
おでこや鼻の上など、顔面にコンドームを貼りつける女性たち
6月6日午前9時ごろ、まだ通勤客も多い北京市内を走る地下鉄の車内で、奇天烈な行動を始めた女性たちがいた。20代前半と思われる5~6人の女性が横一列に並んでシートに座り、手元から何やら取り出した。そして、ピンク色をしたその物体を指先で広げると、一斉に自分の顔へ貼りつけ始めたのだ。
よく見るとそれは、コンドームのような形をしている。いったい何ごとかと周りの乗客が驚く中、女性たちはお構いなし。スマホで写真や動画を撮られるのも気にすることなく、気持ちよさそうに目をつぶっている。

肌に貼りつけたら、あとはじっと待つだけ?
何をしているのかと一人の乗客が彼女たちに聞いたところ、澄ました顔でこう答えたという。
「どこが珍しいの? コンドームパックを見たことないの?」
この映像がネットにアップされると、たちまちネット民たちの話題に。これはコンドームメーカーのPRではないかという話が出回り、低俗なやり方だと非難の声が上がった。
「広告費の節約で、こんなことをするのか?」
「この女たちも、ホントに恥知らずだな。よくコンドームを顔に乗せられるな」
「次は、生理用ナプキンでも顔に貼りつけるのか?」

コンドームの形のまま貼りつけたのでは、効率が悪いと思うのだが
ほどなくしてこれはコンドームではなく、実はコンドーム形の顔面パック製品であり、彼女たちの行動は同商品のPRだったことが判明した。
その日の午後になって、この製品を販売しているメーカーが声明を発表。確かにコンドーム形だが、表面に塗られた潤滑剤にはアロエエキスとヒアルロン酸が含まれており、従来の顔面パックとなんら変わらない効果があるのだという。
これがお肌の保湿効果があるのはいいのだが、なぜコンドーム形なのか? それについて、メーカーはなんの説明もしていない。
日本では「精液にはたんぱく質やアミノ酸が含まれていて、肌にいい」などという俗説も流布していたりするが、コンドームを顔に貼りたいと思う人はいないだろう。
顔面パックメーカーのチャレンジ精神は認めるが、この努力は、もう少し違う方向に向けたほうがよさそうだ。
(文=佐久間賢三)