“暴言王”トランプ氏もやっかいになること必至! 実在の政界フィクサーをモデルにした『スキャンダル』

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『スキャンダル シーズン1 コンパクト BOX』(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)
 次期大統領が決定して1週間が過ぎても、いまだ騒がしいアメリカ。トランプ氏もクリントン氏も、選挙中に女性蔑視発言やら私用メール問題やらのスキャンダルが飛び出していたが、そんなトラブルの火消しを担うのが政界フィクサー。全米で根強い人気を誇る『スキャンダル』は、そのフィクサーを主人公にした政界内幕ドラマだ。  このドラマのヒロイン、オリビア・ポープは、元ブッシュ大統領(パパの方)の補佐官で、本作の制作にも名を連ねているジュディ・スミスという実在の政界フィクサーがモデルになっている。父ブッシュ政権時代は危機管理を担当し、その手腕からブッシュ大統領の任期終了後は、民間の危機管理会社を設立。大物クライアントを数多く抱え、全米どころか世界中で報道されてしまうような大スキャンダルをバリバリ処理してきた彼女がモデルとなっているだけに、オリビアの会社にも次々と大スキャンダルが舞い込んでくる。そのスキャンダルもまた、実際に起こった出来事をモチーフにしているので、どこかで聞いたことがあるような事件もしばしば。しかしそれだけなら、単にリアルな政界ドラマで終わってしまうところ。このドラマの醍醐味は、リアルな出来事をベースにしながら、リアルを超えた想像のナナメ上を行くトンデモ展開にある。  そもそもこのドラマのクリエイター、ションダ・ライムズは医療ドラマのはずの『グレイズ・アナトミー』で、患者より医師のほうが死んでるんじゃないかというくらい、たびたびディザスターをもたらしては延々とシリーズを続けているという、ジェットコースター・ドラマが超お得意の人物。この『スキャンダル』においては、扱うのがメディアをにぎわすような醜聞ばかりとあって、シーズンを重ねるほど現実以上にえげつない展開がエスカレートしていく始末。でも、それが非常にクセになる。まんまとションダの手中にハマっているのはわかっちゃいるが、どうにもやめられないのだ。  そんなドラマの登場人物は、誰も彼もがクセ者ばかり。主人公のオリビアはホワイトハウスの元広報官で現在は超やり手の政界フィクサーだが、実は大統領と元不倫関係という間柄。その元不倫相手であるフィッツジェラルド(フィッツ)大統領は、オリビアに未練タラタラ。オリビアのほうも、なぜかいつも困った顔をしながらフィッツと離れてはまたヨリを戻し、そのたびにフィッツはデレデレになったり、冷たくあしらったり、挙げ句(超大がかりな)ストーキングをしたりと、実に始末が悪い。アメリカ大統領という立場も忘れ、一体どこまで色恋にのめり込むのか、フィッツのボンクラ色ボケっぷりがシーズンを重ねるほどに際立っていく。先の大統領選挙戦中、オバマ大統領は「トランプ氏に核のボタンは渡せない」といったスピーチをしていたが、フィッツの色ボケぶりはそんな危機感すら覚えるほど。ドラマはとことんえげつなく、ドラマ的に下世話な展開を繰り広げるが、それを見れば見るほど絶大な権力を持つことになる人は慎重に選ぼうと、図らずも意識することに。 そして、この2人がメロドラマを繰り広げるたびに、周囲の人間は多大な迷惑を被るわけだが、彼らを取り囲む人たちも2人に負けず劣らずの濃いキャラぞろい。フィッツの嫁であるメリーは、夫とオリビアの関係に散々振り回された結果、夫そっちのけで自身の野心にまい進するように。もともとは、優秀な弁護士だったが、そのキャリアをあきらめ、フィッツを大統領にするために尽くしてきただけに、夫に対しては恨みつらみの塊と化していく。オリビアの恩師でもあり、大統領首席補佐官のサイラスは、ドラマ随一の腹黒キング。とにかく、フィッツジェラルド政権を守るためならあらゆる手段を講じる彼の闇は、想像以上に深い。  そして、オリビアの会社で働く面々(「スーツを着た剣闘士」を合言葉に、オリビアへの忠誠心で団結)も、元CIAのスパイだの、経歴に問題アリの弁護士だの、一見平凡そうに見えてとんでもない秘密を抱えていたりと、まっとうな人間はほとんど出てこない。オリビア自身もフィッツという弱点はあるものの、それ以外では確かにやり手。挙げ句、彼女の両親がまたかなりのトンデモ人物であり、ここにもスキャンダルの特大火種がくすぶっている。そんな腹黒すぎるキャラクターたちが、ホワイトハウスという伏魔殿で繰り広げるドラマの数々は、いつまでもダラダラと続くオリビアとフィッツの不倫話など、正直どうでもよくなるほど刺激的だ。  と思っていたが、何年もしつこく続けてきたこの不倫話が、最新シーズンではいよいよ生きてきた。政治よりも私情を優先しすぎなボンクラ大統領であるフィッツを、政界随一のやり手フィクサーであるオリビアが本気でコントロールしたらどうなるのか、その未来を的確に予測する腹黒サイラスがそこにどんな横ヤリを入れるのか、どこまでトンデモ展開がエスカレートしていくのか楽しみだ。  もっとも最初に書いたように、このドラマは現実に起こった政治事件やスキャンダルをモチーフにしている。選挙中から暴言王だったドナルド・トランプが大統領になった次シーズン、どんなエピソードが取り入れられるのかにも注目したい。 ★このドラマにハマった人におすすめ! 『ハウス・オブ・カード』 『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』 『殺人を無罪にする方法』 ●まくた・ちひろ 映画・海外ドラマライター。『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial』『ゲーム・オブ・スローンズ パーフェクト・ガイド』(日経BP社)、『海外ドラマTVガイド WATCH』(東京ニュース通信社)、『映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド』(洋泉社)等に寄稿。Twitterアカウントは@charumin

“暴言王”トランプ氏もやっかいになること必至! 実在の政界フィクサーをモデルにした『スキャンダル』

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『スキャンダル シーズン1 コンパクト BOX』(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)
 次期大統領が決定して1週間が過ぎても、いまだ騒がしいアメリカ。トランプ氏もクリントン氏も、選挙中に女性蔑視発言やら私用メール問題やらのスキャンダルが飛び出していたが、そんなトラブルの火消しを担うのが政界フィクサー。全米で根強い人気を誇る『スキャンダル』は、そのフィクサーを主人公にした政界内幕ドラマだ。  このドラマのヒロイン、オリビア・ポープは、元ブッシュ大統領(パパの方)の補佐官で、本作の制作にも名を連ねているジュディ・スミスという実在の政界フィクサーがモデルになっている。父ブッシュ政権時代は危機管理を担当し、その手腕からブッシュ大統領の任期終了後は、民間の危機管理会社を設立。大物クライアントを数多く抱え、全米どころか世界中で報道されてしまうような大スキャンダルをバリバリ処理してきた彼女がモデルとなっているだけに、オリビアの会社にも次々と大スキャンダルが舞い込んでくる。そのスキャンダルもまた、実際に起こった出来事をモチーフにしているので、どこかで聞いたことがあるような事件もしばしば。しかしそれだけなら、単にリアルな政界ドラマで終わってしまうところ。このドラマの醍醐味は、リアルな出来事をベースにしながら、リアルを超えた想像のナナメ上を行くトンデモ展開にある。  そもそもこのドラマのクリエイター、ションダ・ライムズは医療ドラマのはずの『グレイズ・アナトミー』で、患者より医師のほうが死んでるんじゃないかというくらい、たびたびディザスターをもたらしては延々とシリーズを続けているという、ジェットコースター・ドラマが超お得意の人物。この『スキャンダル』においては、扱うのがメディアをにぎわすような醜聞ばかりとあって、シーズンを重ねるほど現実以上にえげつない展開がエスカレートしていく始末。でも、それが非常にクセになる。まんまとションダの手中にハマっているのはわかっちゃいるが、どうにもやめられないのだ。  そんなドラマの登場人物は、誰も彼もがクセ者ばかり。主人公のオリビアはホワイトハウスの元広報官で現在は超やり手の政界フィクサーだが、実は大統領と元不倫関係という間柄。その元不倫相手であるフィッツジェラルド(フィッツ)大統領は、オリビアに未練タラタラ。オリビアのほうも、なぜかいつも困った顔をしながらフィッツと離れてはまたヨリを戻し、そのたびにフィッツはデレデレになったり、冷たくあしらったり、挙げ句(超大がかりな)ストーキングをしたりと、実に始末が悪い。アメリカ大統領という立場も忘れ、一体どこまで色恋にのめり込むのか、フィッツのボンクラ色ボケっぷりがシーズンを重ねるほどに際立っていく。先の大統領選挙戦中、オバマ大統領は「トランプ氏に核のボタンは渡せない」といったスピーチをしていたが、フィッツの色ボケぶりはそんな危機感すら覚えるほど。ドラマはとことんえげつなく、ドラマ的に下世話な展開を繰り広げるが、それを見れば見るほど絶大な権力を持つことになる人は慎重に選ぼうと、図らずも意識することに。 そして、この2人がメロドラマを繰り広げるたびに、周囲の人間は多大な迷惑を被るわけだが、彼らを取り囲む人たちも2人に負けず劣らずの濃いキャラぞろい。フィッツの嫁であるメリーは、夫とオリビアの関係に散々振り回された結果、夫そっちのけで自身の野心にまい進するように。もともとは、優秀な弁護士だったが、そのキャリアをあきらめ、フィッツを大統領にするために尽くしてきただけに、夫に対しては恨みつらみの塊と化していく。オリビアの恩師でもあり、大統領首席補佐官のサイラスは、ドラマ随一の腹黒キング。とにかく、フィッツジェラルド政権を守るためならあらゆる手段を講じる彼の闇は、想像以上に深い。  そして、オリビアの会社で働く面々(「スーツを着た剣闘士」を合言葉に、オリビアへの忠誠心で団結)も、元CIAのスパイだの、経歴に問題アリの弁護士だの、一見平凡そうに見えてとんでもない秘密を抱えていたりと、まっとうな人間はほとんど出てこない。オリビア自身もフィッツという弱点はあるものの、それ以外では確かにやり手。挙げ句、彼女の両親がまたかなりのトンデモ人物であり、ここにもスキャンダルの特大火種がくすぶっている。そんな腹黒すぎるキャラクターたちが、ホワイトハウスという伏魔殿で繰り広げるドラマの数々は、いつまでもダラダラと続くオリビアとフィッツの不倫話など、正直どうでもよくなるほど刺激的だ。  と思っていたが、何年もしつこく続けてきたこの不倫話が、最新シーズンではいよいよ生きてきた。政治よりも私情を優先しすぎなボンクラ大統領であるフィッツを、政界随一のやり手フィクサーであるオリビアが本気でコントロールしたらどうなるのか、その未来を的確に予測する腹黒サイラスがそこにどんな横ヤリを入れるのか、どこまでトンデモ展開がエスカレートしていくのか楽しみだ。  もっとも最初に書いたように、このドラマは現実に起こった政治事件やスキャンダルをモチーフにしている。選挙中から暴言王だったドナルド・トランプが大統領になった次シーズン、どんなエピソードが取り入れられるのかにも注目したい。 ★このドラマにハマった人におすすめ! 『ハウス・オブ・カード』 『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』 『殺人を無罪にする方法』 ●まくた・ちひろ 映画・海外ドラマライター。『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial』『ゲーム・オブ・スローンズ パーフェクト・ガイド』(日経BP社)、『海外ドラマTVガイド WATCH』(東京ニュース通信社)、『映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド』(洋泉社)等に寄稿。Twitterアカウントは@charumin

