堂本剛を追うJuice=Juice チャートが映す、新旧アイドルの対照的な姿

【リアルサウンドより】

2013年09月09日~09月15日のCDシングル週間ランキング

1位:瞬き(堂本剛) 2位:ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)(Juice=Juice) 3位:EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~(EXILE) 4位:青春花道(ポルノグラフィティ) 5位:乙女!Be Ambitious!(THE ポッシボー) 6位:暦の上ではディセンバー(ベイビーレイズ) 7位:恋するフォーチュンクッキー(AKB48) 8位:風は西から(奥田民生) 9位:メロンジュース(HKT48) 10位:戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング7(獄鎌・イガリマ)(暁切歌/CV:茅野愛衣)  初週9.5万枚を売り上げ、この週の1位となったのは堂本剛のシングル『瞬き』。ソロとして4年ぶりの首位獲得となった今作は、2年前のシングル『Nijiの詩』に比べて初動売上枚数も大きく増加。本人主演のドラマ『天魔さんがゆく』主題歌という話題性やイベント参加応募を含めた特典もあり、単純には比較できないが、根強い人気を証明した形だ。  ここで改めて特筆すべきことは、このシングル、表題曲の作詞/作曲だけでなく、サウンドプロデュースも堂本剛本人が手掛けていること。音楽番組『新堂本兄弟』などを通して最近ではミュージシャンとしての卓越したスキルも広く知られるようになってきたが、そもそも2002年のソロデビュー当初から自ら作詞・作曲を担当し表現者としての活動を繰り広げてきたのが彼だ。とはいえ、アイドルのイメージを払拭するため別名義の「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」を名乗るなど、そのアーティスト活動はなかなか容易にはいかなかった模様。しかもソロの音楽性は、Kinki Kidsのパブリックイメージとは違い、どちらかと言えば繊細な内面性をもとにしたメッセージ色の強いものが中心。「アイドルがアーティストとして活動する」ということには様々な壁があったはずだ。  しかし、ここ数年は再び「堂本剛」名義に戻し、今年5月には尾崎豊や吉田拓郎などの楽曲を歌ったカバーアルバム『カバ』をリリースするなど、真っ正面からミュージシャンとしての活動を展開している。おそらく10年以上かけて「アーティスト・堂本剛」としてのブランドを築き上げた自負もあるのだろう。筆者も一度ステージを観たことがあるが、ファンクの素養を持ち、大物ミュージシャンと渡り合いながら数々の楽器を弾きこなす彼のミュージシャンシップは確かなものだった。シングルのブックレットでは、Aメロの「手と手を合わせ」という箇所に「お墓参りのイメージがある」など、バラード調の楽曲に込めた思いも語っている。KinKi Kidsとして「デビュー以来連続32作シングル首位」というギネス記録を更新し続けながら、アーティストとしての「自己表現」も見せる彼。確実に一つのパイオニアと言っていいだろう。
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Juice=Juice『ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)(初回生産限定盤B)』

 一方、2位となったJuice=Juiceは、まさにこのシングルでメジャーデビューを果たしたフレッシュな女性アイドルグループ。「ハロー!プロジェクトの未来を担う」と注目を集める期待のユニットだ(関連記事:ハロプロの将来は彼女たちの成功次第!? メジャーデビューのJuice=Juiceが背負う期待)。  ハロプロのモーニング娘。は今年1月リリースの「Help me!!」以降バキバキのEDMを導入し先鋭的なダンス・ミュージックへの接近を見せているが、Juice=Juiceも同じく海外のダンスシーンとリンクするようなサウンドが特徴。特に「私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)」は、東欧ダンスポップのテイスト。アレクサンドラ・スタンやインナ、アムナなど、ルーマニア発の歌姫が次々と世界を席巻しているここ最近の趨勢を貪欲に取り入れたナンバーになっている。  一方、ドラマ「あまちゃん」挿入歌の「暦の上ではディセンバー」を歌ったベイビーレイズは6位にランクイン。自己最高位を大幅に更新する躍進となった。「乗り込み!乗っ取り!アイドル!!」をキャッチフレーズに活動してきたアイドルグループだけに、今回は「あまちゃん」ファンを「乗っ取り」人気を拡大した形。同曲が収録された「あまちゃん歌のアルバム」がシングルより先に発売されたこともあり、売り上げはそこまで大きく伸びなかったという見方もあるが、それでも目標の武道館に向けて弾みをつけた格好だ。  ジャニーズ系男性アイドルの中でも独自のアーティスト路線を歩む堂本剛と、シーンを勝ち抜くべく貪欲にファン拡大を狙う数々の女性アイドルグループ。オリコンチャートが映し出しているのは、新旧アイドルの対照的な姿と言えるかもしれない。 ■柴 那典 1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

