
オム、カレー、ハヤシのゴールデントライアングルは夢の世界の入り口。
子どもの頃の夢って何でした? 消防士になること? それとも仮面ライダーやウルトラマン? でも中には、
「オムライスとカレーライスとハヤシライスをいっぺんに食べたい!」
っていう、大きな夢を抱いていた男性も少なくないでしょう。そんな夢を叶えてくれる街の洋食屋さんを見つけたんです!
蔵前にある「一新亭」は、なんと100年以上も続いた歴史ある食堂で、現在の場所に移転してからも80年が経つという。

お昼時は相席になるであろう人気の洋食屋。壁にはご主人が撮った写真が並ぶ。
てことは、70年前の東京大空襲からもギリギリ逃れて現代に生き残った食堂ということ。なんか、めっちゃご利益ありそうな予感(笑)。そこの名物が、子どもの頃の夢が一皿に乗っかった「三色ライス」なのだ!
歴史ある食堂といっても老舗高級店ではなく、今はほとんど見かけなくなったタックの入ったガラスから、風になびく暖簾が透けて見える下町の洋食屋さんだ。おいしいに決まっている。
注文してから数分後、笑顔の優しい女将さんが運んで来てくれたのが夢の詰まったこのひと皿だった。

オトナになっても未だにおいしいオムライスは人気メニューの定番。
どう? オムライスとカレーライスとハヤシライスがきれいなトライアングルを描いてお皿に盛られている。
横にお新香とお味噌汁が添えられ、スプーンをペーパーナプキンで包むあたりも雰囲気を壊していない。コップに突っ込んで出て来たらもっと良かったかも(笑)。
しかし、実際に夢のトリオを目の前にすると、果たしてどれから食べればいいのかわからなくなってしまった。とりあえずお味噌汁で喉を潤し、本能のまかせてやおらスプーンを運んだのは、やっぱり子どもの頃の夢のごちそうだったオムライスだった。
薄焼きタマゴとケチャップライスのハーモニーはまろやかで、空きっ腹でなくても舌とはらわたに染み渡る。懐かしい味のカレーライスと、オトナの世界をかいま見たかのようなハヤシライスのコクと酸味の相性もバツグンだ。
「あ~、もう全部いっぺんに食べたいよ~!」

3つの味が混じっても、それはそれでOK。
てことで、ワンスプーンの上に小さな三色ライスワールドを造り、それをひとくちで頬張る。と、子どもの頃の夢と憧れ、そしてオトナへの階段が走馬灯のように口内を駆け巡るのだった。
すぐに叶いそうなのになかなか叶わなかった子供の頃の夢のメニューは、下町の洋食屋さんにあった。

店のテントにもイラストが描かれている名物三色ライスは、20年ほど前からあるらしい。
蔵前 一新亭『三色ライス』1100円
インパクト ☆☆☆
味 ☆☆☆
店 ☆☆☆
(写真・文=よしよし)