酒の席でも気は抜けない!? 北朝鮮政府高官がふいに仕掛ける「抜き打ちテスト」とは

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平壌・高麗ホテル(Photo By David Stanley from Flickr.)
 こんにちは。拉致被害者再調査のため日本政府代表団が訪朝し、ストックホルム合意の履行に向けて話し合いを開始しました。拉致問題を含めた日朝間の問題に、ようやく進展の兆しが見えてきたようです。  そんな中で私は、数年前の訪朝時の「とある出来事」を思い出しました。  とにかく訪朝すると毎晩酒盛りが基本なので、下戸にはキツいです。その日も我々取材団は外国人案内 部門の幹部たちとホテルのバーで飲んだ後、さらにロビーで適当に酒を持ち寄って飲み直しをしていました。正直、「まだ飲むのかよ……」というところでしたが、めったにない機会なので仕方ありません。そして宴もたけなわとなった頃、奥のほうに座っていた高官に「ちょっと来い」と呼ばれました。    その方は某部門の責任者だったのですが、彼は突如、こう問いかけてきました。 「我が国と日本が関係を改善するためには、どうすればよいと思うかね?」  急に飲み会にそぐわない高度な質問に一瞬たじろぎましたが、答えは明白。私は自信たっぷりにドヤ顔で答えました。 私「やはり、拉致問題を解決させることであると思います」 高官「それはどんな方法だというのかね?」  どんなって言われても……というのが正直なところ。  とかく彼は「君の考えるロードマップを話せ。履行に支障があるとするなら、その解決策は何か」と言っていたのですが、彼が北の中でも最北出身なのか、日本でいう津軽弁のようななまりを全開にしてくるため、何を言っているのかまったくわかりませんでした。ところどころ聞き取れる単語を必死に拾いながら答えましたが、私の地頭レベルの低さも相まって、まともな問答になりませんでした。 私「国交正常化をすれば、何事もスムースにいくと思います」 高官「それは知ってるんだよ。だから、そのための道筋を話してくれたまえ 」  すると、幹部はしびれを切らしたのか、我々の中からもう一人、女子を呼びました。幹部は私同様に無慈悲な問いかけを浴びせましたが、20代半ばという年齢の割に「やり手」な彼女、北朝鮮高官の尋問を右から左へと受け流し、ひたすら「そんなことより飲みましょう」「ウェーイ」というノリで押し切ったため高官はそれ以上追及できず、むしろニヤついていました。いやあ、若いって本当にパワーですよね。まさしく西城秀樹の「YMCA」です。若い彼女のひょんな助け舟により、私のようなババアは「もういい、行け」とリリースしていただいたのでした。  しかし翌朝。訪朝団の人から「君たちは“不合格”だってさ」と告げられました。  思想レベル的に、ということでした。その高官がビザ審査 にも関わっていただけに、それを聞いて私は「そうか、もう二度と入国できないんだな……」と落胆しました。しかし、なぜかその後も入国できたので、単に北朝鮮的「アホ認定」を食らっただけのようです。  というのも2002年、日朝首脳会談で国交正常化について明記した平壌宣言が採択されましたが、北朝鮮としては「拉致問題は解決済み」という立場を一貫し、日本政府側の経済制裁解除なしには再調査は行わないとしてきました。横田めぐみさんの「ニセ遺骨疑惑」で交渉が大きくこじれましたが、後に第三者による鑑定を受け入れることを明言しました(これについて、日本政府側からの返答はありません)。  一方、日本政府側は拉致被害者問題に焦点を合わせ、経済制裁措置という形で対応してきました。歴代政権が支持率アップのために拉致問題を利用してきた、という向きも否定できません。  高官はこれらを把握した上で、あえて質問をしてきたのでしょう。まさか、北朝鮮の東北弁で来るとは思いませんでしたが……。  またある日、私の部屋で某部門の女性担当者と飲んでいたときです。私は「業務上で拉致問題対策本部の方とも関わりがある」と口を滑らせてしまいました。すると、泥酔していた彼女は急に真顔になり、こう言いました。 「では、彼らに伝えておきなさい。小泉元首相は拉致被害者を一時帰国させ、朝鮮に戻す約束をなぜ破ったのか。それについて論理的な説明、もしくは謝罪する手紙一枚でももらえれば、我々はすぐに動く用意がある」  まずい、面倒くさい展開になってしまったなと思った私は、「はあ……日本政府に言っておきます(誰にだよ)」としか答えられませんでした。  あれから、はや数年。現在に至るまで、水面下ではいろいろと動いていたんですね。まあ食い違いもあるでしょうが、平壌宣言の「双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していく」という項目は最低限、履行していただきたいものです。  余談ではありますが今後、日朝関係が改善した際には訪朝時、酒に注意したほうがよさそうです。昼も夜も酒なので「ヘパリーゼ」は必須です。現地の謎の生薬 がガツンと効く場合はありますが(これはまたの機会に言及します)。  そして現地の観光案内員らは、前日どんなに酔いつぶれていようと翌朝は必ずシャキッとした様子で迎えにくるので、本当に不思議です。 ●やす・やどろく ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。国籍・韓国(出生時は朝鮮籍)、本籍地・朝鮮民主主義人民共和国、出生地・日本という根なし草。いわゆる「在日2世」だが父親が高齢の際に製造されたため、世代的には3~4世。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