松井珠理奈が『いいとも』サプライズ出演! AKB48じゃんけん大会“パーだけで優勝”の裏話を語る

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AKB48『ミリオンがいっぱい~AKB48ミュージックビデオ集~スペシャルBOX』AKS

【リアルサウンドより】  9月18日に開催された『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で優勝した松井珠理奈が、9月19日の『笑っていいとも!』にサプライズゲストとして出演した。  オープニングで木曜レギュラーが並んだ直後、タモリが「さぁ本日、おっ、ゲストが来ております」と話すと、会場にトロフィーを抱えた松井珠理奈が登場。普段の『笑っていいとも!』とは異なる展開に、会場からはどよめきが起こった。  優勝を報じた新聞紙面のパネルが持ち出され、レギュラー陣が「ずっとパーで勝ったんでしょ?」「この勝った時の表情、ハンパじゃないね」「顔もパーみたいになっている」と、優勝した瞬間の松井の表情をからかうと、松井は「やめてください、映さないでください(笑)」と照れ笑いを浮かべた。  タモリに、パーのみで優勝したことについて「ずっとパーって決めていったの?」と尋ねられると、松井は「そうですね。1回戦目にパーを出そうっていうのは決めていったんですけど、そこから2回目もパーで勝てたので、これは最後まで行こうかなと」と、パー戦略がいわゆる“決め打ち”だったことを明かした。  その後、『いいとも!』のセンターとして、タモリが松井にじゃんけんを挑むことに。笑福亭鶴瓶が「(松井は)絶対パーやって」と予想すると、タモリは「(そんなこと言うと)おかしなことになるって。(中略)勝っても負けてもイヤな気分になる」と、及び腰な姿勢を見せた。レフェリーは山崎弘也が担当、「じゃんけんぽい!」の掛け声で両者は共にパーを出し、1戦目は引き分けに。鶴瓶が「(松井は)素直やわー」と褒めると、タモリは「だからやめようって!」「ここで俺がチョキを出したら、世間はなんと言うか」と、世間体を気にした。2戦目も両者はともにパー、3戦目もパーであいこになり、いよいよどちらかが折れなければいけない状況に。4戦目、根負けしたタモリはグーを出し、松井の勝利に終わった。  松井は準レギュラー扱いで「2013年知っとくベッキーワード!ご当地お取り寄せ!新名物SP」のコーナーにも出演。途中、お笑い芸人の平成ノブシコブシが加わり、吉村崇は「本来、俺らがゲストだったんですよ」と、松井が急遽出演することにより、ゲスト枠を外されたことを明かした。また、相方の徳井健太は松井のファンであることを告白し、花束を渡した。  『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で松井が優勝したことに対し、現在、ネット上では「ヤラセだったのでは」との憶測も飛び交っているが(参照:AKB48じゃんけん大会で松井珠理奈優勝 “7連続パー勝ち”にネットでは「ヤラセ」の声も)、『いいとも!』でタモリが松井に勝てなかったように、「場の空気」がじゃんけんの勝敗を分けることもある。なにを持って「ヤラセ」とするかは判断の難しいところだが、篠田麻里子から「後継者」と指名されるほど、これからのAKB48にとって重要なメンバーと認識されていた松井に対し、他のメンバーが「空気を読んだ」ということはあるのかもしれない。 (文=編集部)

松井珠理奈が『いいとも』サプライズ出演! AKB48じゃんけん大会“パーだけで優勝”の裏話を語る

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AKB48『ミリオンがいっぱい~AKB48ミュージックビデオ集~スペシャルBOX』AKS

