菅野美穂主演『砂の塔~知りすぎた隣人~』(TBS系)第6話は、平均視聴率10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、前回に続き2度目の2ケタ。第4話まで、タワマン最上階に住むボスママ・寛子(横山めぐみ)率いるママ友グループからイジメに遭ってきた亜紀(菅野)ですが、前回からイジメ描写を排除。結果的に、これが功を奏している形です。やっぱり、視聴者もドラマで胃をキリキリさせたくないですから……。 少し動くだけで、砂がザラザラザラ~とこぼれ落ちる効果音が鳴る“砂かけ婆”のような弓子(松嶋菜々子)ですが、どうやら亜紀の夫・健一(ココリコ・田中直樹)と、過去にただならぬ関係だったようです。さらに、弓子が実は、銀座の高級クラブのママであることが発覚します。 昼間は、フラワーアレンジメント教室を開いているほか、花屋への買い出し、亜紀へのストーカー行為、ハッキングした防犯カメラの監視、待ち伏せ、根回し、カップケーキ作り、シフォンケーキ作り……と、多忙を極める弓子ですが、夜もクラブで接客しているなんて! 働き者の弓子に、メイクを落とす暇なんてなさそうです。 そんな弓子の家で、亜紀一家との夕食会が開かれることに。健一はそこで、亜紀と弓子が友人関係であることを知り、驚愕。そこへ、弓子にナシをつけるため鼻息を荒くした航平が登場しますが、サシの約束のはずが、亜紀一家がいたために、プンスカと帰宅。追いかけてきた亜紀に、航平は弓子が危険人物であることを知らせます。 航平の忠告もあって、弓子が自身のストーカーであることに気づいた亜紀は、ブリザードフラワーから盗聴器を発見。通報するかと思いきや、弓子を待ち伏せして、盗聴器を突きつける亜紀。「やっと気づいたの? このタワーに来てから、おかしなことがいろいろあったでしょう? あれ全部、私よ。んふっ」(ザラザラザラ~~)と鼻で笑う弓子に、亜紀はパチンと平手をかまします。 この後も、寝ても覚めても警察に連絡しない亜紀。なんで? アホなの? なんなの? このドラマって、初回から亜紀が「アホだから」という一点で、都合よく片付けられてる展開が多いんですよね……。フィクションなんで、そこに目くじら立てることもないんでしょうけど、時折見せる常軌を逸した行動が、亜紀に感情移入できない一番の理由なんですよ……。 その後、体操教室主催のもみじ狩りに出かける亜紀一家。亜紀と健一が口論になる中、娘のそらが山で行方不明に。探しに行った亜紀も、傾斜に滑って負傷。同時に、携帯電話の充電がプツンとなくなり、迷子になって山中に取り残されます。このタイミングで充電が切れるとは。はい、そうです。『砂の塔』名物のご都合主義です。 この後、山中で亜紀を発見した健一が「弓子とは、もう会わない」と誓うものの、後日、あっさり約束を破られる亜紀。さらに、弓子は「亜紀さんがこれ知ったら、あの夫婦は終わり」と、航平に“夫婦の秘密”が入った茶封筒を渡します(ザラザラザラ~)。弓子のマメな嫌がらせに、「なんのために、こんなことするんですか……」と航平もドン引きです。 物語も折り返しを過ぎ、“イジメドラマ”から、多くの視聴者が期待していた“サスペンスドラマ”へと生まれ変わった『砂の塔』。ちなみに、今回、ママ友は一瞬も登場しませんでした。最初からこの路線で行っていれば、もう少し視聴者の評価も高かった気がしますが、きっと、あのイジメの数々と、弓子の“真の目的”が繋がる日がやって来るのでしょう……(多分)。ちなみに次回は、弓子の目的と、壮絶な過去が明らかになるそうです。これは、気になりますね! (文=どらまっ子TAMOちゃん)
日別アーカイブ: 2016年11月21日
東野幸治も「共演NG」突きつけた福田彩乃、“芸人”なのにバラエティ全滅へ?
「主演の3人が大竹しのぶさん、渡辺えりさん、キムラ緑子さんと、芸能界でもトップクラスの演技派ですからね。しかも大竹さんと渡辺さんは若手に対しても容赦ないですからね。彼女もイジメられているか無視されているかの、どちらかじゃないですかね(苦笑)」(芸能事務所関係者) 11月1日から新橋演舞場で上演されている傑作喜劇『三婆(さんばば)』に出演中の福田彩乃。3年ぶりの舞台が、大ベテランたちとの共演になる。 「ここ最近はNHKの朝ドラ『まれ』に出演したり、同じくNHKの話題作となった『トットてれび』に出演したりと女優業の仕事の割合が増えてきていますね。今も肩書きは“ものまね芸人”ですが、肝心のバラエティの仕事は以前に比べてだいぶ減ってきているようです」(テレビ局関係者) どうやら本人の性格が災いして、数多のMCが共演を避けているというのだ。 「東野幸治さんなんかは、モロに彼女とぶつかって『あいつはやりづらいから、もう呼ぶな!』とまで言ったそうです。なので、吉本の芸人さんの番組に出ることは相当難しそうですよ。アミューズも精一杯ゴリ押ししてますけど、本人が大人げなく、注意されたらふてくされて、自分のできなさを棚にあげて反論してますからね。あれを見ちゃうと、誰だってカチンときますよ」(バラエティスタッフ) 女優としての評価も特段高いわけではないという。 「事務所としてもバーターでも何でもいいからドラマや映画で再ブレークさせようと必死ですよ。ただ、そこまで演技力があるわけではないので、なかなか厳しい感じですよ」(映画関係者) 吉高由里子や長澤まさみの演技力までは、真似できなかったようだ。「福田彩乃 Official Website」より
こんな時だからこそ、SMAPのリーダー中居正広に癒やされたい!! コンサートでしか見せない“アイドルスマイル”5選
2016年の活動を持ってグループ活動を終了することが発表されているSMAP。ファンの間では、現在も解散撤回を求める署名活動や、シングル「世界に一つだけの花」購買運動が続いており、年末に向けてさらに活発になっていきそうだ。しかし、5人の姿が見られる時間はあとわずか……。そう考えるだけでも、胸が締め付けられる思いになるファンも多いのでは。
そこで今回は、これまで行ったコンサートで見せた中居の“キラキラアイドルスマイル”写真を大公開! ファンの前だからこそ見せる表情に、元気をもらえること間違いなし!
