大晦日は村田&井上!? 大人&先物買いしたフジテレビの胸算用

【サイゾーpremium】より 『村田&井上』……ロンドン五輪ボクシング金メダリストの村田諒太と、高校7冠のアマチュア実績を持つ井上尚弥のこと。日本ボクシング界の至宝ともいれる両者と、フジテレビが大物契約を結んだという。
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『101%のプライド』(幻冬舎)
 今夏にプロデビューが予定されている、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太。既報の通り、アマチュアボクシング界の至宝であった村田をプロに引っ張り出したのは、フジテレビ&電通の強力タッグによる力業だった。数千万円とも噂される破格の契約金に加え、東洋大学の職を辞す村田にフジのグループ会社での正社員待遇を保証してまで本人を口説き落としたというから、まさに資本力にモノを言わせた大人買いである。  そんな村田の所属先は過去に輪島功一ら3人の世界チャンピオンを輩出した三迫ジム(東京都練馬区)。同時に、業界最大手である帝拳ジムとの共同プロモートになることも発表された。これは一般的には知られていないレアケースだが、まずはその経緯を解説しよう。  そもそも長年に渡ってフジのボクシング番組に試合を提供してきたのは三迫ジムだ。フジが絡むことから、村田が三迫ジム所属になるのは自然な流れであるが、本来、日本テレビ系である帝拳ジムがサポートに絡むのは極めて異例。これは村田自身がプロ入りの条件として、帝拳ジム入りをかたくなに主張したためだと業界内で囁かれている。 「古くは大場政夫から西岡利晃まで、多数のチャンピオンを輩出してきた帝拳は世界に広いネットワークを持ち、国内随一のプロモート能力を備えたジム。特に村田の主戦場となる重量級のマーケットはアメリカ中心で、国内で世界タイトルマッチを組むのは容易ではありません。本気でプロの頂点を目指すなら、帝拳以外は考えられないという村田の主張は正しい」(某ジム会長)  帝拳ジムはプロモート面だけでなく、レベルの高い海外での練習環境を提供するなど、村田育成プロジェクトの中枢を実質的に担うことになる。業界内ではこれを「長年培われてきたクラブ制度【1】を崩壊させかねないウルトラCだ」(別のジム関係者)と揶揄する向きもあるが、国民的な知名度を誇るトップアスリートの参画は、ボクシング界を活性化させる話題に疑いはない。  こうした中、村田がプロ転向を発表した4日後の4月16日、当のフジが21年ぶり【2】にゴールデンタイムでボクシングの生中継を 敢行 したことも話題になっている。  中継されたのは、高校7冠のアマチュア実績を引っさげてプロ入りした、井上尚弥のプロ第3戦。ノンタイトル戦でありながら生中継がついたのは、辰吉丈一郎や畑山隆則を凌駕する素材と期待される井上であればこそ。村田のプロテスト中継(これまた異例のことだが)とのセット放送で、2時間の枠を用意する力の入れようだった。しかし、井上の過去2試合は、フジではなくTBSが中継してきた。局をくら替えしてのこのVIP待遇の裏には、フジの並々ならぬ野心が見え隠れする。 「井上が所属する大橋ジムでは、井上が価値のある商品に育つことを見越して、TBSとは1試合ごとの単発契約にとどめていたとか。そこで井上獲得に名乗りを上げたフジが破格の契約金を提示。TBSも負けじと提示額を吊り上げ、『大橋ジムとしては理想的な競り合いが繰り広げられた』ともっぱらです」(スポーツ紙記者)  村田獲得が大人買いなら、こちらはいわば先物買い。そもそもテレビ業界にとってボクシング中継は、ここぞというタイミングで高視聴率を叩き出す優良コンテンツのイメージが根強い。近年の亀田興毅の20%超えはいうに及ばず、1994年の薬師寺保栄vs辰吉丈一郎の一戦(関東地区平均で39・4%、関西で43・8%)などはもはや伝説的だ。  とりわけ昨年の大晦日には、井岡一翔を擁するTBSと内山高志を擁するテレビ東京がボクシング中継で好成績を挙げたのに対し、裏番組で『料理の鉄人』あらため『アイアンシェフ』で煮え湯を飲まされたフジである。村田と井上が、近い将来の大晦日商戦への切り札として期待されるのはもはや必然だろう。  だがしかし、井上第3戦はゴールデン枠にもかかわらず、平均視聴率6・9%という結果に甘んじた。 「番組制作を担当したプロデューサーK氏は、ボクシング界とお笑い界に太いパイプを持つことで知られる人物。CSのボクシング番組でも、昨年からMCに千原ジュニアを起用するなどファン層拡大のテコ入れに努めてきました。今回、村田&井上のために用意された2時間番組でも千原のほか、パネラーに9人の元世界チャンピオンを招くなど、少しでも視聴者の興味を引こうと努力していましたが、視聴者の声を拾ってみると、今ひとつMCと元王者たちの対話がかみ合わず、全体的に間延びした印象が指摘されています」(同)  いささか不安が残るフジの思惑だが、一方で、確かな収穫もあった。プロテストで元日本王者とのスパーリングに臨んだ村田が、随所にプロに向けたモデルチェンジを感じさせる出色の出来と好評なのだ。 「アマ時代はブロック主体で地味なスタイルが目についたが、フリッカージャブを振ったり、世界ではやりのL字ガードを見せたり、プロで頂点を獲るための試行錯誤が感じられた。それまで『あのスタイルでは、プロでは厳しい』と見ていた関係者が翌日、『順当に育てばイケるかも』と手のひらを返していたのが印象的です(笑)」(某ジム・トレーナー)  こうなると、井上で思い通りの数字が取れなかったフジにとって、村田への期待は俄然高まるはず。「今年は無理でも、来年の大晦日なら世界挑戦もあり得るのでは!?」(同)との声も上がっている。  そして、村田特需に期待を寄せるのは、テレビ局だけではない。これまで日が当たりにくかった国内の重量級ボクサー【3】が、こぞって村田との対戦をアピールしているのだ。なにしろ村田の対戦相手に選ばれれば、生中継がつくのは確実で、一気に全国区の知名度が得られる。まして、あわや 村田食い を果たそうものなら、即座に世界戦線に踊り出るのも夢ではない。もっとも、テレビならではの弊害も囁かれている。 「局の都合で、弱い相手ばかりを選んで勝ち星を積み重ね、いざ世界へ挑む段階でボロを出すパターンを我々は何度も目撃してきました。これでは拙速なキャリアづくりを強いられ、せっかくの素材を潰してしまうことになる。村田クラスの注目度でそれをされるのは、競技全体のイメージダウンにもつながります」(前出・スポーツ紙記者)  テレビ局にとってボクシングは、あくまでビジネス。それゆえの論理が、不世出の逸材に重い足枷とならなければ良いが……。 (友清哲) 【1】クラブ制度 日本では伝統的に、プロボクサーは所属ジムが管理する制度が主流。これに対し、海外では選手がトレーナーやマネージャーを選んで契約する手法が採られている。後者のほうが人気選手同士のビッグマッチが組みやすいメリットがあるといわれている。 【2】21年ぶり フジテレビがボクシングの試合を生中継するのは、92年11月のWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ヘナロ・エルナンデス vs 渡辺雄二戦以来のこと。渡辺は10戦10勝(10KO)のパーフェクトレコードを持つイケメンボクサーで、同局の大きな期待のもとに王者エルナンデスに挑んだが、6RTKO負けで戴冠は叶わなかった。 【3】重量級ボクサー 長らく日本重量級の第一人者として活躍してきた石田順裕もそのひとり。石田はこの3月に引退を表明したばかりだが、先だって催されたトークショーで村田との対戦希望を明言。村田の持つ抜群の知名度は、去りゆく選手の後ろ髪を引くほど魅力的なのだ。
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“男クサイルな”男性誌「OCEANS」、憎めない脱力感を失い漂う“不自然な”自然体