【リアルサウンドより】  9月18日に開催された『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で優勝した松井珠理奈が、9月19日の『笑っていいとも!』にサプライズゲストとして出演した。  オープニングで木曜レギュラーが並んだ直後、タモリが「さぁ本日、おっ、ゲストが来ております」と話すと、会場にトロフィーを抱えた松井珠理奈が登場。普段の『笑っていいとも!』とは異なる展開に、会場からはどよめきが起こった。  優勝を報じた新聞紙面のパネルが持ち出され、レギュラー陣が「ずっとパーで勝ったんでしょ?」「この勝った時の表情、ハンパじゃないね」「顔もパーみたいになっている」と、優勝した瞬間の松井の表情をからかうと、松井は「やめてください、映さないでください(笑)」と照れ笑いを浮かべた。  タモリに、パーのみで優勝したことについて「ずっとパーって決めていったの?」と尋ねられると、松井は「そうですね。1回戦目にパーを出そうっていうのは決めていったんですけど、そこから2回目もパーで勝てたので、これは最後まで行こうかなと」と、パー戦略がいわゆる“決め打ち”だったことを明かした。  その後、『いいとも!』のセンターとして、タモリが松井にじゃんけんを挑むことに。笑福亭鶴瓶が「(松井は)絶対パーやって」と予想すると、タモリは「(そんなこと言うと)おかしなことになるって。(中略)勝っても負けてもイヤな気分になる」と、及び腰な姿勢を見せた。レフェリーは山崎弘也が担当、「じゃんけんぽい!」の掛け声で両者は共にパーを出し、1戦目は引き分けに。鶴瓶が「(松井は)素直やわー」と褒めると、タモリは「だからやめようって!」「ここで俺がチョキを出したら、世間はなんと言うか」と、世間体を気にした。2戦目も両者はともにパー、3戦目もパーであいこになり、いよいよどちらかが折れなければいけない状況に。4戦目、根負けしたタモリはグーを出し、松井の勝利に終わった。  松井は準レギュラー扱いで「2013年知っとくベッキーワード!ご当地お取り寄せ!新名物SP」のコーナーにも出演。途中、お笑い芸人の平成ノブシコブシが加わり、吉村崇は「本来、俺らがゲストだったんですよ」と、松井が急遽出演することにより、ゲスト枠を外されたことを明かした。また、相方の徳井健太は松井のファンであることを告白し、花束を渡した。  『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で松井が優勝したことに対し、現在、ネット上では「ヤラセだったのでは」との憶測も飛び交っているが(参照:AKB48じゃんけん大会で松井珠理奈優勝 “7連続パー勝ち”にネットでは「ヤラセ」の声も)、『いいとも!』でタモリが松井に勝てなかったように、「場の空気」がじゃんけんの勝敗を分けることもある。なにを持って「ヤラセ」とするかは判断の難しいところだが、篠田麻里子から「後継者」と指名されるほど、これからのAKB48にとって重要なメンバーと認識されていた松井に対し、他のメンバーが「空気を読んだ」ということはあるのかもしれない。 (文=編集部)

「完全にヤラセ」矢口真里、「フライデー」の活休後初インタビューに呆れ声

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「え~! ヤラセじゃないですよ~!」

 20日発売の「フライデー」(講談社)が報じた、矢口真里の独占インタビュー。活動復帰の目処は立たず、現在も完全に活動休止状態の矢口が、初めてメディアのインタビューに応じたものだが、メディア関係者の間では「完全にヤラセ」と溜息が漏れているという。

 同誌の巻頭を飾ったのは、「フライデー」の直撃取材を受ける矢口の姿。振り向きざまに驚いている表情の矢口も掲載されているが、週刊誌のベテラン記者は「久々に出た『フライデー』伝家の宝刀ですよ」と内幕を明かす。

