『バケモノの子』『おおかみこどもの雨と雪』『サマーウォーズ』細田守作品における女性ヒロインと家父長制

 細田守監督作品『バケモノの子』を観てきました。

 映像がきれい(とりわけ、光と影を映す鏡面としての水の描写が美しい)で、ストーリーもまあ面白かったものの、観終わった第一の感想は、「細田作品のヒロインって、毎度のことだがすぐ妊娠しそうだな……」でした。

◎あなたと私の共依存

 「すぐ妊娠しそう……」というのは、自己評価が低いゆえに共依存スイッチが入りやすく、辛くても脳内麻薬で認識をゆがめて「私とっても幸せ!」と言って周りの助言を突っぱねてしまうので、取り返しのつかないところまで加速しやすいタイプの女性を表した言葉です(すべての妊娠や出産そのものを、共依存の結果だと見ているわけではありませんので悪しからず)。

 『サマーウォーズ』のヒロイン篠原夏希も、『おおかみこどもの雨と雪』の花と雪も、『バケモノの子』のヒロイン楓も、本当に21世紀の女性を描いたのだろうか? とびっくりするくらい内面がなくて、「男のために存在する」以外のアイデンティティが与えられていません。

 『サマーウォーズ』の篠原夏希は主人公の通う高校においてアイドル的存在ながら、美しいことと若いことしか取り柄がありません。作品内で唯一の彼女の見せ場は花札バトルの代表として戦うシーンですが、花札好きの親族が大勢いる中でなぜ彼女が代表に選ばれたのか、理由は明かされません。彼女の行動に賛同し、花札の賭け金がわりの命を(アカウント)を託す大勢の人々が現れたことも、親戚のおじさんは「(夏希が)美しいからだ」と評すなど、典型的なトロフィーワイフです。

 『おおかみこどもの雨と雪』の花は、頑張って国立大学に入学したのにおおかみ男と恋愛して妊娠し、大学に行けなくなってしまいます。花の場合、両親がおらずアルバイトで生計を立て学費も捻出しなければならない苦学生だったから……と理由付けされているのかもしれませんが、友人らしき影が皆無です。学生が学業をおろそかにすること事態そもそも問題ですが、学業以外の交友関係がオオカミ男との恋愛関係だけという共依存環境は、学生でなくても避けるべきです。娘の雪も、出自や思春期の悩みを抱えてはいますが、彼女の悩みは「好きな男の子に受け入れてもらえた」というただ一つの理由で雲散霧消してしまいます。

 最新作『バケモノの子』のヒロイン楓は、前二作のヒロインに比べて登場時間が短いゆえに、ジェンダースタディーズ的な視点から叩かれることは少なそうですが、それでも、短い登場時間の中で彼女が「主人公の少年・九太(蓮)のため」以外に存在することはありませんでした。母子家庭の一人っ子だった蓮は9歳で母と死に別れ、バケモノの世界に迷い込みます。めちゃくちゃ強い熊のバケモノに弟子入りし“九太”という名前をもらい、修行を詰んで成長します。17歳で人間界とバケモノ界を偶然にも行き来することが出来るようになった九太は、進学校の女子高生・楓と出会うのです。

 楓は九太のために勉強を教え受験の準備をし、八つ当たりされてもやさしく受けとめ、夜分に呼び出されたらすぐ向かう。いつでもどこでも手数料もなしにプライスレスなケアが引き出せるATMみたいです。

 『時をかける少女』は別としても、これら作品のヒロインたちは、「共依存スイッチ」を押しやすいタイプの女性として描かれているように見えました。

◎関係性が「壊れない」前提

 彼女たちはみな、友達がいません。

 同性異性問わず、悩みを相談したり、話を聞いてもらったり、話を聞いたりするような関係の友達が一人もいないのです。

 篠原夏希に友達がいれば、自らのプライドのために夏希に気がある後輩に「恋人ごっこ」をさせることの残酷さを忠告されたでしょうし、花に友達がいれば、妊娠した時、出産する時、大学を辞める時など、様々なアドバイスや受けられる支援サービスなどの情報が得られたかも知れません。少なくとも恋人の死後、シングルマザーとして近所のすべてから孤立する事態には陥らなかったのではないかと思います。

 クラスでいじめられている上、親ともうまくいっていない状態である楓に、恋人以外の人間関係も重要であると説いても伝わらないかもしれませんが、視点や場所を変えれば新しい友達に出会うことは可能です。なにより、一人しかいてはいけない(ことになっている)恋人だけに依存するよりも、複数の異なる友達から意見を聞く方が、彼女が抱える悩みや問題解決の近道であると思います。

 困ったときに頼れる人、力になってくれる人が一人もいないことも、一人しかいないことも、同様に問題があります。

 親子、兄妹、友達、恋人、関係性が壊れることなんて当たり前にあるからこそ、自分が頼れる人は一人でも多い方が良いと思うのです。

 なのになぜ、彼女たちには友達がいないのでしょうか?

