
「週刊文春」1月23日号 中吊広告より
今週の注目記事
第1位
「細川担いで安倍潰し“原発ゼロ愉快犯”小泉の野望と勝算」(「週刊文春」1月23日号)
「『通俗陶芸家・脱原発元総理』連合対『絶倫政治学者』」(「週刊新潮」1月23日号)
第2位
「杏はそれでも父・渡辺謙を許さない!」(「週刊文春」1月23日号)
第3位
「バレンティン“妻への暴行・逮捕”私は見た!」(「週刊文春」1月23日号)
第4位
「安倍首相を悩ませる前門の小泉後門の持病」(「週刊ポスト」1月31日号)
第5位
「DNA鑑定したら『4人に1人は夫の子じゃない』って本当!?」(「週刊ポスト」1月31日号)
第6位
「児童買春で捕まった『読売記者』の家庭」(「週刊新潮」1月23日号)
第7位
「50歳童貞教授からの批判『高齢者のSEXは無謀だ』本誌からの3つの反論」1月31日号)
辺野古移設に反対する稲嶺進氏が、名護市長選で圧勝して再選を果たした。特定秘密保護法に対する批判も収まらず、40以上の地方議会が「撤廃や凍結」を求める意見書を可決し、慎重な運用や反対を表明した地方議会は合計で68議会に上る。
これで都知事選で細川護煕氏が当選すれば、4月の消費税アップを前にして早くも安倍政権の基盤が揺らぐことになるのは間違いない。
それについては後ほど触れることにして、まずはポストの軟らかい記事を紹介しよう。
文春が先週号に掲載した現代、ポストの「老人セックス特集」への批判だが、これにポストが反駁している。これが今週の第7位。
この論客は気鋭の思想家・仲正昌樹氏(金沢大学法学類教授)なる人物だが、文中で50歳近くにして童貞だとカミングアウトもしているのだ。
これに対して、ポスト側は素早く反応した。
「賛否両論の本誌『死ぬほどセックス』特集だが、『週刊文春』1月16日号『誰が読むの? 『現代』『ポスト』の老人セックス特集』という記事にはたじろいだ」
と、相当ショックだったことを隠さない。
その気鋭の思想家・仲正氏と全面対決したというが、内容的には仲正氏のご意見拝聴で終始している。仲正氏の言い分はこうである。
「『ポスト』のような社会派の雑誌が毎号、高齢者にセックスを勧めることに何か社会的意義があるのでしょうか。高齢者がセックスすることや性について語ることがタブーになっているなら、それを打ち破る意味がありますが、その種のタブーがあるとは思えない。つまり、すでにしている人は勝手にしているわけで、ことさら取り上げる意味がどこにあるのか。風俗雑誌ではない『ポスト』が高齢者の声を取り上げるなら、別のアプローチがあるはずです。たとえば、老人ストーカーや高齢者のエイズ問題を取り上げ、その中で高齢者特有の恋愛心理や性の技術を取り上げるならまだわかる。しかし、そうした記事はお飾り程度で、実際にはただセックスを煽っているだけに見えます」
そう、ポストや現代は、ただセックス煽っているだけなのだ。だが、それのどこがいけないのか筆者にはわからない。
ポストは、セックスを体験しないと一人前じゃないという考え方もありますが、と50歳童貞の仲正氏に聞いている。
「そういう社会的プレッシャーを乗り切れば、しなくてもいいという人はいると思います。実際、50歳までセックスの経験がない人って、よく聞きますよ。50歳の男性のうち間違いなく数パーセントはいる。若い人の場合、実際の性欲以上に、そういう社会的プレッシャーに動かされ、セックスするのだと思います。特に、女性経験を武勇伝的に語りたがる安保世代や全共闘世代にはその傾向が強かった。ただ、彼らが社会の一線から退き、社会的プレッシャーが弱まっているからこそ、若い人の草食化が進んでいるのだと思います。高齢者のセックス特集には、そういう世代の最後の悪あがきという側面もあるのでは?」
最後に仲正氏は一生童貞を続けるのか、という不躾な問いには、
「相手によります。セックスを排除しているわけではないので。ただ、そうなる確率は低いと思います。(中略)それに、もしそうなっても考えは変わりません。セックスは絶対不可欠ではないって」
仲正氏には失礼だが、こうしたちょっと風変わりな人に、セックスこそ最高の人生の楽しみなどと説いても馬の耳に念仏だろう。
