<p> 1989年創刊のティーン向け女性ファッション誌「CUTiE」(宝島社)が、部数低迷により8月11日発売号で休刊を発表。今年に入り、AKB48関連グループのアイドルが表紙を飾っていたことが、話題となっている。</p> <p>「発行部数は公称で17万部としてきた『CUTiE』ですが、実際は昨年の時点ですでに休刊圏内だったそう。リニューアルとして表紙にAKB48系アイドルを起用したものの、むしろ逆効果。部数は落ち込むばかりだったようです」(出版社関係者)</p>
日別アーカイブ: 2015年8月2日
ジェーン・バーキン、エルメスへ自身の名の使用中止を要求
ジェーン・バーキン(68)がエルメスのバッグ「バーキン」の改名を要求した。80年代にエルメスのジャン・ルイ・デュマ元CEOによりジェーンのためにデザインされたバッグが今ではジェーンの名を冠した「バーキン」として親しまれているが、同ブランドによるクロコダイルの取り扱い方が好ましくないとされたことを受け、今回ジェーン本人が自身の名を使用しないよう声明を出している。「私の名前を冠したエルメスバッグの製造過程におけるクロコダイルの殺し方に残酷な取扱いがあると注意が喚起されたことを受け、このバッグの製造過程に実施可能な国際的な基準に沿って改善が見られるまでの間、エルメスグループにバーキンの名を変更するよう要求しました」
6700ポンドから14万5000ポンド(約130万円から280万円)の価格帯で販売されている「バーキン」シリーズは、6年後まで予約リストがいっぱいとなっているほどの人気商品で、富のシンボルとして捉えられているのに加え、セレブの間でも広く愛用されている。
しかしながら、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)がエルメスが提携している米テキサス州やジンバブエの企業がクロコダイルをコンクリートの穴に入れ、その後死に至るまで「残酷に切り刻む」という調査結果を最近公にするなど、わに皮を使用している「バーキン」はさまざまな動物愛護団体から痛烈な批判を受けていた。さらに、PETAはバーキンのバッグ1つに2、3匹のクロコダイルが使用されることを明らかにしており、同団体の設立者イングリッド・ニューカーク氏は「PETAが明らかにした残酷な方法でクロコダイルを畜殺し、工場式農場による皮によって作られたグロテスクなハンドバッグを製造しているエルメス社との関係を解消したジェーン・バーキンに対し、PETAは世界のすべての生命に代わって感謝します」「我々はエルメスへ対し野生生物を乱すこと、工場式農場でクロコダイルとアリゲーターを取り扱うこと、皮を目的とした畜殺を中止することを求めます」「かつてはバーキンのバッグが人々にとってセレブレティや富豪のステータスとしてされていましたが、今に誰もそれを持っている姿を見られたくなくなるでしょうし、そこで初めて動物愛護者たちは安堵のため息をつくことができるようになるのです」とコメントしている。
ギャル曽根や小倉優子も。炎上より共感のママタレ稼業、「苦労カミングアウト」さじ加減の難しさ
ずいぶん前から飽和状態にあるうえ、今年の芸能界出産大ブームでさらに厳しい局面を迎えているママタレ界。6月22日には森三中・大島美幸(35)が長男を出産しママタレの仲間入りを果たしたほか、今年9月に出産予定でInstagramにマタニティフォトをアップし目下炎上中の、元バドミントン日本代表・潮田玲子(31)、同じく今秋に出産予定の眞鍋かをり(35)などが新規参入を控えている。そんなママタレ界において最近、子育ての苦労を吐露したり、庶民派であることをアピールして一般人の共感を呼ぼうとしているかのような言動が散見される。
◎福田萌、娘の「イヤイヤ期」に疲れ
まずは今年4月に放送された『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)に出演した際の“学歴自慢”ともとれる発言で炎上騒動となった福田萌(30)。7月22日に「ボンカレー」のwebCM発表会に出席した際、
「娘とのバトルもあって、私が『もういい!』と言ってトイレにこもったこともある。そのときは主人が娘をなだめてくれて助かっています」
「今は“イヤイヤ期”でスーパーに行ったときも『帰りたくない!』と言って、地べたを全部服で掃除して帰るんじゃないかっていうくらい暴れる」
と、苦労が多いイヤイヤ期の子育てについて語った。気のせいか、このイベントでの福田のヘアメイクも疲れが感じさせられる。
学歴自慢騒動では、自身が横浜国立大卒であり、夫のオリエンタルラジオ・中田敦彦(32)も慶応義塾大学卒であることを、「私たち夫婦は、自分の力で学歴を掴み取ってきたという誇りがあります。親が用意してくれた道を歩んだわけではなくて、努力の証明書として学歴がある」と堂々公言したことで「本当に頭の良い人はこんなことは言わない」など大ブーイングとなった福田。
それゆえすでにアンチが大量生産されてしまっているのか、今回の“子育ての苦労吐露”についても、「今さら何を言っても無駄」といったコメントが多いものの、その中で「この手の母親批判もいい加減にしてほしい」と、叩かれすぎの福田に同情を寄せる声や「週一で休むなんて普通のことなのに育児休暇って……」と、中田が週に一度休みをとって子育てに参画したうえでようやく休みを取れる福田の現状を気の毒がるようなコメントが見られた。
福田はイヤイヤ期についてブログでも言及しており、今年5月に更新された記事には、娘がバナナが食べたいと座り込みを始めてしまったため、根負けしてバナナをあげた、というエピソードとともに「イヤイヤ期の前兆みたいな傾向?」と綴られていた。このコメント欄でも「わかる~!」のコメント目白押しで、ファン(というかアメブロ利用者)たちからはすでに強い共感を得ているようだ。しかし一方で「子供の言うがままになるには余りいいとは言えませんよ」など、先輩ママからの手厳しいコメントも寄せられていた。これへのアンサーであるかのように次に更新された記事では「自転車置き場の座り込み、私も反省です」と、座り込みへと至った理由、そしてバナナを食べさせるまでの流れを細かく説明していたが、福田はこうした言い訳をしてしまうことで、せっかく共感を得ていてもかえって『言い訳がましい』と反感を買う可能性もありそうだ。
◎共感系の代表格・ギャル曽根