 それは物語上は、たった一人の恋人との関係性をドラマチックに盛り上げるために他なりません。

 彼女たちはきっと、恋人に嘘偽りなく「あなたしかいない」と言うでしょう。友達がいないし親子関係も良くない(『サマーウォーズ』はちょっと違いますが)、依存できる先が恋人しかないのだから当然です。

 また、「家族だから、恋人だから全力で力を合わせなければならない/合わせられるはず」というものでもありません。前述のように、関係性が壊れるのはよくあることですが、細田作品においては、「絶対に壊れないもの」として描かれています。それ自体がファンタジーであるとしても、「家族や恋人には壊れない強い絆がある」と断定してしまうことは危険ですし誤りです。

◎保守的な家族・親子・恋愛観

 『サマーウォーズ』が描いた「日本の田舎いいなあ、大家族っていいなあ~」の中身が「女は家事育児/男は仕事と遊び」「田舎にプライバシーなし」「親族で悪いことをするのは妾の子」「少年は能力、少女は若さと美しさが評価される」というものであったことには大きな問題があります。

 保守的なジェンダー観のノスタルジーを伴う全肯定は、ジェンダーギャップ指数世界104位である現在の日本が、子供の集客も多く見込んだ映画作品で描くべきことではないと思いますし、どんな人にも尊重されるべきプライバシーがあります。婚外子差別は論外ですし、「身内の尻拭いは親族の務め」という考えは、報復や私刑を産む豊かな土壌です。少女が若さと美しさしか評価されないということは言うまでもなく人権蹂躙です。

 細田監督は『バケモノの子』公式サイトに寄せたメッセージで、「現代社会の変容とともに家族観も変化するのは必然」「旧来の伝統的な家族観はもはや参考にならず、私たちは家族の新しいあり方を模索しなければならない瀬戸際に立たされている」と述べています。そのうえで、この作品を「ひとりぼっちの不幸な少年が、強いけれど身勝手な独り身のバケモノと出会い~~本当の親子にも負けない強い絆を得る物語です」と説明しているのですが、「本当の親子は強い絆があって当然」だと考えている監督は、「旧来の伝統的な家族観」に囚われたままなのでしょう。細田監督には家族観の変容を十分に受け止めることが出来ていないのではないでしょうか。

 監督は「家族」というものに幻想を抱いていますし、同様に「恋人」という関係性についても「愛し合っていれば絆は壊れない」と思い込んでいるようです。『バケモノの子』の楓は、「登場時間が短いゆえに、ジェンダースタディーズ的な視点から叩かれることは少なそう」と先ほど述べましたが、九太と楓の恋愛関係の描かれ方には疑問が残ります。

◎恋人さえいれば…

 バケモノの世界で暮らす人間は、九太だけではありません。バケモノ界の強者ツートップは熊と猪なのですが、猪には2人の息子がいます。次男は猪ですが、長男の一郎彦は、赤ん坊の頃に捨てられ、猪に拾われて育てられた人間です。この一郎彦が物語のクライマックスとなる大事件を起こすのですが、ここから先はネタバレとなりますので、知りたくない方はご遠慮ください。

 バケモノ界に生きる人間・九太と一郎彦も、人間界で暮らす楓も、それぞれ「親子関係」に悩みを抱き、心に闇を抱えます。

 九太は人間の親(実父が存命です)とバケモノの親(熊)の間で板挟みになります。一郎彦は、バケモノのような成長(性徴)が表れない自分に不安と負い目を抱き、顔を隠すようになります。楓は親からの期待に必死で答え続け自らを抑圧してきたことのむなしさと、期待に答えられなかったら見捨てられるかもしれないという不安を抱いています。

 バケモノ界の頂点を決めるバトルが大騒動に発展し、九太と一郎彦は心の闇が暴走しそうになりますが、九太は楓のおかげで心の闇を暴走させずコントロールすることができるようになりました。心の闇を暴走させた一郎彦は、半透明の大きな鯨になり、人間界を混乱に陥れます。物語にも出てくるメルヴィルの『白鯨』では、巨大な白いマッコウクジラ「モビィ・ディック」が片足を失った捕鯨船の船長エイハブにとって復讐するべき悪の象徴となりますが、半透明の大きな鯨になった一郎彦も、まるで悪の象徴であるかのように無差別な破壊を続けます。

 心の闇を暴走させた一郎彦とさせなかった九太の一番大きな違いは、献身的に支えてくれる恋人がいたか否かでした。親子関係がつらいときに献身的に支えてくれる恋人がいなかったゆえに無差別に街を破壊する一郎彦と、「恋人がいればこんなことはしなかった」と後に語る、秋葉原の街にレンタルトラックでつっこみ無差別殺人を犯した加藤智大の心理はどこかにているように思います。

 細田作品の主人公の男性たちは、どこか、「つらくても恋人さえいればがんばれる!」と無邪気に思っているのではないでしょうか。細田作品は、「恋人さえいれば世界はなんとかなる」という無邪気な信頼によって成立していると思うのです。

 そうであった場合、「恋人さえいれば世界はなんとかなる」という無邪気な世界を成立させるために捧げられる供物は、「男のために存在する以外のアイデンティティがない女性」と「恋人がいないから無差別破壊をする男性(=悪)」に他なりません。