だが、こうした意見に「たじろぐ」なら、後ろめたさがあるのだから、やめたほうがいいかもしれない。「たかがセックス、されどセックス」と割り切らなければ、読者もついてこないと思う。
お次は、新潮の読売新聞記者のスキャンダル記事。1月9日付の読売新聞朝刊・社会面に「本紙記者を逮捕 児童買春の疑い」という記事が載った。
新潮によれば、逮捕されたのは、西部本社経済部のT記者(本文では実名)、44歳である。
同紙の社会部記者によれば、
「昨年夏、都内の繁華街を援助交際目的でふらついていた16歳の女子高生が警視庁の少年センターの職員に補導された。彼女の携帯電話などを調べるうちv、インターネットの掲示板でTと接触していたことが判明。女子高生に3万5000円を渡し、わいせつな行為をしたそうです」
新潮は、読売新聞が書かなかったことがあるという。それは彼の父親についてだ。
「彼の場合、何と言っても父親が大物の元大蔵官僚ですからね。経済記者であれば知らない者はいません。その上、実兄も現役のキャリア官僚と聞いている。ですから、今回の突然の逮捕劇に、社内でTさんを知る人はみんなビックリしています」(読売幹部)
父親(76)は東大法学部卒業後、1961年にトップの成績で大蔵省に入り、事務次官候補と言われた。理財局長、銀行局長などを経て、95年、国税庁長官を最後に退官している。
T記者は三男で、大学卒業後、読売に入したのは95年。新人時代は新潟支局で過ごし、01年に東京本社の経済部へ異動。05年からは中国総局に勤務して再び経済部に戻ってきた。
だが、このT記者、女性関係は派手だったようである。
「新潟支局時代に同僚記者と結婚した。お相手の女性は帰国子女で、英語も堪能だった」と、先の読売幹部が語っている。しかし、T記者は経済担当の北京特派員として赴任。時を同じくして、妻も海外支局の勤務になると、
「T君は中国語ができないので、特派員として仕事を始める前、現地の女性に中国語を習っていた。ところが、その女性とデキてしまい、子どもまで作ってしまった。結局、奥さんとは離婚し、その中国人と一緒になったのです」(同)
だが、最近はその中国人妻との仲も悪くなって、別居していたそうだ。「女子高生とホテルに行ったのも、寂しさを目紛らわすためだったのかもしれません」と、大蔵省OBが語っている。
こうしたマスコミ人間たちの転落の記事を読むと、腹立たしいよりも、もの悲しさを感じてならない。外には天下国家を声高に言い立てたりしているが、内心は小心翼々、女子高生にカネを払って押し倒すことでしか鬱憤を晴らすことができないとは、何をかいわんやである。
お次は、DNA鑑定したら4人中1人は夫の子じゃないという“衝撃”の結果があるというポストの記事。
数々の離婚相談を受けてきた行政書士の露木幸彦氏によればこうだ。
「最近、DNA鑑定を希望する男性が増えています。実際に疑惑を持っている人が鑑定に踏み切るという前提はありますが、ほとんどの場合、鑑定の結果は黒。つまり、夫は子の父親ではありませんでした」
この火付け役の「婦人公論」編集長の三木哲男氏は、高名な産婦人科医から聞いた話だとこう話す。
「読者アンケートでは60.5%の妻が『浮気したことがある』と答えました。このうち『罪悪感がない』と答えた妻は70%を超えました。浮気した夫の80%が罪悪感を感じたとの回答と比べると正反対の結果です。妻側はほとんど後ろめたさを感じていない。妻からすると、夫の浮気は汚らわしいけど、自分のはやむにやまれぬ純愛であり、悲劇のヒロインのような感覚でいるようです」
ちなみに、「浮気をされたことありますか?」の問いに、「ある」と答えた妻が46.3%なのに対し、夫はわずか5.5%。ほとんどの夫は妻の浮気に気づいていないそうだ。
夫としては、余程疑わしければDNA鑑定するが、多くの場合は何も知らずに、別の男の子どもを自分の子として懸命に育てているという現実があるそうだ。知らぬは夫ばかりなり。大沢樹生と喜多嶋舞のDNA鑑定騒動は余波を生んで、まだまだ拡がりそうである。
都知事選よりも気になる安倍首相の健康問題を報じたポストの記事が第4位。
ポストによれば、安倍首相の国会審議に対応する時間を減らしてくれという「国会改革」が自民党から提案されているが、これは自民党国対幹部の説明によると、安倍首相の健康問題についての深刻さを表しているのだという。