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ももクロ成功の秘訣 優れたITサービスは、先駆者のコピー&クローン? B787運航再開も安全は置き去り…事故原因未特定、訓練飛行中のトラブルも発覚! 生活保護法改正、申請拒絶の“水際作戦”助長と懸念の声続出 撤回求める緊急声明も ■特にオススメ記事はこちら! “男クサイルな”男性誌「OCEANS」、憎めない脱力感を失い漂う“不自然な”自然体 - Business Journal(5月21日)
む、む、無理しない……。
(「OCEANS HP」より)
 身近さや取っ付きやすさみたいな印象を醸したいとき、「等身大」「飾らない」「気張らない」なんて表現を用いたりします。「ガツガツ」「あくせく」「前のめり」「必死」「弱肉強食」「優勝劣敗」みたいなマインドとは、反対の方向性ですね。「頑張り過ぎなくていいんだよ」「肩の力を抜いて」などと、ある種のいたわりや労い、肯定感を相手に与える感じでしょうか。言われたほうも、ちょっと安心するんですね。「おかげでちょっと『ほっこり』したよ」みたいなことで。  で、今回取り上げるのはこちら。 『OCEANS 6月号』(インターナショナル・ラグジュアリー・メディア) 35歳までは正直キメキメでしたけど…… もう大人はお洒落で無理しない  「OCEANS」(以下、オーシャンズ)は、男性誌の中でも「夫」「父」という属性をかなり明確に打ち出した媒体のひとつ。「妻から愛され、ご近所の奥さま連中から『○○さんのご主人、素敵ね』とウワサされるような夫」「育児にも積極的に参加し、子どもと過ごすのが無上の喜び。もちろん子どもから好かれまくりの素敵パパ」たらん、と訴求してくるんです。そういう男ってカッコいいよな、とこちらの肩を叩きながら、イケメンが歯を輝かせて爽やかに話しかけてくるイメージとでも申しましょうか。  同誌で何かにつけて用いられるのは「37.5歳(読者平均年齢)」という記述。中心読者層として、結婚して数年、未就学~小学校低学年くらいの子どもがいる年代を意識した誌面づくりを実践していらっしゃいます。  基本的に、ただのオヤジ枠には収まらない、いい頃合いの大人カジュアルを推している雑誌であり、「GOETHE(ゲーテ)」(幻冬舎)や「GQ JAPAN」(コンデナスト・パブリケーションズ)のようなオピニオン(面倒くさい能書き!?)色は極薄。ファッション誌的な色合いが強い媒体です。  ただ、どこかムズムズ感をおぼえる、洒落臭い感じもあるんですよねぇ。“自然体な俺”を必死に演じてしまう不自然さにも似た、収まりの悪さでしょうか。「良き夫、良き父」推しをしながら、現実的な結婚生活や子育てにつきまとう所帯臭さを誌面からほぼ感じないあたりも、そうした不自然さを醸成してしまっている一因なのかもしれません。まあ、ある種の妄想ツールであるファッション誌という媒体に対して、無粋なことを言っているのは承知の上ですが。 ●オヤジギャグ的な脱力感があれば、まだ……。  ここでようやく、今回の特集に視点を戻すわけですが、特集の冒頭では、読者モデル諸氏が、自分の6~27年前の写真を開陳し、いまの姿と並べるコーナーが設定されています。要するに、新旧ファッション比較ということで、「前の自分はこんな感じで無理してましたけど、最近はイイ感じでヌケ感、わかっちゃってますよ?」みたいに笑いかけてくるんです。  いや、「無理しない」という言葉には共感します。でも、写真を見るにつけ、「昔も今も、方向性が違うだけでメチャメチャおしゃれじゃん」「つか『無理しない』と言いつつ、『無理しない(ヌケ感的な)』印象のファッションを、猛烈に気を配りながら着ているようにしか映らないわ」なんて思ってしまうのですね。わたくしのような、ファッションへの感度が低い人間からすると、「無理しないお洒落を励行するには、結局いろいろな無理を重ねなきゃいけないのかよ」と暗澹たる気分になってしまうのです。  たとえば、「昔の自分はダメダメでした。でも、○○したことによって、いまは成功しました」「私とアナタの違いは、○○したか、していないかの違いだけ」「元ダメ人間の私にできたのだから、アナタにもできる」みたいな論法は、仕事術系のビジネス書や自己啓発書にありがちなパターン。この論法のキモは、読者に対して「あ、それなら私にもできるそう」と思わせる、敷居の低さです。別にオーシャンズは自己啓発系ビジネス誌ではありませんが、「無理しない」にある種の癒やしやお手軽さを感じ取ってしまい、「これなら俺も着こなせるかも」とすがるような気持ちでこの特集を読んでしまうと、激しく裏切られてしまうかもしれません。「無理しない」ファッションって、なかなか高度で難しいですから。  そういえばオーシャンズって、2009年ごろまでは「男クサイル(男臭い+スタイル)」なんて微妙なキーワードをゴリゴリに押し出したりして、提案するファッションはいまと同じような方向性ながらも、もうちょっと茶目っ気というか、オヤジギャグ的な遊び心みたいなものが、特集タイトルや見出しから感じられたんですよ。『賢く、カッコよく、「大人のコロモ替え」の極意 夏先取りのイチOC!』(2009年6月号)とかね。ちなみにOCは「ON&CASUAL」の略とか(誌名の略称としても使われます)。  その他『“手ブラリアン”が狙うはローテクデイパ』(2009年8月号)とか、『タイドアップしてもクールでいたい! 「タイ涼族」におすすめの一本 そろそろ“重(おも)タイ”外して“主白(おもしろ)タイ』(同)とか、どこか憎めないような脱力感があったんです。個人的には、そのころのオーシャンズのほうが、最近のオーシャンズより好印象でございました。  「ガハハ、『男クサイル』って何だよ」と読者が笑顔でツッコめるくらいの距離感が、この雑誌にはちょうどいいような気がするんですけどね。 (文=漆原直行) ■おすすめ記事 ももクロ成功の秘訣 優れたITサービスは、先駆者のコピー&クローン? B787運航再開も安全は置き去り…事故原因未特定、訓練飛行中のトラブルも発覚! 生活保護法改正、申請拒絶の“水際作戦”助長と懸念の声続出 撤回求める緊急声明も 矢口真里と別居報道の中村昌也「アイツ全然料理つくらない。収入格差止まらない」 アドビ、クリエイティブ製品のパッケージ販売終了にどう対応?安価な別製品も豊富

