「たぶん、商業漫才、商業コントは一生作れない」21年目に開催した“野性爆弾20周年ライブ”の顛末

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 2015年、野性爆弾が「結成20周年記念」と銘打ったライブを敢行した。野爆の前に野爆なく、野爆の後に野爆なし、と言ってみたくなるほど、お笑い界の獣道を超然と歩むこのコンビがそんなベタなライブを打つとは、四十路を超えて何か心境の変化が……!? ※なお、20周年ライブで“くーちゃん”こと川島邦裕氏が「くっきー」に改名することを突如発表したため、本稿でも「くっきー」で統一しています。 ――20周年、おめでとうございます。 くっきー ありがとうございます。ただ、ほんまは20周年じゃないんですよ。2015年で21周年。 ロッシー そこはほんま謝らなあきません。 ――そうだったんですか? 「20周年記念ライブ」と銘打ってたんで、てっきりそうなのかと。 くっきー 一昨年、仲いい社員に「20周年記念ライブやってください」と頼まれていたのを、恥ずかしいから断っていて。それが15年に、「21周年で」と言われたので、じゃあ1年ずらしたし、やるわと。そこでキリいいから、20周年ということにして。 ロッシー 後輩に「あれ、野爆さん、20周年でしたっけ?」と聞かれるたび、ドキドキしてました。 ――20周年ライブは、僕もチケット買ってルミネの最前列で見てました。最後、会場が少し感動的な空気になっていたような……。 くっきー でも楽屋戻って相方と抱き合って泣いてるわけじゃないですからね(笑)。なんなら21周年やし。結構やり終えた感はありましたけど。 ――そこはいつもとは違った。 くっきー いつものライブはネタって感じじゃなくて、コーナーばかりなんで。先輩後輩集めて、ざれざれ遊んでるだけ(笑)。 ロッシー わちゃわちゃやってます。 くっきー その点、新ネタだけのライブは緊張するというか、ピリッとしますよね。でも腰重たいんです。〆切に追われないとやらんタイプで……。 ――ネタはどれぐらいで作ったんですか。 くっきー ネタ作りでいうと2日ぐらいです。 ロッシー 僕はネタできるまでなんもなかったんですけど、ネタできてからは早かったですね。1カ月ほど前から「合わすんで、来てください」と呼ばれて。 くっきー それまでは社員さんが会議室おさえて、箱詰めですよ。小道具作りにも1日取られて、監禁ですわ。地獄ですわ。ただ社員さんも「悪い」って気持ちが働くのか、甘いもんを差し入れてくれるのが、疲れてる時にオアシス的な存在になりまして……(笑)。うまいこと踊らされましたね。気がついたら作ってた。 ――20周年ライブはリズムネタや漫才もある中で、幕間に流れる映像が一番強烈でした。 くっきー 師匠のモノマネね。似てたでしょ? ――似てる・似てないという価値観で見てなかったですよ(笑)。オール巨人師匠や欽ちゃんが顔白塗りで……。 ロッシー DVDに入ってますからね。見てない人は、ぜひそっちで見てほしい。 ――あんな大胆な映像が入ってるんですか。怒られません? くっきー 大師匠がうちのDVDなんて見ないですよ!(笑) 絶対にばれない。 ロッシー そうですね。今のところ近場の巨人師匠にも届いてませんし。 ――そのDVDの見どころを教えてください。 くっきー マジメなコントはないんで、気負って見てほしくないです。「キングオブコント」のようなシリアスな大会に出るコントではないんでね。 ロッシー みんなで集まって、話のネタにでもするような感じで。 くっきー 柔らかい脳みそで、いいちこでも飲みながらゆっくり見ていただきたい(笑)。
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●「賞レース出たいですよ、それは。だって有名になるんでしょ?(笑)」 ――「キングオブコント」といえば、野性爆弾さんって賞レースの印象がないんです。若手の頃って参加してました? くっきー してましたよ。 ロッシー でも本人が出たいと言っても、なかなかエントリーしてくれないんですよね。「ムリやろ」って。できへんヤツが「進学したい」と言い出したみたいな感じなんです(笑)。 くっきー 「M-1」始まった時もマネジャーに「出てみるわ」と言うたら、「はいはい、わかりました」でエントリー表を渡されないまま終わっていく。それでも「M-1」出た時は3回戦で落ちたのかな。 ――「M-1」に出てたんですか。意外です。 くっきー 芸歴10年目、最後の年に出ましたね。手に寿司乗せて回るというネタやったんですよ。漫才に慣れてなくて距離感わからんから、マイクに手がバーンと当たって、そのままセンターマイクが客席に倒れて。悲鳴の上がる中、僕たちの「M-1」は終わりました(笑)。「キングオブコント」も一回、準決勝までいきましたし。今は出てませんけど。 ロッシー 予選の最後、うちらがコントやるのがボケみたいになってるんですよ。MCのあべこうじ君にいじられて、密着のカメラもついて「名前呼ばれへんやんけ! なんやこれ!」で帰るノリができあがってるみたいな。 ――「俺たちに賞レースは関係ないぜ」というポリシーを持って、参加しないものかと勝手に思ってました。 くっきー 出たいですよそれは。だって有名になるんでしょ?(笑)フフフ。 ロッシー 結局、バッファローさんがくれる賞(バッファロー吾郎が主催する「BGO上方笑演芸大賞」)しかもらってないですね。 くっきー 20周年ライブは「キングオブコント」を狙えるネタや営業で出稼ぎできるネタを目指してたんです。でも作りだしたら気持ち悪くて作られへんで、ああいう形になってしまう。結果、どこにも出せない。 ――今、営業で出稼ぎできるネタはあるんですか。 ロッシー それが営業用のネタが1本あるんです。奇跡的に。 くっきー 前半は結構かわいい、ベタな感じの歌ネタで。そこに「俺も歌いたい」と言い出して、急に弩級の下ネタを放り込みます(笑)。それに相方がキレてケンカになって、僕が鳥になって飛んでいく。 ロッシー で、僕が一人残される。 ――ほとんど野爆さんのコントのような……。 くっきー 反応は悪くないです。下ネタで一瞬お客さんが沈んでも、相方がキレるためのフリなんで、少しヒャッと引いたほうがいいんですよ。ヒャッとなりすぎると大変ですけど。15年ぐらいそれやって、もう目つむってもできます(笑)。
