
綾瀬はるかの噛みまくり司会も話題を呼んだ『第64回NHK紅白歌合戦』
【リアルサウンドより】
新年あけましておめでとうございます。
突然ですが「第64回NHK紅白歌合戦」、全曲目の感想をなぜか急いで書きます。
ご覧になっていた方も、録画してこれから観るという方も「どこよりも早い全曲レビュー!」ってことなので、どうぞ慌てて読んでください。
1. 浜崎あゆみ 「INSPIRE」
歌詞がひどく平凡で「ブログに書いておけばいいんじゃないのかな」と思うレベルですが、かつて中傷の対象だった歌唱力が如実に復調しているように思えました。一時代を築いた大スターに対する感想とは思えませんが率直に「歌がうまいな」と思いました。歌い終わったあとの「ありがとうございましたっ」という挨拶が体育会系で清々しかったです。
2. Sexy Zone 「Sexy平和Zone組曲」
一曲一曲を知らないのにブツ切りにメドレーにされているから正直よくわからないのですが、キャッチーで、あとルックスがめちゃくちゃ可愛い男の子たちだということはわかりました。紅白って、今はなきフジテレビの『新春かくし芸大会』の要素も盛り込まれてきているのかもしれないですね。
3. NMB48 「カモネギックス」
司会の綾瀬はるかの様子がおかしい。どうにもテンポがズレていて、でも、そこが良いです。この曲はちょっと古臭くて荻野目洋子でも出てきそうなユーロビート洋楽カバーみたいなテイストですが、こういうのEDMっていっちゃうんですかね。おもしろいけど起伏に乏しく、いつの間にか終わっちゃう感じ。そもそも紅白っていつからフルコーラスじゃなくなったんでしょうか。1.5コーラスって感じですよね? 日本の放送界でもっとも注目される音楽番組でこれは由々しき問題で、改善の余地があるのでは、と思います。
4. 細川たかし 「浪花節だよ人生は 2013」
NMBを従えた細川さんの定番曲。相変わらず目が笑っていなくて、私この人、昔っからすごく怖いんです。2013と副題の付いたリミックス・バージョンはカラオケ業者さんなら20分で納品しそうな超テキトーなトラックで、めちゃくちゃ軽い印象でした。
5. 徳永英明 「夢を信じて」
可愛くて不思議な声の徳永さん。何とも落ち着きます。なぜこんなに落ち着くのでしょう。理由がわかりました。バックダンサーがいないからです。全組こういうシンプルなステージが良いなあ。
6. 香西かおり 「酒のやど」
演歌もフルコーラスじゃないんですね……。もはやテレビ番組にフルコーラスという概念はないのでしょうか。この曲の詩情は美しいですが「さすらいの酒をのむ」「こぼれ灯の酒の宿」って、とにかく酒飲みすぎでしょう。
7. 郷ひろみ 「Bang Bang」
これもかくし芸大会なんですよねえ。郷ひろみなんだから歌だけ見せてほしいです。しかし、この曲、初めて聴きましたけど、すごくバカバカしい曲で笑ってしまいました。なんの主張も叙情もありません。「Bang Bang」って言いたいだけ。いやー笑った。
8. E-girls 「E-girls 紅白スペシャルメドレー2013」
なんだか六本木ロアビルのネットカフェで時間つぶししてる感じのお姉さんがたくさん出てきました。楽しそうな歌を元気に踊っていました。紅組司会の綾瀬はるかがまだ緊張しているようでおもしろいです。
9. 三代目 J Soul Brothers 「冬物語」
非常に凡庸な詩の世界に、いかにもそれらしい旋律と、紋切型の発声法。すべてが使い回しで新しい要素が一切ありません。私はこういう音楽に価値を感じません。
10. 伍代夏子 「金木犀」
AKBのみなさんがバック・ダンサーで、また賑やかなことでございます。歌はよく聞いていなかったのですが、なんだかやけに「待つ女」を強調されていたようです。
11. AAA 「恋音と雨空」
「あまちゃん」に関する寒々しい茶番が非常に長くて疲れました。AAAは西島隆弘くんが可愛くてたまらないです。ちゃんと構成された曲で、男女パートの歌、ラップのブリッジも展開が小気味よく、好きになりました。しかし、この曲が好きで、三代目 J Soul Brothersには価値を感じない私。その違いはいったい何なんでしょうね。今年ゆっくり考えます。
12. 福田こうへい 「南部蝉しぐれ」
民謡歌手ご出身で、さすがの歌唱力。歌に向き合う姿勢の強さ、声量の豊かさ。素晴らしい歌手だと思うのですが、「いかにも」な演歌で、もう完全に形骸化した、演歌のミイラみたいな曲で、その素質がすごーくもったいない気がしました。
13. 藤あや子 「紅い糸」
ここで壇蜜登場! 秋田美人共演! 歌詞も「あ〜 あ〜 あ〜」と性的な連想をさせるところがあり、一気に官能的な世界へ。壇蜜、お尻半分ぐらい出すかと思いましたが、ひとしきり舞っておとなしく帰っていきましたね、残念。
14.