(画像をクリックすると拡大できます)
こんな時だからこそ、SMAPのリーダー中居正広に癒やされたい!! コンサートでしか見せない“アイドルスマイル”5選
2016年の活動を持ってグループ活動を終了することが発表されているSMAP。ファンの間では、現在も解散撤回を求める署名活動や、シングル「世界に一つだけの花」購買運動が続いており、年末に向けてさらに活発になっていきそうだ。しかし、5人の姿が見られる時間はあとわずか……。そう考えるだけでも、胸が締め付けられる思いになるファンも多いのでは。
そこで今回は、これまで行ったコンサートで見せた中居の“キラキラアイドルスマイル”写真を大公開! ファンの前だからこそ見せる表情に、元気をもらえること間違いなし!
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“ニセ殿下”の虚言癖、“出たがり女”の虚栄心――「有栖川宮詐欺事件」の浅はかな見栄

◎“ニセ殿下”の虚言癖
有栖川識仁(当時41)を名乗った男の本名は北沢康弘。北沢が有栖川を名乗り出したのは結婚式が行われる約18年ほど前の1995年頃のことだったという。いわく、87年に亡くなった高松宮宣仁殿下の“ご落胤”で、断絶した有栖川宮を“復興させる権利”があるとのこと。そして90年には「有栖川記念事業団」という政治団体の代表に就任、寄付金などを集めていたという。その後も“宮様”である北沢はあるマルチ商法の広告塔として、全国で詐欺行為を働いていた。
しかし、実際には北沢は京都宇治市の長屋に生まれ、両親は八百屋を営み、経済的にはあまり恵まれない家庭に生まれ育っている。母親によれば、勉強も苦手で中学卒業後に働き始めたという。だが、仕事は長続きせず、親子の折り合いも悪くなり、北沢は家を出た。
また北沢には若い頃から虚言癖もあり、“叔父が衆院選に出馬する”“自分は京大卒”などと言い出し、そしてついには“高松宮殿下がお亡くなりになる前に自分を呼び寄せ、お前には有栖川宮家を継ぐ権利があるといわれた”などと、主張しはじめた。
その後は皇室の名前を利用して、各地で細々と詐欺を行ってきたという。こうした“皇室詐欺”は時折世間を騒がすものの、被害者も“本当に皇室につながる人間だったら”という心理が働き、事件化されないことは珍しくなかった。北沢もそうした人々に漬け込み、地味で目立たない詐欺を繰り返していたとみられる。
◎上昇志向と虚栄心、いわくつきの“婚約者”
一方の坂上春子(仮名・当時44)は熊本県で、郵便局に勤める堅実な両親と妹がいる、質素だが堅実な家庭で生まれ育った。
また、その美貌は幼い頃から有名だったという。18歳の時に「準ミス熊本」に選ばれたほどで、同級生からもあこがれの存在だった。その後、高校を卒業した坂上は、地元のバス会社に就職。そこを1年で辞めたのち結婚、夫婦で学習塾を始め、2人の子どもにも恵まれた。
しかし、問題は坂上の強烈な上昇志向だった。当時坂上は、自己啓発教材販売で高額な報酬を得たり、化粧品のセールスで月に500万円以上の収入を得ているなどと周囲に吹聴していた。それが、事実なのかどうかは不明だが、もともと派手好きで、セレブっぽい振る舞いを好んだ坂上は、地味な結婚生活に嫌気が差し、数年で離婚する。
その後、31歳になった坂上は、あるプロダクション経営の男性と再婚し上京するが、34歳で再び離婚した。その間、銀座ホステスや宗教団体の巫女、さらに結婚式をプロデュースする会社の設立し、「アナウンサー」「モデル」「ミスインターナショナル」などを自称していた。
一貫して地道な生活を嫌い、強烈な上昇志向と華やかな生活を求めた坂上。一方で身の丈に合わない生活で借金もあった。そんな坂上に転機が訪れたのは、2002年のことだった。銀座のクラブで働いていた坂上は、当時、北沢と一緒に“皇室”詐欺を行っていた広告制作会社社長と知り合い、その社長と愛人契約をする。その関係から02年10月頃、北沢の存在を知り、より効果的に金儲けをしようと計画されたのが、“有栖川宮家の結婚式”だった。坂上は北沢を“殿下”と呼び、周囲にその関係を印象付けていった。
坂上は“有栖川”を名乗る北沢の存在を巧妙に利用し、自らの結婚をプロデュース、一儲けを目論んだ。もちろん宮家につらなる人物との結婚は、それがニセとはいえ、坂上の虚栄心を満たすのにも十分だったのだろう。
◎出所後も続く“皇室”パフォーマンス
しかし、そんな坂上の浅はかな見栄と虚像が破滅への一歩だった。
