改憲勢力3分の2で安倍首相が膳場貴子や池上彰にキレ気味で本音「改憲はもうイエスかノーかの段階じゃない」

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YouTube「ANNnewsCH」より
 参議院選の結果、安倍政権は、改憲勢力での3分の2議席を確保した。昨日、安倍首相は各局の選挙特番に出演。憲法改正について、「与党野党の区別なく国会の憲法審査会で合意をつくっていく」「落ち着いて取り組んでいきたい」という言葉を繰り返した。  それを受けて、マスコミは“一気呵成に改憲に進むことはない”という論調で報じているが、冗談じゃない。むしろ今回の“争点隠し”により衆参3分の2を確保したことで、安倍首相は自分の任期中に一気に憲法改正の発議にもっていくだろう。それは、各局インタビューでのやりとりからも明らかだ。  たとえばテレビ朝日『選挙ステーション』では、『報ステ』キャスターの富川悠太が「やっぱり街頭演説で(憲法改正をすると)言わないと民意を問うていることにならないんじゃないか。民意は反映されてないんじゃないか。それでも(発議を)やるんでしょうか?」という声が番組に届けられていると指摘。すると、安倍首相は小馬鹿にしたようにプッと吹き出して、ニヤニヤしながらこうのたまった。 「いま申し上げたんですが、自民党はそもそも憲法改正しようということをずっと言っている党でありますから、自民党はそういう人たちが集まっている党であります。ですから自民党で出ている以上、党の基本的な考え方、政権公約のなかにも入っていますから、当然、それを前提に票は入れていただいているんだと思います」  絶句するような詭弁だが、これ対して富川キャスターが「ということは民意を得られていると考えているのか」と食い下がると、「もう!議論が噛み合ない!」と安倍首相はイライラしながら「民意を得られるかどうかはですね、そこのところ多くの方が基本的にわかっておられないんだろうと思います」と愚弄。さらに発議前に解散してしっかり信を問うという選択肢について聞かれると、キレ気味に「発議したあと国民投票するんですから、その議論はちょっとおかしいんじゃないですか?」と嘲笑した。そして「いまなんとなく、アナウンサーの方と議論が噛み合わないのは、法律と憲法をごっちゃにされているんですね」と、富川キャスターをあえて名前ではなく「アナウンサーの方」と呼んで、完全にバカにするありさまだった。  こうした安倍首相の国民をバカにした振る舞いは、TBSの選挙特番でも同様だった。膳場貴子キャスターからの「この選挙結果をもって憲法改正への民意は示されたとお考えですか?」との質問に対し、安倍首相はこうまくしたてた。 「何をもって改憲勢力と言うのかはわかりませんが、民進党のなかにも憲法改正をする必要性を感じている方もおそらくいらっしゃるんだろうと思います。それは今後、憲法審査会のなかで色んな議論が出てくる。お互いが議論を深めていくなかで、どの条文をどういうふうに変えるかが大切なんであって、憲法改正に対してイエスかノーかというのはもういまの段階ではもうあまり意味がないのかなと思っています」  つまり“改憲はもう決まっていること”“最後は国民投票するんだからつべこべ言うなよ”ということらしい。しかし、何度でも繰り返すが、安倍首相は改憲について街頭演説で一言も触れず、自民党の選挙公約にもいちばん最後にほんの数行しか書いていない。にもかかわらず選挙が終わったとたんに“改憲前提”を主張するのは、完全に詐欺的行為だろう。安倍首相は「イエスかノーか」という段階を、参院選の“争点隠し”で意図的にすっ飛ばしたのである。言うまでもなく、国民のなかには現行憲法のままで十分であって発議自体が必要ないと考えている人は多数いる。安倍首相は、そうした“国民の発言権”を根こそぎ奪いとったのだ。  事実、朝日新聞による今月の世論調査では、〈安倍首相は憲法改正について、「参議院選挙で争点とすることは必ずしも必要がない」と話しています。こうした安倍首相の姿勢について、妥当だと思いますか。妥当ではないと思いますか〉という問いに対し、〈妥当だ〉がわずか28パーセント、〈妥当ではない〉が52パーセントと、半数以上の国民がこの“改憲争点隠し”を疑問視していた。他の最新世論調査でも、憲法を改正するべきでないという答えが改正すべきを上回っているものがほとんどだ。それを安倍首相は「国民投票があるのだから選挙で信を得る必要はない」などと強弁するのだから、開いた口がふさがらない。  そんな安倍首相がもっとも回答に窮したのは、やはり池上彰がキャスターを務めたテレビ東京の選挙特番だった。池上が、安倍首相が街頭演説で一言も改憲について触れなかったことに対し、「今年の年頭の記者会見では参議院選挙で憲法改正を国民に問うとおっしゃっていましたね」と切り込むと、安倍首相はしどろもどろになって、こんな本音をポロリとこぼしたのだ。 「あのー、いわば、それはですね、憲法改正する、あるいは、憲法改正について指一本触れないという主張との違いということについてですね、この3分の2以上の方々が憲法を改正するという考え方が調整をしておかないと、そもそも議論が進んでいかないわけであります」  日本語になっていない“アベ語”の典型のような受け答えだが、しかし、安倍首相は少なくとも国民に知らせないまま、とにかく憲法を改正してもいいという「3分の2以上の方々」をつくるべく「調整」していたことを明かしたのだ。  実際、その動きは着々と進んでいた。たとえば、連立与党を組む公明党はこれまでは平和主義と9条の堅持を主張していたが、今回の選挙公約では憲法に関する記述の一切を削除していた。これは明らかに憲法改正に向けて行動を共にすることを自民党との間で合意したと考えていいだろう。  おおさか維新の会については、本サイトでも何度も指摘しているように、とっくに密約ができている。  そしてこれから、その黒い手は民進党内に伸びていくだろう。先にも触れたとおり、安倍首相はテレ朝やTBS、フジテレビなどのインタビューでも“民進党のなかにも改憲すべきだという人がいる”と強調していた。これは、改憲をアジェンダにして民進党党内に楔を打ち、内部分裂させることを宣言したものだ。  今回の参院選で安倍政権がもっとも警戒したのは、もちろん野党共闘だった。昨年の安保国会からの流れで“反改憲”の風が吹けば、自民党にとって大打撃は必至。それで選挙戦では改憲に触れず、民進、共産攻撃を執拗に繰り返したわけだが、いよいよ議席を確保したいま、今度は「与野党合意」という大義名分を得るために本格的に民進党内の改憲派を切り崩しにかかろうとするはずだ。  ようするに、安倍首相は“憲法審査会で議論する”などと言っているが、その本質は「議論」などという上等なものではなく、さまざまな謀略を張りめぐらした“反・安倍改憲”の民意が盛り上がる芽を徹底して潰し、おそらく一気に「緊急事態条項」の新設に踏み切ろうとするはずだ。マスコミが報じている“安倍政権は慎重に改憲議論を重ねる”というのは、まったくの見立て違いなのである。  さらに言えば、マスコミは安倍首相がいきなり9条改正を発議にかけることはないと予想しているが、それも今後の情勢次第ではどうなるかわからない。切り崩しが奏功して、もし民進党が党を割るようなことがあったら、前言を撤回して「選挙で信を問う」などと解散総選挙を行い、野党共闘を完全に崩壊させようとする可能性は決して低くはない。加えて、アメリカの大統領選も関係してくる。仮にトランプが大統領になって日米同盟見直しの機運が高まれば、一気に「9条2項改正」に打って出ることも考えられる。  いずれにせよ、今回衆参3分の2を確保して主導権を得たことで、安倍政権が切ることのできるカードは倍増した。このままの情勢では憲法改悪は避けられない。そして、圧力に萎縮し政権を忖度してばかりのマスメディアが盛んに改憲の話題を扱うのも、せいぜい今週までだ。そのあとは、またぞろだんまりを決め込むだろう。  しかし、失望する必要はない。たしかに、今回の参院選で与野党の議席は過半数を大きく超え、おおさか維新や日本のこころ、無所属も含めた改憲勢力は3分の2を超えた。  だが、一方で、野党共闘は御用マスコミの言うように「不発に終わった」わけではない。2013年の参院選では31の一人区で非自民が獲得したのはわずか2議席だったが、今回は32の一人区のうち11の選挙区で議席を確保し、当初、確実視された自民党の単独過半数をぎりぎりのところで阻止した。そして、福島、沖縄という日本のなかでいちばん犠牲になっている2つの選挙区では、安倍内閣の現職閣僚が揃って落選した。これは旧民主党がぼろ負けした2012年の衆院選で閣僚8人が落選して以来の事態だ。  マスコミ、とくにテレビが安倍政権の宣伝装置と化し、一切の批判を封印しているなかで、この結果は大きな前進といえるだろう。  そういう意味で言うと、わたしたちがいま、もっとも気をつけなければいけないことは、御用マスコミによる「野党共闘は失敗だった」という扇動に乗らないことだ。むしろ、安倍政権と民進党内にある保守派の動きを細かく注視し、野党が切り崩しに屈さないよう、声を大にして発破をかけることだ。そして確実に言えるのは、なんとなく改憲をよしとする空気感をつくり出そうとしている安倍政権のやり方に決して乗らない、ということだ。  法を護ろうと考える過半数以上の国民にとって、本当の戦いは今日から始まっている。 (編集部)