【ぶっちゃけ発言】亀梨和也「君は、ほうきで掃かれたらいなくなるJr.」

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【ジャニーズ研究会より】

<ジャニーズ ぶっちゃけ発言>

――ジャニーズアイドルといえども、やっぱり一人の男。思わずポロリと漏らした発言から、彼らの素の顔が見えるかも!?

■今日の発言者
亀梨和也
(KAT-TUN)

「君は、ほうきで掃かれたらいなくなるJr.」

 主演映画『俺俺』の全国封切りを目前にしたKAT-TUN亀梨和也が、17日、『another sky-アナザースカイ-』(日本テレビ系)に出演した。毎回、ゲストが海外にある第2の故郷や憧れの地にロケに赴った映像を交えながら、人生そのものにリンクするトークを展開していくのがこの番組のコンセプト。フランス・パリを訪れた亀梨は、小路をバックに「コマネチ! バカ野郎!」というビートたけしのものまねをジェスチャー付きで披露。かっこつけ、尖がった男・亀梨が、唯一飾らずにすべてをさらけ出せる街がパリなのだと納得したワンシーンだ。

仲がいいから許される? 草なぎ剛、タモリをキモキャラ認定

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【ジャニーズ研究会より】

<アイドル誌チェック!!>

 「オリスタ」(オリコン・エンタテインメント)5月27日号では、読者500人が選ぶ「カワイイ男子RANKING 2013」を大発表! 2位の相葉雅紀(嵐)や3位の玉森裕太(Kis-My-Ft2)など、ベスト10圏内はほぼジャニーズタレントが独占しています。

 特集内の「最新エンタメでカワイイ男子を堪能!」では、錦戸亮(関ジャニ∞)主演の『県庁おもてなし課』など注目の映画情報なども紹介。今年はほかにも岡田准一(V6)出演の『図書館戦争』など話題作が多いのですが、現在公開中の脚本家の宮藤官九郎と草なぎ剛(SMAP)が意外なタッグを組んだ『中学生円山』も好評。

“卒業”から1年8カ月……松下唯が語るソロデビューまでの道のりとアニサマへの思い

yuimatsushita.jpg  名古屋・栄を拠点に活動する人気アイドルグループの1期生であり、月刊「サイゾー」の連載でもお馴染みだった二次元同好会【編註:同グループのアニメ・マンガ・ゲーム好きのメンバーによって結成された同好会】の初代会長としても活躍しながら、「足の病気の治療に専念したい」として、2011年9月30日に惜しまれつつも卒業した“ゆいみん”こと松下唯。そんな彼女が、卒業から約1年半の時を経て、念願のソロデビューを達成! 5月22日にリリースされるデビューシングル「Shooting Star」(徳間ジャパンコミュニケーションズ)に対する思いや、“ソロ歌手・松下唯”として活動していく今後の展望などについて聞いてきた。 ──まずはソロデビューおめでとうございます! 松下唯(以下、) ありがとうございます! 連載の収録ではお世話になりました。もう2年くらい前になりますかね……? ──そうですね。松下さんが卒業される半年前くらいに収録したので。当時から「ソロ歌手になりたい」という気持ちはあったんですか?  実はもともと前のグループに入った時から、「将来的にはソロのアニソン歌手になりたい」と思ってはいたんですよ。ただ、あいりん(古川愛李)も同じくアニソン歌手志望で、取材とかで将来の夢について聞かれた時に「答えが被っちゃうのはマズいかも」と思ったら、なかなか言い出せなくて……。 ──え? 古川さんは2期生ですよね? 後輩なんだしそこまで気を遣わなくても……。  いえ、気を遣っていたわけじゃないんです。あいりんはグループに入る前にアニソン歌手のオーディションを受けたりしていたし、入った当初から「アニソン歌手になりたいです」とはっきり口にしていて、そこで「私も~!」と被せるのは何か微妙じゃないですか(笑)。でも、ちょいちょい小出しにはしていたんですよ。「平野綾さんみたいになりたいです」とか言ってみたり。 ──平野綾さんが目標ということは、ゆくゆくは声優業にも進出を?  声優さんのお仕事もできたらいいなって思います。