AKB48峯岸みなみ“ラブレター事件”の後、ゴールデンボンバーに起きた「異変」とは

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ゴールデンボンバー 喜矢武豊オフィシャルブログ
 マスコミも牛耳るAKB48だけに大手メディアではまったく報じられなかったが、峯岸みなみの“ラブレター事件(記事参照)”がその後、大変なことになっているという。  これは、峯岸が人気エアバンドグループ「ゴールデンボンバー」(以下、金爆)の喜矢武豊に送ったとされるラブレターの画像が、ネット上に流出した問題。そこには「お誕生日おめでとう(はぁと) いつもいつも支えてくれて本当に感謝しています。キャンさんが誰と仲良いとかでいちいち色々言ってしまったけど、そんなことよりも一度裏切ってしまった私に心からの言葉をかけてくれるキャンさんをとても大切に思っているし、失いたくないと心から思ってる」や「初めて会ったときから、ここまでの関係になれると思ってもみなかった! 一緒にいる時間が愛しくて笑顔が可愛くて声が優しい」などなど、“ただならぬ関係”を連想させるワードが綴られていた。  画像の真偽や出どころは不明だが、舞台裏を知る人物は「峯岸が書いたもので間違いない」と断定した上で、流出経緯について「喜矢武と“関係”を持った別の女性がラブレターを見つけ、嫉妬して(ネットに)流したとみられる」と明かす。  これに敏感に反応したのは峯岸ファンではなく、金爆の女性ファン。喜矢武に対するバッシングより、峯岸に対する非難の声がすさまじい。それもそのはず、言うまでもないが、峯岸の男性スキャンダルはこれが初めてではないのだ。  今年1月には「GENERATIONS」のメンバー・白濱亜嵐とのお泊まり愛をキャッチされ、反省を示すため自ら丸刈りに。研究生へと降格した後も、サッカー選手との合コン現場や、男性ストリッパーのいる店での乱痴気ぶりなどがたびたび報じられ、「反省してない」という批判も上がっていた。  金爆ファンから「峯岸許さねぇ!」と声が上がるのも当然だろう。  さらに怒りを増幅させそうなのが、騒動後のAKBサイドの対応だ。前出の関係者は「金爆のスタッフのところに、AKB関係者から『全面共演NG』をチラつかせる連絡があったそうなんです。AKBと全面共演NGなら、金爆は事実上の死刑宣告を受けたも同然。音楽番組に出演するのもひと苦労ですよ。メンバーもそのことは把握していて、かなり悩んでいました。その後どうなったのかはわかりませんが……」と話す。  喜矢武は、脚本家・野島伸司が手がける学園ドラマ『49(フォーティーナイン)』(日本テレビ系)にレギュラー出演することが決定。主演はジャニーズの人気グループ「Sexy Zone」の佐藤勝利だが、現段階でAKBメンバーの共演者はいない。「もしかしたら音楽活動に“制限”ができたことで、俳優の道を模索しているのかもしれません」とはテレビ関係者。AKB48との騒動に巻き込まれたことで、金爆の存在自体が“エア”にならなければいいが……。