「総理の国会出席日数を減らせというのは官邸からの強い要請だ。総理は最近、トイレに行く回数が増えているらしい。外遊同行筋などの情報では、総理に返り咲いた頃は数時間に1回だったが、このところ1時間ごとに行くときもあると聞いている。だから長時間の国会審議で首相席に座り続けることを非常に嫌がっている。その点、1時間の党首討論なら毎月やっても問題ない」
難病指定されている潰瘍性大腸炎という持病を抱える安倍首相にとって「トイレの回数」は健康のバロメーターである。
安倍首相自身が、退陣後に文芸春秋(08年2月号)に寄せた手記でこう書いている。「腸壁が刺激されるたび、三十分に一度くらいの頻度で便意をもよおします。夜もベッドとトイレの往復で、到底熟睡などできません」
小泉氏が講演で原発ゼロを打ち上げた昨年11月に、官邸関係者の一部で「ケネディ駐日大使の表敬訪問すっぽかし」と呼ばれる出来事が起きたという。
ケネディ大使の表敬訪問があるのに出席せず、その間、空白の1時間5分があるというのである。「極秘に都内の病院で診察を受けたようだ」という情報が飛び交ったというが、真偽のほどはわからない。
だが、首相ウォッチャーの大腸専門医は、匿名を条件に安倍首相の健康管理にこう疑問を呈している。
「潰瘍性大腸炎を悪化させる要因は3つある。1つはストレスで、2つ目は家庭環境、3つ目が酒だ。総理大臣という職務は健康な人でも大変な重圧だろうが、難病を患う安倍さんは、よほど節制しないとストレスが健康な人の何倍も心身をむしばむことになる。安倍さんが会合でビールやワインを何杯も飲むと聞くと、心配になります。 そもそもアルコールは潰瘍性大腸炎の画期的な特効薬といわれるが、完治させる薬ではない。また、手記によれば安倍さんの患部は大腸の中でも肛門近くと見られ、薬が届きにくい可能性もある。ストレスが溜まって炎症が起き、時々ステロイドを服用して症状を押さえているのかもしれない」
大きなストレスを抱え、家庭内野党を声高にいう昭恵夫人がおり、それらを忘れるために酒を飲むのは悪循環である。今年は安倍首相にとって本当の試練の年になる。くれぐれも身体にはご注意を。
王貞治のホームラン記録をあっさり塗り替えたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、離婚協議中の妻への暴行、監禁の疑いで米フロリダ州マイアミの自宅で1月12日に逮捕されたというニュースには驚いた。
文春ではモノクログラビアで、その事件の時、夫人の取材のために自宅を訪れていて、犯行から逮捕までの一部始終を目撃したジャーナリスト・三山喬氏がレポートしている。
「夫人によれば、夫婦仲は一年ほど前から深刻な危機に陥っていたようである。バレンティンは奔放な女性関係を隠そうともせず、『こんなに楽しくやってるぜ』という愛人との写真の数々をメールで送付。夫人が『娘のことをほったらかしてどうする気?』と詰問すると、『娘なんか、お前のケツの穴に突っ込んでおけ』などと罵倒したり、ピストルの写真とともに『撃ち殺してやる』というメッセージや、不倫相手の局部の写真まで送りつけてきた。その一方で本塁打記録を塗り替える二日前には、夫人に突然、『裸の写真を送れ』と言ってきたことも。 罵詈雑言を繰り出すバレンティンに対し、現地の裁判所は『妻の許可なく自宅に入ってはならない』という命令を下していた」
バレンティンは保釈された翌日の16日に会見を開き、「今の状況は恥ずかしい。自分の失敗。家族やチーム、日本のファンに謝りたい。できれば日本で野球をするチャンスを与えて欲しい」と話したという。
「会見に同席した担当弁護士は詳細の説明は避けたが、『法に触れることはしていない』と主張した。24日に裁判所が米国からの出国を認めるかどうかの判断を下す予定で、認められれば、来日して2月1日に始まるヤクルトの春季キャンプに合流することが可能となる」(17日付朝日新聞より)
だが、そうスンナリいくのだろうか。三山氏はこう書いている
「夫人は『彼の二面性を知ってほしい』と私に語っていたが、確かに家族の前での凶暴さと、警察官の前での従順ぶりにはギャップを感じた。連行されていく際、夫人が『(本塁打の)タイトルがあの男を狂わせたのよ』と語っていたのが印象的だった」