3歳になる息子がいるギャル曽根(29)は、7月21日放送の同番組に出演した際に放った一言が共感を呼んでいる。この日の放送では大沢ケイミ(22)と共に、元角川書店社長である角川春樹の娘・角川慶子さんの豪邸を訪問したが、ここで豪邸のキッチンに三角コーナーがないことや戸棚の引出しがないことなどを指摘。すると大沢と角川さんに「ダサイ」と反論され「私は所帯染みていて良い」「全国の主婦は私側ですからね!」と自ら“主婦代表”をアピールした。
これには「ギャル曽根側だよ!私は!」「家事するからネイルも辞めたって言ってて凄いなと思った」「一般人の感覚を持ってるし、賢いし、料理も美味しそうだし、彼女が好きだな」など共感を超えて賞賛が多数寄せられた。個人的には、この番組の展開には台本が用意されている空気を感じなくもないし、そのまま受け取る事にも違和感がある。そういえば筆者も子育て初期の授乳のとき、ギャル曽根のブログを見ていたことがある。本人も当時、授乳のタイミングでブログをアップするのが恒例で、思いっきり真夜中だったり、夜明け前のタイミングでの授乳が多かった。筆者は疲れ果てて朦朧とした意識の中でこれを見て「こんな時間に授乳しているのは自分だけじゃなかった……」という安心感を得ていた。この当時のことは辛すぎてもはや記憶がなくなりつつあるが、気持ちも体力もどん底のときに同じ境遇にいる人間がいることを知った時、強烈な共感を生む。
◎完璧ママの地位を手にしたゆうこりんも
2012年に男児を出産した小倉優子(31)は、ここ数年手の込んだセンス抜群の手料理を頻繁にブログにアップし、料理上手な主婦というイメージを強く打ち出している。非の打ち所がなく、もはや“こりん星”のときのような突っ込みどころも皆無となった。
そんな中、6月24日に放送された『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)では「月に1回くらいしか休みがないので。出張も多いのでしょうがないけど、寂しい気持ちになる」と多忙な夫との時間が取れていないことを明かし、視聴者から「すごく寂しそうに見える」など心配の声があがった。小倉はこりん星からやってきた“りんごももか姫”というトンデモ設定から自虐を盛り込み、株やFX投資に意欲的な知能派タレントへとイメージを変え、さらに結婚後はスキル高めな主婦へと変貌を遂げ、料理本を出版するなどいつも時代の空気を読みながら手堅く活動している。今回のこうした発言も、主婦スキルが高いことでアンチが生まれる可能性を見越しての“共感”作戦だった可能性もあるだろう。
こうしたママから共感を呼ぶ系の言動は、出産以前から炎上系タレント素質たっぷりだった小雪(38)も見せている。2012年に第一子となる男児を出産した直後に行われた、映画『ALWAYS 三丁目の夕日’64』ママさん上映会において「最初の1カ月は疲れがひどくて、こんなこと言ったらあれですけど、子供がかわいいと思えなかった」と正直すぎるカミングアウト。これには「なんだか一気に親近感わいたー」「正直で良いと思います」など共感の声が相次いだ。もちろんこの件でも「乳幼児連れのママさん上映会だぜこれ」というように、重箱の隅をつつくようにママタレの言動をウォッチし、アキレス腱となりうる叩きどころを探すアンチもいるが、同時に子育ての苦労を吐露することで、同じ境遇にいる・かつていた女性たちから共感を得るチャンスもあるものなのだ。
炎上系よりも共感系のほうがタレント本人のメンタル的に良いだろうし、CM出演などにも効果的で、実際は叩かれキャラが定着している辻希美や紗栄子だってこちら側に転じたいだろう。しかしこれ、見極めが非常に難しい。共感を得る事で集まったファンも、ポロッと発したひとことで一気に離れていくリスクも大きいからだ。実は福田だって、学歴自慢騒動以前は子育ての苦労を吐露しそこそこの共感を得ていた。今回挙げたママタレの中では、目下、この福田がいちばん子育てに悩みを抱えていそうであり、コメントも真正面から受け止めて思い悩んでいそうな印象を受けたが、公の場での発言やブログでの振る舞いが不器用であるためアンチが増えるおそれもあるのではないだろうか。とかくママタレ界は生きづらい。
■ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。
SMクラブ「家畜人ヤプー」に集まった変態著名人とは? 国際暗黒プロデューサー康芳夫が語る!
【国際暗黒プロデューサー康芳夫 インタビューシリーズ 第1回】
5月末日、新宿二丁目のとあるバーで、小さなパーティが行なわれた。ただのパーティと言うには異様なほどヤマッ気のある参加者たちで溢れ、夜が更けるにつれ、バーレスクのショウが行なわれたその不思議な祝宴の中央には、異様なオーラを纏った白髪の男がいた。
入り口に掲げられているのは「家畜人ヤプークラブ ZERO」の文字。沼正三作である世紀の同名小説のタイトルを冠した、そのパーティの主催者は、“伝説のプロデューサー”こと康芳夫によるものだった。 康芳夫と聞けば今の40代を超えるものは知らぬもののいない怪人プロモーターである。1937年、東京生まれ。東京大学を卒業。その在学中から“赤い呼び屋”と呼ばれたプロモーター、神彰氏の元でプロデュース業に携わり、ある意味モラルを完全に無視した、知的好奇心最優先ともいえる暴力的な仕掛けで、日本中を混乱と興奮の渦に巻き込んだ。しかし、華々しい“世紀の呼び屋”としての活動は1970年代後半までといったところ。それから30年以上を過ぎた今、突如として活動を開始したのだという。 しかし、現在は怪しいものが怪しいまま存在することが許されない、デジタルかつクリーンな社会となっている。 そのような中で筆者も人間の限界を拡大しうる怪しい人間専任で活動を続けている端くれだけに、21世紀に蘇った昭和の奇人の動向は気になって仕方がなかった。 そういうわけで、パーティとは別日に改めて康芳夫のロングインタビューをセッティングした。 ■王貞治の所有ビルでSMクラブ
