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田中カツやキュリー夫人ら“偉人”のイメージに隠れた、人間臭い真の魅力に迫る

――本屋にあまた並ぶ新刊の中から、サイゾーウーマン(サイ女)読者の本棚に入れたい書籍・コミックを紹介します!

■『小説 田中カツ』(渡辺順子、随想舎)

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 「足尾鉱毒事件」や「田中正造」という単語は広く知られているが、その妻のことを知る人は少ない。『小説 田中カツ』は、現代に残された手紙や日記、関係者への聞き込みから、正造の妻・カツをはじめとする、足尾鉱毒事件に関わった“明治の女”たちの生涯を描き出した小説だ。

 「明治の女」と聞いて浮かぶのは、江戸時代からの風習を引きずり、夫や家族につき従う「旧(ふる)い女」か、平塚らいてうに代表される、女性の人権を訴える「新しい女」の両極端だろう。そして、カツの生涯は、その表層をなぞれば、献身的に夫に尽くした前者のタイプと見る人が多いかもしれない。

 評判の美少女で、正造に熱心に口説かれるまま、15歳で田中家に嫁いだカツ。村の名主の跡取りとして生まれた正造は、その人生のほとんどを足尾鉱毒事件の被害者たちに捧げている。衆議院議員として全国から支援を募り、資金や食物、自宅、さらにはその時着ているものまで、片っ端から農民に渡していた正造。死後には神として祀られるほど尊敬される一方で、癇が強く、強情で、妻には特に厳しく当たる正造は、当時の価値観から見ても“一般的な良き夫”とは言い難かった。しかし、結婚当初こそ正造に傷つけられたカツだが、その信念の理解者となり、家を仕切りながら、夫の指示のまま被災地を巡る支援活動に身を投じるようになる。

 そんなカツを、「夫に献身的に尽くした女性」と見ることもできるが、本書からは、単なる耐え忍ぶ女性像にはとどまらない彼女の姿も浮かび上がってくる。

 正造が選挙に立った際には積極的に票を読み、親から結婚を反対されている女性を助けるために正造を動かし、夫の知らないところで経済的にも自立するすべを心得た彼女の生涯は、「夫に尽くした」という言葉に収まらない生命力と才覚にあふれているように見える。正造の死後、裁判を引き継いで決着に尽力したカツは、晩年も地域の住民から慕われ、穏やかに暮らし、臨終の際には部屋に入りきらないほどの見舞い客が集まった。その人生は、ただ忍んでいただけでは味わえない豊かなものだろう。

 そして、本書ではカツだけではなく、足尾鉱毒事件に関わり、闘うことを決めた女性、闘わざるを得なかった女性たちの半生も詳しく描かれている。

 本書に登場する女性のほとんどは、30代、40代、50代以上だ。鉱毒事件の被害を訴えるため上京し、一軒家で共同生活する女性たちの生き生きとした姿や、被災地で1人、あばらやのような小屋で生きていくことを決めた老女。両親の意向で最先端の教育を施され、新聞記者として活躍する女性もいれば、DV夫から逃げ出したことで非難されつつ、社会活動に身を投じる女性もいる。そのどの人生も、単純に「旧い女」「新しい女」とは分けられない、それぞれの道だ。

 ほぼ同時代に生まれた彼女たちの生涯を俯瞰することで明らかになるのは、生まれたときの家庭環境や教育、地域の価値観が、その後の人生を左右し、自ら解こうとしない限り、知らず知らずのうちに縛られているということ。それは、明治時代にかかわらず、現代でも同様だろう。人は生まれてくる環境を選べない。それでも、置かれた境遇に絶望せず、自らの生きる道を選択して闘ったあまたの明治の女たちの姿が、「夢」や「希望」にはない泥臭さで、活力を感じさせてくれる。

■『改訂 マリー・キュリーの挑戦 ―科学・ジェンダー・戦争』(川島慶子、トランスビュー)
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 “偉人伝”の中で定番として挙げられる女性の1人、日本でもなじみ深いキュリー夫人(マリー・キュリー)。田中カツや正造が生きた時代と、彼女がソルボンヌ大学(パリ大学)初の女性教授になり、史上初めて2度目のノーベル賞を受賞した時代は、ほぼ同時期だ。

 本書は、科学史研究者である川島慶子氏による、科学者“キュリー夫人”ではない、1人の「マリー・キュリー」という女性像を、さまざまな資料から探り、再解釈を試みる評伝。著者自身が、「子どものころは優等生のイメージがあるキュリー夫人より、自由なアインシュタインのほうに惹かれていた」と語る通り、キュリー夫人には、偉大な科学者でありながら妻としての役割も果たし、夫婦協力して科学の発展に努めた“優等生”のイメージが強い。しかし実際は、「優等生キュリー夫人 対 ユニークな天才アインシュタイン」という、一般的に広まるイメージこそすでにバイアスがかかっているものだと著者は分析する。

 さまざまな角度からマリー・キュリーのエピソードが語られる本書では、マリーの娘が執筆した「キュリー夫人伝」には書かれていない、夫の死後の恋愛についても触れられている。年下の既婚男性と不倫関係が疑われたことで、ゴシップ誌の格好の餌食になってしまったマリー・キュリー。男性は妻と別居し、離婚裁判中だったといわれるが、宗教や移民問題で外国人排斥の風潮が高まっていた当時のフランスで、彼女が「善良なフランス家庭を壊した外国人女」として、過剰なバッシングの対象になってしまった歴史的な背景も解説する。

 そして本書では、山田延男や湯浅年子といった、マリー・キュリーの下で研究を続けた日本人研究者の生涯や功績も詳しく語られている。異文化での研究生活に大きな刺激を受けた湯浅は、後に初めて戦後フランスで正式に職を得た日本人女性となり、その後も日仏をつなぐ役目を果たす。マリー・キュリーのような歴史上の偉人、遠い国の史実として触れていた人々の息吹が、時を超えて現代の日本にもつながっていることを感じさせてくれる。

■『マリー・アントワネットの嘘』(惣領冬実・ 塚田有那、講談社)

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 『マリー・アントワネットの嘘』は、ベルサイユ宮殿の総監修・フルサポートの下で作られた惣領冬実氏によるコミック『マリー・アントワネット』(同)出版と連動して作成された、フランス革命史実を再検証するノンフィクションだ。

 不細工で気弱な国王、欲求不満でフェルセンと密通した贅沢ざんまいの王妃……。当時のフランス市民の間でやゆされ、20世紀に世界的なベストセラーとなったツヴァイク版の小説でも定着した(さらに日本では池田理代子氏による漫画『ベルサイユのばら』でより広く定着した)フランス王・王妃のイメージは、どこまで信頼が置けるのか。これらの小説や漫画の出版後に明らかになった最新資料を踏まえ、徹底的に解説する。

「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない」という王妃の発言や、国王と王妃との間に、長い間性交渉がなかったとされる定説を大胆に否定しながら、歴史が、時により市民の面白い方へ歪曲されてしまう仕組みも分析してくれる。