サカナクション「ミュージック」
クラフトワーク・スタイルの全員ラップトップ並びからバンド編成への早変わり。ライブに定評ありフェスでも大盛り上がりのサカナクションですが、紅白の短い持ち時間では魅力が伝わらなかったですね。まるで気合いが空回りしてしまったように見えてしまって、ファンとしては少し残念な気がしました。
15.
miwa「ヒカリへ」
ぜんぜん知らない人です。サカナクションがいまいちだったなあ、と思ったのは、こんなぜんぜん知らない女の子のぜんぜん知らない曲のほうがサカナクションよりも盛り上がってる気がしたからです。期せずしてサカナクションの浮きっぷりを際立たせてしまったような……。miwaちゃんにはなんの罪もありませんが。
16. ポルノグラフィティ 「青春花道」
このサイト(リアルサウンド)の編集長から「山口さん、紅白実況、どうしますか。時間との勝負です」とメールが来ました。「え? 実況ですか? わたし全曲感想書く、とは言いましたけど、実況だとは思ってなくて、今もメモ書きながらのんびり観てます」と返信。メールのやりとりをしていたのでポルノグラフィティを観ていませんでした。
17. 天童よしみ 「ふるさと銀河」
ふなっしーの放送コードギリギリレベルで狂っている感じと、綾瀬はるかのまったく雰囲気を読まない声の張り具合で紅白史上稀に見るカオス。やはりこの原稿は「実況」ではなく「全曲の感想を書き終わった時点で元日にアップする」とのこと。よかった。メールの返信を読んでいたので、残念ながら天童よしみのステージを観ていませんでした。
18.
Linked Horizon「紅蓮の弓矢 [紅白スペシャルver.]」
世相にまったく疎い私は「進撃の巨人」とやらもぜんぜん存じ上げないのですが、一世を風靡している作品の主題歌にしては、声が細くて、近藤真彦さんがサングラスしているのかと思いました。「なぜこの作風で水木一郎ではダメなのか?」と思ってしまいます。
19. 水樹奈々×T.M.Revolution 「-革命2013- 紅白スペシャルコラボレーション」
熱い。熱さもここまでくると気持ちいいですね。この暑苦しさ、プロフェッショナルです。
20. SKE48 「賛成カワイイ」
キムタクのフリートークの安定感と、まったく安定しない綾瀬はるかの司会っぷりに軽く感動しながらSKE。SKEの2013年は大量卒業で始まった苦難の年でしたが、こうして紅白に出れて良かったですね。小木曽ちゃん、秦さん、どうしているかしら。この曲は某カレーチェーン店でよく聴きました。トマトアスパラを1辛で。
21. 森進一 「襟裳岬」
「襟裳の春はなにもない春です」と言っているのに、これだけ歌い続けられているのは素晴らしいことです。なにもないがゆえに聴き継がれているのでしょう。
22. 坂本冬美 「男の火祭り」
一方、冬美さんは、かなり唐突にあっぱれあっぱれと歌いだし、大地の恵みに千年萬年などと、頭がおかしくなったかのようです。「襟裳岬にはなにもない」と歌ってた森さんとはすごい温度差です。
23. コブクロ 「今、咲き誇る花たちよ」
オリンピック関係の曲みたいです。最初の四小節にありったけのポジティブな言葉を詰め込んでいます。こんな説明的で直接的な歌詞で自分を鼓舞できるリスナーの文学的素養の低さを憂うばかりです。軽率で空虚な言葉の羅列が聴く者の想像力を拒否しています。背の高いほうの人のルックスや歌い方に玉置浩二の要素が入ってきています。
24.
EXILE「EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜」
なんだか最近の男の子がチンピラみたいな格好をしてるなあと思ったらこの人たちの影響なのですね。きっと心根はいい子たちばかりなのでしょうけど、わたしはちょっとタイプじゃないです。「手繰り寄せたその絆がROCK PRIDE」と繰り返し歌われるのですが、タイトルは「EXILE PRIDE」ですよね。手繰り寄せた絆ってほんとは「EXILE PRIDE」なんじゃないですか? 「ROCK PRIDE」でいいの? どっちでもいいの? はっきりしたほうがいいと思います。
25.