現代だったら炎上案件、戸川昌子が「婦人公論」で“溺愛と虐待”の育児を語る

<p> 今号の特集は「子どもの自立――老後資金と人生を奪われないために」。<a href="http://www.cyzowoman.com/2014/10/post_13737.html">前々号の「友情」特集</a>では「中高年の友達関係は“自立”と“自律”で成り立つのが理想」と唱えていましたが、自らの“自立”と子どもの“自立”、その両方を迫られているのが「婦人公論」世代です。リードにも「家を出ていかない、親の懐をあてにする、さらには高齢ニートまで。子どもに振り回されず、あなた自身の人生を楽しめるように、上手なひとり立ちへの導き方を考えます」とあります。結婚・出産という社会の枠組みが変わり、親世代のような経済基盤を持つのが難しい子世代の現状。考えてみれば、まったく異なる“現実”を抱えたもの同士が、家族という名の下に一緒に暮らしているんですよね。そりゃいろいろありますよ。</p>

食べてイク女性がいる!? 演技なのかガチなのかを本気で検証してみました

【messyより】

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Photo by Albarracin Jorge from Flickr

 ハイカロリーの食品を食べると性的興奮を覚え、オーガズムに達する女性ーーそんなビックリ記事を見つけました。米国人女性・ガビィ・ジョーンズさんの体重は270kg! 記事によると彼女は、自分が高カロリー料理を食べるながらイク様子を、動画で公開しているのだとか。それはぜひ見たい……と思ったのですが、発見できませんでした。閲覧にはお金を払わなければいけない(それが彼女の食費となる)ようなので、きっと一般に公開されてはいないのでしょう。

 ガビィさんは、とってもチャーミングです。そして太っている自分に誇りを持っています。別の記事では「私の身体って、肉感的でセクシーでしょ。太った身体はアート作品なの。自分自身で最高傑作を作り出しているのよ」と語っています。そして、ヘソ出し…

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“もはや板野友美”こと辻希美、スッピン公開に臆測「整形疑惑が払拭されると思っているのかも」