【映画監督・堤幸彦インタビュー】「共犯意識を持ちたい」“多作の人”の自己分析

――堤幸彦といえば、押しも押されもせぬ日本の超有名映画監督・演出家だ。『ケイゾク』『TRICK』『SPEC』『20世紀少年』『BECK』……手がけた作品を挙げればきりがない。その堤幸彦が今年の7月クールドラマ『神の舌を持つ男』で、まれに見る低視聴率を記録し、話題になった。堤幸彦は一体どうしてしまったのか?同作の劇場版公開を控えた監督本人に、じっくり尋ねてみた。
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(写真/河西遼)
――12月3日に新作映画『RANMARU 神の舌を持つ男』が公開を控えています。前提としてこの作品は、今年7月クールにドラマ版が放映されていましたよね。失礼ながら、視聴率が低い(平均視聴率5・6%)と放送中から話題になりました。これをご自身ではどう振り返りますか? 堤幸彦(以下、) まさに不徳の致すところですね。今年はオリンピックもあって、視聴率はかなり厳しいだろうと想像していたんですが、どこかで自分の作り方が数字的にまだいけると思っていた。 ――視聴率は気にされますか?  気にしますね。それはプロですから、当然。“ヒットメーカー”なんて言われますけど、私はこれまでそんなに連戦連勝ではなく、むしろ数字は低かったことのほうが多い。実験的なことをしてうまくいかなかった作品も多々あります。ただ今回の『神の舌を持つ男』がその流れかというと、ちょっとそうではない気がします。 ――堤監督作品には、難解だけどコアな一部のファンに支持されるタイプの作品と、わかりにくいのにヒットするタイプの作品があるように思います。今回は数字を取りに行こうと思ったのか、コアなファンに受ける方向を狙ったのか、どちらなんでしょう?  それはまず前提が間違っていますね。数字を取りに行かないことはないです。難解さを自覚している作品であっても、数字は0・1%でも多く欲しい。正直、これだけ本数を重ねていても、数字の取り方はいまだにわからない。今回は、自分たちが面白いと思っているものに、ある種の確信を持っていたので、アゲインストな空気感の中でもいけるかと思った結果の敗北でした。ただ、それで作品の価値が減ずるものではないとも思います。 ――「数字は必ず取りに行っている」というお話ですが、一方でテレビドラマを視聴率で語ることへの批判も世の中ではなされていて、数字が悪くても話題になったり、DVDが売れる作品、映画化につながる作品もありますよね。そういう意味で、数字には表れない評判の部分も同様に重要だと思いますが、その面での反応は『神の舌を持つ男』では監督のところに届いていますか?  僕ができる作り方の手段をほとんどすべてぶっこんだという実感があって、これまでの自分の作品と比べてパワーが落ちている感じは全然ないですし、周りの評判やツイッターなどネットの反応を見ていてもそれは伝わっていると思います。ただ数字で厳然と見せられると、どうなんだろうな? と不安にはなるものです。数字を切り開く力があればもっと伸びていたという反省はしています。 ――今回の『神の舌を持つ男』は、当初から劇場版ありきのドラマの企画だったんですか?  いや、映画ありきではないです。「映画になったらいいですね」って話をずっとしていて、かなり早い段階で松竹さんからゴーサインが出たので、ドラマを撮影しながら映画の構想を練り、ドラマ終了後にそのまま映画の撮影をしました。 ――堤監督ほどドラマシリーズから映画化という流れを経験している映像作家はいないと思いますが、その最初の作品である『金田一少年の事件簿』(97年)当時は、一般的にドラマ作品の映画化はそれほど多くなかったですよね。  そうですね。まず当時は、ドラマはビデオで撮影し、映画はフィルムで撮影していたので、収録するメディアが違っていたんですね。それが90年頃に、撮ったビデオ映像を容易に映画に転用できる初めてのハイビジョンカメラが開発された。その実験的な作品として、オノ・ヨーコさん主演の短編映画『HOMELESS』(91年)を撮りました。この経験を踏まえて、『金田一少年の事件簿』は半分ビデオ、半分フィルムで撮った。今見ると中途半端な折衷作品ですが、そういうふうにビデオで撮ったドラマを映画にできるという技術的な壁を乗り越えてきました。その後、ドラマの映画化というアプローチは一般的になって、『ケイゾク』の時には映画とドラマを撮影するカメラがほぼ一緒という時代になった。 ――『ケイゾク』(99~00年)も、ドラマ版は決して高視聴率ではなかったにもかかわらず、映画になってヒットしたというように記憶しています。 『金田一』の視聴率は29・9%だけど、『ケイゾク』はずっと14%くらいでした。最初の『TRICK』に至っては平均7%ですからね。『TRICK』は2クールやっても視聴率はほとんど変わらなかったんだけど、やたらDVDが動いているということで映画化してみたら大ヒットした。その勢いでドラマの放送時間帯を11時台から9時台に移したら、ものすごい視聴率になったんです。