ただ、やっぱり一番の夢はアニソン歌手として活躍できるようになることで、平野綾さんに関しても声優よりアニソン歌手として目標にさせていただいているんですよ。あと、アニメ『Fate/Zero』(TOKYO MXほか)の主題歌などを歌われているLiSAさんも大好きで、あんな風にかっこいい曲調のアニソンが歌いこなせるようになりたくて。その思いをレコード会社のスタッフさんたちにお伝えして、作っていただいたのが「Shooting Star」なんです。 ──確かに「Shooting Star」は王道のアニソンサウンドで、いかにもアニメの主題歌に起用されていそうな感じですよね。拝聴して改めて思ったんですが、松下さんって見た目は物すごく華奢で、声も普段は可愛らしい感じなのに、歌声は太くてかっこいい。そのギャップが素敵です。  ありがとうございます。グループにいた頃から歌うとビックリされることが多くて、「Innocence」という曲でソロパートを歌った時も、メンバーやファンの方から「え、ゆいみんってこんな声出るの!?」って(笑)。私の普段のイメージでいうと、3曲目に収録されている「LOVE MONSTER」が一番近いかもしれないです。すごくポップな曲調なんですけど、レコーディングではキャラソン【編註:声優が演じているキャラクターに扮して歌っている曲】を意識して、もうノリノリで歌わせていただいたので。 ──「LOVE MONSTER」は歌詞も松下さんっぽいな……と思ったら、作詞をされているんですね。どうりで!  そうなんですよ! あらかじめ「おてんば娘みたいなイメージで」という設定をいただいてはいたんですけど、今まで作詞なんてしたことがなかったので、最初にマネージャーさんから「書いてみて」と言われた時は、「いやいや無理ですよ、ド素人ですよ!」って抵抗しちゃいました(笑)。それで始めてみたら、やっぱり難しくて。音とフレーズをきっちり合わせなきゃならないし、その中で伝えたいことを表現するには、どんな言い回しとか言葉を選んだらいいんだろうとか……ほんとに試行錯誤しながら書きましたね。でも、結果的にスタッフさんたちから「面白い!」とか「ライブで盛り上がりそうだね」と言っていただける曲に仕上がったので、頑張って良かったなと思います。 ──こうして松下さんがひとりの歌手としてスタートを切れたことは、今もグループに現在も在籍しているメンバーの皆さんにとっても、すごく励みになりそうですね。  そんな存在になれていたとしたら、とても嬉しいです。実は卒業してから、メンバーとはなんとなく連絡を取らなくなっちゃって、疎遠になっていた時期もあったんですけど、最近またLINEを通じて頻繁にやり取りするようになって。ソロデビューが発表になった時は、(松井)玲奈とか(斉藤)真木子とか、たくさんのメンバーが「おめでとう」とメッセージをくれたんです。(大矢)真那からも「私は唯ちゃんの歌がすごく好きだから、ソロデビューが決まって嬉しい!」とメールが届いたりして、私のほうこそ励みになりました。 ──まさに“持つべきものは友”ですね。では、最後に、今後の展望について教えてください。  まずはアニメのタイアップ曲を歌えるようになること。そして、一人前のアニソン歌手として認めていただけるようになったら、アニメロサマーライブ【編註:毎年夏に開催される世界最大級のアニソンライブイベント】の舞台に立ちたい──。今の私からしたら、大き過ぎる夢かもしれませんけど、「夢はでっかく!」と思って(笑)。実現できるように頑張ります! (構成/アボンヌ安田) ■松下唯(まつした・ゆい) 1988年、福岡県生まれ。2008年に、名古屋発の人気アイドルグループの1期生メンバーとしてデビュー。怪我をした足の治療に専念するため、11年に同グループを卒業。12年より、活動を再開した。 オフィシャルブログ『Yui♡Love』(http://ameblo.jp/rakudachan-y/「Shooting Star」 デビューシングルとなる今作は、初の作詞にも挑戦。身長150センチの小柄でかわいいゆみんとはギャップを感じさせる、アニソン調の楽曲と強い歌声をぜひ聴いてほしい。収録曲は、「Shooting Star」をはじめ、 「Rigel」「LOVE MONSTER」。 発売日:5月22日 価格:1269円 発売元:徳間ジャパンコミュニケーションズ