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●「大阪時代はクソみたいな扱いだったのが、東京出たら変わりました」 ――今、野爆さんは芸歴21年ですか。東京出てどれぐらい経ちます? ロッシー 僕ら大阪に14年いたんで、7年ですかね。結構しんどい時期に上京しまして。 くっきー レギュラーで出ていた劇場(うめだ花月)がつぶれることになったんです。そこは僕らと先輩の世代がメインだったんですけど、次にできる少し大きめの劇場(京橋花月)は師匠や中堅も出るよと。その話聞いて「それはだりーな」と(笑)。気を使うし、「おはようございます!」と元気に挨拶するのは面倒くせーじゃないですか。 ロッシー その「これからどうする?」のタイミングで、『やりすぎコージー』(テレビ東京)の正月特番で今年もっとも売れる吉本芸人を占ったら、くっきーさんが選ばれたんですよ。じゃあこのタイミングで東京に出ようかと。 ――東京出てきて、仕事は変わりました? くっきー まあまあとんとん拍子にテレビ出て、顔さされるようになりましたね(笑)。 ロッシー 大阪ローカルから全国区の番組に一本出ると、その差だけでだいぶ効果ありましたね。大阪時代はクソみたいな扱いだったのが、東京出たら変わりました。 くっきー 大阪で全然呼ばれなかったテレビ局がすぐ呼んだりして。「わかりやすいなー。はいはい」と(笑)。 ロッシー 急にホテルとってくれるようになったり。何もこっちは変わってなくて、「先月までおったで」って話ですけどね。 ――逆輸入というやつですね。「クソみたいな扱い」と言われましたが、バッファロー吾郎さんが、「大阪時代、ケンコバと野爆は吉本から見放された存在だった」と言われていて。 くっきー 本当、仕事はなかったですね。劇場、たまにテレビ、年にいっぺん『オールザッツ』。 ――『オールザッツ漫才』で披露する野爆さんのコントは輝いてたじゃないですか。 くっきー そうなんです。そこで輝いて、その名残で少し仕事もらえて、くすんできたらまた『オールザッツ』みたいな。その繰り返しでした。 ロッシー バイトもしてましたし。僕はダーツバーで。 くっきー 僕も先輩のカラオケボックスで働いてましたね。だけど、子どもできるとお金必要じゃないですか。そうなると「もっとわかりやすい漫才にしようかな」と思った時期あるんです。商業漫才。お金を稼ぐマニー漫才を(笑)。 ――悪い言葉ですねえ。 くっきー でもできなかったです。なんか違いました。丸みを帯びようとしたら、できなかった。
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●「ロック畑育ちなんでね、どうしてもネタにメッセージがね」 ――チャンスをつかんだのはいつなんですか。 くっきー 東京出るギリギリぐらいの時期、ヨシモトファンダンゴTVで『野爆テレビ』(07~08年)が始まったんですよ。それが東京のほうに流れて、それから呼ばれるようになりまして。 ――石野卓球さんが絶賛してた番組ですね。あと上京当時の『笑う妖精』(テレビ朝日/09~10年)も印象に残ってます。 くっきー あの番組はでかかったですね~。 ――そのおかげで商業漫才に進まずとも生活できるようになったと。 くっきー でも今もギリギリですよ……。(編集とライターに向かって)月5万円ずつ振り込んでくださいよ(笑)。 ロッシー それは助かりますわ。 くっきー 年とったら国に金入れること多くなったんでね。「健康保険、こんな払うんかい!」って。 ――それはこっちも同じですよ(笑)。年を重ねて、ネタは変わりました? くっきー 丸くなったりですか? それはないです。昔と変わりません。たぶん、商業漫才、商業コントは一生作れないでしょうね。 ――野爆さんのコントって何が核になってるんでしょうね。 くっきー ストーリーは大事にしてますし、あと意外とメッセージが入ってる。気づかなかったでしょ? ――メッセージ……。入ってましたっけ? くっきー 入ってますよ! 「ゴミを捨てるな」みたいなメッセージが。まあロック畑で育ってるんで、どうしても入ってしまいますね。ずっと僕の横にはロックがあったんで。 ――どんなミュージシャンに影響受けたんですか? くっきー 光GENJIとか(笑)。 ロッシー おかしいですね。ロックないですね。アイドルなのにローラースケートはいてるぐらいですよ、ロック感は。 くっきー そこな。そういう反骨精神な。遊ぼうよパラダイス、っていうタイトルでしたっけ? ――それ歌い出しですね。飛鳥涼さん作詞の。 くっきー ああ……。ね! ロッシー これ何も知りませんね(笑)。 (取材・文=鈴木工/撮影=市村岬) ■DVD情報 野性爆弾 20周年記念単独ライブDVD 『野性爆弾 初! ネタのみGIG』 タイトル通り、野性爆弾にとって初となったオール新ネタライブの様子をDVD化。特典映像には、突如「くっきー」に改名したくーちゃんこと川島の改名発表の裏側を収録 http://goo.gl/kWRO9I