 2世紀以上の時代を経た今、本当の意味でどれだけ正しいのか確かめることは難しい。しかし、史実との矛盾点を解説し、虚像と資料のギャップを埋めていく経過を明らかにしてくれる本書は、漫画を読んでいなくても、痛快な歴史読み物として十分楽しむことができる。

 もちろん、惣領氏へのインタビューや萩尾望都氏との対談なども収録され、漫画のファンであればさらに深く読み込める一冊。惣領氏が描きだす、『ベルばら』とは異なる新しいマリー・アントワネット像が、今後は定着していくのかもしれない。
(保田夏子)

Eカップグラドル柚月一葉、初のDVDで“セクシー炸裂”!?「見どころいっぱいです!」

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 ナイスバディの新人グラドル柚月一葉が、初めてのイメージDVD『柚の葉の頃』(イーネット・フロンティア)を発売し、東京・秋葉原で記念のイベントを行った。  9月に、千葉と都内のスタジオで撮影したという本作。初めてのグラビアDVD撮影に、緊張もしたが楽しかったという。詳しい内容についても聞いてみた。 ――内容を教えてください。 「初めてにしてはセクシーだなと(笑)。学生から大人になっていく物語という感じで、制服から大人っぽいシーンまで、盛りだくさんの内容になっています!」
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――お気に入りのシーンは? 「お風呂のシーンが特に気に入っています! 大浴場と、檜風呂のシーンとがあるんですが、特に大浴場では大人の色気が出ていて、色っぽい感じに仕上がっていると思います!」 ――特に見てほしいシーンは? 「浴衣を脱いでいくシーンもオススメです。全体的にセクシーな作品になっていると思うので、見どころいっぱいです!」  歌が好きでアーティストを目指していたところ、グラビアの話がきて、やってみたところその楽しさに目覚めてしまったという。今後も雑誌の表紙を目指すなど、グラビアでの活動を続けていきたいという。

Hey! Say! JUMP中島裕翔が『有吉ゼミ』に登場! 12月5日(月)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。

●SMAP

22:00~23:09 『SMAP×SMAP 15分拡大SP』(フジテレビ系)
24:10~24:55 『Momm!!』(TBS系) 中居正広

【特番】
19:00~21:48 『中居正広のスポーツ!号外スクープ狙います!』(テレビ朝日系) 中居正広

●TOKIO

5:50~ 8:00 『ZIP!』(日本テレビ系) 山口達也
8:00~ 9:55 『白熱ライブビビット』(TBS系) 国分太一
11:25~11:30 『国分太一のおさんぽジャパン』(フジテレビ系) 国分太一
18:55~19:25 『Rの法則』(NHK Eテレ) 山口達也
19:25~19:55 『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ) 城島茂

 

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女子の鮮烈な欲望まみれだった少女漫画とレズビアン偏見の罪/椎名あゆみ『あなたとスキャンダル』

 椎名あゆみの代表作といえば、大人っぽい小学6年美少女と長身中学生男子の恋を描いた『ベイビィ☆LOVE』(1995~1998年)であるが、今回はあえてその前作にあたる『あなたとスキャンダル』(1993~1995年)について取り上げたい。高校生バンドの世界を描いた『あなスキャ』は、タイトル通りスキャンダラスなエピソードが次から次へと巻き起こり、臨場感あふれるシーンも多く、いちいち興奮させられて目が離せなくて、また登場人物たちの性格や行動が比較的ストレートでわかりやすいので、小学校低学年の女児にも読みやすい作品だった。スピーディーな展開とドリーミーな設定が魅力の『あなスキャ』、個人的には『カノジョは嘘を愛しすぎてる』みたいに実写映画にすればよかったのに!と思ってしまう。いや、キャスティングがまず難しすぎるか……。

 主人公は、ミーハーな女子高生・高崎友香(たかさき・ともか)15歳。お嬢様学校として知られる星蘭女子高校に通う1年生だが、友香を含む生徒たちの実態は、言葉遣いも汚い“お下品なお嬢様たち”。となりには金持ちの子息が通う星条男子高校があり、両校は合同で高校生とは思えないリッチなパーティーを開くなど、交流が盛んだが、友香はそもそも男嫌いで、となりの男子高は「お高くとまった気取った奴らが多い」と、良い印象を持っていない。友香が恋い焦がれているのは週に一度、ピアノのレッスンに向かう電車の中で見かける名前も知らない長身美形の「王子様」で、隠し撮りのためにカメラを持っていこうと企んだりする。

 そんなある日、友香はとなりの男子高の2年生・宮沢新(みやざわ・あらた)と接点を持つ。友香は憶えていなかったが、新はかつて友香と同じピアノ教室に通っていた時期があり、友香のピアノの腕前を知っていた。バンドを結成したばかりの新は、ぜひとも友香にキーボードを担当してほしいと考え、友香のことを探していたのだった。新にチケットを渡され、女子高と男子高の合同パーティー(ものすごく立派なホテルが会場!)に出向いた友香は、バンド演奏のステージを見てびっくり! ボーカルの彼はなんと、友香が毎週電車で見かけていた例の王子様だったのだ。そしてこのあと、とんでもない展開が待っていた。演奏終了後、コーラに酔った勢いとどさくさに紛れて彼に抱きつく友香。そのまま眠りについて目を覚ましても酔いが醒めておらず、彼に「好きです」と告白! それに対する彼の答えは、「あたしそーいう趣味ないから」。友香同様、多くの読者もこの時「!」となったであろう。だが、信じられないことに、彼、ではなく彼女、結城芹香(ゆうき・せりか)は、正真正銘「女」だったのである。当然友香は大ショック、「信じない!」とややヒステリックに叫んで現実逃避。連載がはじまった頃の友香は、男に免疫のない夢見る女の子。しかも落ち着きがなく、思い込みが激しく、暴走気味で鈍くさい。りぼん読者が憧れるタイプでも共感できるタイプでもなかった。逆に言えば、りぼん読者にとって等身大のキャラクターではあったかもしれない。

 でも、友香のピアノの腕前は凄いらしい。パーティーの翌日、新以外のバンドメンバーも女子高の音楽室で友香の演奏を聴き圧倒される。うちのバンドでキーボードをやらないかと、この時友香は正式に誘われるのだが、昨日のショックが尾を引いている友香はそれどころじゃない。放課後は校門のところで芹香が友香を待っていた。女子高の友達は皆、芹香が男だとは気づいておらず、友香を羨ましがってくる。「こいつらに『実は女でした』なんてまぬけなこといえるか」、と友香は内心ひやひや。芹香は、バンド加入の話を真剣に考えてくれないかと話す一方、友香の一目惚れに対しては「幻想」「笑っちゃうよ」とあまり取り合う様子はない。カチンときた友香は「女だとわかった今でもその気持ちはこれっぽっちも変わっていないわよ!!」と反発、バンドの話を引き受ける。友香がバンドに加わって、物語は本格的に動き出す。プロデビューを目指すバンド活動と恋愛ドタバタが絡まり合って、ハイペースに進行していく。

