出演者女性に20カ所以上を刺す残忍な事件が発生した直後、このようなツイートをしている。 「小金井ライブハウス殺人未遂事件で逮捕された人物は『自称・岩埼友宏容疑者』と報道されている。自称ということは本名でないということ。なぜ本名で報道しない?ここが日本のメディアのおかしいところ。臆する必要はない。本名で報道すべき。これは私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる。」(5月22日)  先述の百田氏のツイートとまったく同じ構図をしている。犯人が特定されていない凶悪犯罪が生じると、「犯人は日本人ではないのでは」という憶測を誘発するのがこういった面々なのである。何かと「日本人」という主語を背負いながら、そうではない人たちを嫌悪する弁舌を撒く快感に酔いしれているが、この程度でヘイトスピーチとされてたまるかという誤った男気で同志と抱き合い、最終的に「俺たち、そういう芸風だから」に落ち着かせる彼らの感覚。「日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです」と「私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる」が共存できる理由がどうしたって見つからない。  2016年も瞬間風速で様々な事件が消費されていったが、だからこそ彼らのような「味付けの濃い憶測」が瞬間的な賛同を得てしまう。眼前に広がる事象に対する即物的な嘲笑がヘイトスピーチになりうることを、いつになったら気付くのだろうか。人種差別撤廃の提案をした「日本人として」、真っ先に成すべきは史実を使った言い訳ではなく、その「尊い振る舞い」をご自分に染み渡らせて考え直すことではないのか、と指摘したい。自分の振る舞いこそ真っ先に「尊い」からこぼれ落ちている。

「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」vs「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」 百田尚樹の強烈な矛盾

 本サイトを読まれる方が日頃手にすることがないであろうオヤジ雑誌群が、いかに「男のプライド」を増長し続けているかを、その時々の記事から引っ張り出して定点観測していく本連載。  千葉大医学部の男子学生3人による集団強姦致傷事件で、当初、千葉県警は発生した日時や逮捕者の氏名を発表しない措置をとっていた。後に逮捕者名が明かされたが、しばらくの間公表されなかった理由は明確ではない。遅れて実名発表に踏み切った理由を県警は「捜査の見極めがついた」「被害者の理解が得られた」(『FRIDAY』12月23日号)としているが、これで説明が尽くされたとは言い難い。  ある事件が起き、実名が公表されていないと分かった途端にひとまず「在日だ!」と叫んでみる一定層が主にネットで息をしていることに、慣れてはいけないとは思いつつも慣れてしまっているが、その手の戯言を煽るように「オレもぶっちゃけたるわ」と勇んで存在証明に励む物書きがいるのはいただけない。百田尚樹氏は先述の事件について次のようにツイートしている。 「千葉大医学部の学生の『集団レイプ事件』の犯人たちの名前を、県警が公表せず。犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする。いずれにしても、凄腕の週刊誌記者たちなら、実名を暴くに違いないと思う。」(11月24日)  「犯人は在日外国人ではないかという気がする」は推察ではなく偏見、ヘイトスピーチそのものである。Twitterの規約に記された「特定の人種、性別、宗教などに対するヘイト行為:人種、民族、出身地、信仰している宗教、性的指向、性別、性同一性、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます。」に照らせば、アカウントを停止すべき事象だろう。ましてや彼は同様の発言をいくらでも繰り返してきたのだ。  しかし百田氏は、自分のツイートが「他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長」だとは思っていらっしゃらないようで、 「私は犯人が公表されない理由の一つを推論したにすぎない。しかも民族も特定していない。こんな言論さえヘイトスピーチなのか。」