清原和博氏、復帰を猛アピールの舞台裏「狙いはダイエットCM」も……

kiyo0406s.jpg
『男道』(幻冬舎文庫)
 元プロ野球・清原和博氏の“復帰猛アピール”に、芸能、球界関係者からあきれ声が漏れている。3日には『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)にも出演。果たして、本人の想いは通じるのか――。  昨年からの薬物疑惑、離婚と、マイナスイメージの報道が多い清原氏。 「最近は、体調管理をしているせいか、以前よりはスリムになったと聞きます。番組内で公開された“お遍路”は、3月に一気に進めていたそうです」(テレビ局関係者)  すでに、自宅も自家用車も手放した、という報道もあるほど“金欠”状態の清原氏。 「いまや、後ろ盾は東北地方を地盤にしているアミューズメント施設を経営する会社社長くらい。結束力が強いとされる高校の先輩・後輩の中には裏で連絡を取っている者もいますが、それを表では決して口にしない。『清原氏とつながっている』というだけで、周囲からマイナスにとられるからだそうです」(同)  まさに四面楚歌の清原氏だが、この番組を機に狙っているCMがあるという。 「短期間ダイエットで話題となった、RIZAPのCMです。最近では、一般人に混じって元ボクサーの赤井英和氏も出演。そのビフォー・アフターぶりが話題になっています。しかも、一説にはギャラが2,000~3,000万円という話もあり、健康的に痩せたことをアピールして、さらにギャラまでもらえるので、清原氏もうま味を感じている。全国ネットの情報バラエティ出演を足がかりに、なんとか食い込みたいのでしょう」(広告代理店関係者)  以前、評論家契約を結んでいた大手スポーツ紙も「今は契約を解除している」と、かなりの窮地に立たされた元球界のスター。復活はあるのか?

嵐の楽曲はどう“面白い”のか? 柴 那典×矢野利裕がその魅力を語り合う

arashi_bookcovermainth_.jpg

『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』

【リアルサウンドより】  嵐が日本一の男性アイドルグループとなった理由を、音楽性、演技・バラエティ、キャラクター、パフォーマンスという4つの視点から読み解いた書籍『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』が、4月16日に刊行される。同書はリアルサウンド編集部が制作を手がけ、青井サンマ氏、柴 那典氏、関修氏、田幸和歌子氏、成馬零一氏、矢野利裕氏など、嵐に詳しい気鋭の評論家・ライターが寄稿。嵐の魅力を多彩な角度から解き明かしている。  書籍の発売に先がけ、先日公開した【嵐が次にめざす方向性とは? “日本一のエンタメ集団”を徹底分析する書籍登場】に続き、音楽ジャーナリストの柴 那典氏と評論家の矢野利裕氏が嵐の音楽性について語り合った対談を、一部抜粋してお届けする。(編集部)