 バンド名はスパイラル(SPIRAL)で、メンバーは5人。キーボード担当の友香以外の4人をここで紹介する。ボーカル担当の結城芹香、16歳。女性でありながら、ビジュアルは至って男性的で背も高く、友香のみならず多くの女性がハマるような“イケメン”で、クォーターゆえ髪色は明るく、人目を惹きつける容姿が相まって、黙っていても存在感があって目立つタイプ。高校には通っておらず、5匹の猫とアパートで暮らし、バンド練習以外はバイトに明け暮れているのだが、何やらワケありの模様だ。 実は元華族の由緒正しい家で生まれ育った芹香だが、さまざまな背景から居心地の悪い思いをしていた。28歳の製薬会社専務と見合いをさせられたことでついに父親にぶち切れ、家出していた。後半、この婚約者に一流ホテルのスイートルームに監禁されるくだりもある。

 ギター担当の小椋武巳(おぐら・たけみ)、16歳、通称タケ。星条男子高の2年生だが、髪を腰まで伸ばすなど男子高校生らしからぬ風貌、すぐに女の子を口説きはじめる性癖があり、となりの女子高では「星条1のサイテー男」と呼ばれている。イケメン設定だが音痴でもあり、ギターを鳴らして歌うのは長渕剛だったりもする。読者には通じないよな……。このタケにマジ惚れしているのが友香の同級生で生粋のお嬢様女子なのだが、このコも相当良いキャラだった。

 ベース担当の中川保(なかがわ・たもつ)、15歳、星条男子高の1年生。ツリ目が特徴的で性格もクールで不愛想だが、バンドに対する意識や情熱は高い。年上の彼女アリ。登場人物の中では一番地味な役回りだったかもしれない。そして最後に、友香をキーボードに推薦した宮沢新、16歳はドラム担当。両親は既に他界し肉親は祖母のみだが、祖母(かなりパワフル!)は下宿屋(時代を感じる!)を営んでおり、にぎやかな環境で暮らしている。明るく社交的な性格の新はバンドのムードメーカーだ。嘘をつくのはヘタクソだが、実は冷静沈着で頭の回転も速かったりして頼りがいもある。新自身は友香に好意を抱いているのだが、芹香に対する気持ちの整理がつかないままの友香のことを励ましたり慰めたり。しかし友香の心は芹香でいっぱいで、歯がゆい思いをする。このもどかしい恋愛と、バンドのサクセスストーリーの両軸で物語は展開していく。

愛情表現だけじゃない、性的欲求としてのキス

 芹香はクールに見えてお人好しな性格もあり友香を拒み切れず、なんだかんだで友香と芹香は距離を縮めていくが、その関係性は“同性愛”ではなく、“姉妹”か“友達”。友香自身も、芹香に対する独占欲は強くても、結局のところノンケだし、レズビアンを「変態」扱いしているし(それは同作の登場人物全員がそうなのだが)性的な意味での欲求はない。もしほんとうに同性恋愛が展開されていけば、りぼん作品としては異例だっただろうが、友香の初恋は「ときめいた相手が実は女だった」にとどまっている。

 スパイラルの合宿中、自分の気持ちをごまかせなくなった新は勢いで友香に告白。友香は新を恋愛対象として意識したことがなかった(と、新にはっきり言ってしまう!)。いつも元気で明るくて自分のよき理解者であると思っていた新からの告白に友香は戸惑い、そんな友香に、新は「絶対こっちむかせる」と宣言。何かと友香を気にかけていた新と、そんな新を信頼していた友香は、傍から見ると結構いいムードだったりもする。大体友香は芹香に思いを寄せながらも、新がドラム練習しているところに出くわした時は彼の演奏に「すごい かっこいい」とか言っていて、深い意味もなくただ思ったことを口にしただけなのだろうけど、新にしてみればふたりだけの場所でそんなこと言われたらうれしいに決まっているし、友香に対する思いが募っていくに決まっているのだ。うーん、友香って残酷! 自分の見ているもの以外目に入らないという、10代特有の残酷さと純粋さを十二分に持ち合わせている友香だったが、新の告白を機にどことなく新のことを意識するようになり、「新くんがあたし以外の人にやさしいのはイヤだ」と思っている自分に気づいていく。

 ではバンド活動はどうなっているのかというと、恋愛ドタバタの最中でもこちらは順調に進んでいた。スパイラルの目標はずばりプロデビュー。彼らの音楽に対する姿勢は大真面目でストイックだ。放課後の部活動のノリでスタジオに通っているわけじゃないのだ。最初こそ芹香目当てでバンドに入った友香も、「毎日がドキドキの連続」で、バンドに入ってよかったと思う。漫画なので音源は存在しないが、スパイラルのメンバーたちはみんな実力派で素人離れしている。ボーカル担当の芹香に至っては、タケが「今の日本でおまえ(芹香)ほどうたえる奴はいないぜ」と絶賛し、友香も「あの才能のためならなんでもしてあげたい」と賛同しプロデビューを目指すことに異論はない。15~16歳の高校生が主体的に集まったバンドが結成して間もなく実力派って……どえらい話である。また、スパイラルのチームワークと信頼関係がとんでもなく強靭だということが物語の中盤以降、読めば読むほど伝わってくる。

 高校生バンドが対象のコンテストがあり、グランプリを獲得すればCDデビューができる。スパイラルは難関のテープ審査を見事通過、関東大会の出場が決まる。このステージがきっかけで、スパイラルはレコード会社の女社長からデビューの話を持ち掛けられるが、コンテストの裏事情(実は出来レースだった)を聞かされて憤慨、女社長相手に遠慮なく文句をぶつけ「おばちゃん」呼ばわり……。スパイラルは怖いもの知らず、ピュア過ぎる。しかし女社長は「あなたたちがうちと契約してくれるなら、借金はチャラにしようと思ったんだけど」。例のコンテストでひと悶着あり、スパイラルが暴れまくったせいであらゆる機材が故障したのだ(証拠VTRあり)。その負債額、高校生にはいかんともしがたい600万円。ひぇー。

 ここから、芹香の謎めいた生い立ちや実家との確執、婚約者問題、そして失踪、タケから芹香への告白などなど、ほとんど芹香が主人公のような展開が続くが(人気キャラだったんだろうなあ)、他方、友香と新の関係もまた、小学生読者には刺激的な進展が描かれる。帰省中の芹香に会いにみんなで旅行しようと友香が提案、当日タケと保があえてドタキャン、友香と新ふたりきりで行くことに。旅館で過ごす夜、物音に怯えて新に抱きつく友香。浴衣姿ということも相まって、なかなかエロい。新の理性、自制心、平常心はガラガラと崩れ落ちていく。ものすごく露骨にセックスを連想させられる、きわどいシーンだ。しかし読者の期待とは裏腹に、その瞬間までセックスの予感など微塵も抱いていなかった友香は、拒絶して部屋を飛び出す。追いかけて「好きな女抱きしめたいと思て何が悪いねや!!」と叫ぶ新。「キスしたい」じゃなくて「抱きしめたい」かぁ! さらに「ゆかた1枚で抱きつかれた俺の身にもなれえや!」とも。「新くんがそおゆう人だとは思わなかった!!」と友香。高校生のセックスに対する認識の、男女間のズレがむき出しに……。この10ページ余りに渡る一連の展開に、小学生読者の頭はギンギンだっただろう。『りぼん』のラブシーンって大抵はキスに重点を置いていて、だからキスシーンはたくさん出てくるのだが、「性的欲求」というより「愛情表現」の意味合いを強調したものが多かった。その点で、絵にしろ台詞にしろ『あなスキャ』のラブシーンは、際どいラインまで突っ込んでいたといえる。男3人と旅行に行くという友香に対して星蘭女子の友達が言う「危ないじゃないの! 普段いい人でもいつ豹変するかわかんないんだよ!?」とか、芹香がホテルに監禁された時のタケの「男が女を監禁してやることといったらひとつだろーが!」とか、エロを連想させる台詞は多い。

