梨花と紗栄子が奪い合い!?“大人カワイイ”の立役者、スタイリスト・風間ゆみえの高すぎる能力

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ケイティもすごいけどね(※画像は風間ゆみえInstagramより)
 古い話だが、SMAP全盛期のはじまりだった90年代半ば、木村拓哉(42)のオシャレぶりが取り沙汰された時期、彼のスタイリストである野口強が木村のスタイリングを担当していたとして話題になっていたように、オシャレ芸能人の影には人気スタイリストの存在がある。  梨花(41)を人気モデルに押し上げ、紗栄子(28)も同様に売り出しているスタイリストとして知られているのが、風間ゆみえ(43)だ。雑誌「sweet」(宝島社)が牽引した“大人カワイイ”ブームの立役者で、芸能人に人気のパールジュエリーブランド「ChangMee(チャンミー)」のディレクションも務める。  梨花はかつて雑誌で見た風間のスタイリングに関心を持ち、自ら風間にコンタクトを取ったことから関係が始まったようだ。ウェブには『梨花と風間ゆみえも愛用の~』などふたりがセットになった売り文句が並ぶページもチラホラ見られるが、これは風間が梨花にクチコミし、広まった商品という可能性もあるだろう。「今の梨花があるのは風間ゆみえのおかげ」という評価もある。梨花も自身のショップ「MAISON DE REEFUR」でChanMeeの商品を扱うほか、2011年に行われた風間の結婚パーティの様子を楽しげにツイートするなど、その親密ぶりは梨花ファンにはよく知られている。 つづきを読む

CMJKが明かす、J-POPのサウンド制作最前線「アイドルの仕事こそやりたいことができる」

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CMJKオフィシャルブログ『LOST CONTROL』

【リアルサウンドより】  CMJKは主にJ-POPの世界を舞台に活躍するサウンド・プロデューサー/編曲家/作曲家である。手がけたアーティストは浜崎あゆみ、SMAP、DREAMS COME TRUE、Kis-My-Ft2、N'夙川BOYS、佐野元春、少年隊、PENICILLIN、V6、ユースケ・サンタマリア、猿岩石、キャイ~ン、篠原ともえ、KICK THE CAN CREW、東京パフォーマンスドール、FLIP-FLAP、片瀬那奈、THC!!、アニメサントラ「マクロスプラス」など膨大な数に上る。  最近では女性アイドルの仕事も数多く手がけており、チームしゃちほこ「シャンプーハット」(作詞曲:川谷絵音)、アンジェルム「乙女の逆襲」(作詞:児玉雨子、作曲:川辺ヒロシ・上田禎)、Juice=Juice『Ça va ? Ça va ?(サヴァサヴァ)』(作詞:三浦徳子、作曲:川辺ヒロシ・上田禎)などが話題になった。5月13日にはアレンジを手がけたチームしゃちほこの「天才バカボン」のカバーもリリースされる。  そもそも電気グルーヴのメンバーとしてデビュー、ファースト・アルバム『FLASH PAPA』に参加し、電気脱退後はCUTEMEN、CONFUSION、ALEX incといったバンド/ユニットでテクノとニュー・ウエイヴの接点にあるような独自の音楽性で活動、一方でCT-SCAN名義のシングル『COLD SLEEP』ではデトロイト・テクノに通じる静謐で美しい世界を展開し世界的にも高い評価を受けるなど、その活動は非常に幅広い。  彼はまたブログやフェイスブック、ツイッター、「ザ・インタビューズ」といったSNSメディアを通じての情報発信にも熱心で、膨大な量のテキストを残している。今回のインタビューでは、そこで彼自身の口から語られるさまざまな情報をもとに、彼の仕事原理や哲学、現在のJ-POPシーンに思うことなどを縦横に語ってもらった。また先日リアルサウンドで公開されたクラムボン・ミトのインタビューの内容を踏まえての質問もしており、できれば合わせて読むことをおすすめしたい。(小野島大) 参考:クラムボン・ミトが語る、バンド活動への危機意識「楽曲の強度を上げないと戦えない」

「去年からずっとアイドル以外ほとんどやってない」

ーー最近はアイドル関係のお仕事も増えてますね。 CMJK:そうですねえ。去年からずっとアイドル以外ほとんどやってないぐらいの感じですね。 ーーザ・インタビューズを読ませていただくと、最初のころ(2012年ぐらい)は、アイドルの仕事はやりたくない、と書かれてましたよね。自分のやりたいことをちゃんと自分で表現できるアーティストならやりたいけど、アイドルは商品あるいは産業であって、そういうのは興味がない、と。 CMJK:はい、そうですね。それを答えた時点ではそうだったんですけど、今は状況が逆転してるような気がしてまして。アイドルこそやりたいことができる。 ーーおお。ツイッターでも書かれてましたね。かなり自由にやらせてもらっている、と。 CMJK:そうなんですよ。ちょっとネガティヴな言い方になるかもしれないですけど、市場が飽和状態だと思うんで、みんな新しいものを求めてますから。僕にオーダーを振ってくるってことは、みんな横並びの中から、ちょっと刺激的で面白い、というものを求めてると思うんで、クライアントさんも。 ーー今回アイドルを手がけるようになったのはどういう経緯だったんですか。 CMJK:近所の飲み屋で後輩のエンジニアと飲んでいたら、たまたまチームしゃちほこのディレクターも飲んでいて、紹介されたんです。ちょうどその時チームしゃちほこは何か新しいことをやりたい、アレンジャーをどうしようか悩んでたというんですね。で、ここで会ったら百年目、ぜひお願いしますと。そうしたら翌日にどーんと(デモ音源の)MP3が来て。 ーー当然、JKさんがどういう音楽家かというのは承知の上で。 CMJK:そうです。MC-ATさんとかリップ・スライムの制作をやられていた方なんで、年齢も同世代で洋楽も詳しいですし。 ーーチームしゃちほこは、JKさんがもっているような要素を導入したいと考えていた。 CMJK:そうじゃないですかね。チームしゃちほこはメーカーがワーナーのunBORDE (きゃりーぱみゅぱみゅ、ゲスの極み乙女、神聖かまってちゃんなど)なんですよ。レーベルのカラーがある。そこで初めてやるアイドルがチームしゃちほこ。事務所がスターダストでももクロと同じセクションの後輩なんで、ちょっとやそっとの普通のことじゃ、頭一個抜けない。変わったことするのが<らしさ>みたいな、そういう風潮もあると思うので。 ーーやるにあたって特に注文のようなものは。 CMJK:具体的な、こういう音を足してみて引いてみて、というのはありましたけど、大元はそんなにはないですね。 ーーデモ音源を受け取った時はどんな感想を持たれました? CMJK:しゃちほこに限らずなんでもそうなんですけど、まずメロディを拾うんです。それが一番嫌いな作業で(笑)。作曲家の人の”念”というか、そういうものをまず吸い取ってあげなきゃいけない。作曲家の人が物凄く苦労してデモテープ作っても、使うのはメロディラインだけですから。作曲家に恨まれるんじゃねえかみたいなこととも考えつつ、ゴメン!と思いながらコードを変えたり。 ーー作曲家がどこにこだわりをもっていようが、自分の耳で判断する。 CMJK:作曲家の人はここにこだわったんだろうな、ディレクターの人はここに引っかかったんだろうなっていうのはある程度わかるんですよ、長いことやってると。でも自分がそこにピンとこないことがあるんで。オレはこの曲のここは嫌いじゃないな、というところを必死に見つけますね。 ーー「好きなところ」じゃなく「嫌いじゃないところ」ですか(笑)。 CMJK:そうしないとモチベーション・スイッチがオンにならないですから(笑)。でも最近は面白い曲ばかりいただいてるんで、いつも楽しくやってますけど…(小声で)って言っとかないと(笑)。去年とかは、僕に来る曲がアーティストものばかりだったんで面白かったですよ。しゃちほこだったらゲス極の川谷君とか、SMAPだったらMIYAVI君とか、TK氏(凛として時雨)とか。