【山田太一】「人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したってドラマはできません」

――「サイゾーpremium」内で、今もっともバズっている記事をお届け!!  発売中のサイゾー10月号は「人気ドラマの裏側」特集。『あまちゃん』『半沢直樹』とヒットドラマが目立つ昨今、他では読めない"裏"テレビドラマガイドを展開しています。今回はその中から、大御所脚本家のインタビュー記事をピックアップ! ■今回のピックアップ記事 『【山田太一】「人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したってドラマはできません」』(2013年10月号特集『ドラマの裏側』より)  戦後のテレビドラマ黎明期から幾多の名作を生み出してきた脚本家・山田太一。今は連続ドラマこそ書かないが、特別ドラマをたびたび手がけ、そのたびに幅広い世代のファンたちを魅了し続けている。そんな彼は、かねてから「テレビドラマのあり方」に対して、さまざまな意見を述べてきた。では70代の今、『あまちゃん』や『半沢直樹』のように再びテレビドラマに脚光が当たり始めた現状を、どう見ているのだろうか――?
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(写真/奥山智昭)
――山田さんは、今話題の『あまちゃん』と『半沢直樹』は、ご覧になっていますか? 山田 半沢さん……は見ていないですね。『あまちゃん』は(宮藤)官九郎さんらしいドラマだと思って楽しく見ています。テレビをよく知っていて、朝のドラマはこういうものが当たるという勘みたいなものが非常に素直に出ていると思います。それは舞台をやっている方が肌で感じるものなのかもしれないね。一方で、(宮藤氏が監督した)『中学生円山』なんかは本当に映画の面白さがよく出ている。彼のほかの映画も見ましたけど、非常に生真面目に、お客さんのことをバカにしないでバカなことをやっている(笑)。それが僕はいいな、と思う。アチャラカをやっていると、作りもアチャラカになってしまう人もいますからね。やっぱり宮藤さんは底力がある人だと思います。 ――宮藤さんのドラマ作りにもそれは感じますか? 山田 もちろんあると思います。ただ、それはそれとして、テレビドラマには可能性があるんですから、もっといろいろな人が出てきてもいいと思います。木皿(泉)さんの『Q10』だってよく考えられていますし、時間をかけて作っていますよね。そういう作品がたくさん出てきたら、テレビドラマはもっと面白くなると思いますよ。 ――この20~30年で、テレビドラマの作り手の側にも、さまざまな変化が起こっていると思います。作り手のひとりとして、山田さんはどのようにお感じになっていますか? 山田 「いい作品を作ろう」というより「いい商品を作ろう」という意識になっているんじゃないかな。視聴率のことばかり気にしている人たちや、どこかから突っ込まれないかと気にしてばかりいる人たちが力を持っていると、やっぱり作品を損ないますよ。営業や編成の人たちの意見も大事だけど、ドラマの中心は作っている側にあるべきです。いろいろな人の顔色をうかがいながら作っているようでは、いい作品なんてできっこありません。それは本当に悪いことだと思うな。高視聴率で作品も良いというのが一番いいのだけれど、最近は高視聴率を取ること自体が欠点のような気がしてきました。 ――高視聴率が欠点とは、どういうことでしょう? 山田 いろいろな人が気に入るやつというのは、それだけでうさんくさいでしょう?(笑) 結局、ものを作るということは、個人に帰することだと思うんです。 ――作品は個人から生まれるものであると。 山田 作り手の思いとか、履歴とか、好きな音楽とか、いろいろなものが個人から発している領域で作られたドラマはいいものが多いと思います。作り手の顔がちゃんと見えるということ。ドラマは計算で作れるものではないんです。 ――決まった方程式があるわけではないということですね。 山田 人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したって、ドラマはできません。かつて当たった人と当たった人を組み合わせれば視聴率も2倍になると考えていることがおかしい。人気者をひとりつかまえたら、2~3人は新人を使うとか、年齢が上の人は変化球として使うとか、それぐらいのセンスは欲しいですよね。 ――山田さんが書かれた『ふぞろいの林檎たち』(TBS/83年~)では、フレッシュな若手を主役に据えられていましたね。 山田 それは、プロデューサーに力が与えられていたからできたことです。やっぱり作り手が中心だったんですよ。 ――山田さんは、キャスティングする俳優や女優の顔を思い浮かべながら脚本を執筆するとお聞きしました。 山田 テレビドラマはそうですね。主役の4~5人ぐらいは決まっていないと駄目なんです。