 『サマーウォーズ』で人々を混乱に陥れた人工知能「ラブマシーン」を開発したのは陣内家の妾の子である陣内侘助であり、『バケモノの子』で心の闇を暴走させ街を無差別に破壊したのは父の息子である自信を失っている一郎彦でした。

 細田作品に、「映像は奇麗なんだけど……」という違和感を感じる人が少なくないのは、この、とんでもなく大きく保守的なヘテロモノガミーとリア充感を、女性の無条件無尽蔵な献身と、物語の中で家父長になれない男の暴走によって描いているからではないでしょうか。

■ 柴田英里(しばた・えり)/ 現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。Twitterアカウント@erishibata

グラビアアイドル安枝瞳の“汗だく美尻”がコチョコチョされまくり!?「キャッキャキャッキャしつつ……」

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 美尻グラビアアイドルの安枝瞳が、9枚目のDVD『僕色ハニー』を発売し、東京・秋葉原で記念のイベントを行った。  3月にバリ島で撮影したという本作。3日後が誕生日ということで、最終日に前倒しで祝ってもらい、記憶に残るロケになったという。詳しい内容についても聞いてみた。 ――内容を教えてください。 「私がCAさんの役で、彼とバリで待ち合わせてデートするという内容です。これまで同様というか、これまで以上にお尻をたくさん強調しています(笑)! パンストとか、透ける黒のパンツスーツとか、布越しも含めて(笑)いろいろ挑戦しました!」 TMBT0320a.jpg TMBT0328a.jpg TMBT0330a.jpg TMBT0336a.jpg ――一番のお尻シーンは? 「パッケージにもなっているシーンです。この衣装が一番好きで気に入っています。表紙用ということで、すごく時間を掛けて撮影したので、よく撮れてると思います! あと、赤のレースの下着っぽい水着も、いい尻が(笑)見られると思います!」 ――オススメのシーンは? 「最近恒例になっているコチョコチョシーンは今回もやりました(笑)。かなり汗だくになりながら(笑)、キャッキャキャッキャしつつ撮りました。よく見るとセクシーに見えるかも知れません(笑)!」  小麦色を超えた肌については、最近サイパン、沖縄と海外ロケが続き、「絶賛黒くなり中」とのことで、仕事は順調。しかし、私生活ではこれまで引きこもり気味だったが、地元大阪の友人が上京してきたので、積極的に遊びに出たいという。手始めに浴衣で夏祭りや花火大会に行きたいというから、この夏遭遇できるチャンスがあるかも? 安枝瞳 オフィシャルブログ「やっさんぶろぐ。」http://ameblo.jp/323mi-chan/