マスコミによる大報道、そして坂上の積極的な露出は不必要なほど2人を目立たせ、世間の関心を買う。しかも、ことは皇室関連の詐欺だ。時間を追うごとに、事態は収集するどころか、ヒートアップ。ついに警察も重い腰を上げ、摘発に向けて動き出したのだ。
03年10月21日、2人はご祝儀をだまし取ったとして詐欺罪で逮捕された。マスコミもこれを大きく取り上げたが、しかし2人は最後まで詐欺容疑と同時に“ニセモノ華族”であることを認めず、06年9月、ともに懲役2年2月の実刑判決が下されている。
出所直後も2人はマスコミの取材に応じ、坂上が“殿下”にキスするパフォーマンスなどもしていたが、当時も2人は未入籍であることを明かしている。
坂上の目立ちたがり屋、虚栄心が墓穴を掘った“バブルの残香”がそこはかとなく漂う事件。そのため必要以上に、マスコミや世間に必要以上の関心を持たれ注目されてしまった。地味に働くことよりも、一発逆転を狙おうとしたが、しかしスケールはあまりに小さい事件といえる。何しろここまでさまざまな仕掛けを作り、マスコミも大騒ぎした割には、その被害額は1350万円ほどで、例えば晩餐会の出席者で割ると1人4万円ほどの計算だ。
上昇志向が強く口の立つ女と、無口で従順な詐欺師の出会いから巻き起こった陳腐な詐欺事件。しかし人々の記憶には残る“メディア先行”の演技型、劇場型犯罪だった。
(取材・文/神林広恵)
“ニセ殿下”の虚言癖、“出たがり女”の虚栄心――「有栖川宮詐欺事件」の浅はかな見栄

◎“ニセ殿下”の虚言癖
有栖川識仁(当時41)を名乗った男の本名は北沢康弘。北沢が有栖川を名乗り出したのは結婚式が行われる約18年ほど前の1995年頃のことだったという。いわく、87年に亡くなった高松宮宣仁殿下の“ご落胤”で、断絶した有栖川宮を“復興させる権利”があるとのこと。そして90年には「有栖川記念事業団」という政治団体の代表に就任、寄付金などを集めていたという。その後も“宮様”である北沢はあるマルチ商法の広告塔として、全国で詐欺行為を働いていた。
しかし、実際には北沢は京都宇治市の長屋に生まれ、両親は八百屋を営み、経済的にはあまり恵まれない家庭に生まれ育っている。母親によれば、勉強も苦手で中学卒業後に働き始めたという。だが、仕事は長続きせず、親子の折り合いも悪くなり、北沢は家を出た。
また北沢には若い頃から虚言癖もあり、“叔父が衆院選に出馬する”“自分は京大卒”などと言い出し、そしてついには“高松宮殿下がお亡くなりになる前に自分を呼び寄せ、お前には有栖川宮家を継ぐ権利があるといわれた”などと、主張しはじめた。
その後は皇室の名前を利用して、各地で細々と詐欺を行ってきたという。こうした“皇室詐欺”は時折世間を騒がすものの、被害者も“本当に皇室につながる人間だったら”という心理が働き、事件化されないことは珍しくなかった。北沢もそうした人々に漬け込み、地味で目立たない詐欺を繰り返していたとみられる。
◎上昇志向と虚栄心、いわくつきの“婚約者”
一方の坂上春子(仮名・当時44)は熊本県で、郵便局に勤める堅実な両親と妹がいる、質素だが堅実な家庭で生まれ育った。
また、その美貌は幼い頃から有名だったという。18歳の時に「準ミス熊本」に選ばれたほどで、同級生からもあこがれの存在だった。その後、高校を卒業した坂上は、地元のバス会社に就職。そこを1年で辞めたのち結婚、夫婦で学習塾を始め、2人の子どもにも恵まれた。
しかし、問題は坂上の強烈な上昇志向だった。当時坂上は、自己啓発教材販売で高額な報酬を得たり、化粧品のセールスで月に500万円以上の収入を得ているなどと周囲に吹聴していた。それが、事実なのかどうかは不明だが、もともと派手好きで、セレブっぽい振る舞いを好んだ坂上は、地味な結婚生活に嫌気が差し、数年で離婚する。
その後、31歳になった坂上は、あるプロダクション経営の男性と再婚し上京するが、34歳で再び離婚した。その間、銀座ホステスや宗教団体の巫女、さらに結婚式をプロデュースする会社の設立し、「アナウンサー」「モデル」「ミスインターナショナル」などを自称していた。
一貫して地道な生活を嫌い、強烈な上昇志向と華やかな生活を求めた坂上。一方で身の丈に合わない生活で借金もあった。そんな坂上に転機が訪れたのは、2002年のことだった。銀座のクラブで働いていた坂上は、当時、北沢と一緒に“皇室”詐欺を行っていた広告制作会社社長と知り合い、その社長と愛人契約をする。その関係から02年10月頃、北沢の存在を知り、より効果的に金儲けをしようと計画されたのが、“有栖川宮家の結婚式”だった。坂上は北沢を“殿下”と呼び、周囲にその関係を印象付けていった。