 旅館での件があったあとも、友香はなかなか新と向きあわない(読んでいてイライラ)が、帰ってきた芹香の後押しでようやく自分の恋愛感情が誰に向いているのかを自覚、ついに友香と新は両想いになる。バンド活動はというと、レコード会社の女社長が再び現れ、別途コンテストにスパイラルを推薦。以前メンバーたちと商品扱いしたことを詫び、1日も早く世に出て欲しいとエールを送る。コンテストに出場したスパイラルは、晴れてCDデビュー。友香は「あたしたち恋人にはなれなかったけど親友にはなれるよね…?」と芹香に語りかけ、この世でたった1人だけのあたしの王子様は新だと悟って、もうこれ以上ないくらいのハッピーエンドで物語は終わった。

レズビアン=変態、という前提

 90年代「りぼん」はヒット作を連発しているが、その多くは、恋愛だけを題材にするのではなく、家庭事情や社会問題といった「大人」の動向に重きを置き、大人に翻弄される「子ども」の成長を描いている。『あなスキャ』にもその傾向は見られるが、他作品と趣が違うのは「大人の影がとっても薄い」ことだ。そのぶん、超ドリーミー。スパイラルは、高校生が自分たちの勝手で作ったバンドであり、彼らは自分の信じる方向のみを見据え、とにかく自力で何でも解決しようとする。大人に失望しているわけじゃないけど、大人をあてにするつもりはない。芹香を除く4人は金持ちの通う学校に在籍する高校生だから、経済的に裕福な保護者に依存しているだろうけど、作中彼らの親はほとんど出てこなくて、“うざい親”の干渉を受けることなく好き勝手にドタバタやっている高校生たちの姿は読者から見るとやたら楽しそうで、理想郷ともいえる。金だけ出して一切干渉してこない親たち、最高過ぎる! 現実の高校生はもっと子どもだし大人に依存しているし、バンドのプロデビューだってこんなにトントン拍子に運ばないし、話せばわかる大人ばっかりじゃないことを高校生になって知ったけど、『あなスキャ』連載当時小学校低学年だった私から見たスパイラルの面々は「理想の高校生」で、ものすごくかっこよかった。小学生にとって高校生は死ぬほど大人だったということを、今回『あなスキャ』を読み返して思い出した。

 当初、主人公の友香は、ピアノはうまいけど鈍くさくて“ビミョーな感じ”の主人公だった。ところが物語が進むにつれ、自分の才能を発揮する場ができて、バンド仲間にも大事にされている友香のことがだんだん羨ましくなった。駆け引きとか媚びとか、いわゆる“小悪魔ちゃん”を一切やらずして、つまり何の努力もなく地のまま「チーム男子の紅一点」というものすごく美味しいポジションにいられる友香。そんな友香を主人公とした『あなスキャ』は、女のいやらしい欲望存が分に詰まった作品ともいえる。作中、主人公の友香のみを中心に展開するのではなく、メインキャラ(友香、芹香、新)もサブキャラ(タケ、保)も含めたスパイラル5人全員に、それぞれの人間性や魅力が現れるような“見せ場”がしっかり用意されていたのもよかった。各キャラに、それなりにファンがついていただろうと思う。いわゆる“推しメン”的な感覚で、「タケ派」「新派」「保派」とかね。

 最後にひとつ特記しておくべきことがある。『あなスキャ』が連載されていたのは約20年前であり(ってことは、スパイラルはもうアラフォーなのか!)、当時の世相を反映させた結果ともいえるが、作中レズビアン、あるいは同性愛に対する差別が当たり前のように描かれていた。物語序盤の芹香が実は女だったという騒動は、「レズビアン=変態、気持ち悪い」という前提で成り立っている。レズビアンらしき女子生徒と接触すれば「気持ち悪~い」とハンカチで手をゴシゴシ、変態がうつると大変だから離れろ、とまで言う。『あなスキャ』の徹底的な同性愛否定描写は、レズビアンである女子読者を傷つけたり、大半のノンケ女子読者に「レズって変態」と偏見を植え付けていた側面は否定できない(2008年発売の文庫版では、「変態」「気持ち悪い」といった表現に修正がかかっている)。同性愛否定に疑問を投げかける登場人物は最後まで登場しなかった。高校生バンドがやりたい放題でスピーディーに展開する『あなスキャ』は、今読み返してもハラハラドキドキ、とても魅力が詰まった作品だが、それだけに同性愛否定描写が強かったことが残念事項でもある。

女子の鮮烈な欲望まみれだった少女漫画とレズビアン偏見の罪/椎名あゆみ『あなたとスキャンダル』

 椎名あゆみの代表作といえば、大人っぽい小学6年美少女と長身中学生男子の恋を描いた『ベイビィ☆LOVE』(1995~1998年)であるが、今回はあえてその前作にあたる『あなたとスキャンダル』(1993~1995年)について取り上げたい。高校生バンドの世界を描いた『あなスキャ』は、タイトル通りスキャンダラスなエピソードが次から次へと巻き起こり、臨場感あふれるシーンも多く、いちいち興奮させられて目が離せなくて、また登場人物たちの性格や行動が比較的ストレートでわかりやすいので、小学校低学年の女児にも読みやすい作品だった。スピーディーな展開とドリーミーな設定が魅力の『あなスキャ』、個人的には『カノジョは嘘を愛しすぎてる』みたいに実写映画にすればよかったのに!と思ってしまう。いや、キャスティングがまず難しすぎるか……。

 主人公は、ミーハーな女子高生・高崎友香(たかさき・ともか)15歳。お嬢様学校として知られる星蘭女子高校に通う1年生だが、友香を含む生徒たちの実態は、言葉遣いも汚い“お下品なお嬢様たち”。となりには金持ちの子息が通う星条男子高校があり、両校は合同で高校生とは思えないリッチなパーティーを開くなど、交流が盛んだが、友香はそもそも男嫌いで、となりの男子高は「お高くとまった気取った奴らが多い」と、良い印象を持っていない。友香が恋い焦がれているのは週に一度、ピアノのレッスンに向かう電車の中で見かける名前も知らない長身美形の「王子様」で、隠し撮りのためにカメラを持っていこうと企んだりする。