――この間行なわれたパーティはどのような経緯で開催されたんでしょうか? 「もう40年も前になりますが、新宿御苑のあたりで『家畜人ヤプークラブ』というSMクラブをやっていました。まだ東京にSMクラブなんてものがあまりない時代に先駆けてやっていたんです。今回はそれを復活させようと始めた、第一歩ですよ。当時は王(貞治)くんの所有しているビルでやっていたんだけど、あまりに流行ったんで“康さんやめてくれよ”って言ってきたよ(笑)」 ――えっ、あの王さんですか? 「王くんはね、今の新しいテレビ塔……スカイツリーの真下でね、『五十番』って支那飯屋の息子です。彼のお父さんは中国からやってきた人で、うちの病院の患者だったこともあるんですけどね」 中国からやってきて日本へ根付いた王家のように、康家もまた中国から移り住んできた家系だった。康氏の父親は慶応医学部を卒業し、神保町で開業医となった。家族ぐるみの付き合いだったという康氏と王貞治氏の関係だったが、物件のオーナーがあの世界の王氏だったのは「単なる偶然」だという。 ――当時「家畜人ヤプークラブ」はどのくらい流行ったんですか? 「そりゃね、野坂(昭如)は毎日来るわ、吉行(淳之介)、遠藤(周作)も来ましたね。あとは石坂浩二くんとかね。噂を聞きつけて、それぞれが女性を連れてやってくるわけですよ。彼らはブレイクしたばかりで、毎晩銀座のクラブで遊んで最後に女の子と一緒にドンチャン騒ぎするわけ」 ――嘘みたいな面子ですね……当時の著名人がそこで何をしていたんですか? 「もう、それは……SMショーだよ」 ――ステージに上がってですか? 「いやあ、客席もステージもない、辺り一帯で繰り広げられていたよ。誰が誰だか区別が付かないような状態。なにしろ、本当のSと本当のMが来ちゃってるからね……それに遠藤は本当のMですから」 現在のように専門的な風俗店と化した「SMクラブ」とは違い、康氏が言っている「SMクラブ」は、どちらかといえば現在の「SMバー」と呼ばれる形態のものに近かったようだ。客と店員が即興で変態プレイに興じる、まさに酒池肉林の宴だったのだろう。とにかく、世界の王の与り知らぬところで、日本のSMシーンはド派手に幕を開けていたようだ。 「まあ、あんまり騒がしいんで警察から苦情が出てね、1年半くらいで閉めましたね」 この闇雲に著名人の名前を散りばめたようなスキャンダラスなエピソードの顛末でもわかる通り、康芳夫虚々実々と思わせる手法で昭和の日本を手玉に取った人物である。 ■虚業家とは? “伝説のプロデューサー”の他にも、自ら“虚業家”“国際暗黒プロデューサー”なる奇天烈な肩書きを名乗り、近年は“全世界を睥睨するスフィンクス”を自称するなど、こと怪しさに関していえば近年の日本ではお目にかかれない種の、遙かなスケールなのである。 ――“虚業家”っていう肩書きはご自身で名乗られたんですよね? 「そうそう」 ――“虚業家”って簡単に説明すると、どういう職業なんですか? 「要するに……ペテン師みたいなもんだ」 ――それ簡単すぎますよ(笑)。ペテン師と虚業家はどこか違わないんですか? 「うーん……ペテン師寄りの実業家かな?」 ――そういうものなんですね(笑)。 「両者の大きな違いは、ペテン師は殺伐としているが、虚業家、特に僕のようなタイプは大ロマン主義者ということだ。僕が『虚業家宣言』って本を出したのはもう40年ほど前なんだけど(1974年・双葉社刊)、ライターはまだ文藝春秋に入ったばかりの花田(紀凱)くんだからね。その後、週間文春編集長、現『WiLL』編集長ですが」 ――最近、康さんの他に虚業家はいますか? 「みんなゴミだねえ」 ――おお! 「売れっ子の精神科医とか医者ね、今幻冬舎でベストセラー出してる輩が何人かいるんだけど、こいつらの言ってることは全てまやかし、ペテンですよ。読んでる奴がおかしくなるだけなんですよ。たとえば大問題になってるのが、『人は死なない』って書いた矢作(直樹)ね。彼も言っていることが徹底してちぐはぐなんだだよ。最大の問題はね、オレオレ詐欺もそうだけど、引っかかる奴らに問題がある。善男善女にも大きな自己責任がある。カモがいるからこういうのが出てくるんだ。秋本(康)くんも殺伐なペテン師であるといえばそうだけど、あれくらいは愛嬌でしょう。別にどうって話じゃない」 ――東京オリンピックで大きな役割を担うという噂もありますが……。 「オリンピック!? それはないよ、そんな甘くない。バックグラウンドでやるのはあり得るけどね。ちなみにLAオリンピックは当時テレ朝の天皇といわれた三浦専務と組んで仕掛けたんですが、電通に潰された。勿論、三浦からは然るべき『オトシマエ』はとりあげたけど。当時の新聞読んでもらえれば、いかに大騒動だったかよくわかるよ」 (文・写真=福田光睦/http://ch.nicovideo.jp/channel/mftv">Modern Freaks Inc. 代表) ・第二回に続く ●康芳夫(こう・よしお) 1937年東京生まれ。国際暗黒プロデューサー、虚業家、家畜人ヤプー全権代理人、全地球を睥睨するスフィンクス。 公式ツイッター=@kyojinkouyoshio 公式サイト=http://yapou.club 有料メルマガ=『全地球を睥睨(へいげい)するスフィンクス『康芳夫』メールマガジンそして「家畜人ヤプー」通信』 無料メルマガ=『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』 【8月8日 45年ぶりに『家畜人ヤプー倶楽部』復活(定期開催)イベント開催!】<イベント概要> 月蝕歌劇団 代表 高取 英 構成のショー、 柊 一華 演出の本格的SMショーを酒を飲みながら堪能ください。出演:女王様『柊 一華』,モデル『秘密』 / 倉敷あみ(月蝕歌劇団トップ) 三上ナミ 柴奏花 他月蝕歌劇団 <日時> 2015年8月8日(土) ・第一回め:開演時刻 18:30 前売り(予約)3500円(当日会場払い) ・第二回め:開演時刻 20:30 前売り(予約)3500円(当日会場払い) <会場> 家畜人ヤプー倶楽部@下北沢 <チケット> ・http://peatix.com/event/101342![]()
RHYMESTERが語る、日本語ラップが恵まれている理由 宇多丸「自らを問いなおす機会があることはありがたい」

「〝新しい表現〟を模索した結果、ピアノがメインになっていった」(DJ JIN)