坂上は“有栖川”を名乗る北沢の存在を巧妙に利用し、自らの結婚をプロデュース、一儲けを目論んだ。もちろん宮家につらなる人物との結婚は、それがニセとはいえ、坂上の虚栄心を満たすのにも十分だったのだろう。
◎出所後も続く“皇室”パフォーマンス
しかし、そんな坂上の浅はかな見栄と虚像が破滅への一歩だった。
マスコミによる大報道、そして坂上の積極的な露出は不必要なほど2人を目立たせ、世間の関心を買う。しかも、ことは皇室関連の詐欺だ。時間を追うごとに、事態は収集するどころか、ヒートアップ。ついに警察も重い腰を上げ、摘発に向けて動き出したのだ。
03年10月21日、2人はご祝儀をだまし取ったとして詐欺罪で逮捕された。マスコミもこれを大きく取り上げたが、しかし2人は最後まで詐欺容疑と同時に“ニセモノ華族”であることを認めず、06年9月、ともに懲役2年2月の実刑判決が下されている。
出所直後も2人はマスコミの取材に応じ、坂上が“殿下”にキスするパフォーマンスなどもしていたが、当時も2人は未入籍であることを明かしている。
坂上の目立ちたがり屋、虚栄心が墓穴を掘った“バブルの残香”がそこはかとなく漂う事件。そのため必要以上に、マスコミや世間に必要以上の関心を持たれ注目されてしまった。地味に働くことよりも、一発逆転を狙おうとしたが、しかしスケールはあまりに小さい事件といえる。何しろここまでさまざまな仕掛けを作り、マスコミも大騒ぎした割には、その被害額は1350万円ほどで、例えば晩餐会の出席者で割ると1人4万円ほどの計算だ。
上昇志向が強く口の立つ女と、無口で従順な詐欺師の出会いから巻き起こった陳腐な詐欺事件。しかし人々の記憶には残る“メディア先行”の演技型、劇場型犯罪だった。
(取材・文/神林広恵)
「おばちゃん、ルゥ忘れてるよ!」って言いそうな黒いお盆と黒い皿に載った見えない『ブラックカレーライス』
日本で“ブラック”というと「ブラック起業」や「ブラックリスト」など、ネガティブなイメージが多い。が、中には「ブラックカード」なんてプレミアムな意味で使われるモノもあり、新しく「ブラック~」という単語を聞くと、果たしてどっちの意味だろうって考えてしまうことがある。でも、これは完全にポジティブなほうの“ブラック”だった。関越自動車道上り線嵐山パーキングエリア。建物の「黒い壁」が何かを物語っている。
どうよ、この写真。パッと見、白メシの福神漬けトッピングに見えるだろうけど、ちゃんと具も乗っかっているんです! お皿もお盆も真っ黒なので、ちょっと暗めに撮るとナニが何やら……。福神漬けがあるのでかろうじて、「カレーライスかな……?」と予想できる程度でしょ? その予想、大当たり! 関越道嵐山パーキングエリアの食堂の名物は、竹炭を使ったルゥが真っ黒な「ブラックカレーライス」なのだ。お味の方は、意外にスパイシーでコクもあり、高速のパーキングの食堂とは思えないレベル。この他に「ブラックカツカレーライス」もあり、オススメ商品となっていた。妙に白いごはんのつぶつぶと、赤い福神漬けが目立つ。まるでカメレオンみたいなカレーライス。
嵐山パーキングエリアでは、カレーライス以外にも、どくろマークの「黒どら焼き」や「どくろサブレ」、「まっくろ黒ごまもち」「ブラックソフト」に、外も内側も真っ黒な「三笠ホテルカレーパン」などあり、ブラックグルメ祭りとなっている。カレーの具は、タマネギに細切り牛肉……。あとは真っ黒で何やら不明だけど、けっこうスパイシーでした。
しかし、なんで埼玉県の嵐山がブラック祭りなのか? 竹炭の産地だったり、町長の名前が「黒田」さんだったりするのだろうか? その辺をソフトクリーム売り場にいた超美人のお姉さんに聞くと、 「ハイっ、嵐山パーキングエリアの名物なんです♪」 と教えてくれた。 筆者は、「なぜに黒が名物なのか?」という意味で聞いたのだが、まるで禅問答の様な……。筆者はカレーライスの他に、カレーパンとブラックソフトを食べたが、どれもおいしかったから、まあいいか……。 後日、調べたところによると、竹炭の産地や町長の名前とは全く関係なく、パーキングエリアの集客策として黒い商品を作ったということだった。 ブラック祭り、うもうございました。驚いたのはブラックソフトの味。まるっきりエスプレッソ! 苦味が眠気も覚ます?