柴「楽曲ごとにジャンルの違った多彩な仕掛けが組み込まれている」

ーー二人が嵐を聴くようになったきっかけを教えてください。 矢野:僕はそもそも嵐のメンバーと同世代の人間で、二宮くんとはぴったり同い歳です。彼らがデビューしたのは99年で、僕が16歳のとき。デビュー曲の『A・RA・SHI』がすごい勢いでヒットチャートに入ったので、ファンでなくとも、当たり前にそこにあるものとして聴いていました。その後、古い歌謡曲なども好んで聴くようになっていき、ジャニーズのことは「常に面白いことをしているな」と思ってチェックしていたんです。ジャニーズには戦後歌謡曲を覆うくらい長い歴史があります。そうした中で、嵐というグループはリスナーやファンにとってどのような存在なのだろう、というのは漠然と興味を持っていて、ジャニーズを調べるようになってから改めて深く聴くようになりました。だから、世代的にはずっと傍にあるものとして享受していて、あとから詳しく聴き直したという感じです。 柴:僕は、リアルサウンドという音楽メディアでヒットチャートを分析するコラムを書き出したことがきっかけです。毎回、1位を獲得した曲をちゃんと聴き込んで、どこに音楽的な魅力があるのかを紐解いていくんですが、嵐は新曲を出すたび1位をとっているので触れる機会が多くありました。当然これまでのヒット曲くらいは知っていたけれど、本当にちゃんと聴き出したのは連載がスタートしてからだから、ここ1年くらいでしょうか。そうして嵐が1位をとる1曲1曲がまた、とても面白いんですよね。楽曲ごとにジャンルの違った多彩な仕掛けが組み込まれている。そうして興味を持って、音源をどんどんさかのぼって聴いて、デビューからの楽曲の変遷も知っていったんです。アルバム1枚を通して聴いたのも『THE DIGITALIAN』が初めてだったので、まだまだ新規リスナーですよ。 矢野:チャートアクションを観察しているうちに、嵐の面白さに気づいたということですね。どんなところに面白みを感じますか? 柴:ここ数年では、スウェーデンのクリエイターが書いている曲に注目しています。たとえば「誰も知らない」や「Breathless」がそう。もともとの発想が違うのか音の作り方が違うのかわからないけど、一筋縄ではいかない構成になっていて面白いです。最近のシングル曲は、作曲家やプロデューサーがタッグを組む「コライト」という方法で作られた曲が多くなっていて、中でもそれらの楽曲はかなり上手く作られているなと思いました。 矢野:その辺りの楽曲も含まれるのですが、僕はベストアルバムの出た2009年以降、嵐はさらに面白くなったと思っています。特に『Popcorn』『LOVE』『THE DIGITALIAN』の3作がすごくいい。メディアでの露出が昔と比べて多くなったこともあり、「嵐」という器の中で、できることを思う存分にやっているんじゃないかな。