『ナイト ミュージアム』ついに完結! 故ロビン・ウィリアムズらに加え、あの俳優がカメオ出演!?

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(c) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
 今週取り上げる最新映画は、夜の博物館でろう人形や骨だけの恐竜が動き出すハリウッド製アドベンチャーコメディー連作の完結編と、70代後半の喜劇俳優が老マラソンランナーを熱演するドイツ映画。いずれも単純な笑いだけでなく、主人公の精神的成長や不屈の挑戦に元気をもらえる快作たちだ。  『ナイト ミュージアム エジプト王の秘密』(公開中)は、真夜中になると展示物が動き出す不思議な博物館を舞台にした、ベン・スティラー主演のコメディー『ナイト ミュージアム』シリーズの第3弾。アメリカ自然史博物館の夜警ラリーは、展示物たちに毎夜命を吹き込むエジプト王の石版が、魔力を失いつつあることを知る。いまや仲間となった展示物が2度と動けなくなるのを防ごうと、石版の謎を解く鍵を求めて、仲間たちや息子ニッキーとロンドンの大英博物館へ向かう。  監督は前2作に続きショーン・レビ。14年に他界したロビン・ウィリアムズ(コミカルな演技さえ感傷を誘う)、オーウェン・ウィルソンら続投組に、ベン・キングズレーらも加わり一層豪華なキャストに。映画ファンを喜ばせるパロディーが満載で、カメオ出演のヒュー・ジャックマンによる『ウルヴァリン』ネタなどは爆笑必至だ。ろう人形やミニチュアフィギュア、さらには恐竜の骨格標本までもが動き出すというアイデアは当初、リアルなCG映像と相まって新鮮な驚きだったが、さすがに3作目ともなると若干マンネリの印象も。とはいえ、数々の騒動と冒険で楽しませてくれたシリーズの完結編にふさわしく、フィナーレは華やかで感動的だ。  『陽だまりハウスでマラソンを』(3月21日公開)は、ドイツの国民的喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデンが主演した人間ドラマ。半世紀前のメルボルン五輪マラソンで金メダルを獲得し、今は隠居暮らしのパウルは、妻マーゴの病気をきっかけに夫婦で老人ホームに入居する。退屈で窮屈なホームでの生活にうんざりしたパウルは、何十年ぶりかのランニングをホームの庭で再開。周囲の猛反対にも耳を貸さず、ベルリンマラソンへの挑戦を宣言する。  主演のハラーフォルデンは、今作でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を史上最高齢の78歳で受賞した。撮影に備え半年近い走り込みで9キロ減量したというスポ根ぶりは、まさに主人公のキャラクターそのもの。あからさまに笑いを取る演技は封印しながらも、黙々と走る姿や入居者たちとのやり取りに穏やかなおかしみをにじませる。高齢者を支える娘や施設職員ら中堅世代の視点も丁寧に描かれ、幅広い年齢層の観客に現実の問題と照らして考える機会を提供してくれる作品でもある。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ナイト ミュージアム エジプト王の秘密』作品情報 <http://eiga.com/movie/79772/> 『陽だまりハウスでマラソンを』作品情報 <http://eiga.com/movie/81397/>

テレビ公開告白が成功した春香クリスティーン、「自称処女」の看板に生じる責務

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『春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』(マガジンハウス)