祝TENGA10周年!『TENGA茶屋』ケンコバ×紗倉まなによる下ネタだらけの公開収録緊急レポ

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 今から10年前の2005年7月7日、ある商品が発売された。円筒形のスタイリッシュなデザインと今までにない使用感、真っ赤な色が印象的なその商品の名前は「TENGA」。この登場は、これまで世間にほとんど認知されていなかった「オナホール」というジャンルのアダルトグッズに革命をもたらし、日本のエロ文化の根幹を揺るがした。そんなTENGAの10周年を記念し、7月21日・オナニー(0721)の日に、東京・鶯谷にある東京キネマ倶楽部で、FM OSAKAのラジオ番組「TENGA茶屋」の公開収録イベントが行われた。  「妄想」をテーマに、TENGAをこよなく愛するケンドーコバヤシと、AV女優の紗倉まな、そしてお笑いコンビ・アインシュタインの2人がトークをするこの番組は、FM OSAKAの番組ながら、120%下ネタオンリーというその過激さがウワサを呼び、ラジコやポッドキャストなどによって全国にヘビーリスナーを抱えている人気番組。今回の公開収録も、東京での開催にも関わらず、1,000組以上からの応募があり、幸運にも当選したリスナー300人が集まった。 ■ケンコバ「一回だけ俺と寝てくれないか!」
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吼えるケンドー・コバヤシ
 株式会社TENGAの松本光一社長による10周年の謝辞とともに「7月21日を国民の休日にして、より安心してオナニーを楽しめる世の中にしたい!」という宣言から始まったこの日のイベント。餓鬼レンジャーによる、TENGAをテーマとして作られた曲『神の穴 feat.ケンドーコバヤシ』が披露され会場がヒートアップすると、いよいよメインパーソナリティのケンドーコバヤシが登場する。「ケンドー」という男性ファンからの野太い歓声が巻き上がる様は、まるでプロレスラーのようだ。  7月25日と8月1日にOAされる2週間分の放送を録音したこの日の公開収録。普通のタレントなら、意気揚々と登場するはずだが、ケンコバの気分は乗らないようで「僕は公開収録が大嫌いなんですよ!」と、不満を堂々と口にする。しかし、レギュラーメンバーの紗倉まなちゃんが登場し、いつも収録を行っているラジオ局のブースよりもまなちゃんに近づけることが判明すると態度が一変。隙あらば、まなちゃんに接近しようとその目は悪い輝きに満ち溢れている……。  「まなちゃん、キスしよう」「好きです」「本気になっちゃう」「一回だけ俺と寝てくれないか」と、ケンコバのアプローチはレギュラー放送以上に必死過ぎ! さらに、番組の最大の特徴である下ネタにも磨きをかけ「チンチン太いんです」「1日9回したことある」、さらに観客に向けても「近親相姦でもどうでしょう?」と、やりたい放題だ!  番組後半では、TENGA取締役の松浦隆氏が真っ赤な被り物を、さらにまなちゃんが真っ赤な着ぐるみを着て登場……。こ、これは、これはあのTENGAじゃないか!! この着ぐるみと被り物、実は、このイベントのために作られたわけではなく、なんとドンキホーテで8月からパーティーグッズとして一般発売される新商品。しかし、ケンコバはサプライズな新商品に目もくれず、着ぐるみ姿のまなちゃんに、ここぞとばかりに抱きついていた。
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ここぞとばかり!
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お下劣トークは果てしなく
■紗倉まな「チンカスが多い方がいい」  アインシュタインの漫才や、TENGA詰め合わせがプレゼントされる抽選会を挟んで行われた2週目の収録には、ゲストとして野性爆弾の2人が登場。紗倉まなちゃんと初対面という野性爆弾・川島は、「僕を観るときだけ目の色が違う」と、まなちゃんにすっかりメロメロ。しかし、またしても「(野性爆弾)ロッシーのチンコが小さい」というお下劣トークに花を咲かせ、さらにはまなちゃんによる「チンカスが多い方がいい」というぶっ飛び発言など、もはや放送コード完全無視のトークを展開! これ、ホントにちゃんと放送できるの!?  エンディングには、再び松本社長が登場し、ケンコバが「俺の身体を蝕んでいる」と絶賛(?)する「バキュームコントローラー」の素晴らしさについて、イベントの来場者とラジオリスナーに紹介。2リットルの水が入ったペットボトルをいとも簡単に持ち上げるそのバキューム力に、来場者からも驚嘆の声があがる! 「ぜひ、バキュームしながら射精をしてみてください。新しい快感を得ることができます!!」と自信満々にPRする松本社長。さらには、出演者のみ特別に、来年発売予定の新商品をチラ見せ! ある商品のバージョンアップらしく、ケンコバをはじめ、出演者一同はその試作品をじっくりと味わったものの、これは一体何なのか……詳細が一般ユーザーに明らかにされるのはまだ先のようだ。  「これからも革新的な商品をいっぱい作っていきます」と力強い宣言でこの日のイベントを締めくくった松本社長。日本人の、いや人類のさらなる快楽のために、これからもTENGAは革命を起こし続けていくのだ!

TBS・ベッキー『モニタリング』が異例の2時間レギュラー化、ヤラセ疑惑連発も「騒ぐだけ野暮!?」

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TBS公式サイトより
 ベッキーとブラックマヨネーズが司会を務める『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系/木曜19時56分~)が、10月期から2時間枠に拡大して放送されることがわかった。現在、在京キー局で2時間のレギュラーバラエティ枠はないため、関心が集まっている。  同番組は、日常生活ではありえないシチュエーションを設定し、どっきりを仕掛けられた芸能人や一般人が、どのような行動を取るのか観察していくバラエティ番組。2012年10月に深夜帯でスタートし、半年後にゴールデン枠へ昇格。以降、平均視聴率8~14%台と回によってばらつきはあるものの、概ね健闘しているといえる。 「『モニタリング』は毎回、プロモーション稼働中の俳優などが出演。彼らを企画に当てはめやすいこともあり、同局では宣伝番組として重宝されています」(テレビ誌記者)  同番組といえば、開始当初から“ヤラセ疑惑”がつきまとっており、ネット上では『ほとんどがヤラセ』と見る向きも。ヤラセが疑われている企画は、ベッキーが地味な扮装で街に出没する人気シリーズ「木部さん」をはじめ枚挙にいとまがなく、特に昨年11月、女優の有村架純が仕掛けられたどっきりが「明らかなヤラセ」と騒ぎに。また、一般人として登場した男性が、実は芸能事務所に所属するタレントだったことなども話題となった。 「放送のたびにヤラセ疑惑が浮上する同番組ですが、当初から『親子が一緒に笑える番組』というコンセプトを掲げており、子どもに重きを置いている。隠しカメラがモロ見えだったり、スタッフが見切れることも多く、制作サイドがどっきりの信憑性よりも、画的な面白さや、企画のおふざけ感を優先しているのは明らか。そういった番組作りに批判が上がるのは当然ですが、どっきりを“子ども番組のコント”だと捉えれば、騒ぐだけ野暮とも。そういう意味では、ヤラセが明らかだった同局のバラエティ番組『さんまのSUPERからくりTV』(昨年9月に終了)の流れを汲んでいるといえそう」(同)  端々に『さんまのSUPERからくりTV』を彷彿とさせる『モニタリング』。シナリオ重視の番組作りは、TBSのお家芸といえそうだ。

義実家で居場所のなくなった私――男に誘われるがままラブホテルへ行ってみたけれど!?