嵐山パーキングエリア『ブラックカレーライス』700円 インパクト ☆☆ 味 ☆☆☆ 店 ☆ (写真・文=よしよし)最後に黒いカレーパンを食べて満腹。
I LADY. 「新・女子力テスト」とニセ医学 ジョイセフ×電通「粉かけ罰ゲーム動画」の背景
健康に関する質問を女性出演者にぶつけ、正解できないと粉をぶっかける「新・女子力テスト」宣伝動画について、ネット上で議論が展開されています。この動画は、電通ギャルラボとジョイセフにより、女性の心身の健康に関する啓発キャンペーン「I LADY.」の一部としてつくられたもので、 2016年3月3日にジョイセフのYoutubeチャンネルにアップロードされたとのことですが、11月9日になって、Twitter での批判をきっかけに抗議の声があがったようです。
11月21日の早朝に削除されたこの動画は、「新・女子力テスト」という表題のあとに、「日本の女子たちは本当に女子力が高いのか?」と問いかける字幕からはじまり、軽快な音楽にのって「ピンク色が好きだ」「チワワが好きだ」「メイクは女子の命」「必殺のモテ技がある」などの質問と女性出演者の答えがつづきます。後半は「早寝早起きだ」「定期的に体温を測っている」「子宮はリンゴくらいの大きさだ」のような質問になり、このあたりから、回答をまちがえると白い粉が上から大量に降ってくる演出が加わります。終盤になると質問は「自分でコンドームを買ったことがある」「正しい避妊法を3つ答えられる」「自分が妊娠しやすい日がいつか把握している」といった内容になり、かけられる粉の量が増えていきます。最後に「日本女性のリプロダクティブ・ヘルスの知識、先進国の中で最下位レベル」「真の女子力で、幸せをつかめ」という字幕が画面に大きく出て、動画は終わります。
批判が集中したのは、答えをまちがえた女性が粉をかけられる「罰ゲーム」的な演出に対してでしたが、私がこの記事でとりあげたいのは、動画の演出ではなく、この動画が宣伝している「新・女子力テスト」が依拠している知識のことです。
「模範解答」の出典のあやしさ
「新・女子力テスト」の正解は、I LADY. サイト内の「読めば女子力がUPする模範解答」というページにのっています。根拠となる資料の一覧があるのですが、それが実にいいかげんな印象を与えます。資料のほとんどは寝具や健康機器や生理用品の会社の運営するサイトなどで、まともな医学書や医学論文はひとつもありません。インターネット検索でみつけた情報源を適当にならべた感じです。
しかも、この一覧にのっている資料のほとんどには、出典(データの出所である論文などの情報)の記述がありません。つまり、何を根拠としているのかがわからないわけです。「~という研究があります」とだけ書いてあっても、出典がわからなければ、その研究がどれくらい信用できるものか調べようがありません。
例を挙げてみましょう。「新・女子力テスト」の模範解答ページの資料のひとつに、カイロプラクティック治療院のサイトがあります。カイロプラクティックは標準的な医学に基づいているものではなく、代替医療と呼ばれるもののひとつです。この資料では「普通に健康な人に炭水化物過敏症が非常に多く、半分くらいの人が炭水化物をうまく消化できないでいる」「多くの場合、遺伝的(例えば家族に糖尿病の人がいる)な要素があり、さらに炭水化物の摂り過ぎというライフスタイルが症状を悪化させています」と書いていますが、根拠となる出典は何も示されていません。オーソモレキュラー療法のサイトでは、「インスリンの働きが機能しなくなる前段階の、インスリンの働きが乱れる段階で、血糖の乱高下など血糖調整異常が現れる疾患があります」として3枚のグラフをならべていますが、出典がなく、信頼できるデータなのかわかりません。Googleで画像検索してみると、同様の医療情報サイト複数にこのグラフがのっていることがわかります。その種のサイトで使いまわされている画像のようです。
そのほか、美容情報サイト「肌らぶ」(「掲載している記事は、医学的に基づいた推奨・効果を保証するものではない」と「サイト運営ポリシー」に明記してあります) の「妊娠確率をあげるための5つの方法」や、オムロンヘルスケアの サイトの「出産の適齢期は25~26歳」説など、なぜこんな信用のおけない情報を「模範解答」のページにならべようと思ったのか、理解に苦しむラインナップになっています。
「新・女子力テスト」のウエブページには、「監修:国際協力NGOジョイセフ」とあります。 「ジョイセフ」は日本の家族計画や母子保健のノウハウを発展途上国に輸出する目的で1968年から活動している公益法人です。最近では読売新聞社から「読売国際協力賞」をおくられていたりすることもあり、この団体を信用していた人も多いでしょう。その団体が監修したテストの模範解答が上記のような状態だというのは衝撃です。要するに、信用できると思っていた団体が、信用できない情報を根拠に啓発活動をしているということなのですから。啓発教育はジョイセフの中心的な活動のひとつのようですが、発展途上国でもおなじ調子で啓発活動を展開しているのでしょうか? だとしたら、とんでもないことです。
「先進国の中で最下位レベル」の根拠のあやしさ
「新・女子力テスト」の動画の最後のあたりで「日本女性のリプロダクティブ・ヘルスの知識、先進国の中で最下位レベル」という字幕が出ます。このプロジェクトの趣旨を説明したコラム (Web電通報 掲載)によれば、これはイギリスのカーディフ大学の研究グループがおこなった「スターティング・ファミリーズ」国際調査に基づくものだそうです。この調査は2009-2010年におこなわれたもので、日本では、研究グループの代表者が国会議員やマスメディア相手に講演したり (2011年2月)、NHKスペシャル「産みたいのに産めない:卵子老化の衝撃」(2012年6月) に出演するなど、大きくとりあげられてきました。
しかし、この「スターティング・ファミリーズ」は、実はトンデモ調査です。国際比較が可能な調査設計になっていない上に、翻訳の質があまりにも低く、社会調査としての体をなしていません。実際に調査に使われたという調査票をみると、「あなたご自身はどのくらい受胎能力があると思いますか?」と男性に質問する項目があったりと、日本語表現が全体的におかしく、何を質問されているのかが読みとれなかったりします。社会調査の訓練を受けていない人でも、一読すれば、これでは知識以前の問題で点数が低くなってしまうのもあたりまえだとわかるような代物です。