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

「中国の佳子さま」説は……? 美人説とウワサの習近平・娘“尊いお顔”初公開に人民ガッカリ

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目元のあたりは、確かに父親そっくり!
 まるで国家機密であるかのように、これまでベールに包まれていた習近平の娘の姿が、ついに明らかになった! 香港紙「明報」が、彼女が留学していたハーバード大学の担当教授の証言とともに、卒業写真を公開したのだ。  習近平は、妻で人民解放軍に所属する国民的歌手である彭麗媛との間に、一人娘・習明沢をもうけている。 1992年生まれの彼女は、現在22歳。杭州外国語学校を出て浙江大学外国語学院に入学し、外国語の同時通訳を専攻。大学卒業後にアメリカに渡り、名門ハーバード大学に入学したというウワサは広まっていたものの、未確認情報のままだった。  しかし今回、ハーバード大学の名誉教授で、東アジア研究の大家であるエズラ・ヴォーゲル氏が、アメリカ合衆国政府が運営する国営放送「ボイス・オブ・アメリカ」のインタビューに答えたところによると、彼女は確かにハーバード大学で学んでおり、昨年大学を卒業し、すでに帰国したという。学内では偽名を使っており、彼女が習近平の娘であることは、ほんの一部の学生と教授しか知らなかったようだ。そのため、大学で特別扱いされることもなく、普通の学生として学んでいたという。  さらに同紙は、昨年行われた卒業式の際に撮られたという、彼女の写真を掲載した。
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ガセ写真1
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ガセ写真2
 これまでも、彼女のものとされる写真がネット上で拡散したことが幾度となくあった。結果、すべてガセだったことが判明しているが、それらのニセ写真の人物が毎度、美人であったためか、人民の間では「主席の娘は美人」というウワサが定着していた。また、彼女の母親がなかなかの美人であることも、ウワサに信ぴょう性を与えていた。
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母、彭麗媛(ポンリーユワン)
 そんななか公開された彼女の本物の写真は、人民たちにとって期待外れだったよう。中国版Twitter「微博」には、 「中国の佳子公主だと思っていたのに、ちょっと違うな」 「主席と同じ、尊いお顔じゃないか!」 といった、皮肉めいた書き込みも散見される。13億人の頂点に立つ最高権力者の娘である彼女にとって、ルックスの良し悪しも重要なようだ。 (文=牧野源)

「オーガニック野菜」「感性を磨く」まではいかなくても……ロハスな中年女性の欲求とは

<p> ロハス(lifestyles of health and sustainability)という言葉から、あなたはどんな人を思い浮かべますか? 環境問題に取り組んでいる企業の品物を買い、オーガニック野菜を食卓に欠かさず、自然系の洗剤を使い、手作りのドクダミ化粧水を愛用していて、身につけるものは天然素材だけ、ヨガを習い、ホメオパシーと食育に関心があり、地球温暖化を憂い、自己啓発セミナーに通っている。好きな言葉は「感性を磨く」「本物を見つける」「見えない世界」「本当の自分と出会う」「人生に必要なこと」「世界を変える」……。</p>

料理で夫を支える「スポーツ選手の妻」は、日本独特の価値観? 欧米セレブ妻は紗栄子ばりに自由!

【messyより】

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左:『an・an 2012年 4/4号』マガジンハウス/右:『Love call』集英社

 サッカー日本代表の長谷部誠選手の結婚報道が出ております。長谷部選手と言えば昨年、同じ日本代表の吉田麻也選手のブログにて、パリやロンドンではしゃぎまくっている様子を「(当時)30歳独身」なのにピュアすぎるだろ……とネタにされていましたが「なんだよ、やることやってんじゃんかよ」と思ったファンの方もいらっしゃるのでは、と思います。

 長谷部選手本人は結婚報道を否定しておりますが、気になったのはお相手の女性タレント・佐藤ありささんについて。スポーツニュース番組に出演しているので、アスリートと恋愛関係になるであろうこともある程度予想されていた方ですが、とあるスポーツ紙のweb版では「(彼女は)スポーツ選手の妻になるため料理の勉強をしています」との情報があり、「おいおい、スポーツ選手の妻はみんな料理で夫を支えるのが普通なのかよ」と思いました。

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ルミネの“セクハラCM”大炎上で打ち切りへ「考えたのジジイでしょ」非難ごうごうで不買運動も