さらに同時代的には、USヒットチャートもすごく多様になってきているんですよね。テイラー・スウィフトとカニエ・ウェストが一緒にチャートアクションしているのは、冷静に考えるとすごい。嵐も、先に述べた3つのアルバムにはそういったジャンルレスの面白さを上手く消化している。最初のデビュー曲から数曲はたしかにポップスとして良く出来ているんだけど、同時に王道のJ-POPへの気遣いも強く感じるので、正直物足りないと思っていました。でも、最近の曲は、めちゃくちゃ面白いと思いますね。 柴:たしかに、さかのぼって聴いたら「今聴いている嵐と全然違う!」とびっくりしたんです。初期の方向性って、まさにブラックコンテンポラリーですよね。ブラコンの中でも特にファンクを踏襲してる。たとえばデビューシングルの『A・RA・SHI』はファンクをどうJ-POP化するかを考えて作られた曲だと思うんです。同じようなことはSMAPもやっていますよね、それを嵐は後輩としてそのまま引き継いじゃった。最後がゴスペルみたいなコーラスになっているのも規定路線だし、こうしたファンキーかつポップな曲調ということで一旦グループの方向性は定まっていたんでしょう。 矢野:『A・RA・SHI』は、イントロがもろファンクだし、ジャニーズのど真ん中をやるんだという方向性を示している曲ですよね。ジャニーズが長らく紡いできたブラックミュージックの系譜を受け継ぐぞ、という覚悟が見える。それから、DA PUMPがブレイクした直後だという時代背景も大きいと思います。それまでのジャニーズ楽曲では飛び道具的に扱われていたラップを『A・RA・SHI』では思い切って全面に打ち出してきた。それは、櫻井くんがヒップホップをやりたかったということまで含め、ヒップホップが当時ポピュラリティを獲得していたということですよね。 柴:ああ、それはありました。僕は当時ロッキング・オンという会社にいたのですが、98年はZeebraが1stアルバムをリリースした時のインタビューで読者に向けて「韻とは何か」ということを基礎から説明していた時代でした。まだメディア側がヒップホップを取り扱いはじめたばかりで、リスナーは「韻を踏む」ということすら知らない状況。その中で嵐はラップの入った曲でデビューした。こうして積極的に新しいカルチャーを持ってくる試みをしていたのは、嵐が時代の最先端にいたという証拠ですよね。 矢野:嵐の活動は必ずしも音楽が中心ではありません。だからこそ、お茶の間と海の向こうの音楽を繋ぐ存在たりえます。それが、ある時にはヒップホップになり、ある時にはEDMになる。嵐が嵐として日本で活躍することで、海外のトレンドが自然と日本のマーケットに注入され、それが国内で独自の形になって進化を遂げる。音楽性は時代ごとに異なりますが、その姿勢はデビューから現在まで一貫していますよね。今後、お茶の間のような場所が維持されるかどうかは難しい問題ではありますが。