野球ファンの夢を壊した「落ちた偶像」が日本で再び輝くことはないのではないか。たとえ今シーズン日本でプレーできたとしても、相手投手たちは、こんなヤツに打たしてたまるかと本気で向かってくるはずだ。
野球もそうだと思うが、格闘技は相手を本気にしたらダメである。王はホームランを打っても決して相手投手を小馬鹿にしたり挑発することはしなかったから、相手投手も“敵意”を抱かなかった。だから長い間、ホームランを打ち続けることができたのだ。
さて、NHK朝の連続ドラマ『ごちそうさん』が好調なようだ。主役を務める渡辺謙の娘・杏の魅力によるものらしいが、実生活は父と娘の深刻な葛藤が続いていると文春が報じている。これが今週の第2位。
1月7日のNHK大阪放送局で『ごちそうさん』の収録が再開された。だが、この日の撮影現場では杏(27)と東出昌大(25)の熱愛の話題で持ち切りだったそうだ。
「6日発売の『女性セブン』に、2人が正月2日に埼玉県にある東出の実家から出てくる写真が掲載されたのです。2人は東出の運転する車で近所のホームセンターやコンビニで買い物していた。正月を相手の実家で過ごすのだから、“家族公認”の付き合いなのでしょう」(女性誌デスク)
だが、杏の現実の家族のほうは、ドラマのような展開を迎えてはいないという。今もなお、家族のもとを去った父・渡辺謙(54)との確執が続いているというのだ。
87年、渡辺はNHKの大河ドラマ『独眼竜政宗』の主役に異例の大抜擢され、これを契機に一気にスターへと駆け上がる。しかし、その矢先の98年に急性骨髄性白血病を発症して長く厳しい闘病生活に入る。一度は復帰するも94年に再発。芸能ジャーナリストがこう話している。
「当時、渡辺の仕事は激減し、幼子二人を抱えた一家の生活は困窮しました。夫の献身的な看病を続ける一方で、藁にもすがる思いの由美子さんは95年頃に、歌舞伎俳優板東三津五郎の紹介で、巨漢の怪僧で『釈尊会』会長の小野兼弘(故人)に出会う。(中略)由美子さんは渡辺の療養に関する相談に乗ってもらっていたところ、病気は完治したため、次第に帰依していった。夫妻で宗教行事に参加、渡辺は小野からもらった護符を身に付け、法水を飲むなどしていたといいます」
しかし、渡辺の病と怪僧との出会いは、その後の家族に暗い影を落としていった。
01年、渡辺の自宅が税金滞納で差し押さえられていると報じられた。原因は由美子さんが作った巨額の借金だった。
「由美子さんは子供たちの学校の保護者にまでカネを無心し、借金を膨らませていったのです。渡辺は借金の理由を問いただし続けたが、由美子さんは一切語ることはなかった」(先の芸能ジャーナリスト)
翌年3月には夫妻の別居が発覚。そして7月に渡辺は離婚の成立と子供の親権を求めて由美子さんを東京地裁に提訴したのだ。
公判で、由美子さんの借金のほとんどが釈尊会と小野に送金されていた事実が発覚する。
当時、長男の大は文春で「息子から父・渡辺謙へ せめて学費を払って」(04年1月1・8号)と題する手記を書いている。その中で、こう打ち明けている。
「妹は急に高校中退してしまいました。借金を返せない要因に学費がある。それなのにのうのうと学校に行っていたら失礼だ、というのが杏の意見でした。そしてまた妹は、『男はやはり大学へ行って卒業するべきだ』と、僕には『辞めるな』と言いました」
家族が崩壊していく中でも杏は一貫して母親の由美子さんに寄り添い続けたという。
そして、両親の離婚訴訟の最中に、杏は芸名を本名の渡辺杏から杏と改めた。芸能関係者は「渡辺謙の娘だと思われたくないという杏の明確な意思表示だ」と語る。
離婚訴訟の結審からたった9カ月後に渡辺が再婚する。相手は芥川賞作家・辻仁成の元妻で女優の南果歩(49)である。
「杏は相当ショックだったようです。『結局、お母さんと離婚した原因はあの人なのか。お父さんを取られた』というところでしょう。また、渡辺は会見で杏へエールを送ったりしているのですが、杏はいまだに公の場で父親についての発言はしない。杏に会見で父親に関する質問をするのは現在もタブーなんです」(芸能ジャーナリストの二田一比古氏)
私は『ごちそうさん』を見ていないが、杏の意志の強そうなところは顔にも出ている。こうしたつらい経験が、彼女を大女優にするのかもしれない。