故・牧伸二さんに弟子の泉ピン子が線香一本上げに来ないワケとは

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『みんな悩んでる ピン子のツン
デレ人生相談』(光文社)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  ウクレレ漫談で一世を風靡した牧伸二さんが自宅近くの多摩川に身を投げて自殺を図ってから3週間が経過したが、弟子の泉ピン子がいまだに線香一本どころか、お悔やみの言葉さえ寄せていないという。一部マスコミによると、弟子時代に牧さんから受けた屈辱の日々を許せないからだというが、ピン子が女優になる前から知っている筆者にとっては、逆恨みとしか思えない。あらためて、ピン子の人間性を垣間見た気がした。  浪曲師を父に持ったピン子は、芸能界に憧れて高校を中退。三門マリ子という芸名で劇場の前座歌手をしている時に、ピン子の父親が役員を務め、牧さんが所属していた佐藤事務所に所属。牧さんの弟子になって、ギター漫談家としてデビューした。  漫談家としては売れなったが、その後、日本テレビの情報番組『ウィークエンダー』のリポーターとしてブレークしたことで独り立ち。その頃に筆者は取材でピン子と知り合った。ピン子は「雨の時でも傘を差すことが許されず、牧さんの荷物持ちをさせられた。ドサ回りで北海道のキャバレーに行った時は宿も用意されてなくて、キャバレーの楽屋に泊まらされた。夜な夜な、キャバレーの経営者が夜這いに来るんじゃないかと震えながら寝ていた。キャバレーのステージに立っても『ブス、引っ込め!』とヤジが飛び、料理を投げつけられた」と、筆者に屈辱の日々を語った。  しかし、後から知ったことだが、ピン子は親しくなったマスコミやテレビ関係者に同じような話をして、同情を買っていたようだ。ピン子に限らず、売れない時代は誰もがそれなりに苦労している。新人歌手が地方のキャバレーでキャンペーン中、酔客に罵声を浴びせられて泣いていた姿を、何度か目撃したことがある。  それを、牧さんにイジメられた、牧さんは何もしてくれなかったと恨んでいるとしたら、筋違いだ。当時の事務所のスタッフに聞くと、「牧さんは一度もピン子をイジメたことはない。人をイジメるような人ではない。かといって、人の面倒を見る人でもなかった。中学の1年後輩だった故・立川談志さんが『牧は徳がないからダメなんだ』と言ってましたが、そういう人なんです。ピン子の逆恨みですよ」という。  その後、ピン子は女優として遅咲きするや、売れない時代の反動か、ブランド品を買いあさり、贅沢三昧の生活。すべて事務所からの前借りだった。その額、なんと3億5000万円といわれた。事務所が「これ以上、貸せない」というと、借金を残したまま後ろ足で砂をかけるように独立。これには、牧さんも激怒したという。  「泉ピン子」という芸名は、牧さんが旅興行先で麻雀をやっている時に「顔がまんまるでイーピンにそっくりだから」ということで付けたのだが、佐藤事務所を辞めてからは芸名の由来が「父親が、ピンの芸人の一番になれと話したから」と変わっている。しかも雑誌のインタビューでは「自分にとって恩師は杉村春子先生」と語って、牧さんのまの字も出てこなかったという。  ピン子が独立した佐藤事務所はオーナーがやる気を失い、亡くなった後に解散した。一方、女優として開花したピン子は、TBSの人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の脚本家の橋田寿賀子さんや石井ふく子プロデューサーの威光を笠(かさ)に、共演者や新人女優イジメをしてきたのは有名な話だ。最近は、昨年秋に結婚した上戸彩とHIROを囲んで“結婚を祝う会”などを開いて、徳があるところを押し売りしているようだが、本質は変わっていない。過去にどんなことがあろうと、亡くなった師匠にお悔やみの一言も言えない人間はお里が知れている。  牧さんの自殺後、一部週刊誌が牧さんの愛人と隠し子の存在を報道したが、情報源は、牧さんの全盛時に、牧さんに散々たかっていた演芸評論家だという。牧さんの死については、会長を務めていた東京演芸協会の使途不明金が関係していると言われているが、死人に口なし。真相は定かではない。ピン子にしろ、演芸評論家にしても『渡る世間は鬼ばかり』ではないが、牧さんの周りが鬼ばかりだったことは確かなようだ。あらためて、牧さんに合掌! (文=本多圭)