【作品名】「鬼姑に嵌められて」(後編) 【作者】丹羽珠央『ご近所の悪いうわさ』

【作品紹介】玉の輿婚をしたはいいけれど、姑のいびりに耐え続ける日々……。そんな中、私たち夫婦の目の前に、突如大グループのご令嬢が現れた。姑も夫も彼女を気に入り、どんどん家での居場所がなくなっていく。心がからっぽのまま街を歩いていると、男性に声をかけられて!?

【サイゾーウーマンリコメンド】後編では間男が登場します。黒髪ロン毛のややチャラそうな見た目がニオうこの男、その正体をぜひ確認してみてください! しかし、注目すべきはこの嫁。前編でもおとなしそうな顔して結構言うタイプの片鱗を見せていましたが、後編でもサラッと「腐れ婆」発言が炸裂。腐れ婆……生きてる間に一度は言ってみたい!

かわいすぎて悶絶! おっさんたちをキュンキュンさせる「もちる女子」って?

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 皆さんは、「いくえみ男子」という言葉をご存じでしょうか? マンガ家・いくえみ綾先生の作品に出てくる男子キャラクターたちのことで、いわゆるイケメンとは違う、塩顔で痩せ形、唇は薄め、オシャレすぎず飾りすぎず等身大。だけど、身近にいそうでいない。草食系なようで、実は肉食なロールキャベツ男子……ってどんな男子なのかサッパリ想像がつきませんね。とにかく、いくえみ綾先生の描く男子は女子を胸キュンさせてやまないのです。いくえみ男子だけを特集した『いくえみ男子スタイルBOOK』(集英社)なんてムック本まで出ているほど、もはや確固たるブランドを確立しているといえます。  少女マンガ界には「いくえみ男子」がいるのに、少年マンガ・青年マンガの世界には「○○女子」は存在しないのでしょうか? 残念ながら「いくえみ男子」ほど確固たるブランドを確立したキーワードはなさそうです。そんな中で今、新たに提唱したい「○○女子」があります。それは、星里もちる先生の作品に出てくる女子キャラクター、すなわち「もちる女子」であります。  星里先生のマンガに出てくる女子キャラクターは、いわゆる萌えマンガのかわいさとは系統が異なる、万人に愛されるかわいさを持っています。そんなかわいい女子たちが、冴えない主人公に惚れるというのが星里マンガのお決まりのパターン。しかも二股、三股あり、ハーレム設定ありと、男のロマンがトゥーマッチに盛り込まれています。僕たちがこの冴えない主人公に自分を投影させてしまった瞬間、胸のキュンキュンが止まらない“もちるワールド”が始まってしまうのです。  もちる女子のタイプは、多岐にわたります。癒やし系・ドジッ娘・不思議ちゃん・妹系・お姉さん系・ツンデレ系、ロングヘアーにショートヘアー、幼なじみから会社の後輩まで、我々ミドルエイジ男子が惚れがちな、あらゆる女子タイプが登場します。しかも、そのほぼすべてのキャラクターがかわいく魅力的。今回は、そんな「もちる女子」登場作品の中から、特にキュンキュンできるおすすめ作品をご紹介します。
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■『りびんぐゲーム』  星里先生の代表作といえば、『りびんぐゲーム』を思い浮かべる人も多いでしょう。主人公は、中小企業ナミフクDMサービスのちょっと冴えない若手社員、不破雷蔵(ふわ・らいぞう)。  雷蔵の職場、ナミフクDMサービスはオフィス移転に失敗し、急遽主人公雷蔵のアパートの部屋を無理やりオフィスにすることに。雷蔵は、自分の生活空間を会社に占領されてしまいます。  この時点ですでにありえない展開なのですが、さらに中卒15歳の女の子、氷山一角(ひやま・いずみ)が雷蔵の後輩として入社。このいずみこそ、同僚であり、後輩であり、妹的存在でもあり、恋人でもある、我々男子の理想を詰め込んだ「もちる女子」なのです。  いずみは、15歳のため自分一人ではアパートを借りることもできず、やむを得ず会社……つまり、雷蔵の家に住み込むことになります。冴えないサラリーマンが自分に好意を持つ15歳の女の子と一つ屋根の下で同居、しかも顔はあどけないくせに大人顔負けのエッチなカラダを装備しているという……なんという淫行スレスレの展開でしょうか。  2人きりのシーンでは、「先輩、あたしのこと、嫌いですか? それとも……なんとも思ってませんか?」などの年上殺しのセリフが次々飛び出す、うらやまけしからん展開がひたすら続きます。もし自分が雷蔵の立場だったら……手を出さずに我慢できるのか? 16歳になったら、手を出してもいいのか? 等々、男子読者の妄想は無限に広がっていくのです。自分、40代ですけど、胸キュンいいすか?
