幹部の粛正に次ぐ粛正や、ミサイル発射、核実験といった蛮行を繰り返し、国際的なヒールになっている北朝鮮の金正恩党委員長。だが最近、彼の“ナイスガイ”ぶりをアピールする写真集が平壌国際空港で販売開始された。「圧死するんじゃないか」(北朝鮮ウォッチャー)というほど多数の人民が正恩氏に殺到するシーンをはじめ、女性兵士や老女の顔に急接近したり、子どもたちに手を差し伸べるなど異様なフレンドリーぶり。さらに、ヤギの糞にまみれるといった衝撃シーンの連続だ。 関係筋から入手したのは、正恩氏の写真集『人民の偉大なる空』(A4判、172ページ)。朝鮮労働党機関紙の労働新聞で公開された現地指導の様子に加え、初公開となる写真が含まれている。注目は、正恩氏の押しくらまんじゅう写真だ。説明文には、平壌市内にある各地の工場を現地指導し「熱狂的な歓呼を受ける、敬愛なる金正恩同志」とあるが、数百人規模という半端ない数の人々に、もみくちゃにされている。正恩氏の最新写真集『人民の偉大なる空』
人多すぎ!
日本国内で北朝鮮情勢を分析する民間研究員の男性は「金日成、金正日時代には考えられないシーンだ」と目を丸くする。女性兵士の顔に急接近
糞まみれの最高指導者
最高指導者の写真は「1号写真」と呼ばれ、綿密なセッティングの上で撮影される。この研究員によると、写真に写り込む予定の人民は、思想性や家柄を徹底的に調べ上げられ、当日は風邪などの感染症ではないか検診を受けた上で「全身にスプレーで消毒液をかけられる」(同)という。最高指導者の前で失敗や失言は許されず、極度の緊張を強いられるが、「握手すれば、生涯にわたって年金をもらえるという脱北者の証言がある」(同)という。 一方、実際に写真を見ると、とても全員に年金など与えられないだろうと思われるほど多くの人民が、正恩氏の元に殺到している。また、歓呼の声が大きすぎるのか、正恩氏が人民に顔を近づけて耳を傾けたり、少年兵と見つめ合うといったBLっぽい写真も掲載されている。 研究者が驚いたのは「東海前線警戒所」という、軍施設に併設されたヤギ小屋を現地指導しているシーン。「正恩氏の足元はヤギの糞だらけ。普通は掃除をするはずなんだが……。人民に接近したり、糞まみれを演出することは、民心に近い指導者像を必死にアピールしようとしている」(同)というのだ。 写真集でわざわざ「ナイスガイ」をアピールせねばならない背景には、カリスマ性の低下が疑われる。韓国の朴槿恵大統領も窮地に立たされているが、同じ半島の北でも、政権は危うい。怖い者知らずのチビッ子たち