コント1000本ノックで得た笑いの質が反映されたスタイル

――『TRICK』がまさにそうでしたが、『金田一』からずっと、堤監督のヒット作には特殊能力を持ったキャラクターが出てくる一話完結のバディ・ミステリーものが多いです。これがご自身のスタイルだという意識はありますか?  そうでもあり、そうでもないですね。そのスタイルは、日本のエンターテインメント系作品の作り方としてある種の王道です。僕はもともと音楽の映像の監督をやっていて、「ビデオクリップなどの表現手法をドラマに転用できないか」というオーダーで『金田一』を始めた結果、このスタイルが非常に作りやすいと自覚したわけです。でもこれまでに多くの作品を撮ってきて、例えば『ぼくらの勇気~未満都市~』(97年)のように近未来的な大きな仕掛けのものもあるし、『I.W.G.P』(00年)だって全然違う。映画においては、自ら言うのも格好悪いけど『天空の蜂』(15年)のようなシリアスで社会派なものもある。いろんなタイプの作品に、毎回方法を変えて演出家・監督としてどう真摯に向き合うか、考えています。 ――『ケイゾク』や『SPEC』など、堤作品ではキャラクター自身がメタ的なノリツッコミをして、キャラが立ってくることも多いです。堤監督が作ったとまでは言いませんが、キャラクターでドラマを見せるという手法も特徴的ですよね。 『踊る大捜査線』や『相棒』など、キャラクターを重視したドラマは同時期にもいっぱいあった。自分がそういう手法の先駆者という自覚はまったくないです。それも日本のエンタメの定石であって、そこから激しく逸脱して堤的な個性をキャラクターに付与したつもりもまったくなく、やっていくうちに自然にそうなっちゃった。  僕はバブル以前、リミッターのない鷹揚な笑いを許してくれる体制がテレビ局側にもあった時代に、テレビディレクターとして初めて責任を持たされてとんねるずのコントを作っていた(『コラーッ!とんねるず』85~89年)。1000本近いコントをノックを打つように作り続けて、その頃に得た笑いの質みたいなものが一生の宝物になっている。それをドラマの中で形にできないか? というのがずっと基本にあって、そこがキャラクターメイキングに反映されています。  あの頃のはっちゃけた感じというのは、私を含めた同時代のクリエイターには脈々と流れていて、一緒に作っていた仲間でもある秋元康さんの作詞の中にもある。彼らの仕事の中に、その感覚が今でも生きている片鱗を見ると、「よし、まだ死ねないぞ」と思いますね。 ――一方で、堤監督の映画作品でもっともヒットしたのは『20世紀少年』(08~09年)ですよね。あれは人気マンガが原作で、有名な役者がたくさん出るオールキャストの大作であって、いわゆる堤監督本来のスタイルやテイストが好きなファンとは違う層に届いたと思います。『20世紀少年』前後で、自身の作品の客層が変わった感じはありますか?  そのあたりは特に変わらないですね。でも、どこに球を投げるかというのは常に意識しています。例えば、『20世紀少年』は明らかに原作ファンに球を投げるしかなかった。特に第1部では「原作と同じ構図を探してみてください」というくらい、原作マンガに沿った作り方をしていた。あるいは、『BECK』(10年)という作品も同じように撮った。ただ、最近はネットを武器にした好事家の声が大きいのもあって、この2つの作品では賛成票も多ければ反対票も多いというのを経験しましたね。特に『BECK』は、ラストに向けた過激な表現が原作ファンから全面否定されたりもした。ファンの愛し方にもいろいろあるわけで、その声は意識もするし「次に作る時はこうしよう」という意欲にもなる。賛否両論の否の声には相当耳を傾けるべきで、それはエンターテインメントのプロとして当然だと思っています。 ――「好事家」ということでいうと、堤監督はそれこそ好事家の多いジャニーズ主演の作品もかなり撮られています。ジャニーズファンからの評価も高いですが、相性がいいんでしょうか?  ジャニーズ作品は毎回タイプが違って、「あのアイドルがこんなことしちゃった」だけではダメだし、ベタベタなアイドルらしさだけでもダメで、正直なところ、作り方は意外と難しい。もちろんジャニーズ作品にも一般性の高いものはいっぱいありますが、基本はお客さんに喜んでいただかないと仕方ないんじゃないか、と僕は思っています。それはある種、いわゆる映画的/演劇的な批評性とは相容れないものもある。『ピカ☆ンチ』という作品では、公開形式が非常にクローズドなこともあり、主演の嵐と、嵐を愛する人が腹の底から笑って楽しめればいいと思って球を投げました。マニアックなコントを撮っていた時代を彷彿とさせて、私の本音に近い、面白い作り方でしたね。 ――堤監督の作品は、一貫して作家性をはぐらかしながら撮っているところがあるように思っていたんですが、実は『ピカ☆ンチ』が一番作家性を感じました。 『ピカ☆ンチ』の1作目はお台場の屋形船を沈めるというめちゃくちゃな話でしたけど、やっぱりお台場の海辺に立って屋形船を見ると、「なんで天ぷら食って踊っているんだよ」って頭にくるんですよね(笑)。そういった僕の思いを、嵐の皆さんにそのままやっていただいたところに絶妙な面白さがあるなって。それを受容してくださったジャニーズ事務所の方々は、本当に心が広いな、と。

「確信を持って作った 面白いものは伝わると信じる」

――今年の映画業界は、テレビドラマの映画化が減って東宝の一人勝ちという状況ですが、テレビと映画の関係も変わってきていると思われますか?  変化というよりも、映画という表現だけでなくいろんなジャンルのものが自由に選択できる時代になって、何かひとつの要素にヒットの可能性があるとは相対的に言えなくなっている気がするんです。その中で、クリエイターとしては自分たちが確信を持って作った面白いものは絶対に伝わると信じて疑わない。結果として、『神の舌を持つ男』も視聴率的にはちょっと寂しいかもしれないけれど、映画の数字はまた違うものだと思っています。 ――では、映画『RANMARU 神の舌を持つ男』について、失礼な言い方ですけど、テレビシリーズを観てこなかった人にはどのようにアピールすればいいと思いますか?  何も考えずに観て面白いので、お気楽に観てください、と。冒頭から、本当に大笑いできるギャグをちりばめてあるし、ドラマからずっと練り込んできたキャラクターが大爆発している。それだけではなくて、今の日本や世界が持っているある種の問題もうっすらと底に流れていて、自分で言うのも気持ち悪いんですけど、見ごたえのある上質のミステリーになっているエンターテインメント作品なので、老若男女関係なく観てくださいと訴えたいです。 ――先ほどおっしゃった通り、ヒットする前提で作っている?  もちろんそうです。『RANMARU』については、皆さんと共犯意識を持ちたいな、というのがありますね。「ほかの人にはわからないんじゃないかな?」っていう、そのお客さんと堤の共犯意識を楽しんでもらえる仕掛けがそこかしこにあるので、それは楽しいんじゃないかな。それこそ80年代のとんねるずのコントにあった共犯意識のような。 ――非常に多作な堤監督ですが、今後撮りたい作品はありますか?  やりたい企画はすごくあります。特に自分の賞味期限はあと10年あるかどうかなので、この10年でやらねばと思っている企画は10個以上ありますね。 ――それは映画や舞台、テレビドラマにかかわらず?  テレビドラマはスピードが要求されるので、さすがに還暦を過ぎると肉体的にかなりキツイんですね。頑張ってはいるけれど、率先してテレビドラマの演出家と言い切るのは、なかなか無理がある。だったら、主に映画作品でひとつのテーマをきっちり決めて、自分なりの投げたい球を研究して投げたものを、この10年で作りたいと思います。 (インタビュー/速水健朗) (構成/須賀原みち)
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堤幸彦(つつみ・ゆきひこ) 1955年、愛知県生まれ。演出家、映画監督。オフィスクレッシェンド取締役。法政大学中退後、東放学園専門学校に入学。放送業界に入る。ADを経てテレビディレクターとなり、『コラーッ!とんねるず』(日本テレビ)などを手がけたのち、秋元康と「SOLD OUT」を立ち上げ。プロモーションビデオやCM、ミュージッククリップなどを数多く手がける。オムニバス作品『バカヤロー! 私、怒ってます』内「英語がなんだ」で劇場映画デビュー。ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系/95年)で一躍有名になり、以降の活躍は知られている通り。

【映画監督・堤幸彦インタビュー】「共犯意識を持ちたい」“多作の人”の自己分析

――堤幸彦といえば、押しも押されもせぬ日本の超有名映画監督・演出家だ。『ケイゾク』『TRICK』『SPEC』『20世紀少年』『BECK』……手がけた作品を挙げればきりがない。その堤幸彦が今年の7月クールドラマ『神の舌を持つ男』で、まれに見る低視聴率を記録し、話題になった。堤幸彦は一体どうしてしまったのか?同作の劇場版公開を控えた監督本人に、じっくり尋ねてみた。
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(写真/河西遼)
――12月3日に新作映画『RANMARU 神の舌を持つ男』が公開を控えています。前提としてこの作品は、今年7月クールにドラマ版が放映されていましたよね。失礼ながら、視聴率が低い(平均視聴率5・6%)と放送中から話題になりました。これをご自身ではどう振り返りますか? 堤幸彦(以下、) まさに不徳の致すところですね。今年はオリンピックもあって、視聴率はかなり厳しいだろうと想像していたんですが、どこかで自分の作り方が数字的にまだいけると思っていた。 ――視聴率は気にされますか?  気にしますね。それはプロですから、当然。“ヒットメーカー”なんて言われますけど、私はこれまでそんなに連戦連勝ではなく、むしろ数字は低かったことのほうが多い。実験的なことをしてうまくいかなかった作品も多々あります。ただ今回の『神の舌を持つ男』がその流れかというと、ちょっとそうではない気がします。 ――堤監督作品には、難解だけどコアな一部のファンに支持されるタイプの作品と、わかりにくいのにヒットするタイプの作品があるように思います。今回は数字を取りに行こうと思ったのか、コアなファンに受ける方向を狙ったのか、どちらなんでしょう?  それはまず前提が間違っていますね。数字を取りに行かないことはないです。難解さを自覚している作品であっても、数字は0・1%でも多く欲しい。正直、これだけ本数を重ねていても、数字の取り方はいまだにわからない。今回は、自分たちが面白いと思っているものに、ある種の確信を持っていたので、アゲインストな空気感の中でもいけるかと思った結果の敗北でした。ただ、それで作品の価値が減ずるものではないとも思います。 ――「数字は必ず取りに行っている」というお話ですが、一方でテレビドラマを視聴率で語ることへの批判も世の中ではなされていて、数字が悪くても話題になったり、DVDが売れる作品、映画化につながる作品もありますよね。そういう意味で、数字には表れない評判の部分も同様に重要だと思いますが、その面での反応は『神の舌を持つ男』では監督のところに届いていますか?  僕ができる作り方の手段をほとんどすべてぶっこんだという実感があって、これまでの自分の作品と比べてパワーが落ちている感じは全然ないですし、周りの評判やツイッターなどネットの反応を見ていてもそれは伝わっていると思います。ただ数字で厳然と見せられると、どうなんだろうな? と不安にはなるものです。数字を切り開く力があればもっと伸びていたという反省はしています。 ――今回の『神の舌を持つ男』は、当初から劇場版ありきのドラマの企画だったんですか?  いや、映画ありきではないです。「映画になったらいいですね」って話をずっとしていて、かなり早い段階で松竹さんからゴーサインが出たので、ドラマを撮影しながら映画の構想を練り、ドラマ終了後にそのまま映画の撮影をしました。 ――堤監督ほどドラマシリーズから映画化という流れを経験している映像作家はいないと思いますが、その最初の作品である『金田一少年の事件簿』(97年)当時は、一般的にドラマ作品の映画化はそれほど多くなかったですよね。  そうですね。まず当時は、ドラマはビデオで撮影し、映画はフィルムで撮影していたので、収録するメディアが違っていたんですね。それが90年頃に、撮ったビデオ映像を容易に映画に転用できる初めてのハイビジョンカメラが開発された。その実験的な作品として、オノ・ヨーコさん主演の短編映画『HOMELESS』(91年)を撮りました。この経験を踏まえて、『金田一少年の事件簿』は半分ビデオ、半分フィルムで撮った。今見ると中途半端な折衷作品ですが、そういうふうにビデオで撮ったドラマを映画にできるという技術的な壁を乗り越えてきました。その後、ドラマの映画化というアプローチは一般的になって、『ケイゾク』の時には映画とドラマを撮影するカメラがほぼ一緒という時代になった。 ――『ケイゾク』(99~00年)も、ドラマ版は決して高視聴率ではなかったにもかかわらず、映画になってヒットしたというように記憶しています。 『金田一』の視聴率は29・9%だけど、『ケイゾク』はずっと14%くらいでした。最初の『TRICK』に至っては平均7%ですからね。『TRICK』は2クールやっても視聴率はほとんど変わらなかったんだけど、やたらDVDが動いているということで映画化してみたら大ヒットした。その勢いでドラマの放送時間帯を11時台から9時台に移したら、ものすごい視聴率になったんです。