故・牧伸二さんに弟子の泉ピン子が線香一本上げに来ないワケとは

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『みんな悩んでる ピン子のツン
デレ人生相談』(光文社)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  ウクレレ漫談で一世を風靡した牧伸二さんが自宅近くの多摩川に身を投げて自殺を図ってから3週間が経過したが、弟子の泉ピン子がいまだに線香一本どころか、お悔やみの言葉さえ寄せていないという。一部マスコミによると、弟子時代に牧さんから受けた屈辱の日々を許せないからだというが、ピン子が女優になる前から知っている筆者にとっては、逆恨みとしか思えない。あらためて、ピン子の人間性を垣間見た気がした。  浪曲師を父に持ったピン子は、芸能界に憧れて高校を中退。三門マリ子という芸名で劇場の前座歌手をしている時に、ピン子の父親が役員を務め、牧さんが所属していた佐藤事務所に所属。牧さんの弟子になって、ギター漫談家としてデビューした。  漫談家としては売れなったが、その後、日本テレビの情報番組『ウィークエンダー』のリポーターとしてブレークしたことで独り立ち。その頃に筆者は取材でピン子と知り合った。ピン子は「雨の時でも傘を差すことが許されず、牧さんの荷物持ちをさせられた。ドサ回りで北海道のキャバレーに行った時は宿も用意されてなくて、キャバレーの楽屋に泊まらされた。夜な夜な、キャバレーの経営者が夜這いに来るんじゃないかと震えながら寝ていた。キャバレーのステージに立っても『ブス、引っ込め!』とヤジが飛び、料理を投げつけられた」と、筆者に屈辱の日々を語った。  しかし、後から知ったことだが、ピン子は親しくなったマスコミやテレビ関係者に同じような話をして、同情を買っていたようだ。ピン子に限らず、売れない時代は誰もがそれなりに苦労している。新人歌手が地方のキャバレーでキャンペーン中、酔客に罵声を浴びせられて泣いていた姿を、何度か目撃したことがある。  それを、牧さんにイジメられた、牧さんは何もしてくれなかったと恨んでいるとしたら、筋違いだ。当時の事務所のスタッフに聞くと、「牧さんは一度もピン子をイジメたことはない。人をイジメるような人ではない。かといって、人の面倒を見る人でもなかった。中学の1年後輩だった故・立川談志さんが『牧は徳がないからダメなんだ』と言ってましたが、そういう人なんです。ピン子の逆恨みですよ」という。  その後、ピン子は女優として遅咲きするや、売れない時代の反動か、ブランド品を買いあさり、贅沢三昧の生活。すべて事務所からの前借りだった。その額、なんと3億5000万円といわれた。事務所が「これ以上、貸せない」というと、借金を残したまま後ろ足で砂をかけるように独立。これには、牧さんも激怒したという。  「泉ピン子」という芸名は、牧さんが旅興行先で麻雀をやっている時に「顔がまんまるでイーピンにそっくりだから」ということで付けたのだが、佐藤事務所を辞めてからは芸名の由来が「父親が、ピンの芸人の一番になれと話したから」と変わっている。しかも雑誌のインタビューでは「自分にとって恩師は杉村春子先生」と語って、牧さんのまの字も出てこなかったという。  ピン子が独立した佐藤事務所はオーナーがやる気を失い、亡くなった後に解散した。一方、女優として開花したピン子は、TBSの人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の脚本家の橋田寿賀子さんや石井ふく子プロデューサーの威光を笠(かさ)に、共演者や新人女優イジメをしてきたのは有名な話だ。最近は、昨年秋に結婚した上戸彩とHIROを囲んで“結婚を祝う会”などを開いて、徳があるところを押し売りしているようだが、本質は変わっていない。過去にどんなことがあろうと、亡くなった師匠にお悔やみの一言も言えない人間はお里が知れている。  牧さんの自殺後、一部週刊誌が牧さんの愛人と隠し子の存在を報道したが、情報源は、牧さんの全盛時に、牧さんに散々たかっていた演芸評論家だという。牧さんの死については、会長を務めていた東京演芸協会の使途不明金が関係していると言われているが、死人に口なし。真相は定かではない。ピン子にしろ、演芸評論家にしても『渡る世間は鬼ばかり』ではないが、牧さんの周りが鬼ばかりだったことは確かなようだ。あらためて、牧さんに合掌! (文=本多圭)