 そんなある日、友香はとなりの男子高の2年生・宮沢新(みやざわ・あらた)と接点を持つ。友香は憶えていなかったが、新はかつて友香と同じピアノ教室に通っていた時期があり、友香のピアノの腕前を知っていた。バンドを結成したばかりの新は、ぜひとも友香にキーボードを担当してほしいと考え、友香のことを探していたのだった。新にチケットを渡され、女子高と男子高の合同パーティー(ものすごく立派なホテルが会場!)に出向いた友香は、バンド演奏のステージを見てびっくり! ボーカルの彼はなんと、友香が毎週電車で見かけていた例の王子様だったのだ。そしてこのあと、とんでもない展開が待っていた。演奏終了後、コーラに酔った勢いとどさくさに紛れて彼に抱きつく友香。そのまま眠りについて目を覚ましても酔いが醒めておらず、彼に「好きです」と告白! それに対する彼の答えは、「あたしそーいう趣味ないから」。友香同様、多くの読者もこの時「!」となったであろう。だが、信じられないことに、彼、ではなく彼女、結城芹香(ゆうき・せりか)は、正真正銘「女」だったのである。当然友香は大ショック、「信じない!」とややヒステリックに叫んで現実逃避。連載がはじまった頃の友香は、男に免疫のない夢見る女の子。しかも落ち着きがなく、思い込みが激しく、暴走気味で鈍くさい。りぼん読者が憧れるタイプでも共感できるタイプでもなかった。逆に言えば、りぼん読者にとって等身大のキャラクターではあったかもしれない。

 でも、友香のピアノの腕前は凄いらしい。パーティーの翌日、新以外のバンドメンバーも女子高の音楽室で友香の演奏を聴き圧倒される。うちのバンドでキーボードをやらないかと、この時友香は正式に誘われるのだが、昨日のショックが尾を引いている友香はそれどころじゃない。放課後は校門のところで芹香が友香を待っていた。女子高の友達は皆、芹香が男だとは気づいておらず、友香を羨ましがってくる。「こいつらに『実は女でした』なんてまぬけなこといえるか」、と友香は内心ひやひや。芹香は、バンド加入の話を真剣に考えてくれないかと話す一方、友香の一目惚れに対しては「幻想」「笑っちゃうよ」とあまり取り合う様子はない。カチンときた友香は「女だとわかった今でもその気持ちはこれっぽっちも変わっていないわよ!!」と反発、バンドの話を引き受ける。友香がバンドに加わって、物語は本格的に動き出す。プロデビューを目指すバンド活動と恋愛ドタバタが絡まり合って、ハイペースに進行していく。

 バンド名はスパイラル(SPIRAL)で、メンバーは5人。キーボード担当の友香以外の4人をここで紹介する。ボーカル担当の結城芹香、16歳。女性でありながら、ビジュアルは至って男性的で背も高く、友香のみならず多くの女性がハマるような“イケメン”で、クォーターゆえ髪色は明るく、人目を惹きつける容姿が相まって、黙っていても存在感があって目立つタイプ。高校には通っておらず、5匹の猫とアパートで暮らし、バンド練習以外はバイトに明け暮れているのだが、何やらワケありの模様だ。 実は元華族の由緒正しい家で生まれ育った芹香だが、さまざまな背景から居心地の悪い思いをしていた。28歳の製薬会社専務と見合いをさせられたことでついに父親にぶち切れ、家出していた。後半、この婚約者に一流ホテルのスイートルームに監禁されるくだりもある。

 ギター担当の小椋武巳(おぐら・たけみ)、16歳、通称タケ。星条男子高の2年生だが、髪を腰まで伸ばすなど男子高校生らしからぬ風貌、すぐに女の子を口説きはじめる性癖があり、となりの女子高では「星条1のサイテー男」と呼ばれている。イケメン設定だが音痴でもあり、ギターを鳴らして歌うのは長渕剛だったりもする。読者には通じないよな……。このタケにマジ惚れしているのが友香の同級生で生粋のお嬢様女子なのだが、このコも相当良いキャラだった。

 ベース担当の中川保(なかがわ・たもつ)、15歳、星条男子高の1年生。ツリ目が特徴的で性格もクールで不愛想だが、バンドに対する意識や情熱は高い。年上の彼女アリ。登場人物の中では一番地味な役回りだったかもしれない。そして最後に、友香をキーボードに推薦した宮沢新、16歳はドラム担当。両親は既に他界し肉親は祖母のみだが、祖母(かなりパワフル!)は下宿屋(時代を感じる!)を営んでおり、にぎやかな環境で暮らしている。明るく社交的な性格の新はバンドのムードメーカーだ。嘘をつくのはヘタクソだが、実は冷静沈着で頭の回転も速かったりして頼りがいもある。新自身は友香に好意を抱いているのだが、芹香に対する気持ちの整理がつかないままの友香のことを励ましたり慰めたり。しかし友香の心は芹香でいっぱいで、歯がゆい思いをする。このもどかしい恋愛と、バンドのサクセスストーリーの両軸で物語は展開していく。

愛情表現だけじゃない、性的欲求としてのキス

 芹香はクールに見えてお人好しな性格もあり友香を拒み切れず、なんだかんだで友香と芹香は距離を縮めていくが、その関係性は“同性愛”ではなく、“姉妹”か“友達”。友香自身も、芹香に対する独占欲は強くても、結局のところノンケだし、レズビアンを「変態」扱いしているし(それは同作の登場人物全員がそうなのだが)性的な意味での欲求はない。もしほんとうに同性恋愛が展開されていけば、りぼん作品としては異例だっただろうが、友香の初恋は「ときめいた相手が実は女だった」にとどまっている。

 スパイラルの合宿中、自分の気持ちをごまかせなくなった新は勢いで友香に告白。友香は新を恋愛対象として意識したことがなかった(と、新にはっきり言ってしまう!)。いつも元気で明るくて自分のよき理解者であると思っていた新からの告白に友香は戸惑い、そんな友香に、新は「絶対こっちむかせる」と宣言。何かと友香を気にかけていた新と、そんな新を信頼していた友香は、傍から見ると結構いいムードだったりもする。大体友香は芹香に思いを寄せながらも、新がドラム練習しているところに出くわした時は彼の演奏に「すごい かっこいい」とか言っていて、深い意味もなくただ思ったことを口にしただけなのだろうけど、新にしてみればふたりだけの場所でそんなこと言われたらうれしいに決まっているし、友香に対する思いが募っていくに決まっているのだ。うーん、友香って残酷! 自分の見ているもの以外目に入らないという、10代特有の残酷さと純粋さを十二分に持ち合わせている友香だったが、新の告白を機にどことなく新のことを意識するようになり、「新くんがあたし以外の人にやさしいのはイヤだ」と思っている自分に気づいていく。