チームしゃちほこ – シャンプーハット / Team Syachihoko – Shampoo Hat [OFFICIAL VIDEO]

ーー川辺ヒロシさんも。 CMJK:そうですね。おーなるほど面白いっていうデモテープが来ますから。 ーーアーティストが作った曲って職業作曲家が作った曲と何が違うんですか。 CMJK:(笑)そもそも、いい意味で荒いですよ。それが素晴らしいです。 ーー荒いって、デモテープがってことですか。 CMJK:そうです。 ーー川谷さんのデモは弾き語りだったそうですね。 CMJK:はい。顔色を窺ってないっていうか。それが素晴らしいですよ。だからこっちも最初からやる気のスイッチがオンになる。 ーーアーティスト性の強いものって、合う合わないがありそうですけど。 CMJK:そこをなんとか合わせるために我々がいるんじゃないですかね。ゴボウでフレンチ作ってくれ、みたいな(笑)。 ーー川谷さんの場合は弾き語りだから、特に何のヒントもないまま一から作業を進めていくわけですか。
 CMJK:そうですね。ある程度進めていって、上モノで悩んだ時に、この曲をヒントにしたらどうかって途中会議みたいなものには出ましたけど。 
ーーそれはどんな参考曲だったんですか。 
CMJK:秘密です(笑)。参考曲ってJ-POPが挙げられることが多いんですけど、洋楽の曲だったんで、やる気もどんどんあがっていきますし。 ーーJ-POPが参考曲だとやる気が出ませんか(笑)。 CMJK:(笑)なるほどと思うんですけど、すこーしやる気がなくなる(笑)。参考曲を上回ってやるぞって気持ちも少しは湧くんですけど。 ーーなるほど(笑)。CMJKさんは日本の音楽はあまり聞いてないと「ザ・インタビューズ」でも再三書かれてますね。 CMJK:はい。滅多に聞かないですね。でも最近怖い目に遭ったので、ある程度勉強しなきゃいけないなとは思います(以降、芸能界の派閥のオフレコ話)。 ーーそれは怖い(笑)。ほんとにあるんだそんな話。 CMJK:あるんですよ(笑)。知らないよりは知ってたほうがいいかと思って。後輩に言われて、Mステぐらいは見ることにしてます。それぐらいでいいかなって。 ーーつまり音楽的ではなく政治的な理由で聞く。 CMJK:あとは、今こういうのが流行ってるんだっていうのを、ある程度は把握しようと。 ーー現実問題としてJ-POPの世界で仕事をしていると、同業のクリエイターが何をやってるのか、何が流行っているのか知っておかないとまずくないですか。 CMJK:知っておかないと、と思ってチェックしますけど、まったく気にはならないですね(笑)。 ーー小室哲哉とかつんくとか中田ヤスタカとか、その時代ごとに売れっ子の人たちはいますが…。 CMJK:気になったことがない(笑)。日本人の先輩も後輩も、同年代の誰でも。 ーーでも今のシーンで何がトレンドなのかということは…。 CMJK:ある程度は肌で感じてますけどね。 ーーたとえばアニメとかボーカロイドものとか。 CMJK:はいはい、そうですね。 ーーそういうものも気にならないし、積極的な関心もないということですか。 CMJK:やれと言われればやりますけど(笑)。

