
微博にアップされた画像。確かに鎖でつながれているように見える
子どもが迷子になったり、危険なところに行かないようにする「子ども用ハーネス」の使用が日本でも賛否両論を巻き起こしているが、中国はそのはるか上を行っていたようだ。
3月27日、湖南省長沙市のバスで4歳前後と思われる女児が手足を鉄製の鎖でつながれ、母親とみられる30歳前後の女性に連れられているのを見た乗客が、微博(中国版Twitter)に画像をアップ。すぐさま炎上し、書き込みを見たユーザーが警察に通報した。
女児は美しい顔立ちをしているが、無表情でボロの服を着た上、なんと裸足だった。母親とみられる女性は、身なりは普通であるものの靴には穴が開いており、歩き方が不自然で特徴的だったという。

母親と少女。30代というこの母親は、バス内で物乞い行為をしていたという
画像を投稿したユーザーによれば、女児は座席の周りを行ったり来たりしており、鎖を引きずって歩いていたという。背は低く、座席の半分ほどしかなかった。当時、外は雨が降っており、女児を気にした乗客たちが寒くないかと話しかけていたという。「なぜ、子どもに靴を履かせないのか?」と乗客が母親に聞くと、「家の人間に殴られた」とだけ答え、乗客たちに「食べ物を買って恵んでくれ」と物乞いを始めたのだそう。
通報を受けた警察は女児と女性の関係を調べるため、さっそく監視カメラの映像を取り寄せて検証を開始。しかし、映像には2人が女児と母親が仲睦まじく寄り添っている姿があるだけで、鎖を手には持っていたものの手脚につながれてはいなかった。女児が鎖を手に持ち、それを母親が手綱のように使用していたという。

4月に発覚した、南京での虐待事件。少年の傷跡が痛々しい……
バスの運転手によれば、2人は乗車するとすぐ「お金がありません」と訴えてきた。後ろの乗客が代わりに払ってやると申し出たが、2人の身なりを見て無料でバスへ乗車させたという。鎖を手に持つ女児を見て、女性に本当の母親なのかと尋ねると「そうです、そうです」、と答え、仲のよい姿も見られたため、それ以上の追及はしなかったという。映像からは女児に対する虐待や誘拐の疑いが認められなかったため、警察は女性の起訴を見送った。
「児童の人身売買がまだはびこっている中国では、誘拐した子どもを鎖でつないで監禁しておく手法がよく使われるので、この一件も人身売買の疑いをかけられたのでしょう。中国の児童虐待は少しずつ減ってはいますが、保育士やメイド、養父母による虐待はまだまだある。4月に入ってからも9歳の男児が養父母から虐待を受け、背中と太ももが傷だらけになった画像が公開され、話題になったばかりです」(上海在住の日本人商社マン)
今回の騒動は、最終的に虐待に関しては「シロ」という結果だったが、写真を見ると確かに少女の脚は鎖でつながれているようにも見える。現在までにこの少女の画像は微博で1000回を超えて転載されており、多くのユーザーが疑惑の目を向けているようだ。
(取材・文/棟方笙子)