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辻希美オフィシャルブログより
 元モーニング娘。でママタレの辻希美が28日、メイク前とメイク後の比較写真をブログで公開した。  「make(^ー^)ノ」と題された投稿では、「ソラが10時過ぎに寝てしまい でもでもその間におんぶしてmakeしたょ」と、1歳の息子・昊空(ソラ)をおんぶしながらメイクしたことを報告。メイク前とメイク後の自撮り写真を投稿し、変貌ぶりに自ら「makeって恐ろしいね(笑)」と感想を綴った。  3人の子育てに追われながらも、日々のギャルメイクを怠らない辻。だがネット上では、このブログに対し「遠回しに整形疑惑を否定しているのでは?」という臆測が浮上している。 「辻は、24日に投稿した自撮り写真が、元AKB48・板野友美とウリ二つだと話題に。同時に『また顔変わった』『またやった?』と、何度目かの整形疑惑がかけられてしまった。辻は過去に、この疑惑を『整形は本っっっ当にしてません』『生まれたままの状態デス』などとブログで真っ向否定。その時も『メイクってすごい!』ということをしきりに訴えていましたから、メイクのすごさを伝えれば、おのずと整形疑惑も払拭されると考えているのかもしれません」(芸能ライター)  また過去には、逆に板野のほうが「辻に似ている」と言われていた時期があるのだとか。 「AKB48のブレーク前、板野はファンから『辻にソックリ』と言われていた時期がありました。しかしその後、板野・辻共に顔が成長を遂げ、2人のチャームポイントだった八重歯もなくなると、『辻にソックリ』と言われることはなくなったそう。それが現在、今度は辻が『板野にソックリ』と言われ始めた。辻と板野の間で、“捻じれ”のような現象が起きています」(同)  ギャルファッション、アヒル口、身長、元アイドル、整形疑惑……と、似ている部分の多い辻と板野だが、今後“夢の共演”を果たす機会はあるだろうか?

大親友・あびる優と紗栄子はなぜわざわざ過去の悪行を明かすのか

女性向けWebサイト【messy】とって出し! 全部読む
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(紗栄子オフィシャルブログより)
 28日、タレントでモデルの紗栄子(27)が自身のブログで親友だというあびる優(28)との思い出を綴った。  紗栄子は、あびるについて「東京に出てきて、初めてできた友達。16歳で一人で上京してきて、右も左もわからない時に、側にいてくれたのが優だった」と明かし、「登校も一緒にしたし、学校サボって2人でヒッチハイクして、スーパー銭湯にも行った」と学生時代のやんちゃなエピソードも告白。  同日にはあびるもブログを更新し… つづきを読む

巨人・坂本勇人と田中理恵、破局! 意味深ツイートに隠された“モテ男”坂本の女性問題

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『田中理恵Smile』(ベースボールマガジン社)

 リーグ優勝しながら、日本シリーズに進出できなかった読売ジャイアンツのイケメン選手・坂本勇人(25)。彼とくっついたり離れたりの関係が続いていたのが、2歳年上のロンドン五輪女子日本代表・田中理恵だ。しかしここにきて、2人がついに破局を迎えてしまったという。

 昨年5月、坂本は田中と運命の出会いをした。巨人と西武の交流試合で、始球式を依頼された田中は、体操選手らしい華麗な投球フォームを見せた。右脚が真っすぐ伸びた投球スタイルに、誰もが魅せられたが、その1人が坂本だったようだ。「安田美沙子がいい」「佐々木希が好き」などと何年も公言していた坂本が、昨年秋から「好きなタイプは礼儀正しい人」と、実名を挙げなくなっていた。

ふなっしー大ピンチ? “週刊誌NG”対応で「いろいろ暴いてやる!」と息巻くマスコミ

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「ふなっしー カレンダー 2015年」(日テレサービス)

 今月15日に行われた、バンダイの新商品「ふなっしーのめいっしー」の発売記念イベントでテレビ朝日を出入り禁止にしたと報じられた、人気ゆるキャラ・ふなっしー。ふなっしー公認の弟“ふなごろー”が初お披露目されたとあり、ワイドーショーやニュースサイトを賑わせたが、会見に入れなかったテレビ朝日以外にも憤慨しているマスコミ関係者がいるという。

「通常、事前にイベント取材を告知するプレスリリースが各メディアに届くのですが、今回のふなっしーイベントでは、週刊誌にはリリースが送られてきていなかったんです。そのため当日、ネットニュースでふなごろーのお披露目があったことを知りました。テレ朝が出入り禁止になった理由が、ふなっしーに悪臭を指摘したからでは……と一部が報じていましたが、うちはそんなこと言ったことはないはずですし、心当たりがないんですよね」(週刊誌記者)

キスマイ玉森裕太、サラリーマン役の初出演映画で新境地へ フラットな表現スタンスの長所とは

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有川浩の原作小説を映画化する『レインツリーの国』(2015年公開)で映画初主演を務める玉森。