「ローカライズの大事さがちょっとわかってきました」

ーーマクロスプラスの主題歌(「INFORMATION HIGH」1995年)をやった時も、マクロスのほかの曲を全然聞かなかったんですよね。 CMJK:(笑)そうなんですよ。仕事がくれば喜んでやりますけど、勉強しようって気はないですね。 ーーザ・インビューズで「自分は、クライアントのアーティストの過去作品を聴いてそのアーティストの志向性や方向性、特徴を分析・勉強して、これまでの作風を壊さないようアレンジするようなタイプの編曲家ではない」と書かれてますね。 CMJK:そういう方もいますけど、僕はやらないです。それをやっちゃうと僕に来た意味がないと思うんで。 ーーそれまでの流れや常識やセオリーとは違うものをやる。 CMJK:それが求められてるんだろうなと思ってます。 ーーなるほど、わかる気がします。最近アイドル仕事をやられていて、仕事として普通のJ-POPとは何が違いますか。 CMJK:これがですね、アイドルだからって舐めたもんじゃなくて、今までの仕事よりもっと大変です。1曲の中に、今までの3曲分ぐらいの労力が必要です。 ーーフックがたくさん必要だということですか。 CMJK:も、そうです。今までの3曲を合体させたぐらい。データの量もトラックの数もかかる時間も今までの3倍ぐらいですね。それが普通だと思います。 ーーアイディアが一杯詰まっていて、楽曲の密度が高くて…。 CMJK:そうです。情報量の多さですね。みんなそれに慣れてますから。でもそれはいいことだと思うんです。 ーーアイドルとかアニソンとかボーカロイドが、その情報量の多さと密度の高さで日本のシーンを変えたっていう意見もありますね。私の身の回りでも、耳が変わった、意識が変わったという人も多いんですよ。その感覚は理解できますか。 CMJK:そうですね。僕らは世代的に非常に洋楽コンプレックスが強いと思うんです。僕もわりと洋楽純粋培養で来たと思うんですけど…。 ーーわりと? CMJK:(笑)かなり。なので海外で勝負しようかと思った時期もありましたけど、やっぱり日本にいて良かったなあと思うんです。向こうの目をこっちに向けさせることがようやくできるようになった。よく飲むと話すんですけど、インドに修行に行ってカレーの作り方を会得してきた、イタリアに修行に行って窯焼きピッツアの作り方会得してきた、それで中目黒の一歩入った裏通りに店を出せばモテるだろうしそこそこ流行るだろうけど、お茶の間までは浸透しない。なのでその技術を生かして、インドカレーまんとかナポリピッツァまんを作ってコンビニに下ろさなきゃいけないんだろうなって気がしてまして。 ーーでも「ザ・インタビューズ」にある通りCMJKさんの仕事は「こだわりのラーメン屋」なんですよね。 CMJK:そう。でもそんなに手を広げるわけじゃない。ローカライズって意味では、ラーメンだって中国発祥のものが日本食としてローカライズされてるわけですから。ようやくここ数年で、ローカライズみたいなものの大事さがちょっとわかってきました。それまでは、あまり日本に寄せてもなーと思ってましたから。 ーー洋楽文化をどうローカライズして根付かせるかっていう意味では、それこそ明治になって西洋音楽が入ってきてからずっと課題としてあったと思うんです。音楽に限ったことではないですが。そこあたりの重要性が、JKさんの中で改めて認識されてきた。 CMJK:そうですね。トシをとったのかわからないですけど。若い頃は外人になりたかったんですけど、今はこのまま日本産の音楽も面白いなと思ってもらえることの方が、チャンスとしてはあるんじゃないかなと。 ーーどうしてそういう意識になったんですか。 CMJK:ブログにも書きましたが、震災はひとつのきっかけでした。あとやっぱりね、日本のクリエイターが<本場に挑戦>とか言っても、一部熱狂的に受け入れられる事はあってもビルボードのトップに食い込むほどまでにはなかなか行けないじゃないですか。なんでもかんでも。我々みたいなトラックメーカーでも、求められるのは日本的なことなんですよ。 ーー洋楽の仕事もおやりになりますよね。 CMJK:はい、年に1回ぐらい。最近ではリンゴ・デススターのリミックスとかさせてもらいました。そこでもやっぱり日本的なものを求められると思ったので、オリジナルはロックなんだけど、緻密なエレクトロニカにしてあげなきゃな、と思って。 ーーテイ・トーワさんや屋敷豪太さんみたいに向こうのバンドに加わって成功した方もいますね。 CMJK:はい、僕もマッシヴ・アタックに入ろうと思いました、本気で(笑)。 ーーらしいですね。マッシュルームが辞めたタイミングですか?(1998年) CMJK:はい。打ち込みできるし、ブラック・ミュージックもニュー・ウエイヴも好きだし、ギターも弾けるし、オレしかいないだろうって、その時は本気で思ってました。へへへへ(笑)。 ーーダメ元でアプローチしてみればよかったのに。 CMJK:いえいえ。みなさんそう言いますけど。やっぱりね、日本でこんなことやった、って実績がまだないなって思ったんですよ。 ーーローカライズの作業として、邦楽とかJ-POP的なメロディやコード進行と、最新のトラックを融合するような音楽をやっていきたいとJKさんは書かれてましたね。それを今実践しつつあることということですか? CMJK:そうだと思います。ようやくできてきてるんじゃないかなと。

「まず自分で笑えるものを思いついてから機材に向かう」

ーーたとえば? CMJK:いつも言うことなんですが、最新作が一番自信があるんです。だから、それこそ、もうすぐ出る(取材は4月7日)Juice=Juiceの『Ça va ? Ça va ?(サヴァサヴァ)』ってことになりますね。あとは来月に出るチームしゃちほこの『天才バカボン』。日本人なら誰でも知ってるあの曲のカバーなんです。カバーとかリミックスって編曲家の腕とセンスが試されるものなんで、気合いが入りましたね。赤塚先生自体ぶっとんでますから、さらっと今風にした程度じゃダメで。どうしたら笑ってもらえるようなインパクトのあるものになるか。やる気が出ましたねえ。

Juice=Juice『Ça va ? Ça va ?(サヴァサヴァ)』(Promotion edit)