ーーRHYMESTERのディスコグラフィーの中でもかなりコンセプチュアルなアルバムだと感じました。 Mummy-D:うん、今まででいちばんって言っていいんじゃないかな。 ーーそのコンセプトをひと言で表すと、アルバム・タイトルや、アルバムのムードを決定付けているピアノをフィーチャーしたイントロ/インタールードのタイトル等で繰り返し使われている、〝ビューティフル〟という単語があてはまると思うのですが、そのようなコンセプトに至るまでにはどんな経緯があったのでしょうか? Mummy-D:そうだな……結局、制作にトータルで2年半ぐらいかかっちゃったわけだけど、最初にメンバーで集まってこのアルバムについてのミーティングをした時に、まず、「最近、どんなことを考えてる?」っていうところから話を始めたのね。そうしたら、ちょうど、ヘイト・スピーチが問題になっていた頃で、「あれは嫌だよな!」ってことで意見が一致して。そこから、「みんな、ちょっとした価値観の違いを受け入れられなくなってきている感じがする」「そういうのは窮屈で嫌だよなぁ」って話になって。でも、一方で、何が正しいかってことも言いにくい時代だとも思うんだよね。そもそも、ヘイト・スピーチだって〝正しさ〟を笠に着ているわけであってさ。それに対して、こちらから〝正しさ〟をぶつけても、問題が解決しないんじゃないかと。で、「じゃあ、どうしたらいいんだろう?」って考えた末に、「やっぱり、醜いのはダメだよな」「美しくあろうとすることは大事」「そのぐらいは言ってもいいんじゃない?」っていう結論に何となく辿り着いて。そこから、〝ビューティフル〟って単語が出てきたのかな。 ーー〝ビューティフル〟というコンセプトは、前作『ダーティーサイエンス』(13年)と対になっているとも言えますよね。 Mummy-D:いや、逆の概念ではないんだよ。 宇多丸:〝ビューティフル〟には〝ダーティ〟も包括されてるから。「汚いとされるものへの不寛容に対抗する」っていう意味にも取れる。アルバム・タイトルにもある通り、酸いも甘いも、そして、汚いも含めて美しい、みたいな。 Mummy-D:確かにサウンドとしては逆に行ったようなところもあって、前回があえてノイジーなものだったり、音楽的にあえて間違ったものを狙ったとしたら、今回はメロウネスを中心に据えて、音楽的にも間違ってないものを目指した。グッドミュージック感というか。 宇多丸:あるいは、アダルトな感じというかね。 ーーミーティングをする中で、メッセージは〝ビューティフル〟、サウンドは〝アダルト〟という方向性が決まっていった? 宇多丸:結果的にそっちに完全に行ったよね。移籍が決まったこともあって、途中、迷ったりもしたんだけど。「移籍第一弾がそんなイレギュラーなタマで良いのか?」とか。 ーーイレギュラーというのは? 宇多丸:やっぱり、リスナーが期待するだろう〝RHYMESTERっぽさ〟ってあるじゃない。今回のアルバムの収録曲で言うと「マイクロフォン」とかさ。 ーー前回のインタビュー(RHYMESTERは今のスタイルをどう掴みとったか?「やっぱり、オレらはライヴ・バンドなんだ」)で話した、〝エモい〟表現みたいなことでしょうか? 宇多丸:そうだね。『人間交差点/Still Changing』はそれに準ずるようなところもあって、あのシングルが結構好評だったことでカムバックのイメージは打ち出せたので、アルバムは振り切っても大丈夫だろうと。 ーーただ、「人間交差点」も「Still Changing」もアルバムの流れで聴くとまた印象が違いました。 宇多丸:だから、あの2曲が〝RHYMESTERっぽさ〟と今回の〝イレギュラーさ〟の橋渡し役になっているのかな。 ーーちなみに、サウンドに関しては先程も言ったようにピアノが印象的ですけど、Dさんは『ダーティサイエンス』収録曲「It’s A New Day」に関して、リリース当時、「新しいアプローチ」「あんなキレイなピアノ使ってる曲なんかやったことなかった」「『黒っぽくない』というか。俺らはやっぱ、どこかでファンク臭とかソウル臭がしちゃうんだけど……その当時、『白い』モノに興味があったんだよね」( http://amebreak.ameba.jp/interview/2014/09/005191.html )と語っていました。 Mummy-D:今回、「ピアノ中心で行こう」みたいなことは意識していなかったものの、改めて考えてみたら、確かに多いね。「フットステップス・イン・ザ・ダーク」もそうだし、「The X-Day」でも使ってるか。 昔、RHYMESTERには、曲にキーボードが全然入ってない時期があってさ。ホーンとギターばっかりっていう。でも、ヒップホップの表現の幅も広がってきて、ラップもエモーションみたいなものを開放していこうっていう流れになって。で、そういうことをやろうとした時にピアノっていうのは、やっぱり、ぴったりなんだよね。下手に使うと危ないんだけど、勇気を持ってピアノだけをバックにしたこともあったし。 ーー『ダーティサイエンス』と本作の間にリリースされたベスト・アルバム『The R~The Best of RHYMESTER 2009-2014』(14年)には、「It’s A New Day」と「ちょうどいい」のピアノ・バージョンが収録されていましたよね。ホーンが勇ましい〝アツさ〟を表現するのに適しているとしたら、ピアノはそれとは対照的に繊細な〝エモさ〟を表現するのに適しているといったところでしょうか。 Mummy-D:そうだね。ホーンもエモーショナルな楽器ではあるんだけど、ピアノとは感情の種類が違う。 宇多丸:ピアノは流麗さを表現するのにも適してるよね。 ーー「人間交差点」がホーンとオルガンをメインにしているのも、宇多さんの「(同曲が)〝RHYMESTERっぽさ〟と今回の〝イレギュラーさ〟の橋渡し役になっている」という説明を裏付けているような。 DJ JIN:アルバムをつくる上で、〝RHEYMESTERならではの表現〟とか〝他のアーティストがやってない表現〟とか、あるいは、〝新しい表現〟みたいなことを模索した結果、ピアノがメインになっていったってことなのかな。要はフレッシュというか。いわゆるミュージシャン・シップみたいなものを取り入れてトラックをつくるっていう試みはこれまでもやってきたけど、今回はそれをまたさらに違う方向でやれたと思うし。 ーー身近にSWING-Oというアーティストがいたからこそ、というのもあるんじゃないですか? DJ JIN:もちろん、それもあるね。SWING-Oっていうキーボーディストは、ピアノでリッチかつ情感豊かに演奏出来る人で、彼とのセッションから膨らんでいった部分も大きい。 ーー〝リッチ〟って表現、いいですね。今回のアルバムのイメージを言い表す言葉として、〝ビューティフル〟もそうだし、〝エモーショナル〟もそうだけど、〝リッチ〟もしっくりくる。 宇多丸:オレ、最近、〝豊か〟って表現、超便利だなと思って評論とかでよく使っちゃうの。いろんなものが包摂されてるでしょう。『Bitter, Sweet & Beautiful』っていうタイトルにしても、並んでいる3つの単語をひと言でまとめるとしたら、それは、〝リッチ〟ってことになるのかもしれない。「今回は表現の幅を広げるアルバムにしたかった」(Mummy-D)