 ではバンド活動はどうなっているのかというと、恋愛ドタバタの最中でもこちらは順調に進んでいた。スパイラルの目標はずばりプロデビュー。彼らの音楽に対する姿勢は大真面目でストイックだ。放課後の部活動のノリでスタジオに通っているわけじゃないのだ。最初こそ芹香目当てでバンドに入った友香も、「毎日がドキドキの連続」で、バンドに入ってよかったと思う。漫画なので音源は存在しないが、スパイラルのメンバーたちはみんな実力派で素人離れしている。ボーカル担当の芹香に至っては、タケが「今の日本でおまえ(芹香)ほどうたえる奴はいないぜ」と絶賛し、友香も「あの才能のためならなんでもしてあげたい」と賛同しプロデビューを目指すことに異論はない。15~16歳の高校生が主体的に集まったバンドが結成して間もなく実力派って……どえらい話である。また、スパイラルのチームワークと信頼関係がとんでもなく強靭だということが物語の中盤以降、読めば読むほど伝わってくる。

 高校生バンドが対象のコンテストがあり、グランプリを獲得すればCDデビューができる。スパイラルは難関のテープ審査を見事通過、関東大会の出場が決まる。このステージがきっかけで、スパイラルはレコード会社の女社長からデビューの話を持ち掛けられるが、コンテストの裏事情(実は出来レースだった)を聞かされて憤慨、女社長相手に遠慮なく文句をぶつけ「おばちゃん」呼ばわり……。スパイラルは怖いもの知らず、ピュア過ぎる。しかし女社長は「あなたたちがうちと契約してくれるなら、借金はチャラにしようと思ったんだけど」。例のコンテストでひと悶着あり、スパイラルが暴れまくったせいであらゆる機材が故障したのだ(証拠VTRあり)。その負債額、高校生にはいかんともしがたい600万円。ひぇー。

 ここから、芹香の謎めいた生い立ちや実家との確執、婚約者問題、そして失踪、タケから芹香への告白などなど、ほとんど芹香が主人公のような展開が続くが(人気キャラだったんだろうなあ)、他方、友香と新の関係もまた、小学生読者には刺激的な進展が描かれる。帰省中の芹香に会いにみんなで旅行しようと友香が提案、当日タケと保があえてドタキャン、友香と新ふたりきりで行くことに。旅館で過ごす夜、物音に怯えて新に抱きつく友香。浴衣姿ということも相まって、なかなかエロい。新の理性、自制心、平常心はガラガラと崩れ落ちていく。ものすごく露骨にセックスを連想させられる、きわどいシーンだ。しかし読者の期待とは裏腹に、その瞬間までセックスの予感など微塵も抱いていなかった友香は、拒絶して部屋を飛び出す。追いかけて「好きな女抱きしめたいと思て何が悪いねや!!」と叫ぶ新。「キスしたい」じゃなくて「抱きしめたい」かぁ! さらに「ゆかた1枚で抱きつかれた俺の身にもなれえや!」とも。「新くんがそおゆう人だとは思わなかった!!」と友香。高校生のセックスに対する認識の、男女間のズレがむき出しに……。この10ページ余りに渡る一連の展開に、小学生読者の頭はギンギンだっただろう。『りぼん』のラブシーンって大抵はキスに重点を置いていて、だからキスシーンはたくさん出てくるのだが、「性的欲求」というより「愛情表現」の意味合いを強調したものが多かった。その点で、絵にしろ台詞にしろ『あなスキャ』のラブシーンは、際どいラインまで突っ込んでいたといえる。男3人と旅行に行くという友香に対して星蘭女子の友達が言う「危ないじゃないの! 普段いい人でもいつ豹変するかわかんないんだよ!?」とか、芹香がホテルに監禁された時のタケの「男が女を監禁してやることといったらひとつだろーが!」とか、エロを連想させる台詞は多い。

 旅館での件があったあとも、友香はなかなか新と向きあわない(読んでいてイライラ)が、帰ってきた芹香の後押しでようやく自分の恋愛感情が誰に向いているのかを自覚、ついに友香と新は両想いになる。バンド活動はというと、レコード会社の女社長が再び現れ、別途コンテストにスパイラルを推薦。以前メンバーたちと商品扱いしたことを詫び、1日も早く世に出て欲しいとエールを送る。コンテストに出場したスパイラルは、晴れてCDデビュー。友香は「あたしたち恋人にはなれなかったけど親友にはなれるよね…?」と芹香に語りかけ、この世でたった1人だけのあたしの王子様は新だと悟って、もうこれ以上ないくらいのハッピーエンドで物語は終わった。

レズビアン=変態、という前提

 90年代「りぼん」はヒット作を連発しているが、その多くは、恋愛だけを題材にするのではなく、家庭事情や社会問題といった「大人」の動向に重きを置き、大人に翻弄される「子ども」の成長を描いている。『あなスキャ』にもその傾向は見られるが、他作品と趣が違うのは「大人の影がとっても薄い」ことだ。そのぶん、超ドリーミー。スパイラルは、高校生が自分たちの勝手で作ったバンドであり、彼らは自分の信じる方向のみを見据え、とにかく自力で何でも解決しようとする。大人に失望しているわけじゃないけど、大人をあてにするつもりはない。芹香を除く4人は金持ちの通う学校に在籍する高校生だから、経済的に裕福な保護者に依存しているだろうけど、作中彼らの親はほとんど出てこなくて、“うざい親”の干渉を受けることなく好き勝手にドタバタやっている高校生たちの姿は読者から見るとやたら楽しそうで、理想郷ともいえる。金だけ出して一切干渉してこない親たち、最高過ぎる! 現実の高校生はもっと子どもだし大人に依存しているし、バンドのプロデビューだってこんなにトントン拍子に運ばないし、話せばわかる大人ばっかりじゃないことを高校生になって知ったけど、『あなスキャ』連載当時小学校低学年だった私から見たスパイラルの面々は「理想の高校生」で、ものすごくかっこよかった。小学生にとって高校生は死ぬほど大人だったということを、今回『あなスキャ』を読み返して思い出した。

 当初、主人公の友香は、ピアノはうまいけど鈍くさくて“ビミョーな感じ”の主人公だった。ところが物語が進むにつれ、自分の才能を発揮する場ができて、バンド仲間にも大事にされている友香のことがだんだん羨ましくなった。駆け引きとか媚びとか、いわゆる“小悪魔ちゃん”を一切やらずして、つまり何の努力もなく地のまま「チーム男子の紅一点」というものすごく美味しいポジションにいられる友香。そんな友香を主人公とした『あなスキャ』は、女のいやらしい欲望存が分に詰まった作品ともいえる。作中、主人公の友香のみを中心に展開するのではなく、メインキャラ(友香、芹香、新)もサブキャラ(タケ、保)も含めたスパイラル5人全員に、それぞれの人間性や魅力が現れるような“見せ場”がしっかり用意されていたのもよかった。各キャラに、それなりにファンがついていただろうと思う。いわゆる“推しメン”的な感覚で、「タケ派」「新派」「保派」とかね。

 最後にひとつ特記しておくべきことがある。『あなスキャ』が連載されていたのは約20年前であり(ってことは、スパイラルはもうアラフォーなのか!)、当時の世相を反映させた結果ともいえるが、作中レズビアン、あるいは同性愛に対する差別が当たり前のように描かれていた。物語序盤の芹香が実は女だったという騒動は、「レズビアン=変態、気持ち悪い」という前提で成り立っている。レズビアンらしき女子生徒と接触すれば「気持ち悪~い」とハンカチで手をゴシゴシ、変態がうつると大変だから離れろ、とまで言う。『あなスキャ』の徹底的な同性愛否定描写は、レズビアンである女子読者を傷つけたり、大半のノンケ女子読者に「レズって変態」と偏見を植え付けていた側面は否定できない(2008年発売の文庫版では、「変態」「気持ち悪い」といった表現に修正がかかっている)。同性愛否定に疑問を投げかける登場人物は最後まで登場しなかった。高校生バンドがやりたい放題でスピーディーに展開する『あなスキャ』は、今読み返してもハラハラドキドキ、とても魅力が詰まった作品だが、それだけに同性愛否定描写が強かったことが残念事項でもある。

2016年は不倫で始まり、不倫で終わる!? “同僚食い”フジ秋元優里アナはやっぱり“魔性の女”?