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■『夢かもしんない』  こちらは、星里版『ゴースト』とでも言うべきラブコメ作品です。主人公、加勢晴夫は妻子持ちですが、ワーカホリック気味で家族を顧みないため、夫婦仲は冷め始めています。  日々の生活にお疲れな加勢の前に突然現れた幽霊の女の子、夢野すみれ。すみれはなぜか加勢の前にだけ現れ、仕事も家庭もうまく行っていない加勢を「ハッピーにしてあげる」と明るく励ましてくれます。そんなすみれの正体は、若くして亡くなった人気アイドルだったのでした。  さらに、加勢は会社の後輩、佐藤ひろみ(癒やし系)に慕われ、「今日は一人に……しないで下さい……」なんて先輩殺しのセリフを繰り出された結果、不倫関係になってしまいます。でも、不倫のシーンすらも爽やかで全然ドロドロしてないあたりが、星里先生の手腕を感じます。  果たして、このまま加勢の家庭は壊れてしまうのか? そして、すみれが加勢の前に現れた目的とは!? 妻と、娘と、会社の後輩と、アイドルの幽霊。つまり、3人+1ゴーストの女子たちに囲まれて、いろいろヤキモキしちゃうラブコメです。
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■『オムライス』  一つ屋根の下、美女に囲まれて生活したい、そんな男のロマンであるハーレム状態をついに実現してしまったマンガ、それがこの『オムライス』です。  主人公・今井光は、ワケありのバツイチ無職青年。そして、登場する女子たちは今井珠子(歯科医)、羽子(アーティスト系)、葉子(女子大生)、緑(不思議ちゃん)という美人四姉妹。  無職で生活に困窮していた光は、ひょんなことから同じ今井姓というだけの理由で、今井四姉妹の住む家に居候することになります。マンガとはいえ、ここまで豪快かつ無理やりなハーレム設定は、なかなかお目にかかれません。  光は、今井四姉妹の四女、緑(不思議ちゃん系)と恋仲になるのですが、途中から光の元嫁、稲森はるなが光のことが忘れられず押しかけ、元女房として今井家に居候するようになり、緑とはるなの奇妙な三角関係が勃発。 結果として、女子5人の中に男1人というハーレム状態、それって、どう考えてもエロゲの設定だろといわんばかりのカオスさで、これまたうらやまけしからんのですが、一つ屋根の下に男女が入り乱れる異常な雑居状態でもごく普通にラブコメを展開してしまうのが星里作品の特徴であり、「住宅ラブコメ」の伝道師といわれるゆえんでもあります。
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■『ルナハイツ』  『オムライス』で実現した男の夢、ハーレム状態をさらにパワーアップさせたのが、この『ルナハイツ』です。  主人公は、婚約者・友美によって一方的に婚約破棄された男、南條隼人。南條は新婚生活を送るために購入した一軒家を、ローンの支払いのために女子寮として会社に提供することになります。しかし、家主である南條は男一人、その女子寮(ルナハイツ)に同居することになるのです。  今風にいえば、シェアハウスってことなんでしょうけど、やっぱり女子の中に男一人というのが普通のシェアハウスとは根本的に違うところです。ハーレムシェアハウスです。いやー、ありえない。でもうらやましい…・・・。なぜこんな夢設定を毎回考えつくんでしょうか。  同居する女子寮メンバーは大月窓明(おおつき・まどり)、日高りん、茅ヶ崎裕子、土屋重子の4人。この中で、ヒロインのまどり(サバサバ系)と、りん(ロリ系)が南條をめぐって三角関係に。さらに南條を振った元婚約者・友美が浮気相手との子を宿した妊婦姿で登場。普通に考えると、どのツラ下げて……って感じなのですが、なんと友美も同居してしまいます。ここまでいくと、カオスすぎて胸キュンどころではありません。 ***  そんな感じで、男のロマンをこれでもかといわんばかりに過積載したモテ設定。読後感のいい、ほのぼのストーリー。そして、なんといっても、ほぼ全員がかわいい「もちる女子」……。星里先生の作品は、今宵もおじさんをキュンキュンさせてやまないのです。おじさんおじさん言ってますが、青年誌の掲載作品が多いというだけで、おじさん以外でももちろん楽しめますよ。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

