現在の「渋谷のカリスマ」と呼ばれているあっくんを知っているだろうか?
ギャル界の一大イベントを取り仕切り、109にあるショップ「SBY」をプロデュース。さらには、自らのCDデビュー曲「SHIBUYA PARTY ROCK NIGHT」はYouTubeで70万回以上再生され、iTunes Storeのダンスチャートで1位を記録。最近では、『妖怪ウォッチ』をパロッた「渋谷ヴィブス体操第一」がネットで話題……とスゴイ人なんですが、たぶん「日刊サイゾー」読者はまったく知らないでしょうね。
そんな、ボクらとはまったく接点のなさそうな文化圏にいる渋谷のカリスマにいろいろ聞いてみたんですけど、意外な共通点もありました!
■パーティーをロックする三鷹在住の渋谷のカリスマ!
――まず、自己紹介をお願いしたいんですけど、本業はなんなんですか?
あっくん パーティーロッカーですね! 歌ったりはしていますけど、アーティストだとは思ってないんで。とにかくパーティーをことごとくロックする男でいたいなって。
――えーっと、「パーティーをロックする」って、どういう意味ですか!?
あっくん ……パーティーを盛り上げるってことですね。「あっくん来たら空気変わるよね」っていうところを目指しています!
――渋谷のカリスマと呼ばれているみたいですけど、出身は渋谷じゃないんですよね。
あっくん 兵庫県です。1歳の時に、東京の三鷹に引っ越してきたんですけどね。今も三鷹に住んでます(笑)。
――えっ、渋谷のカリスマが三鷹住み!? 実家なんですか?
あっくん ……実家です。
――じゃあ、小さい頃からちょくちょく渋谷に遊びに来ていたという感じなんですかね?
あっくん いやあ、渋谷に行きだしたのも17歳とか、遅かったんですよ。でも、渋谷でイベントというものを初めて体験して、いろいろな価値観が変わりました。渋谷にはいろいろな地区から人が集まってきてて、“こんな面白いヤツらがいたんだ”って。それから渋谷で目立ちたいっていう気持ちが生まれて、イベントをもっと盛り上げるためには運営側に入り込むことにしたんです。自分が行ってたイベントって、会社の組織みたいな感じで進行、運営、企画、制作とセクションが分かれていて、それぞれに統括っていう責任者がいるんですよ。で、企画の統括になるために800人くらいいるスタッフの前でプレゼンして、晴れて選ばれたんです。
――スタッフって、そんなにいるんですか! でもイベントの幹部って、仕事として成り立つもんなんですか?
あっくん いや、完全に趣味でしたね。支出ばっかりですよ。しかも、イベントに時間を取られちゃうから、普通に働くこともできないんで、日雇いで空いてる時間に働いて、そこで稼いだ金を後輩たちに使って……。まぁ当時は、将来のことは何も考えてなかったですね。

■流行を作るのは難しいから、流行に乗っかったほうがいい
――ご両親は息子が渋谷で何をやっているのか、理解しているんですか?
あっくん 当時は、ただ単に遊んでるって思われてましたね。渋谷に来る前はペンキ職人として働いてたのに、仕事を辞めて渋谷にばっかり行って何してんだと。でも、そこから先輩の立ち上げた会社に入ったんです。当時、渋谷っていう市場に企業が参入し始めて、イベントで知り合った子たちもモデルとしてデビューしたりしてたんですけど、事務所に所属してるわけじゃないんで、大人たちから使われたい放題だったんですよ。じゃあ、その子たちを守って適正なギャラを交渉してあげようってことで、先輩が起業したんですよね。その会社に入って、ギャルモデルの子たちをマネジメントしたり、イベントを運営したりっていうことが仕事になりました。
――あ、そういう裏方的な仕事をしていたんですね。それがなんで、自分がCDデビューすることになったんですか?
あっくん ある時、レコード会社の人にイケてる人を紹介するっていう会があって、「歌を聴きたいよね」ってことでカラオケがある飲み屋に行ったんです。けど、レコード会社の人たちがズラッとそろっているから、みんな緊張しちゃって歌いだせないんですよ。そこで、盛り上げ魂に火が付いちゃって「じゃあ、とりあえずオレが歌いま~す」みたいな感じで歌ったら、それがレコード会社の人たちに刺さっちゃったみたいで(笑)。「彼で仕掛けてみよう」みたいな話になったんです。
――そこで、自分が前に出ることには抵抗はなかった?
あっくん もともと目立ちたいっていう気持ちは強かったんで。それに、芸能人になりたいって思ってた時期もあるんですよ。
――憧れてた芸能人とかいるんですか?
あっくん モーニング娘。が……。矢口真里ちゃんが大好きだったんですよ。中学1年生の頃ですけど、どうしても矢口真里と付き合いたいと思って、そのためには芸能人になるしかないなと。それで、オーディションに書類を送ったりしてたんですけど……まあ全部落ちましたけどね。そのほかにも、ゆずや19に憧れて、いきなりギターの弾き語りを始めてみたり。
――方向性がメチャクチャですよ!
あっくん 自分、超ミーハーなんで、時代時代で流行っている人たちが好きなんですよ。GLAYやL'Arc-en-Cielが流行ったらエレキギターをやってみたりとか……。
――デビュー曲がLMFAOの「PARTY ROCK ANTHEM」の日本語カバーになったのも、やっぱり流行っているから……ということなんですか?