今週の第1位はやはり都知事選挙関連記事。この選挙は大都市東京の今後を占うというだけではなく、安倍首相の政権運営や彼の考える「原発推進」「戦争の出来る普通の国」に対して「NO」を突き付けるか否かの大戦になるのである。
したがって細川氏とそれを担ぐ小泉氏が圧勝すると見る向きと、いやそうではないという派に分かれるのは当然である。
今週は、ポストのように圧勝派ではないが、やや細川氏寄りの文春と、そんなことはない派の新潮を取り上げた。
文春によると、細川・小泉連合の原発政策についてのブレーンは元経済産業省の古賀茂明氏だそうだ。
古賀氏は1月9日付のTwitterrでこう書いている。
「『脱原発』が都知事選のテーマになって来ました。でも、脱原発だけでは争点としては不十分。『原発ゼロ』でもまだ不十分。『原発即ゼロ』かどうかが本当の争点です。今既に原発ゼロ状態。即ゼロでなければ、再稼働を認めることになります」
その古賀氏を中心に細川陣営では、こんな公約が検討されていると陣営関係者が明かしている。
「安倍政権が進める国土強靭化による土建国家とは一線を画す、環境重視で反原発の五輪を細川陣営は目論んでいます。例えば、原発による電力を一切使わず、自然エネルギーをふんだんに使った五輪を謳ったらどうなりますか。仮に細川氏が都知事に当選し、世界各国を五輪関連で行脚する際に、原発ゼロの自然エネルギー五輪を説けば、反対する国などないでしょう。そうなれば、安倍政権は原発再稼働、原発海外輸出の路線から、大きな転換を余儀なくされるのではないですか」
文春によれば、すでに選挙スタッフやボランティアのジャンパーなどに使われるテーマカラーも「グリーン」に決定しているという。
何やら早くも細川氏の一人勝ちのようだが、そうではないと真っ向から反対するのは新潮で、対抗馬の舛添要一氏も含めて、どっちも大俗物だと批判している。
当然ながら東京には大きな問題が山積していて、脱原発だけを争点にするのはおかしいという声がある。
新潮で政治評論家の浅川博忠氏がこう指摘する。
「都は少子高齢化対策など喫緊の課題として、『介護施設の整備拡充』『託児所の増設など待機児童問題の改善』の他、『直下型地震への防災対策』『物価の安定や食品の安全など都民生活の防衛』という4本の柱を抱えている。本来ならこうした都民に直結するテーマが争点にならなければならないのに、小泉人気をバックに脱原発のワンイシューを訴える細川さんは的外れと言わざるを得ない」
これはその通りで、細川陣営でも「脱原発」以外の政策は出さないということはなかろう。
新潮の批判は、陶芸家としても名高い細川氏の「芸術家としての力量」まで批判している。
美術評論家の藤田一人氏は、彼は基本的にアマチュアで、陶芸家が持つスタイルを持っていないと語る。だが、値札のほうはトップクラスのようである。
細川氏が庵を結ぶ湯河原にある某博物館の売店では「信楽茶碗75万円」の値札が付いているというし、個展を開くとすぐに完売してしまうそうだ。
最近は襖絵に凝っているようで、このほうも相当な評価を受けていると文春では報じている。正伝永源院(京都市)の襖絵がそれだという。
同院の真神仁宏住職がこう言っている。
「京都の春夏秋冬を描いていただきました。昨年末に完成した『冬』は、建仁寺や清水寺が雲間から顔をのぞかせている雪景色で、それは精緻なものです。『誰かに描かしてるんちゃうか』と冗談半分に思っていたんですが、サイズが足りない部分を私らの前でササっとうまいこと描いていましたわ(笑)。暮れにお会いした時は『次の作品は三年ぐらいかかる』と言ってはりました」
次の作品とは1300年の歴史を誇る奈良・薬師寺の襖絵のことだそうだ。これで素人というのは無理があるのではないだろうか。
だが、当然ながら細川氏といえども叩けば埃のでない身体ではない。
やはり出てくるのは、総理在任中に出てきた世にいう「佐川急便1億円借り入れ問題」である。新潮によればその実態は猪瀬直樹前都知事と全く同じか、むしろ金額は2倍でより悪質だったのだと指摘している。
「発行人の名前も印もない手書きの領収書。この紙切れ1枚で当時、細川氏は事態収拾を図ろうとした。(中略)徳洲会からの5000万円裏金疑惑に揺れた猪瀬前知事が、不自然極まりない借用書で事実を覆い隠そうとした構図とキレイに重なる」(新潮)