「泣きそうになりました」、Travis Japan仲田拡輝が今井翼のドッキリを全暴露!

 今井翼がパーソナリティーを務めるラジオ『今井翼のto base』(文化放送)の1月14日深夜放送に、ジャニーズJr.内ユニット「Travis Japan」の“兄組”こと仲田拡輝・川島如恵留・七五三掛龍也・森田美勇人がゲスト出演した。今井とは舞台『PLAYZONE』で共演し、つい最近行われたタッキー&翼の『2016年新春コンサート』横浜・大阪公演へもバックダンサーとして参加している。

テレビ史に残る名ドラマになるという確信──“偶然”を“奇跡”に変える方法『いつ恋』第1話

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『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』フジテレビ
 まず断言してしまうが、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』は、フジテレビ月9の歴史に名前を刻む名作になるだろう。月9というか、テレビ史に残る作品だ。たとえば『東京ラブストーリー』(同)や『101回目のプロポーズ』(同)をリアルタイムで見ていたら、あるいは北海道が舞台というつながりで『北の国から』(同)をリアルタイムで見ていたとしたら、こんな気持ちになっていたのかもしれない。あらゆる場面が美しく、そして尊い。これがテレビで無料で見られる(かつ、公式サイトでは第1話の放送終了後7日間、無料配信までされている)というのがほとんど奇跡に近い、珠玉のテレビドラマだ。  脚本は坂元裕二。1991年に『東京ラブストーリー』の脚本を手掛け、社会現象を起こした張本人が、月9での恋愛ドラマに帰ってきた。近年は『それでも、生きてゆく』(2011年/同)、『最高の離婚』(13年/同)、『問題のあるレストラン』(15年/同)など、社会性の強い人間ドラマで視聴者をうならせてきた坂元が、満を持してのストレートな恋愛ドラマ。視聴者からの事前の期待も高かったわけだが、第1話において、すでにそのハードルをやすやすと飛び越えている。  恋愛を物語るということ。それは坂元にとって、脚本を書くという行為とおそらく本質として似ているのだろう。ゼロから何か出来事を起こすということではなく、登場人物に実際に起こった出来事を取捨選択して描くというのが坂元の手法だ。だから、そのリアリティが私たちの心を打つ。それは恋愛を物語るという行為も同じであり、人はしばしばただの“偶然”を、自分たちに起きた“奇跡”だと捉え、そうして特別な恋に落ちる。そこには語り手の意図が実は確かに存在しているのだが、恋をしている者はそれに気付かない。だからこそ、その恋は特別なのだ。  実際、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』でも、かなりの“偶然”が起こっている。ヒロインである音(有村架純)に手紙を渡すため北海道へ出かけた練(高良健吾)は、クリーニング店で初対面を果たしてから、3度も北海道で出会っている。そんなことがあるだろうか? 結構広いぞ、北海道。だが、あるのだ。あるから描かれている。それは“偶然”ではなく、ただの“奇跡”だ。  この“偶然”を、作劇上のご都合主義だと切り捨ててしまうのも理屈としては可能だが、そうさせないのが坂元の脚本、特にセリフだろう。実際に登場人物が生きている、今もどこかで暮らしていると思わせるリアリティがある。そのリアリティがあるからこそ、“偶然”は“奇跡”として私たちに届く。たとえば音と練の、こんなやりとりだ。 音「(トラックの荷台に積まれた大量のダンボール箱を見て)何が入ってんの?」 練「桃の缶詰です」 音「わたし、こんなに桃の缶詰持ってる人、初めて見た。これだけで、あなたのこと好きになる人いると思うよ」 練「(戸惑い)」 音「ねえ、東京ってさ、ひと駅ぶんぐらい歩けるって本当?」 練「本当です」 音「(すぐさま)ウソだ」 練「3駅ぐらい歩けますよ」 音「(練の胸を叩いて)ウソ言うな! 3駅って、選手やん」 練「選手じゃないです」 音「競技やん」 練「競技じゃないです。3駅歩く競技、ないです」 音「(笑ってアメを渡して)アメ食べ」  有村架純と高良健吾の演技によって、このセリフは本当に生きている人間の言葉になる。特に有村が演じる音の、本心を言うときにだけ関西弁になってしまうという設定、あるいは相手の言葉を待たずに自分の意見を言う勝手な性格、心の底では北海道を出たいと願っている彼女の気持ちが、このやりとりの中に集約されている。ちょっとあまりにも美しすぎるとしか言いようがない。  こういったリアリティこそが“偶然”を“奇跡”に変えているわけだが、それでも“偶然”をただのご都合主義として捉えたい方もいるかもしれない。そういった方には、こう言っておきたい。これはあくまでも、音が語る物語なのだと。この作品は音の主観で描かれていて、それは物語の最初の場面で示唆されている。  幼少期の音が、公園で草に向かって話しかけている。「あんな、お年玉返すから、お母さん返してほしいねん」と。そこで母親(満島ひかり)の声がする。「音」と、彼女を呼ぶ声が。幼少期の音が振り返ると、そこには彼女の養父となる男(柄本明)が立っている。  母親はすでに亡くなっている(音は母親の遺骨を抱いている)から、ここで母親の声が聞こえるというのは現実的にはおかしい。にもかかわらず、それが起こっているということは、これは音の主観であるということだ。だからこの物語は、音が振り返るひとつの特別な恋愛の話であり、少なくとも第1話において「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」と語っているのは音だ。これはあくまでも音が語る物語であり、実際にどこまで何が起こっていたのかを、他者である我々は知ることができない。音は練と3度も会っていないのかもしれないし、養母は本当は立ち上がっていないのかもしれないし、大雨の中でサイレンなんて鳴っていなかったのかもしれない。だが、音にとってそれは確かに起こったことであり、恋愛というのはしばしばそういうものだ。  こうして“偶然”は”奇跡”に変わる。それは恋愛に許された、あるいはテレビドラマを創るという行為に許された、ひとつの特権なのだ。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは@aizawaaa