矢野「ジャニーズ的な伝統をヒップホップ流のサンプリングのかたちで示した」

ーー先ほど二人とも「初期は今と比べて音楽性が異なる」と言ってました。初期の作品で気になる曲はありますか? 柴:まず「台風ジェネレーション−Typhoon Generation−」です。僕は、この曲を聴くとケツメイシを思い起こすんですよ。J-POP界におけるケツメイシの功績というのは大きくて、それまで基本的にはラップ=洋物文化だったのが、ケツメイシはそれをJ-POPとして咀嚼するきっかけになった存在なんです。この「台風ジェネレーション−Typhoon Generation−」は、ヒップホップが歌謡曲化した流れを上手く汲んだ曲だと思います。 矢野:たしかに“桜舞い散る”ノリですね(笑)。ケツメイシはレゲエ出身のグループですが、RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWに続いて、見事にラップをポップスとして提示しました。しかしこの曲、サックスが入ったりして、微妙にSMAP的なソウル路線を残しているのが興味深い。しかも、イントロはどことなく宇多田ヒカルの「Automatic」のようでもあります。 柴:同じくシンセのサインウェーブが特徴的ですもんね。 矢野:僕は「a Day in Our Life」が重要だと思いますね。スケボーキングのSHUNとSHUYAが作詞作曲を手がけた曲ですが、少年隊の「ABC」をサンプリングして作っています。ジャニーズは「組織をいかに再生産するか」ということをずっとやってきていて、Jr.を先輩の後ろで踊らせたり、コンサートで先輩の曲をカバーさせたりしていますよね。したがってこの曲は、そのようなジャニーズ的な伝統をヒップホップ流のサンプリングのかたちで示したのだと言えます。先人をリスペクトするとともに、サンプリングで現代的にアレンジしたわけですね。ジャニーズ史的にもヒップホップ史的にも、両方の理にかなった曲です。 柴:スケボーキングは前年に小田和正の「ラブストーリーは突然に」をサンプリングした「TOKIO LV」がヒットしているし、彼らの仕事としてもつながっていますよね。 矢野:当時、J-POPのアーティストがここまで全編ラップで通した曲は珍しいんじゃないかな。個人的にはJ-POPの磁場というものがあると思っていて、ほかがどんなに尖ったラップでも、サビになるとメロディ重視の歌モノになってしまうという傾向は強いんですよ。だけどこの曲は、シングルでありながら全編ラップで通してくれた。そこが良い。 柴:いわゆるJ-POPの曲にラップを取り入れるときには、ラップのパートと歌のパートが交互に出てくる形をとらざるを得なかった。けれど「a Day in Our Life」ではあえてサビで両者を重ね合わせたんですね。歌とラップの同時進行というのは革新的ですよ。映画『木更津キャッツアイ』の主題歌としても流行ってグループの名を広めましたし、ゼロ年代の嵐の象徴といえる曲だと思います。 矢野:今考えると、少年隊の80年代後半のサウンドをサンプリングしたこと自体、画期的なことかもしれませんね。当時、ヒップホップの参照元は70年代ファンクやレア・グルーヴを、という暗黙のルールのようなものがあった。スマップも基本的にはそういうDJ文化のマナーを意識していたはずです。でもこの曲は、NGとされていたことをサラリとやってしまった。この感覚は、tofubeatsなど現在の若いクリエイターにも見出すことができます。 柴:たしかにゼロ年代以降はJ-POPをアーカイブとして取り扱うことがアリになったと思います。以前はサンプリングするとしたら外資系CD店に置いてあるような海外のマイナーなネタ元を使うことが多かったけど、その流れが変わった。スケボーキングの『TOKYO LV』や、山下達郎をサンプリングしたKICK THE CAN CREWの『クリスマス・イブRap』がリリースされたのが01年のこと。『a Day in Our Life』は02年のリリースで、ちょうど「J-POPを再解釈してもいいんだ」という流れができはじめた時ですよね。