ところが、2011年に日本に持ち込まれてから4年以上の間、この調査は誰からの批判も受けず、信頼のできる調査としてあつかわれてきました。特に日本産婦人科医会はこの調査結果がお気に入りらしく、定例の「記者懇談会」で再三この調査をもちだして、日本人は妊娠に関する知識レベルが低いと主張してきました。2015年9月以降、この調査の問題点が指摘されるようになりましたが、そのあとの第100回記者懇談会 (2016年7月27日)でも、木下勝之会長みずから「日本は男性が16位、女性が17位と、妊娠・不妊に関する 知識レベルが低い」として「少子化克服国民運動」をぶちあげています。調査の質の低さをわかったうえで意図的にやっているのか、論文を読まずに聞いた話を受け売りしているだけなのかは知りませんが、どちらにしても、専門家としてひどすぎる態度です。
ジョイセフは、設立の経緯からして産科・助産団体との関係が深いので、そういう筋からこの調査の情報を聞いていて、「I LADY.」プロジェクトをはじめることにしたのかもしれません。あるいは、このプロジェクトに協力する活動家 (アクティビスト)があとから持ち込んだのかもしれません。しかしどんな経路で入ってきたにせよ、その情報が信用できるものかどうか、チェックしようとは思わなかったのでしょうか。
質の低い社会調査がしばしば濫用され、世論や政策に悪影響をおよぼしていることは、以前から問題になってきました。情報技術が発展し、国際化が進んだ今日では、調査会社と翻訳会社に作業を丸投げすれば、大規模な国際調査でも労力をかけずに実施できてしまいます。その結果から都合のよい部分を抜き出して政府や学会やマスメディアやNGO団体に売り込み、世論を焚きつけて政策を誘導する人たちがいるわけです。そのような政治宣伝に簡単に引っかかってしまう日本社会は、本格的に「ヤバイ」状況にあると思います。
繰り返される問題
一見まともそうにみえる団体が妙な知識にお墨付きをあたえて世論を誘導するという構図は、昨年の高校の副教材に「女性の妊娠のしやすさの年齢による変化」に関する改ざんグラフが掲載された事件と共通するものです。この「妊娠のしやすさ」データの大元は、1950-60年代のアメリカの、特殊な宗教背景のコミュニティを対象とした研究によるもので、新婚の夫婦の間では30歳中ごろまでは妊娠の確率はほとんど変わらないと読みとれるものでした。それが半世紀たって日本の高校副教材に掲載されたときには、22歳をピークとして急激に「妊娠のしやすさ」が低下するグラフに書き換えられていたのです。
このグラフをつくったのは、産婦人科界の重鎮、慶應義塾大学名誉教授の吉村泰典医師でした。吉村医師は内閣官房参与として安倍政権の「少子化社会対策」を支えるブレーンとなっていますが、日本生殖医学会の理事長をつとめていた2013年以降、自身の運営する一般社団法人のサイトや、厚生労働省作成の動画などでこのグラフを使い、「22歳時の妊孕力を1.0とすると、30歳では0.6を切り、40歳では0.3前後」「卵子の数の減少と、一個一個の卵子のクオリティの低下が非常に大きな原因」などという持論の根拠としてきました。そして産婦人科の専門家や団体は、このようなグラフ利用をまったく批判してこなかったどころか、2015年3月に日本産科婦人科学会など9つの学術団体が合同で「学校における健康教育の改善に関する要望書」を内閣府に提出した際に、参考資料として使用していたといいます。
このように、あやしいデータをもとに、日本女性は健康に関する知識が足りないとして、いいかげんな情報をひろめるキャンペーンが次々と展開されているのは、笑えない状況です。キャンペーンの動機はさまざまでしょう。しかし、ポイントは、ここに政府が乗っかって、「少子化社会対策」のための国策として推進していることです。
この状況で、正しい知識を手に入れるのは大変です。最低限の防御策として、「出典表示がいいかげんなものは相手にしない」という原則は有効ではあります。特に、何のデータかわからないようなグラフをのせているウエブページや教材の類は、即座にトンデモ認定してかまいません。もっと根本的な対策としては、学校で習う各教科の基礎知識をきちんと身につけるとか、いろんな分野の本を読んで教養をひろげるとか、図書館などに親しんで資料収集の技術をみがいておくとかいうことも大切です。でも、そうしたことをいくらがんばってみたところで、専門家と政府・メディアが結託して巧妙に偽造した情報を本気で流しはじめたら、それを見破って抵抗することは、素人にはまず不可能です。
それより、まずは知識を啓蒙しようとする団体自身が責任を持って情報を検証し、信頼できる情報に基づいて正しい知識を発信しないといけません。これは、その気があればすぐにできることであり、啓蒙にあたっての責任です。しかし、ジョイセフも産婦人科関連の専門家団体も、その責任を遂行せず、トンデモ情報に基づく啓蒙活動をしています。これでは悪意を持って一般の個人の知識を操作しているといわれても仕方ないでしょう。
「I LADY.」プロジェクトは、この問題の動画以外にも、すでに各地でセミナーなどを開催しており、今後さらに展開して高校教育などにも進出することをもくろんでいるようです。協力している「アクティビスト」のなかに、あやしげな商売に利用している人たちがいるのではないかという疑惑もあります。ジョイセフに対しては、このようなかたちで政治的勢力を拡大する前に、まず足元を見つめて、正しい知識の根本となる科学的なリテラシーを身につけてほしいところです。
田中重人
東北大学大学院文学研究科准教授。社会学・社会調査法を専門とし、「社会階層と社会移動」(SSM) 調査や「全国家族調査」(NFRJ) などの大規模社会調査プロジェクトに参画してきた。研究関心の中心は家族制度とジェンダーの問題であるが、2015年の高校保健副教材問題以降、医学における非科学的データ利用とその世論・政策への影響について調査している。