『恋仲』大コケ、『デスノート』『ど根性ガエル』も1ケタ視聴率! 各局ドラマが爆死のワケ

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『恋仲』(フジテレビ系)公式サイトより

 7月クールの民放ドラマが軒並み惨敗ムードだ。象徴的なのはフジテレビの看板枠である「月9」ドラマ。主演・福士蒼汰、ヒロイン・本田翼の『恋仲』は20日の初回放送で視聴率9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と“大爆死”。月9史上初の1ケタスタートとなってしまった。

 原因については、かねてより不安視されていた主要キャストの地味さ、本田の演技力の弱さがささやかれているが、それ以前にお茶の間のドラマ離れが根底にあるだろう。フジでは『恋仲』のほか、“棒演技”が話題のEXILE・AKIRA主演の『HEAT』が2話目で3.9%まで落ち込み、早くも打ち切り危機に瀕している。

監督に“無断カット”公開で物議の『チャッピー』が再炎上! 配給元ソニー「完全版はDVDで」!?

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『チャッピー』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
 2009年に『第9地区』で衝撃的な世界デビューを果たしたSF映画監督ニール・ブロムカンプの最新作『チャッピー』をめぐって、またしても国内配給元のソニー・ピクチャーズ(以下、ソニー)に批判が殺到している。  同作は今年3月、日本に先駆けて全米公開されると、年齢制限が設けられていたにもかかわらず、初週に1,330万ドル(約16.5億円)を稼ぎ出して週末公開収入第1位を獲得。その勢いをかって日本でも5月23日に公開されることになっていた。  だが、この国内ロードショー直前になってソニーは「より多く幅広い層のお客様にご覧になっていただくため」として、同作を一部カット編集して公開することを発表。結果、12歳以下の入場には保護者の助言・指導が必要な「PG12」区分で公開された。  このソニー側の処置に、一部のSFファン、ブロムカンプファンが激怒。ネット上には「作品を切り刻むな」「完全版を見せろ」といった書き込みが続出していた。  さらに問題視されたのが、このカット編集をソニーが「監督の賛同を得た上で」としていたこと。後にファンのひとりがTwitter上で直接ブロムカンプ監督に問いかけ、監督が「何も知らない。ワールドワイド版のひとつだけだ」「私は何も聞いていない、確認してみる」などと返答したことから、「ソニーが勝手にカットした」という批判が殺到していた。 「この騒動によって、ネット上ではチケットの“不買運動”が起こりました。結果、『より多く幅広い層』に向けて公開された『チャッピー』の初週興行収入は8,300万円程度。ランキングも8位と振るいませんでした」(映画ライター)  そんな『チャッピー』だが、今月24日、ソニーは9月18日にBlu-ray・DVDソフトを発売することを発表。このソフトは「アメリカ劇場公開と同様の本編」つまり“ノーカット完全版”で発売されることになるという。また発表の中で、「監督の賛同を得た上で」カットしたとしていた劇場公開版の編集については「具体的なシーンについて監督の直接の賛同を得ておりませんでした」と前言を翻した。 「発表によれば、カットされたシーンは合計3秒、そのほか合計3秒のシーンに映像加工を入れたとあります。カットされた前後の展開からみれば、おそらくは人体が切断されるゴア(残虐)シーンでしょう。映っていれば公開は15歳未満の入場を制限される『R15+』になっていたと思われますね。映画の編集権は監督ではなく製作側にあるので権利関係では問題ありませんが、公開前に発覚していた監督の“未許諾”について沈黙を貫いていたことも含めて、ファンが納得できるものではありませんよ」(同)  「より多く幅広い層」に公開するために行ったカット編集によってファンの足を劇場から遠ざけ、「完全版が見たい」という声に応えてノーカット版ソフトを発売すれば「劇場でカット編集版、ソフトで完全版」という事実上の“カット商法”となって再度批判を浴びる。  打つ手がすべて裏目に出た今回のソニーの対応から、日本の映画界は何を学ぶだろうか。