(11月25日) 「集団レイプ犯人が公表されない理由のひとつとして、『在日外国人ではないか』と推論したことがヘイトスピーチにあたるなら、何かの犯罪で、『犯人は男性ではないか』と書けば、男性差別のヘイトスピーチにあたるのかな。」(12月1日)  と、ツイートを続けている。  当初のツイートも言い訳のツイートも双方の質が粗いので、通して読むと理に適っていると錯覚しそうになるが、ヘイトスピーチとは「マイノリティの人間としての尊厳を否定する言葉の暴力」(師岡康子)であるし、Twitterの規約は「他者への攻撃を扇動することを主な目的」とする言葉を禁じるとあるのだから、「在日外国人」と「男性」を同軸で比較できるはずがない。自分のリテラシーがいかに瓦解しているかを率先して知らせてくれているわけだが、『Voice』2017年1月号の百田尚樹vs竹田恒泰対談にこのような発言を見つけた。見出しには「日本のモラルは世界最先端」とある。 「最後に、これだけは言わせてください。第一次大戦後、日本は人種差別が当たり前だった時代に、パリ講話会議の国際連盟委員会で人種差別撤廃の提案を行なった」 「そんなことは誰も言わない時代に、日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです。つまり日本のモラルは世界最先端だったのです」 百田尚樹(百田尚樹vs竹田恒泰「鋼の日本が世界を導く」/『Voice』2017年1月号)  ご自分の話を投げかけていただきたいのは、もちろんご自分に対してである。来年の日本が臨むべきこととして「長く続いた平和の幻想から目覚め、鋼の意志で世界の新しい秩序形成の役割を担っていくべき」と対談を締めくくっている彼には、「強姦事件の犯人は在日外国人ではないか」という見解と、「日本は人種差別撤廃の提案を行った尊い国」という言及がシンクロしないらしい。まったく不思議である。罵詈雑言を撒布するご自身の性分を自分で“鋼のメンタル”だと許しながら、史実を引っこ抜いて日本人は尊いとまとめる。好都合な理解のために「日本人」が使われているようで虚しい。  ましてやこの同じ対談の中でも、韓国人は「いまだ韓国が日帝統治の下にあると思っている」と気づいた、「自分たちは日本人だと思っているから、日本政府に対して口を出すのは、当然だと考えている。だから日本に住んでいる韓国人は選挙権をくれと言ってる(笑)」と実に乱雑に人種を扱っている。持論とかみ合わない論旨を押し並べて愚かなる意見だと跳ね返す話者なので、そうならないように、ご自身の発言をご自身にぶつけてみるが、こんな発言も日本人としての「尊い振る舞い」に抵触しないのだろうか。  対談相手の竹田恒泰氏といえば、今年の5月、武蔵野市のライブハウスで出演者女性に20カ所以上を刺す残忍な事件が発生した直後、このようなツイートをしている。 「小金井ライブハウス殺人未遂事件で逮捕された人物は『自称・岩埼友宏容疑者』と報道されている。自称ということは本名でないということ。なぜ本名で報道しない?ここが日本のメディアのおかしいところ。臆する必要はない。本名で報道すべき。これは私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる。」(5月22日)  先述の百田氏のツイートとまったく同じ構図をしている。犯人が特定されていない凶悪犯罪が生じると、「犯人は日本人ではないのでは」という憶測を誘発するのがこういった面々なのである。何かと「日本人」という主語を背負いながら、そうではない人たちを嫌悪する弁舌を撒く快感に酔いしれているが、この程度でヘイトスピーチとされてたまるかという誤った男気で同志と抱き合い、最終的に「俺たち、そういう芸風だから」に落ち着かせる彼らの感覚。「日本だけが人種の平等を主張した。じつに尊い振る舞いです」と「私の憶測だが、容疑者は日本国籍ではないと思われる」が共存できる理由がどうしたって見つからない。  2016年も瞬間風速で様々な事件が消費されていったが、だからこそ彼らのような「味付けの濃い憶測」が瞬間的な賛同を得てしまう。眼前に広がる事象に対する即物的な嘲笑がヘイトスピーチになりうることを、いつになったら気付くのだろうか。人種差別撤廃の提案をした「日本人として」、真っ先に成すべきは史実を使った言い訳ではなく、その「尊い振る舞い」をご自分に染み渡らせて考え直すことではないのか、と指摘したい。自分の振る舞いこそ真っ先に「尊い」からこぼれ落ちている。