
太原市の問題となった物件。窓枠の下の部分に注目!
中国の手抜き建築を象徴する言葉に“おから建築”という言葉がある。建築費を浮かせるために劣悪な建材を使用したり、建物の支柱を細くしたりする行為は数年来、社会問題となっていた。2008年の四川大地震でもおから建築が原因で小学校などが倒壊し、多数の二次被害が生じたのは周知の通り。
こうした違法建築に関するニュースは、現在でもたびたび報じられている。「中視新聞」(8月6日付)などが報じたところによると、山西省太原市内の新築物件の購入者数百人が、支払いをめぐって業者とトラブルになっているという。その理由は、なんと建物の外壁の一部が発泡スチロールでできていたから! 中国の建築に関する法律では、外壁の断熱材としてA級以上の非可燃性の建材を使用することが定められているが、もちろん発泡スチロールの使用は禁じられている。

ご覧の通り、手でも砕けるほどの強度だった……
中国版Twitter「微博」には、発泡スチロール外壁騒動に関して「日本が満州時代に建設した庁舎はまだ残っているというのに……。中国の建築物の寿命が30年というウワサは本当かもしれない」などと、あきれた声が多数寄せられる結果となった。

09年、上海市閔行区の13階建てマンションが突然倒壊。マンションの土台部分に施工ミスがあり、作業員が死亡
日本ではまずお目にかかれない違法建築だが、実は発泡スチロールの使用は数年前から行われていた。13年に、湖北省武漢市内の高級住宅地「三金華都」の外壁に今回と同様、発泡スチロールを使用した断熱材が使用されていたことが発覚、大きなニュースとなった。

14年、浙江省奉化市内の築20年の集合住宅が突然倒壊。下敷きになった1人が死亡。倒壊する数日前に訪れた建築調査員は、住民たちに対して「居住に問題なし」と説明していた
「友人がこの前、築5年のマンションの外壁に穴を開けてエアコンのダクトを通そうとしたら、なんとコンクリから青島ビールの瓶が出てきたらしい。ほかにもアルミ缶や廃棄された鉄パイプ、電子部品などが壁から出てきたという話も聞きます。どうやら、硬いものならコンクリに混ぜても強度は変わらないと、現場の工員は考えているようです。恐ろしい話ですよ……」(上海在住の日本料理店オーナー)

11年、河南省鄭州市内の集合マンション8棟が取り壊された。理由は「外壁が、手で触っただけでボロボロと崩れる」ためだった
発泡スチロール以外にも、前述のようにコンクリートの中にゴミやわらを混ぜて建設費用を浮かせる行為は、いまだに続いているという。違法建築を推し進め、人件費節約のため建築知識のない大量の農民工(出稼ぎ労働者)を現場の“前線”に投入する建設業者。安全な日本の物件を爆買いしに来ている中国人の気持ちが、少しは理解できるというものか。