ももいろクローバーZ「ももいろ紅白2013だZ!!」
昨年は早見あかりに向けた隠されたパフォーマンスでファンを感涙させたももクロちゃん。個人的なことですが、今、紅白でももクロ観て気づいたんですが、わたし2013年一秒もももクロの曲を聴いてなかったです。これはいけないですね、有線放送が全チャンネル聴けるアプリが出たらしいので今年はそれで新譜を聴くようにします。
26.
ゴールデンボンバー「女々しくて」
仕込まれた体操選手がメンバーに扮して鉄棒をグルグル回るというおもしろいネタだったようです。誰しも感じたことだと思いますが、体操選手の割に着地が普通だったのではないでしょうか。微妙なオチだろうがなんだろうが、綾瀬はるかは容赦なく「はい、ありがとうございました!」と切り上げます。もう今年の紅白は綾瀬はるかの優勝でよいと思います。
27.
aiko「Loveletter」
素晴らしい歌詞と力強いaikoのステップ。「ラブレターをもらった」っていうだけのシチュエーションなんですよ。それなのに、なぜ、こんなに物語を感じさせるのでしょうか。イマジネーションを刺激する素敵なレトリック。それを瑞々しく再現するaikoの歌。すごい。愛しい。眩しい。初めて聴いたのですが、泣いてしまいました。
28. 氷川きよし 「満天の瞳」
可愛いきよしくん。でも曲は抽象的で何を言いたいのかよくわからないです。
29.
西野カナ「さよなら」
可愛いカナちゃん。歌詞は失恋した女の子のブログ・レベル。きよしくんの「満天の瞳」と歌詞を入れ替えても成立しそうな気がします。
30. TOKIO 「AMBITIOUS JAPAN!」
20回目の出場ですって。若々しいですね。曲については記憶に残っていません。
31. 和田アキ子 「今でもあなた」
「愛の鼓動は死ぬまで続く」ですって。鼓動はたいてい死ぬまで続きます。歌詞についてグダグダ文句を書いてきましたが、これ、決定版でしょ。なんじゃこの歌詞。「命とは道筋」って何? もうほんとに心に響かない適当な言葉の羅列を歌詞と呼ぶのやめましょうよ。そろそろ阿久悠先生が化けて出てきますよ! 80〜90年代に面白い歌詞を書いていた先生たちはどこへ行ってしまったんでしょうか。この曲の作詞は秋元康さんだそうです。
32. DREAMS COME TRUE 「さぁ鐘を鳴らせ」
陸前高田からの素晴らしいライブ中継でした。歌詞に込められたのは、絶望を受け入れたうえで鳴らされる、それぞれの鐘の温かさ。振り上げた腕から、声から、伝わってくる歌の力を実感しました。このシチュエーションで、この町で歌われる、吉田美和のパワーに感涙しました。マイケル・ジャクソンみたいな無駄なシャウトがなければ完璧でした。
33. 関ジャニ∞ 「紅白2度目! 呼ばれて飛び出てじぇじぇじぇじぇ!!」
とても鑑賞する気になれない軽薄なタイトルなのでトイレに行っていました。逆にこのタイトルに惹かれる人の意見が聞きたいわ。
34.
きゃりーぱみゅぱみゅ「紅白2013きゃりーぱみゅぱみゅメドレー」
リアルサウンドで宇野維正さんが書いてた「もったいないとらんど」の解説が秀逸だったなあ、と思い出しました。この曲はほんと圧巻です。でも、前半の「にんじゃりばんばん」はいらない気がしました。なぜわざわざメドレーにするのでしょうか。
35. 五木ひろし 「博多ア・ラ・モード」
粘っこい声だなあ。こんなに粘る必要があるのだろうか。もはやオートチューンの域。「ITSUKI」っていうモードのボコーダーとかありそう。舞台が博多である必要性をまったく感じない。そもそも「ア・ラ・モード」ってどういう意味だっけ。”フランス語で「流行」「洗練されたもの」の意。英語では「アイスクリームを添えた」という意味”とのこと。ますます意味わからん。
36.