ーーリッチ・ギャングじゃないですけど、〝リッチ〟って単語にはヒップホップ感もありますしね。そして、『Bitter, Sweet & Beautiful』の音楽性に関して、当然、目を引くのがPUNPEEのクレジットです。5曲でプロデュースを手掛け、その内、2曲ではラッパー/ヴォーカリストとしても参加していますが、最初の段階から彼にはこのように全面的に関わってもらおうと考えていたのでしょうか? Mummy-D:PUNPEEは、最初にトラックを集め始めた時に5曲入りのやつをくれたんだけど、それがどれも凄く良くて。 宇多丸 うん、突出してフレッシュだった。 ーーああ、RHYMESTERはアルバムをつくる上で、トラックのオーディションみたいなことをやるんですね? Mummy-D:最近はそうなってるね。まず、オレが200から300ぐらいは聴いてるんじゃないかな。その中から選んだものを皆にも聴いてもらうんだけど、とにかく、PUNPEEが気合入っててさ。あと、彼はオケをつくると同時にフックも頭の中で鳴っちゃうタイプらしくて、デモの段階でそれを仮歌で入れてきてて。だから、トラックを採用すると同時に、ヤツの声も採用せざるを得なくなるっていう。それで、PUNPEEだらけのアルバムになっちゃったんだけど(笑)。 宇多丸:でも、あのフックの感じとか、オレらからは絶対出てこないものだから面白くて、「これ、そのまま使ってもいいかもね」っていう。 ーー以前、宇多さんは『ウィークエンドシャッフル』(TBSラジオ)でPUNPEEを上手いラッパーの代表に挙げていましたよね。 宇多丸:そうそう。一緒に曲をつくり出すちょっと前ぐらいかな。ヴォーカリストって武器を1個でも持ってりゃ良くて、2個持ってるのは上手いひと、3個持ってるのは天才だと思うんだけど、あいつは3つ以上持ってる気がするな。しかも、その3つ以上のバランスの調整が見事というか、トータルで確実にクリティカルヒットしてくる。 ーー結果として、PUNPEEがアルバムの要となりました。 Mummy-D:PUNPEEという毒を食らっていいものをつくろうみたいなところはあったね。前回は(illicit)tsuboiくんにその役をやってもらったわけだけど、今回は彼に。 ーーアルバムのコンセプトにも通じる話なんですが、今回のリリックには、下の世代へのメッセージも多く含まれていますよね。「Kids In The Park」はそのものズバリですけど、「ガラパゴス」も若いラッパーに向けたラインがあります。だからこそ、PUNPEEが大々的に起用されたのかなとも思ったのですが? 宇多丸:それは、ひとつに、DとJINに子供がいるっていうのもあるんじゃない? ただ、PUNPEEに関しては「若手をフックアップ」的な意識はないね。 Mummy-D:うん。彼はもはや中堅どころの実力派みたいな位置にいると思うし。今回はヤツの才能を借りて新しさを導入したっていうより、むしろ、表現の幅を広げてもらったっていう感じかな。音楽的な許容度が高いじゃん、PUNPEEは。今回はまさにそういうアルバムにしたかったから。 ーーなるほど。では、フレッシュさではなく、SWING-Oのピアノと同じようにアルバムにおける〝リッチさ〟を担ってもらったと。 宇多丸:あとは、あいつを入れることで、風通しが良くなるっていうかね。オレらは意味意味意味、コンセプトコンセプトコンセプトでがっちりとした建築をつくっちゃいがちなんだけど、PUNPEEのヴァースで「お前、何言ってんの?!」みたいなところがあると、そこににちゃんと襖がつく。 ーー後程、詳しく訊きますけど、「SOMINSAI」のラップとか、笑わせ方を分かっているというか、結構、ロジカルなタイプなんだなって思いましたよ。 宇多丸:ベースには彼なりのロジックががっちりあったりするんだろうけどね。でも、その表出の仕方がさ、「〝加奈子〟(「SOMINSAI」のPUNPEEのパートで「忘れちゃえ 穴兄弟 過去の事 加奈子の事」というラインがある)って誰だよ? 昔、付き合ったことあるの?」「いや、ないっす」みたいな感じで(笑)。やっぱり、オレらにはない、いい意味でのルーズさがあるっていうか。あいつのヴァースが上がってきた時に、すごく感心したもん。「ラップってこれぐらい力が抜けてるほうがカッコいいってのもあるよな」「難しく考え過ぎなんだよな、オレは」みたいな。 Mummy-D:一方で、「ここはこの小節で終わってくれ」とか「この言葉は使わないでくれ」とか。そういう細かい注文も多いんだけどね。それで、喧嘩までは行かないけど、結構なやり取りをして。 ーーRHYMESTERに対してラップのディレクションをするんですか! Mummy-D:うん。ヴァースの言葉を変えてくれとか、サイズを変えてくれって言われたのは初めてだったね。 宇多丸:最初、「Kids In The Park」の3番は16小節書いたんだけど、「8小節で終わってください」って言われて、「あ、はーい」っていう。 ーー音楽的に考えた時に、それが、彼にとってはビューティフルだと。 宇多丸:そうそう。PUNPEEなりに響く在り方っていうものがあるみたい。「ひとはどうしてもシラフじゃ生きていけない」(宇多丸)
ーーでは、続いて、アルバムの収録曲で特に気になったものについて順に伺っていきたいと思います。まずは5曲目の「ペインキラー」。フックに〝ドラッグディーラ―〟という、アメリカのラップ・ミュージックでは頻出するものの、これまで、RHYMESTERには縁遠かった単語が使われています。ただ、当然というか、ドラッグそのものではなく、音楽をドラッグに例えて歌っている。 宇多丸:音楽だけでなく、そもそも、エンターテインメントは気晴らしっていうか、もしくは、ある種の毒っていうか、わざわざ、身体に入れなくてもいいものなのに、それなしで生きているひとはまずいないっていう。もちろん、ドラッグを推奨しているわけじゃないんだけど、そういうものを非難するひとも、音楽とか聴いてる時点で同じだよっていう。 ーー誰もが何かしらにアディクトしてるということでしょうか? 宇多丸:そうそう。ひとはどうしてもシラフじゃ生きていけないんですよ。みんな、何かに逃げ込んでいる。これはアルバムの中でいちばん古い曲で。