リリー・ジェームズ主演『高慢と偏見とゾンビ』9月より公開 ゾンビと戦う中で芽生える愛を描く

【リアルサウンド】  リリー・ジェームズ主演作『PRIDE AND PREJUDICE AND ZOMBIES』が『高慢と偏見とゾンビ』の邦題で、9月より日本公開されることが決定した。  本作は、ジェーン・オースティンによる恋愛小説『高慢と偏見』の舞台を、謎のウィルスに感染した終末世界に置き換え、200万部越えを記録した同名小説を映画化したもの。ウィルス感染者がゾンビになって襲う18世紀イギリスの片田舎を舞台に、カンフーでゾンビと戦うベネット家の次女エリザベスと、隣に越してきた大富豪の騎士ダーシーが、ともにゾンビと戦うことになり、次第に互いの偏見に気づきながらも惹かれ合っていく模様を描く。  メガホンを取ったのは、『セブンティーン・アゲイン』のバー・スティアーズ監督。主人公のベネット家の次女エリザベス役を『シンデレラ』のリリー・ジェームズ、大富豪の騎士ダーシー役を『マレフィセント』のサム・ライリーがそれぞれ演じるほか、『アメリカン・ハッスル』のジャック・ヒューストン、『ダーク・シャドウ』のベラ・ヒースコート、『ノア 約束の舟』のダグラス・ブース、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のマット・スミスらが脇を固める。 ■公開情報 『高慢と偏見とゾンビ』 9月よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次ロードショー 監督・脚本:バー・スティアーズ 原作:「高慢と偏見とゾンビ」ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス著(二見文庫 安原和見:訳) 出演:リリー・ジェームズ、サム・ライリー、ジャック・ヒューストン、ベラ・ヒースコート、ダグラス・ブース、マット・スミス 配給:ギャガ (c)2016 PPZ Holdings,LLC 公式サイト:http://gaga.ne.jp/zombies