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YouTubeより
 JR東日本グループの商業施設・ルミネの新CMに批判が殺到し、ルミネ側が謝罪した。  「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」をテーマに掲げた同映像は、ルミネのYouTubeチャンネルで17日から配信。内容は、パンツルックのOL・吉野が、会社に出社する姿を描いたもので、会社前で出会った上司らしき男性がセクハラ発言を連発する。 男性「顔が疲れてる。寝てないの?」 吉野「普通に寝ましたけど」 男性「寝て、それ?」  嫌味を浴びせられた直後、2人の前に巻き髪にひざ上スカート姿のモテ系OLが登場。すると、男性は「やっぱかわいいなあ~、あの子」と呟き、主人公に「大丈夫だよ~、吉野とは需要が違うんだから」と言い放つ。この後、1人になった吉野は、鏡の前で顔を眺め、「は~」と溜め息。「変わりたい、変わらなきゃ」というナレーションが流れ、ルミネのロゴが表示される。  これに対し、ネット上では「セクハラ上司に気に入られるために、ルミネで服買えってか?」「女性は“職場の華”になるために就職してるんじゃない」「なんて時代錯誤なCM」「どうせこれ考えたの、ジジイでしょ?」「女性の社会進出を推進しようとしてる国のCMとは思えない」と不快感を露わにする声が相次ぎ、中には「もうルミネで買い物しない」と不買宣言まで見受けられる。  この騒動を受け、ルミネは20日に公式サイト上で「この度は、弊社の動画においてご不快に思われる表現がありましたことを深くお詫び申し上げます。今後はこのようなことのないよう、十分に注意してまいります」と謝罪。問題の動画も非公開となった。 「今回の打ち切り騒動は、明らかにルミネ側の配慮のなさが原因。今回は当然としても、近年はちょっとした苦情で、次々とCMを打ち切る企業が増えている。中には、言いがかりとしか思えないような苦情で、打ち切りとなった名作CMも。最近は企業側も苦情に怯え、ビクビクしながらCMを作っています。そんな風潮にもかかわらず、今回のセクハラCMにGOを出してしまうルミネは、イメージダウンと同時に、社内体制の危うさが露呈してしまったともいえそう」(広告代理店関係者)  最近、打ち切りになったCMといえば、就職活動に苦戦する娘と、母親の愛情を描いた東京ガスのCMに、「見ていてつらい」との声が寄せられ、放送中止に。また、俳優の大沢たかおが出演した「キリン本搾り」のCMに登場したカエルの着ぐるみが、「未成年飲酒を誘発しかねない」との指摘から、打ち切りとなった。  思わぬ大騒動に発展した、ルミネのセクハラCM。Twitterなど一部では、すでに不買運動のような動きも見受けられるが、今回の謝罪で事態収束となるだろうか?

エルトン・ジョンがボイコット呼びかけの翌日に、ドルガバの紙袋を持つ姿を撮られる!

<p>先日伝えた、イタリアを代表する一流ブランド、ドルチェ&ガッバーナのデザイナーによる体外受精(IVF)否定発言。</a>事の発端は、同ブランドの創始者ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナが雑誌のインタビューで、「人工的に受精させられた子どもたちは、“合成物”。レンタルされた子宮とカタログから選ばれた精子を合体させた“合成児”だ」とIVFを否定したこと。その上、「ゲイが養子縁組をすることには反対」「家族と呼べるものは、父親と母親がいる伝統的な家族だけ」と同性婚家庭での子育てを否定する意見を述べ、これに、20年以上交際している法的配偶者デヴィッド・ファーニッシュとの間にIVFと代理母で2人の息子をもうけたエルトン・ジョンが大激怒したのだ。</p>

“自称モデル”の義妹が通販三昧で我が家を散らかす! 兼業農家に嫁いだ私に最強の敵襲来

【作品名】『通販の女王様』(前編) 【作者】青菜ぱせり『ご近所の悪いうわさ』

【作品紹介】田舎の兼業農家に嫁ぎ、慣れない農作業も舅姑との同居もうまくやって来たはずだったのに!! 東京から“自称モデル”の義理の姉が帰ってきた。「こっちで結婚でもしようかな」と悠長に構え、姑の金でネット通販三昧。こっちは必死で農作業してるのに!

【サイゾーウーマンリコメンド】前回、前々回と配信した『地獄への道標』は、“クズ義妹”が大活躍していましたが、今回は“クズ義姉”が猛威を振るっています。どこよりも小姑問題に敏感でいたいサイ女ですが、はて、私の周りでは、「姑と仲良し!」という女はちらほらいるものの、「義妹&義姉と仲良し!」というのはあまり聞かないような……? そもそも「小姑」という呼び名からして、若干の厄介者オーラが漂ってますよね~。