コント1000本ノックで得た笑いの質が反映されたスタイル

――『TRICK』がまさにそうでしたが、『金田一』からずっと、堤監督のヒット作には特殊能力を持ったキャラクターが出てくる一話完結のバディ・ミステリーものが多いです。これがご自身のスタイルだという意識はありますか?  そうでもあり、そうでもないですね。そのスタイルは、日本のエンターテインメント系作品の作り方としてある種の王道です。僕はもともと音楽の映像の監督をやっていて、「ビデオクリップなどの表現手法をドラマに転用できないか」というオーダーで『金田一』を始めた結果、このスタイルが非常に作りやすいと自覚したわけです。でもこれまでに多くの作品を撮ってきて、例えば『ぼくらの勇気~未満都市~』(97年)のように近未来的な大きな仕掛けのものもあるし、『I.W.G.P』(00年)だって全然違う。映画においては、自ら言うのも格好悪いけど『天空の蜂』(15年)のようなシリアスで社会派なものもある。いろんなタイプの作品に、毎回方法を変えて演出家・監督としてどう真摯に向き合うか、考えています。 ――『ケイゾク』や『SPEC』など、堤作品ではキャラクター自身がメタ的なノリツッコミをして、キャラが立ってくることも多いです。堤監督が作ったとまでは言いませんが、キャラクターでドラマを見せるという手法も特徴的ですよね。 『踊る大捜査線』や『相棒』など、キャラクターを重視したドラマは同時期にもいっぱいあった。自分がそういう手法の先駆者という自覚はまったくないです。それも日本のエンタメの定石であって、そこから激しく逸脱して堤的な個性をキャラクターに付与したつもりもまったくなく、やっていくうちに自然にそうなっちゃった。  僕はバブル以前、リミッターのない鷹揚な笑いを許してくれる体制がテレビ局側にもあった時代に、テレビディレクターとして初めて責任を持たされてとんねるずのコントを作っていた(『コラーッ!とんねるず』85~89年)。1000本近いコントをノックを打つように作り続けて、その頃に得た笑いの質みたいなものが一生の宝物になっている。それをドラマの中で形にできないか? というのがずっと基本にあって、そこがキャラクターメイキングに反映されています。  あの頃のはっちゃけた感じというのは、私を含めた同時代のクリエイターには脈々と流れていて、一緒に作っていた仲間でもある秋元康さんの作詞の中にもある。彼らの仕事の中に、その感覚が今でも生きている片鱗を見ると、「よし、まだ死ねないぞ」と思いますね。 ――一方で、堤監督の映画作品でもっともヒットしたのは『20世紀少年』(08~09年)ですよね。あれは人気マンガが原作で、有名な役者がたくさん出るオールキャストの大作であって、いわゆる堤監督本来のスタイルやテイストが好きなファンとは違う層に届いたと思います。『20世紀少年』前後で、自身の作品の客層が変わった感じはありますか?  そのあたりは特に変わらないですね。でも、どこに球を投げるかというのは常に意識しています。例えば、『20世紀少年』は明らかに原作ファンに球を投げるしかなかった。特に第1部では「原作と同じ構図を探してみてください」というくらい、原作マンガに沿った作り方をしていた。あるいは、『BECK』(10年)という作品も同じように撮った。ただ、最近はネットを武器にした好事家の声が大きいのもあって、この2つの作品では賛成票も多ければ反対票も多いというのを経験しましたね。特に『BECK』は、ラストに向けた過激な表現が原作ファンから全面否定されたりもした。ファンの愛し方にもいろいろあるわけで、その声は意識もするし「次に作る時はこうしよう」という意欲にもなる。賛否両論の否の声には相当耳を傾けるべきで、それはエンターテインメントのプロとして当然だと思っています。 ――「好事家」ということでいうと、堤監督はそれこそ好事家の多いジャニーズ主演の作品もかなり撮られています。ジャニーズファンからの評価も高いですが、相性がいいんでしょうか?  ジャニーズ作品は毎回タイプが違って、「あのアイドルがこんなことしちゃった」だけではダメだし、ベタベタなアイドルらしさだけでもダメで、正直なところ、作り方は意外と難しい。もちろんジャニーズ作品にも一般性の高いものはいっぱいありますが、基本はお客さんに喜んでいただかないと仕方ないんじゃないか、と僕は思っています。それはある種、いわゆる映画的/演劇的な批評性とは相容れないものもある。『ピカ☆ンチ』という作品では、公開形式が非常にクローズドなこともあり、主演の嵐と、嵐を愛する人が腹の底から笑って楽しめればいいと思って球を投げました。マニアックなコントを撮っていた時代を彷彿とさせて、私の本音に近い、面白い作り方でしたね。 ――堤監督の作品は、一貫して作家性をはぐらかしながら撮っているところがあるように思っていたんですが、実は『ピカ☆ンチ』が一番作家性を感じました。 『ピカ☆ンチ』の1作目はお台場の屋形船を沈めるというめちゃくちゃな話でしたけど、やっぱりお台場の海辺に立って屋形船を見ると、「なんで天ぷら食って踊っているんだよ」って頭にくるんですよね(笑)。そういった僕の思いを、嵐の皆さんにそのままやっていただいたところに絶妙な面白さがあるなって。それを受容してくださったジャニーズ事務所の方々は、本当に心が広いな、と。

「確信を持って作った 面白いものは伝わると信じる」

――今年の映画業界は、テレビドラマの映画化が減って東宝の一人勝ちという状況ですが、テレビと映画の関係も変わってきていると思われますか?  変化というよりも、映画という表現だけでなくいろんなジャンルのものが自由に選択できる時代になって、何かひとつの要素にヒットの可能性があるとは相対的に言えなくなっている気がするんです。その中で、クリエイターとしては自分たちが確信を持って作った面白いものは絶対に伝わると信じて疑わない。結果として、『神の舌を持つ男』も視聴率的にはちょっと寂しいかもしれないけれど、映画の数字はまた違うものだと思っています。 ――では、映画『RANMARU 神の舌を持つ男』について、失礼な言い方ですけど、テレビシリーズを観てこなかった人にはどのようにアピールすればいいと思いますか?  何も考えずに観て面白いので、お気楽に観てください、と。冒頭から、本当に大笑いできるギャグをちりばめてあるし、ドラマからずっと練り込んできたキャラクターが大爆発している。それだけではなくて、今の日本や世界が持っているある種の問題もうっすらと底に流れていて、自分で言うのも気持ち悪いんですけど、見ごたえのある上質のミステリーになっているエンターテインメント作品なので、老若男女関係なく観てくださいと訴えたいです。 ――先ほどおっしゃった通り、ヒットする前提で作っている?  もちろんそうです。『RANMARU』については、皆さんと共犯意識を持ちたいな、というのがありますね。「ほかの人にはわからないんじゃないかな?」っていう、そのお客さんと堤の共犯意識を楽しんでもらえる仕掛けがそこかしこにあるので、それは楽しいんじゃないかな。それこそ80年代のとんねるずのコントにあった共犯意識のような。 ――非常に多作な堤監督ですが、今後撮りたい作品はありますか?  やりたい企画はすごくあります。特に自分の賞味期限はあと10年あるかどうかなので、この10年でやらねばと思っている企画は10個以上ありますね。 ――それは映画や舞台、テレビドラマにかかわらず?  テレビドラマはスピードが要求されるので、さすがに還暦を過ぎると肉体的にかなりキツイんですね。頑張ってはいるけれど、率先してテレビドラマの演出家と言い切るのは、なかなか無理がある。だったら、主に映画作品でひとつのテーマをきっちり決めて、自分なりの投げたい球を研究して投げたものを、この10年で作りたいと思います。 (インタビュー/速水健朗) (構成/須賀原みち)
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堤幸彦(つつみ・ゆきひこ) 1955年、愛知県生まれ。演出家、映画監督。オフィスクレッシェンド取締役。法政大学中退後、東放学園専門学校に入学。放送業界に入る。ADを経てテレビディレクターとなり、『コラーッ!とんねるず』(日本テレビ)などを手がけたのち、秋元康と「SOLD OUT」を立ち上げ。プロモーションビデオやCM、ミュージッククリップなどを数多く手がける。オムニバス作品『バカヤロー! 私、怒ってます』内「英語がなんだ」で劇場映画デビュー。ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系/95年)で一躍有名になり、以降の活躍は知られている通り。