ーーどういう発想からの作業になったんですか。 CMJK:僕は新しいものも聞きますけど、同じぐらい、古いものも聞くんですよ。たとえば80年代にリアルタイムで聞いてなかった、売れてたから毛嫌いしてたようなものとか。60年代の、ビートルズやストーンズになれなかったC級ガレージサイケとか。そういうのをよく聴くんですけど、「バカボン」のオリジナルはガレージサイケだなと。年代的にもね。ファズギターが入ってて、ベースがすごく動いて。それをそのままやってもダメだから、ひら歌はガレージサイケのままで、サビになったらガバとかアタリ・ティーネイジ・ライオットになればいいかなと(笑)。プラス、エイフェックス(・ツイン)で。 ーーなんですかそれ(笑)。 CMJK:いや、本気で(笑)。最初からディレクターにそうしますって言ったんで(笑)。笑ってましたけどね。いいんだこの人たちって。どうせカップリング曲だし、めちゃくちゃやってやれと(笑)。それをまさかA面にするとは、このチームイカれてるなと(笑)。 ーー確かに好きにやってるようですね(笑)。 CMJK:Juice=Juice『Ça va ? Ça va ?(サヴァサヴァ)』は、フレンチ・ポップというコンセプトだったんですけど、クライアントから、バンドネオンかアコーディオンを入れてくれというオーダーがあったんです。でもフレンチ・ポップでバンドネオンやアコーディオンが全面的にフィーチャーされてる曲って意外にないんですよ。なので言われてはいなかったけど、バート・バカラック的なアプローチも入れてみようかな、とか。そういうのは自分で判断して。 ーーどういう新しいアイディアを入れ、面白い発想をするか、それをどうやって繋げていくか。それは自分の中にどれだけいろんな引き出しがあるか、ですね。 CMJK:そうですね。僕、機材をいじりながら作っていくタイプじゃないんで。ギリギリまでサボるので(笑)。頭の中で全部できあがってから機材に向かうので。どうしても〆切り前にやる気が出ない場合は、まずリズムから組むか、みたいなことはありますけど。 ーーどんな曲でも、まず完成形が頭に浮かんで、そこに近づけていく作業。 CMJK:そうです。脳内の設計図に近づけていく。まず自分で「なんだそりゃワハハハ!」と笑えるものを思いついてから機材に向かうんです。 ーーそういう作業で、たとえば初音ミクを使うことはあるんですか。 CMJK:ソフトをいただいたんですけど、作業してるとちょっとストレスがたまるんですね。プロ・ユースとしては、もう少しサクサク動いてくれないかと。広く一般の人がいじれるようなソフトなんで、時間がかかるんですよ。走らせている間にほかのことをエディットしたりできないんですよね。やってて嫌いじゃないですけど。 ーーなるほど。あくまでもアマチュア向けで、プロユースには使えないと。 CMJK:そうそう。Singer Song Writer(初心者向けDAWソフト)よりは面白いかな、みたいな。 ーーあれによっていろんな人たちが音楽のクリエイティヴに参加して、それが大きな動きになって日本の音楽シーンを変えている、という意見もあります。そうして作られた作品などはお聞きになりますか。 CMJK:動画サイトでチェックはしたことあります。ああ、すごく情報量が多いなと。あと、あまり洋楽の動きとか関係ないんだろうなと。こういうものの中で純粋培養されて出てきた新しい人たちなんだなと。 ーー初音ミクに限らず、最近の若い人の作る音楽はそういう傾向がありますね。洋楽の影響があまりない。 CMJK:だから打ち込みやってても、この人たちはケンイシイも石野卓球も知らないんだろうなっていう。 ーーその時点で興味が薄れてしまう。 CMJK:いや、なかにはよくできてるのもあるんですよ。勘がいいんでしょうね。音楽的な運動能力が高いんだろうなと。 ーーその情報量の多さゆえに、クラムボンのミトさんなどは衝撃を受けて、音楽シーンが大きく変わったと言っているわけですが、そういう変化を感じることはありますか。 CMJK:…変化は感じますけど…外国の人が歌舞伎町にきて、ネオンがごちゃごちゃしてる光景にびっくりしたとか、そういう一種の猥雑さにポップを感じるのは理解できますけど、でもだからって”スゲえかなわねえ参りました!”とは全然思わないですけどね(笑)。ボーカロイドとかニコニコ系に対して。 ーーそこで学ぶべきことは何もない? CMJK:うーん、難しいなあ…うーん…やっぱり子供の頃からアニソンとか聴いて育った人たちが、ある程度大人になってやってる音楽だと思うんです。そこですごく完結した世界じゃないですか。僕がやりたいのは、「なんじゃそりゃ!」みたいなものを「こういうのがあるよ」ともってくるのが役割だと思うので。 ーー完結した世界からはみ出す、あるいはぶち壊すような。 CMJK:面白いのもあるなとは思いますけど、刺激にはならないし、意識もしないです、正直言って(笑)。 ーーなるほど。よくわかりました(笑)。それはオタクっぽいのがあまり好きじゃないってことですか? CMJK:(笑)そうですねえ…。 ーーアニメとかボカロものから一歩引いてるのはそれが理由なのかなと。 CMJK:うん、それはありますね正直。正直若いころはリア充じゃなくて不良少年に近かったですから。パンクでしたし。 ーーヤンキー? CMJK:ヤンキーっていうよりは…パンク?(笑)。言い訳がましいな(笑)。 ーーアナーキーがヤンキーかパンクかっていう問題みたいな(笑)。 CMJK:そうそう。世代的にわかっていただけますよね?(笑) バンドで東京に出てきたんですけど、すぐにクラブにハマっちゃって。あんまりオタク・カルチャー的なものは縁がなかったんですよ。そういう知り合いは一杯いましたけど。クラブとライヴハウスだけで育ってきたんで。