矢沢永吉『成りあがり』のマンガ版が、原作以上にロックしすぎて“ルイジアンナ”な件

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『成りあがり』(角川書店)
 みなさんは、永ちゃんこと矢沢永吉の自伝『成りあがり』(角川書店)を読んだことはありますでしょうか? 永ちゃんの少年時代や青年時代の超貧乏な苦労話に始まり、伝説のバンド「キャロル」の結成から解散までの秘話、そしてソロミュージシャン矢沢永吉として成功する、文字通りロック界のスーパースターの成りあがりの過程が書かれています。  これは幾多のタレント自伝の中でも傑作と言わざるを得ない作品で、永ちゃん独特の「アイラブユーOK」な口調から繰り出される数多くの名言があらゆる世代の心を打つ自伝であり、悩める男たちへの熱いエールであり、ビジネスマン向けの自己啓発本としても役に立つという、すごい名著なのです。 「家に金入れないでヘイベイビーとかって感覚、オレは嫌いなんだよ。ロックンローラーの資格ない」 「マジメなのよ、オレ。えらいマジメ。オレ。えらいマジメなの。結婚前提でどう?」 「バカはダメよ。バカはやめろと言いたい。まわりが迷惑するから。義務教育、ポイントだけ押さえて、あとはファッファッとしてればいい」 「ロックンロールはオレにとっちゃ空気みたいなものなんだから。息を吸って、吐き出せばもうロックンロールができあがってる」 (『成りあがり』より)  などなど、ページをめくるたびにロックなノリの名言連発。自伝物によくある、いかにも“ゴーストライターが書いてます”みたいな小ギレイにまとまった文章じゃなくて、永ちゃんらしい、フィーリングが先行するこの感じが逆に新鮮で、普段本を読まないような人たちでも思わず最後まで読んでしまう、そんな不思議な魅力があります。  その名作『成りあがり』がマンガにもなっていたのは、ご存じでしょうか? 実は本作は過去に2回、マンガ化されています。1度目は1993年、2度目は2008年で、どちらも『成りあがり』を原作としながら、とても同じものとは思えない、まったく別のマンガとなっています。今回は、この2つのマンガ版『成りあがり』をご紹介したいと思います。
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■コミック版成りあがり(作画:江原良道/風雅書房)  93年に発刊されたコミック版『成りあがり』のストーリーは、原作の時系列に沿って忠実に描かれており、原作の細かいセリフの言い回しや解説についても、マンガでありながら相当細部まで再現。名著のコミカライズとしてかなり気を使って描かれているのが感じられます。  そういう意味では非常に自伝マンガらしい構成なのですが、一方で画についてはまさかのギャグテイストでブッ飛んでいます。幼少期、広島時代の永ちゃんは新聞の4コマ漫画に出てきそうなガキンチョで、コボちゃんやサンワリ君あたりを想起させる画のタッチなのですが、純然たるキッズでありながら、なぜか磯野波平のように両サイドの髪を残して頭頂部がスッカスカという非常にかわいそうなルックスで描かれており、貧乏で苦労しているのがビンビンに伝わってきます。  高校生からバンドデビューするまでの永ちゃんは、頭頂部スカスカからフサフサへと無事トランスフォームしたものの、今度はなぜか西川きよし師匠かシンプソンズかというほどに、目玉が飛び出たギョロ目のキャラクターに変貌します。ところどころで普通にリアル永ちゃんの顔になるシーンがあるので、明らかに意図的にギョロ目キャラとして描いているのですが、その意図が全然わかりません。まあシンプソンズは、アメリカではロック色の強いアニメなので、ロックつながりといえばロックつながりですが……。  さらに驚かされるのが、女子キャラです。