見る側が心揺さぶられる組み合わせになっていればいいと思っています。 ――『男たちの旅路』(NHK/76年~)での鶴田浩二さんと水谷豊さんも、視聴者にとって意外性のある組み合わせだったと思います。 山田 それに、たとえば僕は岸惠子さんに、フランス帰りのお洒落な人の役なんて書こうとはまったく思わないですよ(笑)。かきたてられるものがないんです。町の電器屋のおかみさんをやってもらったのですが(『沿線地図』TBS/79年)、岸さんには思いもよらない役だったでしょう。でも、そういうアンバランスさが役者にとっても、視聴者にとっても面白いんですよね。 ――『岸辺のアルバム』(TBS/77年)では、清楚なイメージの八千草薫さんが不倫に溺れる役を演じて、視聴者を驚かせました。 山田 役者さんに、今までやらなかった役柄をやってもらう。それが僕らの作品の発想の仕方ですよ。だけど、今は「こういうキャラクターが当たったから、次も同じようなキャラクターで」という発想でしょう? ――今のお話で思い出しましたが、90年代から00年代にかけてドラマ界を支えた木村拓哉さんが、次のドラマではアンドロイドを演じるそうです(『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』TBS/10月スタート)。だんだん演じる役柄がなくなっているとも感じますし、迷走しているようにも思えます。 山田 うーん……大変だと思う。ある年齢になってくると、若い時に輝いていた人ほど壁が高くなるんです。方向転換は二枚目ほど難しい。『南極大陸』は少しだけ見ましたけど、「木村拓哉さんがやってくださっている」という空気が画面から伝わってくる。そんなの見たくないですよ。だけど、すごい人だから活かす道はいっぱいあると思います。たとえば、汚れ役をやるというより、本当に汚れてしまえる世界を選ぶとかね。 ――本当に汚れるとは? 山田 いつも木村拓哉さんはちょっと不平そうな声を出すじゃないですか(笑)。それはもうあの人のキャラクターなんだから、作品の中でもっと引き出して、みんなで笑いものにしちゃうとかね。もっといろいろな声が出せるはずなのに、いつも同じような声しか出さないから、それではこなせない、新しいキムタクさんを引き出すような役があればいいと思いますね。 ――やはり、いい作品、いい作り手とのめぐり合いが必要だということでしょうか。 山田 それに尽きます。キャラクターも重要ですが、キャラクターをなぞってそれらしく演じるドラマは、見るほうも飽きてしまったでしょう。初心に帰ったドラマ作りが大切だと思いますね。 ■テレビドラマでなければ拾えない現実がある
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『男たちの旅路』、『岸辺のアルバム』、『早春スケッチブック』、『ふぞろいの林檎たち』等々、現在の中堅・若手脚本家の中にも、山田太一脚本のファンは多い。
――山田さんは、テレビドラマでしか描けないもの、テレビドラマらしさとは、どのようなことだとお考えですか? 山田 テレビドラマの大きな特徴は、まず長さですね。あとは、毎日生きているリアリティにこだわること。これはお話だから都合よくしてしまおう、今の流行に合わせよう、お洒落な会話にしよう……そういうことをやっていくうちに、自分を見失ってしまうと思います。 ――以前、「テレビドラマは取るに足らないような小さな誤解であったり、小さな矛盾であったり、つまり小さな物語を描くものなんだ」とおっしゃっていましたね。 山田 そう、たとえば政治が原発をどうするかという問題なら、ドラマよりノンフィクションのほうがパワーがある。電車が脱線して乗客が足止めされるような出来事があったとしたら、ドラマはそのまま乗っている人や駅で待っている人の、どうでもいいようなところにドラマを見つけないと、陳腐になってしまう。  日常生活は、自分にとっては大事だけど、人にとってはどうでもいい話で満ちています。事故があって死者が2人だった、なんて聞くと、関係ない人は「それぐらいで良かったね」なんて思ったりする。でも、死んだ人の遺族にとっては大変なことですよね。それがテレビドラマでなければ拾えない現実だと思うんです。 つづきはコチラから! 「サイゾーpremium」では他にも人気ドラマの裏側に迫る記事が満載です!】芸能界のドンも驚くネタの数々…国民的ドラマ『あまちゃん』が踏み込んだ芸能界タブー【元SKE48・山下もえ】が『あまちゃん』を分析!『秋元先生のパロディが面白い』『半沢直樹』大ヒットは枠を見れば当然!? 各局"枠"事情から見るドラマの舞台裏
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【山田太一】「人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したってドラマはできません」