今回の裏テーマとも言えるんじゃないかなって思うんだけど。 ーーアメリカとは違って、今、日本のメジャーで狭義のドラッグについて歌うことは出来ないですよね。だから、「ペインキラー」は、やはり後程、詳しく訊こうと思っている「ガラパゴス」と同じように、日本のラップ・ミュージックのガラパゴス性を表現したとも言えると思いますし、あるいは、宇多さんが仰ったように音楽を含む広義のドラッグにでも逃げ込まないとやっていけないこの国のキツい状況を表現したとも言える、RHYMESTERらしい批評的な曲だと感じました。 宇多丸:いま思い出したけど、この曲をつくる時に、デジタル・アンダーグラウンドの『セックス・パケッツ』(90年)のこともちょっと頭にあったかも。 ーーセックスの代替薬を巡る物語を描いたコンセプチュアル・アルバムですよね。 宇多丸:あれもドラッグのメタファーでしょう。 ーー続いて、シリアスなアルバムの中でいちばん浮いているのが、先程も話に出た7曲目の「SOMINSAI」。元ネタになっているのは日本三大奇祭に数えられる岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭ですよね。知らない方は、是非、画像検索してみて下さい。 宇多丸:検索して出てくる画像は完全にアウトだからね! 本当に全裸。ここ数年、流石にふんどしはするようになってきたみたいなんだけど、長老だけは相変わらずしてないっていう。 Mummy-D:出してる人のほうが偉いんだね(笑)。 宇多丸:日本の奇祭っていうと他にも川崎市のかなまら祭とかあって、それも西洋的価値観から見たらアウト中のアウトなんだけど、やっぱり、我々みたいな土着の人間が感じる〝豊かさ〟みたいなものに、そういう、裸とか性とかっていうものが含まれてるんだと思うんだよ。 ーー蘇民祭もかなまら祭も〝ビューティフル〟だし、〝リッチ〟なものだと。 宇多丸:凄くドメスティックで、それこそガラパゴスな価値観なんだけど、一方でその〝豊かさ〟みたいなものは形を変えながら世界中の何処にでもあるはずで。 ーー極めてローカルだけれど、同時にグローバルでもあると。それにしても、「SOMINSAI」っていうタイトルは直球ですね。 宇多丸:これはねぇ……迂闊そのもの。 Mummy-D:もともとは「蘇民祭〝的〟なことを歌おう」って言ってたのに、PUNPEEが自分のヴァースで〝ソミンサイ、ソミンサイ〟ってそのまんま連呼してて(笑)。「じゃあ、しょうがねぇ。ローマ字表記にするか」って。それで、「SOMINSAI」。 宇多丸:ただ、〝蘇民祭〟って言葉自体は一般名詞だから。 ーー曲中に〝黒石寺権蔵〟ってキャラクターも出しちゃってますけどね。 Mummy-D:言い訳不能(笑)。 ーーあのキャラクターを演じてるのはPUNPEEですよね? Mummy-D:そうそう。オルター・エゴらしい。 宇多丸:あんなの頼んでないよ! あいつが勝手にやってるんだよ(笑)。 ーーKICK THE CAN CREWとやった「神輿ロッカーズ」(02年)なんかは祭囃子をラップに取り込むというか、それこそ、ガラパゴスなラップ・ミュージックをあえてつくろうという試みだったわけですけど、「SOMINSAI」はガラパゴスとも言えない何がなんだかよく分からないものになっていますよね。 Mummy-D:途中で入ってくるバイオリンの音とかアイリッシュっぽかったりして、全然、日本の祭じゃないもんね。 ーー声ネタもちょっと中東っぽく聴こえたり。タイトルに反して土着的ではなくて、むしろ、人工的なサウンドですよね。 宇多丸:〝SOMINSAI〟っていうタイトルだからって、蘇民祭の音をそのまま使っても面白くないじゃん。 ーーただ、蘇民祭はRHYMESTERにとってはひとつの理想郷であると。 Mummy-D:全然、違うよ!(笑) 宇多丸:でも、まぁ、褒められたものではないかもしれないけど、ああいう、〝豊かさ〟もちゃんと認めていきたいよねっていうのはあるかな。 ーー〝褒められたものではないかもしれない〟……というのは、8曲目の「モノンクル」にも繋がる話です。 宇多丸:そうそう。全体を通してそれを言ってるから。 ーー「モノンクル」は〝おじさん〟がテーマで、前回のインタビューの時、Dさんが自分のことをやたらと〝おっさん〟と言っていたのが気になったんですけど、ここで言う〝おじさん〟は〝おっさん〟とは違う。 Mummy-D:うん、違う〝おじさん〟だね。 ーー要するに〝伯父さん〟ですよね。文化における〝伯父さん〟って伝統的な立ち位置だと思うんですけど。 宇多丸:その通りです。 ーー父親よりも気軽で、友達よりも身内な、文化のことだったり、あるいは人生のことだったり、色々な知識を教えてくれる歳上のひとっていう。その知識が〝褒められたものではないかもしれない〟わけですが。ちなみに、タイトルはジャック・タチ『ぼくの伯父さん』の原題〝Mon Oncle〟の引用ですか? 宇多丸:それを〝モノンクル〟ってカタカナ5文字の表記にすると、伊丹十三の出してた雑誌(朝日出版社/81年~)のタイトルでもあって。おそらく、伊丹十三も文化における〝伯父さん〟的なスタンスを打ち出そうとしたと思うんだけど。「モノンクル」って表記にしたのはそれに対するオマージュ。 ーー宇多さんもラジオで自分よりは歳下のリスナーの子たちを相手に文化について語っているわけですけど、やはり、〝伯父さん〟でいたい? 宇多丸:RHYMESTERそのものが、この界隈の音楽業界では〝伯父さん〟的な立ち位置だろうしね。あと、オレの場合は、DやJINの子供とか、小島慶子さんのうちの2人の子供のためにビデオを選んだりしてて。「宇多丸おじさんが、今度はどんな面白い映画を観せてくれるかな?」みたいな立場が凄い愉しくてさ。「さぁ~、君らの年齢でいえば、そろそろ、この辺りがいいんじゃないか~?」って。 ーー今はどのくらいまで行ったんですか? 宇多丸:小島さん家の子供は『スター・ウォーズ』が凄い好きで、「オレは高級なライト・セイバー持ってんだぞ! FXライト・セイバー」って自慢したら、「おかーさーん! FXライト・セイバー買ってー!」って大騒ぎになっちゃって、「ヤバい、まずいこと教えてしまった……」っていう(笑)。まぁ、そういうふうに、「〝伯父さん〟って立ち位置は良いよね」って考えは、子供たちと直に触れて楽しかったことから来ているものでもある。 