
写真左より、鈴木研一(Ba、Vo)、和嶋慎治(Gu、Vo)、ナカジマノブ(Dr、Vo)
「これに勝るものはないし、いくら作ってもこれをしのぐことができない」
――鈴木さんがハードロックに興味を持ったきっかけを聞かせてください。 鈴木:ハードロックの入り口はキッスです。中学生のときに、地元の青森で小林克也さんのラジオ番組で流れた「ラヴィン・ユー・ベイビー」がすごく気に入っちゃってキッスにハマったんです。アルバム『地獄からの脱出』が全曲良くて、そこからお小遣いはキッスのアルバムに全部使うようになりましたね。高校に入って小遣いじゃ足りなくて、新聞配達してレコード代にしてました。 ――ちなみに、楽器はいつから始めたんですか。 鈴木:中学のときにフォークを買って、キッスの「デトロイト・ロック・シティ」を弾いたんだけどイマイチで(笑)。それで高校入学祝いで、ポール・スタンレー・モデルのミラージュを買ってもらって、エレキギターを練習したけどどうも違って、高2くらいでオレはベースになろうと思ったんです。ジーン・シモンズに憧れたけど、なぜか(アイアン・メイデン)のスティーブ・ハリス・モデルのベースを買いました(笑)。 ――和島さんとは青森の同じ高校だったんですよね。 鈴木:一緒の学年でクラスは違ったんです。でも中学から和嶋くんは知ってて、ロック好きな友だちがいて偶然出会って。そんなに親しくない頃に、いきなりウチにキッスのレコード借りに来たんですよね(笑)。でも、オレはキッスを布教したかったからすぐ貸して(笑)。まさか突然キッスを借りに来た人と、一生バンドするとは思ってなかったですね(笑)。 ――(笑)。鈴木さんは、キッスからどのように他のハードロックにハマったんですか? 鈴木:高校に入って、FM番組のハードロック特集で、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、クイーンとか聴いて、キッスだけがカッコいいハードロックじゃないって気づいたんですよ(笑)。さらに父親の友だちが、ツェッペリンの『フィジカル・グラフィティ』、ピンク・フロイドの『狂気』とかレコード10枚くらい貸してくれたんです。それで、ブラック・サバスのベストで、サバスにハマりました。大学で東京に来たらレアなレコードが手に入るのうれしかったですね。伊藤政則さんの本で勉強したり、ほぼ毎日西新宿のレコード屋を回ってましたよ。当時はCDの再発もなかったですからね。 ――では、鈴木さんの選ぶ、70年代ハードロック必聴の10曲の話題にいきましょう。まずは、バッジーの「GUTS」から話を聞かせてください。 鈴木:全てのハードロックの曲の中でこれが一番好きなんです。これに勝るものはないし、いくら作ってもこれをしのぐことができない。バッジーは、大学の頃に偶然中古レコード屋でジャケ買いしたんですけど、サードの『友情(Never Turn Your Back On a Friend)』がすごくカッコよくて、僕らが「針の山」って歌詞を変えてカバーしてる、「ブレッドファン」にノックアウトされたんです。バッジーは噛めば噛むほど味が出るバンドで、「GUTS」はファーストの1曲目で、バンドの全てを表す曲ですね。とにかくリフの素晴らしさにつきます。特にサビがあるわけでもなく延々リフが続いて、メロディが少しずつ変わっていくだけなんだけど。ハードロックはリフがカッコいいと、それだけで成立しちゃうんですよ。 ――では、ブラック・サバス「CHILDREN OF THE GRAVE」。 鈴木:サバスで最初にやられたのは「パラノイド」でした。すごくシンプルな曲なんですけど、シンプルで人の心に残るのがハードロックの究極の目的だと思うんです。で、「CHILDREN OF THE GRAVE」の重たいリフのリズムは発明ですよ。これのそっくりさんはいっぱいあるけど、最初にこれを作れたサバスがうらやましい。トニー・アイオミがこれを作ったとき、どれだけうれしかったか想像しちゃいますね。あと、なにげにサバスのキモは、ドラムのビル・ワード。リズム感が良いわけじゃなく、むちゃくちゃに力一杯やる感じ、やたらシンバル叩く感じ。あれをおとなしくやられても面白くない。ビル・ワードのすごさも伝わってほしいなぁ。 ――次は、レッド・ツェッペリン「Immigrant Song」。 鈴木:オレとしてはこのインタビューで、ハードロックを知らない人にも聴いてほしいって思いがあるんです。だから聴いたら絶対好きになるぞって10曲を挙げたんです。ツェッペリンは他の曲も当然好きだけど、知らない人に最初にこれ聴いてノックアウトされてほしいなって。「移民の歌」みたいな、こんなすごいドラムは他にないですよ。あと、音楽ってハーモニーも大事だけど、ユニゾンの素晴らしさはハードロックにしかない良さなんです。「移民の歌」はすごいユニゾンで、音の固まりになってる。それをひたすら繰り返すところ良さがある。「これを聴いてぶったまげるかどうかで、ハードロックの素質があるかどうか分かれる」
「とにかく日本でもハードロック好きが増えてほしい」