「今ほんと、自己表現なんてしたくないんですよ」

ーー初期のテクノでも、たとえばケンイシイがアニメ・カルチャーと結びついて、特に海外にアピールしていてましたね。(CMJKもCT-SCANとしてシングルを出した)テクノ・レーベルの「FROGMAN」を、渡辺健吾とやっていた佐藤大は、その後アニメやゲームの脚本家になるし。 CMJK:あの頃はオタク~サブ・カルチャーとテクノってすごく親和性が高くて、あんまりオタクが気にならなかった時代だったんですね(笑)。そういうフィールドの友達がいっぱいいて、いやじゃなかったんですよ、90年代頭ぐらいは。今はそういう雰囲気に近くなってるのかな、とは思わなくもないですね。 ーーアニメに関しては以前と比べてはるかに市民権を得てますよね。 CMJK:そうですね。僕もモノによってはいやじゃないものもあるんだろうなと思います。勉強不足なだけで。 ーーなぜ好きじゃないんです? CMJK:うーん…だいたい日本に来る外国の方って、シュッとした小ぎれいな方でも、日本のアニメとかマンガで育った人がたくさんいて。凄いな、と、外人のフィルターを通してようやく気づいてるというか。子供の頃は人並みにアニメとか見てましたけど、中2ぐらいから一切やめて。邦楽も聞かなくなりましたね。 ーーアニメの世界観やオタク的なイメージがイヤだったとか? CMJK:……ものすごく冷静に自己分析すると…バブル世代ーーと言われるはイヤですけどーーなんで、とにかく新しいものが好きなんですよ。だから1カ所にずっといて執着するのがイヤで。オタクの人たちって、情報に左右されず何かを徹底的に掘り下げる人たちじゃないですか。僕は最新情報をチェックして、広く浅く、ハイ次のもの、ハイ次のものってタイプなんで。そこが合わないだけだと思います。今これがキテる!とか。人が言ってるのを聞くとムカッとしますけど、自分もそういうタイプなんで。もちろん、結局ジョイ・ディヴィジョンが好きだとか、そういうのは根っことしてあるんですけけどね。 ーーその「最新情報」は、JKさんの場合やはり洋楽ってことになるわけですね。 CMJK:はい。J-POPでもアイドルでも、ディレクターが売れてるJ-POPの参考曲を3~4曲あげてくるんですよ。なるほどなあと思い、半分嫌々ながらやるんですよ。でもそれだと悔しいから、僕なりの洋楽的アプローチを加えるじゃないですか。そうすると必ずいやがられるんですよ。売れてるものを真似して手堅く稼ごうという人の方が多いんで。でも実はそういうものって大して売れないんです。そういう手堅いだけのアプローチを続けていくと目減りしていくし、確変も起きないじゃないですか。 ーー縮小再生産していくだけ。 CMJK:そうそう。手堅く同じようなことをずっとやってる人たち、そういうグレート・マンネリズムみたいなものも素晴らしいと思うんですよ。「笑点」とか「水戸黄門」みたいなの(笑)。日本人はそういうの大好きですし。でも僕が「笑点」のメンバーになるのはおかしいかなと(笑)。ありえないですよね。 ーー常にプラスアルファがあって、予想もできないような変化があって、新しい刺激があって、まったく違う方向に進化していくような音楽を目指している。 CMJK:いろんな人がいる中で、そういう役割の人がいてもいいと思ってます。 ーーそしてそれが独りよがりのマニアックなものになっては、JKさんの活躍するJ-POPの世界では意味がないわけですが、浜崎あゆみのライヴに行ったら、自分がフェイクで入れたアレンジの部分で気の利いた演出が施されていて感動した、とブログに書かれてましたね。 CMJK:はいはい、ありましたね ーー最先端のつもりでやったことが、ちゃんと彼女のフィルターを通して普通のポップスとして翻訳され、それが受け入れられている。 CMJK:それは嬉しいですよね。僕はいつも言ってるんですけど、僕は世の中をアッと言わせることはできないけど、エッと言わせることはできると思うんで(笑)。その「エッ!」というものがいつのまにか一般に受けいられているなら嬉しいですよね。また次の「エッ!」とやらなきゃと思うし。 ーー浜崎さん以外でそういう例はありますか。 CMJK:たとえば去年出たSMAPの「トップ・オブ・ザ・ワールド」て曲はMIYAVI君が曲で、僕がアレンジなんですけど、あるお店にいたら、その曲が流れていて、仕事終わりのキャバ嬢が踊りながら店内に入ってきたんですよ。あ、こんな難しい7拍子の曲でキャバ嬢踊るか!やった!って(笑)。 ーーそのあたりはアーティスト時代のJKさんとは変わってきたんですかね。つまり、アーティスト時代は自分のやりたいことをやって、それが実際にどういう風に受けいられるかに関しては無頓着な面もあったわけですよね CMJK:あっ、それはもちろん。アーティストって自己表現しなくちゃいけないじゃないですか。今ほんと、自己表現なんてしたくないんですよ。 ーーあ、そうなんですか。 CMJK:ええ。自己表現って、音楽を通じて自分のことをわかってくれって作業じゃないですか。ふざけるな!という気がしてまして。 ーーほお。 CMJK:今は逆なんですよ。自分を使って音楽を表現したい。そうシフトしたら、こんなに気持ちがラクになるんだ、っていう。音楽に恩返しもしなきゃいけないですし。自分が若いころに味わったドキドキを今の若い子にも味わってもらいたい、と思ったら、この先何年も続けていけるなって気持ちになりましたね。歌詞もたまに書きますけど、人が歌うのはいいけど自分で歌うなんて、もう死んだ方がマシってぐらい(笑)。 ーーへえ、そうですか。じゃあアーティスト活動への執着みたいなものは…。 CMJK:ないですね。ま、今もバンドやってますし、たまに欲求不満のはけ口としてはありますけど。売れるわけないと思ってるし、それでいいと思ってます。 ーー自己表現はしたくないけど、自己表現をしている人のサポートはしたい。 CMJK:うーん、そうでもないんですよね。なんか…子供の頃から音楽の聴き方として、最終的に一番かっこいいのはプロデューサーだと思ってたんですよ。 ーー若いころから人生設計を考えてたんですよね、30代で表から退いてサウンド・プロデューサーに専念する、って。 CMJK:そうそう。子供の頃から憧れの人はプロデューサーばっかりでしたから。 ーー理想のプロデューサー像とは? CMJK:うーん…やっぱり楽曲ありきなんで。楽曲が求心力になって、いっぱいいいブレーンが集まってきて、というのが理想的なんですよ。凄い曲がどーんとあれば、自ずとうまくいくんじゃないかな、ぐらいしか思ってないですけどね。 ーー「凄い曲」ってどういう曲ですか。 CMJK:難しい質問だな…わかりません(笑)。 ーーじゃ訊き方を変えると、凄いと思った曲の共通点は? CMJK:あ、いい質問ですね(笑)。それはですね、最初に笑うんです。絶対。なるほどね、じゃないんです。絶対笑うはずなんです。 ーーなんじゃこりゃ!という。なにか新しい、突拍子もないものがある。 CMJK:そうそう。たとえバラードであろうが、ビートがない曲であろうが。絶対笑うんです、「凄い曲」は。 ーー一番最近笑ったのは? CMJK:一杯笑ってますよ。ミトさんも言ってたけど、Arcaは僕もハマってるし。FKAツイッグスもビョークもArca本人のも。

Arca - Xen (Official Video)

ーーFKAツイッグスの新曲のPVが凄かったですね。 CMJK:あれ笑いましたね! ーーあれヒドいですよね(笑)。 CMJK:やってくれましたねえ(笑)。いきなり妊娠してますからねえ(笑)。そういうことですよ、うん。

「みんな「歌詞が好き」とか言いますけど、まずはイントロなんですよ」

ーー既存の価値観や常識をぶっ壊してこそ「凄い曲」である。 CMJK:やっぱり(自分は)根がパンクですからね。やっぱりポスト・何とかが好きなんですよ。PILの1曲目の「パブリック・イメージ」のPVで、ジョニー・ロットン改めジョン・ライドンが、ジャケットを着て踊り出すんですよ。あのジョニー・ロットンがジャケット着て踊るってことが、そもそももうポスト・パンクじゃないですか。そこで笑うわけですよ、我々は。そういう感動をお届けしたい(笑)。えへへへ、ちょっとわかりづらいかな? ーーその場合の「楽曲」は、メロディや詞だけではなく、アレンジも含むわけですよね。 CMJK:もちろん。どういうビートか、とか。ファッションも映像も全部入ってますよね。 ーーたとえば川谷さんが弾き語りのデモテープを作って、それにJKさんがいいアレンジを施すことで「凄い曲」になる。 CMJK:もちろんメロディや詞がいいから、いい曲になるんですよ。でもあのデモテープだと音質も良くないし、モノラル録音だったから、あのまま出しても昔のフォークソングみたいになっちゃうかも。 ーー楽曲の向かってる方向とか表現してるものをサポートして、自分なりのものを加えていく、という作業。 CMJK:うーん…今サポートとおっしゃいましたけど、メロディ以外全部やるわけじゃないですか、我々サウンド・プロデューサーーー日本ではアレンジャーと言いますが、要はレコーディングの現場を仕切る者ですねーーっていうのは。だから…メロディをよく聞かせるために、という役割もありますけど、でもね、イントロとか死ぬほど大事なんですよ。たとえばU2の「サンデイ・ブラディ・サンデイ」ってどういう曲、って聞かれたら、ダカダカッ、っていうスティーヴ・リリーホワイトが仕切るところのドラムの音が出てくるじゃないですか。ローリング・ストーンズの「スタート・ミー・アップ」だったら、ジャーララ、ていうギターのリフが出てくるでしょ。そういうことなんですよ。それを作るのが我々の仕事なんです。