柴「吉岡たくという人が、嵐を導いたキーパーソンのひとりな気がする」

ーー嵐メンバーが出演する映画主題歌といえば「PIKA☆NCHI」もあります。この曲についてはどういった解釈をお持ちでしょうか? 柴:初期のなかでは、この曲だけ浮いているように感じます。ここまでミクスチャーロックの曲ってないんですよ。ラップメタルという意味ではリンプ・ビズキットあたりも思わせる。ブラックミュージックで始まった嵐にロックが浸食している。実にゼロ年代の中盤っぽい曲ですが、この流れはその後に続かなかった。 矢野:そうですよね。音楽的にはKAT-TUNに歌って欲しい気もする。ジャニーズのグループには必ず、最初に決めた路線から次の一手を探りだすタイミングがある。たとえばテイチクの関ジャニ∞は演歌路線から始まり、その後、ロックが多くなった。V6もユーロビートを手放す時期があった。この頃の嵐も、同じように次の一手を探っていたのかもしれませんね。 ーーそして、00年代の後半へと時代は進んでいきます。 柴:もう断トツで良いのが「COOL&SOUL」(アルバム『ARASHIC』収録)ですよ! クリーン・バンディットみたいなストリングスのサンプリングが超カッコイイ。「嵐isクール」「嵐isソウル」という姿勢がハッキリと表現されている。それまでの「ガムシャラさ」や「青春感」からの巻き返し的な、嵐はこれで行くんだという再出発点といえる曲だと思います。 矢野:「いつ大人になるか」とういのは、どのグループも抱える問題ですよね。どう乗り越えるかはそれぞれ違う。今だとHey! Say! JUMPやKis-My-Ft2が、どのように大人らしさを打ち出していくかを考えている時期かもしれません。音楽的に言うと、嵐は『ARASHIC』辺りがひとつの分岐点ということでしょうか。 柴:そうだと思います。あとちょっとした仕掛けもあって、「COOL&SOUL」の櫻井くんのラップに「4つ前のアルバムに話は遡るんだけどさ」という詞があるんですが、調べてみるとセカンドアルバム『HERE WE GO! 』のオープニング曲「Theme of ARASHI」に遡る、という意味なんですよね。そこで使われていた「太陽光」だったり「近づくスロー」という言葉を、約3年経った「COOL&SOUL」でも使っている。 矢野:なるほど。ヒップホップ的な遊び方ですね。自己言及しながら、自ら連続性を見せていく。 柴:「COOL & SOUL」から「Theme of ARASHI」に遡るというのは、つまりこの間をなかったことにしているっていうことでもあるかもしれない。ここで「幕開け第二章」だと言っているわけだし、俺らの自己紹介ソングはこの2つだと。 矢野:ヒップホップというのは、自分たちで歴史を作っていかないといけないジャンルです。だとすれば、この歌詞にも「自ら歴史を紡いで現在に繋げよう」という意思があってもおかしくありませんね。一方で、「上手く歌えるようになった!」というメッセージも感じます。初期の嵐って、いくらラップをやっていると言っても、全体的にはシンプルな楽曲構造だった。それが、ある時期からリズムに手を加えるようになって、ブラックミュージックのエグい部分を積極的に取り入れるようになりましたよね。『ARASHIC』の少しあとくらいかな。そういう実験的なステップに進んでも、嵐は歌えるグループだから、歌の上手さが際立ってくるんです。あと、「きっと大丈夫」は名曲! 柴:08年の『Dream "A" live』にも良い曲が多いんですよね。なかでも「Step and Go」は「COOL & SOUL」の直系、ブラックコンテンポラリーとダンスクラシックをベースにJ-POPへアレンジした曲です。僕はこの曲のアレンジを担当した吉岡たくという人が、嵐を導いたキーパーソンのひとりな気がする。この時期から彼やTakuya Haradaといったその後の嵐のヒットを支える作曲家と、スウェーデンチームが入ってくるんですよ。ジャニーズにはスウェーデンに投資していて、00年代中盤から関係が密になっているんですよね。単なる取引相手でなく人的なつながりが相当できたことがフィードバックされ始めたのも、このころだと思う。 矢野:僕は『Dream "A" live』の中だと「Flashback」が良かったですね。こういうゆっくりしたテンポでちゃんと歌を聴かせられるのは大事。あと「Life goes on」もわりと音数の少ないシンプルな曲ですが、ヴォーカルとのバランスが良い。渋いです。これらの曲は、ビートはシンプルでありながら、歌唱力で変化をつける作りになっています。僕らリスナーは、そこから彼らの歌の上手さやえぐみを感じる。だから、こういう曲を聴くと「歌が上手くなったね」と嬉しくなります(笑)。このアルバムは、全体を通して、そういった嵐の技量を感じさせる曲が多いですよね。 柴:この後にベストをリリースするから、『Dream "A" live』は嵐のひとつの到達点でもありますよね。そして『All the BEST! 1999-2009』がリリースされて、年間1位で天下をとった。 矢野:たとえば宇多田ヒカルが出てきた時に、みんな彼女の節回しに驚きました。でも、カラオケで歌いまくった若い世代には普通にできちゃうことです。嵐も、先代のSMAPとは違ってたと言っては悪いですが、そういう歌い方が普通にできる。それはダンスも同じで、大野くんは全体のビート感をキープしたままわざとハズして踊って、そのうえで歌も歌える。こういうパフォーマンスを見ると、嵐は次世代のグループとしてある種の頂点に行き着いた感があります。