そのとき追及の急先鋒となった深谷隆司元通産相がこう語っている。
「我々は闇献金疑惑として追及しましたが、彼は82年に借りたお金で、すでに返済したと主張した。熊本市の細川邸の山門や土塀の修繕費として2300万円、元麻布のマンション購入に7700万円を使ったと説明しました。しかしマンションは借入前の購入で、細川邸の修繕は、1~2年後。この点を衝くと、彼の答弁は二転三転した。そのうち、佐川から貰った領収書の一部の控えが本社に残っていたと言い出した。それで示したのが、問題の領収書でした。ご覧の通り、インチキな代物です。しかも1000万円分しかないという。お粗末ぶりは猪瀬さんと一緒でした」
それで嫌気がさしたか、すぐに総理の座を放り出してしまったのである。在任わずか9カ月。こうしたところは気になるところではある。
細川氏の資産は5~6億円あるといわれるそうだが、すぐに動かせるまとまった現金がないと、彼の知人もいっている。今回の選挙資金はどうするのだろう。
新潮はまた、かつて“細川の女”と噂された博多屈指のクラブの元ママに「殿のせいで1億円も損したわ」といわせている。
新潮の追及は細川氏を応援する小泉氏にも向けられる。
小泉氏の脱原発理論の中でよく使われる「原発は核廃棄物最終処分場建設の目処が立たないトイレなきマンション」という考えは明確に不勉強だと批判している。
東工大の澤田哲生助教曰く、「原発を即ゼロにするにしても、既にある使用済み核燃料を処分しないといけないことに変わりはありません」。そもそも“糞”は既に存在していて、その“トイレ”は着々と整備されつつあるというのである。
この点はぜひ選挙の中で論戦を戦わせてほしいものだ。
さらに小泉氏の「エロエロ」話にまで新潮は“八つ当たり”する。昨年の12月17日、小泉氏は東京赤坂の日本料理店「佐藤」にいたという。ここは自民党のお歴々が愛用するところで、安倍晋三総理や森喜朗元総理らも参集していた。
これは小泉氏も所属していた清和会(町村派)出身の叙勲受賞者を祝う会だった。そこにいた清和会幹部がこう明かす。
「小泉さんはいつもの調子で下ネタを繰り出した。“俺の男は炉心溶融している”“信なくば立たずと言うが、漢字が違う。芯なくば勃たずだ。だから、脱原発なんだよ”と。要は自分の男性機能はもはや喪失しているというわけですが、それを原発に擬えるなんて、小泉さんにとって脱原発はその程度のことなんじゃないですか」
いわれている細川圧勝に対しても異を唱える。舛添要一元厚労相を支える政府自民党は強気だというのだ。官邸関係者がこう打ち明ける。
「1月の第2週、ある報道機関が都民数百人を対象に世論調査を行い、それが菅(義偉)官房長官の手に渡っているからです。彼は官邸のスタッフに向かって、“細川恐るるに足らず”だとほくそ笑んでいました」
この世論調査には、こんな数字が記されていたという。舛添38パーセント、細川16パーセント。
さらに、先の浅川氏は「東京には約70万の創価学会票があると言われていて、自民党とともに舛添氏に回る学会分の票差は埋め難い。舛添280万票対細川210万票が妥当。(中略)昨年の参院選における両党の都内得票率等を加味すると、340万票対150万票の大差で舛添氏が勝つ可能性もある」
だがポストは自民党幹部らが大手紙ベテラン政治部記者とともに情勢分析をした数字があると報じている。それによれば、投票率55%という前提で、舛添氏は自公の基礎票の目一杯で約230万票、細川氏は250万票前後になるという結果が出たという。
しかも投票率55%というのは少なく見積もった数字であり、それより高くなれば無党派層の票が入り込み、細川氏にさらに有利になるというのである。
私は今回の都知事選だけは「脱原発か否か」の“国民投票”でいいと思っている。3・11以降、国政選挙で原発問題はまともに論議されてこなかった。
それをいいことに安倍首相は原発再稼働を宣言し、加害者の東電が原発太りしそうな現状に、みな怒りをもっているのだ。
そんなことを許してはなるまい。福島第一原発事故から3年を迎えるとき、初めて国民の審判が下るのだ。もちろん原発はいらないが圧倒的多数であること間違いない。
(文=元木昌彦)