男子キャラが軒並みギョロ目のシンプソンズ状態なのに対し、女子キャラはなんと『きまぐれオレンジ☆ロード』を彷彿とさせる、昭和な香り漂う美少女です。永ちゃんの初体験のシーンでは、シンプソンズな永ちゃんがオレンジ☆ロードのひかるちゃんみたいな女子キャラとまぐわって、絶頂とともに富士山がドカーンと爆発するという、シュールな様子が描かれています。この世界観は、ちょっとほかに例えようがありません。  通常自伝マンガといえば、多少なりとも美化して描かれるものですが、この作品は完全にその真逆を行っています。あえてこのブッ飛んだキャラクターでの自伝をOKした永ちゃんの器のデカさが、実にロックであるといえます。
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成りあがり 矢沢永吉物語(作画:きたがわ翔/角川グループパブリッシング)  続いて08年、比較的新しめの『成りあがり』コミカライズ作品。こちらは、作画がきたがわ翔先生です。きたがわ翔先生といえば、『19(NINETEEN)』『B.B.フィッシュ』『ホットマン』等の作品でイケメン&美女が多数登場しまくっていますので、この時点で永ちゃんがきっちり美麗イケメンに描かれることは確定路線であり、安心して読むことができる自伝作品であるかのように思われました。  しかし、この『成りあがり 矢沢永吉物語』は、別の意味で壮絶にロックしていました。なにしろこのタイトルですから、普通に考えれば誰もが主人公は永ちゃんだと考えるところですが、実は違うのです。この作品の主人公は「内田忠志」なる、仕事に疲れたサラリーマンなのです。……誰だよ、お前。  忠志の父・平太は熱狂的な永ちゃんファンであり、忠志は子どもの頃から父親・平太に永ちゃんのコンサートに連れて行ってもらっていました。しかし思春期、反抗期となりだんだんと疎遠になってしまい、大人になった今はすっかり話さなくなってしまったのでした。  そんな忠志に、実家からの一本の電話が……。父・平太が病気で亡くなったのです。実家に戻り、父親の形見である永ちゃんのライブビデオや『成りあがり』を発見。忠志が父の遺した『成りあがり』を読み進めるのに合わせて『成りあがり』のシーンがマンガで描かれていくという、非常に凝った構成になっています。  つまり主人公の忠志、父の平太、そして永ちゃんという3人のキーパーソンが作品中に存在し、しかも途中で平太が永ちゃんに影響されてこっそり書いていた手書きの自叙伝『裏・成りあがり』が遺品として見つかるくだりでは、平太の少年・青年時代の回想シーンにさかのぼります。さかのぼったと思ったら現代の忠志の時代に戻ってみたり、今度は永ちゃんのバンド結成時代へ場面転換してみたり……。ちょっとした、バック・トゥ・ザ・フューチャー状態です。  さらにややこしいのは、主人公の忠志、若かりし頃の平太、若かりし頃の永ちゃん……3人とも、きたがわ先生らしいスッキリしょうゆ顔のイケメンとして描かれており、今読んでいるのが3人のうち一体誰の話なのか、だんだんわからなくなってきます。単なる自伝コミカライズにとどまらないこの複雑なギミックこそ、まさにロック……。ロックはロックでも、プログレッシブ・ロック寄りですけど。とにかくナメてかかるとノックアウトされる、ハンパな自伝じゃなかったのです。 ***  というわけで名著『成りあがり』と、そのコミカライズ作品を2作品ご紹介しました。マンガ版はどちらも原作を読んだ後なら超絶楽しめること請け合いであり、逆に原作を読んでなければ、あまりのファンキーモンキーベイビーすぎる展開にお口ポカーンになってしまう可能性がありますが、日本人男子ならば3冊とも必読の作品であることは言うまでもありません。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