故・牧伸二さんに弟子の泉ピン子が線香一本上げに来ないワケとは

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『みんな悩んでる ピン子のツン
デレ人生相談』(光文社)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  ウクレレ漫談で一世を風靡した牧伸二さんが自宅近くの多摩川に身を投げて自殺を図ってから3週間が経過したが、弟子の泉ピン子がいまだに線香一本どころか、お悔やみの言葉さえ寄せていないという。一部マスコミによると、弟子時代に牧さんから受けた屈辱の日々を許せないからだというが、ピン子が女優になる前から知っている筆者にとっては、逆恨みとしか思えない。あらためて、ピン子の人間性を垣間見た気がした。  浪曲師を父に持ったピン子は、芸能界に憧れて高校を中退。三門マリ子という芸名で劇場の前座歌手をしている時に、ピン子の父親が役員を務め、牧さんが所属していた佐藤事務所に所属。牧さんの弟子になって、ギター漫談家としてデビューした。  漫談家としては売れなったが、その後、日本テレビの情報番組『ウィークエンダー』のリポーターとしてブレークしたことで独り立ち。その頃に筆者は取材でピン子と知り合った。ピン子は「雨の時でも傘を差すことが許されず、牧さんの荷物持ちをさせられた。ドサ回りで北海道のキャバレーに行った時は宿も用意されてなくて、キャバレーの楽屋に泊まらされた。夜な夜な、キャバレーの経営者が夜這いに来るんじゃないかと震えながら寝ていた。キャバレーのステージに立っても『ブス、引っ込め!』とヤジが飛び、料理を投げつけられた」と、筆者に屈辱の日々を語った。  しかし、後から知ったことだが、ピン子は親しくなったマスコミやテレビ関係者に同じような話をして、同情を買っていたようだ。ピン子に限らず、売れない時代は誰もがそれなりに苦労している。新人歌手が地方のキャバレーでキャンペーン中、酔客に罵声を浴びせられて泣いていた姿を、何度か目撃したことがある。  それを、牧さんにイジメられた、牧さんは何もしてくれなかったと恨んでいるとしたら、筋違いだ。当時の事務所のスタッフに聞くと、「牧さんは一度もピン子をイジメたことはない。人をイジメるような人ではない。かといって、人の面倒を見る人でもなかった。中学の1年後輩だった故・立川談志さんが『牧は徳がないからダメなんだ』と言ってましたが、そういう人なんです。ピン子の逆恨みですよ」という。  その後、ピン子は女優として遅咲きするや、売れない時代の反動か、ブランド品を買いあさり、贅沢三昧の生活。すべて事務所からの前借りだった。その額、なんと3億5000万円といわれた。事務所が「これ以上、貸せない」というと、借金を残したまま後ろ足で砂をかけるように独立。これには、牧さんも激怒したという。  「泉ピン子」という芸名は、牧さんが旅興行先で麻雀をやっている時に「顔がまんまるでイーピンにそっくりだから」ということで付けたのだが、佐藤事務所を辞めてからは芸名の由来が「父親が、ピンの芸人の一番になれと話したから」と変わっている。しかも雑誌のインタビューでは「自分にとって恩師は杉村春子先生」と語って、牧さんのまの字も出てこなかったという。  ピン子が独立した佐藤事務所はオーナーがやる気を失い、亡くなった後に解散した。一方、女優として開花したピン子は、TBSの人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の脚本家の橋田寿賀子さんや石井ふく子プロデューサーの威光を笠(かさ)に、共演者や新人女優イジメをしてきたのは有名な話だ。最近は、昨年秋に結婚した上戸彩とHIROを囲んで“結婚を祝う会”などを開いて、徳があるところを押し売りしているようだが、本質は変わっていない。過去にどんなことがあろうと、亡くなった師匠にお悔やみの一言も言えない人間はお里が知れている。  牧さんの自殺後、一部週刊誌が牧さんの愛人と隠し子の存在を報道したが、情報源は、牧さんの全盛時に、牧さんに散々たかっていた演芸評論家だという。牧さんの死については、会長を務めていた東京演芸協会の使途不明金が関係していると言われているが、死人に口なし。真相は定かではない。ピン子にしろ、演芸評論家にしても『渡る世間は鬼ばかり』ではないが、牧さんの周りが鬼ばかりだったことは確かなようだ。あらためて、牧さんに合掌! (文=本多圭)