I LADY. 「新・女子力テスト」とニセ医学 ジョイセフ×電通「粉かけ罰ゲーム動画」の背景
健康に関する質問を女性出演者にぶつけ、正解できないと粉をぶっかける「新・女子力テスト」宣伝動画について、ネット上で議論が展開されています。この動画は、電通ギャルラボとジョイセフにより、女性の心身の健康に関する啓発キャンペーン「I LADY.」の一部としてつくられたもので、 2016年3月3日にジョイセフのYoutubeチャンネルにアップロードされたとのことですが、11月9日になって、Twitter での批判をきっかけに抗議の声があがったようです。
11月21日の早朝に削除されたこの動画は、「新・女子力テスト」という表題のあとに、「日本の女子たちは本当に女子力が高いのか?」と問いかける字幕からはじまり、軽快な音楽にのって「ピンク色が好きだ」「チワワが好きだ」「メイクは女子の命」「必殺のモテ技がある」などの質問と女性出演者の答えがつづきます。後半は「早寝早起きだ」「定期的に体温を測っている」「子宮はリンゴくらいの大きさだ」のような質問になり、このあたりから、回答をまちがえると白い粉が上から大量に降ってくる演出が加わります。終盤になると質問は「自分でコンドームを買ったことがある」「正しい避妊法を3つ答えられる」「自分が妊娠しやすい日がいつか把握している」といった内容になり、かけられる粉の量が増えていきます。最後に「日本女性のリプロダクティブ・ヘルスの知識、先進国の中で最下位レベル」「真の女子力で、幸せをつかめ」という字幕が画面に大きく出て、動画は終わります。
批判が集中したのは、答えをまちがえた女性が粉をかけられる「罰ゲーム」的な演出に対してでしたが、私がこの記事でとりあげたいのは、動画の演出ではなく、この動画が宣伝している「新・女子力テスト」が依拠している知識のことです。
「模範解答」の出典のあやしさ
「新・女子力テスト」の正解は、I LADY. サイト内の「読めば女子力がUPする模範解答」というページにのっています。根拠となる資料の一覧があるのですが、それが実にいいかげんな印象を与えます。資料のほとんどは寝具や健康機器や生理用品の会社の運営するサイトなどで、まともな医学書や医学論文はひとつもありません。インターネット検索でみつけた情報源を適当にならべた感じです。
しかも、この一覧にのっている資料のほとんどには、出典(データの出所である論文などの情報)の記述がありません。つまり、何を根拠としているのかがわからないわけです。「~という研究があります」とだけ書いてあっても、出典がわからなければ、その研究がどれくらい信用できるものか調べようがありません。
例を挙げてみましょう。「新・女子力テスト」の模範解答ページの資料のひとつに、カイロプラクティック治療院のサイトがあります。カイロプラクティックは標準的な医学に基づいているものではなく、代替医療と呼ばれるもののひとつです。この資料では「普通に健康な人に炭水化物過敏症が非常に多く、半分くらいの人が炭水化物をうまく消化できないでいる」「多くの場合、遺伝的(例えば家族に糖尿病の人がいる)な要素があり、さらに炭水化物の摂り過ぎというライフスタイルが症状を悪化させています」と書いていますが、根拠となる出典は何も示されていません。オーソモレキュラー療法のサイトでは、「インスリンの働きが機能しなくなる前段階の、インスリンの働きが乱れる段階で、血糖の乱高下など血糖調整異常が現れる疾患があります」として3枚のグラフをならべていますが、出典がなく、信頼できるデータなのかわかりません。Googleで画像検索してみると、同様の医療情報サイト複数にこのグラフがのっていることがわかります。その種のサイトで使いまわされている画像のようです。
そのほか、美容情報サイト「肌らぶ」(「掲載している記事は、医学的に基づいた推奨・効果を保証するものではない」と「サイト運営ポリシー」に明記してあります) の「妊娠確率をあげるための5つの方法」や、オムロンヘルスケアの サイトの「出産の適齢期は25~26歳」説など、なぜこんな信用のおけない情報を「模範解答」のページにならべようと思ったのか、理解に苦しむラインナップになっています。
「新・女子力テスト」のウエブページには、「監修:国際協力NGOジョイセフ」とあります。 「ジョイセフ」は日本の家族計画や母子保健のノウハウを発展途上国に輸出する目的で1968年から活動している公益法人です。最近では読売新聞社から「読売国際協力賞」をおくられていたりすることもあり、この団体を信用していた人も多いでしょう。その団体が監修したテストの模範解答が上記のような状態だというのは衝撃です。要するに、信用できると思っていた団体が、信用できない情報を根拠に啓発活動をしているということなのですから。啓発教育はジョイセフの中心的な活動のひとつのようですが、発展途上国でもおなじ調子で啓発活動を展開しているのでしょうか? だとしたら、とんでもないことです。
「先進国の中で最下位レベル」の根拠のあやしさ
「新・女子力テスト」の動画の最後のあたりで「日本女性のリプロダクティブ・ヘルスの知識、先進国の中で最下位レベル」という字幕が出ます。このプロジェクトの趣旨を説明したコラム (Web電通報 掲載)によれば、これはイギリスのカーディフ大学の研究グループがおこなった「スターティング・ファミリーズ」国際調査に基づくものだそうです。この調査は2009-2010年におこなわれたもので、日本では、研究グループの代表者が国会議員やマスメディア相手に講演したり (2011年2月)、NHKスペシャル「産みたいのに産めない:卵子老化の衝撃」(2012年6月) に出演するなど、大きくとりあげられてきました。
しかし、この「スターティング・ファミリーズ」は、実はトンデモ調査です。国際比較が可能な調査設計になっていない上に、翻訳の質があまりにも低く、社会調査としての体をなしていません。実際に調査に使われたという調査票をみると、「あなたご自身はどのくらい受胎能力があると思いますか?」と男性に質問する項目があったりと、日本語表現が全体的におかしく、何を質問されているのかが読みとれなかったりします。社会調査の訓練を受けていない人でも、一読すれば、これでは知識以前の問題で点数が低くなってしまうのもあたりまえだとわかるような代物です。