――キッスは「STRANGE WAYS」と意外な選曲ですね。 鈴木:キッスは俺の魂ですよ。俺は、サバス半分、キッス半分でできてるみたいなものだから(笑)。普通だったら、「デトロイト・ロック・シティ」「ラブガン」「ロックンロール・オールナイト」から入るのも良いと思う。でも、セカンド『地獄のさけび(Hotter Than Hell)』の最後の曲を初めて聴いたとき、衝撃を受けたんです。ギターのエース・フレーリーの曲だけど、エースの曲はリフがすごくカッコよくて、ブリティッシュロック好きでも相当聴ける。この曲は、サバスみたいなリフに、どうやって弾いてるか分からないソロがカッコいいんです。キッスは、産業ロックとか言われたり、メイクとか火吹きとか、ギミックに話題が行きがちだけど、それだけじゃないよって思いがあって、この曲を挙げました。 ――最後は、キング・クリムゾンの「THE GREAT DECEIVER」です。 鈴木:プログレだけどハードロックしてる曲ですね。プログレって、芸術的なりフとか展開のカッコよさがあるけど、この曲は極悪に聴こえるんですよ。破壊神みたいな、こんなに悪意に満ちたリフはないなって。 ――ロバート・フリップは頭の良い人だから、知恵を使った悪みたいな曲ですね。 鈴木:それは良い表現ですね。ロバートは心のどこかで極悪なんですよ(笑)。クリムゾンは、「21世紀の精神異常者」や「太陽と戦慄」から入るのが普通ですけど、これはとにかく音がすごい。 ――逆に若いロックファンには入りやすいかもしれないです。バトルズとかマーズ・ヴォルタとか、激しく変拍子の多いバンドに近い要素が入ってるので。 鈴木:その元祖ですからね。あと、ハードロックファンにもプログレを聴いてほしいなって思いでこれを入れました。 ――10曲挙げてもらいましたが、70年代ハードロックって独特な匂いがありますよね。 鈴木:ありますね。この10曲は、若い人に聴いてほしいなっていうのと、俺の好きなバンドをもっと広めたいって思いの入った選曲になりましたね。もう2010年代も真ん中なのに、俺は70年代ハードロックに惹かれちゃうんですよ。最近はもっとロック漬けになろうと思って、何するときでもiTunesのハードロックチャンネルをずっと流してるんです。自分らの曲を練習してる間も、違う曲流してますから(笑)。とにかく日本でもハードロック好きが増えてほしい。聴く人も演る人も。こんなにすごい音楽があるんだから。その布教活動を俺はしてるところがあって、実際に、3〜4ヶ月に1回、高円寺Show Boatで『ハードロック喫茶ナザレス』ってイベントをやってるんです。 ――そうなんですか。どんなイベントなんですか? 鈴木:夜の11時から約5時間、俺がDJでハードロックをかけ続けてるっていう。ステージのど真ん中に俺が座って音楽かけて、お客さんと向かい合って聴くってイベントなんです。マンガ読んでる人もいるし、寝てる人もいるけどそれで良いっていう(笑)。マニアックな選曲で、ハードロック好きな人なら楽しめると思います。次は、10月18日にやります。でも最近お客さんが増えて、チケット売り切れて新しい人が来れないのがジレンマで。これじゃあ布教活動にならないし、もっとデカいハコでやろうかなと思ったりしてます。 ――ぜひやってください(笑)。鈴木さんは、とにかく今もハードロックどっぷりなんですね。人間椅子の音楽性の濃さの理由が分かったような気がします。 鈴木:そういうのを踏まえた3人が作ってるから、当然70年代の匂いプンプンの音楽になるんです(笑)。今回のアルバム『無頼豊饒』もその延長ですね。 ――ということで、次回はニューアルバム『無頼豊饒』の話を聞かせてください。(後編に続く) (取材・文=土屋恵介)
人間椅子『無頼豊饒(初回限定盤)(DVD付)』(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

数々の番組にコメンテーターとして出演するテリー伊藤が、女子中学生とのLINEやりとりで糾弾される大阪維新の会所属の山本景議員に対し、番組内で「だって、こいつキモイもん!」と発言。これに山本議員がブチ切れ、放送倫理・番組向上機構(BPO)に人権侵害を申し立てた。
問題の発言が飛び出したのは、11日放送の日本テレビ系『スッキリ!!』。テリーは同議員のニュース映像を見ながら「中学生が『キモイ』と言うのはわかる。だって、こいつキモイもん」とまくし立てた。ところが、この発言を耳にした山本議員がBPOの名前を出して反撃に転じるや、テリーの態度に異変が……。
「騒動後、マスコミ各社からテリーさんの元にコメントを求める電話が殺到しましたが、テリーさんは『ちょっと僕もわからない』『ノーコメントということにしておいて』と、オドオドしながら答えるだけでした。山本議員の反撃に対し、やり返すと思っていただけに拍子抜けですね」とはスポーツ紙記者。
ところが、しばらくしてテリーの毒舌が復活する。15日放送の『スッキリ!!』で、この問題について聞かれたテリーは「いやあ、あまり答えたくないですね。何か答えると、また山本議員に怒られるような感じがする(笑)。同じ土俵に上がっても、何か実りがない気が、ちょっとしますね」と“上から目線”でコメント。ネット上では「そもそも土俵を作ったのはおまえだろ!」と突っ込みが入ったが、テリーは続けて「彼も議員という公職。僕もテレビでしゃべらせてもらっているという、同じような立場にいる。そういう時に、とやかく言われようが、何を言われようが覚悟の下しゃべっている。公職でいる人は、そのくらいの覚悟を持っていてもいいんじゃないかなと思う」と語った。
騒動の広がりにビビリまくり、マスコミ取材を避けていた人物とは思えない、堂々とした物言いだ。これにテレビ関係者は「テリーさんが急にしゃべりだしたのも、維新の会の橋下徹代表が“テリー擁護”を表明するなど、世間の共感が得られると確信したから。日本テレビ上層部も『謝罪の必要なし』と決めたようですからね。10年前なら『売られたケンカは買う』と真っ先に突っ込んでいったはずのテリーさんも、もはやタレントということでしょう」と話す。
いまだ「テレビプロデューサー」を自称するテリーだが、これを機に「タレント」と改めたほうがよさそうだ。