演出に見せかけて本音!? 櫻井翔の伊野尾慧への“マジ説教”にファンもヒヤヒヤ

 11月17日放送の『VS嵐』(フジテレビ系)に、同局朝の情報番組『めざましテレビ』のアナウンサー陣と、木曜レギュラーとして出演中のHey!Say!JUMP伊野尾慧が「めざましテレビチーム」として登場した。伊野尾は序盤から「スーパースター来てますから!」と、先輩・嵐に挑戦状を叩きつける“舌”好調ぶり。これに櫻井翔が「おまえをスーパースターだと思ってない!」と厳しくツッコミを入れ、早速笑いを誘っていた。

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不安いっぱいのアラフォー独身女性が楽になる暮らし方 『東京シェアストーリー』原作者・髙橋幹子さんに聞く

 国立社会保障・人口問題研究所によると、50歳の時点で一度も結婚していない人の割合の「生涯未婚率」は、1965年時点で男性1.5%、女性2.5%だったが、2010年で男性20.1%、女性10.6%と上昇の一途をたどってきた。このままだと35年には男性29%、女性19.2%にのぼると試算されている。男性の3人に1人、女性の5人に1人が「一生独身」になるのだ。

 そんな中、シェアハウスの普及に伴い、これらをテーマにしたバラエティ番組や漫画も登場している。シェアハウスに住むアラフォー独身の5人の女性が織りなすドラマを描いたコミック『東京シェアストーリー』(徳間書店)もそのひとつだ。ドラマ化を望む声もあるこのコミックの原作者・髙橋幹子さんに、独身女性の「終の棲家」としてのシェアハウスについて聞いた。

■アラフォー独身女性の哀しみは「本物の哀しみ」

――『東京シェアストーリー』は、とても身につまされるお話でした。フリーランスの脚本家・遥、クールな努力家で厚労省キャリア官僚の亜矢子、マイペースな雑誌編集者の稚子、最年長で癒やし系の派遣社員ユリ、明るい妹キャラのOL・莉乃の5人は、それぞれ将来への不安を常に抱えています。

髙橋幹子さん(以下、髙橋) 作品には、私の今の「不安」をすべて込めたんです。景気はよくないけど、こんなに自由な時代で、欲しいものを手に入れている人はたくさんいるのに、なぜ自分はうまく生きられないんだろうと。私が欲しいのは、夫や子ども、安定した仕事、そして家ですね。でも、今の私にはすべてハードルが高いんです。

 なので、作品の5人の登場人物の中でも、遥とユリには特に思い入れがあります。フリーも派遣も不安定で、ないないづくしの中で不安と戦っています。そういう女性は多いと思います。

――5人の女性は、みんな立場や職業が異なりますね。

髙橋 はい。意味を持って登場させています。亜矢子は社会学者の上野千鶴子さんがモデルで、いつも現実や未来を冷静に分析しています。稚子はいい意味で自信を持っていて、莉乃は若さのすばらしさの象徴です。若いっていいですよね。

――確かに、アラフォー世代の不安は若い人とは違いますね。

髙橋 そうなんです。もちろんアラフォー以外の世代の方にも不安はありますよね。でも、アラフォーの独身女性は、出産・子育てのタイムリミットや更年期、親の介護などリアルな不安や哀しみにさいなまれているんです。

 私も朝起きると、ものすごくへこむんですよ。実家はまだありますが、親も高齢ですし、今住んでいるところは賃貸。人生がすべて借り物のような気がして、この先どうなってしまうんだろうと……。作品は、そういうところから生まれました。

――そうした不安を抱える独身女性は多いですよね。みんなでシェアして暮らせたら、気持ち的にはラクになるかもしれません。

髙橋 はい、そう思って書きました。テレビドラマは、「現在(いま)」を切り取ることが大切なので、それを意識しています。シェアハウスはまさに現在の問題です。

■血縁に頼らぬ生き方が必要になってくる

――読者の反響はいかがでしたか?

髙橋 連載されていたのが青年漫画雑誌の『月刊コミックゼノン』(徳間書店)で、男性には微妙だったところもありますが、アラフォーの女性からは共感をいただいています。電子版で読んでくださったオーストラリア在住の方から「今の日本て、こうなんですね」と感想をいただいたこともあります。

 一方で、作品を「ファンタジー」だと言う人もいらっしゃいます。他人と暮らすなんて、そんなに甘いものではないということですね。確かにそうかなとも思いますが、今後ますます賃金格差や貧困が広がり、結婚できない・家族がつくれない「家族難民」が増えてくると思うんです。だからこそ血縁に頼らぬ生き方が必要になってくるのではないかと。そこで家族をつくれない人たちが集まって、新しい家族をつくるという、この先の世の中の一つの道標になるような「希望の話」として書かせていただきました。

――シェアハウスゆえに起こる問題は皆無とまではいえませんが、あるとしても人間関係としてありがちな問題がほとんどだと思います。

髙橋 はい。作品でも書いたのですが、些細なことで衝突も起こります。でも、それはどこでもあり得ることですね。むしろメリットに注目したいですよね。女性限定ではなく、いろんな世代の男女が住めるシェアハウスもありますし、セキュリティ面や万が一何かあった時でも、独り暮らしより安心です。

――高橋さんは、実際にはシェアハウスには住んでいらっしゃらないんですね。

髙橋 はい。実は絶賛婚活中なんです(笑)。作品のような暮らしにも魅力を感じますが、まずは夫と暮らしたいので。子どもも欲しいです。

――メディア関係のお仕事で出会いはないんですか?

髙橋 私にとって仕事は“戦い”なんです。戦場で出会いなんかあり得ませんよ。

――家族がいないと孤独死も不安ですね。

髙橋 それは、あまり心配していないんです。死んでしまったら、もうわからないじゃないですか。他人さまに迷惑はかけますが、それよりも生きている間が問題だと思っているんです。「選択的シングルマザー」や精子バンクにも興味があります。

 国際的には選択的シングルマザーも認められている国が多いのに、日本は遅れていますよね。キャリアアップに専念してきて、妊娠が難しくなる40歳近くになってもパートナーに恵まれない女性が「子どもだけは生んでおきたいと思う」のは特殊なことではないんですよ。日本でもシングルの女性が精子バンクから精子を買えたらいいのに。

 夫でも恋人でもない男性から精子をもらうことについては小説『チルドレン』(『恋は、しばらくお休みです。』泰文堂・所収・絶版)で書きました。古書では手に入るので、興味がある方には読んでみていただきたいです。

――確かに仕事に追われていると、妊娠は躊躇しますよね。保育所の不足や教育費用の問題もありますし。

髙橋 私も今まではそう思っていたのですが、意外にそうなればなったで、何とかなる気もしています。捕らぬ狸の皮算用の部分もあるのかもしれないなと。

■最後のセーフティーネットは「人」

――日本でもシェアハウスやコレクティブハウスなどは広まりつつあるようです。

髙橋 暮らし方の選択肢が増えるのはいいことですよね。独りぼっちに「慣れない」ことが重要だと思います。私も不安はありますが、寂しくはないんです。今は私も両親も健康ですが、将来はどうなるんだろうと思うと怖いんですね。親の介護を東京と地方の遠距離でできるのか、親が亡くなってそのあともずっと独りだったら、と考えると不安しかありません。

――確かに心配ですね。シェアハウスに住めばすべて解決するわけではないと思いますが、ひとまず周囲が顔見知りで孤立していないというのは安心できますよね。

髙橋 そうなんです。作品でいちばん伝えたかったことは、シェアハウスで一緒に暮らすことは、「哀しみは半分にしてくれて、喜びは2倍にしてくれる。そして未来は独りでいるよりも、ずっと無限の可能性を秘めている」ということです。