これぞ“映画大国”の真骨頂! 田代まさしにも勧めたい!?『インド・オブ・ザ・デッド』

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↑これは映画のシーンではなく、ゾンビアイドル小明です
(撮影=尾藤能暢)
 しょうもない理由で失業したハルディク(クナル・クヘム)と、しょうもない女にプロポーズして失恋したラヴ(ヴィール・ダース)は、辛い現実から逃避するため、友達のバニー(アナンド・ティワリ)を連れてビーチリゾート・ゴアへ向かった。そこでナンパした女の子から「離島でロシアンマフィアが開催するレイブパーティーがあるの」と聞き、「イケてる~!」とパーティーに紛れ込む。が、そのレイブパーティーはどうやら新型ドラッグのお披露目パーティーだったようで、ドラッグを買った客たちが一斉にゾンビ化! 運良く(?)失業と失恋で金を使い果たしてドラッグを買えなかった3人はゾンビ化を免れ、ホラー映画とゲームで得た非常にぼんやりとした知識でゾンビに立ち向かうが、もちろんうまくいくはずがない! 八方ふさがりのぼんくら男子たちが贈るインド初のゾンビコメディー、ついに日本上陸!  ……というわけで、ついにゾンビがインドにまで進出してしまったようです! でも、インド映画ってアレでしょ? だいたい歌ったり踊ったりして、異様に強い主人公のおじさん(主にラジニカーント)が敵を無双して、娘みたいな年のヒロインを3時間くらいかけて助けて、最後はみんなでまた歌って踊るやつでしょ? それにゾンビが加わったら、ラストはマイケル・ジャクソンの『スリラー』みたいになるっていうオチが容易に想像できちゃうんですけど(失笑)。  とか思った奴は、全員インドに向かって土下座!!!! シャンカール監督の『ロボット』(2012年に日本でも公開された、割ととんでもないSFアクション映画)といい、インドはホントに平気で想像を超えてくるのです……。この『インド・オブ・ザ・デッド』も、開始早々に我々の「どうせ踊るんだろ」という期待に応えるように『スリラー』のオマージュが流れますが、踊るゾンビはここでお終い! その後は数十分間、インドのぼんくら男子のぼんくらな日常を見せつけられます。  どの程度のぼんくらさなのかというと、主人公のハルディクは仕事をさぼってトイレでハッパを吸い、アフターファイブに同僚女性と会議室でチョメチョメし、それを上司に見られて失業。もちろん反省の色はナシの典型的チャラ男である。そしてラブは仕事中に女の写真に見とれ、やっぱりさぼってトイレでハッパを吸い、一度は彼女のために「俺は変わるぜー!」なんつって心を入れかえてプロポーズするも即玉砕。「変わるなんて言って損したわ、酒も煙草も女もどんどんやる! ドラッグもってこーい! ワハハ!」と開き直る真面目系クズ。  そして、その2人に巻き込まれるのが、面倒見の良さがあだとなっている、パッとしない脇役気質のバーニー。序盤~中盤まで、こいつらのダメ~な感じのやりとりが延々続くので、「これってほんとにゾンビとか出てくるのかな」と不安になるほどでした。  が、こういう本格的にダメな奴+比較的ダメな奴+損する友達の3人組のゾンビ映画って何かで観たよね? そう、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)のショーン、エド、ピートです! それに八方ふさがりになってから登場するロシアンマフィア(かぶれのインド人)のボリス(サイフ・アリー・カーン)には、これってどう見ても『ゾンビランド』(2010年)のタラハシーじゃないか、と思わせるシーンも! 『スリラー』から近年のゾンビ映画まで、一見幅広いけれども直球なオマージュが所々に散りばめられていて、「なんだ、インド人だってゾンビ大好きだったんだね……!」と、初めてインド人に親近感を覚えました。
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(c)Eros International Ltd 2013
 そして、オマージュだけではなく、火葬文化のインドでのゾンビ発生を「グローバル化」「ドラッグの影響でちょっとネ」で、なんとかしようとする力業や、「あ、コレはインド映画でヒロインと踊る時に流れるやつですね」というロマンチックなBGMで、キャアキャアワァワァ言いながら女ゾンビと本気の追いかけっこをするぼんくら男子のシュールな絵面は、もう底抜けにアホくさくて最高! ずっと観ていたい!!  ちなみに肝心のゾンビたちの特殊メイクは「数時間で、ちょっと腐りすぎじゃないか」という気もしますが、全くチープじゃないし人数も多いし、さすが映画大国インド、ものすごくちゃんとしています。そして何より、失業や失恋という人生のあらゆるダウナーな時期をハッパやドラッグで解決してきた能天気なやつらが「このままじゃいかんな」と目を覚ましていく過程には大変心を打たれたので、この機会にダルク(薬物依存症リハビリ施設)とかで流すといいと思うし、映画の宣伝も私じゃなくて清水健太郎さんとか、小向美奈子さんとか、出所したての田代まさしさんとかにやってもらえば良いのにな、と売れないゾンビアイドルは思いました。終わり。 (文=小明) 『インド・オブ・ザ・デッド』 3月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷/ 4月4日(土)よりシネ・リーブル梅田にてレイトショー
●インド・オブ・ザ・デッド 公式サイト http://www.odessa-e.co.jp/india-of-the-dead/ 411f2a7693220ff1f6c33305808.jpg ●小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ、千葉県育ち。02年、ホットドッグプレスドリームガールズ準グランプリを受賞し、デビュー。写真集『エプロン宣言』を発表するなど、グラビアアイドルとして活動していたが、06年に所属事務所を退社。以降、フリーのアイドル兼コラムニストとして活動しつつ、ゾンビアイドルとしてテレビ・映画に出演中。著書に『アイドル墜落日記』(洋泉社)、キングオブコメディ・高橋健一との共著に『卑屈の国の格言録』(サイゾー)。