Perfume「Magic of Love」
世界を震撼させた、例の白い衣装にCGを投影するパフォーマンスを軽く再現した感じでしょうか。Perfumeこそメドレーにして数曲ノンストップ・ミックスで聴きたいと思いました。
37. ゆず 「雨のち晴レルヤ」
工夫のない歌詞と作編曲で、まったく感心しませんでした。
38. 水森かおり 「伊勢めぐり」
小林幸子の巨大衣装枠を引き継いだようです。NHKの予算は欧州の宇宙開発関連の予算よりも高いと聞いたことがあります。水森かおりを1mでも高く持ち上げるためなら国民は全員受信料を払うべきでしょう。ウソです。受信料を払う気を削ぐような悪趣味なステージに伊勢神宮は抗議すべきでしょう。
39. 石川さゆり 「津軽海峡・冬景色」
石川さゆりさんって何才でしょう。首筋や喉あたりを見ると老けた感じもしますが、声や表情だけを見ているとぜんぜん可愛いです。検索しました、55才。素晴らしい美貌に感動です。島倉千代子さんが亡くなり、松原のぶえさんも闘病されている番組を見ました。さゆりさんはお元気そうで良かったです。
40. 美輪明宏 「ふるさとの空の下に」
去年「ヨイトマケの唄」で話題を攫った美輪さん。今年の歌はなんだか救いようのない感じで、しかも説明的で長い。「やっぱりヨイトマケの唄はすごい」と再認識させてくれた。細川たかしなんか毎年「浪花節だよ人生は」なのですから美輪さんも毎年「ヨイトマケの唄」でお願いします。
41.
AKB48「紅白2013SP〜AKB48フェスティバル!〜」
胃もたれするような音楽が続く中で歌われた「恋するフォーチュンクッキー」の爽快さはやはり出色です。どれほどの数のメンバーが踊っても入山杏奈の美しさは際立っていますね。大島優子の卒業宣言がサプライズだったようですが、私の心は1mmも揺れませんでした。数日前の私立恵比寿中学から三人が転校するニュースのほうが何倍も衝撃的でした。
42. 福山雅治 「2013スペシャルメドレー」
台湾からの中継だそうです。稀代の美男子ではありますが、正直なにを伝えたいのかよくわからない曲を恩着せがましいトーンで歌うので、時間の無駄だなあと思いました。
43. 泉谷しげる 「春夏秋冬2014」
この曲、ずっと何が言いたいのかよくわからなかったんですが、泉谷さんの説教じみた言葉でなんとなく意味がわかりました。「明日から頑張ろうぜ」ってことですね。オルタナっぽいアレンジもかっこよくて、素晴らしいステージだったと思います。
44.
いきものがかり「笑顔」
構成が単純な曲で、なんと評していいかわかりません。ボーカルの女の子の顔が会社の後輩にそっくりだなあという感想とともに「ポップスってこんな感じでいいんでしたっけ」という根源的な疑問が湧き上がります。
45.
嵐「New Year's Eve Medley 2013」
嵐もEDM寄りの楽曲でコレオグラフィが凝っているのですね。いかにもアイドルって感じで好感が持てます。わたし、EXILEとかより嵐が好きです。
46. 松田聖子&クリス・ハート 「New Year's Eve Special Love Song Medley 2013」
聖子ちゃん肌ツヤッツヤ! クリス・ハート日本語ペラッペラ! まったく場のトーンを無視して切り込んでくる綾瀬はるかの曲紹介。いろいろ面白いシーンでした。聖子ちゃんはメドレーが嬉しいですね。この人は人間国宝に認定されるべきだと思うのです。
47. 高橋真梨子 「for you...」
紅組のトリは有名な旋律のバラードです。「あなたが欲しい、あなたが欲しい」と連呼する、欲情しきったセックスの歌です。「もっと奪って私を」「すべてが欲しい」など下品な官能小説のようなフレーズをロマンティックに歌っているのは少し滑稽に見えます。
48. SMAP 「Joymap!!」
ぜんぜん知らない曲でしたが出場歌手みなさんを巻き込んで会場が一体となった感じでハッピーでした。いつもの「世界に一つだけの花」でナンバーワンを諦めた感じの年越しにならなくて良かったのではないでしょうか。
49. 北島三郎 「まつり」
50回目の出場で今回を最後に紅白を勇退するとおっしゃっている大師匠をあんな大きな龍の首に乗せて高いところをブンブン振り回してドキドキしました。最終的に着地して歌われていましたが、ほんとうは最初からきちんと地面で歌いたかったのではないでしょうか。
■山口真木(やまぐち・まき)
大阪出身の27才、OL。ポップスとロックと女の子をこよなく愛する。何かに毒づいてばかりの思春期まっただ中。リアルサウンドの忘年会でなぜか「紅白の全曲レビュー書きますよ」と宣言してしまったので、こんなことになってしまいました。新年早々、走り書き原稿で申し訳ありません。取り急ぎ、今年もよろしくお願いいたします!!!