 これからは「一生フリーター」という方も増えていくでしょうから、家賃をシェアしてコストをかけずに住むことはもっと注目されると思います。やっぱり最後のセーフティーネットは「家」、というか「人」なんだと思います。

(蒼山しのぶ)

髙橋幹子(たかはし・もとこ)
1975年山形県生まれ。地元の農協勤務を経て、東京でOLをしながらシナリオを勉強、第20回フジテレビヤングシナリオ大賞、NHK奈良のドラマ万葉ラブストーリー公募で最優秀賞。現在は『ちびまる子ちゃん』 (フジテレビ)、『おじゃる丸』(Eテレ)などで脚本を担当している。『東野圭吾ミステリーズ さよならコーチ』『天誅 闇の仕置人』(フジテレビ)『だから荒野(第6話)』(NHK)『おとりよせ王子 飯田好実』(メ~テレ)ほか。小説に『恋は、しばらくお休みです。/チルドレン』(泰文堂)など。

『東京シェアストーリー』(全2巻、徳間書店)
脚本家の遠山遥が一軒家を借りて「終の棲家」とし、「38歳以上」「夫・彼氏ナシ」「青春時代に『東京ラブストーリー』にハマった」という条件で集まった4人と暮らしながら、人生を歩んでいく。原作・髙橋幹子、漫画・ただりえこ。

愛子さまの登校チェックから、悠仁さま運動会潜入まで!?  現役“皇室記者”インタビュー

 日々、皇室にまつわるネタを追いかける“皇室記者”たち。同じ“記者”という名前がついているものの、彼らの仕事内容は、そのほかの芸能、政治、スポーツ分野の記者らとはまったく異なるといい、独特な取材の進め方やルールなども存在しているという。今回は、現役皇室記者にインタビューを行い、その取材方法や皇室ニュースの裏話、はたまた「記者に人気の皇族は誰?」といったことなど、ここでしか聞けない話を暴露してもらった。

――まず、皇室記者の仕事について教えてください。皇室の公務に同行して、取材をする姿をよく見ますが……。

皇室記者X(以下、X) 皇室の公務を取材するのも、仕事の1つです。ただし、その進め方は、新聞・テレビ・雑誌などで異なります。全国紙の新聞やテレビキー局などは宮内記者会に所属しており、皇室が公務で外に出られたりするときはぴったりと同行して、そのときの様子などを取材します。一方で週刊誌などの雑誌は、基本的に日本雑誌協会(雑協)に所属していて、皇室のどなたかが公務に出られる場合は、宮内庁→雑協→各出版社の流れでお知らせがきます。取材したい案件ならば、取材申請を行って当日現場に行きます。記者はあまり行かずに、カメラマンだけが行くことが多いみたいですね。

 というのも、公務が行われると、新聞・テレビ・通信社などがすぐに自社媒体でその情報を流してしまい、後発で出る雑誌は、詳しく公務の内容を書くことがあまりないんです。とりあえず写真は撮っておこうというスタンスだと思われます。

――皇室記者の中でも 新聞・テレビ・雑誌によって取材内容は違うのですか?

X 宮内記者会に所属する新聞やテレビはいわゆる“番記者”なので、例えば「天皇皇后が岩手県の被災地に訪問されて、被災者と言葉を交わされました」というような、事実しか報道しません。宮内記者会を“オモテの取材”とするなら、週刊誌のような雑誌は“ウラの取材”と言えるかと思います。

 例えば「美智子さまから雅子さまへの極秘プレゼント」といったような、表立っては報道されないウラの事実を追いかけて掲載します。そのためには、愛子さまが通う学習院女子中等科、悠仁さまが通うお茶の水女子大学附属小学校、佳子さま・眞子さまが通う国際基督教大学(ICU)などの関係者に、情報をくれるネタ元を作るなどが基本かと思います。宮内記者会の人だと、普段から皇族方の近くにいる東宮職や侍従から話が入ってくることもありますね。今夏に明らかになった生前退位のスクープなども皇室に近い人物からのリークなのかもしれません。

――一口に“皇室記者”といっても、媒体によって仕事内容はまったく異なるんですね。

X ちなみに宮内記者会の人間は、それ以外の媒体の人間などに対して何だか偉そうな態度を取る人が多いんだとか。確かに宮内記者は、ほかの媒体記者が取材できないところも取材できますし優遇されています。それで勘違いしちゃってる人もいるのかもしれませんね。

――そんなヒエラルキー意識も存在しているとは……。ちなみに、皇室記者になる人には、なにか特性があるものなんでしょうか?

X 特性などはあまりないかと思います。年齢なども特にどの世代が多いとかはないですが、皇室は、芸能や社会と違って特殊なジャンルで、知識も必要なので、長年同じ人が担当になりやすい傾向はあるかもしれないですね。

 ただ、地道なことが得意な人は向いているかなとは思います。皇室はあくまで殺人事件や原発、地震などを扱う“社会系ジャンル”にあたります。事件を扱う際に、容疑者自宅周辺を聞きこみするように、皇室も地道な取材が多いです。例えば最近、取り沙汰されている愛子さまの長期欠席。どの媒体にも「何週間お休みをしていて~」とか書いていますが、これは毎朝、記者が学習院まで行って登校するかどうかをチェックしているそうです。佳子さまがICUに入学すれば、現地まで行って同大学の学生一人ひとりにあたって近況を聞くなどもしていると聞きました。

――では、皇室記者は、具体的にどのような1日を過ごしているのでしょうか。

X 各々が担当しているネタによりますが、天皇皇后や皇太子ご夫妻が公務に出られれば、その取材に行ったり、識者や医師のところに行って、愛子さまの不登校への見解を聞き、記事を構成していく流れも考えられますね。また、皇室の誰かが公務やご静養で地方に行く際、場合によっては、そこに行って現地の様子を取材する……というのもあるかと思います。週刊誌の人たちは悠仁さまが運動会に参加したり、愛子さまが文化祭に参加したら、保護者のフリして様子を見に行くなんてこともあるのではないでしょうか。

――皇室のスキャンダルなどもたまに飛び出しますが、読者には、どういったネタが人気ですか?

X 基本的に皇室の方々は、プライベートが謎なので人気だと聞きます。家ではどんなモノを食べているのか、どんなテレビを見ているのか、ファッション誌は読むのか、彼氏・彼女はいるのか、家族内でどんな話をしているのか……挙げればキリがないですが、とにかく“私的”な情報は何でもネタになるかと思います。例えば、「愛子さまは深夜アニメが好き」とか「佳子さまが苦手なのはうなぎ」とか、そんなことでもネタになり得るかと。ただ、私的な話すぎると宮内庁との今後の関係性もあるので、媒体によってはスルーすることもあると思います。

 特に佳子さまは、“美しすぎるプリンセス”として話題になっているので、ICU内での様子なんかは、どこの媒体も情報がほしいんじゃないですかね。例えば、「学食で○○を食べていた」とか、それだけでOK。そういえばICU入学時には、「佳子さまがダンスサークルに入った」みたいなネタもかなり注目を集めていました。まぁ、とはいいつつ、佳子さまフィーバーも昨年がピークで、今年はちょっと落ち着いてきた感もあります。あとはやはり、今後、天皇家になる皇太子一家のネタは鉄板ですかね。

(後編につづく)