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 2016年も残り1カ月。ベッキーとゲス極•川谷の“ゲス不倫”に始まり、今年は芸能人や有名人の不倫スキャンダルが多く報道された年でしたね。やっぱり(?)今クールでも一番注目を集めたのは、不倫ネタ。Fカップを誇るフジテレビアナウンサー・秋元優里の“同僚食い”が注目を集めました。そのほか、NHK『紅白』落選となった和田アキ子の話題も食い込んできています。  それでは、ランキングを見ていきましょう! 第1位 フジテレビ秋元優里&生田竜聖の別居報道に「やっぱり」の大合唱!“同僚食い”やめられず不倫か Fカップかあ……。 第2位 東野幸治も「共演NG」突きつけた福田彩乃、“芸人”なのにバラエティ全滅へ? そういえば、見なくなりました。 第3位 極楽とんぼ・加藤も苦言! “天才子役”寺田心くんを「作り上げた」大人たちの責任とは 子役は大変なの! 第4位 4年ぶりの主演映画が大コケ! 織田裕二の“オワコン”ぶりが露呈してしまった…… いつ見ても色黒。 第5位 『紅白』落選の和田アキ子が再起不能に!? NHKから“怒りの全面撤退”も…… 今年は、会場が広く見えそう。 ◆編集部厳選! イチオシ記事◆ 「この年で愚直に生きるのはマジでツラい!」……けど、俺たちが文化系にこだわる理由 映画もぜひ 激しい会話劇『黒い十人の女』で見せる、天才・バカリズムのロジック 深夜帯の大ヒットドラマ! 【MC内郷丸の現代アイドルソング学概論】解散発表! 前代未聞の“一夫多妻制アイドル”清竜人25の「セルフボースティング」 新連載、始まりました!

日本が世界に誇る「官能的絵画」を“殺した”のは誰か? 春画、1世紀半の不幸なる近代史

「江戸時代の日本の豊かな性愛文化」の象徴――。そのような文脈で語られ、大きなブームを巻き起こしている春画。しかし明治以降の歴史を眺めてみれば、むしろ愚劣低俗なものとされ弾圧されてきたというほうが正しい。いま、春画の近代史をたどる!
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明治33(1900年頃)『出雲のちぎり』寺崎広業
幕末・慶応2(1866)年生まれの日本画家、寺崎広業が明治末期(1900年頃)に描いたとされる連作『出雲のちぎり』のなかの1枚。寺崎広業は、東京美術学校(のちの東京芸術大学)の教授も務め、横山大観らと並ぶ大家である。
 2015年9月19日から12月23日まで、東京都・文京区の美術館「永青文庫」で「SHUNGA 春画展」が開催された。来場者数は20万人を突破、特に女性客が多かったことで話題となった。  フェミニズムの第一人者として著名な社会学者の上野千鶴子は、春画について次のように語っている。 「春画には女の快楽がきちんと描かれています。(中略)快楽が女に属するものであり、女が性行為から快楽を味わうということが少しも疑われていない。この少しも疑われていないということが他の海外のポルノと全然違うところなんです。能面のような顔をした、男の道具になっているとしか思えないようなインドや中国のポルノとは違う」(青土社「ユリイカ」2016年1月臨時増刊号) 「美術手帖」2015年10月号(美術出版社)では女性のための春画特集が組まれ、蜷川実花×壇蜜による春画グラビアなどを掲載。かくして春画は現代女性の共感を得、「江戸時代の豊かな性愛文化の象徴」といったイメージのもと、ここ数年大きなブームとなっている。実際「春画」と付く出版物は、2015年発行のものだけで15冊以上を数える。  しかし「春画」とは、後世の呼称である。「春画」全盛期の江戸期には「枕絵」「笑い絵」「笑本・艶本(いずれも「えほん」)」などと呼ばれ、版画の場合その多くは12数1組、本の場合は3巻の体裁を取っていた。名だたるほぼすべての浮世絵師が描いたとされ、前述の春画展で展示されたのも、主に喜多川歌麿、鈴木春信、葛飾北斎、鳥居清長、歌川国芳など著名な絵師のもの。男女の性の営みを大胆に描き、性器を大きく誇張した作品が多い。  これら春画を含む浮世絵には木版画と肉筆画がある。木版画は大量に刷ることができ、貸本屋などを通して流通。対して肉筆画は、富裕層が絵師にオーダーした、贅を尽くした“一点もの”作品である。江戸期に花開いた木版画は、その技術の高さと芸術性から世界的にも評価が高く、現在出回っている浮世絵や春画も多くは版画作品だ。  かといって当時、春画が自由に売買されていたわけではない。1722(享保7)年、江戸中期の享保の改革によって、好色的な書物は発禁となった。だがその影響力は徹底しておらず、庶民の間ではこっそりと、しかし相当量が流通していたとみられる。売れるから儲かる、儲かるから新しい作品制作に存分な資金と高度な版画技術が注ぎ込まれ、発展していったのである。  さらに内容はといえば、性愛表現だけでなく大らかさやユーモアにもあふれ、現代的なポルノグラフィとは違うとされる。「SHUNGA 春画展」の企画に携わった、東洋古美術専門の美術商・浦上蒼穹堂代表で、自身も春画をコレクションしている浦上満氏は、「春画は人間讃歌」だと語る。 「後ろめたさがなく健全な作品。展覧会でも女性たちがワイワイと話しながら見ていました。おそらく江戸でも、このように楽しまれていたのでしょう」(浦上氏)  下半身を露わに交わる男女の背景には和歌が添えられたり、中国古典文学のパロディが書かれたりと読み手の教養が要求されるものもあり、作家の創造性を存分に発揮する手段としても機能していたとみられる。こうした表現内容の多様性やそれに対する評価も踏まえ、昨今の「春画ブーム」があると見てもよいだろう。  しかし春画に対するそのような評価は、普遍的なものだろうか? 江戸期には「芸術」などではなくもっと日常的なものであっただろうし、一転、明治期以降においては「西洋化」の波のもと“わいせつ”なものとして厳しく取り締まられ、結果として春画そのものの衰退を招いた。また学問的にも研究対象からは疎外され、実はその全容の研究にいたっては、やっと端緒に就いたばかり……という状態なのだ。  かように時代に翻弄されてきた春画。そのときの社会背景を反映しながら、愛され、焼かれ、そして今また愛されようとしている。以下、そのような「春画の近代史」を概観したい。 (文/安楽由紀子)

Jr.・猪狩蒼弥、「癒やしのオッサン枠」で値幅上昇! ローラーとトークで優良銘柄入りか?