矢野「櫻井くんのヒップホップ魂は日本語ラップシーンの興隆に支えられている」

ーーほかに気になる曲はありますか? 矢野:その『Dream "A" live』の限定版に収録されている、櫻井くんのソロ曲「Hip Pop Boogie」が最高ですね。歌詞が本当に素晴らしくて、マジで泣けます。「大卒のアイドルがタイトルを奪い取る」「温室の雑草がマイク持つRAP SONG」とあるのですが、官僚の父を持ち慶応義塾大学を卒業した櫻井くん自身がヒップホップをどう向き合っているかを表明しているようです。さっきも言ったとおり、彼らのデビューした99年はヒップホップがかなり盛り上がっている時代で、音楽に関心を持っている10代なら当然アンテナに引っかかっていた。当時の櫻井くんもきっとそうでしょう。そうした時代にデビューするとなったら、ヒップホップが好きであればあるほど、中途半端にはやりたなくないはずです。とは言え、「アイドルとしてラップをする」ことは避けられない――そうした葛藤の時期を経て、彼なりの答えとなったのがこの歌詞だと思います。俺はアイドルとして堂々とラップするのだ、と。「温室の雑草」は見事なフレーズです。「HIP HOP」ではなく「HIP POP」。櫻井くんなりのヒップホップの引き受けかたですよね。これは後続に勇気を与えますよ。 柴:なるほどね。 矢野:さらに言えば、櫻井くんのラップの特徴って、ラップの発声と歌の発声の間をとっていることなんです。ラップって、喉を絞ってキャラクターを作るように発声することが多いのですが、櫻井くんの場合、ラップをした直後でも歌に入らなきゃいけないので、喉を絞りきらない。常に半開きの状態にしておくんです。対照的なのは、同じくラップをしている元KAT-TUNの田中聖くんですよね。彼はアンダーグラウンドのラッパーにアイデンティファイしているのか、歌とラップを両立させるような歌い方はあまりしていませんでした。「Make U Wet」での発声の仕方が顕著ですね。アイドルとしてラップをする櫻井くんと、アイドルから逸脱するくらい自我の強い田中くん。両者の考えの違いは、発声の仕方にも表れているんです。もちろん僕としては、どちらもかっこよければオーケーです。 柴:「大卒のアイドルがタイトルを奪い取る」……考えれば考えるほどすごい歌詞ですよね。実はこれ、最初に出てきたものではなくて「COOL & SOUL」にも「アイドル タイトル奪い取る」というリリックがあります。それと「Theme of ARASHI」に共通する「太陽光」という詞もそうだけど、過去から引用するキーワードには、彼の表現したいことが詰まっているんでしょう。 矢野:もちろん、櫻井くんの持っているヒップホップ魂が日本語ラップシーンの隆盛に支えられていることは間違いありません。同時代には、Dragon Ashやスケボーキング、m-floやZEEBRAなどがいました。櫻井くん自身は、Shing02が好きだったとも言っています。ただ重要なのは、そうした中で自分がどの道を選ぶかです。オリジナリティを築き上げるにあたりどういうスタイルを選択するかが問われるんです。それは、メジャー/アングラに限りません。櫻井くんは、ボーカルの取り方も歌詞や曲作りの選択も、全てアンダーグラウンドとオーバーグラウンドのあいだをとってきた。その櫻井くんの個性を象徴している曲が「Hip Pop Boogie」だと思います。歌詞・発声・トラックなどすべてがメッセージを持っているようです。(続きは書籍で) (構成=北濱信哉)
arashi_bookcovermainth_.jpg

リアルサウンド編集部『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』

■書籍情報 『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』 リアルサウンド編集部・篇 価格:¥ 1,500(+税) 予約はこちらから 内容紹介:ごく普通の青年たちがエンタメ界のトップに君臨したのはなぜか? 音楽性、演技・バラエティ、キャラクター、パフォーマンス…… 時代が嵐を求めた理由を、4つの視点から読み解いた最強の嵐本! 嵐の音楽はポップ・ミュージックとしてどんな可能性を持っている? 現代思想で読み解く各メンバーのキャラクターとは? 嵐ドラマは00年代の情景をどう描いてきた? 青井サンマ、柴那典、関修、田幸和歌子、成馬零一、矢野利裕など、気鋭の評論家・ライターが“エンターテイナーとしての嵐”を語り尽くす。総合音楽情報サイト『リアルサウンド』から生まれた、まったく新しい嵐エンタメ読本。

小倉智昭、上重聡アナを批判できない、過去の『とくダネ!』不正接待&融資トラブル

2015tokudane.jpg
『とくダネ!』(フジテレビ系)公式サイトより

 番組スポンサーからの1億7,000万円の不正融資疑惑報道を受け、3日放送の『スッキリ!!』(日本テレビ系)で生謝罪を行った上重聡アナウンサー。裏番組の『とくダネ!』(フジテレビ系)では、謝罪から約1時間半後にこのニュースを取り上げる異例の放送を行った。メインキャスターの小倉智昭は、「裏番組のことなので、あまり言いたくないのですが」と切り出し、上重アナの不正に関する概要を紹介。「額があまりに大きくてビックリしました」と語っていた。

「“マスコミは身内に甘い”と言われることもありますが、同時間帯の他局番組について、しかも同日に言及するというのは異例の事態でしょう」(スポーツ紙記者)