ーーうちの弟はオタクなんですけど、従兄弟の子たちが小さい頃は戦隊ものの知識とかを披露して尊敬されていたのが、その子たちももはや中学生とか高校生なので「何だこのひと?」みたいな扱いになってます。 宇多丸:北杜夫の『ぼくのおじさん』っていう小説にはそういう感じもあって。伯父さんが家でずっとごろごろしてて、「ダメなひとだなぁ」って思うんだけど、後に振り返ってみるとそのダメさが自分には重要だったのかもみたいな話。あれは好きで何度も読んだけどね。 ーー先程、今回のアルバムには下の世代へのメッセージが込められているのではないかっていう話をしましたけど、〝伯父さん〟っていう距離感は絶妙ですよね。完全な上から目線ではない。 宇多丸:そうそう。〝ガハハおじさん〟みたいなのは嫌なんだよね。セクハラするようなおっさんのことをイメージされちゃ困るっていうか。 ーー最近、ラッパーの漢が出した『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社/15年)に「日本のラップ・シーンはいわゆる日本的なタテ社会とアメリカ的なヨコ社会の中間の、ナナメ社会だ」みたいなことが書いてあって、それにも通じる話だとも思いました。 宇多丸:へぇ! あの本も面白いよね。すげぇ怖いけど。「信じられない、こんな人が同じシーンにいるのか!」って思った(笑)。「『オレたちがやっていることは何なんだ?』っていうことを問いなおす機会が度々あることは、ありがたいことなのかもしれない」(宇多丸)
ーーそして、気になるのが9曲目の「ガラパゴス」。この曲はやはり例の為末ツイート(元・陸上選手の為末大による「悲しいかな、どんなに頑張っても日本で生まれ育った人がヒップホップをやるとどこか違和感がある」という文章で始まる一連のツイートのこと)が発端になっているわけですよね? Mummy-D:直接的な要因としてはそうだね。 ーーただ、これまでも、RHYMESTERはヒップホップに対する誤解を解いたり、魅力を説明する曲をたくさんつくってきたわけですが、この曲では「まだこんなことを言わなきゃいけないのか」みたいな苛立ちが表現されています。 Mummy-D:『ウワサの真相』(01年)の頃と言ってること変わってねーや、みたいな。 宇多丸:でも、為末さんはすごいよね。実際にヒップホップのグループに曲をつくらしちゃったんだもん。ありがとうございます。 ーー宇多さんはあのツイートをラジオでも取り上げていましたね。 宇多丸:まぁ、悪気はないのは百も承知なんだけど。逆説的に言えば日本のヒップホップ肯定論としてもとれると思ったし。 ーー「ガラパゴス」が面白いと思ったのは、「「日本のヒップホップにおけるオリジナリティとは何か?」みたいなこれまで散々繰り返されてきた質問に答えるよりも、その質問自体が愚問であり、設問自体がある種の罠だと言っているわけですよね。 宇多丸:そもそも、「オリジナルって何?」っていう。例えば、〝仏教〟って言葉は使ってないけど、お経っぽくラップして「チーン!」って言ってるところなんかは、「仏教だってモロ輸入文化やないか!」って意味を込めてて。しかも、仏教って輸入してくる時に土着のひとと揉めてるんだよ。「この外国被れが!」みたいな。 ーー今は伝統になっているものも、かつてはモダンなものだったのかもしれない。 宇多丸:そう。要はアメリカのイケてる流行をそのまま直輸入するような話だったんだから。 ーーそして、同じようなことが世界中で起こっているし、むしろ、それこそが文化の本質であると。 宇多丸:あと、日本語ラップで言うと、「本場もんの完コピ」でも「本番もんとは別もん」でも、結局両方、貶されるんだもん。 ーー完コピは猿真似、別もんはガラパゴスだって言われるわけですよね。 宇多丸:しかも、それを同じ口で言ったりするから。まさにダブルスタンダード。本質はその中間にあるのに。 ーー〝猿真似〟〝ガラパゴス〟みたいな分かりやすいレッテルに引っ張られてしまう。 宇多丸:だから、「日本のヒップホップにおけるオリジナリティとは何か?」みたいな質問自体が愚問なんです。で、スタジオで「最後の1行どうしよっかなー」って考えてたら、Dが「もうこんな話はしたくないよね」って言って、「それだ!」って(笑)。 ーーこの曲が最終的な結論になるんですかね。 宇多丸:どうだろね? まぁ、こんなことを言わなきゃいけないうちが華なのかなとも思うんですよ。 ーー確かに、今のロックなんかにはそういう設問自体がないし。 宇多丸:やっぱり、「オレたちがやっていることは何なんだ?」っていうことを問いなおす機会が度々あることは、ありがたいことなのかもしれないし。それを問わなくなった時に堕落するのかもしれない。 ーー日本語ロック論争みたいなものが、ラップにおいてはもう30年ぐらい続いているわけですからね。 宇多丸:日本語ラップのトレンドも、振れてるじゃない。バイリンな時期があったり、日本語エモがあったり。面白いよなぁ、ジャンルとして全然生きてるよなぁと思って。 ーー実は「日本のヒップホップにおけるオリジナリティとは何か?」みたいな、永遠に解けない質問に立ち向かい続けていることで、オリジナリティが生まれている。 宇多丸:ロックのひとからすると、羨ましいとすら思えるのかもしれないね。 ーーちなみに、「ガラパゴス」のDさんの3ヴァース目はTwitterディス? Mummy-D:Twitterディスじゃない(笑)。 ーー「また ピーチク パーチク うっせー小鳥のさえずりに/また ピーチク パーチク うっせー小鳥のさえずり返し」ってラインはそうとしかとれないですけどね。他にもこのアルバム、結構、ネット・ディスが多いなと思いました。 Mummy-D:あ、そうかね。ネット・ディスもしてないよ。 ーーいや、してますよ。 Mummy-D:ははは! 宇多丸:まぁ、SNSとかを、ちょこっとチクチク言ったりしてね。 ーーそうそう。宇多さんの「「つながり」を切望し だがそのたび絶望し」(「Beautiful」)とか「しばらく「つながり」中毒離れてソリチュード」(「サイレント・ナイト」)とかも、Twitterディスですよね。 Mummy-D:でも、それはTwitterディスではないでしょ。すぐ〝つながり〟たがる傾向をディスしてるんであって。だって、Twitterディスって、メール・ディスみたいなもんじゃん。電話ディスとか。 ーーあぁ、もはやインフラになってるものをディスっても仕方がないっていう? Mummy-D:だから、Twitterディスっていうより、Twitterの使い方を間違えてるバカに対するディスだね。 