食料が尽きたはずの戦場で食べた奇妙な肉とは? 嘔吐感に見舞われる戦慄のグルメ映画『野火』

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戦場で味わった不思議な食材を題材にした『野火』。本作を観た後で『マタンゴ』(63)を見直すと、これまでと違った後味を感じるだろう。
 戦場で飢餓状態に陥った田村は、朦朧とする意識の中で戦友から不思議な肉を与えられる。この肉のお陰で田村は命拾いするが、それはこれまで一度も口にしたことがない奇妙な味の肉だった。戦友は「ジャングルで捕まえた猿の肉を干したものだ」と笑って説明するが、田村はジャングルで猿を見かけたことがない。その代わり、戦場には日本兵の死体があちこちに散乱していた。田村は自分が口にした肉の正体に気づき、また自分もやがて戦友の食料にされてしまうのではないかという激しい恐怖感に襲われる。大岡昇平原作、塚本晋也監督&主演作『野火』は、世にも恐ろしい禁断のグルメ映画だ。  原一男監督の『ゆきゆきて、神軍』(87)や松林要樹監督の『花と兵隊』(09)などのドキュメンタリー映画と同じく、『野火』は戦場におけるカニバリズムを題材にしている。第二次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。田村一等兵(塚本晋也)は結核を患っていたことから、分隊長(山本浩司)から病院行きを命じられる。わずかばかりの芋を持たされた田村は野戦病院に向かうが、病院はすでに負傷兵でいっぱい。診察費代わりに芋を巻き上げられた上に、「肺病ごときで入院しようと思うな」と病院から追い出されてしまう。部隊にすごすご戻れば、また分隊長にぶん殴られる。何度も部隊と病院を往復するが、田村はどこにも自分の居場所を見つけられず、ジャングルを彷徨うことになる。そうしているうちに戦況はますます悪化。米軍の砲撃と照りつける陽射しの中、食べるものはまったくなく、野草を口に入れて飢えに耐えていた田村は、目の前にゴロンと千切れて転がっている死んだ日本兵の足や腕に齧りつきたいという欲望に駆られていく。痩せ細った田村が狂気に取り憑かれていく様子を、塚本晋也監督自身が鬼気迫る表情で演じている。  塚本晋也監督といえば、製作・監督・脚本・美術・撮影・照明・出演・編集を兼任したインディペンデント映画『鉄男』シリーズで世界的に知られている存在。タランティーノやダーレン・アロノフスキーたちからもリスペクトされている。ブレイク作『鉄男』(89)は、都会で暮らす平凡なサラリーマンの身体が金属に侵蝕されていくという不条理なSFスリラーだった。息が詰まるような閉塞的な社会で、追い詰められた現代人が別の生命体へ痛みを伴って変貌していく姿を、塚本監督は度々描いてきた。『六月の蛇』(02)ではセックスレスの人妻(黒沢あすか)が、『KOTOKO』(12)では育児に悩むシングルマザー(Cocco)が精神と肉体のバランスを崩し、別人格が暴走を始める。ごく平凡な人間が社会状況に過剰に反応して、モンスター化してしまう恐ろしさが塚本作品には常に漂う。フィリピン戦線を経験した大岡昇平の原作小説を、塚本監督は高校時代に読んだそうだ。戦場という極限状態の中で平凡な男たちが餓鬼化していく『野火』は、塚本ワールドの原風景なのかもしれない。
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10年前から戦争体験者を取材し、フィリピン・レイテ島での遺骨収集に参加するなど塚本監督は地道に製作の下準備を進めていた。
 本来なら戦争映画として膨大な予算を要する映画のはずだが、塚本監督はギリギリの予算でフィリピンロケ、ハワイロケを敢行し、自主映画として完成させている。低予算ながら、米軍の砲撃による日本兵の人体破壊シーンなどは強烈だ。試写会で塚本監督はこのように語った。 「10年前からずっと撮ろうと考えていた作品です。いつか立派な監督になって、お金もふんだんに使って作りたいなと考えていましたが、立派な監督にもなれず、お金もない状況で作りました(苦笑)。先延ばししてもよかったけれど、最近どうも(社会情勢が)キナ臭くなってきている。ますます作りづらくなってきているように感じます。今しかないなと、むりくり作り上げました。予算は掛けていませんが、大勢の方たちの協力のお陰でやりたかったことができました。観た後はドッときて、2日くらい立ち直るのに時間がかかると思います。でも、立ち直ったときには、別の感慨が湧いてくると思うんです」  餓死寸前で行き倒れていた田村は、かつて野戦病院の前で食料を分けてやった若い兵隊・永松(森優作)に助けられる。奇妙な味の干し肉を口に押し込まれ、田村は辛うじて命を保った。永松は皮膚病で脚が不自由になった安田(リリー・フランキー)の分まで、“猿の肉”を手に入れるためにジャングルに出掛けていた。自分たちの食料も満足にないのに、なぜか永松と安田は親切に“猿の肉”を田村に分け与える。それは禁断の肉を食べてしまった自分たちの罪を田村にも背負わせるためなのか、それとも“猿の肉”が手に入らなくなったときのために田村を家畜として生かせておこうという魂胆なのか。多分、安田と永松とではそれぞれ思惑が異なる。若い永松は、食料を分けてくれた田村に恩返しすることで、ほんの少しでも人間らしさを自分の中に残しておきたいのだ。同じ日本兵の人肉を食うという餓鬼道に墜ちた安田だが、それでも完全な冷血鬼になりきることはできずにいる。『ヒルコ 妖怪ハンター』(91)の首から下がモンスター化してしまった親友たちのように、理性のひとかけが辛うじて永松を支えている。だが、どうしても自分が食べた肉の正体を確かめたくなった田村は、永松が生きた“猿”を狩猟している現場を目撃してしまう──。
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昼間は射るような陽射し、夜間は米軍の砲撃が容赦なく日本兵を襲う。戦闘シーンでは、自主映画と思えないような人体破壊描写あり。
 市川崑監督が撮ったモノクロ映画『野火』(59)では、主人公の田村(船越英二)は歯が悪く、干し肉を食べられないまま物語は終わる。終戦から14年しか経っていなかった当時は、カニバリズムを映画の中で直接的に描くのはあまりに生々しすぎたのだろう。だが、塚本監督が撮った極彩色の『野火』の主人公たちはしっかりと“猿の肉”を喰らう。あの世の食べ物を口にした人間は、もう現世には戻れないといわれる。戦争が終わっても、田村は以前の生活に戻ることはできない。田村の心の中ではいつまでもフィリピンで見た野火が炊かれ、黒い一条の煙が流れ続けている。 (文=長野辰次)
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『野火』 原作/大岡昇平 監督・脚本・編集・撮影・製作/塚本晋也 出演/塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作 配給/海獣シアター PG12 7月25日(土)より渋谷ユーロスペース、立川シネマシティほか全国順次公開 (c)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER http://nobi-movie.com

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<p> この10年くらいの間、伝統芸能・文化の見直しブームもあって、「和」への感心が高まっているようです。若い女性の間では、「きものを楽しみたい」という人も増えてきているとか。洋服のニューモードもあまり新味がなくなり、温故知新できものに注目が集まるというのはよくわかります。</p>