U2 - Sunday Bloody Sunday

ーー単なるサポートではない。 CMJK:昔の歌謡曲も素晴らしいですよ。都倉俊一先生とか馬飼野康二先生とか。特に馬飼野先生は、最初はアレンジャーだったんですよ。のちに(西条)秀樹の「傷だらけのローラ」とか作曲もやるようになりますけど。とにかくイントロがぶっ飛んでますもん。たとえば沢田研二の「六番目のユ・ウ・ウ・ツ」は、白井良明さんがアレンジなんですけど、あのイントロだけが凄い好きで、繰り返し繰り返しイントロだけを聴いてたんです、子供の頃。あれぶっ飛んでるじゃないですか。最初に買ったレコードは「およげ!たいやきくん」なんですけど、イントロのストリングスが好きで、♪まーい(にち)♪ぐらいで戻してずっとイントロを聞いてましたね。サビとか歌詞とか…みんな「歌詞が好き」とか言いますけど、まずはイントロなんですよ、とっかかり、第一印象は。その第一印象を決めるのは僕らの仕事なんで。メイクさんとかスタイリストさんと近いものがあると思うんです。トレンドも知ってなきゃいけないし、その人の魅力を引き出さなきゃいけないし。だからサポートっていうのとちょっと違うんです。こっちからもどんどん提案していくし。その人(アーティスト)が、ここぐらいまでできるかなー、というのを、もう少し上までもっていってあげなきゃいけない。 ーーそういうアレンジャー/サウンド・プロデューサーの役割は、昔の歌謡曲の時代に比べ、今のJ-POPの時代になって、より重要になってきたと言えるんでしょうか。 CMJK:昭和歌謡の頃は凄く重要だったと思うんですよ。その後バンド・ブームとかあって、またプロフェッショナルの手に戻ってきてる、ということだと思います。今ユーザーはリアルを求めてないんで、エンタテインメントにおいて。ファンタジーが欲しいんです。そこそこキレイな姉ちゃんが日記みたいな歌詞をダラダラ歌っても、そういうのはもういいんです。いらないんです。それだったらボカロとか「レリゴー」の方がいいんです。我々もいろんな「業」を作品に出しますけど、それを<可愛い子ちゃんの歌>っていうフィルターを通すことによって、ファンタジーにしてくれてるじゃないですか。 ーーああ、CMJKのもつ闇や孤独や空虚をチームしゃちほこがファンタジーにしてくれる、と(笑)。 CMJK:(笑)そうそうそうそう。その方が、よりやりたいことができるってことに、ようやく気がついてきたんです。フィルターがあった方いいと。 ーー自分自身はフィルターになりえない。 CMJK:自分自身の闇をそのままばらまいたらテロですから!(笑)。 ーーでも闇を闇のままぶちまけてる人も一杯いますよね。 CMJK:それで売れればいいですけどねえ。絶対長続きしないんですよ、一瞬売れても(笑)。闇をぶちまけ続けて何十年、なんて人、そんなにいないじゃないですか。 ーー精神がもたないですよね。 CMJK:そうなんです。イアン・カーティスみたいにね。「ビジネス闇」の人はすぐバレますし(笑)。やっぱり今、みんな疲れてると思うんです。作品の意図してるところの裏を読もうとか、そういうの絶対やらないですよ、みんな。パッとわかりやすい方に飛びつく。 ーーそういう風潮はご自分としてはどうなんですか。あまり歓迎できないのか、それとも当然のこととして受け止めているんですか。 CMJK:うーん…単純に、エロスとタナトスが繰り返し来るものだと思ってます。いずれ揺り戻しが来るのかもしれないし。本格アーティストの時代みたいなものが。でも3~5年は今のままなんじゃないですかね。 ーーたとえばこないだのミトさんのインタビューで、バンドものはもう現代のポップ・ミュージックとして、決定的にスピード感が足りないと言ってましたよね。たぶん意思決定の速度や制作・宣伝などの対応の速度、コミュニケーションの問題としてそういう現状認識があると思うんです。だからそういう意味でひとりで何もかもできるボカロの方がはるかにスピード感があると。そういう傾向もまた揺り戻しが来る、とお考えですか。 CMJK:いやあ…どうなんだろう。今のバンドものを見てると、悪くないなあと思うんですけど、なにもかも。でも…今ヴォーカルとかソングライターが凄いってバンドはいくつかあると思うんですけど、僕が気になるのはベースとドラムなんですね。ものすごく一生懸命練習したんだろうなあ、っていう感じのプレイを丁寧にやってるんですよ。そこそこみんな上手いんだけど、でも完全に置きにいってる。まったく面白くない。 ーークリック聞きながら、外れないように叩いてるだけ。 CMJK:それもそうですし、ゆとり・さとり世代と言われてる人たちは、突出した個性を良しとしない世代だと思うんですよ。こういう服を着てカラオケでこういう歌を歌っていれば、そこそこ周りとうまくやれるよ、みたいなことが大事だった世代。そういうマニュアル化された感性が演奏にも反映されてて、途方もない個性のある若手のミュージシャンってあまりいない気がするんです。ヴォーカルが凄いんだったらベースもドラムもぶっ飛んでてもいいと思うんですけど、そういうバンドっていないんですよ。わりと丁寧に折り目正しくやってる。洋楽だと結構いるんですよ。すげえこのドラム、みたいな。 ーー破天荒さがない、逸脱しない。 CMJK:そうですね、うん。あ、’N夙川BOYZは面白いです。上手い下手はおいといて(笑)。発想がぶっ飛んでて面白ければ、多少荒くて未完成な方が好きですけどね。バンドであれボーカロイドであれ。なんじゃこりゃ、みたいな。今や、みんな一生懸命練習したんだろうな、っていう小ぎれいにまとまってるのばかりだから。

N'夙川BOYS/ジーザスフレンド inclメイキングver.