あっくん そうですね。当時はどのクラブに行ってもかかってたし、YouTubeでも7億回再生とかいってましたからね。本当は、フォークギターを持って熱い歌を歌って、長渕剛みたいに、みんなが憧れるアーティストになりたいって思ってたんですけど(笑)。オレがそんなの歌っても誰も喜ばないし、話題にならないんですよね。自分のプライドとか意思とかは関係なくて、「あっくん」に対するニーズは何かって考えると、「あっくんが来ると盛り上がる」とか「笑える」「面白い」っていうことだから。結果的にカバー曲の「SHIBUYA PARTY ROCK NIGHT」も「日本人は、こういうことをやるからバカにされるんだよ」とか言われましたけど、それが話題になってすごくシェアしてもらえたんで、よかったと思います。
――なるほど、とにかく話題になることが最優先ってことなんですね。
あっくん みんなからも、「何がやりたいのか分からない」ってよく言われますけど、とにかく話題の人になりたいってことなんですよね。いきなり流行を作る人間になるのは難しいので、とりあえずは流行に乗っかったほうがいいと思うんですよ。一生懸命作っても、誰にも見てもらえなかったら意味がないじゃないですか。
――だから、最近も『妖怪ウォッチ』に乗っかって……。
あっくん そうですね(笑)。『妖怪ウォッチ』っていうのがどうも流行ってるらしいって聞いたんで、「渋谷ウォッチ」の「ヴァイブス体操第一」(
https://www.youtube.com/watch?v=0m2Rfun8KOc)っていう動画を作ってアップして。そもそも「妖怪ウォッチ」ってなんなのか分かってないんですけどね。“ああ、ゲームなんだ……”くらいで。でも、超ミーハーなだけに、流行をかぎ分ける嗅覚だけは鋭いんですよ。
――そこで、「最近は秋葉原が流行っているから、秋葉原のカリスマに」……みたいなことにはならないんですか?
あっくん 「根っこは渋谷」っていうのは変わらないですかね、やっぱりそこは軸なんで。
――そこまで渋谷が軸になっているのに、なんで引っ越してこないんですか!?
あっくん そこなんですよ……。実は、渋谷に住んでた時期もあったんですけど、実家の事情とかもあって三鷹の実家に戻ったんですね。でもおかげで「渋谷のカリスマって言われているくせに三鷹かよ」ってツッコまれるようになって、面白いかなって。やっぱり、ツッコミどころがあったほうが、みんな面白がってくれるじゃないですか。
――確かに、ネットの時代になって、みんなツッコミを入れたがってますからね。
あっくん 格好いいとかカワイイっていうことより、ツッコミどころがあるもののほうがシェアされる時代なんですよね。だからオレ、自分の活動に広告費をかけたことがないですもん。全部SNSで拡散されてるんで。そのためには、みんなが面白いと思う物をいかに作るかってことですよね。
■もはやリア充、非リア充っていう区分けはない!
――「日刊サイゾー」を読んでる人たちは、友達が少ないと思うんで、交友関係を広げるアドバイスをもらいたいんですけど。
あっくん ああ、いわゆる非リア充の方たちですね。でも、最近はリア充も非リア充も融合している感じはありますね。今の子たちって、渋谷に来ているような子でもネットにすごく依存していますから。だから、ハイブリッドな人間が一番いいと思うんですよ。リアルとウェブとをうまく使い分けられる人が強いんじゃないですかね。ネットに依存している人たちを否定できないですよ、もう。オレもネットに依存してますから。むしろ「ネットで流行ってることを教えて!」って感じです。
――じゃあ、ネットばっかりやってる非リア充の人たちも、むしろそれが武器になるんだと。
あっくん 「その方向で合ってるな」って思いますね。オレも、今まではリアルな渋谷の街を背負ってきましたけど、渋谷も若い子たちがどんどん消えていって、ヒカリエみたいな、大人しか喜ばないようなオフィスビルが建ってきたりとか、どんどん変わっちゃってるんですよ。オレはよく「センター街をいろんな国に作りたい」って言ってますけど、今のリアルなセンター街って、ラーメン屋とか飲食店ばっかりですからね。オレの思う渋谷らしさはもうない。リアルな街作りは大人主導でオレには動かせないから、街は捨てて、これからはウェブだなって思ってます。「渋谷」っていう街をネット上に作ろうと。オレなりの「渋谷感」をネットの中に作りたいんですよね。ウェブ上でいろんな渋谷カルチャーを展開して、いずれは「ニコニコ超会議」みたいに、それらを一堂に集めたリアルなイベントもできればいいかなって思ってますね。
――リアルな渋谷には行きづらい非リア充も、ネットでなら参加できますしね。
あっくん 超参加してほしいですね! 今、きゃりーぱみゅぱみゅちゃんたちが頑張ってることで原宿が盛り上がってますけど、同じように自分が頑張ることによって「渋谷」っていうカルチャーが盛り上がってほしいと思ってます!
――そして、いずれは渋谷区長に……。
あっくん ああーっ、それもいいっすね! ウェブの中の区長になります!
(取材・文=北村ヂン)
あっくんTwitter <
https://twitter.com/shibuya_akkun>
あっくんYouTubeチャンネル <
https://www.youtube.com/user/akkunofficial>