ハロプロ愛が爆発しすぎてヲタに嫌われちゃった“紙芝居おじさん”は、やっぱりヤバかった

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ビジュアル的にはキチガイ感もないし、マイルドな雰囲気ですが、話しだすと本当にヤバかった「おに山田」
 アイドル好きで、紙芝居屋で、画伯でホームレスという謎の男・おに山田が、ゴールデン街で「現代エロ画展」なるアヤシイ展覧会を開催しているという。  情報量がいろいろと多すぎてワケがわからないが、どうにも気になってしまう人だ。  ちょいとブログを読んでみたら(ホームレスなのに、ブログやってるんだ!)ハロプロ愛が爆発しまくった結果、少々キチガイ感がにじみ出ちゃっている文章が書き殴られていたし……。  本格的にヤバイ人だったらイヤだけど、思い切って「現代エロ画展」最終日に会いに行ったところ、予想外に人当たりはいい。……でも、ある意味では、予想以上にヤバイ人だったよ! ■どっちの意味でも、子どもが好き! ――おに山田さん。そもそも、いったい何者なんだ!? という感じなんですが、肩書としては……? 山田 ハロプロをもっと盛り上げるため、ライブ会場の前で紙芝居をやっているおじさんです。……売名目的でもありますけど。ハロプロも売れて自分も有名になって、一挙両得じゃないですか。 ――はあ……。ハロプロでいうと、どのあたりが好きなんですか? 山田 今はJuice=Juiceとか、カントリー・ガールズですね。℃-uteとかモーニング娘。'16に関しては、だいぶ冷めてきました。やっぱり、メンバーが年を取ってくると、どうしても興味が薄れてくるというのはありますね。 ――ああー……。何歳くらいがストライクゾーンなんですか? 山田 14歳が一番好きな年齢です! 18~19歳までは、ギリ大丈夫ですけど。 ――そこでギリギリかー。ちなみに、山田さんは何歳なんですか? 山田 43歳になりました。ハロプロ研修生43期生です! ……こういうことを言うから、ハロヲタの人たちに嫌われるんですけど。 ――絵は、いつ頃から描いているんですか? 山田 絵はずっと描いてましたね。ボク、絵本を描きたくて、1999年に奈良から東京に出てきて持ち込みをしていたんですけど、まったく相手にされなくて……。 ――こんな感じの絵柄で!? 山田 そうですね。タッチは、あんまり変わってないです。だから、持ち込みしても嫌がられ、「向いてないんじゃない?」とか言われ続けて……。ごくたま~に、気に入ってくれる編集者さんもいるんですど、その人が企画会議にかけてくれても全然ダメで。 ――絵本というよりは、いわゆる「ガロ」「アックス」系の漫画のほうが向いていると思いますけど、絵本にこだわりが? 山田 その頃は「絵本しかない!」って、思い込んでましたね。「ダメだ」とか言われると、悔しいじゃないですか。それで、しつこく行ってたというか……やめ時を失いましたね。 ――何か好きな絵本に影響を受けたとか? 山田 絵本は好きですけど、特にこの作者っていうのはないですね。やっぱり子どもが好きなんで……どっちの意味でも。 ――どっちの意味でも! 山田 子どもと、すごく話が合うんですよ……14歳くらいまでの子と。絵本を描けば、子どもを相手にできるというのがいいなって。 ――今までの話を聞いていると、自分の子どもは絶対に相手をさせたくないですね。 山田 そうそう、そこがジレンマでした。そういう意味もあるけど、そういう意味じゃない部分もあるから難しいんですよね。男女かかわらず、子どもは好きなんですけどね……。でも、絵本を描いて子どもに読ませても、全然ウケなくて。 ――このテイストじゃあ、なかなか子どもの心に響かなそうですよね。
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山田さんの描く絵は、こんな感じ
■最終的には、ハロプロと同じ舞台に立ちたい ――絵本から紙芝居に行ったきっかけは? 山田 絵本をいくら描いても出版してもらえないんで。だったら、紙芝居も似たようなもんじゃないですか。子どもの前ですぐにやれるし。それで紙芝居を作って、道や公園でやり始めたんですけど、なぜかすぐに止められちゃうんですよ。 ――うーん……まあ、止めますよね。 山田 仕方ないので、当時住んでいたところの商店街に頼みに行ったら「下北沢一番街商店街」のガレージのところが空いているっていうんで、しばらくそこでやらせてもらっていました。そうしたら結構、子ども連れの親子が見てくれるようになって……。だったら大人も楽しめる紙芝居にしようと思って、下ネタの紙芝居を始めたんですけど。 ――なんでそこで下ネタに行っちゃうの!? 山田 それなら大人も楽しめるから、子連れじゃない人や、若い人たちが見てくれるじゃないですか。 ――でも、子連れはいなくなりますよね? 山田 まあ、いなくなりましたね。でも、幸いに、商店街の人たちは面白がってくれたんですよね。それで調子に乗っちゃって、「ここじゃなくても、やれるんじゃないか?」と考えて、ハロプロのライブの開場前に、紙芝居をやるようになったんです。みんなヒマしてますからね。 ――ああ、ここで「売名」という気持ちが出てくるわけですね。 山田 ボクも有名になるし、ハロプロも売れるしで、最高じゃないかと思ったんですけどね。結果、どっちもパッとしてないですけど。ある意味、有名ヲタにはなれましたけどね。……嫌われてますけど。 ――ハロプロヲタの人たちは、どんな反応だったんですか? 山田 最初にやった時はものすごく怖がられて、Twitterでエゴサしたら「会場前にキチガイがいた!」とか書かれていましたね。そのうち、キチガイではないということをわかってもらえて、みんな集まってくれるようになり……。まあ、集まってくる人たちもキチガイじみてましたけど。 ――それが、どうして嫌われてしまったんですか? 山田 ちょっと有名になったと思って、調子に乗っちゃったんですよね。Twitterに運営に対しての不平不満を書いたり。決定的だったのは、宮本佳林ちゃん(Juice=Juice)のスクール水着の写真がプリントされたTシャツを作って、握手会に参加したことが……。 ――なんでそんなことを!? 山田 本人に見せたら、面白がってくれるかと思って。そしたら、佳林ちゃんは大丈夫だったんですけど、隣にいた高木紗友希さんに「気持ち悪くない?」とか言われて、握手を拒否されちゃって。それを狼(ハロプロ@2ちゃんねる掲示板)に書かれちゃったんです。思いの外「なんてことをするんだ!」みたいなことになってしまいましたね。 ――そういうTシャツを見せて、アイドルから認知されたいという気持ちもあったんですか? 山田 それはないんですよ、本当に。紙芝居で有名になって、最終的にはハロプロと同じ舞台に立ちたいと思っているんで、それまでにファンとして認知されてもうれしくないです。Tシャツに関しては、本当に遊び心で「こんなのを作ったんだよ」という気持ちだったんですけど、それをきっかけにヲタクたちから嫌われてしまいましたね。
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一見、いい絵っぽく見えるんだけど、よく見るとヤバイ。ある意味、天才!
■これからは、アプガの現場で頑張ります!? ――さて、今回の「現代エロ画展」という展覧会は、どうしてやることになったんですか? 山田 今年5月に「現代アイドル画展」というのをやって、その時はみんなが絵をバンバン買ってくれたので、“これはいけるぞ”という感じがあったんですね。 ――結構、いい収入になった? 山田 はい、ちゃんと熊本地震にも募金しましたし。ただ、今回の「現代エロ画展」のほうは……今日が最終日なんですけど、今のところ赤字ですね。というか、一日で巻き返せるとも思いませんし。 ――「現代アイドル画展」では、そのアイドルのファンたちが買ってくれたというのも、あるんじゃないですか? 山田 そうですね。「あの子を描いています」とは明確には言ってないんですけど、まあ、それらしくは描いているので、ファンの方が買ってくれていましたね。それに、ハロプロのライブで知り合ったヲタの人たちが、わりと来てくれたんですよ。でも今回は、ハロプロ関係の知り合いは、まだ1人だけですね……。 ――やっぱり、スクール水着Tシャツ事件が尾を引いて……? 山田 それはないと思いたいですけど……それかもしれませんね。あとは、研修生のヲタの人たちとTwitterでケンカしたりもあったんで、それもあるかも。 ――山田さん、もうTwitterやめたほうがいいですよ! 最近は、ハロプロ現場で紙芝居はやってるんですか? 山田 やってるんですけど、冷たくはなってますよね、反応が。誰も集まってこないし、Twitterで話題にもならないし。 ――それだけ、根が深い問題だったんですね。ほかの現場にくら替えしたりとかは考えてないんですか? 山田 うん、だから最近アップアップガールズ(仮)に行ってます。アプガの前ではまだ紙芝居はやってないんですけど、そのうちやるつもりです。 ――じゃあ、アプガの現場で、温かく迎えてもらえたらいいですね。 山田 だといいんですけど……すぐもめちゃうんで……。 ――紙芝居自体の評判はよかったんですから、たぶん紙芝居以外の部分がすごく悪いんだと思いますよ。 山田 ……性格かな? だとしたら、最悪ですね。 ――まあ、今後はアプガの現場で頑張っていこうと。 山田 別にハロプロでもやりますけどね。 ――ファンに嫌われても、ハロプロ愛は揺るがない? 山田 なんか、腹が立つじゃないですか! 負けた感じになるのがイヤなんで。あっちは気にしてもないと思いますけど。
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最後に「せっかくだから」と紙芝居を披露してくれたんですが、マンツーマンで紙芝居を見るのは正直、キツかったっす!
■まずは、住むところを探さないと…… ――じゃあ最後に、ハロプロと同じ舞台に立つために、計画しているこれからのビジョンを教えてもらいたいんですけど。 山田 やることはいっぱいありますよ。まず、今ホームレスですからね。会社の事務所の一角に住み着いているんで、住むところを探すところから始めないと。 ――長い道のりだな~……。 山田 何かすごい賞を獲ったら、一気に行けるかなとも思ってるんですけどね。賞を獲って、権威を手に入れたいです! ――権威を手に入れて、自分を嫌ったヲタたちを見下したいとか? 山田 そうですね。いいですね、それ! ――それで調子に乗って転落する姿が目に浮かびますよ!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) ◆『突撃取材野郎』過去記事はこちらから◆