「ベテランが70%の力しか出さないのも正義」

ーー確かに型通りの音楽性をなぞっているだけで満足してる人たちも多い。 CMJK:だからバンドやってる今の子たちって、将来どう考えてるのか、こっちが聞きたいですね。そんな型にはまったバンドを10年20年やりたいのか、ディレクターになりたいのか、僕らみたいにサウンド・プロデューサーになりたいのか、とか。ミュージシャンとしての人生設計。 ーーそういうの、若い人で考えてる人の方が珍しいんじゃないですか?(笑) CMJK:僕は考えてましたよ!(笑) 30代40代になってまで「僕のことをわかってくれ!」なんてやっても痛いかなと、若いころから思ってましたから。だから、その時ににしかできないことをやろうと思ってました。それは今でも。今だからこそやれることがある。 ーーたとえば? CMJK:日テレ系ドラマ『バーチャルガール』の劇伴の仕事でロンドンにレコーディングに行ったとき、たまたま隣でスティーヴ・アルビニが新人のバンドをやっていたんです。まだ時間が早くバンドは来てなくて、アルビニがひとりでスタジオであれこれセッティングしてるんです。見たら、マイクの立て方とかアンプの位置決めとか、あれこれごちゃごちゃやってて、何をやってるのかよくわからない。いろいろ独自の施しがしてあって。それでバンド・メンバーがきたらウワーッとテンションあげて、2回しか演奏しないんですよ。それで卓も何も調整しない。フェーダーもほとんどフラットのまま。それでもう、CDのようなできあがった完璧な音になってるんですよ。録りが素晴らしくて。アルビニ・マジックですよ。それがもう、僕にとっては物凄くエポックメイキングな出来事で。自分のやらなきゃいけないのはこれだと。バンドのプロデュースをやったら、そういう体験をさせてあげたい。だめ出しして1000本ノック方式じゃなくて。 ーー思いきり演奏してみろ、あとはあこっちに任せろと。 CMJK:お前らがここまでできるなら、オレがここまでにしてやるってプロデュースをやってみたいですね。置きにいくような演奏じゃなくて、荒くてもいいから、思いきりやってもらう。細かい注文をあれこれつけるんじゃなくてね。あとはプロがなんとかするからっていう。歌もそうなんですけどね。 ーーなるほど。それはやりがいがありそう。 CMJK:あと、今の自分のキャリアだからこそできることといえばもうひとつ。だいぶ前に猿岩石の仕事をしたんですね(1997年「コンビニ」)。プロデューサーが高井良斉さんていう、秋元康さんの変名なんですけど、レコーディングの時に、すごくいい言葉をいただいて、今でも残ってるんですけど、「これから君もどんどんキャリアを重ねていくだろうけど、ほんとはドミソのCでバーンと弾きたいのに、ちょっと変わったコード弾いて、どうだオレの音楽性は高いだろう、みたいなことはやるな」と言われたんですよ。キャリアを積めば積むほど簡単なことをしていきなさいと。若者が120%の力で頑張るのも正義だけど、ベテランが70%の力しか出さないのも正義なんだよって言われたんですよ。何を言ってるんだこの人、と思ったんですけど、今はものすごくそれがわかります。ベテランが引き算割り算ようやく覚えて、ほんとはすごいできちゃうんだけど、6~7割の力でやる残りの30~40%の「余白」が、ポップなんですよ。それが最近ようやくわかってきました。 ーー余白が想像力をかきたてる。 CMJK:そうですね。あと、むかしトラックダウンの時、自分の上げてほしい音がさがって、下げてほしい音があがってたりすると、昔だったらキーッ!となってたんですけど、今は、まいっかと(笑)。まいっかと思った作品の方が売れてるんですよね。要は自分の脳内の解像度と同じものをみなさんに求めるのは無理なんです。自分がこだわっているここのトーンがエンジニアには重要に聞こえないなら、まいっかと。言ってみればそのエンジニアは僕の作品の初めてのリスナーですよ。彼にはそう聞こえた。それでいいじゃないか。すごい苦労して作ったとしても捨てていいんですよ。理解してもらいたいと思ってる時点でダメ。一生懸命作ったトラックに(相手が)乗ってこないってことはざらにありますからね(笑)。 ーーでもJKさんは自分の脳内に理想型があって、それに近づけるように音を作っていくわけですよね。エンジニアにそれとは違うものを提示されてもかまわないと? CMJK:しょうがないから次いってみようと思います。100%の満足しちゃったら終わりですからね。 ーーそこで自分の理想型とエンジニアの提案が一致するのが理想? CMJK:いや、そこは難しくて、完全に一致しちゃったら売れないんですよ、僕の場合(笑)。たとえばリミックスだと自分だけで完結しますよね。それをニューヨークのマスタリング・スタジオにもっていって作業したりするんですけど、「かっこいいけど難しいね」って言われます。僕が100%やりきっちゃうと、そうなるんです。寝っ転がって鼻くそほじって足で作ったようなものの方が、売れます(笑)。それはもう、しょうがない。だから…若者の足し算かけ算も正義だけど、ベテランの引き算割り算も正義なんですよ。今のトシだからわかるんですよ。昔はわかんなかったです。でも自分の周りの同世代のミュージシャンが、いい感じで等身大で引き算割り算をやってるのは、見てて気持ちがいいですね。スチャダラパーにしても電気グルーヴにしても。みんなが求めているものをやってあげようか、という余裕もありますよね ーーそうなんだよね~。そこに至るまでの長く曲がりくねった道が…(笑)。 CMJK:そうそう。スチャダラアニなんて、その権化ですからね(笑)。反抗心の固まりみたいなところから出てきた我々の世代が、みんなが求めてるならやるよ~って境地になって。ついにはピエール瀧というモンスターを生み出したわけですよ(笑)。 ーーモンスターですか(笑)。 CMJK:僕、尊敬する人物は関根勤さんなんですけど、関根さんてピークを目指したことがない。でも誰と絡んでも自分を見失うことがない。タモリと絡んでもダウンタウンと絡んでも。ずーっと低空飛行で自分の好きなことを延々とやっている。70%の力でやっている。だから、この時代の椅子に座ってください、というふうにはなりたくないと思ってるんです。ピークに達したらあとは下るだけなんで。それじゃつまらない。 ーー実際にプロの第一線で活躍されていると、CDが売れないとかダウンロードも伸び悩んでいるとか、肌で感じることも多いと思いますが、そういう状況でご自分がやるべきことはなんだと思いますか。 CMJK:…いやー…仕事がなくならないように頑張るしかないんですけど…そのためにどうするか。僕が出した答えは、ますますこれまで以上に顔色を窺わないで仕事をしようと。 ーー自分の個性を大事にする。 CMJK:そうです。こだわりのラーメン屋であり続けようと。こないだミトさんのインタビューで、アルバムを出す意味みたいな話になってたじゃないですか。いまや一曲一曲の機能性が求められる時代になってると思うんで、フラれたから悲しい曲を聴きたいとか、あいつをぶっ飛ばしたいからそういう気持ちを盛り上げてくれる過激な曲を聴きたいとか。探せばその曲だけダウンロードできますからね。アルバム・トータルの作品性みたいなのは、今の時代にはめんどくさいだけじゃないか。 ーーああ、さっきの話のように、裏の意味を探るとか、そういうのは求められてないと。 CMJK:そう。僕、後輩の音楽家によくいうんですけど、お前またこれかと。すごくよくできてるけど、お前は1週間3食、同じ幕の内弁当作ってるようなものだと。 ーー無難なだけの総花的なものではもうだめだと。 CMJK:今回はハンバーグ弁当、次はカレー、みたいなものが作り方をしないと、今はダメだと思います。 ーーそういう意味で好き勝手やらせてもらえるのが、実はアイドルであるということですね。 CMJK:そうです。去年の暮れにチームしゃちほこのプロデューサーと飲んでいた時に、JKさん最近なに聞いてますかって訊かれて、ちょっとマニアックなエレクトロニカ、ちょっとポップなものでもせいぜいフォー・テット、せいぜいブリアルぐらい…。 ーーブリアルがポップですか(笑)。 CMJK:ま、そこそこ有名?(笑) “ふだんはそういうのをばっかり聞いてますよ、本当はこういうのをやりたいけど、やっても絶対ボツですよ~”とぼやいていると、”アイドルならできます”と。”B級C級のガレージサイケみたいなのも好きですけど、一生やる機会ないですよね~”と言うと”アイドルならできます”と。だんだんこっちもその気になってきちゃって(笑)。 ーーそれに最近のお仕事は、JKさんのクラシック・ルーツを感じるような曲が多くなってますね。子供のころお母様にたくさん聞かされたんですよね。 CMJK:そうなんですよ。今やってる曲もそういう要素があって。生きててムダなことって何もないんだなって思いますよ。 ーー以前後輩の作曲家に、JKさんの作る曲はクラシック・ルーツが強すぎてヒット曲のストライクゾーンからは微妙に外れている、と指摘されたんですよね。 CMJK:そうそう!そうなんですよ。 ーー状況が変わってきたってことでしょうか。 CMJK:ちょっとネガティヴな言い方をすると、それだけ飽和状態なのかもしれないですね、アイドルシーンとか。でもグラミーをとったクリーン・バンドィットの「ラザー・ビー」とか、アヴィーチーとかもそうですけど、弦楽器とかアコースティックなどオーガニックな要素と最先端なエレクトロニカの融合はトレンドですから。冷静に見ればそういうことなのかなと思いますけど。

