
70年代にデビューし、「ガロ」や「COM」などで一世を風靡したホラーマンガ家・日野日出志。その叙情的かつオドロオドロしい画風が多くの人を引きつけ、カルト的な人気を誇るノイズバンド『非常階段 JOJO広重』をも魅了した。そんな彼が、今回手がけたのはソフト・オン・デマンドによる女性向け動画サイト「
GIRL’S CH(ガールズシーエッチ)」で配信される女性向けエロスムービー『薔薇の迷宮』だ。
これまで、作家の岩井志麻子や内田春菊、女優の広田レオナ、そして元オセロの中島知子など、一癖も二癖もある女性たちがメガホンを撮ってきたこのシリーズ。今回配信される日野氏の作品では、AV女優・友田彩也香を主演に、見る者を戦慄させるストーリーと、大人の女性が醸し出す耽美なエロスを味わうことができる。
また、この配信に合わせて、古本市場ではプレミア価格で出回っている日野日出志の名作『蔵六の奇病』『地獄変』『地獄の子守唄』の3作をコミックムービーとして配信! 過去の名作と最新のエロス、まさに日野日出志ファンにはたまらない事態となっている!
「蔵六の奇病」
http://girls-ch.com/products/detail.php?product_id=5397
「地獄の子守唄」
http://girls-ch.com/products/detail.php?product_id=5464
「地獄変」
http://girls-ch.com/products/detail.php?product_id=5528
いったい、なぜホラーマンガ家の世界とSODのエロスが融合したのだろうか? そして、気になるその内容とは? 編集を終えたばかりの本人を直撃した!
──日野さんといえば、数々の名作ホラーを生み出した伝説のマンガ家として知られていますね。今回の作品についてのお話を伺う前に、そもそも、どうしてホラーマンガを志したのでしょうか?
日野 元々のきっかけは映画でした。高校の頃に『切腹』(小林正樹監督)という映画を見て人生がひっくり返るくらいの衝撃を受け、見るのではなく、創る側に回りたいと感じたんです。それで、絵コンテを描いていたのですが、その様子を見ていた同級生がマンガを描きたいと思っていると勘違いして、マンガを貸してくれたんです。
当時はまだ高価だったので、8ミリカメラも手に入らない時代でしたから、映画をつくるなんて夢のようなことでした。けれども、絵コンテを描くのではなくマンガを描くなら完成品を作れるんじゃないかと思ったんです。だから、映画を作る代償行為としてマンガを書き始めたんですね。
──今回、40年前の作品となる『蔵六の奇病』をはじめ『地獄の子守唄』『地獄変』の3作品が、コミックムービーとなって若いユーザーにも届くことになりました。この中でも特に思い入れのあるものはどの作品でしょうか?
日野 『蔵六の奇病』です。21歳でデビューし、22歳で「ガロ」で4本書いているんですが、当時はまだバイトをしながらマンガを描いていたんです。ガロの編集長からは「うちだけじゃなく小学館や集英社から仕事を貰わないと食っていけない」と言われていました。それで、本気で取り組まなければいけないと思い、1年間かけてつくったのがこの作品です。
──わずか40ページの作品に、1年もかかったんですか!?
日野 絵柄を変え、設定を変え、構図を変えながら自分が納得するまで何度も書きなおしています。これがダメならマンガは諦めようという気持ちだったんです。今考えるとクレイジーですが、これが「少年画報」に掲載されると、「サンデー」や「マガジン」からオファーが殺到したんですよ。
──そして、ホラーマンガ家の代名詞となっていったんですね。しかし、映画を原点に、マンガの執筆を始めたということは、やはり実写は待望の仕事だったのでしょうか?
日野 そうですね。ただ、実写を撮影するのは今回が初めてではありません。26年前に『ギニーピッグ』という作品を監督しているのですが、ある事件に巻き込まれてしまったんです……。
──「ある事件」というと?
日野 宮崎勤事件で、私の監督したビデオが犯人の部屋から出てきたんです。後にデマだとわかったんですが、警察によって、宮崎勤が私の監督作品から影響を受けたと語っていると発表されてしまったものだから、マスコミからは犯人扱いをされてしまいました。
──それは災難でしたね……。今回の『薔薇の迷宮』は、サスペンスとエロスの融合というテーマですが、元々エロスに関心はあったのでしょうか?
日野 もともと、エロティシズムは興味のあるジャンルで、以前、青年向けに怪奇とエロティシズムをテーマにした作品を連載していたこともあります。今回は、恐怖心をそそるようなサスペンスとともに、薔薇をモチーフにした叙情的なエロスを表現しているんです。
──日野さんらしい耽美なエロスの世界ですね。AV女優の友田彩也香さんを起用しての撮影はいかがでしたか?
日野 友田さんは、非常に演技がうまくて助けられました。段取りを説明しただけなのに、リハーサルでOKが出てしまったんです。今回の作品は友田さんがいなかったら成立しませんでした。
──ところで、なぜ友田さんを主演に選ばれたのでしょうか?
日野 目の表情に憂いがあったからですね。ラストシーンで、この目がほしいと考えたんです。
──では、あのスレンダーなカラダありきではなかった?
日野 そうですね。もちろん、ベッドシーンでもドンドンと男優をリードをしてくれるのでやりやすかったです。
──さすが人気急上昇中の女優! プレイはお手のものですね。しかし、今回は女性向けのエロスということで監督自身も苦労されたのではないでしょうか?
日野 そうですね。自分だけでは、どうしても男目線になってしまうので、女性スタッフのアドバイスを参考にしながら制作しました。やはり、女性のエロスの捉え方は違いますね。男性の顔や背中を観たいという意見や、キスシーンも多めに盛り込んでいます。
──では、最後に読者の方々にメッセージをお願いします!
日野 自分としては、ここまでエロスを前面に出した作品は初めてです。素直にエロスを楽しんでもらえればいいですね。
──ただ、日野さんらしいサスペンスということで、怖さのあまり見るのをためらう読者も多いと思いますが……。
日野 今回は、人が傷つけられたりしない「きれいなサスペンス」です。あまり怖がらずに見てください(笑)
GIRL'S CHにて特設ページ公開中!
http://girls-ch.com/original/hinohideshi.php