【リアルサウンドより】

 Kis-My-Ft2の玉森裕太が、人気作家・有川浩の原作小説を映画化する『レインツリーの国』(2015年公開)で映画初主演を務めることが決定し、話題を呼んでいる。

 同作は、主人公の向坂伸行(玉森)がネットで見つけた“レインツリーの国”というブログに共鳴し、管理人のひとみ(西内まりや)に心を寄せていくという恋愛物語で、玉森は初となるサラリーマン役を務めている。

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9年ぶりの日本シリーズ進出でも……野村克也が明かす「阪神の黄金時代が永遠に来ない理由」とは?

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相も変わらず、ボヤいてます。
 今シーズン、クライマックスシリーズに進んだ阪神タイガースは、巨人を4連勝で下し、パ・リーグの覇者・福岡ソフトバンクホークスと9年ぶりの日本シリーズを戦っている。10月30日現在、勝ち星は3対1と崖っぷちに立たされてはいるものの、2012年の和田豊監督就任から3年、「猛虎復活」という当初のコンセプトが実現したといってもいい成績だろう。  はたして85年以来29年ぶりの日本一に輝くことができるのか? それとも……と、全国の阪神ファンがかたずをのんで見守っている中、この熱狂を斜めから眺めている人物がいる。元阪神タイガース監督・野村克也だ。彼は、この阪神の好調を一過性の出来事として考えている。今年9月に発売された、その名も『阪神タイガースの黄金時代が永遠に来ない理由』(宝島社新書)の冒頭で、野村は「阪神タイガースが強くなることは絶対にない。阪神に黄金時代は永遠に来ないと断言できる」と書き記しているのだ。  いったい、どういうことだろうか?  99年から3年間阪神の監督を務めた野村。当時は3年連続最下位と芳しくない成績に終わっているが、その経験から、野村は阪神の「悪い伝統」の内幕をつぶさに観察することができた。まず、彼が告発するのは、その人気ぶりから来る弊害だ。 「弱くても人気があり、周囲からチヤホヤされるから、選手が“お坊ちゃん”なのだ。甘えの体質が染みついていた」  サッカーW杯がどんなに盛り上がろうとも、関西のスポーツ紙は阪神ネタばかりが1面を飾る。そして、その人気をあおっているのが、「虎番」と呼ばれるスポーツ新聞の阪神担当記者たち。勝てば選手を大々的に持ち上げるが、負けた場合はその後の関係を考慮して選手ではなく、監督や球団へバッシングの矛先を向ける。調子に乗った選手たちは、キャンプ中にミーティングをしていても、練習後の遊びのことを考えて、気もそぞろ。タニマチからの食事のお誘いや、OB会の接待など、阪神選手は球場の外でも忙しいのだ。  そして、なぜか阪神はドラフトにおいて有力選手を獲得することができない。野村は、近年の阪神のドラフト1位で即戦力としてチームの柱になったのは、鳥谷敬、能見篤史と、藤浪晋太郎ぐらいしかいない、と語っている。野村のヤクルト監督時代、阪神には選手を入団までこぎ着けると、担当スカウトに球団から数十万円のボーナスが支給される制度があったという。取りたい選手ではなく、取れる選手を……そんなスカウトの姿勢では、実力のある若手選手を獲得することは難しいだろう。  さらに、FAで阪神が獲得した選手たちのほとんどは、実力を発揮せずに終わると野村。その原因は、阪神の中にある「空気」だという。 「あのチームでは、ヨソ者扱いされて馴染めないのだ。FAで加入した選手や、城島(健司)、福留(孝介)、西岡(剛)も、それで力を発揮できない面もあるのだろう」 と、独特の「伝統」を持つ阪神タイガースならではの事情が、「黄金時代が永遠に来ない」と断言する野村の根拠となっているようだ。そして、その「伝統」に対する批判だけでなく、現役選手や監督個人についても、野村の批判はやむことがない。  野村の監督時代に現役選手だった和田監督には「オーラのようなものがない」と苦言を呈する。「和田はマジメな性格で、コーチとしては手腕を発揮するが、残念ながら監督の器ではない。(略)あまりしゃべるタイプではないし、ベンチでも、いるのかいないのかわからない感じがする」。さらにオ・スンファンの150kmのストレートに「スピードの割には打者は早く感じない」、新井貴浩に「フルスイングではなくムチャ振り」、鳥谷は「キャプテンというより脇役タイプ」と、同書では批判的な分析が展開されているのだ。  そもそも、野村は、監督時代に当時のオーナーであった久万俊二郎オーナーに対して、クビを覚悟で阪神タイガースの球団改革を訴えていた。しかし、それから14年が経過しても球団全体からの「毎年優勝してやろう」という気概は一向に感じられないという。だからこそ、「勝ったところで決して本質が改善されているわけではない」と、この好調が一過性のものであると予言しているのだ。  ただし、野村も、ただただぼやき続けているわけではない。サッカーに押され、野球人気が低迷する今だからこそ、野村は関西を中心に絶大な人気を誇る阪神タイガースの活躍に、プロ野球界の未来を見ている。 「関係者にとっては相当厳しいことを書いてきたが、それは3年間お世話になり阪神の内情を知る私があえて低減することで、少しでもいい方向に進んでくれればという思いからだ」  はたして、そんな野村の思いが通じる日は来るのだろうか? (文=萩原雄太[かもめマシーン])