「日本一の男」→「セコい裏切り者」に! ジャニーズの“古い慣習”に乗る道を選んだキムタクに失望の声

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 近年の芸能ニュースの中でも間違いなく最大級の大事件に違いない、アイドルグループ・SMAPの解散・分裂報道。ここ20年のテレビはSMAPを中心に回っていたといっても大げさではなく、もし本当に解散となれば、テレビ界と芸能界にとって空前絶後の損失となるだろう。  18日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)では、騒動に関してメンバー5人が生放送に出演。全員がダークスーツに暗めのネクタイという「お葬式ルック」で、一人ひとりが関係者やファンに騒動を詫びた。悪事を働いたわけではないので「謝罪する必要あるの?」と思ってしまうが、ひとまずこの生出演での彼らの発言については置いておこう。問題は、この謝罪によって、これまで「日本一の男」の名を欲しいままにしてきた木村拓哉に対する“世間の目”が、大きく変わったということだ。  もともとはチーフマネジャーの飯島氏の辞任を契機に、5人全員でジャニーズ事務所を独立し、新たなSMAPの道を歩むという計画をしていたのは、多くの報道で語られているところ。そんな中、計画実行の寸前で木村が「ジャニーズ残留」の結論を出したという説が有力なのだ。  報道では「SMAPを生み出したジャニー喜多川を裏切れない」として、義理人情に厚い木村が残留を選択、その後4人の残留に向けて力を尽くしたしたことになっている。本来なら「さすがキムタク」「よ、男前!」となるのだろうが、ファンの反応はそうでもなかったようだ。 「もし5人そろってジャニーズを離脱していれば、飯島氏が密に接触していた田辺エージェンシーで“新SMAP”をスタートさせるという話もありました。ですが、グループの“顔”であるキムタクの『裏切り』によって、すべてオジャンになり、今回の分裂報道となりました。多くのファンにとってみれば、ジャニーズであろうとなかろうとSMAPが5人そろっていればそれでいい。キムタクはいわば今回の騒動の“元凶”なんです。『こんな男だったとは』『結婚してるし仕方ないのかもしれないけど、あまりにも残酷』『せこい』と、ファンからも落胆の声が上がっています」(芸能記者)  謝罪出演の際も、リーダーである中居正広を差し置いて最初と最後にコメントを出し、立ち位置もめずらしくセンター。その様子に違和感を覚えた人も少なくないだろう。「謝罪する姿を見て、木村だけが違う動きをしていたのがよくわかった」という意見もある。  妻である工藤静香の説得もあったということだが、残留の決断によって、キムタクは東山紀之や近藤真彦と同じく、メリー喜多川副社長の寵愛を受けることが確実という情報も入っている。将来的には事務所の「幹部」昇進も間違いないという話まであるのだから、ファンからすれば「金と地位のためにグループを売った男」に、どうしても見えてしまう。  謝罪の際、憔悴し切った4人と比べると、やはり堂々としていたキムタク。今後、彼の仕事はメリー喜多川の意思によってさらに順調になるのだろう。そして、残された4人の事務所内での立場は一気に悪化するはずだ。  古い慣習を捨てず「新しい流れ」を強く否定したジャニーズ事務所はまさに老害そのものだが、木村拓哉はその「慣習」に乗る道を選んだ。人生は保障されたようなものだが、ついてくるファンは一気に減ることだろう。

奇抜路線を突き進んでいたマイリー・サイラスが、リアム・ヘムズワースと復縁! 一気に結婚も?