――「サイゾーpremium」内で、今もっともバズっている記事をお届け!!  発売中のサイゾー10月号は「人気ドラマの裏側」特集。『あまちゃん』『半沢直樹』とヒットドラマが目立つ昨今、他では読めない"裏"テレビドラマガイドを展開しています。今回はその中から、大御所脚本家のインタビュー記事をピックアップ! ■今回のピックアップ記事 『【山田太一】「人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したってドラマはできません」』(2013年10月号特集『ドラマの裏側』より)  戦後のテレビドラマ黎明期から幾多の名作を生み出してきた脚本家・山田太一。今は連続ドラマこそ書かないが、特別ドラマをたびたび手がけ、そのたびに幅広い世代のファンたちを魅了し続けている。そんな彼は、かねてから「テレビドラマのあり方」に対して、さまざまな意見を述べてきた。では70代の今、『あまちゃん』や『半沢直樹』のように再びテレビドラマに脚光が当たり始めた現状を、どう見ているのだろうか――?
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(写真/奥山智昭)
――山田さんは、今話題の『あまちゃん』と『半沢直樹』は、ご覧になっていますか? 山田 半沢さん……は見ていないですね。『あまちゃん』は(宮藤)官九郎さんらしいドラマだと思って楽しく見ています。テレビをよく知っていて、朝のドラマはこういうものが当たるという勘みたいなものが非常に素直に出ていると思います。それは舞台をやっている方が肌で感じるものなのかもしれないね。一方で、(宮藤氏が監督した)『中学生円山』なんかは本当に映画の面白さがよく出ている。彼のほかの映画も見ましたけど、非常に生真面目に、お客さんのことをバカにしないでバカなことをやっている(笑)。それが僕はいいな、と思う。アチャラカをやっていると、作りもアチャラカになってしまう人もいますからね。やっぱり宮藤さんは底力がある人だと思います。 ――宮藤さんのドラマ作りにもそれは感じますか? 山田 もちろんあると思います。ただ、それはそれとして、テレビドラマには可能性があるんですから、もっといろいろな人が出てきてもいいと思います。木皿(泉)さんの『Q10』だってよく考えられていますし、時間をかけて作っていますよね。そういう作品がたくさん出てきたら、テレビドラマはもっと面白くなると思いますよ。 ――この20~30年で、テレビドラマの作り手の側にも、さまざまな変化が起こっていると思います。作り手のひとりとして、山田さんはどのようにお感じになっていますか? 山田 「いい作品を作ろう」というより「いい商品を作ろう」という意識になっているんじゃないかな。視聴率のことばかり気にしている人たちや、どこかから突っ込まれないかと気にしてばかりいる人たちが力を持っていると、やっぱり作品を損ないますよ。営業や編成の人たちの意見も大事だけど、ドラマの中心は作っている側にあるべきです。いろいろな人の顔色をうかがいながら作っているようでは、いい作品なんてできっこありません。それは本当に悪いことだと思うな。高視聴率で作品も良いというのが一番いいのだけれど、最近は高視聴率を取ること自体が欠点のような気がしてきました。 ――高視聴率が欠点とは、どういうことでしょう? 山田 いろいろな人が気に入るやつというのは、それだけでうさんくさいでしょう?(笑) 結局、ものを作るということは、個人に帰することだと思うんです。 ――作品は個人から生まれるものであると。 山田 作り手の思いとか、履歴とか、好きな音楽とか、いろいろなものが個人から発している領域で作られたドラマはいいものが多いと思います。作り手の顔がちゃんと見えるということ。ドラマは計算で作れるものではないんです。 ――決まった方程式があるわけではないということですね。 山田 人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したって、ドラマはできません。かつて当たった人と当たった人を組み合わせれば視聴率も2倍になると考えていることがおかしい。人気者をひとりつかまえたら、2~3人は新人を使うとか、年齢が上の人は変化球として使うとか、それぐらいのセンスは欲しいですよね。 ――山田さんが書かれた『ふぞろいの林檎たち』(TBS/83年~)では、フレッシュな若手を主役に据えられていましたね。 山田 それは、プロデューサーに力が与えられていたからできたことです。やっぱり作り手が中心だったんですよ。 ――山田さんは、キャスティングする俳優や女優の顔を思い浮かべながら脚本を執筆するとお聞きしました。 山田 テレビドラマはそうですね。主役の4~5人ぐらいは決まっていないと駄目なんです。