映画『最後の命』NYチェルシー映画祭にて最優秀脚本賞を受賞! 芥川賞作家・中村文則の作品を初映画化した若手映画監督とは?

saigonoinochi01.jpg  10月16日より、ニューヨークで開催されたチェルシー映画祭。そのコンペティション部門に、松本准平監督作品『最後の命』が日本映画として初出品された。  1990年代以降、ニューヨーク・アートの中心となったチェルシーにて、2013年よりスタートした同映画祭は、主に普遍的なテーマの作品を上映すると同時に、若手クリエイターたちの発掘と紹介を主眼とするため、海外映画祭でのコンペティションに初入選を果たした松本監督は、開幕式へと出席すべく直ちに渡米したものの、自作の映画祭上映を見届けた後、授賞式を待たずして帰国してしまった。  ところが日本へと戻ったその日、映画祭側からのメールで最優秀脚本賞の受賞を知ったのだった。  受賞直後の発言では、原作者の中村文則氏、共同脚本の高橋知由氏への気遣いや、作品に関わったすべての人々とともに喜びを分かち合いたいという、幾分か控え目なコメントを残して沈黙したことが、逆に本作に賭ける静かなる意気込みを感じさせずにはいられなかった。  劇場長編デビュー作となった『まだ、人間』(2012)に続く、劇場長編2作目となる本作は、『土の中の子供』で第133回芥川龍之介賞を受賞した作家・中村文則氏の同名小説が原作。そのショッキングな内容から、映像化は不可能とまでいわれた作品だったが、松本監督は版元との映画化交渉を粘り強く続ける一方で、共同脚本として名を連ねる高橋知由氏との脚本執筆作業に没頭。そして、桂人役に唯一無二の俳優だと確信した柳楽優弥氏に出演を切望する手紙を記し、さらには中村氏への直談判を経てクランクインを果たしたのだった。  今回の受賞と前後して取材を続けていたところ、媒体取材の傍らでさまざまな音楽コンサートやトークイベントに松本監督が出演し、聴衆や参加者との交流を念頭に置いた宣伝活動を展開していることを知った。  去る10月8日、『最後の命』の音楽担当である小瀬村晶氏のコンサートがルーテル市ヶ谷ホールにて開催され、そのオープニングトークのゲストとして松本監督がステージに登壇。映画のサウンドトラックの発売を記念したコンサートなので、トークでは映画音楽が完成するまでの秘話も明かされるなど、思い悩む登場人物たちの心の機微を肯定的にリクエストされた楽曲の数々が、ピアノと弦楽四重奏によって繊細に演奏された。  続いて、松本監督が帰国した直後の10月20日、下北沢の本屋「B&B」にて、念願の中村文則氏と松本監督による公開記念トークが開催された。アメリカでの文学賞受賞と海外からも高い注目を集め続ける中村氏だが、翌日から渡米し、デイヴィッド・グディス賞の授賞式、米国での新刊発売などハードなスケジュールが組まれる中、帰国直後の監督と渡米前夜の原作者というなんとも絶妙な組み合わせで、中村文則作品の初映像化はいかにして実現されたのかを、互いが満席の聴衆を前に語り尽したのだった。
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危ないジョークも交えて盛り上がるトーク(左から、昼間・辻田・松本・長野・増田の各氏)