<p> マリファナ愛を公言したり、インスタグラムに気味の悪いコラージュ写真を載せたりと、近年は奇抜路線を突き進んでいるマイリー・サイラス。昨年11月にスタートさせた『Miley Cyrus & Her Dead Petz Tour』では、ボンデージハーネスに巨大なペニスバンドを付けた格好でステージに現れ、腰をかくかくさせながら熱唱する姿が報じられた。世間は度肝を抜かれつつも、これ以上のエロネタは出てこないだろうと推測。「2016年は、よほどのことがない限り、マイリーが大きなニュースとして扱われることはない」「来年こそは、マイリーのキモい姿を見なくて済む」と、ホッとする声が上がった。</p> <p> しかし、そんな予想に反して、新年早々ネット上はマイリーの話題で持ち切りとなった。芸能サイトだけでなく大手新聞社の電子版までもが、「マイリーが、13年に破局した元婚約者で俳優のリアム・ヘムズワースと復縁したようだ」と大々的に報じたのだ。</p>

SMAP解散騒動の黒幕は、やはり“芸能界のドン”……恩知らずの木村拓哉と老害たちの暗躍

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 長年、国民的アイドルグループの座を維持し続けた「SMAP」の解散騒動。芸能界のみならず、日本中を激震させたものの、結果はジャニーズ事務所から行き場を失った中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の4人が、同事務所のメリー喜多川副社長に謝罪して元のサヤに収まるという茶番劇に終わった。  一方、解散騒動の真相をめぐるスポーツ紙の報道は日々錯綜して、最後までファンを混乱させた。18年前に『ジャニーズ帝国崩壊』(鹿砦社刊)を出版した筆者としては、ジャニーズの“女帝”と呼ばれているメリー氏の、老いても衰えない“女の嫉妬心”が、SMAPのチーフマネジャー・飯島三智氏を独立に走らせ、木村拓哉の裏切りによって、その“クーデター”が失敗したのが真相だと思わざるをえない。しかも、メリー氏とキムタクの裏には“芸能界のドン”と呼ばれる大手芸能プロ社長の影が見え隠れする。  SMAPは1988年に結成され、3年後の91年にデビューしたが、当時、外資系レコード会社の役員は、筆者に「ジャニ―喜多川社長が、デビューする前に、まだ小学校6年生だった香取慎吾を連れてきて『この子たちをデビューさせるんだ』と言ったんですよ。まだ子どもで、海のものとも山のものともわからない。実際に姉のメリーさんは『こんな子たち、売れんの?』と、目もくれませんでした」と言ったことを記憶している。  ジャニーズの実質的な経営者であるメリー氏が「売れない」と判断したSMAPを担当したのが、当時、一介の事務員でマネジャー経験のない飯島氏だった。キムタクは「SMAPが売れたのはジャニーズの力だ」と言っているらしいが、これまでジャニーズの力でも売れずに消えていったタレントは数知れない。彼らが売れたのは、マネジメントのイロハも知らなかった飯島氏が自ら努力し、必死に売り込んだ結果だ。  TBSのドラマの敏腕プロデューサーだった友人は「ジャニーさんはアイドルをスカウトする能力には長けているが、いざマネジメントになるとダメ。ジャニーさんに限らず、音楽プロには本(脚本)を読める力のあるマネジャーが少ない。その点、飯島の本を読む力は、そこらのドラマプロデューサーより優れている。キムタクをはじめ、メンバーが役者としても成功したのは彼女の力だよ」と言っていた。  飯島氏はプライベートでもメンバーの母親代わりになって、彼らを守ってきた。すでに休刊になった月刊誌「噂の真相」が2000年に報じた中居の妊娠中絶騒動。ジャニーズの力で他媒体は黙殺したが、中居が一般人のOLを妊娠させて、本人の意思を無視して中絶させたという事件があった。  この時、中居に代わって、OLに理不尽にも中絶を迫ったのは飯島氏だった。その後、稲垣が渋谷の路上で道路交通法違反容疑と公務執行妨害容疑で逮捕された時も、スキャンダルに発展しないように奔走したのが飯島氏だ。草なぎが公然わいせつの現行犯で逮捕された時も、復帰絶望といわれた草なぎを早期復帰させたのも彼女の力だった。結果、SMAPをジャニーズの“ドル箱”に押しあげたのだ。  その飯島氏に嫉妬したのが、「SMAPは売れない」と言ったメリー氏だった。一人娘の藤島ジュリー景子氏をジャニーズの後継者にしたいメリー氏は、TOKIOやV6、それに嵐のマネジメントをジュリーに担当させた。結果、社内でジュリー派と飯島派の派閥争いが生まれた。それを懸念したジャニーがSMAPのために「ジェイ・ドリーム」という会社を設立。同社の役員として飯島氏を優遇するが、それでも派閥争いは終わらなかった。それどころか、メディアがジャニーズの後継者争いを面白おかしく煽った。  当然、実力からいって、メディアの評価は圧倒的に飯島氏のほうが高かった。その時、またしても飯島氏に嫉妬したメリー氏は、昨年1月に「週刊文春」(文藝春秋)のロングインタビューに応じ、その中で「派閥があるなら、それは私の管理不足。今日、(飯島を)辞めさせます。私の娘が(会社を)継いで、何がおかしいの?」と、ジュリーの次期社長就任を公言。インタビュー中に飯島氏を記者の前に呼びつけて「飯島、私はこう言います。対立するならSMAPを連れていってもいいから今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい」と面罵した。  もともと、ジャニーズの後継者になるつもりはなかった飯島氏は、この時点でプライドをズタズタにされ、独立を考えるようになったのではないだろうか。しかし、闇雲に独立を画策しても潰されるだけ。彼女は、芸能界の重鎮たちに根回しした。一説には、公私ともに中居がかわいがってもらっているタモリが所属する「田辺エージェンシー」が5人を預かるという情報もあった。  その一方で、独立後の仕事を考えて、昨年のNHK『紅白歌合戦』の司会にSMAPをプッシュ。その布石として、メンバーを『のど自慢』にゲスト出演させるという実績作りをした。ところが、キムタクが司会を拒否。同時に、ジャニーズに残ると言いだした。その話を聞いて、大手プロは「SMAPが分裂したのでは意味がない。4人を預かって、ジャニーズとモメたくない」と、手を引いた。飯島氏のクーデターは、キムタクの裏切りによって失敗したのだ。  その後、メリー氏がスポーツ紙などに中居を追い込むような情報を盛んにリーク。飯島氏だけでなく、4人のメンバーを追い詰めた。その段階で、キムタクが正義ヅラしてメリー氏とジャニー氏に「あいつらと一緒にやりたい」と直訴したという情報が流れた。  まるで、メリー氏とジャニー氏、キムタクが仕組んだマッチポンプだ。しかし、メディアを巻き込んだマッチポンプをメリー氏とジャニー氏が考え出したとは思えない。芸能界でマッチポンプを得意技にする大手プロ社長がいる。“芸能界のドン”と呼ばれる実力者だ。その社長はメリー氏や、キムタクに独立を思いとどまらせた工藤静香とは蜜月関係で、これまでも暴力団や右翼、マスコミを使って業界内に“火を起こし”ては、自らこうした“火を消す=トラブルを解決する”ことで業界の頂点に上り詰めたといわれる男だ。今回、最初に解散騒動を報じ、ジャニーズの寄りの論調を張りまくっていたスポーツニッポンの担当責任者と“芸能界のドン”との癒着ぶりは、業界内ではあまりにも有名だ。  今後、4人が事務所内で飼い殺しの状態になることは目に見えている。彼らを追い詰めたメリー氏、ジャニー氏、それに裏で茶番劇に加担したといわれる“芸能界のドン”の3人は、もはや老害以外の何者でもない。彼らが引退し、一日も早く“ジャニーズ帝国”が崩壊することを願ってやまない。それにしても、飯島氏に押しも押されもせぬスターに育て上げられたにもかかわらず、平然と育ての親を裏切ったキムタクが正義感ヅラして生き残るなんてことが許されていいのだろうか? (文=本多圭)