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森且行 インスタグラムより(現在は削除)
デスクT ねえねえ、今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の大賞、どれに選ばれると思う? 俺は、「してないしてない、してないっす」か、「A brand new reborn」だと思うんだけど。 記者H どちらもノミネートされてませんし、「してないしてない、してないっす」は、小倉優子の不倫夫が「週刊文春」(文藝春秋)の記者に言い放った言葉ですよね。「A brand new reborn」は……、一体なんなんですか? デスクT は!? 浜崎あゆみが10月にSNSに書いてた面白い英語ですけど。離婚発表後に「新しく生まれ変わった私は前よりもずっと強くなったんだとあなたは言った。そうであるよう歩いて行くよ。A brand new reborn, Stronger than before! Right?」って宣言してたじゃん。 記者H 「A brand new」に、さらに「reborn」を被せてくるなんて、1周回って元に戻っちゃいそうですね。そんなことより、15日発売の「FLASH」(光文社)が元SMAPの森且行の近況を報じています。 デスクT 森くんって、8月に“杏里似”の子連れ美女との不倫が週刊誌に報じられてたよね? 亜紀夫人や息子とは、もう何年も別居状態みたいだけど、離婚は成立したのかな? 記者H 不倫相手と埼玉県で同棲していると言われている森ですが、今回の報道によれば、森は離婚を望んでいるものの、慰謝料の金額が折り合わず、妻が拒んでいるそうです。 デスクT 『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の最終回に出るのでは、なんて報じられてるけど、本人はそれどころじゃないね。 記者H そもそも、森の不倫疑惑を女性週刊誌が3ページにわたって報じたのも、SMAPの解散騒動に完全に便乗したものでしたからね。森にとって、とばっちり以外の何ものでもありませんよ。 デスクT 森くんってば、SMAP解散発表後に、自身のインスタグラムも突然やめちゃったしね。 記者H それは、不倫報道が原因とも言われていますから、まだ同情はできないですけど……。僕が聞いた話では、『SMAP×SMAP』に森が出る可能性は、かなり低そうですよ。 デスクT でもさあ、亜紀夫人に莫大な慰謝料を請求されて、お金に困ったら、『SMAP×SMAP』に出る気になるかもよ? ってことは、亜紀夫人が鍵を握ってるってことだね! 亜紀夫人、慰謝料の吊り上げ頼んだよ!

辻希美・杉浦太陽が受賞!「いい夫婦」選考基準とは?

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デスクT ねえねえ、辻ちゃんが15日のブログで「このXmasグッズ全部100均だょ」「100均なのに10000万円越えしてしまったと言うね 辻希美ァルァル…」(原文ママ)って綴ってるよ! 100均で1億円分買うなんて、さすがブログ長者だね! 記者H 間違えただけでしょう……。辻ちゃんといえば、14日に行われた「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」表彰式に、白いウエディングドレス姿で、夫の杉浦太陽と共に登場。「結婚発表の時は、(妊娠していて)皆さんにドレス姿をちゃんと見せられることができなかったので、(結婚)10年という節目にウエディングドレスを着て皆さんの前に立てて嬉しい」と笑顔でコメントしました。ちなみに、2人が揃って報道陣の前に立つのは、2007年の結婚発表会見以来だとか。 デスクT へ~、意外とセットで仕事してないんだね。“デキ婚”だから、事務所同士に確執でもあるのかなあ? でも、なんで今さらこの2人が選ばれたんだろう? 記者H 「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」の選考基準は、かなり曖昧。「離婚しなさそう」っていうのはマストでしょうけど。ちなみに、15日に「女性自身」(光文社)が発表した「理想の夫婦ランキング」のトップ20に、杉浦・辻夫妻は入っていません。 デスクT ますます選考基準が謎だね。でも、昨年の馳浩・高見恭子夫妻とか、今年の宇崎竜童・阿木燿子夫妻とか、なかなか渋いところついてくるから嫌いじゃないよ。ちなみに、過去の受賞者の中に、離婚した夫婦っているの? 記者H 11年に受賞した高橋ジョージと三船美佳が離婚していますね。主催者のホームページから写真が消され、「高橋ジョージさん、三船美佳さんは離婚され、ご夫婦ではなくなったため、おふたりの情報は外させていただきました」との注意書きが、赤い文字で残されています。 デスクT 血の色だね。 記者H その影響か否かはわかりませんが、以前は1組だけだった受賞者が、ここ数年は2~3組に増えています。 デスクT 離婚されたら、主催者も自信なくなっちゃうよね。何はともあれ、辻ちゃんお幸せに~。

久々登場のMay J.「あの人は今」状態に

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元気出して!
記者H 季節がら、各地で芸能人が登場するイルミネーション点灯式が連日行われています。今週は、14日の六本木ヒルズの点灯式には藤原紀香、15日の東京ミッドタウンには桃井かおり、同日のデックス東京ビーチには岡田圭右の長女・岡田結実、16日の羽田空港には稲垣潤一、岡本真夜、青山テルマ、17日のカレッタ汐留にはMay J.が登壇しました。 デスクT May J.! 懐かしい~。 記者H ネット上でも、「そういえばこんな人、いたね」「忘れてた」「全然見なくなったね」「元気かな」という反応が相次いでおり、完全に「あの人は今」状態になっています。ちなみに、この日、流行語大賞の候補が発表されたことを受け、“自身の流行語”を聞かれたMay J.は、「母がテレビの密着で出演した時に言っていた言葉『きっと大丈夫』です。それが自分の中の大賞です」と微笑んでいました。 デスクT 悲壮感漂いすぎじゃない? みんながイジめるから~。 記者H また、クリスマスの予定を聞かれると、「今年はまだ予定が決まっていない。クリスマスが3連休なので、全国を回ってクリスマスソングを届けたいです。まだ決まってないんですけど」と答えていました。 デスクT うう……、涙が止まらないんだけど。完全に持ち歌を唄うの諦めてるし。皆さん、歌うまいんですよ、この子。 記者H 仕方ないですよ。オリジナル曲を誰も知らないんですから。それに、彼女は今月16日にクリスマスソングのカバーアルバムをリリースしたばかりですから、宣伝のために「クリスマスソングを届けたい」と言ったのでしょう。 デスクT そうだったんか。ええ子や、ええ子や……。 記者H 点灯式といえば、10日に兵庫県のリゾート施設「ネスタリゾート神戸」のイルミネーション点灯式に、ベッキーが登場。不倫騒動以降、企業関係のPRイベントに登場するのは初めてとあって、マスコミが集まりましたが、特に報道陣への対応などはなく、イベント後、そそくさと車で会場を去っていきました。
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デスクT 地方は報道陣が集まりづらいから、ベッキーを起用するのは賢いかもね。今ならギャラも下がってるだろうし。 記者H でも、ネット上では「ベッキーを点灯式に出すなんて、縁起悪い」との声が殺到していますよ。 デスクT ベキ子は、親友の上戸彩姐さんに、LDHの輩を1人あてがってもらったらいいよ。11日発売のフォトエッセイ『AZZURRO 特別限定版』(幻冬舎)がバカ売れ中の三代目 J Soul Brothersの岩田剛典なんて、おすすめだよ? 高級革靴メーカー・madrasのご子息だし、慶應義塾大卒のエリートだっていうじゃない。 記者H 三代目 J Soul Brothersは、いろいろあって傷心中ですから、今はそっとしてあげてください!

斎藤工、女子大生とのセックススキャンダル認めた! 業界人を感服させた“異例のコメント”

 斎藤工と一般人女子大生との“ワンナイトラブ”が、17日発売の「女性セブン」(小学館)に報じられた。斎藤から携帯電話の番号とLINEのIDを渡され、後日、肉体関係を持ったことが赤裸々に明かされているが、このセックススキャンダルに対し、斎藤側が“異例の対応”を行ったと、芸能プロ関係者の間で話題になっているという。

 同誌では、有村架純似という21歳の美人女子大生が、斎藤との関係を告白。都内の某パーティーで斎藤に声をかけられ、連絡先の交換に至ったという。そして2日後には斎藤の自宅に呼ばれ、その場で関係を持ったとか。その日以降は連絡が途絶えがちになり、結局一夜だけの関係に終わったそうだが、「痛くないか、寒くないかと、自分よりも、私の体を第一に考えてくれました」など、記事にはセックス描写もつづられている。

「連続ドラマ主演級俳優のセックススキャンダルだけに、『セブン』側も気合を入れて記事を書いたと思われます。斎藤の軽率な行動に批判が集まると思っていたのでしょうが、ネット上を見ると、女子大生に対して『ペラペラしゃべるのはよくない』といった批判が噴出しており、さらには『嘘くさい』『ガセ記事』といった声もファンから飛び交っています」(芸能ライター)

 即座に炎上へと発展しそうなスクープが、“ガセ扱い”されてしまった理由について、芸能プロ関係者は「斎藤側の異例の対応が功を奏した」と分析する。

「記事の最後で、斎藤の所属事務所は『好意を持っていた女性ではありましたが、すでに終わっております』と、記事の内容をまったく否定せず、それどころか女子大生と肉体関係があったことを、あっさりと認めています。普通“下半身スキャンダル”の取材に対しては、多くの事務所が無視を決め込むか、否定的なコメントを出すもの。ところが、あえて関係を認めることによって、週刊誌側が期待した『一般人をヤリ捨て!』といったネガティブなイメージがつくのを回避できたわけです」

 確かに斎藤側が関係を認めている以上は、不倫でもないことから、批判することは難しいだろう。

「斎藤の所属事務所は、それこそ売れっ子は彼1人ぐらいという小所帯。その稼ぎ頭の下半身スキャンダルを堂々と認め、炎上を防いだのは、なんとも賢明な判断だったといえるでしょう。一度否定したものの嘘がバレてしまい、結果大炎上に発展したベッキーにも、見習ってほしいほどのファインプレーです」(週刊誌記者)

 今後、芸能人のセックススキャンダルは「素直に認める」ことが重要となるのかもしれない。