 そして今回、10月22日のイベント会場である、高円寺ショーボートにて松本監督への同行取材を敢行。公開記念ライブ「歌や映画は命に訴えかけるのか ~軍歌を聴いて語り合う一夜~」と銘打って開催された、演奏とトークライブに密着、以下はその現場レポート。  スコットランドの民族楽器であるバグパイプ演奏、ソ連ロシア戦時歌謡の歌唱に続いて主役である松本准平監督が登壇。チェルシー映画祭最優秀脚本賞の受賞直後ということもあり、満員の客席からは盛大な拍手と歓声が鳴り響いた。  松本監督の軽妙な挨拶から始まり、そしてもう一人の主役である文筆家・軍歌研究者の辻田真佐憲氏も続いて登壇。かつて、本サイトでも取り上げた初の著書『世界軍歌全集』(社会評論社)でマスコミデビューした辻田氏だが、軍歌ブームを煽る単なる「軍歌マニア」ではなく、エンタメを利用したプロパガンダという視点から鋭い考察を行っていて、7月に上梓した『日本の軍歌』(幻冬舎新書)は、発売2週間で重版が決定したという話題の人物。  MC担当のルポライター・昼間たかし氏からの鋭い一問一答に即答する両者だったが、会社や役所を退職してまで、映画監督や文筆家として身を立てて行こうとした決意が、ひしひしと伝わってくる熱のこもったトークを展開。  辻田氏は、強い口調で歌や映画がいかに時代に翻弄され、また政治利用される危険性を孕んでいるのかという事実の検証にまで踏みこんでいき、それに応じた松本監督からは、現代のような混迷の時代にこそ、人々の命を救うような真摯な表現を心がけていかなければならないし、その覚悟も必要なのだと訴えかけたあたりから、勢いに乗った両者はヒートアップしすぎて、トークは想定外の方向へとたびたび脱線。焦りつつも、台本通りの質問を繰り返す昼間氏に対して、松本監督と辻田氏は意識的に台本にはない語りを続けて止まらない。  ちなみに、台本上では受賞を称えられた松本監督から、「ありがたいです」という意味合いの言葉が返ってくる予定だったらしいのだが、「いやぁ、グランプリじゃないから……」との呟きが漏れてしまったため、辻田氏から、「そちらの台本通りにいくはずがないですよ」という皮肉まで飛び出してしまう始末。とはいえ、文筆家の道を自ら選択した辻田氏である。一足先にマスコミ試写で鑑賞した本作の見どころに丁寧な解説を加えて、松本監督を唸らせる一幕も。  後半では出演俳優の増田俊樹氏、長野克弘氏が揃ってお祝いに駆けつけたが、松本監督の劇場デビュー作から出演が続く増田氏から、「監督、本当に自分で脚本書いたんですか?」という危ないジョークが飛び出したり、長野氏からは日本兵を演じたカンヌ映画祭グランプリ受賞作『鬼が来た!』(2000年/日中合作)の撮影時、中国の山中で3カ月間、ずっと役になりきるために軍歌を聴きながら過ごしたエピソードなどが披露されたが、濃密なトークライブは後に控える演奏の時間が押し迫り幕引きとなった。
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アコーステックギターとバグパイプによるユニット・虎健(虎太郎 & 加藤健二郎)。現在までに世界唯一の楽器の組み合わせとして注目を集めているという
 今回、トリを飾ったのは虎健(虎太郎 & 加藤健二郎)。アコーステックギターとバグパイプによるコラボレーション・ユニットだ。現代では平和への祈りを連想させる華やかな音色のバグパイプだが、古くは戦意高揚を煽りつつ前線で演奏された楽器であったことや、奏者である加藤健二郎氏は、戦場ジャーナリストからバグパイプ奏者へと転向を果たした異色のミュージシャンであったりと、『最後の命』と「日本の軍歌」をテーマにしつつ、何もかもが異色の公開記念ライブは盛況の中で公演を終了。  22時から開催された出演者を囲むアフターパーティでは、歌手やミュージシャン、カメラマンやライター等、雑多な表現者が松本監督のテーブルへと集い、チェルシー映画祭での受賞を大いに祝いつつ、忌憚のない意見交換がなされたことも付け加えておこう。  劇場公開直前となった現在も、松本准平監督は積極的に交流系の宣伝活動を展開している。