サイゾーウーマン掲示板オープン☆<オンナ【裏】掲示板>へお越しくださ~い

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 SMAP解散騒動で世間が沸いていたこの1週間。ようやく一応の決着が一息ついているみなさんに、さらなる衝撃のお知らせです!!

 サイゾーウーマンから掲示板がデビューしました♪ しかもデビュー日は1月18日、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)でSMAPが世間へ公開謝罪をしたのと奇しくも同じタイミングなのです。運命めいたものを感じざるを得ませんね! 

 振り返れば数年前、サイゾーウーマンファミリークラブ会員限定の掲示板を設立し、その後あえなく空中解散となりました。しかし、今回は会員とか関係ナシ! 一見さんウェルカム! ぜひ腹に渦巻く激情、世の中への怒り、生活への不安、ジャニーズへの愛情など、キーボードに叩きつけてください。

 現在にぎわっているのは「昔のドラマで好きだった作品」「イラつくCM」となっています。ほかにもトピックがあるので、ぜひ遊びにきてみてください☆

 SMAPの活動が9月で終了してしまうのか、そしてサイゾーウーマン掲示板も9月でひっそり閉鎖してしまうのか、みなさんの腕にかかっていますよ!

オンナ【裏】掲示板

 そうそう、ページを開くと「あれ、偽サイトかな?」と不安になるようなデザインなんですが、これで標準装備ですので……あしからず!