巨大アイドル帝国・ジャニーズ事務所に所属するJr.たちは、デビューを目指して日夜鍛錬を続けている。しかし、彼らを応援するファンは常に不安と背中合わせ。「この子は売れる? 次の現場はどこ? もしかして退所!?」――そんなスリルと楽しく共存できるよう、将来有望な銘柄を「Jr.証券取引所」がご案内。

【オッサン風トークで存在感、ふてぶてしさも◎】
猪狩蒼弥(いがり・そうや)

 2016年夏から秋にかけて、値幅上昇率トップクラスだったのが、本銘柄である。

 本銘柄が一躍突き抜けたのは7月と8月に、六本木の「EXシアター六本木」で行われたジャニーズJr.公演「サマステ ジャニーズキング」。この公演は、Mr.KINGをはじめ、SixTONES、SnowManなど人気ユニットが数多く出演し、華麗なパフォーマンスを繰り広げたが、その中で、主に“トーク”面で大きな存在感を見せつけたのが本銘柄だった。

 この銘柄はユニット・HiHi Jetsの一員であり、「サマステ」の舞台で自分たちの曲振りを行うときの、どこかおとなびた、というよりはオジサンくさい、ふてぶてしい物言いが話題を集めた。

 ある日は、「我々まだまだ未熟ではございますが、HiHiコール、お願いします」。またある日には、「お客様にこのような態度は大変失礼かと思いますが、HiHiコール、お願いします」。さらに、「本日はお日柄もよく、HiHiコールをするには絶好の天気だと思います」。

 完全にオッサンである。おそるべき中学2年生。

 さらに、時には「天は人の上に人をつくらず」など名言・格言を挟み込んだり、「青い空の下、黄色い声援を赤裸々に聞かせてください」といったポエジーな言動があったりもする。当然、先輩たちとの絡みの中でもそのふてぶてしさを発揮し、新たな「愛され」キャラとしてにわかに注目を集めた。

それはどこか、現SixTONESの高地優吾が、『スクール革命!』(日本テレビ系)に出始めたときに自由な発言を連発し、「高地先生」と呼ばれた雰囲気にも少し似る。“わがまま系”とはまた違うが、ジャニーさんが好きそうな“自由系”の1つである。

 登場するたび、何か新たな爪痕を残してくれるのではないか、そんなことをつい期待してしまう注目銘柄である。

(買いポイント)
★HiHi Jetsの最大のウリである、ローラースケートでのパフォーマンス。本銘柄は、その中でも主軸となる高いスキルを誇る。ドッシリした下半身から繰り出されるスピード感は、軽やかなスピンなどで魅せる井上端稀と好対照に映る。

★本銘柄の父親は、かつてブームを巻き起こした、ローラースケートを用いた格闘技的スポーツ「ローラーゲーム」における人気チーム・東京ボンバーズのキャプテン。もともとジャニーさんはローラースケートが大好きであり、親譲りでその才能を有し、自由なキャラでもある本銘柄は、ある種どストライク。そこが強みか。

★今後、HiHi Jetsが現在とは違う形になっていく可能性はもちろん十分ある。その際に本銘柄はどうなるか? センターキャラではなく、ほかに競合銘柄の少ない「癒やしのオッサン枠」のため、意外とデビューグループの一角を飾っている可能性は少なくない。現在、株価そのものはほかの超人気銘柄よりは低め。だからこそ、今後の伸びに期待しての早めの保有はアリだろう。

(売りポイント)
☆大きな武器である「奔放なトーク」を披露する場所が、現時点でわずかなところが難点か。『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)では、8月にようやくステージ上でトークを披露できたものの、まだ紹介程度。「サマステ」などでの本領は発揮できていない。テレビを中心としたメディア展開は、これからの課題か。

☆また、そのトークはどこまで自覚をもって行われているのかという点も、これからの値動きに大きな影響を及ぼす可能性がある。計算ならば、それをますます磨いていけばいい。ルックス担当ではない自虐トークもできる。ただ、これが「無自覚天然」であった場合、ある時点で奔放なトークを封印してしまう可能性もある。

☆現在の最大の武器であるローラーも、どこかでジャニーさんが飽きてしまうという懸念がある。しかし、光GENJI、Kis‐My‐Ft2と先輩からつながるパフォーマンス、さらに東京オリンピックの追加種目として「ローラースポーツ」が決定しただけに、熱が収まることはないと踏めるだろう。

☆ノーローラーのときに、ダンスや歌、アクロバットなど、トーク以外でどのぐらい魅せることができるか? この先、どうルックスが変化していくのか? 値幅も、そこにかかっている。

【この銘柄の特色】
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【類似銘柄】
高橋優斗、羽生田挙武、高地優吾、Kis-My-Ft2・北山宏光、V6・井ノ原快彦

(取材・文/Jr.証券取引所)

香取慎吾『SmaSTATION!!』の「ラーメン特集」はヤラセ!? 飲食店取材の難しさとは

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 11月26日放送の『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)で取り上げられた「ラーメン店員が自分の店以外でリアルにハマる“本当においしいラーメン店ベスト10」の内容が、物議を醸している。  ランキングは1位が蒙古タンメン中本、2位が一蘭、3位が中華そば青葉、4位がらあめん花月嵐、5位が丸源ラーメンといった並び。すべて、複数の店舗を構えるチェーン店である。これを受け、ネット上では「お金のにおいしかしない」「絶対ヤラセだろ」などといった声が殺到している。 「このランキングには、ラーメン好きの間で最近注目が高まっている、茨城県のつくば市にある喜元門や喜乃壺もランクインしており、時流を反映しているといえます。単にチェーン店だけを取り上げたものではないでしょう。それでも、ランキングの内容には疑問を感じざるを得ません」(放送作家)  なにしろ一位の中本は激辛、一蘭はオーソドックスなとんこつ、青葉は東京と九州の味を合わせたダブルスープ、花月は背脂とんこつ、丸源ラーメンはしょうゆベースの肉そばと、各店舗の売りはまったく異なる。「ラーメン店員が選んだ」といった基準で、無理やりまとめた印象も否めない。 「もともと飲食店取材は、リサーチから取材交渉までを一店ずつやっていかなければならないので、大変な労力です。その中でチェーン店は取材慣れしており、話がスムーズに進みやすい。何より『SmaSTATION!!』は全国放送ですから、テレビを見た視聴者が実際に食べに行ける店を取り上げる必要もあります。それでも、ここまでチェーン店が多いと視聴者が疑問を抱くのは当然でしょう」(同)  テレビ業界では、ラーメン、子ども、動物といったキーワードは視聴率を稼ぐ“鉄板ネタ”といわれている。そこに乗っかるのは仕方ないが、構成にもうひと工夫欲しかったのは確かだろう。 (文=平田宏利)