11月5日には社会学者の宮台真司氏、作家の岩井志麻子氏をゲストに迎えたロフトプラスワンでの公開記念トークイベント、11月7日には再び小瀬村晶氏とのゲストトークがタワーレコード渋谷にて開催され、初日興行を目前に控えた松本監督の佇まいは、劇場長編デビュー作公開当時の落ち着きのない、あの妙な緊張感から良い意味で解放されたようだ。東大卒で気難しく、難解なテーマを題材にする若手監督とのネガティブなイメージを抱いた方々にこそ、生身の松本准平と是非とも交流して頂けたらと、今回の取材を通して改めて感じた。 ●『最後の命』 ウォールストリートジャーナル「年間ベスト10ミステリー」二年連続選出“中村文則”初の映像化作品。 幼少期に集団婦女暴行事件に巻き込まれた桂人と冴木。事件の記憶に苛まれながら成長した二人が再会した夜、桂人の部屋で顔見知りの女が殺される。取り調べを受ける桂人に刑事が告げた。 「冴木祐一を知ってるね。奴は全国指名手配中の容疑者だ」。一つの殺人事件の真相が、彼らが生きる理由になる。 映画『最後の命』は11月8日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国ロードショー。 柳楽優弥 矢野聖人 比留川游 リリィ 滝藤賢一 中嶋しゅう 内田慈 池端レイナ 土師野隆之介 板垣李光人 他 監督 : 松本准平 原作 : 中村文則 音楽 : 小瀬村晶 主題歌 : 「Snowing」Cocco 製作 : beachwlkers. 企画 : fishwalking 製作プロダクション : ブースタープロジェクト 配給 : ティジョイ 音楽製作 : SCHOLE INC.  ©2014 beachwalkers. 最後の命 公式サイト http://saigonoinochi.com/ ======================= 2014/11/5(水) 『最後の命』 公開記念イベント 悪はいったい、どこからくるのか。 集団婦女暴行事件に巻き込まれた二人の少年…。 そして、七年後の再会と一つの殺人事件。 作家・中村文則が描く罪と死、希望への光を、 劇場長編二作目となる松本准平監督が初の映画化。 全国劇場公開直前のトークライブが実現! ※バグパイプ・カトケンによる、公開記念バグパイプ演奏あり 【出演】 宮台真司(社会学者) 松本准平(映画監督) 昼間たかし(ルポライター) 増田俊樹(『最後の命』出演俳優)他 【ゲスト】 岩井志麻子(作家) 【演奏】 加藤健二郎(バグパイプ奏者) OPEN 18:30 / START 19:30 前売1,800 / 当日2,300  (※飲食別/要1オーダー500円以上) 【会場】 ロフトプラスワン http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/ 新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 TEL 03-3205-6864  ========================= 2014/11/7(金) 『最後の命 EMBERS』公開記念 小瀬村晶 タワーレコードインストアイベント 会場 : タワーレコード渋谷 7F イベントスペース 開始時間 : 19:30~ 出演:小瀬村晶(ピアノ)白澤美佳(ヴァイオリン)佐藤万衣子(チェロ) トークゲスト : 松本准平(『最後の命』映画監督) イベント詳細 http://towershibuya.jp/2014/11/07/22266
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