故・牧伸二さんに弟子の泉ピン子が線香一本上げに来ないワケとは

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『みんな悩んでる ピン子のツン
デレ人生相談』(光文社)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  ウクレレ漫談で一世を風靡した牧伸二さんが自宅近くの多摩川に身を投げて自殺を図ってから3週間が経過したが、弟子の泉ピン子がいまだに線香一本どころか、お悔やみの言葉さえ寄せていないという。一部マスコミによると、弟子時代に牧さんから受けた屈辱の日々を許せないからだというが、ピン子が女優になる前から知っている筆者にとっては、逆恨みとしか思えない。あらためて、ピン子の人間性を垣間見た気がした。  浪曲師を父に持ったピン子は、芸能界に憧れて高校を中退。三門マリ子という芸名で劇場の前座歌手をしている時に、ピン子の父親が役員を務め、牧さんが所属していた佐藤事務所に所属。牧さんの弟子になって、ギター漫談家としてデビューした。  漫談家としては売れなったが、その後、日本テレビの情報番組『ウィークエンダー』のリポーターとしてブレークしたことで独り立ち。その頃に筆者は取材でピン子と知り合った。ピン子は「雨の時でも傘を差すことが許されず、牧さんの荷物持ちをさせられた。ドサ回りで北海道のキャバレーに行った時は宿も用意されてなくて、キャバレーの楽屋に泊まらされた。夜な夜な、キャバレーの経営者が夜這いに来るんじゃないかと震えながら寝ていた。キャバレーのステージに立っても『ブス、引っ込め!』とヤジが飛び、料理を投げつけられた」と、筆者に屈辱の日々を語った。  しかし、後から知ったことだが、ピン子は親しくなったマスコミやテレビ関係者に同じような話をして、同情を買っていたようだ。ピン子に限らず、売れない時代は誰もがそれなりに苦労している。新人歌手が地方のキャバレーでキャンペーン中、酔客に罵声を浴びせられて泣いていた姿を、何度か目撃したことがある。  それを、牧さんにイジメられた、牧さんは何もしてくれなかったと恨んでいるとしたら、筋違いだ。当時の事務所のスタッフに聞くと、「牧さんは一度もピン子をイジメたことはない。人をイジメるような人ではない。かといって、人の面倒を見る人でもなかった。中学の1年後輩だった故・立川談志さんが『牧は徳がないからダメなんだ』と言ってましたが、そういう人なんです。ピン子の逆恨みですよ」という。  その後、ピン子は女優として遅咲きするや、売れない時代の反動か、ブランド品を買いあさり、贅沢三昧の生活。すべて事務所からの前借りだった。その額、なんと3億5000万円といわれた。事務所が「これ以上、貸せない」というと、借金を残したまま後ろ足で砂をかけるように独立。これには、牧さんも激怒したという。  「泉ピン子」という芸名は、牧さんが旅興行先で麻雀をやっている時に「顔がまんまるでイーピンにそっくりだから」ということで付けたのだが、佐藤事務所を辞めてからは芸名の由来が「父親が、ピンの芸人の一番になれと話したから」と変わっている。しかも雑誌のインタビューでは「自分にとって恩師は杉村春子先生」と語って、牧さんのまの字も出てこなかったという。  ピン子が独立した佐藤事務所はオーナーがやる気を失い、亡くなった後に解散した。一方、女優として開花したピン子は、TBSの人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の脚本家の橋田寿賀子さんや石井ふく子プロデューサーの威光を笠(かさ)に、共演者や新人女優イジメをしてきたのは有名な話だ。最近は、昨年秋に結婚した上戸彩とHIROを囲んで“結婚を祝う会”などを開いて、徳があるところを押し売りしているようだが、本質は変わっていない。過去にどんなことがあろうと、亡くなった師匠にお悔やみの一言も言えない人間はお里が知れている。  牧さんの自殺後、一部週刊誌が牧さんの愛人と隠し子の存在を報道したが、情報源は、牧さんの全盛時に、牧さんに散々たかっていた演芸評論家だという。牧さんの死については、会長を務めていた東京演芸協会の使途不明金が関係していると言われているが、死人に口なし。真相は定かではない。ピン子にしろ、演芸評論家にしても『渡る世間は鬼ばかり』ではないが、牧さんの周りが鬼ばかりだったことは確かなようだ。あらためて、牧さんに合掌! (文=本多圭)