宇多丸:過度のSNS依存とかさ。 Mummy-D:みんなが感じてることだよ。 宇多丸:SNS上で誰もが言ってることっていうか。この程度のことは。 ーーDさんが「マイクロフォン」で、「だから 震わせてくれよリアルな空気を リアルな言葉(ワード)でリアルな世界(ワールド)を/もうアバター・トゥ・アバターの虚ろな会話じゃ裸の俺たちは満たせやしないんだ」と歌っているのは、ネットよりもリアル志向っていうことですよね。 Mummy-D:そうだねぇ。 ーーまさに〝おじさん〟的なメッセージだと思いましたけど。 Mummy-D:ネットで拾える情報をネットで回して、それに対して何だかんだ言ったりだとか。そんなんだったら、1回、ライブを観に来てくれたら速いのに、みたいなことは考えたね。 ーーネットを眺めながら色々と思うことはあるんですね。 Mummy-D:ネットはもはやデフォルトだから、それは避けて通れない。だから、その使い方だとか、そこでのコミュニケーションだとかを話題にしてるんだろうね。あるいは、ふと感じた、ちょっとした虚しさだとか。 ーー前回のインタビューで〝現場〟について訊いた際、今のRHYMESTERは曲をつくる時にクラブのことはあまり想定しないけれど、フェスだったりネットだったりは念頭に置く、というようなことを言っていたのが印象的だったのですが。 宇多丸:ネットもひとつの現場だよね。でも、Dも言ったように、ネットはもはや特別なものではなく、生活の一部だからさ。 ーーそうですよね。今、〝ポスト・インターネット〟って言葉がありますが、それは、もはやオフ・ラインとオン・ラインに区別はないっていう状況を指しているわけで。 宇多丸:だから、日々の暮らしについて何か意見を言おうとした時に、ネットで起こるある種の現象も視野に入れざるを得ないってだけのことで。オレは、本当に自由に、フラットに意見を言い合えるスタイル・ウォーズなら、全然、良いと思う。コピペして意見を言った気になるとか、そういうものがイラっとくるだけで。 ーー「ガラパゴス」の歌詞にもあるように、「「ひとこと言ったった!」気にはなれる」みたいな。 宇多丸:そうそう。「言えてねぇよ、お前これ!」っていう。まぁ、おじさんとしては文句のひとつでも言いたくなるってだけで、もちろん、それも含めてのネットだと思いますけどね。リテラシーもどんどん変わってるしね。 ーーJINさんはTwitterやってますけど、宇多さんはやってないですよね。Dさんは? Mummy-D:やってないよ。 ーーネット・リテラシーの低いグループ……。 宇多丸:でも見てるよ、全然! ーーははは。それは、一応、警告しておかないと。 Mummy-D:警告(笑)。 宇多丸:ほんとだよ。「言っとくけど、お前の発言、これ簡単に見れっからね!」っていう。あまりにそれを意識してないと思われる、迂闊なひとが多くて。 ーー本当に呟きだと思っちゃって。 宇多丸:フォロワーしか見てないと思ってるかもしれないけど、「いや、丸見えだから!」みたいな。お前のその中学生日記が未来永劫残る可能性だってあるわけでね。オレの若い頃にこんなものがあったとして、恥ずかしい妄言の数々が世界にさらされると考えたら……(頭を抱える)「わー!」。 Mummy-D:今は忘れられる権利がないよね。 後編【RHYMESTERが示す、プロテストとしての音楽表現 DJ JIN「美しくあろうという気持ちが大切」】に続く (取材・文=磯部涼)
RHYMESTER『Bitter, Sweet & Beautiful』
元モー娘。安倍なつみ“暴露キャラ化”で「押尾学とお泊まり」「歌詞盗作」を告白する日
安倍なつみが、24日放送の『バイキング』(フジテレビ系)で、元カレとの別れ話を暴露した。この日は出身地である北海道でのグルメロケで、ほかの出演者と恋愛話となり、昔付き合っていた彼氏に電話口で別れ話を切り出すと泣きつかれ、いら立ちを覚えたエピソードを語った。 安倍は今年1月には『バナナマンの決断は金曜日!』(同)において、モーニング娘。時代に、後藤真希と確執があったと告白している。 具体的な恋愛エピソードや、メンバーとの関係など、かつては考えられない“ぶっちゃけキャラ”となりつつある安倍だが……。 「彼女は現在33歳で独身ですから、いつまでもかわいいアイドルではいられない。今後、暴露キャラとなっていくのも、ひとつの道かもしれません。しかし、現状は『メンバーと確執ありました』『アイドル時代も彼氏いました』という、誰でも想像がつく程度にとどまっている。一皮むけるには、さらに過激で具体的な話が求められます」(放送作家) そうなると、押尾学との“お泊まり”や、aikoやYUKIを真似た歌詞盗作騒動にも触れるかどうかが気になるところ。特に、押尾とのお泊まりについては「部屋で徹夜でプレステをしていただけ」と釈明したことが話題となり、以来、ファンの間では「プレステ」はセックスの隠語となった。 「元モー娘。では、矢口真里が不倫騒動からの復帰後に、肉食系キャラを強調していますから、同じ方向性を模索するにも手詰まりでしょう。安倍は、俳優の山崎育三郎と結婚直前ともいわれていますが、この先、子持ちの主婦となっても、ママタレ枠は石黒彩や辻希美で埋まっていますからね」(前出の放送作家) 現在は音楽活動とともに、舞台やドラマなどの女優活動もこなしている安倍。根が真面目だけに、新キャラ模索にも苦悩しているのだろうか?『Dreams』(UP-FRONT WORKS)
「もう誰も興味がない」篠田麻里子、“彼氏できた”報道後初の会見もマスコミは総スルー
「潰すつもりで来てください」と挑発スピーチが懐かしい
元AKB48の篠田麻里子が7月25日、トリンドル玲奈と真野恵里菜とトリプル主演した映画『リアル鬼ごっこ』の舞台挨拶に登場。一部報道で「彼氏ができた」と報じられて以降、初めての公の場となったが、この日の会見で記者たちから質問を振られる気配すらなかったという。
篠田は6月6日放送の『おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR,NO LIFE!』(BS日テレ)に出演。そのオープニングトーク中、AKB48を卒業して「プライベート(の時間)が増えました」と話していたが、小木博明から「彼氏も作れてね」と振られ、「できましたね!」と即答。「軽く言っちゃったね」と驚くおぎやはぎだったが、「いろいろと」とあっけらかんと語る姿がオンエアされた。