Clean Bandit - Rather Be ft. Jess Glynne [Official Video]

ーーついに自分の時代が来たと(笑)。 CMJK:そんなこと自分では言えないですよ(笑)。でも得意なこと、好きなことができてる状態なので、非常に幸せを感じてます。ぶっ飛んだ打ち込みと、ギーギーガーガーいうシンセサイザーと、アコースティック、オーガニックなものをなんとか合わせようという。だから昔に比べればお金は儲かってないですけど、楽しいですよ(笑)。さっき昭和歌謡の話をしましたけど、今ちょっと状況が似てるなと思って。あの時もバンドものはあったわけですよ。ゴダイゴとかツイストとか。でも結局「ザ・ベストテン」に出たら、もう全部歌謡曲じゃないですか。わりと今そういう感じになってきてるのかなと。やれアイドルだアニソンだバンドだっていうけど、全部まとめて「今の歌謡曲」みたいなフィールドになってきてるんじゃないか。だから新しい歌謡番組も増えてきてるじゃないですか。それだけプロの手によるファンタジーみたいなものをみんなが求めてるんじゃないか。 ーー歌謡曲=エンタテインメントというファンタジー、ですね。 CMJK:お前のリアルなんて知らねえよ!みたいになってきてるんじゃないですかね。もっと練りに練られたUSJのハリーポッターに乗るみたいな感覚を、みんな求めてる気がします。 (取材・文=小野島大)
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■CMJK 1991年、石野卓球、ピエール瀧と共に電気グルーヴとしてデビュー。電気グルーヴ脱退後はCutemen〜Confusion〜Alex incとユニットを経て活躍し、90年代初頭の黎明期の日本のクラブ/テクノ・シーンの礎を築いた。また自身のソロ・ユニットC.T.Scan名義ではデリック・メイ、カール・クレイグ、UR 等と共演。日本初の国産テクノ・レーベルFROGMAN RECORDS第1弾リリースとなった名曲“COLD SLEEP” は、英国を始め欧州各地で話題となり、英欧の主要ラジオ局でのパワープレイと好セールスを記録した。現在は浜崎あゆみ、SMAP他多数のアーティストのサウンドプロデュースを手掛ける傍ら、自身のバンドClockwork yellowの他、DJとしても活動中。多忙な日々を送る。

平子理沙、「アンチエイジング」「結婚生活」は質問NGに! 記者は「聞くことがない」と狼狽

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りちゃ、事実上の美魔女引退宣言?

 俳優・吉田栄作の妻で、44歳の“美魔女モデル”として活躍する平子理沙が、海外ドラマ『DALLAS/スキャンダラス・シティ』のDVDレンタル開始記念試写会に出席した。ところが、取材に訪れた各マスコミに対して、真偽不明の“NG質問”が課されたのだという。

 平子は同ドラマのように米ビバリーヒルズで高校生活を送ったという縁があり、同い年の映画パーソナリティーのLiLiCoとゲスト出演。囲み会見も行われたが、平子には「アンチエイジング、美魔女、結婚生活については聞かないようにとNGワードが設けられた」(スポーツ紙記者)という。