 ちなみに掲示板への入口は、PC・スマホで異なります。


【PC】
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トップページの右端、緑で囲ったところ


【スマホ】
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トップページの記事一覧、赤で囲ったところ


 では、みなさんサイゾーウーマン掲示板をご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

ベッキー×中居正広のWパンチも世間は歓喜!? 他人の不幸番組『金スマ』が起こした“大問題”の数々

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 ロックバンド・ゲスの極み乙女。のボーカルである川谷絵音との不倫が報じられたベッキー、そして、ジャニーズ事務所とマネジャーの対立などを契機として「解散」情報が流れ、日本中を大騒ぎさせたアイドルグループ・SMAP。いずれも2016年初頭を揺るがせたビッグすぎる芸能ニュースだが、このまったく異なる2つの出来事が唯一「リンク」するテレビ番組が存在する。  毎週金曜放送、『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)である。この番組は中居正広が司会、ベッキーがレギュラーを務めている番組であり、渦中の人物2人が共演する番組なのである。  18日の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で「これから自分たちは、何があっても前を見て進んでいきたい」と木村拓哉が語ってはいたものの、グループ存続を明言されていない以上、SMAP解散の可能性はいまだにくすぶったままだ。もし仮にグループ解散、中居が事務所を退社となれば、『金“スマ”』の冠をつけることは許されなくなるに違いない。  そしてベッキーも、女性をターゲットにした同番組において、今回の不倫報道のイメージダウンはスポンサーとの兼ね合いからも大きな痛手。少なくとも、ベッキーのレギュラー出演がなくなるのは濃厚といわれている。  今後、同番組が継続することはできるのか……そのレベルの話になってしまうが、これに対するネット上での反応は意外なものだった。 「この『金スマ』に対しては、『別に打ち切りでいい』『騒動以前に問題ある番組』『なんで今まで続いていたのか謎』という声が非常に多い。ベッキーに対して擁護のコメントは少ないですが、基本的にSMAPは『今のままでいて!』というファンの声が多い中で、こういった反応は意外ですね。2014年に同番組が、故・やしきたかじんさんの最後の闘病生活を描いた『殉愛』(幻冬舎)の特集を放送したんですが、著者の百田尚樹氏や、妻であるさくらさんの重婚疑惑などウワサが飛び交い批判殺到の中での“茶番”っぷりに、視聴者は辟易。毎週視聴率2ケタ確実だった同番組がその後1ケタ台を連発したという話もあります。他にも“ゴーストライター”騒動が出る前の佐村河内守氏の特集や、度重なる『他人の不幸バラエティ』っぷりで嫌われている番組ですし、こういった反応になってしまうのかもしれません」(芸能記者)  もともと問題のある番組だったようだが、出演者までお騒がせとなれば、そろそろ本当に“潮時”なのかもしれない。

清原和博、一般人と乱闘寸前!!  ブログで出血画像公開も「本当に残念な人」と批判噴出

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清原和博公式ブログより

 今月19日、元プロ野球選手の清原和博が自身のブログに、知人と飲食店で食事をしていたところ、一般客にブチ切れたというエピソードをつづった。実際には、相手に手を上げたわけではなく、1人怒りを堪えた清原だったが、その我慢の仕方に対してネット上では「それはないだろ!」とのツッコミの嵐が巻き起こっているようだ。

「なんでも、飲食店の一般客が、清原を指差して笑ってきたため、『完全乱闘モード』になってしまったそうです。なんとか我慢したものの、その後何回も笑われたため、ついに怒りがピークに達し、清原はお店の灰皿を素手で叩き割ったんだとか。ブログの最後には、灰皿を叩き割った際にできたと思われる手のひらの傷をアップ。うっすら血が出ているのも確認できます」(芸能記者)