見る側が心揺さぶられる組み合わせになっていればいいと思っています。 ――『男たちの旅路』(NHK/76年~)での鶴田浩二さんと水谷豊さんも、視聴者にとって意外性のある組み合わせだったと思います。 山田 それに、たとえば僕は岸惠子さんに、フランス帰りのお洒落な人の役なんて書こうとはまったく思わないですよ(笑)。かきたてられるものがないんです。町の電器屋のおかみさんをやってもらったのですが(『沿線地図』TBS/79年)、岸さんには思いもよらない役だったでしょう。でも、そういうアンバランスさが役者にとっても、視聴者にとっても面白いんですよね。 ――『岸辺のアルバム』(TBS/77年)では、清楚なイメージの八千草薫さんが不倫に溺れる役を演じて、視聴者を驚かせました。 山田 役者さんに、今までやらなかった役柄をやってもらう。それが僕らの作品の発想の仕方ですよ。だけど、今は「こういうキャラクターが当たったから、次も同じようなキャラクターで」という発想でしょう? ――今のお話で思い出しましたが、90年代から00年代にかけてドラマ界を支えた木村拓哉さんが、次のドラマではアンドロイドを演じるそうです(『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』TBS/10月スタート)。だんだん演じる役柄がなくなっているとも感じますし、迷走しているようにも思えます。 山田 うーん……大変だと思う。ある年齢になってくると、若い時に輝いていた人ほど壁が高くなるんです。方向転換は二枚目ほど難しい。『南極大陸』は少しだけ見ましたけど、「木村拓哉さんがやってくださっている」という空気が画面から伝わってくる。そんなの見たくないですよ。だけど、すごい人だから活かす道はいっぱいあると思います。たとえば、汚れ役をやるというより、本当に汚れてしまえる世界を選ぶとかね。 ――本当に汚れるとは? 山田 いつも木村拓哉さんはちょっと不平そうな声を出すじゃないですか(笑)。それはもうあの人のキャラクターなんだから、作品の中でもっと引き出して、みんなで笑いものにしちゃうとかね。もっといろいろな声が出せるはずなのに、いつも同じような声しか出さないから、それではこなせない、新しいキムタクさんを引き出すような役があればいいと思いますね。 ――やはり、いい作品、いい作り手とのめぐり合いが必要だということでしょうか。 山田 それに尽きます。キャラクターも重要ですが、キャラクターをなぞってそれらしく演じるドラマは、見るほうも飽きてしまったでしょう。初心に帰ったドラマ作りが大切だと思いますね。 ■テレビドラマでなければ拾えない現実がある
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『男たちの旅路』、『岸辺のアルバム』、『早春スケッチブック』、『ふぞろいの林檎たち』等々、現在の中堅・若手脚本家の中にも、山田太一脚本のファンは多い。
――山田さんは、テレビドラマでしか描けないもの、テレビドラマらしさとは、どのようなことだとお考えですか? 山田 テレビドラマの大きな特徴は、まず長さですね。あとは、毎日生きているリアリティにこだわること。これはお話だから都合よくしてしまおう、今の流行に合わせよう、お洒落な会話にしよう……そういうことをやっていくうちに、自分を見失ってしまうと思います。 ――以前、「テレビドラマは取るに足らないような小さな誤解であったり、小さな矛盾であったり、つまり小さな物語を描くものなんだ」とおっしゃっていましたね。 山田 そう、たとえば政治が原発をどうするかという問題なら、ドラマよりノンフィクションのほうがパワーがある。電車が脱線して乗客が足止めされるような出来事があったとしたら、ドラマはそのまま乗っている人や駅で待っている人の、どうでもいいようなところにドラマを見つけないと、陳腐になってしまう。  日常生活は、自分にとっては大事だけど、人にとってはどうでもいい話で満ちています。事故があって死者が2人だった、なんて聞くと、関係ない人は「それぐらいで良かったね」なんて思ったりする。でも、死んだ人の遺族にとっては大変なことですよね。それがテレビドラマでなければ拾えない現実だと思うんです。 つづきはコチラから! 「サイゾーpremium」では他にも人気ドラマの裏側に迫る記事が満載です!】芸能界のドンも驚くネタの数々…国民的ドラマ『あまちゃん』が踏み込んだ芸能界タブー【元SKE48・山下もえ】が『あまちゃん』を分析!『秋元先生のパロディが面白い』『半沢直樹』大ヒットは枠を見れば当然!? 各局"枠"事情から見るドラマの舞台裏
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