ところが、2011年に日本に持ち込まれてから4年以上の間、この調査は誰からの批判も受けず、信頼のできる調査としてあつかわれてきました。特に日本産婦人科医会はこの調査結果がお気に入りらしく、定例の「記者懇談会」で再三この調査をもちだして、日本人は妊娠に関する知識レベルが低いと主張してきました。2015年9月以降、この調査の問題点が指摘されるようになりましたが、そのあとの第100回記者懇談会 (2016年7月27日)でも、木下勝之会長みずから「日本は男性が16位、女性が17位と、妊娠・不妊に関する 知識レベルが低い」として「少子化克服国民運動」をぶちあげています。調査の質の低さをわかったうえで意図的にやっているのか、論文を読まずに聞いた話を受け売りしているだけなのかは知りませんが、どちらにしても、専門家としてひどすぎる態度です。
ジョイセフは、設立の経緯からして産科・助産団体との関係が深いので、そういう筋からこの調査の情報を聞いていて、「I LADY.」プロジェクトをはじめることにしたのかもしれません。あるいは、このプロジェクトに協力する活動家 (アクティビスト)があとから持ち込んだのかもしれません。しかしどんな経路で入ってきたにせよ、その情報が信用できるものかどうか、チェックしようとは思わなかったのでしょうか。
質の低い社会調査がしばしば濫用され、世論や政策に悪影響をおよぼしていることは、以前から問題になってきました。情報技術が発展し、国際化が進んだ今日では、調査会社と翻訳会社に作業を丸投げすれば、大規模な国際調査でも労力をかけずに実施できてしまいます。その結果から都合のよい部分を抜き出して政府や学会やマスメディアやNGO団体に売り込み、世論を焚きつけて政策を誘導する人たちがいるわけです。そのような政治宣伝に簡単に引っかかってしまう日本社会は、本格的に「ヤバイ」状況にあると思います。
繰り返される問題
一見まともそうにみえる団体が妙な知識にお墨付きをあたえて世論を誘導するという構図は、昨年の高校の副教材に「女性の妊娠のしやすさの年齢による変化」に関する改ざんグラフが掲載された事件と共通するものです。この「妊娠のしやすさ」データの大元は、1950-60年代のアメリカの、特殊な宗教背景のコミュニティを対象とした研究によるもので、新婚の夫婦の間では30歳中ごろまでは妊娠の確率はほとんど変わらないと読みとれるものでした。それが半世紀たって日本の高校副教材に掲載されたときには、22歳をピークとして急激に「妊娠のしやすさ」が低下するグラフに書き換えられていたのです。
このグラフをつくったのは、産婦人科界の重鎮、慶應義塾大学名誉教授の吉村泰典医師でした。吉村医師は内閣官房参与として安倍政権の「少子化社会対策」を支えるブレーンとなっていますが、日本生殖医学会の理事長をつとめていた2013年以降、自身の運営する一般社団法人のサイトや、厚生労働省作成の動画などでこのグラフを使い、「22歳時の妊孕力を1.0とすると、30歳では0.6を切り、40歳では0.3前後」「卵子の数の減少と、一個一個の卵子のクオリティの低下が非常に大きな原因」などという持論の根拠としてきました。そして産婦人科の専門家や団体は、このようなグラフ利用をまったく批判してこなかったどころか、2015年3月に日本産科婦人科学会など9つの学術団体が合同で「学校における健康教育の改善に関する要望書」を内閣府に提出した際に、参考資料として使用していたといいます。
このように、あやしいデータをもとに、日本女性は健康に関する知識が足りないとして、いいかげんな情報をひろめるキャンペーンが次々と展開されているのは、笑えない状況です。キャンペーンの動機はさまざまでしょう。しかし、ポイントは、ここに政府が乗っかって、「少子化社会対策」のための国策として推進していることです。
この状況で、正しい知識を手に入れるのは大変です。最低限の防御策として、「出典表示がいいかげんなものは相手にしない」という原則は有効ではあります。特に、何のデータかわからないようなグラフをのせているウエブページや教材の類は、即座にトンデモ認定してかまいません。もっと根本的な対策としては、学校で習う各教科の基礎知識をきちんと身につけるとか、いろんな分野の本を読んで教養をひろげるとか、図書館などに親しんで資料収集の技術をみがいておくとかいうことも大切です。でも、そうしたことをいくらがんばってみたところで、専門家と政府・メディアが結託して巧妙に偽造した情報を本気で流しはじめたら、それを見破って抵抗することは、素人にはまず不可能です。
それより、まずは知識を啓蒙しようとする団体自身が責任を持って情報を検証し、信頼できる情報に基づいて正しい知識を発信しないといけません。これは、その気があればすぐにできることであり、啓蒙にあたっての責任です。しかし、ジョイセフも産婦人科関連の専門家団体も、その責任を遂行せず、トンデモ情報に基づく啓蒙活動をしています。これでは悪意を持って一般の個人の知識を操作しているといわれても仕方ないでしょう。
「I LADY.」プロジェクトは、この問題の動画以外にも、すでに各地でセミナーなどを開催しており、今後さらに展開して高校教育などにも進出することをもくろんでいるようです。協力している「アクティビスト」のなかに、あやしげな商売に利用している人たちがいるのではないかという疑惑もあります。ジョイセフに対しては、このようなかたちで政治的勢力を拡大する前に、まず足元を見つめて、正しい知識の根本となる科学的なリテラシーを身につけてほしいところです。
田中重人
東北大学大学院文学研究科准教授。社会学・社会調査法を専門とし、「社会階層と社会移動」(SSM) 調査や「全国家族調査」(NFRJ) などの大規模社会調査プロジェクトに参画してきた。研究関心の中心は家族制度とジェンダーの問題であるが、2015年の高校保健副教材問題以降、医学における非科学的データ利用とその世論・政策への影響について調査している。
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