染谷将太、綾野剛ら旬のキャストが火花を散らす! 何度もループする特殊ドラマ『ソレダケ/that’s it』

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 ゼロ年代以降、若者たちに熱く支持されている映画として、細田守監督の『時をかける少女』(06)、吉田大八監督の『桐島、部活やめるってよ』(12)、アシュトン・カッチャー主演の『バタフライ・エフェクト』(04)などが挙げられる。公開から時間が経っているが、今でもレンタルビデオ店でよくレンタル中になっている作品だ。作品がそれだけ魅力的なわけだが、これらの作品はどれも退屈な日常生活が何度もループする特殊なドラマであることでも共通している。主人公たちは繰り返される日常から何とか脱出しようと冒険を試みる。先行きが見通せず、閉塞感の強い現代社会で暮らす若者たちは、劇中で足掻き続ける主人公たちに強い共感を覚えずにはいられない。染谷将太主演のアクション快作『ソレダケ/that’s it』もまた、閉塞感漂う世界から脱け出すために主人公が命懸けの戦いを何度も挑む物語となっている。  主人公の大黒(染谷将太)は眠りから何度も目覚める。現代なのか近未来なのかはっきりしない世界で、大黒は社会の底辺で死んだように生きている。大黒を幼い頃から虐待してきた父親によって、彼の戸籍はブラックマーケットに売られてしまった。住所不定で生活保護の申請をすることも死亡届を出すこともできない。まさにユーレイみたいな存在だった。ある日、大黒は裏社会の調達屋・恵比寿(渋川清彦)がコインロッカーに隠していたフロッピーディスクを盗み出すことに成功する。ディスクには大黒の父親と同じように、戸籍をわずかなお金で売り払った人々の戸籍情報がたんまりと入っていた。これはかなりの金額になる。ディスクを手に入れた大黒は、やはり戸籍を持たない風俗嬢の阿弥(水野絵梨奈)と知り合うが、その一方で怒り狂った恵比寿、ホームレス少女たちを風俗嬢へと仕立てる女衒の猪神(村上淳)らに追われるはめとなる。  阿弥はディスクなんか処分して、2人でどこかへ逃げようと誘う。でも、それじゃあダメなんだ。ただ逃げるだけじゃ、ユーレイみたいな今の生活が違う場所で繰り返されるだけだ。恵比寿も猪神も支配下に置かれている裏社会の大ボスで、戸籍売買の元締めである千手(綾野剛)をぶっ潰さない限り、大黒はユーレイ的な立場から脱することができない。残酷なサディストである千手は、いつも大勢の部下たちに守られている。大黒に勝ち目はまるでない。それでも大黒は千手に歯向かい、絶体絶命のピンチに追い込まれる。だが、その度に大黒は死んだような日常からの覚醒を果たす。モノクロだった世界は、鮮やかに色づいていく。
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 裏社会を舞台にした『ソレダケ』は多重構造の物語だ。大黒の過去の記憶のフラッシュバックだったり、三途の川を渡る寸前の大黒が見た一瞬の夢でもあるわけだが、元々がユーレイのように死んでるのか生きているのか分からない存在だったので、大黒は死ぬことを恐れない。むしろ、死ぬ気で千手に立ち向かうことで、生の実感を手に入れていく。マトリョーシカのような多重構造の世界に閉じ込められていた大黒は、一線を越えた戦いを繰り返すことで、リアルな世界へと近づいていく。  本作を撮り上げたのは、石井聰亙から2010年に改名した石井岳龍監督。おちこぼれの高校生が教師たちに叛逆する『高校大パニック』(76)での商業デビュー以降、閉塞感漂う邦画界を挑発するような問題作を発表し続けてきた。『狂い咲きサンダーロード』(80)では孤高の暴走族が組織を相手に抗争を挑み、『爆裂都市 BURST CITY』(82)では原発建設が進む街で虐げられている労働者たちが武装ポリスを相手に大暴動を起こした。変わらない日常に辟易している若者たちが体制に対して逆襲するドラマを、石井監督は撮り続けてきた。社会のヒエラルヒーに大きな風穴を空けようと無謀な戦いを挑む大黒の物語は、石井ワールドの真骨頂と言えるだろう。  過剰な熱量を内包した本作の発火点は、ロックバンドbloodthirsty butchersを率いる吉村秀樹が石井監督に音楽と映画とのコラボレーションを持ち掛けてきたことだった。精肉工場に勤める染谷将太、渋川清彦、村上淳らはバンド演奏に憧れているが、ルーティンな日常生活からそう簡単には離脱することができずにいる。だが、ブッチャーズのライブに遭遇したことで、彼らのハートに火が点き、気が付いたときにはステージ上のブッチャーズと入れ替わり、熱い演奏を繰り広げていた―。そんなドラマとライブドキュメンタリーが融合した企画を石井監督は考え、キャストは楽器演奏の準備を進めていた。ところが、クランクイン直前の2013年5月27日に吉村が急逝。この企画は一度流れてしまう。
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 だが、肉体の死=魂の消滅ではなかった。石井監督や主演の染谷をはじめとするスタッフ&キャストの胸の中には、吉村が熱く叫ぶブッチャーズの演奏がずっと鳴り響いていた。一度白紙状態となっていた企画が異なる形で甦った。それが何度死んでも生き返って戦い続ける男の物語『ソレダケ』だっだ。いわば、ブッチャーズ吉村の熱い魂がコアとなり、石井監督がその熱気を元に世界を立ち上げ、現実社会を生きる染谷将太らキャスト陣がパラレルなもうひとつの世界として肉体化してみせた多重構造のドラマなのだ。  ブッチャーズにとって最後のアルバムとなった『youth(青春)』の最後を飾るドラマチックな曲「アンニュイ」が流れる中、『ソレダケ』のクライマックスシーンが始まる。千手の待つアジトへと、大黒と阿弥はたった2人きりでカチコミを掛ける。このシーンは痺れるほどカッコいい。完全武装した2人は臨戦態勢となり、天に向かって咆哮する。何者にも屈しない2人は、人間の姿をした一対のドラゴンだ。下流社会だとか逃れようのない運命だとか、そんなつまらない幻想を吹き飛ばしてしまう精気が2人の身体にはみなぎっている。観ている側にも感染するほどの熱量がここにはある。  火傷しそうなほど熱いこのシーンを観るために、『ソレダケ』は繰り返し再生することになる。その度に大黒は目覚めることになる。そしてブッチャーズの熱き音楽は、我々の魂を揺さぶり続ける。 (文=長野辰次)
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『ソレダケ/that’s it』 監督/石井岳龍 脚本/いながききよたか 音楽/bloodthirsty butchers  出演/染谷将太、水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳、綾野剛  1月20日(水)よりBlu-ray、DVD同時リリース http://soredake.jp (c)2015 soredake film partners. All Rights Reserved.